特許第5722415号(P5722415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722415自動完成質疑語提供システム、検索システム、自動完成質疑語提供方法並びに記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722415
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】自動完成質疑語提供システム、検索システム、自動完成質疑語提供方法並びに記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   G06F17/30 340B
   G06F17/30 320C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-245861(P2013-245861)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-106982(P2014-106982A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2013年11月28日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0136112
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513300820
【氏名又は名称】イーストソフト コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ESTsoft Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】ソン クンヨン
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−108795(JP,A)
【文献】 特開2011−209999(JP,A)
【文献】 特開2005−267638(JP,A)
【文献】 特表2009−505221(JP,A)
【文献】 特表2009−506429(JP,A)
【文献】 平手 勇宇,キーワード型検索エンジンにおける修正キーワード候補提示アルゴリズム,第2回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム−DEIM 2010−論文集,日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会,2010年 5月25日,1−8ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともユーザが入力した質疑語に対して誤打校正を行い、正打候補語を提示する誤打校正エンジンを含む検索システムに自動完成質疑語を提供する自動完成質疑語提供システムであって、
少なくともユーザが検索を要請したユーザ入力質疑語が格納される検索ログDBと;
前記検索ログDBから前記自動完成質疑語として提供する少なくとも1つ以上のキーワードを含む推薦語リストを生成する自動完成推薦語リスト生成部と、
ユーザが前記誤打校正エンジンを用いて提示された正打候補語を選択した場合、ユーザが入力した誤打質疑語及びユーザが選択した前記正打候補語が格納される誤打校正ログDBと、
前記誤打校正ログDBを読み取り、前記推薦語リストに含まれた特定キーワードが前記誤打質疑語として入力された回数及び前記特定キーワードが前記正打候補語として選択された回数を比較することによって、前記特定キーワードの正打確率値を計算する正打確率計算部と、
前記正打確率値によって前記特定キーワードを正打質疑語として選定した後、前記誤打校正ログDBを読み取り、前記特定キーワードに対応する誤打質疑語を抽出することによって、前記特定キーワードに対する誤打質疑語リストを生成する誤打質疑語リスト生成部と、
前記自動完成推薦語リスト及び前記誤打質疑語リストに基づいて、前記特定キーワードに対する前記正打質疑語の索引情報及び前記誤打質疑語の索引情報を生成し、質疑語索引DBに記録する質疑語索引部と、
前記質疑語索引DBを照会し、前記検索システムに入力された質疑語と連関された少なくとも1つ以上の自動完成質疑語を生成する自動完成質疑語生成部と;を備える自動完成質疑語提供システム。
【請求項2】
前記質疑語索引DBに記録された前記特定キーワードに対する前記正打質疑語索引情報及び前記誤打質疑語索引情報は、前記正打質疑語及び前記誤打質疑語それぞれに対して字素単位、音素単位、音節単位またはサフィックスによって索引された文字順列データであることを特徴とする請求項1に記載の自動完成質疑語提供システム。
【請求項3】
前記正打確率値は、次の式によって計算されることを特徴とする請求項1に記載の自動完成質疑語提供システム。
