特許第5722429号(P5722429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722429
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】マルチユーザ通信グループ管理及び通知
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/08 20090101AFI20150430BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20150430BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20150430BHJP
【FI】
   H04W4/08
   H04W16/28
   H04W84/12
【請求項の数】27
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-502899(P2013-502899)
(86)(22)【出願日】2011年4月1日
(65)【公表番号】特表2013-524649(P2013-524649A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】US2011030993
(87)【国際公開番号】WO2011123814
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/392,602
(32)【優先日】2010年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/379,330
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/331,768
(32)【優先日】2010年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/326,120
(32)【優先日】2010年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/320,460
(32)【優先日】2010年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ヨング
(72)【発明者】
【氏名】ラマムーシィ、ハリシュ
(72)【発明者】
【氏名】バナージェア、ラジャ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ホンユアン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/093668(WO,A2)
【文献】 特表2013−518503(JP,A)
【文献】 特開2005−39728(JP,A)
【文献】 Joonsuk Kim eet al.,Group Concept for Downlink MU-MIMO Transmission,IEEE 802.11-10/0073r2,IEEE,2010年 3月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を維持する段階と、
更なる無線通信デバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成する段階と、
生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成する段階と、
前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージを送信する段階と
を備え、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示し、
前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた前記1以上のグループメンバIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第1の値によって示され、前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない前記1以上のグループIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第2の値によって示される
方法。
【請求項2】
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を維持する段階と、
更なる無線通信デバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成する段階と、
生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成する段階と、
前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージを送信する段階と
を備え、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示す
方法。
【請求項3】
前記割り当てメッセージを送信する段階は、前記割り当てメッセージをユニキャストチャネルを介して送信する段階を含み、
前記割り当てメッセージは、前記更なる無線通信デバイスに、アクナリッジメントを送信させ請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
維持されている前記割り当て記録に基づいて、性能特性に基づく割り当て記録を特定する段階を更に備え、
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、
前記特定された割り当て記録のグループIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階と、
前記特定された割り当て記録のグループメンバIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階とを有する請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記性能特性に基づく前記割り当て記録を特定する段階は、
前記特定された割り当て記録と関連付けられたデバイスを特定する段階と、前記特定されたデバイスに、前記特定されたデバイスが、もはや前記特定された割り当て記録に割り当てられていないことを通知する段階とを有する請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記性能特性に基づく前記割り当て記録を特定する段階は、
空間分割多元接続ベースの送信に対する空間ダイバーシチが不足していることに関連付けられている前記維持されている割り当て記録のうちの少なくとも1つを特定する段階を有する請求項またはに記載の方法。
【請求項7】
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、グループID及びグループメンバIDの組み合わせを前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階を有し、
前記組み合わせは、2つ以上の無線通信デバイス間で共有される請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
2つ以上のデバイスグループにグループIDを割り当てる段階を更に備え、
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、前記2つ以上のデバイスグループに割り当てられた前記グループIDを含む割り当て記録を生成する段階を含む請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記割り当てメッセージは、メッセージ・インテグリティ・チェック値(MIC値)を含み、
前記更なる無線通信デバイスは、(i)前記MIC値が認証されたことに基づいて、確認を送信する、又は、(ii)前記MIC値が認証されなかったことに基づいて、攻撃を受けた疑いがある旨の通知を送信する請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を格納するメモリと、
更なる無線通信デバイスに対して1以上の割り当て記録を生成し、生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成し、前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージの送信を制御するプロセッサ電子回路と
を備え、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示し、
前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた前記1以上のグループメンバIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第1の値によって示され、前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない前記1以上のグループIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第2の値によって示される
装置。
【請求項11】
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を格納するメモリと、
更なる無線通信デバイスに対して1以上の割り当て記録を生成し、生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成し、前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージの送信を制御するプロセッサ電子回路と
を備え、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示す
装置。
【請求項12】
前記割り当てメッセージは、ユニキャストチャネルを介して送信され、
前記割り当てメッセージは、前記更なる無線通信デバイスに、アクナリッジメントを送信させ請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサ電子回路は、
