(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のコンクリート製の構造体の貯蔵倉庫では、火薬類が爆発したとき、構造体の破片が飛散したり、爆風圧が拡散する虞がある。
【0006】
又、特許文献1及び特許文献2の貯蔵倉庫では、コンクリート片の飛散等は無いものの構造が複雑であり、施工性、汎用性が高いとは言えない。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、土層に囲まれた火薬等を貯蔵する倉庫本体の爆発時における爆発片の飛散や爆風圧の拡散を抑制する貯蔵倉庫用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、土層で囲まれた火薬等の貯蔵倉庫を覆うための貯蔵倉庫用シートであって、シート体と、シート体の両面のうち、貯蔵倉庫側の面を、シート体が本来有している摩擦係数より大きな摩擦係数を有するように処理する摩擦力増大手段とを備えたものである。
【0009】
このように構成すると、爆発時におけるシート体の貯蔵倉庫側の面の土層に対する摩擦抵抗が増大する。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、シート体はゴムシートよりなり、摩擦力増大手段は、ゴムシートの貯蔵倉庫側の面に配置された不織布シートを含むものである。
【0011】
このように構成すると、ゴムシートは不織布シートを介して土層に面する。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、シート体はゴムシートよりなり、摩擦力増大手段は、ゴムシートの貯蔵倉庫側の面を凹凸状態に加工した凹凸模様を含むものである。
【0013】
このように構成すると、ゴムシートそのものの摩擦係数が増大する。
【0014】
請求項4記載の発明は、土層で囲まれた火薬等の貯蔵倉庫を覆うための貯蔵倉庫用シートであって、シート体と、シート体の外面のうち少なくとも土層に接する面を、シート体が本来有している摩擦係数より大きな摩擦係数を有するように処理する摩擦力増大手段とを備え、シート体は不織布シートよりなり、摩擦力増大手段は、不織布シートの少なくとも一方面に取付けられた不織布よりなる複数の袋体を含むものである。
【0015】
このように構成すると、爆発時におけるシート体の土層に対する摩擦抵抗が増大する。又、不織布シートの一方面は凹凸状態になる。
【0016】
請求項5記載の発明は、土層で囲まれた火薬等の貯蔵倉庫を覆うための貯蔵倉庫用シートであって、シート体と、シート体の外面のうち少なくとも土層に接する面を、シート体が本来有している摩擦係数より大きな摩擦係数を有するように処理する摩擦力増大手段とを備え、シート体は不織布シートよりなり、摩擦力増大手段は、不織布シートの少なくとも一方面に取付けられた複数の突起体を含むものである。
【0017】
このように構成すると、爆発時におけるシート体の土層に対する摩擦抵抗が増大する。又、不織布シートの一方面は凹凸状態になる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、突起体は、砂、小石を含むものである。
【0019】
このように構成すると、不織布シートの一方面は細かな凹凸状態になる。
【0020】
請求項7記載の発明は、土層で囲まれた火薬等の貯蔵倉庫を覆うための貯蔵倉庫用シートであって、シート体と、シート体の端部に設けられ、土層に接する面上における土層に対する引き抜き力がシート体のみの引き抜き力より大きくなるような形状を有する引抜力増大手段とを備えたものである。
【0021】
このように構成すると、爆発時におけるシート体の土層に対する引き抜き時の抵抗が増大する。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、引抜力増大手段は、シート体の端部を土層側に折り返した折り返しシートと、折り返しシートによって折り返されたスペースに格納された複数の袋体を含むものである。
【0023】
このように構成すると、引抜力増大手段はシート体に一体となる。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、引抜力増大手段は、シート体の端部に取付けられ、その下方端部の少なくとも土層側に返し部分が形成されるフィンを含むものである。
【0025】
