(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明にかかるシステム利用時間管理装置、システム利用時間管理方法およびシステム利用時間管理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
本実施の形態の概要について
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の概要を示す図である。まず、予め用意した管理用データベースに、(A)ユーザグループ所属情報、(B)システム全体曜日別利用時間情報およびシステム全体日付別利用時間情報、ならびに個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報の少なくとも1つのペア、(C)個別設定管理情報、(D)優先度情報、を格納する。
【0018】
ユーザグループ所属情報は、システムへのログインが可能なシステムユーザをまとめて管理するための予め設定されたユーザグループと、各々のユーザグループに所属するシステムユーザの構成と、からなる情報である。
図1に示すユーザグループ所属情報では、“管理者ユーザグループ”というユーザグループに“管理者A”および“管理者B”というシステムユーザが所属し且つ“一般ユーザグループ”というユーザグループに“一般ユーザa”や“一般ユーザb”などのシステムユーザが所属していることが示されている。
【0019】
システム全体曜日別利用時間情報は、全てのシステムユーザに適用可能な利用時間情報であって曜日別に設定したものであり、通常のシステム運用スケジュールである。システム全体日付別利用時間情報は、全てのシステムユーザに適用可能な利用時間情報であって日付別に設定したものである。利用時間情報とは、例えば1時間単位といった所定時間単位でのシステムの利用可否設定に関する情報である。
図1で“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報では、システムを利用することができる旨を示す記号“○”およびシステムを利用することができない旨を示す記号“×”が、6時間単位で曜日別に示されている。
図1で“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報では、記号“○”および記号“×”が6時間単位で日付別に示されている。
【0020】
個別曜日別利用時間情報は、特定のユーザグループに所属するシステムユーザに適用可能な利用時間情報であって曜日別に設定したものである。個別日付別利用時間情報は、特定のユーザグループに所属するシステムユーザに適用可能な利用時間情報であって日付別に設定したものである。
図1で“管理者設定(曜日別)”と示されている個別曜日別利用時間情報では、記号“○”および記号“×”が6時間単位で曜日別に示されている。
図1で“管理者設定(日付別)”と示されている個別日付別利用時間情報では、記号“○”および記号“×”が6時間単位で日付別に示されている。個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報はペアで管理されており、当該ペアのそれぞれには当該ペアを一意に識別するための利用時間IDが付与されている。
【0021】
個別設定管理情報は、利用時間IDと、当該利用時間IDに対応する個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアの適用対象となるユーザグループと、に関する情報である。
図1に示す個別設定管理情報では、“管理者ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在することが“管理者設定”という表記で示されており、また“一般ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在しないことが“なし”という表記で示されている。
【0022】
優先度情報は、ログイン操作を行ったシステムユーザに各種の利用時間情報を適用する際の優先度(優先順位)に関する情報である。
図1に示す優先度情報では、優先度の高いものから順に、個別日付別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報、システム全体曜日別利用時間情報であることが示されている。
【0023】
つぎに、管理用データベースに格納されている上述した各種情報に基づいてシステムユーザのログイン可否を判定する処理の流れの概要を、具体的な状況を例に挙げて説明する。
【0024】
[状況その1]管理者Aが11月3日(月曜日)の12時にログイン操作を行った場合
[工程11]管理者Aが所属するユーザグループを、ユーザグループ所属情報を参照して確認する。当該確認の結果、管理者Aが“管理者ユーザグループ”に所属していることが判る。
【0025】
[工程12]管理者Aが所属する“管理者ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在するか否かを、個別設定管理情報を参照して確認する。当該確認の結果、
図1で“管理者設定”と示されている通り、“管理者ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在することが判る。
【0026】
[工程13]各種の利用時間情報を“管理者ユーザグループ”に適用する際の優先度を、優先度情報を参照して確認する。当該確認の結果、優先度の高いものから順に、
