特許第5722400号(P5722400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722400
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】主軸を有する工作機械の制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   G05B19/18 X
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-172453(P2013-172453)
(22)【出願日】2013年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-41274(P2015-41274A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2014年9月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 大輔
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−105209(JP,A)
【文献】 特許第4098748(JP,B2)
【文献】 特許第3644129(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18 − 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り軸を駆動する送り軸モータと、第1の主軸を駆動する第1の主軸モータと、第2の主軸を駆動する第2の主軸モータとを有する工作機械の制御装置であって、
交流電源側の交流電力と直流側であるDCリンクの直流電力とを相互電力変換する順変換器と、
前記DCリンクに接続され、前記DCリンクの直流電力と送り軸モータの駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する送り軸モータ用逆変換器と、
前記DCリンクに接続され、前記DCリンクの直流電力と第1の主軸モータおよび第2の主軸モータのそれぞれの駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する第1の主軸モータ用逆変換器および第2の主軸モータ用逆変換器と、
前記順変換器の交流電源側の停電発生の有無を検出する停電検出手段と、
前記DCリンクにおける直流電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記停電検出手段から停電が発生したことを示す通知受信したとき、送り軸モータが減速するよう前記送り軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する指令を出力する送り軸モータ用指令手段と、
前記停電検出手段から前記通知受信したとき、前記電圧検出手段が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータが加減速するよう前記第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令と、第2の主軸モータへの駆動電力を遮断するよう前記第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する動力遮断指令と、を出力する主軸モータ用指令手段と、
を備えることを特徴とする工作機械の制御装置。
【請求項2】
第1の主軸と第2の主軸とが連結されて協動する連結状態にあることあるいは連結されずに独立して動作する非連結状態にあることを示す状態信号を受信する状態信号受信手段をさらに備え、
前記主軸モータ用指令手段は、
前記状態信号が前記連結状態を示す場合において前記停電検出手段が停電を検出したときは、前記第1の主軸モータ用逆変換器に対しては前記第1の主軸モータ用加減速指令を、前記第2の主軸モータ用逆変換器に対しては前記動力遮断指令を、それぞれ出力し、
前記状態信号が前記非連結状態を示す場合において前記停電検出手段が停電を検出したときは、前記第1の主軸モータ用逆変換器に対しては前記第1の主軸モータ用加減速指令を、前記第2の主軸モータ用逆変換器に対しては前記動力遮断指令に代えて前記電圧検出手段が検出した直流電圧値に応じて第2の主軸モータが加減速するよう前記第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用加減速指令を、それぞれ出力する請求項1に記載の工作機械の制御装置。
【請求項3】
前記主軸モータ用指令手段は、前記停電検出手段が停電を検出したとき、前記第1の主軸モータ用加減速指令として、前記電圧検出手段が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第1の主軸モータが加速するよう前記第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する加速指令を、前記電圧検出手段が検出した直流電圧値が前記所定の上限値よりも小さい所定の下限値より小さい場合は第1の主軸モータが減速するよう前記第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する減速指令を、出力する請求項1または2に記載の工作機械の制御装置。
【請求項4】
前記主軸モータ用指令手段は、前記状態信号が前記非連結状態を示す場合において前記停電検出手段が停電を検出したとき、前記第2の主軸モータ用加減速指令として、前記電圧検出手段が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第2の主軸モータが加速するよう前記第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する加速指令を、前記電圧検出手段が検出した直流電圧値が前記所定の上限値よりも小さい所定の下限値より小さい場合は第2の主軸モータが減速するよう前記第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する減速指令を、出力する請求項2に記載の工作機械の制御装置。
【請求項5】
前記主軸モータ用指令手段は、送り軸モータならびに第1の主軸モータおよび第2の主軸モータに対する動作指令を出力する数値制御部内に設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置。
【請求項6】
前記主軸モータ用指令手段は、前記第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用逆変換器制御部内、および前記第2の主軸モータ用逆変換器の各相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用逆変換器制御部内、にそれぞれ設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置。
【請求項7】
前記状態信号受信手段は、送り軸モータならびに第1の主軸モータおよび第2の主軸モータに対する動作指令を出力する数値制御部内に設けられる請求項2または4に記載の工作機械の制御装置。
【請求項8】
前記停電検出手段が停電を検出したときに、前記送り軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する送り軸モータ用逆変換器制御部、前記第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用逆変換器制御部、および前記第2の主軸モータ用逆変換器の各相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用逆変換器制御部へ、駆動電力を供給する電源バックアップ手段をさらに備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送り軸を駆動する送り軸モータと主軸を駆動する主軸モータとを有する工作機械の制御装置に関し、特に、把持したワークを介して2つの主軸の動作が同期する工作機械の停電時保護を実現する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送り軸モータと主軸モータとを有する工作機械において、主軸モータは、例えばワークやツール(各種工具)が取り付けられた主軸を駆動するための駆動源として用いられ、送り軸モータは、例えば主軸を移動させる送り軸を駆動するための駆動源として用いられることが多い。このような工作機械におけるモータ制御装置においては、交流入力側から入力された交流電力を直流電力に一旦変換したのちさらに交流電力に変換し、この交流電力を駆動軸ごとに設けられたモータの駆動電力として用いている。このような工作機械においては、モータ制御装置の主回路として、三相交流入力電源のある交流電源側から供給された交流電力を変換(整流)して直流電力を出力する順変換器と、順変換器の直流側であるDCリンク(直流リンク)に接続され、DCリンクの直流電力とモータの駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する逆変換器と、を備える。制御装置により、各逆変換器からの交流出力を所望の電圧および所望の周波数に制御することで、各逆変換器の交流側に接続された主軸モータおよび送り軸モータそれぞれの速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御する。
【0003】
逆変換器は、複数の駆動軸(送り軸および主軸)をそれぞれ駆動するモータごとに設けられる。逆変換器は、省エネルギー化の要求から、モータ減速時に生じる回生電力をDCリンクに設けられた蓄電装置に蓄積してモータの駆動電力として再利用したり、さらに交流電源側に戻したりするため、電源回生可能なものが多く用いられている。
【0004】
また、順変換器についても、逆変換器の場合同様、省エネルギー化の要求から、モータ減速時に生じる回生エネルギーを交流電源側に戻すことができる電源回生可能なものが用いられることがある。
【0005】
モータ制御装置の順変換器の交流電源側で停電が発生した場合、上述のモータ制御装置においては送り軸モータおよび主軸モータの正常な運転を継続することができなくなる。この場合、送り軸の衝突により、モータ、当該モータを駆動するモータ制御装置、当該モータ制御装置が駆動するモータに接続されたツール、当該ツールの加工対象であるワーク、当該モータ制御装置を有する製造ラインなどが、破損したり変形するなどといった何らかの障害が生じる可能性がある。