このように構成すると、返し部分が引き抜き時の大きな抵抗となる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、爆発時におけるシート体の貯蔵倉庫側の面の土層に対する摩擦抵抗が増大するため、シート体が移動し難くなり、保護状態の信頼性が向上する。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、ゴムシートは不織布シートを介して土層に面するため、施工が容易であり、土層に対するゴムシートの移動が抑制される。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、ゴムシートそのものの摩擦係数が増大するので、ゴムシートのみの取り扱いで済むため、施工が容易となる。
【0029】
請求項4記載の発明は、爆発時におけるシート体の土層に対する摩擦抵抗が増大するため、シート体が移動し難くなり、保護状態の信頼性が向上する。又、不織布シートの一方面は凹凸状態になるため、袋体の数で不織布シートの土層に対する摩擦力を調整できる。
【0030】
請求項5記載の発明は、爆発時におけるシート体の土層に対する摩擦抵抗が増大するため、シート体が移動し難くなり、保護状態の信頼性が向上する。又、不織布シートの一方面は凹凸状態になるため、突起体の数で不織布シートの土層に対する摩擦力を調整できる。
【0031】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、不織布シートの一方面は細かな凹凸状態になるため、砂、小石は容易に入手できるので、コスト的に有利なシート体となる。
【0032】
請求項7記載の発明は、爆発時におけるシート体の土層に対する引き抜き時の抵抗が増大するため、シート体が移動し難くなり、保護状態の信頼性が向上する。
【0033】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、引抜力増大手段はシート体に一体となるため、引き抜き時の抵抗の信頼性が向上する。
【0034】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、返し部分が引き抜き時の大きな抵抗となるため、引き抜き時の抵抗の信頼性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1はこの発明の第1の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫の外観形状を示す平面図であり、
図2は
図1で示したII−IIラインの断面図であり、
図3は
図2で示したA部分の拡大図である。
【0037】
これらの図を参照して、貯蔵倉庫11の中心となる、火薬類等が貯蔵されている倉庫本体19は、地面である設置面7上に設置されている。倉庫本体19は、その材質は限定しないが、以下に述べるようなその外面に設置する構造体等を保持できるような強度を有する構造であれば良い。
【0038】
倉庫本体19の外面であって設置面7より上の面が第1土層31で覆われており、その外面が貯蔵倉庫用シートである第1シート体21によって覆われている。
図3で示すように、第1シート体21は、総ゴム製の遮水シート51と、遮水シート51の両面に接着剤層52a、52bを介して取り付けられた摩擦力増大手段である不織布シート53a、53bとから構成されている。尚、第1シート体21においては、不織布シート53aの下面に接着剤を含有させ、遮水シート51の上面に接着した後、不織布シート53bの上面に接着剤を含有させ、遮水シート51の下面に接着して形成すれば良い。
【0039】
このような第1シート体21は、第1シート体21の内方側に位置する倉庫本体19及び第1土層31への雨水等の浸入を阻止する遮水機能を有している。更に、遮水シート51は、その両面に取り付けられた不織布シート53a、53bによって、遮水シート51が本来有している摩擦係数より大きな摩擦係数を有することになる。即ち、第1シート体21の両面の摩擦係数が増大することになる。
【0040】
又、第1シート体21の外面は第2土層32で覆われており、その外面が第2シート体22によって覆われている。更に、第2シート体22の外面は第3土層33で覆われている。第2シート体22は織布よりなる補強用シートが用いられており、倉庫本体19の爆発時における第2土層32の飛散を抑えるように、その網目間隔や繊維強度が決定されている。即ち、第2シート体22は爆発抑制機能を有している。
【0041】
又、第2シート体22の設置面7側の端部となる平坦部41a、41bの各々は、固定手段の一例となるアンカーボルト等の複数の固定部材42a、42bによって長手方向(
図2の貫通方向)に連続的に設置面7に固定されている。平坦部41a、41bの幅や強度及び固定部材42a、42bの設置間隔は、爆風圧の大きさによって設定すれば良い。