図1で“管理者設定(日付別)”と示されている個別日付別利用時間情報、“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報、“管理者設定(曜日別)”と示されている個別曜日別利用時間情報、“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報であることが判る。
【0027】
[工程14]管理者Aのログイン操作が11月3日(月曜日)の12時に行われたことに基づいて、各種の利用時間情報を優先度の高いものから順に参照する。まず、
図1で“管理者設定(日付別)”と示されている個別日付別利用時間情報を参照すると、これに11月3日(月曜日)の利用可否設定が登録されていることが判る。そして、管理者Aのログイン操作が11月3日(月曜日)の12時に行われたことおよび当該“管理者設定(日付別)”と示されている個別日付別利用時間情報に基づいて、管理者Aが11月3日(月曜日)の12時にログイン可能か否かを判定する。当該判定の結果、管理者Aが11月3日(月曜日)の12時にログイン可能(ログインOK)であることが判る。
【0028】
[状況その2]管理者Aが11月15日(土曜日)の12時にログイン操作を行った場合
ここで、[工程21]〜[工程23]の説明は、上述した[工程11]〜[工程13]と同じであるため省略する。
【0029】
[工程24]管理者Aのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時に行われたことに基づいて、各種の利用時間情報を優先度の高いものから順に参照する。まず、
図1で“管理者設定(日付別)”と示されている個別日付別利用時間情報を参照し、つぎに“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報を参照するが、これらに11月15日(土曜日)の利用可否設定が登録されていないことが判る。そこで、つぎに、“管理者設定(曜日別)”と示されている個別曜日別利用時間情報を参照すると、これに土曜日の利用可否設定が登録されていることが判る。そして、管理者Aのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時に行われたことおよび当該“管理者設定(曜日別)”と示されている個別曜日別利用時間情報に基づいて、管理者Aが11月15日(土曜日)の12時にログイン可能か否かを判定する。当該判定の結果、管理者Aが11月15日(土曜日)の12時にログイン可能(ログインOK)であることが判る。
【0030】
[状況その3]一般ユーザaが11月3日(月曜日)の12時にログイン操作を行った場合
[工程31]一般ユーザaが所属するユーザグループを、ユーザグループ所属情報を参照して確認する。当該確認の結果、一般ユーザaが“一般ユーザグループ”に所属していることが判る。
【0031】
[工程32]一般ユーザaが所属する“一般ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在するか否かを、個別設定管理情報を参照して確認する。当該確認の結果、
図1で“なし”と示されている通り、“一般ユーザグループ”を適用対象とする個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在しないことが判る。
【0032】
[工程33]各種の利用時間情報を“一般ユーザグループ”に適用する際の優先度を、優先度情報を参照して確認する。当該確認の結果、優先度の高いものから順に、
図1で“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報、“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報であることが判る。
【0033】
[工程34]一般ユーザaのログイン操作が11月3日(月曜日)の12時に行われたことに基づいて、各種の利用時間情報を優先度の高いものから順に参照する。まず、
図1で“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報を参照すると、これに11月3日(月曜日)の利用可否設定が登録されていることが判る。そして、一般ユーザaのログイン操作が11月3日(月曜日)の12時に行われたことおよび当該“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報に基づいて、一般ユーザaが11月3日(月曜日)の12時にログイン可能か否かを判定する。当該判定の結果、一般ユーザaが11月3日(月曜日)の12時にログイン不可(ログインNG)であることが判る。
【0034】
[状況その4]一般ユーザaが11月10日(月曜日)の12時にログイン操作を行った場合
ここで、[工程41]〜[工程43]の説明は、上述した[工程31]〜[工程33]と同じであるため省略する。
【0035】
[工程44]一般ユーザaのログイン操作が11月10日(月曜日)の12時に行われたことに基づいて、各種の利用時間情報を優先度の高いものから順に参照する。まず、