【0006】
交流電源側の停電発生による送り軸の衝突を防止するためには、送り軸を駆動する送り軸モータの動作をできるだけ早く停止させる必要がある。そのため、整流器の交流電源側に停電判定手段を設けて交流電源側の停電発生の有無を監視し、停電発生時には送り軸モータに減速指令を与えて停止させ、上記障害を回避するかもしくは最小限に抑えることで、送り軸モータによって移動させている主軸および、そこに接続されたツール、または、当該ツールの加工対象であるワークなどを保護する保護動作が行われている。制御装置のコンピュータ部の電源が無停電電源装置(UPS)等でバックアップされていれば、交流電源側に停電が発生したとしても、当該制御装置は非常時にとるべき動作を送り軸モータ用逆変換器に対して指令することは可能であり、順変換器に設けられているキャパシタ内に蓄積されていた電荷によって送り軸モータ用逆変換器をしばらくの間は動作させることができ、送り軸モータを緊急停止させることができる。
【0007】
しかしながら、交流電源側の停電の検知に連動して送り軸モータに減速指令を与えて緊急停止させると、停電発生時は回生電力を交流電源側へ戻すことができなくなり、その結果、順変換器と逆変換器との間のDCリンクにおける直流電圧が上昇してしまう。特にモータの回生電力が大きい場合にはこれが顕著である。このため、通常、逆変換器は、その直流側であるDCリンクにおける直流電圧が上昇しすぎると逆変換器自体を保護するため「過電圧アラーム」を発行し、制御を放棄することが行われる。
【0008】
また、送り軸モータの特性や、送り軸モータが駆動する送り軸が受ける摩擦の状況によっては、送り軸モータを減速させる場合であっても送り軸モータ用逆変換器から駆動電力を送り軸モータへ供給し続ける必要がある場合がある。すなわち、この場合は、送り軸モータの減速時であっても、送り軸モータに回生電力が発生しないので送り軸モータ用逆変換器はDCリンクにエネルギーを供給せず、逆に、送り軸モータ用逆変換器はDCリンクの直流電力を交流電力に変換して送り軸モータに供給する。このような状況で、交流電源側で停電が発生し、上述のような緊急停止のための減速指令を与えると、DCリンクの直流電圧が急速に低下する。通常、逆変換器は、その直流側であるDCリンクにおける直流電圧が低下しすぎると駆動用の電力を供給できなくなるため「低電圧アラーム」を発行し、制御を放棄することが行われる。
【0009】
このような送り軸モータの減速によるDCリンクの直流電圧の変動によって発生する「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生を回避するため、DCリンクにおける直流電圧を監視し、この直流電圧が上昇したら、DCリンクにおける直流電圧の上昇の原因であるDCリンクにおける直流電力の上昇分を、主軸モータを加速して消費させることで、直流電圧の上昇を抑制し、一方、DCリンクにおける直流電圧が下降したら、DCリンクにおける直流電圧の低下の原因であるDCリンクにおける直流電力の減少分を、主軸モータを減速することで生じる回生電力で補うことで、DCリンクにおける直流電力の低下を抑制することが行われることがある。以下、このような停電時においてDCリンクにおける直流電圧値に応じて主軸モータを加減速させることでDCリンクにおける直流電力の変動を抑制する動作を「停電バックアップ動作」という。このような停電バックアップ動作により、交流電源側の停電発生時において、送り軸の衝突を防止するために送り軸を駆動する送り軸モータの動作を急速に停止させても、DCリンクにおける直流電圧値の変動を抑制することができるので、「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生を回避することができる。
【0010】
また、複数の主軸を有し、そのうちの2つの主軸によって1つのワークを把持する工作機械においては、当該2つの主軸は、把持したワークを介して連結された状態になり協働する。この場合、モータ制御装置の順変換器の交流電源側で停電が発生すると、把持したワークにより保たれていた2主軸間の同期関係が崩れて各主軸は独立して減速しながら停止することになるので、ワークがねじれて破損したり変形するなどといった障害が生じる可能性がある。
【0011】
このようなワークのねじれを回避するために、ワークの把持により2つの主軸が連結している工作機械において、交流電源側で停電が発生した時には、ワークを把持していた一方の主軸のチャックを緩め、ワークを他方の主軸のみで把持した状態でこれら2つの主軸を減速させ、ワークがねじれないように主軸を停止させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−105209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
複数の主軸を有し、そのうちの2つの主軸によって1つのワークを把持する工作機械において、把持したワークを介して連結された状態になり協働するこれら2つの主軸について上述の停電バックアップ動作を適用した場合、交流電源側の停電発生前(すなわち正常時)には把持したワークを介して2つの主軸は同期して同期関係が保たれるものの、停電が発生すると、2つの主軸はそれぞれ独自に停電バックアップ動作を行うことになる。2つの主軸間でそれぞれ独自に停電バックアップ動作が行われることにより主軸モータの加減速動作の状況が相違することとなり、把持したワークにより保たれていた2主軸間の同期関係が崩れて、ワークがねじれて破損したり変形するなどといった障害が生じてしまう問題がある。
【0014】
このような停電バックアップ動作が適用される工作機械におけるワークのねじれを回避するために、上述の特許文献1に記載された発明をさらに適用するも考えられるが、停電発生時に一方の主軸のチャックを緩める動作自体は瞬時に完了させなければならず、これを実現する機械的機構は複雑なものとなる。また、停電発生時には停電バックアップ動作と一方の主軸のチャックを緩める動作の両方を行う制御を行わなければならず、制御系についても複雑なものとならざるを得ない。
【0015】
したがって本発明の目的は、上記問題に鑑み、送り軸を駆動する送り軸モータと、ワークを把持する主軸を駆動する主軸モータとを有する工作機械において、交流電源側の停電発生時に、送り軸モータを確実に早期停止しかつ主軸により把持されたワークの破損を防ぐことができる工作機械の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を実現するために、本発明においては、送り軸を駆動する送り軸モータと、第1の主軸を駆動する第1の主軸モータと、第2の主軸を駆動する第2の主軸モータとを有する工作機械の制御装置は、交流電源側の交流電力と直流側であるDCリンクの直流電力とを相互電力変換する順変換器と、DCリンクに接続され、DCリンクの直流電力と送り軸モータの駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する送り軸モータ用逆変換器と、DCリンクに接続され、DCリンクの直流電力と第1の主軸モータおよび第2の主軸モータのそれぞれの駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する第1の主軸モータ用逆変換器および第2の主軸モータ用逆変換器と、順変換器の交流電源側の停電発生の有無を検出する停電検出手段と、DCリンクにおける直流電圧値を検出する電圧検出手段と、停電検出手段が停電を検出したとき、送り軸モータが減速するよう送り軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する指令を出力する送り軸モータ用指令手段と、停電検出手段が停電を検出したとき、電圧検出手段が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータが加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令と、第2の主軸モータへの駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する動力遮断指令と、を出力する主軸モータ用指令手段と、を備える。
【0017】
工作機械の制御装置は、第1の主軸と第2の主軸とが連結されて協動する連結状態にあることあるいは連結されずに独立して動作する非連結状態にあることを示す状態信号を受信する状態信号受信手段をさらに備えてもよく、ここで、主軸モータ用指令手段は、状態信号が連結状態を示す場合において停電検出手段が停電を検出したときは、第1の主軸モータ用逆変換器に対しては第1の主軸モータ用加減速指令を、第2の主軸モータ用逆変換器に対しては動力遮断指令を、それぞれ出力し、状態信号が非連結状態を示す場合において停電検出手段が停電を検出したときは、第1の主軸モータ用逆変換器に対しては第1の主軸モータ用加減速指令を、第2の主軸モータ用逆変換器に対しては動力遮断指令に代えて電圧検出手段が検出した直流電圧値に応じて第2の主軸モータが加減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用加減速指令を、それぞれ出力するようにしてもよい。
【0018】
また、主軸モータ用指令手段は、停電検出手段が停電を検出したとき、第1の主軸モータ用加減速指令として、電圧検出手段が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第1の主軸モータが加速するよう第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する加速指令を、電圧検出手段が検出した直流電圧値が上記所定の上限値よりも小さい所定の下限値より小さい場合は第1の主軸モータが減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する減速指令を、出力するようにしてもよい。
【0019】
また、主軸モータ用指令手段は、状態信号が非連結状態を示す場合において停電検出手段が停電を検出したとき、第2の主軸モータ用加減速指令として、電圧検出手段が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第2の主軸モータが加速するよう第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する加速指令を、電圧検出手段が検出した直流電圧値が上記所定の上限値よりも小さい所定の下限値より小さい場合は第2の主軸モータが減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する減速指令を、出力するようにしてもよい。