【0042】
次に、この貯蔵倉庫11における安全性について説明する。
【0043】
倉庫本体19に収納されている火薬類がなんらかの原因で爆発すると、周囲にその破片が飛散したり爆風が拡散する。しかし、倉庫本体19の設置面7より上の周囲は第2シート体22で覆われているため、破片や爆風は第2シート体22により抑制される。又、第2シート体22は倉庫本体19の外方を覆うと共に、その平坦部41a、41bが設置面7に固定されているため、第2シート体22は爆風等によって捲りあがることが無い。その結果、第2シート体22が破損しない状態では、倉庫本体19を包囲した第2シート体22に伝達された爆風等の外部への拡散が抑制されるため、周囲の安全性が向上する。尚、設置面7の方向に拡散した爆風は地面に吸収され、設置面7より上の周囲に影響を与えることは無い。
【0044】
又、第2シート体22と同様に倉庫本体19を包囲する第1シート体21においては、上述した通り第1シート体21の遮水シート51の両面の摩擦係数が増加するため、第1シート体21の第1土層31及び第2土層32に対する摩擦抵抗が増加する。即ち、第1シート体21が移動し難くなると共に、移動後においても動摩擦力による抵抗が継続するため、第1シート体21における保護状態の信頼性が向上する。即ち、第1シート体21は基本的には遮水機能を有するものであるが、爆発抑制機能を併せ持つシートとなる。
【0045】
更に、第1シート体21の遮水シート51は不織布シート53a、53bを介して第1土層31及び第2土層32に面する簡易な構成となるため、第1シート体21の設置作業が容易となる。
【0046】
更に、第1シート体21は遮水性を有しているため、第1シート体21の内方側に位置する倉庫本体19及び第1土層31に雨水等が浸透することは無い。従って、倉庫本体19内の火薬類の湿潤が防止される。更に、第1土層31内の含水率が維持される。即ち、第1土層31の粘性が保持されるため、第1土層31の崩壊が防止される。
【0047】
このように、貯蔵倉庫11においては、基本的には第1シート体21と第2シート体22とが遮水機能と爆発抑制機能とを分担している。従って、例えばゴムシートの内部に織布を埋設したような、遮水機能と爆発抑制機能とが一体化したシート体を1枚用いる貯蔵倉庫の場合に比べて、効率的な配置が可能となる。即ち、各々の機能を要する範囲に第1シート体21と第2シート体22とを設置すれば良いため、第1シート体21と第2シート体22との設置範囲に無駄が無くなる。
【0048】
又、第2シート体22の外面が第3土層33によって覆われているため、第2シート体22の設置状態が安定すると共に、倉庫本体19の爆発によって伝達された爆風等による第2シート体22の浮き上がりが、第3土層33によって確実に防止されることになる。従って、第2シート体22の爆発抑制機能が更に向上し、貯蔵倉庫11の信頼性が向上する。
【0049】
尚、第1土層31、第2土層32及び第3土層33の土の種類や施工厚さは、倉庫本体19内に貯蔵される火薬類の爆発力による第1シート体21及び第2シート体22への影響などに応じて、種々の構造に決定すれば良い。
【0050】
又、このような貯蔵倉庫11は、
図2の二点鎖線で示すように、地下に設置される貯蔵倉庫11に対しても同様に適用することができる。以下に、上述した地上に設置される貯蔵倉庫11と相違する点を中心に説明する。
【0051】
図2を参照して、倉庫本体19は、地面5を掘削して形成された掘削底面である設置面7上に設置されている。又、第2シート体22の外面は、その上面が地面5に整列した第3土層33によって覆われている。即ち、掘削側面44a、44bを含め掘削部分の残りが全て第3土層33で埋められることになる。尚、このような第3土層33を第2シート体22の固定手段とし、第2シート体22の平坦部41a、41bを設置面7上に固定しても良い。その場合、上述したアンカーボルト等の固定部材42a、42bは無くても良い。又は、第3土層33と固定部材42a、42bとを併せて固定手段として使用しても良い。
【0052】
尚、このような地下に設置される貯蔵倉庫11における効果については、上述した地上に設置される貯蔵倉庫11と同様であることは言うまでも無い。
【0053】
図4はこの発明の第2の実施の形態による貯蔵倉庫用シートの概略断面図であって、第1の実施の形態の
図3に対応するものである。
【0054】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第1シート体23を備える貯蔵倉庫にあっては、