前記割り当て記録に基づいて、性能特性に基づく割り当て記録を特定し、
前記特定された割り当て記録のグループIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当て、
前記特定された割り当て記録のグループメンバIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当てる請求項10から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサ電子回路は、
前記特定された割り当て記録と関連付けられたデバイスを特定し、
前記特定されたデバイスに対して、前記特定されたデバイスがもはや前記特定された割り当て記録に割り当てられていないことを通知する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記特定された割り当て記録は、空間分割多元接続ベースの送信に対する空間ダイバーシチが不足していることに関連付けられている請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサ電子回路は、
グループID及びグループメンバIDの組み合わせを前記更なる無線通信デバイスに割り当て、
前記組み合わせは、2つ以上の無線通信デバイス間で共有される請求項10から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサ電子回路は、
2つ以上のデバイスグループにグループIDを割り当て、
前記更なる無線通信デバイスに対して、前記2つ以上のデバイスグループに割り当てられた前記グループIDを含む割り当て記録を生成する請求項10から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記割り当てメッセージは、メッセージ・インテグリティ・チェック値(MIC値)を含み、
前記更なる無線通信デバイスは、(i)前記MIC値が認証されたことに基づいて、確認を送信する、又は、(ii)前記MIC値が認証されなかったことに基づいて、攻撃を受けた疑いがある旨の通知を送信する請求項10から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
マルチユーザ通信を行う複数のデバイスを備えるシステムであって、
前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つが、
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を維持する段階と、
更なる無線通信デバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成する段階と、
生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成する段階と、
前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージを送信する段階と
を備えるオペレーションを実行し、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示し、
前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた前記1以上のグループメンバIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第1の値によって示され、前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない前記1以上のグループIDは、前記割り当てメッセージに含まれる1つ以上の第2の値によって示される
システム。
【請求項20】
マルチユーザ通信を行う複数のデバイスを備えるシステムであって、
前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つが、
複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を維持する段階と、
更なる無線通信デバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成する段階と、
生成された前記1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成する段階と、
前記更なる無線通信デバイスに、(i)前記割り当てメッセージに基づいてマルチユーザグループテーブルを初期化又は更新させる、及び、(ii)前記マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、前記割り当てメッセージを送信する段階と
を備えるオペレーションを実行し、
前記割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、
前記割り当てられたグループIDは、前記複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、
前記割り当てられたグループメンバIDは、前記割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定し、
前記割り当てメッセージは、(i)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、(ii)前記更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示す
システム。
【請求項21】
前記割り当てメッセージを送信する段階は、前記割り当てメッセージをユニキャストチャネルを介して送信する段階を含み、
前記割り当てメッセージは、前記更なる無線通信デバイスに、アクナリッジメントを送信させ請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
前記オペレーションは、維持されている前記割り当て記録に基づいて、性能特性に基づく割り当て記録を特定する段階を更に備え、
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、
前記特定された割り当て記録のグループIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階と、
前記特定された割り当て記録のグループメンバIDを、前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階とを有する請求項19から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記性能特性に基づく前記割り当て記録を特定する段階は、
前記特定された割り当て記録と関連付けられたデバイスを特定する段階と、前記特定されたデバイスに、前記特定されたデバイスが、もはや前記特定された割り当て記録に割り当てられていないことを通知する段階とを有する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記性能特性に基づく前記割り当て記録を特定する段階は、
空間分割多元接続ベースの送信に対する空間ダイバーシチが不足していることに関連付けられている前記維持されている割り当て記録のうちの少なくとも1つを特定する段階を有する請求項22または23に記載のシステム。
【請求項25】
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、グループID及びグループメンバIDの組み合わせを前記更なる無線通信デバイスに割り当てる段階を有し、
前記組み合わせは、2つ以上の無線通信デバイス間で共有される請求項19から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記オペレーションは、
2つ以上のデバイスグループに1つのグループIDを割り当てる段階を更に備え、
前記1以上の割り当て記録を生成する段階は、前記2つ以上のデバイスグループに割り当てられた前記グループIDを含む割り当て記録を生成する段階を含む請求項19から25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記割り当てメッセージは、メッセージ・インテグリティ・チェック値(MIC値)を含み、
前記更なる無線通信デバイスは、(i)前記MIC値が認証されたことに基づいて、確認を送信する、又は、(ii)前記MIC値が認証されなかったことに基づいて、攻撃を受けた疑いがある旨の通知を送信する請求項19から26のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のような無線通信システムに関する。
【0002】
[優先権情報]
本開示は、2010年10月13日出願の米国仮出願61/392,602号、2010年9月1日出願の米国仮出願61/379,330号、2010年5月5日出願の米国仮出願61/331,768号、2010年4月20日出願の米国仮出願61/326,120号、及び、2010年4月2日出願の米国仮出願61/320,460号の優先権を主張する。
[関連出願情報]
また、本開示は、2010年8月4日出願の米国特許出願第12/850,529号公報に関連する。上記の仮出願及び出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、1以上の無線チャネル上で通信を行う複数の無線通信デバイス備えることができる。インフラストラクチャモードで動作する場合、アクセスポイント(AP)と称される無線通信デバイスは、インターネットのようなネットワークへの接続を、例えば、クライアント局又はアクセス端末(AT)のような他の無線通信デバイスに提供する。無線通信デバイスの様々な例には、携帯電話、スマートフォン、無線ルータ及び無線ハブが含まれる。ある場合には、無線通信電子機器が、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)及びコンピュータに組み込まれる。
【0004】