P(キーワード)=Min{1、C(キーワード)/W(キーワード)}
ここで、P(質疑語)は、特定キーワードの正打確率値を意味し、関数Min{1、A}は、数字“1”及び“A”のうち最小値を結果値として有し、C(キーワード)は、特定キーワードが正打候補語として出現した回数を意味し、W(キーワード)は、特定キーワードが誤打質疑語として出現した回数を意味する。
【請求項4】
前記誤打質疑語リスト生成部は、前記特定キーワードの前記正打確率値が基準値以上である場合を正打質疑語として選定することを特徴とする請求項1に記載の自動完成質疑語提供システム。
【請求項5】
請求項1に記載の自動完成質疑語提供システムを含む検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの検索キーワードの入力状況に応じて自動完成質疑語を提供する自動完成質疑語提供システム、検索システム、自動完成質疑語提供方法並びに及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発達及び普及の増加に伴い、インターネットを利用した多様なサービスが提供されているが、そのうち代表的な例が検索サービスと言える。このような検索サービスは、ユーザが検索しようとする単語または単語の組合を質疑語として入力すれば、検索エンジンが入力された質疑語に相当する検索結果文書(例えば、ユーザから入力された検索質疑語を含むウェブサイト、記事、または当該検索質疑語を含むファイル名を有するイメージなど)をユーザに提供するサービスを意味する。
【0003】
検索サービスは、次第にユーザの便宜を極大化する方向に改善しているが、ユーザが適合な質疑語を入力した場合、それに満足するに足りる検索結果を提示することは勿論であり、ユーザが不適合な質疑語を入力した場合にも、ユーザを満足させることができる適切な検索結果を提供することができるように開発されている。特に、検索サービスの利用者層が拡大しつつ適切な質疑語に対する十分な背景知識のないユーザが増加するに伴い、ユーザに適切なクエリーを案内することができる多様な検索サービスが開発されている。
【0004】
最近の検索ウェブサイトは、例えば、“galaxy”を捜そうとする場合、図1に示されたように、ユーザが検索サイトが提供する検索画面10の質疑語入力窓12にキーワードを入力する中に“gal”だけを入力しても、検索エンジンが“galaxys 4”、“galaxy note 3”、“galaxy s4 active”、“gallstones”などのような多様な検索クエリーを提示することによって、ユーザが提示された検索クエリーのうちいずれか1つを選択して検索することができるように誘導する。したがって、ユーザは、自動完成質疑語提示窓16に提示された多様な検索クエリーのうち1つを選択した後、検索ボタン14をクリックすることによって、簡便に検索を進行することができる。
【0005】
一方、ユーザが頻繁に違う誤字脱字を質疑語として入力した場合、検索システムは、実際に入力された誤字脱字質疑語に基づいて検索を行い、その結果をユーザに提供するので、ユーザは、自分が所望した検索結果を獲得しない。例えば、図2に示されたように、ユーザが元々正字である“galaxy”の代わりに誤字脱字である“gall”と誤って入力する場合、検索エンジンは、誤字脱字を区分しないので、ユーザが入力した“gall”という質疑語と共通された文字列を有する“gallbladder”、“gallstones”、“galleria mall”、“galls”などのように誤字脱字がそのまま反映された検索クエリーのみを提示するようになる。したがって、ユーザが検索エンジンが誤って提示した検索クエリーのうち1つを選択して検索を進行する場合、満足するに足りる結果を得にくいし、結局、検索質疑語をさらに入力するしかないので、検索サービスを利用するユーザの不便をもたらすようになり、これは、結局、検索サービスの満足度及び信頼度の低下につながる問題点がある。
【0006】
このような問題を解決するために、従来の検索サイトは、ユーザが入力した質疑語に対して誤打校正エンジンを用いて誤字脱字を校正するサービスを提供することがある。従来の誤打校正エンジンは、あらかじめ構築された辞書データベースを用いて、ユーザが入力を終えた後、検索を要請した質疑語に対して辞書データベースと比較し、正打質疑語を提示する方式で提供される。したがって、従来の誤打校正エンジンを含む検索サイトは、例えば、ユーザが“gallaxy”と入力を終えた場合、図1のような検索クエリーを提供する一方で、例えば、“もし捜したいことが‘ギャラクシー’ですか?”という文具を表示し、ユーザに正打質疑語を提案することがある。
【0007】