図1で“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報を参照するが、これには11月10日(月曜日)の利用可否設定が登録されていないことが判る。そこで、つぎに、“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報を参照すると、これに月曜日の利用可否設定が登録されていることが判る。そして、一般ユーザaのログイン操作が11月10日(月曜日)の12時に行われたことおよび当該“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報に基づいて、一般ユーザaのログイン操作が11月10日(月曜日)の12時にログイン可能か否かを判定する。当該判定の結果、一般ユーザaのログイン操作が11月10日(月曜日)の12時にログイン可能(ログインOK)であることが判る。
【0036】
[状況その5]一般ユーザaが11月15日(土曜日)の12時にログイン操作を行った場合
ここで、[工程51]〜[工程53]の説明は、上述した[工程31]〜[工程33]と同じであるため省略する。
【0037】
[工程54]一般ユーザaのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時に行われたことに基づいて、各種の利用時間情報を優先度の高いものから順に参照する。まず、
図1で“システム全体(日付別)”と示されているシステム全体日付別利用時間情報を参照するが、これには11月15日(土曜日)の利用可否設定が登録されていないことが判る。そこで、つぎに、“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報を参照すると、これに土曜日の利用可否設定が登録されていることが判る。そして、一般ユーザaのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時に行われたことおよび当該“システム全体(曜日別)”と示されているシステム全体曜日別利用時間情報に基づいて、一般ユーザaのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時にログイン可能か否かを判定する。当該判定の結果、一般ユーザaのログイン操作が11月15日(土曜日)の12時にログイン不可(ログインNG)であることが判る。
【0038】
以上、本概要では、システム全体の利用時間(ログイン可能時間)およびログインユーザアカウント個別の利用時間を管理する。具体的には、システム全体の曜日別利用時間(a)および日付別利用時間(b)を所定時間単位(例えば1時間単位)で管理用データベースに格納する。また、個別設定用の利用時間IDを付与し、利用時間ID毎に曜日別利用時間(c)および日付別利用時間(d)を所定時間単位(例えば1時間単位)で管理用データベースに格納する。また、システムのログインユーザをまとめて管理するためのユーザグループと、ユーザグループに所属するユーザの構成情報を管理用データベースに格納する。さらに、個別設定用の利用時間IDと、設定を適用するユーザグループの割当情報を管理用データベースに格納する。
【0039】
そして、本概要では、ユーザがログイン操作を行った場合、管理用データベースに格納されている所属ユーザグループの情報をチェックし、利用時間の設定(a)、(b)、(c)および(d)を、優先度の高い順に(d)、(b)、(c)および(a)とする利用時間設定の優先順位に従ってチェックし、現在時間に該当する利用時間設定の中で最も優先度の高いものを基にログイン可・不可の判定を行う。なお、本実施の形態では、ログイン不可と判定されたユーザに対しエラー表示を行い、当該ユーザにこれ以降の操作を認めないようにしてもよい。
【0040】
このようにログイン可能時間を管理することで、ユーザの不正アクセスを防止することができる。また、利用時間に対して、システム全体設定と個別設定および曜日別設定と日付別設定を使い分けることで、管理上の作業負荷の軽減や利便性の向上ができる。換言すると、システム全体設定と個別設定および曜日別設定と日付別設定を組み合わせてシステムの利用時間を柔軟に設定することができ、日々変化するシステム運用に合わせてシステムの利用時間の設定を管理するための作業負荷を軽減することができる。また、利用時間の設定に関する従来のユーザ別の設定の機能とシステム全体の設定の機能とを単に組み合わせても、システムを起動していない時間帯にはユーザにシステムを使わせることはできないが、本概要によれば、システムを起動していない時間帯であってもユーザにシステムを使わせることができる。また、本概要では、利用時間設定の優先順位は、一例として、優先度の高い順に(d)、(b)、(c)および(a)とするものなので、休日などの例外的な利用時間設定を優先してログインを許可するか否かを判定することができる。
【0041】
なお、例えば、同一のログイン可能時間を大多数のユーザに設定したい場合は、システム全体の利用時間(a)および(b)を設定すればよい。また、他のユーザと異なるログイン可能時間を少数のユーザに設定したい場合は、個別設定用の利用時間(c)および(d)を設定すればよい。また、一週間単位での運用スケジュールに即した利用時間の設定を行いたい場合は、曜日別の利用時間(a)および(c)を設定すればよい。さらに、休日などの例外的な利用時間の設定を行いたい場合は、日付別の利用時間(b)および(d)を設定すればよい。
【0042】
[2.構成]
本実施の形態にかかるシステム利用時間管理装置100の構成について
図2等を参照して説明する。
図2は、システム利用時間管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