WLANのような無線通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)のような1以上の無線通信技術を利用可能である。OFDMベースの無線通信システムでは、データストリームが複数のデータサブストリームに分割される。このようなデータストリームは、トーン又は周波数トーンとも称される、複数の異なるOFDMサブキャリア上で送信される。電気電子技術者協会(IEEE)無線通信規格、例えば、IEEE802.11a、IEEE802.11n又はIEEE802.11acで規定されるWLANは、信号を送受信するのにOFDMを使用することができる。
【0005】
無線通信システムの中には、無線通信デバイスがそれぞれ1つのアンテナを使用する単入力単出力(SISO)通信方式を採用するシステムが存在する。また、無線通信システムの中には、無線通信デバイスが、例えば、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを使用する複数入力複数出力(MIMO)通信方式を採用しているシステムも存在する。MIMOベースの無線通信デバイスは、OFDM信号のトーンの各々において、複数のアンテナを介して複数の空間ストリームを送受信することができる。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、無線通信のためのシステム及び技術を含む。
【0007】
本開示の一側面によれば、無線通信のための技術は、複数のマルチユーザ通信グループについて、1以上の無線通信デバイスと通信を行うのに使用される割り当て記録を維持する段階を備え、割り当て記録は、割り当てられたグループID及び割り当てられたグループメンバIDを含み、割り当てられたグループIDは、複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定し、割り当てられたグループメンバIDは、割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的にステアリングされたストリームを特定する。技術は更に、更なる無線通信デバイスに対する1以上の割り当て記録を生成する段階と、生成された1以上の割り当て記録を含む割り当てメッセージを生成する段階と、更なる無線デバイスに、割り当てメッセージに基づいてマルチグループユーザを初期化又は更新させる、及び、マルチユーザグループテーブルに基づいて1以上の受信されたマルチユーザ送信をフィルタさせるべく、割り当てメッセージを送信する段階とを備える。マルチユーザグループテーブルは、1以上のベクトル、行列、リンクされたリスト又はこれらの組み合わせを使用して実装可能である。マルチユーザグループテーブルを実装するのに、その他の種類のデータ構造が可能である。割り当てメッセージは、更なる無線通信デバイスに割り当てられた1以上のグループID及び1以上のグループメンバID、及び、更なる無線通信デバイスに割り当てられていない1以上のグループIDを示す。
【0008】
上記のシステム及び技術は、電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、又は、本明細書に開示される構造的手段のような組み合わせ、及び、構造的均等物に実装可能である。このような例として、1以上のデータ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサを含む信号処理デバイス)に、記載されるオペレーションを実行させるプログラムを実装する少なくとも1つのコンピュータ可読媒体が含まれる。また、プログラム実装は、開示された方法、システム又は装置から実現可能であり、装置の実装は、開示されたシステム、コンピュータ可読媒体又は方法から実現可能である。同様に、方法の実装も、開示されたシステム、コンピュータ可読媒体又は装置から実現可能であり、システム実装は、開示された方法、コンピュータ可読媒体又は装置から実現可能である。
【0009】
例えば、1以上の開示された実施形態は、様々なシステム及び装置に実装可能であり、これに限定されないが、専用データ処理装置(例えば、無線アクセスポイント、リモート環境モニタ、ルータ、スイッチ、コンピュータシステム構成要素、媒体アクセスユニット)、モバイルデータ処理装置(例えば、無線クライアント、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ)、コンピュータ又はこれらの組み合わせのような汎用データ処理装置に実装可能である。
【0010】
一以上の実装形態の詳細が、添付の図面を参照して以下に記載される。その他の特徴及び利点について、詳細な説明及び図面、並びに、特許請求の範囲から明らかとなるであるであろう。様々な図面において、同様な参照番号及び記号は、同様な構成要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通信プロセスの一例を示す図である。
図2】2つの無線通信デバイスを含む無線ネットワークの一例を示す図である。
図3】無線通信デバイスの一例を示すアーキテクチャである。
図4A】異種空間グループ化技術に基づいて、あるグループIDについてグループメンバID割り当てを行う一例を示した図である。
図4B】異種空間グループ化技術に基づいて、あるグループIDについてグループメンバID割り当てを行う一例を示した図である。
図5】マルチユーザグループ割り当て技術の一例を示した図である。
図6A】マルチユーザグループ化及びサウンディングプロセスの時間軸に沿ったシーケンスの一例を示した図である。
図6B】マルチユーザグループ化及びサウンディングプロセスの時間軸に沿ったシーケンスの一例を示した図である。
図6C】マルチユーザグループ化及びサウンディングプロセスの時間軸に沿ったシーケンスの一例を示した図である。
図6D】マルチユーザグループ化及びサウンディングプロセスの時間軸に沿ったシーケンスの一例を示した図である。
図7】受信した割り当てフレームを扱うプロセスの一例を示した図である。
図8A】ブロードキャスト送信のためのグループID管理フレームフォーマットのレイアウトの一例を示した図である。
図8B】ユニキャスト送信のためのグループID管理フレームフォーマットのレイアウトの一例を示した図である。
図9】同種空間グループ化技術に基づいたグループID及びグループメンバID割り当ての一例を示した図である。
図10】同種空間グループ化技術に対するマッピングテーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、特に、マルチユーザ無線通信におけるマルチユーザグループ割り当てのためのシステム及び技術を含む、無線ローカルエリアネットワークに対する技術の詳細及び例を提供する。本明細書に提示される技術及びアーキテクチャは、例えば、IEEE802.11n又はIEEE802.11acベースの通信システムのような、様々な無線通信システムに実装可能である。本明細書に記載されるシステム及び技術のうちの1以上を、2010年8月4日出願の米国特許出願第12/850,529号、"SDMA MULTI-DEVICE WIRELESS COMMUNICATIONS(SDMAマルチデバイス無線通信)"に記載される技術と組み合わせることが可能である。
【0013】
図1には、通信プロセスの一例が示されている。通信プロセスは、アクセスポイントのような無線通信デバイスによって実行可能である。段階105において、アクセスポイントは、マルチユーザ通信グループに対する割り当て記録を維持することができる。割り当て記録は、無線通信デバイスと通信を行うのに使用されてもよい。割り当て記録には、割り当てたグループID(GID)及び割り当てたグループメンバID(GMI)が含まれてもよい。割り当てられたグループIDは、複数のマルチユーザ通信グループのうちの少なくとも1つを特定することができる。割り当てられたグループメンバIDは、割り当てられたグループIDと関連付けられたマルチユーザ送信内の少なくとも1つの空間的ステアリングストリームを特定することができる。
【0014】
段階110において、アクセスポイントは、あるデバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成してもよい。例えば、アクセスポイントは、当該アクセスポイントの無線通信範囲内に入った新規に発見されたデバイスに対して、1以上の割り当て記録を生成することができる。
【0015】
段階115において、アクセスポイントは、生成された割り当て記録に基づいて、割り当てメッセージを生成することができる。割り当てメッセージは、デバイスに割り当てられたグループID及びグループメンバIDを示すことができる。また、割り当てメッセージは、デバイスに割り当てられていない又は割り当てられなくなったグループIDを示すことができる。割り当てメッセージは、デバイスに割り当てられた1以上のグループID、及び、デバイスに割り当てられた1以上のグループIDを示すことができる。ある場合には、アクセスポイントは、グループIDと、そのグループIDに割り当てられなくなったことをデバイスに通知する非割り当てステータス情報とを含む記録を送信する。ある実装形態では、GID値を特定するがグループメンバID割り当てを特定しない記録は、受信デバイスに、そのGID値に対する非割り当てステータスを示す情報を提示する。
【0016】
段階120において、アクセスポイントは、割り当てメッセージをデバイスに送信することができる。割り当てにより、デバイスに、(i)割り当てメッセージに基づいたマルチユーザグループテーブルの初期化又は更新、及び、(ii)マルチユーザグループテーブルに基づいた、受信されたマルチユーザ送信のフィルタを行わせることができる。割り当てメッセージの送信は、割り当てメッセージをユニキャストチャネルを介して送信することを含んでもよい。受信の成功に基づいて、割り当てメッセージはデバイスに、アクノリッジメントを送信させることができる。ある実装形態では、割り当てメッセージは、メッセージ・インテグリティ・チェック(MIC)(メッセージ信頼性確認)値を含む。デバイスは、MIC値の認証の成功に基づいて、確認応答を送信することができ、又、MIC値の認証の不成功に基づいて、攻撃されていることが疑われる旨を通知することができる。
【0017】
ある実装形態では、アクセスポイントは、保持されている割り当て記録に基づいて、性能特性(例えば、ビット誤り率又は空間ダイバーシチメトリック)に基づく割り当て記録を特定することができる。性能特性に基づく割り当て記録の特定として、空間分割多元接続ベースの送信に対する空間ダイバーシチの欠如と関連付けられた保持されている割り当て記録のうちの少なくとも1つを特定することを挙げることができる。段階110における、割り当て記録の生成は、新規に発見されたデバイスのようなデバイスに対して、ID割り当て記録に含まれる割り当てグループID及びグループメンバIDを割り当てることができる。ある場合には、特定された記録に現在割り当てられているデバイスに対して、当該デバイスがもはや記録に割り当てられていないことを通知し、新規に発見されたデバイスに記録が再割り当てされる。ある場合には、特定された割り当て記録が、新規に発見されたデバイスと現在記録に割り当てられているデバイスの両方に割り当てられた状態となる。
