特許第5722512号(P5722512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5722512
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】内視鏡用撮像ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20150430BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20150430BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20150430BHJP
   H04N 5/335 20110101ALI20150430BHJP
【FI】
   A61B1/00 300P
   A61B1/04 372
   G02B23/24 B
   H04N5/335
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-559003(P2014-559003)
(86)(22)【出願日】2014年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2014061889
【審査請求日】2014年12月5日
(31)【優先権主張番号】特願2013-162449(P2013-162449)
(32)【優先日】2013年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 正俊
【審査官】 野田 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013-123628(JP,A)
【文献】 特開昭63−68128(JP,A)
【文献】 特開2013-98182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
G02B 23/24
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光面とは反対側の面である裏面上に配列された複数の接続用端子部を有する撮像素子と、
1面及び前記第1面とは反対の第2面のそれぞれに第1導電層及び第2導電層を含むフレキシブルプリント配線板と、
を具備した内視鏡用撮像ユニットであって、
前記フレキシブルプリント配線板は、
前記複数の接続用端子部と接合されるパッドが形成された第1領域と、
電気ケーブルを接続するための外部接続部が形成された第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、当該フレキシブルプリント配線板を前記第2面を内側として屈曲する屈曲部と、
前記パッドと前記外部接続部とを電気的に接続する配線と、
を備え、
前記パッドは、
前記撮像素子をグランドに接続するためのグランドパッドと、
前記グランドパッドよりも前記屈曲部に近接して設けられ、前記撮像素子への電圧の入力及び信号の入出力を行うための入出力パッドと、
によって構成され、
前記配線は、
前記入出力パッド及び前記外部接続部を電気的に接続し、少なくとも前記撮像素子実装部及び前記屈曲部において、前記第1導電層により形成された入出力配線と、
前記グランドパッド及び前記外部接続部を電気的に接続し、少なくとも前記撮像素子実装部及び前記屈曲部において、前記第2導電層により形成されたグランド配線と、
によって構成される
ことを特徴とする内視鏡用撮像ユニット。
【請求項2】
前記撮像素子は、外形が四辺形状であり、
前記屈曲部は、前記撮像素子の4つの外辺のうちの1つ又は複数の所定の辺に沿う直線を折り目としたものであり、
前記入出力パッドは、全ての前記パッドの群の最も外周において、前記撮像素子の前記所定の辺に沿って1列で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面に接続用端子部を有する撮像素子がフレキシブルプリント配線板上に実装されてなる内視鏡用撮像ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
生体の体内や構造物の内部等の観察が困難な箇所を観察するために、生体や構造物の外部から内部に導入可能であって、光学像を撮像するための撮像ユニットを具備した内視鏡が、例えば医療分野や工業分野において利用されている。
【0003】
内視鏡用撮像ユニットは、被写体像を結像する対物レンズと、対物レンズの結像面に配設された一般にCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサ等と称される撮像素子を具備してなる。
【0004】
撮像素子には、基板上への実装面積を小さくするために、撮像素子の光が入射する面(受光面)とは反対側である裏面に、基板との電気的な接続を行うための接続用端子部が設けられた形態のものがある。例えば日本国特開2007−73958号公報には、裏面に接続用端子部が設けられた撮像素子のパッケージが開示されている。このような裏面に接続用端子部を有する撮像素子を用いれば、実装面積を小さくすることが可能である。
【0005】
日本国特開2007−73958号に開示されているような、裏面に接続用端子部を有する撮像素子を内視鏡用撮像ユニットに用いる場合、撮像素子をフレキシブルプリント配線板上に実装し、当該フレキシブルプリント配線板を屈曲させて光軸に沿って後方(被写体とは反対方向)へ延出させ、その先端部において内視鏡内に配設された電気ケーブルを接続する形態が採用され得る。このように、撮像素子が実装されたフレキシブルプリント配線板を屈曲させて後方へ延出させることによって、撮像ユニットの外形の光軸に直交する平面への投影面積を小さくすることが可能となる。