図2で示す貯蔵倉庫の第1シート体の構造を除いては同一であるため、ここでは第1シート体23を中心に説明する。
【0055】
図を参照して、この実施の形態による第1シート体23は、総ゴム製の遮水シートのみで構成されている。そして、第1シート体23の両面が凹凸状態に加工されており、両面には凹凸模様55が形成されている。この凹凸模様55によって、爆破時における第1シート体23の第1土層31及び第2土層32に対する摩擦抵抗が増大する。従って、第1シート体23が移動し難くなり、第1シート体23における貯蔵倉庫の保護状態の信頼性が向上する。
【0056】
又、第1シート体23は、凹凸模様55によって遮水シート(ゴムシート)そのものの摩擦係数が増大するように構成されているため、設置時において第1の実施の形態のように不織布シートを加える必要が無く、第1シート体23のみの取り扱いで済むことになる。従って、貯蔵倉庫の施工が容易となる。
【0057】
図5は
図2で示した貯蔵倉庫用シートを用いた他の貯蔵倉庫の概略断面図であって、
図2に対応するものである。
【0058】
この貯蔵倉庫12にあっては、第1シート体21の設置位置及び設置形状を除いては、
図2で示した貯蔵倉庫と同一である。即ち、倉庫本体19の外面は、土層を介さずに直接第1シート体21に覆われている。そして、第1シート体21は倉庫本体19及び第1土層31に対する摩擦抵抗が増大することになるため、移動し難くなる。
【0059】
又、このような貯蔵倉庫12においては、第1シート体21で直接倉庫本体19を遮水することになるため、
図2で示した貯蔵倉庫に比べて、第1シート体21の使用量を抑えることができる。即ち、コスト的に有利な貯蔵倉庫12となる。
【0060】
尚、第1シート体21より外方側の構造については、
図2で示した貯蔵倉庫と同一であるため、同様の効果を発揮することは言うまでも無い。
【0061】
更に、
図2で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫12は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0062】
図6はこの発明の第3の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫を示す概略断面図であって、第1の実施の形態の
図2に対応するものであり、
図7は
図6で示したB部分の拡大図である。
【0063】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体24を備える貯蔵倉庫13にあっては、
図2で示す貯蔵倉庫の第2シート体の構造を除いては同一であるため、ここでは第2シート体24を中心に説明する。
【0064】
これらの図を参照して、第2シート体24は、不織布シート57と、不織布シート57の第3土層33側の外面に取り付けられた、摩擦力増大手段である不織布よりなる複数の袋体58とから構成されている。尚、
図7で示すように、袋体58の外縁は不織布シート57の外面に熱溶着によって取り付けられていると共に、その内部には土砂59が封入されている。
【0065】
このような第2シート体24においては、袋体58によって不織布シート57の外面が凹凸状態になるため、爆発時における第2シート体24の第3土層33に対する摩擦抵抗が増大する。従って、第2シート体24が移動し難くなるため、第2シート体24における保護状態の信頼性が更に向上する。
【0066】
更に、複数の袋体58の内部には土砂59が封入されており、第2シート体24全体の重量が増加するため、第2シート体24が更に移動し難くなる。
【0067】
又、第2シート体24においては、上述した摩擦抵抗の増大によって移動し難くなると共に、移動後においても動摩擦力による抵抗が継続するため、
図2で示した固定部材42a、42bが不要となる。従って、
図2で示した第2シート体22のように、爆発によって固定部材42a、42bが設置面7から抜けることで第2シート体24を固定する力が急激に低下する虞が無くなる。又、固定部材42a、42bが設置面7から抜けた後、周辺に飛散する虞が無くなるため、安全性が向上する。
【0068】
又、袋体58の数によって摩擦係数の大きさを調整できるため、不織布シート57の第3土層33に対する摩擦力の調整が容易となる。
【0069】
尚、第2シート体24より内方側の構造については、
図2で示した貯蔵倉庫と同一であるため、同様の効果を発揮することは言うまでも無い。
【0070】
更に、
図2で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫13は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0071】