【0018】
ある実装形態では、段階110において、割り当て記録を生成することは、グループID及びグループメンバIDの組み合わせをデバイスに割り当てることを含んでもよい。組み合わせは、2つ以上のデバイスの間で共有可能である。ある実装形態では、アクセスポイントは、グループIDを2つ以上のデバイスのグループに割り当てる。段階110において、割り当て記録を生成することは、2つ以上のデバイスのグループに割り当てられたグループIDを含む割り当て記録を生成することを含む。
【0019】
割り当てメッセージは、デバイスに割り当てられたグループのID及びデバイスに割り当てられてないグループのIDを含むことができる。ある実装形態では、割り当てメッセージは、割り当てを行うための1以上の割り当て記録、及び、割り当てを取り消す又は非割り当てを示すための1以上の割り当て記録を含むことができる。割り当てられたグループと関連付けられた割り当て記録において、割り当て記録は、"割り当て済み(assigned)"の印とグループメンバIDを含むことができる。割り当てられていないグループと関連付けれた割り当て記録において、割り当て記録は、"未だ割り当てられていない(unassigned)"の印を含むことができる。ある実装形態では、割り当てメッセージは、受信デバイスがメッセージのコンテンツをマルチユーザグループテーブルとしてデバイスのメモリにコピーできるように割り当てメッセージが配置されてもよい。メッセージコンテンツのメモリへのコピーは、既存のマルチユーザグループテーブルを置き換えることを含んでもよい。
【0020】
ある実装形態では、割り当てメッセージは、既存のマルチユーザグループテーブルを置き換えるべく、デバイスに対する更新されたマルチユーザグループテーブルを含む。割り当て記録が、既存のマルチユーザグループテーブルには存在するが、更新されたマルチユーザグループテーブルには存在しない場合には、そのマルチユーザグループは完全に削除されたと見なされる。ある割り当て記録が、既存のマルチユーザグループテーブル及び更新されたマルチユーザグループテーブルの両方に存在するが、グループメンバIDが変更されている場合には、これらマルチユーザグループは更新されたと見なされる。ある割り当て記録が、既存のマルチユーザテーブル及び更新されたマルチユーザグループテーブルの両方に存在し、グループメンバIDが変更されていない場合には、これらマルチユーザグループは変更されていない。割り当て記録が更新されたマルチユーザグループテーブルのみに存在し、古いマルチユーザグループテーブルには存在しない場合には、これらマルチユーザグループは、新たに割り当てられたと考えられる。
【0021】
ある実装形態では、限定された個数のGID値に基づいて、GID割り当てを大きなネットワークのためにリロードしてもよい。例えば、このようなGID値の個数は、64個に限定され、64個以上のデバイス組み合わせを有する大きなネットワークのために、GID割り当てをリロードすることができる。ある実装形態では、GIDが、各マルチユーザグループがデバイスの異なる組み合わせを有する複数のマルチユーザグループに割り当てられてもよい。例えば、2つの異なるデバイスが、同じ割り当て記録に割り当てられてもよい(例えば、同じGID及びGMIに割り当てられる)。ある場合には、デバイスは、複数のデバイスの一部とGID及びGMI値のうちの一部を共有してもよく、GID及びGMI値のうちの他の部分を別のデバイスと共有してもよい。
【0022】
無線通信デバイスは、本明細書に記載される1以上の技術を実装することができる。このようなデバイスは、例えば、無線通信インターフェースにアクセスする回路、及び、記載される技術の1以上を実行するプロセッサ電子回路を備えることができる。無線通信インターフェースは、無線通信信号を送受信する回路を含むことができる。ある実装形態では、無線通信デバイスで実行される通信プロセスでは、空間分割多元接続(SDMA)ベースの2つ以上のストリームを示すデジタル信号が無線通信インターフェースに送信され、インターフェースはデジタル信号をアナログ信号へと変換する。マルチユーザ送信としては、2つ以上のデバイスに別個にデータを並列に提供する信号を送信することが含まれてもよい。
【0023】
無線通信デバイスは、TXOP(transmission opportunity)の間に、1以上のデータ要素を送受信することができる。データ要素の様々な例として、データ単位、データ単位の一部分、又は、1以上のビットのストリングが含まれる。その他の種類のデータ要素が可能である。データ単位は、複数の媒体アクセス制御(MAC)データ単位(例えば、MACプロトコルデータユニット(MPDU))を統合データ単位(例えば、A−MPDU(aggregated MPDU:統合MPDU)へと結合するための信号を規定する統合データ単位フォーマットに基づいてもよい。SDMAイネーブルされたデバイスは、1以上のマルチユーザ(MU)送信(例えば、マルチユーザフレーム)を送受信することができる。例えば、アクセスポイントのようなデバイスは、マルチユーザフレームを2つ以上のSDMAイネーブルされたクライアントデバイスに送信することができ、マルチユーザフレームは、それぞれのデバイスに対する空間的にステアリングされたデータフレーム(例えば、それぞれA−MPDUを含む空間的にステアリングされたフレーム)を含む。
【0024】
図2は、2つの無線通信デバイスを有する無線ネットワークの一例を示した図である。アクセスポイント(AP)、基地局(BS)、無線ヘッドセット、アクセスターミナル(AT)、クライアント局又は移動局(MS)のような無線通信デバイス205、207は、プロセッサ電子回路210、212のような回路を含むことができる。プロセッサ電子回路210、212は、本開示で開示される1以上の技術を実装する1以上のプロセッサを含むことができる。無線通信デバイス205、207は、1以上のアンテナ220a、220b、222a、222bを介して無線信号を送受信する送受信電子回路215、217のような回路を含むことができる。無線通信デバイス205、207は、高スループット(HT)デバイス(例えば、IEEE802.11nベースのデバイス)、又は、非常に高スループット(VHT)なデバイス(例えば、IEEE802.11acベースのデバイス)のような1以上の種類のデバイス(例えば、異なる無線通信規格に基づくデバイス)と通信を行うことができる。
【0025】
ある実装形態では、送受信電子回路215、217は、集積された送受信回路を含む。ある実装形態では、送受信電子回路215、217は、複数の無線機ユニットを含む。ある実装形態では、無線ユニットは、信号を送受信するためのベースバンドユニット(BBU)及び無線周波数ユニット(RFU)を含む。送受信電子回路215、217は、検出器、デコーダ、変調器及びエンコーダのうちの1以上を含むことができる。送受信電子回路215、217は、アナログ回路及びデジタル回路を含むことができる。無線通信デバイス205、207は、データ、命令又はその両方のような情報を格納するように構成された1つ以上のメモリ225、227を含む。ある実装形態では、無線通信デバイス205、207は、送信専用回路及び受信専用回路を含む。ある実装形態では、無線通信デバイス205、207は、サービングデバイス(例えば、アクセスポイント)又はクライアントデバイスとして動作可能である。
【0026】
第1無線通信デバイス205は、例えば、直交SDMAサブスペースのような、直交空間サブスペース等の2つ以上の空間無線通信チャネルを介して、1以上のデバイスにデータを送信することができる。例えば、第1無線通信デバイス205は、空間無線チャネルを使用して第2無線通信デバイス207に、異なる空間無線チャネルを使用して第3無線通信デバイス(図示せず)へとデータを並行して送信することができる。ある実装形態では、第1無線通信デバイス205は、1つの周波数レンジ内に空間的に別個の複数の無線チャネルを提供する2つ以上の空間多重化行列を使用して、2つ以上の無線通信デバイスにデータを送信する空間分割技術を実装する。
【0027】
MIMOイネーブルアクセスポイントのような無線通信デバイスは、1以上の送信サイドビーム形成行列を、異なる複数のクライアント無線通信デバイスと関連付けられた空間的に別個の複数の信号に適用することにより、同じ周波数レンジにおいて同時に複数のクライアント無線通信デバイスに信号を送信することができる。複数の無線通信デバイスの異なるアンテナにおける異なる複数の信号パターンに基づいて、クライアント無線通信デバイスはそれぞれ、自身の信号を識別する。MIMOイネーブルアクセスポイントは、クライント無線通信デバイス各々についてのチャネル状態情報を取得するべく、サウンディングに参加することができる。アクセスポイントは、異なるクライアントデバイスに対する信号を空間的に分離するべく、異なるチャネル状態情報基づいて、空間ステアリング行列のような空間多重化行列を計算することができる。
【0028】
図3には、本明細書に記載される様々な実装詳細を含む無線通信デバイスアーキテクチャの一例が示されている。無線通信デバイス350は、例えば、ステアリング行列である、それぞれの空間多重化行列Wによって空間的に分離される異なる複数のクライアントに対する信号を生成することができる。Wはそれぞれ、サブスペースと関連付けられている。無線通信デバイス350は、MACモジュール355を含む。MACモジュール355は、1以上のMAC制御ユニット(MCU)(図示せず)を含むことができる。
【0029】
無線通信デバイス350は、N個のクライアントデバイス各々について、MACモジュール355からデータストリームを受信する3つ以上のエンコーダ360a、360b、360cを含む。エンコーダ360a〜cは、前方誤り訂正(FEC)エンコーディング技術のような符号化を実行して、符号化されたストリームを生成することができる。変調器365a、365b、365cは、符号化されたストリームそれぞれに対して変調を実行することができ、変調されたストリームが空間マッピングモジュール370a、370b、370cに供給される。
【0030】