しかし、従来の誤打校正エンジンは、あらかじめ構築された辞書データベースに基づくものなので、正打質疑語が提示される検索クエリーは、非常に制限的であり、しかも、時々刻々要請される多様なユーザ質疑語を充実に反映しないと共に、誤打校正エンジンが提示する正打質疑語が必ず辞書的な意味で正打質疑語である確率も非常に低い。さらに、ユーザが入力した任意の質疑語に対してリアルタイムで誤打校正を行う場合には、サーバー負荷が加重される。また、誤打校正エンジンを用いてユーザが正打質疑語をさらに検索する場合には、図2のような多様な自動完成検索語を提示しないので、仕方なくユーザが正打質疑語をさらにた入力しなければならない煩雑がある。すなわち、従来の検索サイトは、ユーザが入力した誤字脱字をそのまま反映した推薦語のみを提供するようになり、したがって、ユーザは、入力している質疑語が完成されたクエリーではないため、誤字脱字であるか否かを把握することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した従来の検索システムの問題点を解決するためのものであって、その目的は、ユーザが任意の質疑語を入力する中にそれと連関された検索語を自動で完成させて提示することができると同時に、ユーザが誤字脱字を入力しても、正打質疑語に対して自動完成された質疑語を提供することができる自動完成質の語提供システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくともユーザが入力した質疑語に対して誤打校正を行い、正打候補語を提示する誤打校正エンジンを含む検索システムに自動完成質疑語を提供する自動完成質疑語提供システムであって、少なくともユーザが検索を要請したユーザ入力質疑語が格納される検索ログDBと、前記検索ログDBから前記自動完成質疑語として提供する少なくとも1つ以上のキーワードを含む推薦語リストを生成する自動完成推薦語リスト生成部と、ユーザが前記誤打校正エンジンを用いて提示された正打候補語を選択した場合、ユーザが入力した誤打質疑語及びユーザが選択した前記正打候補語が格納される誤打校正ログDBと、前記誤打校正ログDBを読み取り、前記推薦語リストに含まれた特定キーワードが前記誤打質疑語として入力された回数及び前記特定キーワードが前記正打候補語として選択された回数を比較することによって、前記特定キーワードの正打確率値を計算する正打確率計算部と、前記正打確率値によって前記特定キーワードを正打質疑語として選定した後、前記誤打校正ログDBを読み取り、前記特定キーワードに対応する誤打質疑語を抽出することによって、前記特定キーワードに対する誤打質疑語リストを生成する誤打質疑語リスト生成部と、前記自動完成推薦語リスト及び前記誤打質疑語リストに基づいて、前記特定キーワードに対する前記正打質疑語の索引情報及び前記誤打質疑語の索引情報を生成し、質疑語索引DBに記録する質疑語索引部と;前記質疑語索引DBを照会し、前記検索システムに入力された質疑語と連関された少なくとも1つ以上の自動完成質疑語を生成する自動完成質疑語生成部とを備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記質疑語索引DBに記録された前記特定キーワードに対する前記正打質疑語索引情報及び前記誤打質疑語索引情報は、前記正打質疑語及び前記誤打質疑語それぞれに対して字素単位、音節単位またはサフィックスによって索引された文字順列データであることができる。
【0011】
また、本発明は、前述した自動完成質疑語提供システムを含む検索システムであることができる。
【0012】
本発明は、少なくともユーザが入力した質疑語に対して誤打校正を行い、正打候補語を提示する誤打校正エンジンを含む検索システムに自動完成質疑語を提供する自動完成質疑語提供方法であって、少なくともユーザが検索を要請したユーザ入力質疑語を検索ログDBに記録し、且つユーザが前記誤打校正エンジンを用いて提示された正打候補語を選択した場合、ユーザが入力した誤打質疑語及びユーザが選択した前記正打候補語を誤打校正ログDBに記録する段階と、前記検索ログDBから前記自動完成質疑語として提供する少なくとも1つ以上のキーワードを含む推薦語リストを生成する段階と、前記誤打校正ログDBを読み取り、前記推薦語リストに含まれた特定キーワードが前記誤打質疑語として入力された回数及び前記特定キーワードが前記正打候補語として選択された回数を比較することによって、前記特定キーワードの正打確率値を計算する段階と、前記正打確率値によって前記特定キーワードを正打質疑語として選定した後、前記誤打校正ログDBを読み取り、前記特定キーワードに対応する誤打質疑語を抽出することによって、前記特定キーワードに対する誤打質疑語リストを生成する段階と、前記自動完成推薦語リスト及び前記誤打質疑語リストに基づいて、前記特定キーワードに対する前記正打質疑語の索引情報及び前記誤打質疑語の索引情報を生成し、質疑語索引DBに記録する段階と、ユーザが前記検索システムに任意の質疑語を入力する場合、前記質疑語索引DBを照会し、前記質疑語と連関された少なくとも1つ以上の自動完成質疑語を生成して提供する段階とを備えて具現されることができる。
【0013】