システム利用時間管理装置100は、制御部102と記憶部104と通信インターフェース部106と入出力インターフェース部108とで構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0044】
通信インターフェース部106は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介してシステム利用時間管理装置100を、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク200に通信可能に接続する。すなわち、通信インターフェース部106は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0045】
入出力インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114に接続する。ここで、出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。)。入力装置112には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0046】
記憶部104は、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する。記憶部104は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部104には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部104は、ユーザ管理ファイル104a、システム全体曜日別利用時間ファイル104b、システム全体日付別利用時間ファイル104c、個別曜日別利用時間ファイル104d、個別日付別利用時間ファイル104e、個別設定管理ファイル104f、優先度ファイル104gを格納している。
【0047】
ユーザ管理ファイル104aは、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報とユーザの属性に関するユーザ属性情報とを含むユーザ管理情報を格納している。ここで、ユーザ管理ファイル104aに格納される情報の一例について
図3を参照して説明する。
図3は、ユーザ管理ファイル104aに格納される情報の一例を示す図である。
図3に示すユーザ管理ファイル104aは、ユーザ識別情報としてのユーザIDと、ユーザが所属するグループを一意に識別するためのユーザ属性情報としてのグループIDと、を相互に関連付けて格納している。
【0048】
図2に戻り、システム全体曜日別利用時間ファイル104bは、システムを利用できる時間及び/又は利用できない時間に関する利用時間情報が曜日別に設定されており全てのユーザに適用可能なシステム全体曜日別利用時間情報を格納している。ここで、システム全体曜日別利用時間ファイル104bに格納される情報の一例について
図4を参照して説明する。
図4は、システム全体曜日別利用時間ファイル104bに格納される情報の一例を示す図である。
図4に示すシステム全体曜日別利用時間ファイル104bは、システムの利用可否に関する利用可否設定を所定時間単位(例えば1時間単位)で曜日別に格納している。
【0049】
図2に戻り、システム全体日付別利用時間ファイル104cは、システムを利用できる時間及び/又は利用できない時間に関する利用時間情報が日付別に設定されており全てのユーザに適用可能なシステム全体日付別利用時間情報を格納している。ここで、システム全体日付別利用時間ファイル104cに格納される情報の一例について
図5を参照して説明する。
図5は、システム全体日付別利用時間ファイル104cに格納される情報の一例を示す図である。
図5に示すシステム全体日付別利用時間ファイル104cは、システムの利用可否に関する利用可否設定を所定時間単位(例えば1時間単位)で日付別に格納している。
【0050】
図2に戻り、個別曜日別利用時間ファイル104dは、システムを利用できる時間及び/又は利用できない時間に関する利用時間情報が曜日別に設定されており特定の属性に該当するユーザに適用可能な個別曜日別利用時間情報であって個別設定識別情報が付与されたものを格納している。個別設定識別情報は、個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアを一意に識別するための情報である。ここで、個別曜日別利用時間ファイル104dに格納される情報の一例について
図6を参照して説明する。
図6は、個別曜日別利用時間ファイル104dに格納される情報の一例を示す図である。
図6に示す個別曜日別利用時間ファイル104dは、個別設定識別情報としての利用時間IDが付与されており、システムの利用可否に関する利用可否設定を所定時間単位(例えば1時間単位)で曜日別に格納している。
【0051】
図2に戻り、個別日付別利用時間ファイル104eは、システムを利用できる時間及び/又は利用できない時間に関する利用時間情報が日付別に設定されており特定の属性に該当するユーザに適用可能な個別日付別利用時間情報であって個別設定識別情報が付与されたものを格納している。ここで、個別日付別利用時間ファイル104eに格納される情報の一例について
図7を参照して説明する。
図7は、個別日付別利用時間ファイル104eに格納される情報の一例を示す図である。
図7に示す個別日付別利用時間ファイル104eは、個別設定識別情報としての利用時間IDが付与されており、システムの利用可否に関する利用可否設定を所定時間単位(例えば1時間単位)で日付別に格納している。