空間マッピングモジュール370a〜cは、メモリ(図示せず)にアクセスして、データストリームの宛先であるクライアントデバイスと関連付けられた空間多重化行列Wを読み出す。ある実装形態では、空間マッピングモジュール370a〜cは、同じメモリにアクセスするが、異なるオフセットで異なる行列を読み出す。加算器375は、空間マッピングモジュール370a〜cからの空間的にステアリングされた出力を合計する。
【0031】
逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール380は、加算器375の出力にIFFTを実行して、時間ドメイン信号を生成することができる。デジタルフィルタ無線モジュール385は、時間ドメインの信号をフィルタして、アンテナモジュール390を介して送信する信号を増幅させることができる。アンテナモジュール390は、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを含むことができる。ある実装形態では、アンテナモジュール390は、無線通信デバイス350の外側に設けられる取り外し可能ユニットである。
【0032】
ある実装形態では、無線通信デバイス350は、1以上の集積回路(IC)を含む。ある実装形態では、MACモジュール355は、1つ以上のICを含む。ある実施形態では、無線通信デバイス350は、MACモジュール、MCU、BBU又はRFUのような複数のユニット及び/又はモジュールの機能を実装するICを含む。ある実装形態では、無線通信デバイス350は、データストリームを、送信のためにMACモジュール355に提供するホストプロセッサを含む。ある実装形態では、無線通信デバイス350は、MACモジュール355からデータストリームを受信するホストプロセッサを含む。ある実装形態では、ホストプロセッサは、MACモジュール355を含む。
【0033】
MACモジュール355は、TCP/IP(Transmission Control Protocol over Internet Protocol)のような高レベルプロトコルから受信したデータに基づいて、MACサービスデータユニット(MSDU)を生成することができる。MACモジュール355は、MSDUに基づいて、MACプロトコルデータユニット(MPDU)を生成することができる。ある実装形態では、MACモジュール355は、MPDUに基づいて物理層サービスデータユニット(PSDU)を生成することができる。例えば、無線通信デバイスは、1つの無線通信デバイス受信側に宛てたデータ単位(例えば、MPDU又はPSDU)を生成することができる。物理層プロトコルデータユニット(PPDU)は、PSDUを内包することができる。
【0034】
無線通信デバイス350は、複数のクライアントデバイスに宛てた無指向性送信を実行することができる。例えば、MACモジュール355は、MACモジュール355とIFFTモジュール380との間の1つのデータ経路を操作して、無指向性送信を起こすことができる。デバイス350は、複数のクライアントデバイスに並行に別個のデータを供給することができるステアリングされた送信の実行可能である。デバイス350は、無指向性送信とステアリング送信とを切り替えることができる。ステアリング送信では、デバイス350は、第1空間無線チャネルを介して第1PPDUを第1クライアントに、第2空間無線チャネルを介して第2PPDUを第2クライアントに並行して送信することができる。
【0035】
アクセスポイントは、マルチユーザ送信を最適化するべく、複数のデバイスの異なるグループを形成することができる。デバイスのグループには、グループID(GID)を割り当てることができる。グループのメンバには、それぞれグループメンバID(GMI)を割り当てることができる。マルチユーザ送信は、1以上のデバイスに対するステアリングされたデータの存在にそれぞれ対応する1以上のGMI及びGIDを含むことができる。デバイスは、マルチユーザ送信におけるGID及びGMIをデコードして、マルチユーザ送信の残りの部分を処理するべきか否かを判断することができる。例えば、受信されたGID及び受信されたGMIが、デバイスが格納しているGID及び格納しているGMIと一致することに基づいて、デバイスは、残りの部分を処理してもよい。デバイスを、複数のGID及び複数のGMIに割り当てることができる。アクセスポイントは、1以上のグループ化技術を使用して、グループを形成することができる。本明細書は、様々なグループ化技術の詳細及び例についても記載する。
【0036】
図4A及び図4Bには、異種空間グループ化技術に基づいて、あるGIDについて、GMI割り当てを行う一例が示されている。アクセスポイント405は、複数のクライアントデバイス410と通信可能である。アクセスポイント405は、マルチユーザグループ内に、十分な空間的ダイバーシチを持って2つ以上のクライアントデバイス410を配置することができ、マルチユーザグループにはGIDが割り当てられる。マルチユーザグループのメンバ415は、図4Aでは、点線の丸で囲まれている。マルチユーザグループ内のクライアントデバイス410の各々には、GMIが割り当てられる。十分な空間ダイバーシチを有さない2つのデバイスは、2つの異なるマルチユーザグループにそれぞれ割り当てられてもよい。図4Bには、GIDの値の例、及び、マルチユーザグループのメンバ415それぞれに割り当てられるGMIの値の例が示された表420が示されている。表420において、GIDの値が30であり、デバイスG、L、A及びCにはそれぞれ、GMI値、1、2、3及び4が割り当てられている。その他の値及び割り当てが可能である。さらに、クライアントデバイス410は、2つ以上のマルチユーザグループのメンバであってもよい。アクセスポイント405のようなマルチユーザ送信機は、未決のデータを有する複数のクライアントデバイスを1つのマルチユーザグループにグループ化して、これらクライアントデバイスにサウンディングを行うことができる。複数のクライアントデバイスからのサウンディングフィードバックに基づいて、マルチユーザ送信機は、複数のクライアントデバイスのうちの何れが、一緒のグループにグループ化されるのに適しており、何れが適していないかを判断することができる。
【0037】
空間的ダイバーシチを測定するべく、アクセスポイント405は、テストフレームをクライアントデバイス410に送信することを含む1以上のサウンディング技術を利用することができる。空間ダイバーシチは変化するので(例えば、デバイスが移動することにより)、グループ化を周期的に見直してもよい。受信マルチユーザフレームにおいて特定されるマルチユーザグループに属さないクライアントデバイスは、マルチユーザフレームを処理することを要求されないので、このようなクライアントは省電力モードにしておくことが可能である。
【0038】
図5には、マルチユーザグループ割り当て技術の一例が示されている。同じGIDを、デバイスの2つ以上のグループに割り当てることができる。この例では、アクセスポイント501は、同じGID(例えば、GID=40)を、3つのデバイスサブグループ、{A,B}505a、{A,C}505b及び{A,D}505cを含むマルチユーザグループに割り当てており、ここで、B、C及びDには、異なるGMI(例えば、Aには1、Bには2、Cには3、そしてDには4のGMI)が割り当てられている。図5の表530には、GIDの値の例、及び、マルチユーザグループのメンバそれぞれに割り当てられるGMIの値の例が示されている。ある実装形態では、アクセスポイント501は、同じGIDを2つ以上のグループに割り当て、GID値とGMI値の同じ組み合わせを、2つ以上のデバイスに割り当てることができる。
【0039】
GID空間は、限定された値のセットに限定されてもよい(例えば、4ビット、5ビット又は6ビットで表される値)。限定された値のセットは、複数の無線通信デバイスの大きなグループの、起こり得る全てのマルチユーザ組み合わせをカバーしなくてもよい。アクセスポイントは、GIDリロードを実行して、更なるマルチユーザ組み合わせをカバーすることができる。あるリロード技術では、1つのGIDがデバイスの複数のサブグループに割り当てられ(例えば、図5のサブグループ505a〜c)、GID及びGMIの特定の組み合わせが、一度に1つのデバイスにのみ割り当てられる。この技術に基づいて、1つの送信されたMU−PPDUは、複数のサブグループのうちの1つに対するPPDUのみを含む。ある別のリロード技術では、1つのGIDが複数のグループに割り当てられて、GID及びGMIの特定の組み合わせが複数のデバイスに割り当てられる。この技術に基づいて、1つのMU−PPDUは、複数のグループのうちの1つに対するPPDUのみを含み、ここで、同じGIDを共有する複数のデバイスは、MU−PPDUの残りの部分を処理するべきかを確かめるべく、MU−PPDUのMACヘッダを処理しなければならない。ある場合には、GIDを共有するがMU−PPDUの宛先ではないデバイスは、MU−PPDUをデコードすることを試みるが、ビーム形成方向が一致しないことによりMU−PPDUをデコードできない可能性が高く、従って、MU−PPDUが別のデバイス宛であると結論づける。
【0040】
現在の一部の無線システム設計では、GID割り当てフレームは、1つのサブグループGID/GMI割り当てのみを搬送し(例えば、{GID=20:A,0,C,0}、ここで、位置AはGMI=1に対応し、位置CはGMI=3に対応する)、GID割り当てフレームはまた、別のサブグループメンバについての既存の割り当て記録をパージするのに使用されない。更に、現在の一部の無線システム設計では、グループメンバの全てを搬送するGID割り当てフレーム(例えば、{GID=50,A,B,C,D}は、同じGIDを共有する別のグループにおける既存の割り当て記録をパージするのに使用されない。すなわち、GID/GMIリロードにより、あるデバイス又はデバイスのグループに割り当てられるGID/GMIを搬送するGID割り当てフレームは、同じGIDを有する既存の割り当てをパージするのに使用されず、新規の割り当ては、置き換え割り当てではなくリロード割り当てであってもよい。このような設計により、グループ割り当てに関連するメッセージトラフィックが増加する可能性がある。
【0041】