【0006】
撮像素子の接続用端子部は、グランドに接続するためのグランド端子部と、グランド端子以外の端子であって電源への接続及び信号の入出力に用いられる入出力端子部とによって構成されている。入出力端子部は、配列された接続用端子部において分散して配置される。このため、フレキシブルプリント配線板において、これらの接続用端子部と接合されるパッドに接続される配線は、隣接するパッドの間を通るように配置される。このため、パッドの配置間隔を狭くする、すなわち撮像素子の接続用端子部の配置間隔を狭くすることができず、小型な撮像素子を使用することが困難である。
【0007】
また、フレキシブルプリント配線板が有する導電層を厚さ方向に複数重ねれば、配線をパッドの間を通過させることなく配置することが可能となる。しかしながら、この場合においては、フレキシブルプリント配線板の厚さが増し、屈曲部の曲げ半径が大きくなるため、屈曲部の部分が撮像素子の外形よりも外側に大きく突出してしまう。内視鏡用撮像ユニットに使用される撮像素子は、例えば1辺が3mm程度の大きさであるため、フレキシブルプリント配線板の屈曲部の突出量の変化による撮像ユニットの形状への影響は相対的に大きい。
【0008】
撮像素子が実装されたフレキシブルプリント配線板を屈曲させて後方へ延出させる形態の内視鏡用の撮像ユニットにおいては、以上に説明したように、撮像ユニットの外形の光軸に直交する平面への投影面積を小さくすることを阻害する要素が存在する。
【0009】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、裏面に接続用端子部を有する撮像素子を具備してなる内視鏡用撮像ユニットの外形の光軸に直交する平面への投影面積を小さくすることを課題とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による内視鏡用撮像ユニットは、受光面とは反対側の面である裏面上に配列された複数の接続用端子部を有する撮像素子と、第1面及び前記第1面とは反対の第2面のそれぞれに第1導電層及び第2導電層を含むフレキシブルプリント配線板と、を具備した内視鏡用撮像ユニットであって、前記フレキシブルプリント配線板は、前記複数の接続用端子部と接合されるパッドが形成された第1領域と、電気ケーブルを接続するための外部接続部が形成された第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、当該フレキシブルプリント配線板を前記第2面を内側として屈曲する屈曲部と、前記パッドと前記外部接続部とを電気的に接続する配線と、を備え、前記パッドは、前記撮像素子をグランドに接続するためのグランドパッドと、前記グランドパッドよりも前記屈曲部に近接して設けられ、前記撮像素子への電圧の入力及び信号の入出力を行うための入出力パッドと、によって構成され、前記配線は、前記入出力パッド及び前記外部接続部を電気的に接続し、少なくとも前記撮像素子実装部及び前記屈曲部において、前記第1導電層により形成された入出力配線と、前記グランドパッド及び前記外部接続部を電気的に接続し、少なくとも前記撮像素子実装部及び前記屈曲部において、前記第2導電層により形成されたグランド配線と、によって構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】内視鏡の構成を説明する図である。
図2】内視鏡の先端部の構成を説明する図である。
図3】撮像ユニットの断面図である。
図4】実装される前の状態である撮像素子を裏面側から見た図である。
図5】フレキシブルプリント配線板を平面状に展開した状態における第1面を見た図である。
図6】フレキシブルプリント配線板の構造を説明するための模式的な断面図である。
図7】撮像素子が実装されたフレキシブルプリント配線板を第2面側から見た図である。
図8】フレキシブルプリント配線板の第1面側に設けられた第1導電層の形状を示した図である。
図9】フレキシブルプリント配線板の第2面側に設けられた第2導電層の形状を示した図である。
図10】第1の変形例における、撮像素子の入出力端子部の配置を示す図である。
図11】第1の変形例における、パッド及び入出力配線の配置を示す図である。
図12】第2の変形例における、延出部の配置を示す図である。
図13】第2の変形例における、撮像素子の入出力端子部の配置を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0013】
以下に、本発明の実施形態の一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明に係る内視鏡用撮像ユニット1を具備する内視鏡101の構成の一例を説明する。なお、以下では、内視鏡用撮像ユニット1を、単に撮像ユニット1と称するものとする。
【0014】
本実施形態の内視鏡101は、人体等の被検体内に導入可能であって被検体内の所定の観察部位を光学的に撮像する構成を有する。なお、内視鏡101が導入される被検体は、人体に限らず、他の生体であってもよいし、機械や建造物等の人工物であってもよい。
【0015】
本実施形態の内視鏡101は一例として、被検体の内部に導入される挿入部102と、この挿入部102の基端に位置する操作部103と、この操作部103の側部から延出するユニバーサルコード104とで主に構成されている。