【0052】
図2に戻り、個別設定管理ファイル104fは、個別設定識別情報とユーザ属性情報とを含む個別設定管理情報を格納している。ここで、個別設定管理ファイル104fに格納される情報の一例について
図8を参照して説明する。
図8は、個別設定管理ファイル104fに格納される情報の一例を示す図である。
図8に示す個別設定管理ファイル104fは、個別設定識別情報としての利用時間IDと、ユーザ属性情報としての少なくとも1つのグループIDとを相互に関連付けて格納している。
【0053】
図2に戻り、優先度ファイル104gは、システム全体曜日別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間情報をユーザに適用する際の優先度に関する優先度情報を格納している。ここで、優先度ファイル104gに格納される情報の一例について
図9を参照して説明する。
図9は、優先度ファイル104gに格納される情報の一例を示す図である。
図9に示す優先度ファイル104gは、“曜日”及び“日付”と“個別”及び“全体”との4つの組み合わせに対して、優先度の高いものから順に、優先度としての数値“1”、“2”、“3”及び“4”を格納している。なお、“日付”と“個別”の組み合わせに付与された数値は個別日付別利用時間情報の優先度を表し、“日付”と“全体”の組み合わせに付与された数値はシステム全体日付別利用時間情報の優先度を表し、“曜日”と“個別”の組み合わせに付与された数値は個別曜日別利用時間情報の優先度を表し、“曜日”と“全体”の組み合わせに付与された数値はシステム全体曜日別利用時間情報の優先度を表している。
【0054】
図2に戻り、制御部102は、システム利用時間管理装置100を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等である。制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、ログイン監視部102a、取得部102b、抽出部102c、選出部102d、判定部102e、表示実行部102f及び操作管理部102gを備えている。
【0055】
ログイン監視部102aは、ユーザ識別情報の入力を含むシステムへのログイン操作を監視し、当該ログイン操作を受けた場合には取得部102bや抽出部102cへその旨を通知する。
【0056】
取得部102bは、ログイン監視部102aから送られたログイン操作を受けた旨の通知を受けた場合には、当該ログイン操作を受けた日付、曜日及び時刻を取得する。
【0057】
抽出部102cは、ログイン監視部102aから送られたログイン操作を受けた旨の通知を受けた場合には、当該ログイン操作の際に入力されたユーザ識別情報及びユーザ管理ファイル104aに格納されているユーザ管理情報に基づいて、当該ユーザ識別情報に対応するユーザ属性情報を抽出する。
【0058】
選出部102dは、取得部102bで取得した日付及び曜日、抽出部102cで抽出したユーザ属性情報並びに優先度ファイル104gに格納されている優先度情報に基づいて、システム全体曜日別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間情報のうち、ログイン操作を行ったユーザに最も優先して適用するものを選出する。
【0059】
判定部102eは、選出部102dで選出したもの及び取得部102bで取得した時刻に基づいて、ログイン操作を行ったユーザの当該時刻でのシステムへのログインを許可するか否かを判定する。
【0060】
表示実行部102fは、判定部102eでの判定結果がログイン不可というものであった場合には、ログイン不可である旨に関する所定のエラー通知を、出力装置114へ表示する。
【0061】
操作管理部102gは、判定部102eでの判定結果がログイン不可というものであった場合には、当該ログイン不可と判定されたログイン操作を行ったユーザに対し当該ログイン操作以降の操作を認めなくする(禁止する)。
【0062】
[3.処理]
上述のように構成されたシステム利用時間管理装置100が行うシステム利用時間管理処理の一例について
図10を参照して詳細に説明する。
図10は、システム利用時間管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、取得部102bは、ユーザIDの入力を含むシステムへのログイン操作を受けた旨のログイン通知をログイン監視部102aから受けると、当該ログイン操作を受けた日付、曜日及び時刻を取得する(ステップSA1)。
【0064】
また、抽出部102cは、ログイン通知をログイン監視部102aから受けると、ログイン操作の際に入力されたユーザID及びユーザ管理ファイル104aに格納されているユーザ管理情報に基づいて、当該ユーザIDに対応するグループIDを抽出する(ステップSA2)。
【0065】
つぎに、選出部102dは、ステップSA1で取得した日付及び曜日、ステップSA2で抽出したグループID、個別設定管理ファイル104fに格納されている個別設定管理情報並びに優先度ファイル104gに格納されている優先度情報に基づいて、システム全体曜日別利用時間ファイル104bに格納されているシステム全体曜日別利用時間情報、システム全体日付別利用時間ファイル104cに格納されているシステム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間ファイル104dに格納されている個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間ファイル104eに格納されている個別日付別利用時間情報のうち、ログイン操作を行ったユーザに最も優先して適用するもの(換言すると、ログイン操作を行ったユーザに適用可能で最も優先度の高いもの)を選出する(ステップSA3)。