【0020】
また、主軸モータ用指令手段は、送り軸モータならびに第1の主軸モータおよび第2の主軸モータに対する動作指令を出力する数値制御部内に設けられてもよい。
【0021】
また、主軸モータ用指令手段は、第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用逆変換器制御部内、および第2の主軸モータ用逆変換器の各相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用逆変換器制御部内、にそれぞれ設けられてもよい。
【0022】
また、状態信号受信手段は、送り軸モータならびに第1の主軸モータおよび第2の主軸モータに対する動作指令を出力する数値制御部内に設けられてもよい。
【0023】
また、停電検出手段が停電を検出したときに、送り軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する送り軸モータ用逆変換器制御部、第1の主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用逆変換器制御部、および第2の主軸モータ用逆変換器の各相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用逆変換器制御部へ、駆動電力を供給する電源バックアップ手段をさらに備えもてよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、送り軸を駆動する送り軸モータと、ワークを把持する主軸を駆動する主軸モータとを有する工作機械において、交流電源側の停電発生時に、送り軸モータを確実に早期停止することができるとともに、複数の主軸のうちの2つの主軸によって把持されたワークの破損を回避することができる。交流電源側の停電発生時に送り軸モータを確実に早期停止することができるので、交流電源側の停電発生時における送り軸の衝突を回避することもできる。
【0025】
本発明の第1の実施例によれば、ワークを把持する第1の主軸および第2の主軸を有する工作機械において、交流電源側の停電発生時において、第1の主軸を駆動する第1の主軸モータについては停電ックアップ動作を行い、第2の主軸を駆動する第2の主軸モータについては動力を遮断することにより、動力が遮断されて無動力状態となる第2の主軸モータに接続された第2の主軸は、第1の主軸モータの停電バックアップ動作に従って駆動される第1の主軸と協動するので、第1の主軸と第2の主軸で把持されたワークがねじれることはない。また、送り軸の衝突を防止するために送り軸を駆動する送り軸モータを緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動を第1の主軸モータについての停電バックアップ動作により抑制することができ、したがって、「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生を回避することができる。
【0026】
また、本発明の第2の実施例によれば、交流電源側での停電発生時の動作として、第1の主軸および第2の主軸が連結状態にある場合は、第1の主軸モータについては停電バックアップ動作を実行するとともに第2の主軸モータについては動力を遮断し、第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にある場合は、第1の主軸モータおよび第2の主軸モータの両方について停電バックアップ動作を実行するので、送り軸の衝突を防止するために送り軸を駆動する送り軸モータ2を緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動をより迅速に抑制することができるので、送り軸モータ2をさらに急速に停止させることができ、したがって、「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置における動作フローを示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置の変形例を示すブロック図である。
図4】本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置を示すブロック図である。
図5】本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置における動作フローを示すフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置を示すブロック図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは、特に言及する場合を除き、同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。
【0029】
本発明の第1の実施例によれば、送り軸を駆動する送り軸モータ2と主軸を駆動する主軸モータ3−1および3−2とを有する工作機械の制御装置1は、順変換器11と、送り軸モータ用逆変換器12と、第1の主軸モータ用逆変換器13−1と、第2の主軸モータ用逆変換器13−2と、停電検出手段14と、電圧検出手段15と、制御手段としての数値制御部(CNC)16と、電源バックアップ手段17と、通信手段としての通信バス18と、送り軸モータ用指令手段21と、主軸モータ用指令手段22と、を備える。本発明の第1の実施例では、送り軸モータ用指令手段21および主軸モータ用指令手段22は、数値制御部16内に設けられる。なお、図示された送り軸モータ2の個数は一例であって、送り軸モータ2の個数自体は本発明を特に限定するものではない。また、主軸モータ3−1および2については、図示された例では2個であるが、2以上の個数であってもよい。
【0030】
順変換器11と送り軸モータ用逆変換器12と第1の主軸モータ用逆変換器13−1と第2の主軸モータ用逆変換器13−2とは、DCリンクを介して接続される。また、通信手段である通信バス18は、順変換器11内に設けられる順変換器制御部11Cと、送り軸モータ用逆変換器12内に設けられる送り軸モータ用逆変換器制御部12Cと、第1の主軸モータ用逆変換器13−1内に設けられる第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1と、第2の主軸モータ用逆変換器13−2内に設けられる第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2と、数値制御部16と、を相互に通信可能に接続する機能を有する。なお、本実施例では、通信バス18のような有線方式で通信手段を実現するが、その代替例として、電波や赤外線を用いた無線方式で通信手段を実現してもよい。
【0031】
順変換器11は、力行時には商用三相の交流電源4より供給された交流電力を整流して直流電力を出力し、回生時にはモータで回生された回生エネルギーをDCリンクを介して交流電源4側に回生することができる整流器である。すなわち、順変換器11は、商用三相交流電源4側の交流電圧と直流側であるDCリンクにおける直流電圧とを相互電力変換するものである。順変換器11の例としては、120度通電型整流回路、あるいはPWM制御方式の整流回路などがある。
【0032】
送り軸モータ用逆変換器12は、例えばPWMインバータなどのような、内部にスイッチング素子を有する変換回路(図示せず)とこれを制御する送り軸モータ用逆変換器制御部12Cとで構成される。送り軸モータ用逆変換器12内の送り軸モータ用逆変換器制御部12Cは、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、DCリンク側から供給される直流電力を送り軸モータ2を駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。送り軸モータ2は、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作することになる。また、送り軸モータ用逆変換器制御部12Cは、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、送り軸モータ2の減速時に発生した回生電力である交流電力を直流電力へ変換してDCリンクへ戻す。このように、送り軸モータ用逆変換器12は、DCリンクにおける直流電力と送り軸モータ2の駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する。
【0033】
第1の主軸モータ用逆変換器13−1は、例えばPWMインバータなどのような、内部にスイッチング素子を有する変換回路(図示せず)とこれを制御する第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1とで構成される。第1の主軸モータ用逆変換器13−1内の第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、DCリンク側から供給される直流電力を第1の主軸モータ3−1を駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。第1の主軸モータ3−1は、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作することになる。また、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第1の主軸モータ3−1の減速時に発生した回生電力である交流電力を直流電力へ変換してDCリンクへ戻す。このように、第1の主軸モータ用逆変換器13−1は、DCリンクにおける直流電力と第1の主軸モータ3−1の駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する。
【0034】