割り当てメッセージを低減させた態様で、無線通信システムを実装することができる。ある実装形態では、アクセスポイントは、GIDパージフレーム又はGIDアップデートフレームを送信して、クライアントデバイス内の既存の割り当て記録を削除又は変更することができる。ある実装形態では、GID割り当てフレームにリロードフラグを含ませて、リロードされたGID割り当てか、排他的GID割り当てかを示すことができる。ある実装形態では、リロードされたGID割り当ては、クライアントデバイス内の既存の割り当て記録を消去することはできない。ある実装形態では、既存の割り当て記録を消去又は変更するのに、排他的GID割り当てを使用することができる。
【0042】
ある実装形態では、GID割り当てフレームは、サブグループ割り当てのみ又は部分グループ割り当てのみを含まない。ある実装形態では、フレームが部分的グループ割り当てなのか又は完全なグループ割り当てなのかを示す部分割り当てフラグが、GID割り当てフレームに含まれる。ある実装形態では、部分グループ割り当てフレームは、クライアントデバイス内の既存の割り当て記録を消去することができない。
【0043】
アクセスポイントは、デバイスの数が少ない場合には(例えば、デバイスの個数が3以下)、クライアントデバイスのマルチユーザグループ化の全ての可能性をカバーするべく、GIDの予備割り当て(pre-allocation)を行うことができる。ネットワークに参加するときに、各クライアントデバイスは、他のクライアントデバイスとの全ての又は多数のグループ化組み合わせをカバーする全てのGID割り当てを取得することができる。ある実装形態では、GIDをリロードすることなく、クライアントデバイスの全ての組み合わせに複数のGID/GMIの予備割り当て(pre-assignment)を実行することができる。mビットのGIDフィールドに基づき、GID値の全数は、2となる。マルチユーザグループがそれぞれ、4つのデバイスを含む場合、例えば、n個のデバイスから4個のデバイスを選ぶ組み合わせは、コンビネーション(n,4)となる。オーバーロードとなるのを防ぐため、mを、2≧コンビネーション(n,4)のような範囲に設定する。5ビットのGIDに基づく場合、オーバーロードとならないクライアントデバイスの最大数は、6である。6ビットのGIDに基づく場合、オーバーロードとならないクライアントデバイスの最大数は、7である。8ビットのGIDに基づく場合、オーバーロードとならないクライアントデバイスの最大数は、10である。アクセスポイントは、MU送信の前に、再びGIDを割り当てる必要はない。ある実装形態では、mの値を制限することができ、オーバーロードが発生する可能性がある(例えば、2<コンビネーション(n,4)とする)。
【0044】
アクセスポイントがネットワークを開始すると、アクセスポイントは、利用可能なGID/GMIの予備割り当てを行って、GIDをリロードせずに、新たに参加したクライアントデバイスの取りうる全ての組み合わせをカバーしてもよい。更に多くのクライアントデバイスが参加する場合には、GID及びGMIを使い切り、アクセスポイントは、例えば、同じGID及びGMIを割り当てるといったように、十分な空間ダイバーシチを有さないクライアントデバイスを同じセット内に配置し始める場合がある。例えば、6ビットGID空間に基づく場合、アクセスポイントは、最初の7つのクライアントデバイスの全ての組み合わせをカバーするのに、GID及びGMIを使い切ってしまう。例えば、最初の7つのクライアントデバイスは、相互の空間ダイバーシチを確認せずに、異なるサブスペースに配置可能である。7個よりも多いクライアントデバイスがネットワークに参加する場合、アクセスポイントは、空間を7個のサブスペースに分割し、空間ダイバーシチが不十分なクライアントデバイスを同じサブスペースに配置する。すなわち、同じサブスペースに配置されたクライアントデバイスは、同じGMI/GIDを共有する。ある実装形態では、アクセスポイントは、少なくとも近い将来使用されないであろうGID及びGMI割り当てを除外し、これらGID及びGMIを新規のクライアントデバイスに割り当てる。
【0045】
ある特別なケースの場合、例えば、予備割り当てによりカバーできないケース、又は、クライアントデバイスが同じサブ空間に属するケースなどをカバーするべく、GID及びGMI割り当てが動的にリロードされてもよい。ある実装形態では、空間エネルギーセービンググループ又は同じサブスペースグループのために、周知の数のGIDを確保することができる。同じサブスペースに配置されたクライアントデバイスは、同じGID/GMIを共有することができる、又は、GID/GMIの同じセットを共有することができる。クライアントデバイスは、マルチユーザフレームが、少ない数のデバイス(例えば、サブスペースにおいて1つのクライアントデバイス)に宛てたものであっても、共有されたGID/GMIと関連付けられた全てのマルチユーザフレームをデコードしなければならない場合がある。1以上のクライアントデバイスは、省電力条件を有してもよい。省電力条件を有するクライアントデバイスに、1以上の確保されたGID/GMIを割り当てることができ、確保されたGID/GMIがそれぞれ、1つのデバイスにのみ割り当てられるようにしてもよい。このように、省電力クライアントデバイスは、同じサブスペースに配置された別のクライアントデバイスとGID/GMIを共有する必要がなく、別のデバイスに宛てられたフレームをデコードすることを回避できる。
【0046】
ある実装形態では、無線通信システムは、予備で割り当てられ、初期設定で非アクティブ状態に置かれるGID及びGMIを使用することができる。アクセスポイントは、GID有効化フレームのような情報、又は、サウンディングフレームに含まれるGID有効化情報要素を送信することにより、1以上のクライアントデバイスにおける1以上の割り当て記録を有効にすることができる。割り当て記録が有効にされると、クライアントデバイスは、割り当て記録に関連付けられているマルチユーザフレームの処理を開始する。割り当てエントリの各々がタイマを有し、タイマは、関連付けられたマルチユーザフレームが受信されるとリセットされる。クライアントデバイスが、マルチユーザフレームによって示された宛先受信デバイスのうちの1つでない場合には、タイマはリセットされなくてもよい。タイマが満了すると、割り当てエントリが無効化される。アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイス内の1以上の割り当て記録を無効化するべく、GID無効化フレーム又は情報要素(IE)のような情報を送信することができる。
【0047】
アクセスポイントは、同じGID及びGMIを、1以上のクライアントデバイス又はクライアントデバイスの1以上のグループに割り当てることができる。ある実装形態では、アクセスポイントは、アソシエーション時間に1つのクライアントデバイスに対して、複数のGID及びGMIの予備割り当てを行ってもよい。ある実装形態では、アクセスポイントは、最初のサウンディングの後に、クライアントデバイスの1以上のグループに対して、複数のGID及びGMIの予備割り当てを行ってもよい。ある実装形態では、サウンディング更新、トラフィック状態及びネットワークステータスのうちの1以上に基づいて、クライアントデバイスの1以上のグループに動的にGID及びGMIを割り当てることができる、又は、既存の割り当てを調整することができる。ある場合には、リロードを行うことなく、小さなネットワークにおけるクライアントデバイスの取りうる全ての組み合わせをカバーするべく、GID及びGMIの予備割り当てを行うことができる。またある場合には、サウンディングフィードバックに基づいて、GID及びGMIの割り当てを調整することができる。ある場合には、ネットワークの拡大又は変更に応じて、GID及びGMI割り当てを動的に調整することができる。
【0048】
図6A、6B、6C及び6Dには、マルチユーザグループ及びサウンディングプロセスのタイムラインシーケンスの一例が示されている。アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイスのマルチユーザグループ化及びサウンディングプロセスを実行可能である。図6Aに示す605では、アクセスポイントは、関連付けの後に、1以上のマルチユーザグループの予備割り当てを実行する。例えば、新規デバイスの関連付けに基づいて、アクセスポイントは、新規デバイスに1以上の所定の割り当て記録を送信する。図6Bに示す610では、アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイスに対してサウンディングを実行する。615において、アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイスからサウンディングフィードバックを受信する。アクセスポイントは、サウンディングフィードバックを使用して、1以上のマルチユーザグループを形成するべきか又は調整するべきかを判断する。620において、アクセスポイントは、更新されたマルチユーザグループ情報を有する割り当てメッセージを送信する。623において、アクセスポイントは、マルチユーザフレームを割り当てられたマルチユーザグループに送信するべく、TXOPを取得する。
【0049】
図6Cの625において、アクセスポイントは、サウンディング更新を実行することができる。例えば、アクセスポイントは、1以上のマルチユーザグループについて、サウンディング更新を行うことができる。630において、アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイスからサウンディングフィードバックデータを受信する。635において、アクセスポイントは、更新されたマルチユーザビーム形成マトリクスに基づいてマルチユーザグループに、マルチユーザフレームを送信するべく、TXOPを取得する。更新されたマルチユーザビーム形成マトリクスは、更新されたサウンディングフィードバックに基づいて決定されてもよい。
【0050】
図6Dに示す640において、アクセスポイントは、別のサウンディング更新を実行可能である。例えば、アクセスポイントは、1以上のマルチユーザグループについて、サウンディング更新を実行することができる。645において、アクセスポイントは、1以上のクライアントデバイスから、サウンディングフィードバックデータを受信する。650において、アクセスポイントは、サウンディングフィードバックに基づいてクライアントデバイスを再グループ化するべく、更新された割り当て記録を送信することができる。
【0051】