【0066】
具体的には、まず、グループIDに基づいて個別設定管理情報を参照することで、当該グループIDと関連付けられている利用時間IDがあるか否かを確認する。確認の結果、利用時間IDがあった場合には、当該利用時間IDに対応する個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在するということなので、システム全体曜日別利用時間情報及びシステム全体日付別利用時間情報に加え当該利用時間IDに対応する個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間情報を、優先度の高いものから順に、取得した日付及び曜日と照らし合わせながら参照する。また、確認の結果、利用時間IDがなかった場合には、当該利用時間IDに対応する個別曜日別利用時間情報および個別日付別利用時間情報のペアが存在しないということなので、システム全体曜日別利用時間情報及びシステム全体日付別利用時間情報を、優先度の高いものから順に、取得した日付及び曜日と照らし合わせながら参照する。そして、参照の結果、ログイン操作を行ったユーザに適用可能で最も優先度の高いものを選出する。
【0067】
つぎに、判定部102eは、ステップSA3で選出したもの(システム全体曜日別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間情報のいずれか)及びステップSA1で取得した時刻に基づいて、ログイン操作を行ったユーザの当該時刻でのシステムへのログインを許可するか否かを判定する(ステップSA4)。
【0068】
つぎに、ステップSA4での判定結果がログイン不可というものであった場合(ステップSA5:Yes)には、表示実行部102fは、ログイン不可である旨に関する所定のエラー通知を出力装置114へ表示し(ステップSA6)、操作管理部102gは、当該ログイン不可と判定されたログイン操作を行ったユーザに対し当該ログイン操作以降の操作を禁止する(ステップSA7)。
【0069】
[4.本実施の形態のまとめ]
以上、本実施の形態によれば、ユーザIDの入力を含むログイン操作を受けた場合には(1)当該ログイン操作を受けた日付、曜日及び時刻を取得し、(2)ログイン操作の際に入力されたユーザID及び予め格納されたユーザ管理情報に基づいて当該ユーザIDに対応するグループIDを抽出し、(3)取得した日付及び曜日、抽出したグループID、予め格納された個別設定管理情報並びに予め格納された優先度情報に基づいて、予め格納されたシステム全体曜日別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報及び個別日付別利用時間情報のうちログイン操作を行ったユーザに最も優先して適用するものを選出し、(4)選出したもの及び取得した時刻に基づいて、ログイン操作を行ったユーザの当該時刻でのログインを許可するか否かを判定する。これにより、ユーザの不正アクセスを防止することができるだけでなく、システムの利用時間の設定を管理するための作業負荷を軽減し且つ当該設定の管理の利便性を向上することができる。具体的には、システムの利用時間を、システム全体やユーザ別の設定と曜日別や日付別の設定とを組み合わせて柔軟に設定するので、日々変化するシステム運用に合わせてシステムの利用時間の設定を管理するための作業負荷を軽減することができる。例えば、ユーザ数が多い場合においても、利用時間の一括設定や利用時間の設定変更に掛かる作業負荷を軽減することができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、優先度情報は、優先度の高い順に、個別日付別利用時間情報、システム全体日付別利用時間情報、個別曜日別利用時間情報及びシステム全体曜日別利用時間情報とするものである。これにより、休日などの例外的な利用時間設定を優先してログインの可・不可を判定することができる。
【0071】
最後に、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、システム利用時間管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。また、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0072】
また、本発明にかかるシステム利用時間管理プログラムは、後述するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてシステム利用時間管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部104などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAM等にロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」や、各種コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、HD等の任意の「固定用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。