ここで、前記質疑語索引DBに記録された前記特定キーワードに対する前記正打質疑語索引情報及び前記誤打質疑語索引情報は、前記正打質疑語及び前記誤打質疑語それぞれに対して字素単位、音節単位またはサフィックスによって索引された文字順列データであることができる。
【0014】
さらに、本発明は、前述した自動完成質疑語提供方法を実行させるためのプログラムを収録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として提供されることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが任意の質疑語を入力する中に、それと連関された質疑語を自動で完成させて提供することができる。特に、本発明によれば、ユーザが誤字脱字質疑語を入力する中にも、質疑語の正解確率があらかじめ計算された索引情報を利用して正打質疑語よりなる自動完成質疑語を提供することができる。さらに、本発明による自動完成質疑語提供システム及び方法を利用すれば、検索サービス提供者の立場では、頻繁に要請される誤字脱字に対する索引情報をあらかじめ正打質疑語と連関させてデータベース化し、正打質疑語に対する自動完成質疑語を提供することができるので、検索を行う中に、ユーザが入力した質疑語に対してリアルタイムで誤打校正を行う必要がないので、サーバー負荷が減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は、従来技術による検索システムの検索画面に検索クエリーが露出する状態を例示した図である。
図2】は、従来技術による検索システムの検索画面に検索クエリーが露出する状態を例示した図である。
図3】は、本発明による自動完成質疑語提供システムの構成を示すブロック図である。
図4】は、本発明による自動完成質疑語提供方法を説明する流れ図である。
図5】は、本発明によって特定キーワードに対する正打確率値を計算する方式を説明するための例示図であって、誤打校正ログDBにユーザが誤って入力した誤打質疑語及び誤打校正エンジンが提示した正打候補語がクエリー対で記録された状態を示す。
図6】は、本発明によって質疑語索引DBに記録された特定キーワードに対する正打質疑語及び誤打質疑語それぞれの索引情報の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明する。
【0018】
図3は、本発明の一実施例による自動完成質疑語提供システムの構成を示すブロック図である。ここで、本発明による自動完成質疑語提供システム200は、少なくともユーザが入力した質疑語に対して誤打校正を行い、正打候補語を提示する誤打校正エンジン120を含む検索システム100に自動完成質疑語を提供する自動完成質疑語提供システムであって、インターネット検索サービスを提供する検索システム100に統合されて構成されることもでき、物理的に離隔された別途のシステムで構築され、検索システム100と所定の通信網を介して通信する方式で構成されることもできる。特に、誤打校正エンジン120は、例えば、国語辞書、英語辞書、百科辞書などの辞書データベースを含むことができ、ユーザは、自分が入力した質疑語に対して誤打校正エンジンが正打質疑語を提示した場合、これを選択して検索を進行することができる。誤打校正エンジンは、従来の検索システムで提供する多様な方式で構成されることができ、これについては、詳細な説明を省略する。
【0019】
以下、図3に示された本発明による自動完成質疑語提供システムの詳細構成について、図4に示された自動完成質疑語提供方法に対する流れ図を参照してさらに詳細に説明する。
【0020】
まず、検索ログDB 260は、検索システム100を利用してユーザが検索を要請したユーザ入力質疑語が格納される。すなわち、検索ログDB 260には、ユーザの検索要請に対する情報が格納され、例えば、ユーザ識別子、ユーザが入力した質疑語、検索時間などに対する検索ログ情報が記録される。検索ログDB 260には、すべての検索行為に対するログ情報が記録されることができる。
【0021】
また、検索システム100に備えられた誤打校正エンジン120は、ユーザが入力した質疑語が誤字脱字であると判断し、それに対する正打候補語を提示することができ、もしユーザが自分が検索しようとする質疑語に対する正打が誤打校正エンジン120が提示した正打候補語であると判断し、当該正打候補語で検索を要請した場合、最初ユーザが入力した誤打質疑語及びユーザが選択した正打候補語がクエリー対で結合され、誤打校正ログDB 270に記録される。後述する図5は、誤打校正ログDB270の例である。
【0022】
この自動完成質疑語提供システム200は、多様なユーザに対して相当期間蓄積された検索ログDB 260及び誤打校正ログDB 270をあらかじめ構築(S101)することによって、良質の検索サービスを提供するようになる。
【0023】
