(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
背中を覆うための背側部分と、尻尾より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分と、腹側部分の両側部に設けられた、背側部分に対する係止部とを備え、
腹側部分に吸収体を備え、
腹側部分の両側部の係止部を、背側部分の外面に係止することで装着を行うように構成した、ペット用止着式使い捨ておむつにおいて、
腹側部分に取外し又は取り付け可能な形状補正部材を備えた、
ことを特徴とするペット用止着式使い捨ておむつ。
前記形状補正部材を有する形状補正部分は、股間側の幅がその前側の幅よりも狭い形状とされている、請求項記1〜3のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
前記腹側部分に前記形状補正部材を内蔵するための袋状部分を設け、この袋状部分に前記形状保持部材を出し入れするための開口部をおむつ外面に形成し、この開口部を閉じるための閉鎖手段を設けた、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
前記袋状部分は前記開口部から深さ方向に沿って延在するミシン目を有するとともに、前記深さ方向に並設された複数の閉鎖手段を有するものである、請求項8記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
前記吸収体は、おむつの前後方向に延在するフィラメントの束からなるフィラメント集合体と、このフィラメント集合体内に保持された高吸収性ポリマーとからなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
前記腹側部分は、前記吸収体の表側を覆う透液性表面シートを有しており、この透液性表面シートに縦方向に沿う溝が幅方向に複数並設されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のペット用止着式使い捨ておむつは、腹側部分の前後方向中間部分が主たる吸収部分となるにもかかわらず、その前後両側しか支えが無いため、尿等の吸収により重くなった腹側部分の前後方向中間部分が垂れ下り、引きずることでおむつが破けて中の吸収材料が漏れ出てしまうという問題点があった。おむつが垂れ下がる等の型崩れを起こすと、装着感が悪化したり、排泄物が漏出したりすることがあるため好ましくない。
そこで、本発明の主たる課題は、ペット用止着式使い捨ておむつにおける腹側部分の型崩れを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
背中を覆うための背側部分と、尻尾より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分と、腹側部分の両側部に設けられた、背側部分に対する係止部とを備え、
腹側部分に吸収体を備え、
腹側部分の両側部の係止部を、背側部分の外面に係止することで装着を行うように構成した、ペット用止着式使い捨ておむつにおいて、
腹側部分に
取外し又は取り付け可能な形状補正部材を
備えた、
ことを特徴とするペット用止着式使い捨ておむつ。
【0006】
(作用効果)
本発明では、腹側部分に形状補正部材が設けられているため、腹側部分の前後方向中間部分が尿等の吸収により重くなって垂れ下る等の、腹側部分の型崩れが発生し難くなる。よって、腹側部分を引きずることでおむつが破けて中の吸収材料が漏れ出てしまうといった事態や、装着感が悪化したり、排泄物が漏出したりするといった事態を防止できるようになる。
【0007】
<請求項2記載の発明>
前記形状補正部材は、前後方向において前記係止部と重なる位置から腹側部分の後端部まで延在している、請求項1記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
これにより、尿の吸収により重くなる部分を形状補正部材で押さえ、その形状補正部材の前後両側を係止部及び臀部被覆部分を介して背側部分により吊り支持することができるため、腹側部分の垂れ下りをより効果的に防止することができる。
【0009】
<請求項3記載の発明>
前記形状補正部材は、前記吸収体より外側であって、かつ前記吸収体と重なる範囲内にのみ設けられている、請求項1又は2記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
吸収体はその厚みによりある程度の緩衝作用を有するものであるため、形状補正部材を吸収体の外側であって、かつ吸収体と重なる範囲にのみ設けることによって、形状補正部材の端部がペットの皮膚に強く当たり、皮膚を傷つけたり、ペットに異物感を与えたりするといった事態を抑制することができる。
【0011】
<請求項4記載の発明>
前記形状補正部材を有する形状補正部分は、股間側の幅がその前側の幅よりも狭い形状とされている、請求項記1〜3のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
これにより、形状補正部材がペットの脚の付根に当たり難くなり、歩行時や座位時に形状補正部材の後端部がペットの脚内側の皮膚に強く当たり、皮膚を傷つけたり、ペットに異物感を与えたりするといった事態を抑制することができる。
【0013】
<請求項5記載の発明>
前記形状補正部材が板体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
このように形状補正部材を板体とすることにより、面的に形状補正作用が働くため、形状補正効果に優れたものとなる。
【0015】
<請求項6記載の発明>
前記形状補正部材は、腹側部分の前後方向中間の所定部分を取り囲むように延在する棒体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0016】
(作用効果)