【0016】
挿入部102は、先端に配設される先端部110、先端部110の基端側に配設される遠隔操作によって湾曲する湾曲部109、及び湾曲部109の基端側に配設され操作部103の先端側に接続される可撓性を有する可撓管部108が連設されて構成されている。なお、内視鏡101は、挿入部に可撓性を有する部位を具備しない、いわゆる硬性鏡と称される形態のものであってもよい。また、内視鏡101は、遠隔操作によって湾曲する湾曲部を有していない形態であってもよい。
【0017】
先端部110には、撮像ユニット1及び照明光出射部113(図1には不図示)が設けられている。また、操作部103には、湾曲部109の湾曲を操作するためのアングル操作ノブ106が設けられている。
【0018】
ユニバーサルコード104の基端部には外部装置120に接続される内視鏡コネクタ105が設けられている。内視鏡コネクタ105が接続される外部装置120は、例えば、光源部、画像処理部及び画像表示部121を具備して構成されている。
【0019】
また、内視鏡101は、ユニバーサルコード104、操作部103及び挿入部102内に挿通された、電気ケーブル115及び光ファイバ束114(図1には不図示)を具備している。
【0020】
電気ケーブル115は、コネクタ部105と撮像ユニット1とを電気的に接続するように構成されている。コネクタ部105が外部装置120に接続されることによって、撮像ユニット1は、電気ケーブル115を介して外部装置120に電気的に接続される。この電気ケーブル115を介して、外部装置120から撮像ユニット1へのグランド(接地電位)への接続、電力の供給及び外部装置120と撮像ユニット1との間の信号の入出力が行われる。
【0021】
外部装置120に設けられた画像処理部は、撮像ユニット1から出力された撮像素子出力信号に基づいて映像信号を生成し、画像表示部121に出力する構成を有している。すなわち、本実施形態では、撮像ユニット1により撮像された光学像が、映像として表示部121に表示される。なお、画像処理部及び画像表示部121の一部又は全部は、内視鏡101に配設される構成であってもよい。
【0022】
また、光ファイバ束114は、外部装置120の光源部から発せられた光を、先端部110の照明光出射部113にまで伝えるように構成されている。なお、光源部は、内視鏡101の操作部103や先端部110に配設される構成であってもよい。
【0023】
次に、先端部110の構成を説明する。図2に示すように、先端部110には、撮像ユニット1及び照明光出射部113が、保持部111に対して固定された状態で配設されている。保持部111は、先端部110の先端面に露出する硬質な部材である。
【0024】
本実施形態では一例として、撮像ユニット1は、図2中に矢印Lで示す先端部110の長手方向(挿入軸方向)に沿って先端方向を撮像するように配設されている。より具体的には、撮像ユニット1は、後述する対物レンズ4の光軸Oが挿入部102の長手方向に沿うように配設されている。なお、撮像ユニット1は、光軸Oが、挿入部102の長手方向に対して所定の角度をなすように配設されるものであってもよい。
【0025】
また、照明光出射部113は、光ファイバ束114から出射された光を、撮像ユニット1の被写体を照明するように出射する構成を有している。本実施形態では、照明光出射部113は、挿入部102の長手方向に沿って、先端部110の先端面から先端方向に向かって光を出射するように構成されている。
【0026】
次に、本実施形態の撮像ユニット1の構成を説明する。図3に示すように、撮像ユニット1は、対物レンズ4、撮像素子10及びフレキシブルプリント配線板20を具備して構成されている。撮像ユニット1を構成するこれらの部材は、略枠形状の保持枠3によって保持されている。本実施形態では、保持枠3は、光軸Oの周囲を囲う筒状の部材である。
【0027】
なお以下において、撮像ユニット1の光軸Oに沿って、撮像ユニット1から被写体へ向かう方向(図3において左方)を前方と称し、その反対の方向を後方と称するものとする。
【0028】
対物レンズ4は、筒形状のレンズ鏡筒2内に配設され、被写体像を撮像素子10の受光面10a上に結像するための1つ又は複数のレンズ等の光学部材からなる。なお、対物レンズ4は、反射鏡、プリズム又は光学フィルタ等の光学素子を含む形態であってもよい。また、対物レンズ4は、焦点距離の変更が可能な構成を有する形態であってもよい。
【0029】
撮像素子10は、CCDやCMOSセンサ等のイメージセンサである。本実施形態では、一例として、撮像素子10は、受光面10a上に接着された透明な部材である保護ガラス11を介して、保持枠3内の所定の位置に固定されている。撮像素子10は、受光面10aが、光軸Oと略直交するように配設されている。
【0030】
撮像素子10は、詳しくは後述するが、フレキシブルプリント配線板20の一方の面である第1面20a上に実装されている。フレキシブルプリント配線板20には、電気ケーブル115の先端部が接続されており、撮像素子10は、フレキシブルプリント配線板20を介して電気ケーブル115に電気的に接続されている。
【0031】
撮像素子10、フレキシブルプリント配線板20及び電気ケーブル115の接続の形態について、以下に説明する。
【0032】
図4は、フレキシブルプリント配線板20に実装される前の状態である撮像素子10を裏面10b側から見た図である。また、図5は、フレキシブルプリント配線板20を平面状に展開した状態における第1面20aを見た図である。