同様に、第2の主軸モータ用逆変換器13−2は、例えばPWMインバータなどのような、内部にスイッチング素子を有する変換回路(図示せず)とこれを制御する第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2とで構成される。第2の主軸モータ用逆変換器13−2内の第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、DCリンク側から供給される直流電力を第2の主軸モータ3−2を駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。第2の主軸モータ3−2は、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作することになる。また、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、数値制御部16から通信バス18を介して受信したモータ駆動指令に基づき、変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第2の主軸モータ3−2の減速時に発生した回生電力である交流電力を直流電力へ変換してDCリンクへ戻す。このように、第2の主軸モータ用逆変換器13−2は、DCリンクにおける直流電力と第2の主軸モータ3−2の駆動電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する。
【0035】
第1の主軸モータ3−1が駆動する主軸および第2の主軸モータ3−2が駆動する主軸には、ワーク41を把持するためのチャッカ31−1および31−2がそれぞれ設けられる。ワーク41は、チャッカ31−1および31−2で挟み込まれたうえで締め付けられることでチャッカ31−1および31−2に把持される。チャッカ31−1および31−2によりワーク41が把持されると、第1の主軸と第2の主軸とはワーク41を介して連結されて協動する連結状態となる。
【0036】
停電検出手段14は、例えば順変換器制御部11C内に設けられ、順変換器11の交流電源4側の停電発生の有無を検出する。停電検出手段14による停電発生の有無の検出は、順変換器11の交流電源4側の交流電圧値、交流電流値もしくは交流周波数の変動を用いて公知の方法で実現すればよい。順変換器制御部11Cは、停電検出手段14による停電発生の有無についての検出結果を、通信バス18を介して送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2および数値制御部16に通知する。
【0037】
電圧検出手段15は、数値制御部16内に設けられ、DCリンクにおける直流電圧値を検出する。その代替例として、電圧検出手段15を、送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、もしくは第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内に設けてもよく、この場合は、検出したDCリンクにおける直流電圧値を通信バス18を介して数値制御部16に通知するようにすればよい。
【0038】
数値制御部16は、送り軸モータ2、第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2を当該工作機械に適した所望の回転速度や回転トルクで回転させあるいは回転子の位置を制御するべく、送り軸モータ用逆変換器12、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御するためのモータ駆動指令を作成し、これを出力するものである。すなわち、数値制御部16は、送り軸モータ2、第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2の回転速度や回転子の位置についてのフィードバック制御(場合によってはフィードフォワード制御も含む)と、送り軸モータ2、第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2が有する各種モータ定数、モータイナーシャおよびモータ摩擦、ならびに送り軸モータ2が駆動する送り軸ならびに第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2が駆動する各主軸のイナーシャや摩擦などの各パラメータと、を用いて、工作機械の動作プログラムに従い、各モータごとのモータ駆動指令を作成する。作成されたモータ駆動指令は、通信バス18を介して、送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ通知される。送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、受信したモータ駆動指令に従い、送り軸モータ用逆変換器12、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子をそれぞれスイッチング動作させ、送り軸モータ用逆変換器12、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する。このように、数値制御部16は、送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する。
【0039】
数値制御部16は、交流電源4側で停電が発生していない正常時においてワーク41を加工する際は、チャッカ31−1および31−2が把持したワーク41がねじれないよう、チャッカ31−1が設けられた第1の主軸を駆動する第1の主軸モータ3−1とチャッカ31−2が設けられた第2の主軸を駆動する第2の主軸モータ3−2とを同期回転させるモータ駆動指令を作成する。作成されたモータ駆動指令は、通信バス18を介して、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へそれぞれ通知される。このモータ駆動指令に基づき、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、DCリンクにおける直流電力を、第1の主軸モータ3−1と第2の主軸モータ3−2とが同期回転するための交流の駆動電力に変換し、出力する。
【0040】
また、本発明の第1の実施例では、数値制御部16は、送り軸モータ用指令手段21および主軸モータ用指令手段22を有する。
【0041】
数値制御部16内の送り軸モータ用指令手段21は、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、送り軸モータ2が減速するよう送り軸モータ用逆変換器12による相互電力変換を制御するための送り軸モータ減速指令を作成する。作成された送り軸モータ減速指令は、通信バス18を介して送り軸モータ用逆変換器制御部12Cへ出力される。送り軸モータ用逆変換器制御部12Cは、送り軸モータ減速指令を受信したら、送り軸モータ2が減速トルクを発生させるように送り軸モータ用逆変換器12の変換回路内部のスイッチング素子を制御する。このように、停電検出手段14が停電を検出したときは、送り軸モータ用指令手段21は、送り軸モータを減速させる相互電力変換を実行するよう送り軸モータ用逆変換器12に対して指令することで、送り軸モータ2は減速したのち停止することになる。
【0042】
数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令と、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令と、を作成する。すなわち、主軸モータ用指令手段22は、停電検出手段14が停電を検出したとき、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1を加減速させる相互電力変換を実行するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対して指令し、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断する相互電力変換を実行するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対して指令する。
【0043】
第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対する指令である第1の主軸モータ用加減速指令についてより具体的に説明すると次の通りである。すなわち、主軸モータ用指令手段22は、停電検出手段14が停電を検出したとき、第1の主軸モータ用加減速指令として、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第1の主軸モータ3−1が加速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する加速指令を、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が所定の下限値より小さい場合は第1の主軸モータ3−1が減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する減速指令を、作成する。ここで、上記所定の下限値は、上記所定の上限値よりも小さい値である。なお、さらなる変形例として、主軸モータ用指令手段22については、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が上記所定の下限値以上であって上記所定の上限値以下である場合には、現在の速度を維持するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する指令を作成し、通信バス18を介して第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1へ出力するようにしてもよい。この場合、直流電圧が上昇、下降しない間は、主軸速度が保たれるように制御が行われる。
【0044】