図8はこの発明の第4の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫を示す概略断面図であって、第3の実施の形態の
図6に対応するものであり、
図9は
図8で示したC部分の拡大図である。
【0072】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体25を備える貯蔵倉庫14にあっては、
図6で示す貯蔵倉庫の第2シート体の袋体の形状及び取付位置を除いては同一であるため、ここでは第2シート体25を中心に説明する。
【0073】
これらの図を参照して、第2シート体25は、不織布シート57と、不織布シート57の両面に取り付けられた、摩擦力増大手段である不織布よりなる複数の袋体61とから構成されている。尚、
図9で示すように、袋体61の各々はその内部に土砂62を封入した状態で、不織布シート57の両面に熱溶着によって取り付けられている。
【0074】
このような第2シート体25においては、袋体61によって不織布シート57の両面が凹凸状態になるため、爆発時における第2シート体25の第2土層及び第3土層33に対する摩擦抵抗が増大する。従って、不織布シート57の一方面にのみ袋体61を設置する場合に比べて、第2シート体25が更に移動し難くなる。
【0075】
又、袋体61の数によって摩擦係数の大きさを調整できるため、不織布シート57の第2土層32及び第3土層33に対する摩擦力の調整が容易となる。
【0076】
尚、第2シート体25より内方側の構造については、
図6で示した貯蔵倉庫と同一であるため、同様の効果を発揮することは言うまでも無い。
【0077】
更に、
図6で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫14は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0078】
図10はこの発明の第5の実施の形態による貯蔵倉庫用シートの概略断面図であって、第3の実施の形態の
図7に対応するものである。
【0079】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体26を備える貯蔵倉庫にあっては、
図7で示す貯蔵倉庫の第2シート体の袋体の形状を除いては同一であるため、ここでは第2シート体26を中心に説明する。
【0080】
図を参照して、第2シート体26は、不織布シート57と、不織布シート57の第3土層33側の外面に接着剤層65を介して取り付けられた、摩擦力増大手段である、例えば合成樹脂よりなる複数の突起体64とから構成されている。
【0081】
このような第2シート体26においては、突起体64によって不織布シート57の外面が凹凸状態になるため、爆発時における第2シート体26の第3土層33に対する摩擦抵抗が増大する。従って、第2シート体26が移動し難くなる。
【0082】
又、突起体64の数によって摩擦係数の大きさを調整できるため、不織布シート57の第3土層33に対する摩擦力の調整が容易となる。
【0083】
図11はこの発明の第6の実施の形態による貯蔵倉庫用シートの概略断面図であって、第5の実施の形態の
図10に対応するものである。
【0084】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体27を備える貯蔵倉庫にあっては、
図10で示す第2シート体の突起体の形状を除いては同一であるため、ここでは第2シート体27を中心に説明する。
【0085】
図を参照して、第2シート体27は、不織布シート57と、不織布シート57の第3土層33側の外面に接着剤層68を介して取り付けられた、摩擦力増大手段である、例えば砂・小石67とから構成されている。
【0086】
このような第2シート体27においては、砂・小石67によって不織布シート57の外面が凹凸状態になるため、爆発時における第2シート体27の第3土層33に対する摩擦抵抗が増大する。従って、第2シート体27が移動し難くなる。
【0087】
又、砂・小石67は現場等で容易に入手できるものであるため、製造が容易となり、コスト的に有利な第2シート体27となる。
【0088】
図12はこの発明の第7の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫の概略断面図であって、第1の実施の形態の
図2に対応するものである。
【0089】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体28を備える貯蔵倉庫17にあっては、