この場合、面的な形状補正作用に近い補正作用が得られるものでありながら、板体を用いる場合よりも軽量で表裏方向の通気性に優れたものとすることができる。
【0017】
<請求項7記載の発明>
前記形状補正部材として、前後方向に延在する棒体を幅方向に複数本並設してなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0018】
(作用効果)
前述のとおり、形状補正部材を板体とするのも好ましいが、その形状補正作用が面的に作用するために個々のペットの体型、胴回り寸法の相違に適合させるのが困難である、つまり汎用性に乏しくなり易いといった問題点がある。これに対して、上述のように形状補正部材として前後方向に延在する棒体を幅方向に並設すると、胴回り方向の柔軟性が低下することなく、広範囲にわたり形状補正作用が発揮され、また軽量で表裏方向の通気性に優れたものとなるため好ましい。
【0019】
<請求項8記載の発明>
前記腹側部分に前記形状補正部材を内蔵するための袋状部分を設け、この袋状部分に前記形状保持部材を出し入れするための開口部をおむつ外面に形成し、この開口部を閉じるための閉鎖手段を設けた、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0020】
(作用効果)
このように形状補正部材を出し入れ可能とすることにより、使用者が必要に応じて形状補正の有無を選択できるため好ましい。
【0021】
<請求項9記載の発明>
前記袋状部分は前記開口部から深さ方向に沿って延在するミシン目を有するとともに、前記深さ方向に並設された複数の閉鎖手段を有するものである、請求項8記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0022】
(作用効果)
この場合、袋状部分のミシン目を開口部側から所望の深さ位置まで切り離すとともに、複数の閉鎖手段の中からミシン目の切り離し深さに応じた位置の閉鎖手段を選択使用することにより、形状補正部分となる袋状部分の深さ寸法を変更することができ、使用者が個々のペットの寸法に合わせて形状補正部分の寸法を調節することができる。
【0023】
<請求項10記載の発明>
前記吸収体は、おむつの前後方向に延在するフィラメントの束からなるフィラメント集合体と、このフィラメント集合体内に保持された高吸収性ポリマーとからなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0024】
(作用効果)
このようなフィラメント集合体により吸収体を形成すると、尿はフィラメントの延在方向つまり前後方向に拡散し易くなる。よって、尿吸収による重量増が腹側部分の局所に集中し難くなり、垂れ下り防止効果に優れるようになる。
【0025】
<請求項11記載の発明>
前記腹側部分は、前記吸収体の表側を覆う透液性表面シートを有しており、この透液性表面シートに縦方向に沿う溝が幅方向に複数並設されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペット用止着式使い捨ておむつ。
【0026】
(作用効果)
このような表面シートを有することにより、尿は前後方向に拡散し易くなる。よって、尿吸収による重量増が腹側部分の局所に集中し難くなり、垂れ下り防止効果に優れるようになる。
【発明の効果】
【0027】
以上のとおり、本発明によれば、装着の際及び装着後においておむつの位置がズレ難く、交換作業が容易となる、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、「縦方向(前後方向)」とは展開状態において腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは縦方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)を意味する。また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
【0030】
図1〜
図6はペット用止着式使い捨ておむつの一例を示している。
図3及び
図4は、
図1における6−6線断面及び7−7線断面をそれぞれ示した図であり、
図5は、
図1における8−8線断面を示した図である。このペット用止着式使い捨ておむつは、背中を覆うための背側部分Bと、腹部から股間をとおり尻尾近傍までを覆うための本体部分10と、本体部分10の両側部に設けられた、背側部分Bに対する係止部としてのファスニングテープ13とを備えている。本体部分10は、尻尾より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分Mと、この臀部被覆部分Mより前側の腹部を覆うための腹側部分Fとに分けることができる。符号100は、尻尾を内側から外側に通す貫通孔を形成するための切り込みを示している。
【0031】
また、この使い捨ておむつは、身体側表面を形成する透液性表面シート30と、外面側に位置する液不透過性シート11との間に吸収要素50が介在する吸収保持部分と、その前後両側及び左右両側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であるエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFとを有しており、本例では、本体部分10内に吸収保持部分が設けられ、背側部分Bには設けられていない。
【0032】
構造としては、使い捨ておむつの外面全体が外装シート12により形成されており、吸収要素50を有する吸収保持部分においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、および表面シート30がこの順に積層されている。表面シート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、表面シート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、表面シート30よりも若干幅広に形成されている。