第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、主軸モータ用指令手段22により作成された第1の主軸モータ用加減速指令を通信バス18を介して受信すると、「停電バックアップ動作」を実行する。具体的には次の通りである。すなわち、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、第1の主軸モータ用加減速指令として減速指令を受信したら、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第1の主軸モータ3−1が減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する。これにより、第1の主軸モータ3−1の減速により発生した回生電力である交流電力は、第1の主軸モータ用逆変換器13−1により直流電力へ変換されてDCリンクへ戻され、その結果、DCリンクにおける直流電圧値が上昇する。また、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、第1の主軸モータ用加減速指令として加速指令を受信したら、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第1の主軸モータ3−1が加速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する。これにより、DCリンクにおける直流電力は、第1の主軸モータ用逆変換器13−1により交流電力へ変換されて第1の主軸モータ3−1へ供給され、その結果、DCリンクにおける直流電圧値が下降する。このように第1の主軸モータ3−1については停電バックアップ動作を実行してDCリンクにおける直流電力を制御することにより、交流電源4側の停電発生時において、送り軸の衝突を防止するために送り軸を駆動する送り軸モータ2を緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動を抑制することができ、したがって、「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生を回避することができる。
【0045】
一方、主軸モータ用指令手段22により作成された動力遮断指令は、通信バス18を介して第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ出力される。第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、動力遮断指令を受信したら、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子のスイッチング動作を停止する。これにより、DCリンクにおける直流電力を交流電力に変換する変換動作は停止され、第2の主軸モータ3−2への駆動電力が遮断される。この結果、第2の主軸モータ3−2は無動力状態になるが、第2の主軸モータ3−2に接続された第2の主軸は、把持したワーク41を介して第1の主軸と連結されているので、上述した第1の主軸モータ3−1の停電バックアップ動作に従って駆動される第1の主軸の動きに連動して回転することになる。このように、動力が遮断されて無動力状態にある第2の主軸モータ3−2に接続された第2の主軸は、第1の主軸モータ3−1の停電バックアップ動作に従って駆動される第1の主軸と協動するので、第1の主軸に設けられたチャッカ31−1と第2の主軸に設けられたチャッカ31−2とで把持されたワーク41がねじれることはなく、したがって交流電源4側で停電が発生して第1の主軸モータ3−1で停電バックアップ動作を行ってもワークの破損を回避することができる。
【0046】
なお、本実施例では、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対しては停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対しては動力遮断動作を実行したが、停電発生時の動作を第1の主軸モータ用逆変換器13−1と第2の主軸モータ用逆変換器13−2とで入れ替えて実行してもよい。交流電源4側での停電発生時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定は、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16内において、その制御プログラムにおいて予め規定しておけばよい。
【0047】
次に、電源バックアップ手段17について説明する。
【0048】
送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2および数値制御部16は、交流電源4側で停電が発生していない正常時は順変換器11の商用三相の交流電源4から動作のための電力の供給を制御電源ラインを通じて受けることになる。しかしながら、順変換器11の交流電源4側で停電が発生するとその電力供給を受けることができなくなるので、送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2および数値制御部16の上述の動作を実現するために、停電検出手段14が停電を検出したときにおいても数値制御部16を動作させるための電力を送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2および数値制御部16へ供給するための電源バックアップ手段17が設けられる。電源バックアップ手段17は、例えば、交流電源4側の交流電力を整流することにより得られた直流電力を蓄えるコンデンサもしくは蓄電装置などで構成され、常時適切な電圧に充電されており、交流電源4側の停電発生時には上記制御電源ラインを介して送り軸モータ用逆変換器制御部12C、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2および数値制御部16に電力を供給する。
【0049】
図2は、本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置における動作フローを示すフローチャートである。以下、図1に示す例においてワーク41を加工する際に交流電源4側で停電が発生した場合の制御装置1の動作について説明する。
【0050】
まず、ステップS101において、交流電源4側での停電発生時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定を、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16内において、その制御プログラム上において規定しておく。図1に示す例では一例として、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1については停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2については動力遮断動作を実行するよう、制御プログラムを規定する。このような設定は、例えば、数値制御部16に接続されたキーボードもしくはマウスおよびディスプレイなどの入出力装置を介して第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の設定を数値制御部16内の制御プログラムに入力することで実現してもよく、あるいは、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の設定を外部のコンピュータ上において制御プログラムを編集し、この制御プログラムを数値制御部16にインストールすることで実現してもよい。
【0051】
次いで、ステップS102において、順変換器11内の停電検出手段14は、順変換器11の交流電源4側の停電発生の有無を検出する。停電検出手段14は、順変換器11の交流電源4側で停電が発生したことを、通信バス18を介して数値制御部16に通知する。ステップS102において停電検出手段14が停電発生を検出するとステップS103へ進む。一方、ステップS102において停電検出手段14が停電発生を検出しない場合(すなわち正常時)は、チャッカ31−1および31−2が把持したワーク41がねじれないよう、チャッカ31−1が設けられた第1の主軸を駆動する第1の主軸モータ3−1とチャッカ31−2が設けられた第2の主軸を駆動する第2の主軸モータ3−2とを同期回転させるモータ駆動指令を作成する。正常時に作成されたモータ駆動指令は、通信バス18を介して、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へそれぞれ通知される。
【0052】
ステップS103において、数値制御部16内の送り軸用モータ指令手段21は、送り軸モータ2が減速するよう送り軸モータ用逆変換器12による相互電力変換を制御するための送り軸モータ減速指令を作成する。作成された送り軸モータ減速指令は、通信バス18を介して送り軸モータ用逆変換器制御部12Cへ通知される。送り軸モータ用逆変換器制御部12Cは、送り軸モータ減速指令を受信したら、送り軸モータ2が減速トルクを発生させるように送り軸モータ用逆変換器12の変換回路内部のスイッチング素子を制御する。これにより、送り軸モータ2は減速したのち停止することになる。
【0053】
ステップS104において、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、ステップS101で規定した主軸モータへの駆動電力を遮断するよう、当該主軸モータに対応する主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。本実施例では、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。作成された動力遮断指令は、通信バス18を介して第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ出力される。第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、動力遮断指令を受信したら、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子のスイッチング動作を停止する。これにより、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換動作は停止され、第2の主軸モータ3−2への駆動電力が遮断される。この結果、第2の主軸モータ3−2は無動力状態になる。
【0054】