次に、自動完成推薦語リスト生成部210は、あらかじめ構築された検索ログDB 260から自動完成質疑語として提供する少なくとも1つ以上のキーワードを含む推薦語リストを生成する(S102)。例えば、自動完成推薦語リスト生成部210は、検索ログDB 260に記録されたユーザ入力質疑語のうち検索頻度数、検索結果クリック率などの一定の基準によって少なくとも1つの(好ましくは、所定個数の)キーワードを選定し、推薦語リストを生成することができる。
【0024】
このように推薦語リストが生成されれば、正打確率計算部220は、推薦語リストに含まれたそれぞれのキーワードに対して正打確率値を計算する(S103)。すなわち、正打確率計算部220は、誤打校正ログDB 270を読み取り、推薦語リストに含まれたそれぞれのキーワードに対して当該キーワードが誤打校正ログDB 270に収録されたクエリー対から誤打質疑語に入力された回数及び正打候補語に選択された回数を比較することによって、当該キーワードの正打確率値を計算する。これについてさらに詳しく説明すれば、図5のように、誤打校正ログDB 270に誤打校正クエリー対が記録されていると仮定する。ここで、「誤打質疑語」は、ユーザが検索を行うとき、最初入力した誤字脱字質疑語を意味し、「正打候補語」は、誤打校正エンジン120が正打として提示した候補語をユーザが選択して検索を行った質疑語を意味し、「クエリー対の個数」は、同一の誤打質疑語及び正打候補語を有するクエリー対の個数であって、同一の誤打校正を受けたユーザ数を意味する。すなわち、個数の大きいクエリー対は、ユーザが頻繁に違う誤字脱字及びユーザが頻繁に選択した正打を意味する。
【0025】
もし、推薦語リストに“estsoft”が含まれている場合、図5を参照すれば、“estsoft”というキーワードは、正打候補語で33回出現し、誤打質疑語では、2回出現する。したがって、“estsoft”というキーワードが正打である確率値Pは、下記[式1]に基づくとき、“P=Min{1、33/2}”で計算され、“1”という値を有する。
[式1]P(キーワード)=Min{1、C(キーワード)/W(キーワード)}
【0026】
ここで、P(キーワード)は、特定キーワードの正打確率値を意味し、関数Min{1、A}は、数字“1”及び“A”のうち最小値を結果値として有し、C(キーワード)は、特定キーワードが正打候補語として出現した回数を意味し、W(キーワード)は、特定キーワードが誤打質疑語として出現した回数を意味する。
【0027】
言い替えれば、当該キーワードが誤打質疑語でさらに多く出現したら、P値が“0”に収束するが、当該キーワードが正打候補語でさらに多く出現したら、P値が“1”になる。
【0028】
このように、推薦語リストとして選定された個々のキーワードに対して正打確率計算部220がそれぞれ正打確率値を計算した後には、誤打質疑語リスト生成部230が計算された正打確率値に基づいて特定キーワードを正打質疑語として選定すると同時に、誤打校正ログDB 270に収録されたクエリー対で当該キーワードが正打候補語として記録されたクエリー対ドルから複数の誤打質疑語を抽出する。すなわち、誤打質疑語リスト生成部230は、正打質疑語として選定された特定キーワードに対して同一のキーワードを正打候補語として含むクエリー対に収録された誤打質疑語に基づいて誤打質疑語リストを生成する(S104)。具体的に、誤打質疑語リスト生成部230は、正打確率値Pが基準値以上の場合、正打質疑語として選定することができる。基準値は、例えば“1”であり、“0.75”、“0.5”などに多様に変更されることができる。例えば、図5を参照すれば、“estsoft”のP値が“1”なので、これを正打質疑語として選定し、誤打校正ログDB 270で“estsoft”を正打候補語として含むクエリー対から誤打質疑語として含まれた“eastsoft”及び“estasoft”を抽出し、誤打質疑語リストとして生成する。
【0029】
次に、質疑語索引部240は、生成された自動完成推薦語リスト及び誤打質疑語リストに基づいて、特定キーワードに対する正打質疑語の索引情報及び誤打質疑語の索引情報を生成する(S105)。ここで、正打質疑語及び誤打質疑語の索引情報は、正打質疑語及び前記誤打質疑語それぞれに対して字素(letter or phoneme)単位、音節(syllable)単位またはサフィックスによって索引された文字順列データであることができる。
【0030】
例えば、“phoneme”という英語質疑語に対して、“p”、“h”、“o”、“n”、“e”、“m”、“e”のように、letter単位で索引されることもでき、“ph”、“o”、“n”、“e”、“me”のように、phoneme単位で索引されることもでき、“pho”、“neme”のように、syllable単位で索引されることもできる。
【0031】
【0032】
このように字素単位、音節単位、サフィックスまたはこれらすべてを含む方式で索引された文字順列データで構成された索引情報は、質疑語索引部240によって当該キーワード及び対応する自動完成質疑語とマッチングされ、図6に示されたように質疑語索引DB 280に記録される。