【0033】
図4に示すように、撮像素子10は、受光面10aとは反対を向く面である裏面10b上に、金属等の導電性の材料からなる複数の接続用端子部12が配列されている。撮像素子10は、受光面10aに直交する軸に沿って見た場合(光軸Oに沿って見た場合)に略矩形の外形を有する。本実施形態では、複数の接続用端子部12は、行列状に配列されており、この配列の行方向及び列方向は、略矩形である撮像素子10の外辺と略平行である。
【0034】
撮像素子10の複数の接続用端子部12は、グランドに接続されるグランド端子部12aと、及び電圧の入力及び信号の入出力に用いられる入出力端子部12bによって構成されている。なお、図4において、接続用端子部12のうちの網掛け(交差したハッチング)がされたものが入出力端子部12bであり、その他のものがグランド端子部12aである。また図6において、符号13は、撮像素子10の向きを明確にするためのマークである。なお、マーク13は、撮像素子10に配設されない形態であってもよい。グランド端子部12a及び入出力端子部12bの配置については後述するものとする。
【0035】
本実施形態の撮像素子10のように、電子部品の所定の面に複数の接続用端子部12を配列された表面実装用電子部品の形態は、一般にBGA(Ball Grid Array)やLGA(Land Grid Array)等と称される。このような形態の表面実装用電子部品の接続用端子部と回路基板のパッドとは、例えば半田接合等の金属接合や導電性接着剤等の公知の技術によって接合され、電気的な導通がとられる。
【0036】
近年では、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)と称される技術によって、シリコンウェハから切り出された集積回路を有するチップ(ダイ)の裏面に、複数の接続用端子部を形成することが可能であり、当該集積回路を有するチップの実装面積を小さくすることができるようになっている。
【0037】
本実施形態の内視鏡用の撮像ユニット1に使用される撮像素子10は、このようなシリコン貫通電極を用いたチップサイズレベル(ダイサイズレベル)の大きさのものであり、受光面10aに直交する方向から見た場合の大きさが例えばおよそ3mm四方である。
【0038】
本実施形態では一例として、撮像素子10は、BGAと称される形態を有し、実装される前の状態において、複数の接続用端子部12のそれぞれに半田製の略球状の部位である半田ボールが形成されている。
【0039】
図5に示すように、フレキシブルプリント配線板20の第1面20aには、撮像素子10のお複数の接続用端子部12に対応する位置に配列された、金属等の導電性の材料からなる複数のパッド21が形成されている。本実施形態では、撮像素子10の複数の接続用端子部12と、フレキシブルプリント配線板20の複数のパッド21とは、半田接合法によって接合され、両者間の電気的な接続がなされる。
【0040】
フレキシブルプリント配線板20は、可撓性を有する電子回路基板である。このような、可撓性を有する電子回路基板は、一般にFPC(Flexible Printed Circuit)等と称される。フレキシブルプリント配線板20は、電気絶縁性を有する樹脂等の材料からなるフィルム状の基材として、導電性の金属等の材料からなる導電パターンを形成したものである。フレキシブルプリント配線板20を構成する材料等は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略するものとする。
【0041】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板20は、絶縁性の基材の両面に導電パターンが形成された、2層のFPCである。図6は、フレキシブルプリント配線板20の両面に導電層が形成された箇所の断面の模式図である。
【0042】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板20は、ポリイミド等の電気絶縁性を有する材料からなるフィルム状の基材33の両面に、第1導電層22及び第2導電層23が設けられており、この第1導電層22及び第2導電層23と、両者を電気的に接続するビアによって、電子回路の配線が形成される。
【0043】
第1導電層22は、撮像素子10が実装される第1面20a側に配設されており、第2導電層23は、第1面20aとは反対側の第2面20b側に配設されている。すなわち、前述した複数のパッド21は、第1導電層22の一部によって形成されている。また、図6には、第1導電層22及び第2導電層23のそれぞれの上に形成された電気絶縁性を有する材料からなる絶縁層34が示されている。なお、絶縁層34は、パッド21等の、他の電子部品が接合される箇所には形成されないものであることは言うまでもない。
【0044】
図5に示すように、フレキシブルプリント配線板20は、撮像素子10が実装される撮像素子実装部25と、撮像素子実装部25の1つまたは複数の外辺を基端として当該1つまたは複数の外辺から延出する1つまたは複数の延出部26と、の2つの領域を有して構成されている。
【0045】
また、図3に示すように、撮像素子10が実装された状態のフレキシブルプリント配線板20は、撮像素子実装部25及び延出部26の間に屈曲部27が形成された状態で、撮像ユニット1内に配設される。
【0046】