ステップS105において、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じてステップS101で規定された主軸モータを加減速させる相互電力変換を実行するよう、当該主軸モータに対応する主軸モータ用逆変換器を制御する停電バックアップ動作のための加減速指令を作成する。本実施例では、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1を加減速させる相互電力変換を実行するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令を作成する。作成された第1の主軸モータ用加減速指令は、通信バス18を介して第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1へ出力される。第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、第1の主軸モータ用加減速指令を受信したら、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する。これにより、第1の主軸モータ3−1は、停電バックアップ動作を実行する。ステップS104において無動力状態になった第2の主軸モータ3−2に接続された第2の主軸は、把持したワーク41を介して第1の主軸と連結されているので、第1の主軸モータ3−1の停電バックアップ動作に従って駆動される第1の主軸の動きに連動して回転することになる。
【0055】
図3は、本発明の第1の実施例による工作機械の制御装置の変形例を示すブロック図である。図1および図2を参照して説明した本発明の第1の実施例では、主軸モータ用指令手段22は数値制御部16内に設けられるとしたが、この変形例として、図3に示すように、第1の主軸モータ用指令手段22−1を第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1内に、第2の主軸モータ用指令手段22−2を第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内に、それぞれ設けてもよい。この場合、交流電源4側での停電発生時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定を、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16において、その制御プログラム上において予め規定しておき、その設定内容を、第1の主軸モータ用指令手段22−1および第2の主軸モータ用指令手段22−2に通信バス18を介して通知しておく。例えば、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対しては停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対しては動力遮断動作を実行すると規定した場合、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1内の第1の主軸モータ用指令手段22−1は、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、電圧検出手段15が検出し通信バス18を介して受信した直流電圧値に応じて、第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する第1の主軸モータ加減速指令を作成する。また、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内の第2の主軸モータ用指令手段22−2は、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。なお、これ以外の構成要素の動作については、図1を参照して説明した第1の実施例の場合と同様であるので説明は省略する。
【0056】
図4は、本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置を示すブロック図である。
【0057】
本発明の第2の実施例は、上述の第1の実施例においてさらに状態信号受信手段23を備えたものである。上述したように、ワーク41は、第1の主軸に設けられたチャッカ31−1と第2の主軸に設けられたチャッカ31−2とで挟み込まれたうえで締め付けられることでチャッカ31−1および31−2に把持されると、第1の主軸と第2の主軸とはワーク41を介して連結されて協動する連結状態となる。一方、第1の主軸に設けられたチャッカ31−1と第2の主軸に設けられたチャッカ31−2とでワーク41が把持されていない場合は、第1の主軸と第2の主軸とは連結されずに独立して動作する非連結状態となる。本発明の第2の実施例では、第1の主軸および第2の主軸が連結状態にある場合は、第1の実施例の場合同様、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1については停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2については動力遮断動作を実行する。また、第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にある場合は、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の両方について停電バックアップ動作を実行する。このように第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にある場合に交流電源4側での停電発生時の動作として第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の両方について停電バックアップ動作を実行するのは、第1の主軸と第2の主軸とは連結されておらずそれぞれ独立に動作可能であるので、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の両方について停電バックアップ動作を実行することで、送り軸モータ2を緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動をより迅速に抑制することができるので、送り軸モータ2をさらに急速に停止させることができるからである。
【0058】
図4に示すように、本発明の第2の実施例によれば、送り軸を駆動する送り軸モータ2と主軸を駆動する主軸モータ3−1および3−2とを有する工作機械の制御装置1は、順変換器11と、送り軸モータ用逆変換器12と、第1の主軸モータ用逆変換器13−1と、第2の主軸モータ用逆変換器13−2と、停電検出手段14と、電圧検出手段15と、制御手段としての数値制御部(CNC)16と、電源バックアップ手段17と、通信手段としての通信バス18と、送り軸モータ用指令手段21と、主軸モータ用指令手段22と、状態信号受信手段23と、を備える。本発明の第2の実施例では、送り軸モータ用指令手段21、主軸モータ用指令手段22および状態信号受信手段23は、数値制御部16内に設けられる。
【0059】
状態信号受信手段23は、第1の主軸と第2の主軸とがワークを介して連結されて協動する連結状態にあるか、あるいは第1の主軸と第2の主軸とが連結されずに独立して動作する非連結状態にあるかを示す状態信号を受信する。状態信号受信手段23による状態信号の受信方法としては、例えば、数値制御部16内で規定された工作機械の動作プログラムにおいて、チャッカ31−1および31−2によるワーク41の把持を実行するプログラム文の後に、第1の主軸と第2の主軸とが連結状態にあることを示す状態信号を作成するプログラム文を挿入し、当該動作プログラムが動作することにより状態信号を発生させてこれを状態信号受信手段23にて受信する方法がある。またあるいは、第1の主軸に設けられたチャッカ31−1および第2の主軸に設けられたチャッカ31−2にワーク41の把持を検出するセンサを設け、このセンサから出力される状態信号を状態信号受信手段23にて受信する方法がある。
【0060】
数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が連結状態を示す場合において、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令と、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令と、を作成する。すなわち、主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が連結状態を示す場合において停電検出手段14が停電を検出したとき、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1を加減速させる相互電力変換を実行するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対して指令し、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断する相互電力変換を実行するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対して指令する。
【0061】
また、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が非連結状態を示す場合において、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令と、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第2の主軸モータ3−2が加減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用加減速指令と、を作成する。
【0062】
このように本発明の第2の実施例では、第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対しては、主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が連結状態を示す場合において停電検出手段14が停電を検出したときは、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指を出力し、状態信号受信手段23が受信した状態信号が非連結状態を示す場合において停電検出手段14が停電を検出したときは、状態信号が連結状態を示す場合に指令していた動力遮断指令に代えて、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第2の主軸モータ3−2を加減速させる相互電力変換を実行するよう第2の主軸モータ用加減速指令を出力する。一方、第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対しては、主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が連結状態もしくは非連結状態を示す場合のいずれにおいても停電検出手段14が停電を検出したときは、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令を出力する。