【0033】
参照として、図6には“estsoft”に対する正打質疑語及び誤打質疑語それぞれに対して字素単位で文字列が索引された索引情報が自動完成質疑語“estsoft”で同一のマッチングされた例を示した。
【0034】
前述した方式で質疑語索引DB 280が構築された場合、ユーザが任意の質疑語を入力すれば、自動完成質疑語生成部250は、ユーザが質疑語を入力する中に、質疑語索引DB 280を照会し、当該質疑語に対する索引情報(例えば、字素単位の文字順列データ)と一致する索引情報を有する自動完成質疑語を生成し、検索システム100に提供する。例えば、ユーザが“esta”と入力する場合、“esta”は、“estate”の一部であることもでき、同時に、“estsoft”の誤打質疑語である“estasoft”の一部であることもできる。したがって、自動完成質疑語生成部250は、質疑語索引DB 280でユーザが入力した“esta”の索引情報である“e−s−ta”と同一の索引情報を有する“estate”及び“estsoft”を自動完成質疑語として提供するようになる。
【0035】
このような結果は、従来の検索システムで提供する自動完成推薦語提供方式と比較すれば、次のような差異がある。例えば、ユーザが正打である“galaxy”に対して誤って“gall”と入力する場合、従来の検索システムでは、“gall”という質疑語の索引情報と一致する自動完成推薦語のみを提供する(すなわち、図2参照)。しかし、本発明による自動完成質疑語提供システム及び方法によれば、ユーザが“gall”と誤って入力した場合にも、“gallaxy”というキーワードが“galaxy”に対する誤打質疑語であるとあらかじめ判別され、質疑語索引DBに当該索引情報が記録されることができ、したがって、自動完成質疑語として正打である“galaxy”に対する多様な正打質疑語を直接提供するようになる。したがって、ユーザは、自分が入力した誤字脱字に対する正打質疑語を直ちに提供されることができ、これを選択し、さらに正確な検索結果を得るようになる。
【0036】
前述した自動完成質疑語提供方法は、多様なコンピュータ手段を用いて行われることができるプログラム命令形態で具現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されることができる。この際、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。一方、記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計され構成されたものであるか、またはコンピュータソフトウェア当業者に公知され使用可能なものであってもよい。
【0037】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、ハードディスク、プロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(Magnetic Media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(Optical Media)、フロプチカルディスク(Floptical Disk)のような磁気−光媒体(Magneto−Optical Media)、及びROM(Read Only Memory)、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を格納し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれることができる。一方、このような記録媒体は、プログラム命令、データ構造などを指定する信号を伝送する搬送波を含む光または金属線、導波管などの伝送媒体であってもよい。
【0038】
また、プログラム命令には、コンパイラーによって作われるもののような機械語コードだけでなく、インタプリターなどを使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。前述したハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができ、その逆も同様である。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で変形された形態で具現することができる。したがって、ここで説明した本発明の実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならないし、本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されていて、それと同等の範囲内にあるすべての差異は、本発明に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6