図2で示す第2シート体の端部形状を除いては同一であるため、ここでは第2シート体28を中心に説明する。
【0090】
図を参照して、織布又は不織布等よりなる第2シート体28の両端部は、第3土層33側に折り返された折り返しシート部71a、71bと、折り返しシート部71a、71によって折り返されたスペースの各々に長手方向に連続して格納された複数の袋体72a、72bとから構成されている。尚、袋体72a、72b内には土砂が封入されている。折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bで構成される第2シート体28の端部の形成方法については後述する。
【0091】
このように構成された第2シート体28は、爆発によって第3土層33に接する面上における第3土層33に対して引き抜くような力が発生すると、該引き抜き力に対して折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bが抵抗となる。即ち、折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bは、その引き抜き力をこのような端部構造でない通常の第2シート体のみの引き抜き力より大きくする引抜力増大手段となり、引き抜き時の抵抗が増大する。従って、第2シート体28が移動し難くなると共に、移動後においても引き抜きに対する抵抗が継続するため、第2シート体28における保護状態の信頼性が向上する。
【0092】
更に、複数の袋体72a、72bの内部には土砂が封入されているため、第2シート体28全体の重量が増加し、更に移動し難くなる。
【0093】
又、折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bは第2シート体28に一体となるため、不用意に第2シート体28と離脱する虞が無く、引き抜き時の抵抗の信頼性が向上する。
【0094】
更に、第3の実施の形態による第2シート体と同様、第2シート体28においては、上述した引き抜き時の抵抗の増大によって移動し難くなるため、設置面7に対する固定部材等の固定手段が不要となる。
【0095】
尚、第2シート体28より内方側の構造については、
図2で示した貯蔵倉庫と同一であるため、同様の効果を発揮することは言うまでも無い。
【0096】
更に、
図2で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫17は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0097】
次に、折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bよりなる引抜力増大手段の形成方法について説明する。
【0098】
図13は
図12で示した第2シート体の引抜力増大手段の形成方法を示す概略工程図である。
【0099】
まず(1)を参照して、第2シート体28の端部74側の上面に、砂等を封入した袋体72を設置する。
【0100】
次に(2)を参照して、設置された袋体72の外面に沿って、袋体72を覆うように第2シート体28の端部74を上方且つ手前側(図の右側)に折り曲げる。
【0101】
次に(3)を参照して、折り曲げられた第2シート体28の端部74を第2シート体28に熱溶着又は接着剤によって固定する。すると、折り返しシート部71内のスペースに袋体72が格納された引抜力増大手段が第2シート体28の上方側に形成される。
【0102】
図14はこの発明の第8の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫の概略断面図であって、
図12に対応するものである。
【0103】
尚、この実施の形態による貯蔵倉庫用シートである第2シート体29を備える貯蔵倉庫18にあっては、
図12で示す第2シート体の端部構造を除いては同一であるため、ここでは第2シート体29を中心に説明する。
【0104】
図を参照して、織布又は不織布等よりなる第2シート体29の両端部には、胴部76と、胴部76の下方端部に形成された第2土層32及び第3土層33側に延びる返し部分77a、77bとからなる、引抜力増大手段であるフィン78a、78bが取り付けられている。
【0105】
このように構成された第2シート体29は、爆発時において第2土層32及び第3土層33に接する面上に対して引き抜くような力が発生すると、該引き抜き力に対してフィン78a、78bの返し部分77a、77bが抵抗となる。即ち、引き抜き時の抵抗が増大するため、第2シート体29が移動し難くなる。