アクセスポイントは、デバイスにそれぞれのGID及びGMI割り当てを通知するべく、割り当てメッセージを送信することができる。割り当てメッセージは、1以上の割り当て記録を含むことができる。ある実装形態では、割り当て記録は、GID値及びGMI値を含む。1以上の割り当てメッセージは、割り当てフレーム(例えば、GID割り当てフレーム)に含まれていてもよい。アクセスポイントは、ユニキャストGID割り当てフレーム又はマルチチャストGID割り当てフレームのような、1以上の種類のGID割り当てフレームを送信することができる。
【0052】
ユニキャストGID割り当てフレームは、1以上のGID及びGMIを1つのクライアントデバイスに割り当てることができる。アクセスポイントは、ユニキャストGID割り当てフレームを個々のクライアントデバイスに送信して、デバイスに1以上の割り当て記録を付加又は更新させることができる。個々のクライアントデバイスへのユニキャストフレームは、クライアントデバイスに、アクノリッジメントを送信させることができる。ある実装形態では、個々のクライアントデバイスに送信されるユニキャストフレームは、保護されていてもよく、また、確認が行われてもよい。ある実装形態では、ユニキャスト割り当てフレーム(例えば、ユニキャストGID割り当てフレーム)は、ロバスト管理/動作フレームとして規定することができる。ロバストユニキャスト管理フレームは、暗号化されていてもよい。
【0053】
マルチチャストGID割り当てフレームは、GID及びGMIを1以上のマルチユーザグループに割り当てることができる。アクセスポイントは、マルチキャストGID割り当てフレームを1以上のクライアントデバイス、又は、クライアントデバイスの1以上のグループに割り当てて、クライアントデバイス各々において1以上の割り当て記録を加えることができる。クライアントデバイスにおいて、受信されたマルチキャストフレームに対して、アクナリッジメント、確認又は保護を行うことができる。ある実装形態では、マルチキャストフレームは、Action−No−Ackフレームであってもよい。デバイスからのMU送信に対する応答がないことが検出された場合には、特定のデバイスに割り当て記録を付加するべく更なるユニキャストフレームをデバイスに送信してもよい。
【0054】
アクセスポイントは、ユニキャストフレームを介して又はマルチキャストフレームを介して、1以上の割り当て記録を更新することができる。例えば、アクセスポイントは、個々のクライントデバイスにおける1以上の割り当て記録を更新するべく、そのクライアントデバイスにユニキャストフレームを送信することができる。別の例では、アクセスポイントは、マルチキャストフレームを、1以上のクライアントデバイス、又は、クライアントデバイスの1以上のグループに送信して、クライアントデバイス各々における1以上の割り当て記録を更新することができる。
【0055】
アクセスポイントは、1以上の割り当て記録を消去するべく、個々のクライアントデバイスにユニキャストフレームを送信することができる。クライアントデバイスは、ユニキャストフレームのアクナリッジメントを送信することを要求されてもよい。ユニキャストフレームは、保護及び確認されてもよい。アクセスポイントは、マルチキャストフレームを1以上のクライアントデバイス、又は、クライアントデバイスの1以上のグループに送信して、クライアントデバイス各々における1以上の割り当て記録を消去することができる。クライアントデバイスは、記録それぞれについてタイマを維持して、記録が古くなった場合には記録を削除し、アクセスポイント又はMU送信機にその旨を示す通知を送信することができる。
【0056】
悪意のあるGID割り当て(例えば、攻撃者から送信されたGID割り当て)により、クライアントデバイスがマルチユーザフレームを処理できなくなる可能性がある。GID割り当てフレーム、GIDパージフレーム及びGID更新フレームのようなフレームは、MICを含むことができ、それにより悪意のあるアクティビティから守ることができる。認証に失敗したMICに基づいて、クライアントデバイスは、DoS攻撃疑い(Suspected-DoS-Attack)フレームを送信することができる、又は、DoS攻撃疑い理由コードを、GID確認フレーム又はGIDパージフレームのようなフレームに含めることができる。入力されるGIDフレームからコピーされたダイアログトークンを、DoS攻撃疑いフレーム、GID確認フレーム又はGIDパージフレームのようなフレームに含めることができる。入力されるGIDフレームがアクセスポイントからのものである場合には、アクセスポイントはもう一度フレームを送信する、そうでない場合には、アクセスポイントは何もせずにいる又はGID割り当てフレームをクライアントデバイスに送信して、有効となっているGID割り当て全てについてクライアントデバイスに確認する。
【0057】
図7には、受信した割り当てフレームを扱うためのプロセスの一例が示されている。705において、クライアントデバイスは、ユニキャストチャネルを介して、アクセスポイントから割り当てフレームを受信する。割り当てフレームは、MACヘッダ及びMACペイロードを含む。ペイロードは、割り当てメッセージを含む。この例において、ペイロードは暗号化されている。710において、クライアントデバイスは、割り当てフレームに含まれているMACヘッダを確認する。MACヘッダの確認及びフレームチェックシーケンス(FCS)が成功したことに基づいて(例えば、意図した受信デバイスが実際の受信デバイスであった場合)、715において、クライアントデバイスは、アクナリッジメント(ACK)を送信する。720において、クライアントデバイスは、割り当てフレームに含まれるMACペイロードを復号化する。クライアントデバイスは、復号化されたMACペイロードから割り当てメッセージを抽出することができる。メッセージは、MICを含んでもよい。ある実装形態では、MICは、割り当てメッセージとは別にされる。ある実装形態では、MACペイロードは暗号化されておらず、MACペイロード復号は必要ない。725において、クライアントデバイスはMICの認証を行う。730において、クライアントデバイスは、MICの認証結果が成功であったことに基づいて、マルチユーザグループテーブルを更新する。735において、クライアントデバイスは、確認メッセージをアクセスポイントに送信する。
【0058】
クライアントデバイスにとって、割り当てメッセージの復号及び認証は、デバイスがマルチユーザグループテーブルを更新し応答を送信する前に、長い遅延を引き起こす可能性がある。ブロードキャスト・インテグリティ・プロトコル(Broadcast Integrity Protocol:BIP)又は、マルチキャスト・インテグリティ・プロトコル(Multicast Integrity Protocol:MIP)によって(例えば、ブロードキャストフレーム又はマルチキャストフレーム)によってフレームが保護される場合、クライアントデバイスは、フレームを素早く構文解析することができ、その後にフレームの検証を行うことができる。ユニキャストフレームのように、フレームが暗号化されたコンテンツを含む場合には、デバイスは、MACヘッダを素早く解析するが、MACペイロードの復号及び検証には少々時間を要してもよい。BIP保護の場合、フレーム解析の直後及びMIC検証の前に、一時割り当て記録を付加することができる。MIC検証結果に基づいて、デバイスは、マルチユーザグループテーブルを変更する。一時割り当て記録を、AID(Associated Identifier)又はMACアドレスマッチに基づいて付加することができ、割り当て記録のGIDは、まだ記録されない。一時割り当て記録が付加されると、デバイスは、一時記録に適合するMU−PPDUの処理を開始することができる。MICが認証されると、一時割り当て記録が正式な記録となる。MICが認証されなかった場合には、一時割り当て記録は消去される。
【0059】
図8Aには、ブロードキャスト送信の場合の、GID管理フレームフォーマットのレイアウト例が示されている。アクセスポイントは、複数のデバイスにおけるグループ割り当てを制御するべく、GID割り当てフレーム800をブロードキャストすることができる。フレーム800(図示せず)内のMACヘッダは、フレーム800の意図した受信デバイスのブロードキャストアドレスを含むことができる。フレーム800において、アクションフィールド805は、フレーム800がGID管理フレームであることを示すことができる。ファンクションフィールド810は、フレーム800が、GID割り当て、GID割り当て更新又はGIDパージオペレーションのようなGIDベースのオペレーションであることを示すことができる。第1数値フィールド815の値は、フレーム800内にアドレス指定されるクライアントデバイスの個数(例えば、デバイスの個数)を示す。さらに、第1数値フィールド815の値は、フレーム800に含まれる関連付けID(AID)820a、820b、820cの個数を示す。この例では、N個のAID(N>1)が存在し、AIDはそれぞれ別個のクライアントデバイスに対応している。
【0060】
フレーム800では、第2数値フィールド825は、フレーム800でカバーされるマルチユーザグループの数(例えば、デバイスグループの数)を示すことができる。第2数値フィールド825の値は、フレーム800に含まれるマルチユーザグループ記録830a、830bの数を示す。マルチユーザグループ記録830a〜bは、対応するマルチユーザグループのGIDを含む。マルチユーザグループ記録830a〜bは、AID820a〜cのリストによって示された順番で、対応するAIDについてのGMI値のベクトルを含む。記録において、GMIの値のその他の配置が可能である。ゼロでないGMI値は、対応するAID、従って、対応するデバイスに、マルチユーザグループが割り当てられていることを示す、更に、GMI値を示す。ゼロであるGMI値は、対応するAID、従って、対応するデバイスに、マルチユーザグループが割り当てられていないことを示す。
【0061】