【0063】
第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対する指令である第2の主軸モータ用加減速指令は、上述の第1の実施例において説明した第1の主軸モータ用加減速指令と同様の原理にて生成される。すなわち、主軸モータ用指令手段22は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が非連結状態を示す場合において停電検出手段14が停電を検出したとき、第2の主軸モータ用加減速指令として、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が所定の上限値より大きい場合は第2の主軸モータ3−2が加速するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する加速指令を、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が所定の下限値より小さい場合は第2の主軸モータ3−2が減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する減速指令を、作成する。ここで、上記所定の下限値は、上記所定の上限値よりも小さい値である。なお、さらなる変形例として、主軸モータ用指令手段22については、電圧検出手段15が検出した直流電圧値が上記所定の下限値以上であって上記所定の上限値以下である場合には、現在の速度を維持するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する指令を作成し、通信バス18を介して第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ出力するようにしてもよい。この場合、直流電圧が上昇、下降しない間は、主軸速度が保たれるように制御が行われる。
【0064】
第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、主軸モータ用指令手段22により作成された第1の主軸モータ用加減速指令を通信バス18を介して受信すると、上述の第1の実施例の場合同様、「停電バックアップ動作」を実行する。一方、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、主軸モータ用指令手段22により作成された動力遮断指令を受信したら第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子のスイッチング動作を停止して第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断し、主軸モータ用指令手段22により作成された第2の主軸モータ用加減速指令を通信バス18を介して受信したら、「停電バックアップ動作」を実行する。
【0065】
このように本発明の第2の実施例では、第1の主軸および第2の主軸が連結状態にある場合は、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1については停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2については動力遮断動作を実行する。また、第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にある場合は、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2の両方について停電バックアップ動作を実行する。このように第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にある場合に交流電源4側での停電発生時の動作として第1の主軸モータ3−1および第2の主軸3−2の両方について停電バックアップ動作を実行することにより、送り軸モータ2を緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動をより迅速に抑制することができるので、送り軸モータ2をさらに急速に停止させることができ、「過電圧アラーム」および「低電圧アラーム」の発生をより一層確実に回避することができる。
【0066】
なお、本実施例では、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対しては停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対しては動力遮断動作を実行したが、停電発生時の動作を第1の主軸モータ用逆変換器13−1と第2の主軸モータ用逆変換器13−2とで入れ替えて実行してもよい。交流電源4側での停電発生時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定は、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16内において、その制御プログラムにおいて予め規定しておけばよい。
【0067】
本発明の第2の実施例については、上述の構成要素以外の構成要素については、第1の実施例の場合と同様であるので説明は省略する。
【0068】
図5は、本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置における動作フローを示すフローチャートである。以下、図4に示す例においてワーク41を加工する際に交流電源4側で停電が発生した場合の制御装置1の動作について説明する。
【0069】
まず、ステップS201において、第1の主軸と第2の主軸とが連結状態にある場合において交流電源4側で停電が発生した時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定を、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16において、その制御プログラム上において規定しておく。例えば、数値制御部16に接続されたキーボードもしくはマウスおよびディスプレイなどの入出力装置を介して第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の設定を数値制御部16内の制御プログラムに入力するようにしてもよく、あるいは、第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の設定を外部のコンピュータ上において制御プログラムを直接編集する形で規定し、この制御プログラムを数値制御部16にインストールするようにしてもよい。図4に示す例では一例として、交流電源4側での停電発生時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1については停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2については動力遮断動作を実行するよう、制御プログラムを規定する。
【0070】
次いで、ステップS202において、状態信号受信手段23は、第1の主軸と第2の主軸とがワークを介して連結されて協動する連結状態にあるかあるいは第1の主軸と第2の主軸とが連結されずに独立して動作する非連結状態にあるかを示す状態信号を受信する。
【0071】
ステップS203では、順変換器11内の停電検出手段14は、順変換器11の交流電源4側の停電発生の有無を検出する。停電検出手段14は、順変換器11の交流電源4側で停電が発生したことを、通信バス18を介して数値制御部16に通知する。ステップS203において停電検出手段14が停電発生を検出するとステップS204へ進む。一方、ステップS203において停電検出手段14が停電発生を検出しない場合(すなわち正常時)は、チャッカ31−1および31−2が把持したワーク41がねじれないよう、チャッカ31−1が設けられた第1の主軸を駆動する第1の主軸モータ3−1とチャッカ31−2が設けられた第2の主軸を駆動する第2の主軸モータ3−2とを同期回転させるモータ駆動指令を作成する。正常時に作成されたモータ駆動指令は、通信バス18を介して、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へそれぞれ通知される。
【0072】
ステップS204において、数値制御部16内の送り軸用モータ指令手段21は、送り軸モータ2が減速するよう送り軸モータ用逆変換器12による相互電力変換を制御するための送り軸モータ減速指令を作成する。作成された送り軸モータ減速指令は、通信バス18を介して送り軸モータ用逆変換器制御部12Cへ通知される。送り軸モータ用逆変換器制御部12Cは、送り軸モータ減速指令を受信したら、送り軸モータ2が減速トルクを発生させるように送り軸モータ用逆変換器12の変換回路内部のスイッチング素子を制御する。これにより、送り軸モータ2は減速したのち停止することになる。
【0073】
ステップS205では、数値制御部16は、状態信号受信手段23が受信した状態信号が、第1の主軸と第2の主軸とが連結状態にあることを示すか非連結状態にあることを示すか判定する。連結状態にあることを示す場合にはステップS206へ進み、非連結状態にあることを示す場合にはステップS208へ進む。
【0074】
ステップS206において、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、ステップS201で規定された主軸モータへの駆動電力を遮断するよう、当該主軸モータに対応する主軸モータ用逆変換器の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。本実施例では、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。作成された動力遮断指令は、通信バス18を介して第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ出力される。第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、動力遮断指令を受信したら、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子のスイッチング動作を停止する。これにより、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換動作は停止され、第2の主軸モータ3−2への駆動電力が遮断される。この結果、第2の主軸モータ3−2は無動力状態になる。