【0106】
又、フィン78a、78bの返し部分77aは第3土層33に対して抵抗になると共に、返し部分77bは第2土層32に対して抵抗となる。従って、フィン78a、78bは第2シート体29の引き抜き時において大きな抵抗となるため、引き抜き時の抵抗の信頼性が向上する。
【0107】
尚、第2シート体29より内方側の構造については、
図12で示した貯蔵倉庫と同一であるため、同様の効果を発揮することは言うまでも無い。
【0108】
更に、
図12で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫18は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0109】
図15は
図12で示した貯蔵倉庫用シートを用いた他の貯蔵倉庫の概略断面図であって、
図12に対応するものである。
【0110】
この貯蔵倉庫20にあっては、第2シート体28の設置形状を除いては、地下に設置される
図12で示した貯蔵倉庫と同一である。即ち、第1シート体21の外面が第2土層32で覆われており、第2土層32の上面38には平面状に設置された第2シート体28が設置されている。そして、第2シート体28の上面が第3土層33によって覆われている。
【0111】
そして、平面状に設置された第2シート体28は、その上面が第3土層33によって覆われているため、爆発時における捲り上がりが防止される。従って、爆発時の第2土層32の上方への飛散を抑制することができると共に、広範囲に亘る地表面での土層等の飛散を抑制することができる。
【0112】
更に、爆発は放射状に拡散するため、第2シート体28は、まずその中央部分が上方へと移動しようとする。そして、このように第2シート体28を移動させる力(引き抜き力)に対して、折り返しシート部71a、71b及び袋体72a、72bが抵抗となる。従って、第2シート体28が移動し難くなるため、第2シート体28における保護状態の信頼性が向上する。
【0113】
図16はこの発明の第9の実施の形態による貯蔵倉庫用シートを用いた貯蔵倉庫の概略断面図であって、
図2に対応するものであり、
図17は
図16で示したD部分の拡大図である。
【0114】
これらの図を参照して、火薬類等が設置されている倉庫本体19の外面であって設置面7より上の面が第1土層31で覆われており、その外面が貯蔵倉庫用シートであるシート体45によって覆われている。更に、シート体45の外面が第2土層32で覆われている。
【0115】
シート体45は、
図3で示した第1シート体の構造と基本的に同一であり、遮水シートであるゴムシート81に織布82が埋設されたものが使用されている点のみが異なっている。従って、
図3で示した第1シート体に比べて高強度となるため、遮水機能と爆発抑制機能とを併せ持つ一体型のシート体45となる。
【0116】
そして、
図3で示した第1シート体と同様に、シート体45は第1土層31及び第2土層32に対する摩擦抵抗が増大するため、移動し難くなる。又、このような摩擦抵抗の増大に伴い、シート体45を設置面7に固定する固定手段が不要となる。
【0117】
このように、遮水機能と爆発抑制機能とを併せ持つシート体45によって、
図2で示した貯蔵倉庫と同様に、倉庫本体19及び第1土層31への雨水等の浸入を防止すると共に、倉庫本体19の爆発による第1土層31の飛散を抑制することができる。従って、
図2で示した貯蔵倉庫のように爆発抑制機能を有するシート体を別途設ける必要が無くなり、コスト的に有利な貯蔵倉庫35となる。
【0118】
尚、
図2で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫35は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0119】
図18は
図16で示した貯蔵倉庫用シートを用いた他の貯蔵倉庫の概略断面図であって、
図16に対応するものである。
【0120】
この貯蔵倉庫36にあっては、シート体45の設置位置及び設置形状を除いては、
図16で示した貯蔵倉庫と同一である。即ち、倉庫本体19の外面は、土層を介さずに直接シート体45に覆われている。そして、シート体45は倉庫本体19及び土層31に対する摩擦抵抗が増大することになり、移動し難くなる。
【0121】
このような貯蔵倉庫36においては、シート体45で直接倉庫本体19を遮水すると共にその爆発を抑制することになるため、
図16で示した貯蔵倉庫に比べて、シート体45の使用量を抑えることができる。即ち、コスト的に有利な貯蔵倉庫36となる。