撮像素子実装部25には、前述のように、第1面20aに、撮像素子10の複数の接続用端子部12が接合される複数のパッド21が形成されている。撮像素子実装部25の外形は、パッド21及び後述する配線を形成可能な形状であれば特に限定されるものではないが、撮像素子10の受光面10aと平行な平面上に外形を投影した場合において、撮像素子実装部25の外形は、撮像素子10の外形と略同等、もしくは撮像素子10の外形から外に出ない形状であることが好ましい。
【0047】
本実施形態においては、一例として、撮像素子実装部25の外形は略平行四辺形状であって、撮像素子実装部25の4つの外辺は、実装される撮像素子10の外辺と略平行である。そして、撮像素子実装部25の撮像素子10の受光面10aと平行な平面への外形の投影形状は、撮像素子10の外形の同平面への投影形状よりも小さい。すなわち、撮像ユニット1を光軸Oに沿って前方から見た場合において、撮像素子実装部25は、撮像素子10の後方に隠れる形状を有している。
【0048】
このように、撮像素子実装部25の外形を、撮像素子10の外形に対して略同等または小さくすることは、これらを有する撮像ユニット1の外形の光軸Oに直交する平面への投影面積を小さくすることに貢献する。なお、撮像素子実装部25の外形は、撮像素子10の外形よりも大きいものであってもよい。
【0049】
そして、図5に示すように、フレキシブルプリント配線板20を平面状に展開した状態(屈曲部を形成する前の状態)とした場合において、延出部26は、撮像素子実装部25の1つの外辺から、当該外辺に略直交する方向に延出するように形成されている。
【0050】
延出部26の幅は、当該延出部26の基端に位置する撮像素子実装部25と略同一であるか撮像素子実装部25よりも狭い。本実施形態では一例として、延出部26は、撮像素子実装部25と同一の幅を有している。延出部26の長さは特に限定されるものではなく、後述する外部接続部28、電子部品29及び配線を配置するのに必要な面積に応じて定められる。
【0051】
延出部26の先端部26aには、外部接続部28が形成されている。外部接続部28は、電気ケーブル115の先端部が接続可能に構成されている。外部接続部28と電気ケーブル115とが接続されることによって、撮像素子10を含むフレキシブルプリント配線板20に形成された電子回路と、電気ケーブル115と、が電気的に接続される。
【0052】
外部接続部28と電気ケーブル115との接続の形態は特に限定されるものではない。外部接続部28と電気ケーブル115との接続は、例えば半田接合によるものであってもよいし、着脱可能なコネクタ機構によるものであってもよい。
【0053】
本実施形態では一例として、外部接続部28と電気ケーブル115との接続は半田接合であり、外部接続部28は、撮像素子10を含むフレキシブルプリント配線板20に形成された電子回路に接続された導電性の材料からなる複数のパッドによって構成されている。
【0054】
なお、図示する本実施形態の外部接続部28は、フレキシブルプリント配線板20の第1面20aに形成されているが、外部接続部28は第2面20bに形成されるものであってもよいし、第1面20a及び第2面20bの両面に形成されるものであってもよい。
【0055】
また、延出部26には、必要に応じて一つ又は複数の電子部品29が実装される。本実施形態における電子部品29は、一例として、撮像素子10の電源電圧の変動の抑制や、電源配線におけるノイズの抑制を目的として配設されるコンデンサである。なお、延出部26は、複数の電子部品が実装される形態であってもよいし、電子部品が実装されない形態であってもよい。また、延出部26に電子部品29が実装される場合には、電子部品29は、第1面20a及び第2面20bのいずれに実装される形態であってもよい。
【0056】
そして、屈曲部27は、撮像素子実装部25及び延出部26の境界部において、フレキシブルプリント配線板20を、第2面20bを内側として折り曲げることによって形成されている。言い換えれば、屈曲部27は、フレキシブルプリント配線板20を、延出部26が設けられた撮像素子実装部25の外辺に沿って第2面20bを内側として折り曲げた部位である。
【0057】
屈曲部27が形成されることによって、延出部26は、撮像ユニット1内において先端部26aが撮像ユニット1の後方に向かうように延在する。言い換えれば、撮像ユニット1内における延出部26は、撮像素子実装部25から、受光面10aに直交する軸に沿って撮像素子10の裏面10bから受光面10aとは反対側に向かって延出している。
【0058】
さらに言い換えるならば、撮像素子10が実装されたフレキシブルプリント配線板20は、撮像素子10が実装された第1面20aとは反対側の第2面20bを内側として屈曲する屈曲部27と、屈曲部27を挟んだ一方の側であって撮像素子10が実装される領域である撮像素子実装部25と、屈曲部27を挟んだ他方の側であって該屈曲部27から受光面10aに直交する軸に沿って撮像素子10の裏面10bから受光面10aとは反対側に向かう方向に延出する延出部26と、を有して構成されている。
【0059】
屈曲部27において撮像素子実装部25と延出部26とが成す角度(内角)は、特に限定されるものではなく、鋭角であってもよいし、直角であってもよいし、鈍角であってもよい。例えば、図示する本実施形態のように、屈曲部27において撮像素子実装部25と延出部26とが成す角度を直角または鋭角とすれば、撮像素子10の受光面10aと平行な平面上に外形を投影した場合の延出部26の外形は、撮像素子10の外形と重なる。このことはすなわち、撮像ユニット1の、光軸Oに直交する平面への投影面積を減少させることが可能であることを意味する。
【0060】