【0033】
さらに、この吸収性本体部10の両側には、ペットの肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60,60が設けられており、この側部立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、表面シート30の両側部上からサイドフラップ部SFの内面全体にわたり延在されている。
【0034】
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、ペットに装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中間部が括れた砂時計形状とされており、ここがペットの脚周りに沿う部位となる。
【0035】
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m
2、特に15〜30g/m
2のものが望ましい。
【0036】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
【0037】
(表面シート)
表面シート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
【0038】
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
【0039】
(中間シート)
表面シート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、表面シート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
【0040】
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40は表面シート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材は表面シート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、表面シート30に有孔シートを用いる場合において、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、表面シート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、表面シート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
【0041】
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
【0042】
(側部立体ギャザー)
表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
【0043】
この側部立体ギャザー60は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、
図1及び
図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
【0044】
ギャザーシート62の内面は、表面シート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。
【0045】
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部では表面シート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が糸ゴム63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム63の収縮力が作用するので、糸ゴム63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
【0046】
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
【0047】
(側縁部弾性伸縮部材)
各サイドフラップ部SFに側縁部弾性伸縮部材64が縦方向に沿って伸長された状態で固定されている。より詳細には、ギャザーシート62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、側縁部弾性伸縮部材64としての細長状弾性伸縮部材が縦方向に沿って、かつ幅方向に間隔を空けて複数本挟持されている。
【0048】
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
【0049】
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m
2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m
2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。なお、図中の符号56W及び56Lは、吸収体の縦方向長さ及び幅をそれぞれ示している。
【0050】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
【0051】
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
【0052】
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0053】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0054】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m