【0122】
尚、
図16で示した貯蔵倉庫と同様、図で示す地上に設置される場合に限らず、貯蔵倉庫36は地下に設置される場合であっても同様に適用することができる。
【0123】
尚、上記の各実施の形態では、貯蔵倉庫用シートは摩擦力増大手段又は引抜力増大手段のいずれか一方のみを有するものであるが、各々の摩擦力増大手段及び引抜力増大手段を組み合わせて使用しても良いことは言うまでも無い。
【0124】
又、上記の各実施の形態では、摩擦力増大手段又は引抜力増大手段は貯蔵倉庫用シートの全面又は全端部に形成されているが、例えば通常のシート体と摩擦力増大手段又は引抜力増大手段を有するシート体とを長手方向に対して交互に設置するように構成しても良い。
【0125】
更に、上記の第1〜第6の実施の形態では、貯蔵倉庫用シートには特定の素材が使用されているが、各々が有する機能を発揮できるものであれば、織布、不織布、ゴムシート、ポリエチレンシート又はポリ塩化ビニル製シート等、種々の素材を選択して使用しても良い。
【0126】
更に、上記の第1〜第6の実施の形態では、特定形状及び特定構造の摩擦力増大手段を有しているが、各シート体における土層に接する面が、各シート体が本来有している摩擦係数より大きな摩擦係数を有するように処理されていれば、例えば各シート体の外面に布目を形成する等、他の形状及び他の構造の摩擦力増大手段を有するものであっても良い。
【0127】
更に、上記の第1〜第6の実施の形態では、貯蔵倉庫用シートはその一方面又は両面に対して特定の摩擦力増大手段が形成されているが、各々の摩擦力増大手段は、貯蔵倉庫用シートの外面のうち少なくとも土層に接する面において形成されていれば、形成箇所は一方面であっても両面であっても良い。
【0128】
更に、上記の第7〜第9の実施の形態では、特定の引抜力増大手段が設けられているが、第2シート体の端部が、土層に接する面上における該土層に対する引き抜き力が第2シート体のみの引き抜き力より大きくなるように処理されていれば、例えば第2シート体の端部上に大型の土嚢等の重量物を設置する等、引抜力増大手段は他の形状及び構造であっても良い。
【0129】
更に、上記の第7〜第9の実施の形態では、第2シート体は爆発による引き抜き力が即時に引抜力増大手段に作用するように形成されているが、例えば第2シート体の端部付近であって、引抜力増大手段より内側(倉庫本体側)に、第2シート体の一部を折り畳む又は撓ませる等して、折り畳み部又は撓み部等の緩衝部を形成しても良い。緩衝部を形成することによって、引き抜き力は緩衝部が伸び切った状態(引き抜き力が緩衝された状態)で引抜力増大手段に作用するため、第2シート体における保護状態の信頼性が更に向上する。
【0130】
更に、上記の第1及び第9の実施の形態では、不織布シートはゴムシートの両面に接着剤によって取り付けられているが、不織布シートによって土層に対する摩擦抵抗が増大するのであれば、不織布シートはゴムシートの面に対して直接重ねるように布設しても良い。
【0131】
更に、上記の第7及び第8の実施の形態では、引抜力増大手段は倉庫本体の設置面より上方側に設置されているが、土層の数や現場状況に応じて、例えば設置面より下方側に設置されていても良い。
【0132】
更に、上記の第7及び第9の実施の形態では、土砂が封入された袋体が折り返しシート部のスペースに格納されているが、例えばこの袋体を第2シート体の端部に直接取り付けるように構成しても良い。その際、例えば
図9で示した袋体を用いる場合、そのまま取り付けても良いし、袋体の両端部で第2シート体の端部を挟み込むようにして取り付けても良い。又は、袋体の内部は空気を封入したもの、即ち空であっても良い。更には、折り返しシート部のスペースに直接土砂等を格納しても良い。更には、袋体は大型の土嚢や細長チューブ状に形成されたものであっても良い。細長チューブ状に形成された袋体の場合、長手方向に延びる折り返しシート部のスペースに対して単体で設置できると共に、引き抜き力に対する抵抗が長手方向に連続的に発揮される。
【0133】
更に、上記の第8の実施の形態では、フィンには第2土層及び第3土層側に延びる特定形状の返し部分が形成されているが、返し部分は、少なくとも第2土層又は第3土層側のいずれかに対して延びるように形成されていれば良い。又は、例えば断面形状が半円状又は直線状のもの等、引き抜き時の抵抗となるように形成されていれば、返し部分は他の形状であっても良い。
【0134】
更に、上記の第9の実施の形態では、シート体には第1の実施の形態による第1シート体のゴムシートに織布を埋設したものを使用しているが、第2の実施の形態による第1シート体に織布を埋設したものを使用しても良い。