本実施形態では一例として、屈曲部27の折り曲げの角度は鋭角であって、光軸Oに沿って前方から見た場合に、延出部26の全体が、撮像素子10によって隠されるように、屈曲部27の折り曲げの角度が定められている。言い換えれば、本実施形態の撮像ユニット1では、撮像素子10の受光面10aと平行な平面上に投影した場合に、撮像素子10の外形の中に、フレキシブルプリント配線板20の外形が収まっている。
【0061】
また、図5に示すように、フレキシブルプリント配線板20には、屈曲部27に沿って複数のスリット30が形成されている。スリット30は、フレキシブルプリント配線板20の形成された後述する配線を避けて穿設された貫通孔であり、フレキシブルプリント配線板20に屈曲部27を形成する場合の折り曲げを容易にするために設けられている。
【0062】
以上に説明したように、本実施形態の撮像ユニット1は、撮像素子10が実装されたフレキシブルプリント配線板20を有し、フレキシブルプリント配線板20は、撮像ユニットから延出する電気ケーブル115と電気的に接続されている。フレキシブルプリント配線板20は、撮像素子10が実装される撮像素子実装部25と、撮像素子実装部25の外辺から延出し、電気ケーブル115が接続される外部接続部28を有する延出部26と、を有している。そして、フレキシブルプリント配線板20は、撮像素子実装部25と延出部26との間に屈曲部27が形成されている。延出部26は、撮像素子10を、受光面10aに直交する軸に沿って受光面側から見た場合において、撮像素子10の外形に略隠れるように配設されている。
【0063】
次に、撮像素子10の複数の接続用端子部12と、フレキシブルプリント配線板20に形成された複数のパッド21及び配線の詳細について説明する。
【0064】
図4に示すように、撮像素子10の複数の接続用端子部12は、グランドに接続されるグランド端子部12aと、及び電圧の入力及び信号の入出力に用いられる入出力端子部12bによって構成されている。
【0065】
撮像素子10に設けられた全ての接続用端子部12の集合において、入出力端子部12bは、この集合の最も外周部であって、かつ略平行四辺形である撮像素子10の所定の1つ又は複数の外辺に沿うように配設されている。ここで、所定の1つ又は複数の外辺とは、撮像素子10がフレキシブルプリント配線板20に実装された場合において、屈曲部27に近接する辺10c、及びこの辺と交わる2つの辺10dである。
【0066】
図7は、撮像素子10が実装されたフレキシブルプリント配線板20を第2面20b側から見た図である。図7に示すように、本実施形態のフレキシブルプリント配線板20は、屈曲部27が1箇所に形成されており、入出力端子部12bは、この屈曲部27に最も近くかつ屈曲部27に略平行となる撮像素子10の1つの辺10cに沿って、最外周部に1列で配列されている。
【0067】
一方、グランド端子部12aは、前記の入出力端子部12bが配置されていない箇所に配置されている。すなわち、グランド端子部12aは、撮像素子10がフレキシブルプリント配線板20に実装された状態において、屈曲部27に近接する領域には配置されていない。さらに言い換えるならば、グランド端子部12aは、撮像素子10がフレキシブルプリント配線板20に実装された状態において、屈曲部27との間に入出力端子部12bを挟むように配置されている。なお、グランド端子部12bの一部は、入出力端子部12bが配列される最外周部に配置されていてもよい。
【0068】
図8は、フレキシブルプリント配線板20を展開した状態における、第1面20a側に設けられた第1導電層22の形状を示した図である。図8に示すように、フレキシブルプリント配線板20のパッド21は、撮像素子10のグランド端子部12a及び入出力端子部12bがそれぞれ接合されるグランドパッド21a及び入出力パッド21bによって構成されている。
【0069】
前述したように、撮像素子10の入出力端子部12bは、接続用端子部12の配列の外周のうちの、屈曲部27に近接する辺に配置されている。したがって、パッド21の入出力パッド21bも同様に、全てのパッド21からなる群のうちの、最も外周であって、屈曲部27に沿う辺上に配置されている。また、グランドパッド21aは、入出力パッド21bが配設されていない箇所に配設されている。
【0070】
次に、フレキシブルプリント配線板20における、撮像素子実装部25に設けられたパッド21と、延出部26に設けられた外部接続部28との電気的な接続の構成について説明する。
【0071】
フレキシブルプリント配線板20は、前述のように、第1面20a側に設けられた第1導電層22、及び第2面側23に設けられた第2導電層23の2つの導電層を有している。
【0072】
グランドパッド21a及び入出力パッド21bからなるパッド21は、第1導電層22によって形成されている。そして図8に示すように、入出力パッド21bと外部接続部28とを電気的に接続するための配線である入出力配線32は、少なくとも個々の入出力パッド21bを基端として延出部26の所定の位置にまで至る範囲において、第1面20a側に設けられた第1導電層22によって形成されている。
【0073】
ここで、入出力配線32が第1導電層22によって形成される所定の範囲とは、電子部品29が延出部26に実装される場合においては、入出力パッド21bから電子部品29が実装されている領域までのことである。また、電子部品29が延出部26に実装されない場合においては、入出力配線32が第1導電層22によって形成される所定の範囲とは、入出力パッド21bから外部接続部28が形成されている領域までのことである。電子部品29や外部接続部28が形成されている領域においては、これらの形態に応じて入出力配線32が配置されるため、入出力配線32を構成する導電層は、第1導電層22であってもよいし、第2導電層23であってもよい。