【0075】
ステップS207において、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じてステップS201で規定した主軸モータを加減速させる相互電力変換を実行するよう、当該主軸モータに対応する主軸モータ用逆変換器を制御する停電バックアップ動作のための加減速指令を作成する。本実施例では、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1を加減速させる相互電力変換を実行するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令を作成する。作成された第1の主軸モータ用加減速指令は、通信バス18を介して第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1へ出力される。第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、第1の主軸モータ用加減速指令を受信したら、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する。これにより、第1の主軸モータ3−1は、停電バックアップ動作を実行する。ステップS206において無動力状態になった第2の主軸モータ3−2に接続された第2の主軸は、把持したワーク41を介して第1の主軸と連結されているので、第1の主軸モータ3−1の停電バックアップ動作に従って駆動される第1の主軸の動きに連動して回転することになる。
【0076】
一方、ステップS208では、数値制御部16内の主軸モータ用指令手段22は、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じてステップS201で規定した主軸モータを加減速させる相互電力変換を実行するよう、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の相互電力変換を制御する第1の主軸モータ用加減速指令および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する第2の主軸モータ用加減速指令を作成する。作成された第1の主軸モータ用加減速指令は通信バス18を介して第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1へ出力され、第2の主軸モータ用加減速指令は通信バス18を介して第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2へ出力され、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1は、第1の主軸モータ用加減速指令を受信したら、第1の主軸モータ用逆変換器13−1の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する。これと同様に、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2は、第2の主軸モータ用加減速指令を受信したら、第2の主軸モータ用逆変換器13−2の変換回路内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、電圧検出手段15が検出した直流電圧値に応じて第2の主軸モータ3−2が加減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2による相互電力変換を制御する。これにより、第1の主軸モータ3−1および第2の主軸モータ3−2の両方が、停電バックアップ動作を実行する。第1の主軸および第2の主軸が非連結状態にあるのでワーク41のねじれは発生し得ず、交流電源4側での停電発生時の動作として第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の両方について停電バックアップ動作を実行することで、送り軸モータ2を緊急停止させる際に生じるDCリンクにおける直流電圧値の変動をより迅速に抑制することができるので、送り軸モータ2をさらに急速に停止させることができる。
【0077】
図6は、本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置の変形例を示すブロック図である。図4および図5を参照して説明した本発明の第2の実施例では主軸モータ用指令手段22は数値制御部16内に設けられるとしたが、本発明の第2の実施例についても、その変形例として、上述の第1の実施例の変形例と同様、図6に示すように、第1の主軸モータ用指令手段22−1を第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1内に、第2の主軸モータ用指令手段22−2を第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内に、それぞれ設けてもよい。この場合、第1の主軸と第2の主軸とが連結状態にある場合において交流電源4側で停電が発生した時における第1の主軸モータ用逆変換器13−1および第2の主軸モータ用逆変換器13−2の各動作として停電バックアップ動作と動力遮断動作とのどちらを実行するかについての設定を、第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1および第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2に対する上位制御手段としての役割を有する数値制御部16において、その制御プログラム上において予め規定しておき、その設定内容を、第1の主軸モータ用指令手段22−1および第2の主軸モータ用指令手段22−2に通信バス18を介して通知しておく。また、状態信号受信手段23が受信した状態信号についても、逐次、通信バス18を介して第1の主軸モータ用指令手段22−1および第2の主軸モータ用指令手段22−2へ転送するようにする。
【0078】
本発明の第2の実施例による工作機械の制御装置の変形例の動作について、例えば、第1の主軸と第2の主軸とが連結状態にある場合において交流電源4側で停電が発生した時の動作として、第1の主軸モータ用逆変換器13−1に対しては停電バックアップ動作を実行し、第2の主軸モータ用逆変換器13−2に対しては動力遮断動作を実行すると規定した場合について説明すると次の通りである。
【0079】
第1の主軸モータ用逆変換器制御部13C−1内の第1の主軸モータ用指令手段22−1は、通信バス18を介して受信した状態信号が連結状態もしくは非連結状態を示す場合のいずれにおいても、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したときは、電圧検出手段15が検出し通信バス18を介して受信した直流電圧値に応じて、第1の主軸モータ3−1が加減速するよう第1の主軸モータ用逆変換器13−1による相互電力変換を制御する第1の主軸モータ加減速指令を作成する。
【0080】
また、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内の第2の主軸モータ用指令手段22−2は、通信バス18を介して受信した状態信号が連結状態を示す場合において、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したときは、第2の主軸モータ3−2への駆動電力を遮断するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2の相互電力変換を制御する動力遮断指令を作成する。一方、第2の主軸モータ用逆変換器制御部13C−2内の第2の主軸モータ用指令手段22−2は、通信バス18を介して受信した状態信号が非連結状態を示す場合において、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したときは、電圧検出手段15が検出し通信バス18を介して受信した直流電圧値に応じて、第2の主軸モータ3−2が加減速するよう第2の主軸モータ用逆変換器13−2による相互電力変換を制御する第2の主軸モータ加減速指令を作成する。
【0081】
本発明の第2の実施例の変形例については、上述の構成要素以外の構成要素の動作は、図4を参照して説明した第2の実施例の場合と同様であるので説明は省略する。
【0082】
なお、上述の第1および第2の実施例ならびにこれらの変形例について、さらなる変形例として、送り軸モータ用指令手段21を送り軸モータ用逆変換器制御部12C内に設けるようにしてもよい。この場合は、送り軸モータ用逆変換器制御部12C内の送り軸モータ用指令手段21は、交流電源4側で停電が発生したことを示す通知を通信バス18を介して停電検出手段14から受信したとき、送り軸モータ2が減速するよう送り軸モータ用逆変換器12による相互電力変換を制御するための送り軸モータ減速指令を作成する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、送り軸を駆動する送り軸モータと主軸を駆動する主軸モータとを有し、把持したワークを介して2つの主軸の動作が同期する工作機械において、交流電源側から供給された交流を直流に変換して出力したのちさらにモータ駆動のための交流に変換して送り軸モータおよび主軸モータへ供給し駆動する工作機械の制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 制御装置
2 送り軸モータ
3−1 第1の主軸モータ
3−2 第2の主軸モータ
4 交流電源
11 順変換器
12 送り軸モータ用逆変換器
12C 送り軸モータ用逆変換器制御部
13−1 第1の主軸モータ用逆変換器
13C−1 第1の主軸モータ用逆変換器制御部
13−2 第2の主軸モータ用逆変換器
13C−2 第2の主軸モータ用逆変換器制御部
14 停電検出手段
15 電圧検出手段
16 数値制御部(CNC)
17 電源バックアップ手段
18 通信バス
21 送り軸モータ用指令手段
22 主軸モータ用指令手段
22−1 第1の主軸モータ用指令手段
22−2 第2の主軸モータ用指令手段
23 状態信号受信手段
31−1、31−2 チャッカ
41 ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6