図8Bには、ユニキャスト送信のためのGID管理フレームフォーマットのレイアウトの一例が示されている。アクセスポイントは、ユニキャストチャネルを介して1つのデバイスにおけるグループ割り当てを制御するべく、GID割り当てフレーム801を送信することができる。フレーム801(図示せず)内のMACヘッダは、フレーム801の意図した受信デバイスの無線アドレスを含むことができる。フレーム801において、アクションフィールド806は、フレーム801がGID管理フレームであることを示すことができる。ファンクションフィールド811は、フレーム801が、GID割り当て、GID割り当て更新又はGIDパージオペレーションのようなGIDベースのオペレーションであることを示すことができる。フレーム801では、数値フィールド826は、フレーム801でカバーされるマルチユーザグループの数(例えば、デバイスグループの数)を示すことができる。更に、数値フィールド826の値は、フレーム801に含まれるマルチユーザグループ記録850a、850b、850cの数を示す。ユニキャストフレームにおいて、例えば、マルチユーザグループ記録850a〜cは、対応するマルチユーザグループのGID、及び、受信側に割り当てられた及び割り当てられていないGMIを含む。フレーム801内でのGID値及びGMI値のその他の配置が可能である。ゼロでないGMIの値は、受信側に、対応するマルチユーザグループ及びそのGMI値が割り当てられていることを示す。ゼロであるGMI値は、受信側にマルチユーザグループが割り当てられていないことを示す。
【0062】
図9には、同種空間グループ化技術に基づいたGID及びGMI割り当ての一例を示した図である。アクセスポイント901は、アクセスポイント901を囲む空間的に指定された領域910a、910b、910c、910dと関連付けられたサブスペースインデックス(SSI)値を割り当てることができる。同じ空間的方向に位置するクライアントデバイスのような不十分な空間ダイバーシチを有するクライアントデバイスは、同じSSIに割り当てることができる。例えば、同じマルチユーザグループに配置されるのに適していないクライアントデバイスには、同じSSIを割り当てることができる。アクセスポイント901は、周囲を取り囲む空間を、2つ以上の別個の領域910a〜dへと分割することができ、ここで各領域には、自身のSSI値が割り当てられる。この例では、アクセスポイント901は、周囲を取り囲む空間を、4つの領域910a〜dに分割している。MU送信の場合、アクセスポイント901は、異なるSSIを有するクライアントデバイスをグループ化することができる。
【0063】
最大許容SSIが、(マルチユーザグループにおける)最大許容GMIと同じ又はそれ未満である場合、SSIは、GMIに一対一の関係でマップされてもよい。例えば、デバイスに割り当てられたSSIがmである場合、任意のMU送信におけるGMIもmであると推定される。
【0064】
無線通信システムは、同じSSIに割り当てられた全てのデバイスをカバーするべく、既知のGID(例えば、GID=0xFF、又は、ブロードキャストGID)が割り当てられ、ここで、SSIがGMIと等しくなっているというハイブリッドな手法を使用することができる。既知のGIDを有するSSI/GMIがデバイスに割り当てられると、デバイスは、受信したマルチユーザフレームを既知のGIDを使用して処理することが必要となる。最大許容GMI以下の特定の数のデバイスをグループ化するのに、その他の任意のGIDを使用することができる。既知のGIDを割り当てられていないデバイスは、対応するマルチユーザフレームをスキップして、節電することができる。同じSSIが割り当てられたデバイスはグループ化されて、既知のGIDとは異なるGIDのうちの1つが割り当てられる。マルチキャスト送信の場合、1以上のGIDが確保されてもよい。マルチキャストGIDの一部を使用して、サブスペース各々から選択された複数のデバイスをグループ化してもよい。
【0065】
最大許容SSI値が、マルチユーザグループにおける最大許容GMI値よりも大きい場合には、SSIはそれぞれ、1以上のGID/GMI組み合わせにマッピングされてもよい。SSI−GMI−GIDマッピングテーブルのようなマッピングテーブルを、送信デバイス及び受信デバイスの両方にインストールすることができる。マルチユーザフレームの不必要な処理を最小にするべく、及び、複数のクライアントデバイス間で公平となるように(例えば、クライアントデバイスがそれぞれ、ほぼ等しい比率の不必要なマルチユーザフレーム処理を受信する)、無線通信システムは、(i)割り当て組み合わせを最小数のSSIにマッピングする、(ii)SSIをそれぞれ、最小数のGIDにマッピングする、又は、(iii)SSIが相応分のGIDを受け取る、の何れか1つを実行することができる。
【0066】
図10には、同種空間グループ化技術に対するマッピングテーブルの一例が示されている。この例では、複数のクライアントデバイスを、最大GMIの数値よりも大きい数のサブスペースに配置することができる(この例では、8個のSSI値が存在する)。アクセスポイントは、ダイナミックSSI−GID−GMIマッピングテーブルのようなマッピングテーブル1005を生成し、MU送信の前に、マッピングテーブル1005をクライアントデバイスに配信することができる。ある実装形態では、アクセスポイントは、固定されたSSI−GID−GMIマッピングテーブルにおけるGID−SSI組み合わせの一部をイネーブルし、GMIを有するその他の組み合わせを0に設定する。例えば、アクセスポイントは、特定のデバイス及びSSIに対するGID一部のみをアクティブにすることができる。ある実装形態では、アクセスポイントは、リロードの前にGID空間を使い切ってしまい、異なるGIDを高頻度で使用されているマルチユーザグループに割り当てる。ある実装形態では、アクセスポイントは、SSIナンバーの一部のみを使用し、同じSSI組み合わせを有する異なるデバイスの組み合わせを示すべく異なるGIDを使用する。
【0067】
ある実装形態では、SSIが割り当てられる前に、アクセスポイントは、関連付けられたデバイスのチャネル状態の情報を収集するべく、最初のサウンディング実行することができる。最初のサウンディングは、完全なフィードバック又は選択的フィードバックを伴う、ブロードキャストベースのサウンディング又はマルチキャストベースのサウンディングであってもよい。アクセスポイントは、最初のサウンディングのフィードバックに基づいて、SSIを割り当てることができる。ある実装形態では、アクセスポイントは、最初のサウンディングをスキップして、SSIを順次的に又はランダムに割り当てることができる。更新プロセスでは、アクセスポイントは、1以上のマルチユーザグループに対して、又は、1以上のSSI組み合わせに対して、サウンディングを実行することができる。異なるデバイスのセットをカバーするべく、又は、1以上のデバイスにおけるチャネル変化に適応するべく、SSIを再割り当てすることができる。1以上のSSIの割り当ては、サウンディング、又は、サウンディングアナウンスフレームに含まれてもよい。
【0068】
幾つかの実施形態が詳細に説明されたが、様々な変更が可能である。本明細書に記載された機能的オペレーションを含む開示された特徴は、電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、これらの組み合わせに実装することができ、例えば、1以上のデータ処理装置に説明したオペレーションを実行させるプログラムを含む本明細書に開示された構造的手段及び構造的均等物(例えば、メモリデバイス、記憶デバイス、機械可読記憶基板、又は、その他の物理的機械可読媒体、又は、これらの1以上の組み合わせのような、コンピュータ可読媒体にエンコードされたプログラム)に実装されてもよい。
【0069】
データ処理装置"という言葉は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は、マルチプロセッサ又はコンピュータを含むデータを処理する全ての装置、デバイス及び機械を包含する。装置は、ハードウェア以外にも、対象のコンピュータプログラムに対する実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム又はこれらの1以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。
【0070】
プログラム(コンピュータプログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとも称される)はは、コンパイルされた又は翻訳された言語、若しくは、宣言型又は手続き型言語を含む、あらゆる形式のプログラミング言語で記載されてもよく、スタンドアローンプログラム又はモジュール、コンポーネント、サブルーチンとして、又は、コンピュータ環境での使用に適したその他の単位として実装されてもよい。プログラムは、必ずしもファイルシステムのファイルに対応していない。プログラムは、その他のパラメータ又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納される1以上のスクリプト)を有するファイルの一部、対象のプログラム専用の1つのファイル、又は、複数のコーディネートされたファイル(例えば、1以上のモジュール、サブプログラム又はコード部分を格納するファイル)に格納されてもよい。1つのサイト又は複数の分散されたサイトに位置する、及び、通信ネットワークで相互接続された1つのコンピュータ又は複数のコンピュータにおいて実行されるべくプログラムが実装されてもよい。
【0071】
本明細書は、様々な詳細事項を含むが、これらの詳細事項は、特許請求される範囲を限定していると解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有の特徴を説明していると解されるべきである。別の実施形態のコンテキストで本明細書に記載されている特定の特徴を、1つの実施形態における組み合わせに実装することができる。反対に、1つの実施形態のコンテキストで説明された様々な特徴を、複数の実施形態において別々に又は好適な任意のサブコンビネーションで実装することもできる。更に、上記で記載された特徴は、特定の組み合わせで説明され及び最初に特許請求されるが、特許請求される組み合わせからの1対状の特徴は、ある場合には、組み合わせから抽出されてもよく、特許請求される組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形例を対象としてもよい。
【0072】
同様に、図に特定の順番で描かれているオペレーションは、所望の結果を達成するために、このオペレーションが図示された特定の順番又はその順番で実行される必要がある、又は、全てのオペレーションを実行する必要があると解釈されるべきではない。ある状況では、マルチタスキング及び並行処理が有用であると考えられる。更に、上記の実施形態における様々なシステムコンポーネントの区分について、このような区分が全ての実施形態において必要であると解釈されるべきでない。
【0073】
その他の実施形態についても、添付の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9
図10