2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m
2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m
2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
【0055】
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパー、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m
2、特に10〜30g/m
2のものが望ましい。
【0056】
この包装シート58は、
図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
【0057】
(ファスニングテープ)
図1及び
図2に示されるように、ファスニングテープ13は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材13Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材13Aが設けられている。フック材13Aはシート基材13Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
【0058】
通常の場合、ファスニングテープ13の取り付け部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さは、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、ファスニングテープ13の先端側部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材13Aは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フック材13Aに代えて、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
【0059】
おむつの装着に際しては、
図7に示すように腹側部分Fのサイドフラップ部SFを背側部分Bのサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ13を背側部分B外面の適所に係止する。ファスニングテープ13の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。通常の場合、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
【0060】
ファスニングテープ13は、その取付部分が吸収要素50の前端縁と前後方向において重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の腹側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13の取り付け部分が、おむつの腹側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力がおむつの腹側端部にまで及ばないため、おむつの腹側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、腹側部分FにおけるエンドフラップEFの前後方向長さは、ファスニングテープ13の基部の前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。この観点から、腹側部分FにおけるエンドフラップEFの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、特に10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
【0061】
(ターゲットシート)
背側部分Bにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
【0062】
また、背側部分Bにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
【0063】
(形状補正部材)
特徴的には、腹側部分Fに形状補正部材70が内蔵されており、腹側部分Fの前後方向中間部分が尿等の吸収により重くなって垂れ下る等の、腹側部分Fの型崩れが発生し難くなっている。よって、腹側部分Fを引きずることでおむつが破けて中の吸収材料が漏れ出てしまうといった事態や、装着感が悪化したり、排泄物が漏出したりするといった事態を防止できるようになる。
【0064】
形状補正部材70の寸法及び配置は適宜定めることができるが、前後方向においては係止部13Aと重なる位置から後方に延在しているのが好ましく、特に腹側部分Fの後端部又はその近傍まで延在しているのが好ましいが、臀部被覆部分M又は背側部分Bまで延在させても良い。これにより、尿の吸収により重くなる部分を形状補正部材70で押さえ、その形状補正部材70の前側を係止部により、また後側を臀部被覆部分Mによりそれぞれ背側部分Bに対して吊り支持できるため、腹側部分Fの垂れ下りをより効果的に防止することができる。
【0065】
形状補正部材70の素材は適宜選択することができ、ポリカーボネートや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂の他、金属、ボール紙、段ボール等を好適に用いることができる。また、形状補正部材70の形状も
図2、3、6、8〜11、に示すような棒体(中空の場合、つまり筒状の場合を含む)、あるいは
図13、14に示すような板体等、適宜定めることができ、その端部は面取りして、角を丸めておくのが好ましい。
【0066】