【0074】
すなわち、本実施形態においては、入出力パッド21bに接続される入出力配線32は、少なくとも入出力パッド21bから引き出された後に屈曲部27を通過して延出部26の先端部26aに向かって所定の距離に至るまでの範囲において、入出力パッド21bと同様に第1導電層22によって形成されている。そして、延出部26において屈曲部27から延出部26の先端部26a側へ所定の距離よりも離れた範囲においては、入出力配線32を形成する導電層は特に限定されていない。
【0075】
図9は、フレキシブルプリント配線板20を展開した状態における、第2面20b側に設けられた第2導電層23の形状を示した図である。図9に示すように、グランドパッド21aと外部接続部28とを電気的に接続するための配線であるグランド配線31は、少なくとも個々のグランドパッド21aを基端として延出部26の所定の位置にまで至る範囲において、第2面20b側に設けられた第2導電層23によって形成されている。
【0076】
ここで、グランド配線31が第2導電層23によって形成される所定の範囲とは、電子部品29が延出部26に実装される場合においては、グランドパッド21aから電子部品29が実装されている領域までのことである。また、電子部品29が延出部26に実装されない場合においては、グランド配線31が第2導電層21によって形成される所定の範囲とは、グランドパッド21aから外部接続部28が形成されている領域までのことである。電子部品29や外部接続部28が形成されている領域においては、これらの形態に応じてグランド配線31が配置されるため、グランド配線31を構成する導電層は、第1導電層22であってもよいし、第2導電層23であってもよい。
【0077】
第2導電層23によって形成されたグランド配線31と、第1導電層22によって形成されたグランドパッド21aとは、フレキシブルプリント配線板20を貫通する金属等の導電性の材料からなる柱状のビア24(図8に図示)によって電気的に接続される。なお、2層の導電層を有するフレキシブルプリント配線板20において、2層の導電層間の電気的な接続を確立するための技術は公知のものであり、その詳細な説明は省略するものとする。なお、グランド配線31とグランドパッド21aとは、パッド・オン・ビアと称される技術によって電気的に接続される形態であってもよい。
【0078】
すなわち、本実施形態においては、グランドパッド21aに接続されるグランド配線31は、少なくとも撮像素子実装部25から屈曲部27を通過して延出部26の先端部26aに向かって所定の距離に至るまでの範囲において、グランドパッド21aに対して反対側に設けられた第2導電層23によって形成されている。そして、延出部26において屈曲部27から延出部26の先端部26a側へ所定の距離よりも離れた範囲においては、入出力配線32を形成する導電層は特に限定されていない。
【0079】
また、本実施形態においては、図9に示すように、グランド配線31は、撮像素子実装部25において、パッド21が形成された領域の反対側を覆うように面状に形成されている。グランド配線31をパッド21が形成された領域の反対側を覆うように形成することによって、撮像素子10の全てのグランド端子部12aを、グランドに接続することができる。
【0080】
以上に説明した本実施形態のように、対物レンズ4に反射面が設けられておらず光軸Oが途中で屈曲することのない撮像ユニット1においては、撮像素子10の外形及び実装面積を小さくすることは、撮像ユニット1の外形の光軸Oに直交する平面への投影面積を小さくすることに寄与する。
【0081】
本実施形態では、撮像素子10を、裏面10b上に接続用端子部12を有する形態のものとすることによって撮像素子10の実装面積を小さくするとともに、さらにフレキシブルプリント配線板20に屈曲部27を設けて延出部26を撮像素子10の後方に向かって延出させることによって、光軸Oに沿って前方から見た場合に外部接続部28が撮像素子10の後方に隠れるように配置している。フレキシブルプリント配線板20は、撮像素子10が接合されるパッド21が設けられた第1面20a側の第1導電層22と、第1面20aとは反対の第2面20b側の第2導電層23との2層の導電層を有した回路基板である。
【0082】
ここで、本実施形態では、撮像素子10が実装されるパッド21において、入出力パッド21bはパッド21の群の最も外周において、屈曲部27に近接して設けられている。言い換えれば、本実施形態では、フレキシブルプリント配線板20上において、入出力パッド21bは、パッド21の群内において外部接続部28に近接した外周部に配置されている。
【0083】
したがって本実施形態では、図8に示すように、入出力パッド21bと外部接続部28とを電気的に接続する入出力配線32を、隣接し合うパッド21の間を通過させることなく、単一の第1導電層22によって形成することが可能であり、パッド21の間隔を狭くすることができる。このように、本実施形態では、撮像素子10の接続用端子部12の間隔(中心間距離)を狭くすることができるため、撮像素子10をより小型なものとすることができる。
【0084】
また、本実施形態のフレキシブルプリント配線板20は、2層の導電層を有する形態のものであることから、屈曲部27の曲げ半径を小さくでき、撮像素子10を前方から見た場合において、屈曲部27を撮像素子10の外形の内側に隠れるように配置する、又は屈曲部27の撮像素子10の外形からの突出量を僅かなものとすることができる。
【0085】
以上に説明したように、本実施形態によれば、接続用端子部12の配置間隔が狭い小型な撮像素子10を採用しつつ、2層の導電層を有する比較的薄いフレキシブルプリント配線板20を使用することができる。よって、本実施形態によれば、裏面10bに接続用端子部12を有する撮像素子10を具備してなる内視鏡用撮像ユニット1の外形の光軸Oに直交する平面への投影面積を小さくすることが可能である。
【0086】
また、本実施形態では、図8に示すように、入出力パッド21bがパッド21の群内において外部接続部28に近接した外周部に配置されていることから、入出力配線32はパッド21の群の周囲を迂回するように配設される必要がない。言い換えれば、全ての入出力配線32は、入出力パッド21bから外部接続部28に向かって直線的に配設されている。また、本実施形態では、撮像素子実装部25において、全てのグランド配線31は、第2面20b側の第2導電層23によって形成されていることから、グランド配線31もパッド21の群の周囲を迂回するように配設される必要がない。
【0087】
このように、本実施形態では撮像素子実装部25において、パッド21の群の周囲を迂回する配線が無いことから、撮像素子実装部25の外形を小さくすることができ、撮像素子実装部25を撮像素子10の外形の内側に隠れるように配置する、又は撮像素子実装部25の撮像素子10の外形からの突出量を僅かなものとすることができる。このことは、内視鏡用撮像ユニット1の外形の光軸Oに直交する平面への投影面積を小さくすることに寄与する。
【0088】
また、本実施形態では、全てのグランドパッド21aは、ビア24を介して、第2面20b側のグランド配線31に接続されているが、グランドパッド21a及びビア24は、屈曲部26との間に入出力パッド21bを挟むように配設されている。言い換えれば、本実施形態では、ビア24を伴うグランドパッド21aは、ビアによる接続のない入出力パッド21bよりも、屈曲部26から遠い位置に配設されている。一般に、フレキシブルプリント配線板において基材を貫通するビアが設けられた部分は、フレキシブルプリント配線板に曲げ応力が加えられた場合に破損しやすい。本実施形態においては、屈曲部26を形成する際の曲げ応力がビア24が形成された部分に加わりにくいため、フレキシブルプリント配線板20の破損を防止することができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、撮像素子10の入出力端子部12bは、撮像素子10の外辺のうちの、屈曲部27に最も近接し、かつ屈曲部27と略平行な1つの辺10cに沿って外周に設けられるのみであるが、入出力端子部12bは、複数の辺に沿って設けられる形態であってもよい。
【0090】
例えば、図10に第1の変形例として示すように、撮像素子10の入出力端子部12bは、撮像素子10がフレキシブルプリント配線板20に実装された場合において、屈曲部27に近接する辺10c、及びこの辺と交わる2つの辺10dに沿って、接続用端子部12の群の最外周に設けられる形態であってもよい。この第1の変形例では、フレキシブルプリント配線板20の入出力配線32のうちの、辺10dに沿って配置された入出力端子部12bに対応するものは、図11に示すように、パッド21の群の外側に沿って配置される。
【0091】
また、上述した実施形態では、フレキシブルプリント配線板20の延出部26は1つのみであるが、延出部26は、略四辺形状である撮像素子実装部25の4つの辺のうちの、2つから4つのいずれかの数の辺から延出するように、複数設けられる形態であってもよい。
【0092】
例えば、図12に第2の変形例として示すように、延出部26は、撮像素子実装部25の外辺のうちの互いに略平行な2辺から延出するように、2箇所に設けられる形態であってもよい。この場合、撮像素子10の入出力端子部12bは、図13に示すように、2つの屈曲部27に最も近接し、かつ屈曲部27と略平行な2つの辺10cに沿って外周に設けられる。このような第2の変形例では、屈曲部27が形成された状態のフレキシブルプリント配線板20は、略コの字形状となる。
【0093】
以上に説明した第1の変形例及び第2の変形例であっても、上述した効果が得られる。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内視鏡用撮像ユニットもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0095】
本出願は、2013年8月5日に日本国に出願された特願2013−162449号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
【要約】
裏面に接続用端子部を有する撮像素子と、前記撮像素子が実装される撮像素子実装部、前記撮像素子実装部から延出する延出部、延出部の基端部に設けられた屈曲部、及び2層の導電層を有するフレキシブルプリント配線板と、を具備する内視鏡用撮像ユニットにおいて、前記撮像素子への電圧の入力及び信号の入出力を行うための入出力パッドを、前記撮像素子をグランドに接続するためのグランドパッドよりも前記屈曲部に近接した位置に配置し、かつ前記入出力パッドに接続される入出力配線を前記入出力パッドと同じ導電層によって形成する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13