板体からなる形状補正部材70を用いると、面的に形状補正作用が働くため、形状補正効果に優れたものとなるため、個々のペットの体型、胴回り寸法の相違に適合させるのが困難となるおそれがあり、またそれ自体の重さや通気性についても改善が望まれる。よって、形状補正部材70としては単数又は複数の棒体を面的に配置して用いるのが好ましい。具体的には
図2、3、9〜11に示すように前後方向に延在する棒体からなる形状補正部材70を幅方向に複数並設すると、胴回り方向の柔軟性が低下することなく、広範囲にわたり形状補正作用が発揮され、また軽量で通気性に優れたものとなるため好ましい。また、
図8に示すように、腹側部分Fの前後方向中間の所定部分を取り囲むように延在する形状(図示例ではU字状であるが、V字状や、W字状、H字状、O字状、X字状、M字状、A字状等で編も良い)棒体からなる形状補正部材70を用いても良い。この場合、面的な形状補正作用に近い補正作用が得られるものでありながら、板体からなる形状補正部材70を用いる場合よりも軽量で通気性に優れたものとすることができる。
【0067】
棒体からなる形状補正部材70を用いる場合、
図6(a)に示すように、棒体の一部、例えば長手方向中間部をスプリング等のバネ体71で構成し、長手方向の伸縮や屈曲が可能なように構成したり、
図6(b)に示すように、同心状に重なり合う筒体72,73が伸縮するテレスコピック構造のものとしたりすることにより、歩行時や座位時に形状補正部材70の端部がペットの皮膚に強く当たり、皮膚を傷つけたり、ペットに異物感を与えたりするといった事態を抑制することができる。
【0068】
形状補正部材70に柔軟な素材を用いるとしても、その端部が体に当たることは避け得ない。この形状補正部材70の異物感を可能な限り回避するために別途緩衝部材を設けても良いが、高コストになるだけでなく、嵩張るようになる。よって、形状補正部材70は図示例のように外装シート12と液不透過性シート11との間(あるいは図示例とは異なり、吸収体56と包装シート58との間、包装シート58と液不透過性シート11との間、外装シート12を複数枚の不織布を積層して構成したときの不織布間)等、吸収体56より裏側に設けるのが好ましく、さらに吸収体56と重なる範囲(前後方向及び幅方向のいずれにおいても)内に収まるように設けるのが好ましい。吸収体56はその厚みによりある程度の緩衝作用を有するため、形状補正部材70の端部がペットの皮膚に強く当たり、皮膚を傷つけたり、ペットに異物感を与えたりするといった事態を抑制することができる。
【0069】
形状補正部材70の形状は適宜定めることができるが、歩行時や座位時に形状補正部材70の後端部がペットの脚内側の皮膚に強く当たるおそれがあるため、これを抑制するために、形状補正部材70を有する形状補正部分は、股間側の幅がその前側の幅よりも狭い(前側から後側に向かうにつれて段階的又は連続的に幅が狭くなる)形状とされているのが好ましい。具体的には、
図13に示すように後端部が弧状に形成された板体からなる形状補正部材70を用いたり、
図8に示すようにU字状に延在する棒体からなる形状補正部材70を用いたりすることができる。また、
図9に示すように、前後方向に延在する棒体からなる形状補正部材70を幅方向に複数並設し、両側部の棒体からなる形状補正部材70を後端部に向かうにつれて幅方向中央側に向かうように湾曲するJ字状棒体としたり、
図10に示すように、前後方向に延在する直線状の棒体からなる形状補正部材70を幅方向に複数並設し、少なくとも両側部(図示例は全て)の棒体からなる形状補正部材70を後端部に向かうにつれて幅方向中央側に近くなるように斜めに配置したり、
図11に示すように、前後方向に延在する直線状の棒体からなる形状補正部材70を幅方向に複数並設し、幅方向両側に位置する単数又は複数の棒体からなる形状補正部材70の後端を、中央部に位置する単数又は複数の棒体からなる形状補正部材70よりも前側に位置させ、形状補正部分の側縁を階段状にしたりすることも好ましい形態である。
【0070】
形状補正部材70は、おむつに対して取外し又は取り付け不可能なように設けられてい
いるのではなく、取外し又は取り付け可能に設けられてい
る。これにより、使用者が必要に応じて(例えば排尿後におむつが垂れ下ってきたときに)形状補正の有無を選択でき、特に
図2等に示すように、複数の形状補正部材70を設ける場合に、形状補正部材70を個別に取り付け又は取外し可能にすると、形状補正作用を適宜調節することができるため好ましい。
【0071】
形状補正部材70を個別に取り付け又は取外し可能にする手段として一つの好ましい形態は、図示形態のように、腹側部分Fに形状補正部材70を内蔵するための袋状部分80を設け、この袋状部分80に形状保持部材を出し入れするための開口部をおむつ外面に形成した形態である。
【0072】
袋状部分80は、袋状とする部分を除き、その周囲における表裏両側の部材を接着又は溶着等により接合することにより形成することができる。図示形態では、
図3、5及び14に示すように、外装シート12と液不透過性シート11との接着に際して、袋状とする部分のみ接着剤(図中の点模様部分)を塗布しないことで、外装シート12と液不透過性シート11との間に袋状の空間を形成し、外装シート12における袋状部分80にスリットを入れて開口部81を形成している。
【0073】
開口部81の開閉の容易性及び形状補正部材70の出し入れの容易性の観点から、開口部81は吸収体56と重なる位置に形成するのが好ましく、特に吸収体56の端縁またはその近傍に位置しているのが好ましい。
【0074】
開口部81は開いたままでも良いが、閉じるための閉鎖手段を設けるのは好ましい。閉鎖手段は特に限定されないが、図示形態では、
図5に示すように袋状部分80の開口部81の縁部内面に、粘着剤層やメカニカルファスナー等の着脱可能な接合手段82を設けて、液不透過性シートに対して着脱可能に接合する構成を採用している。
【0075】
袋状部分80の深さ80dは形状補正部材70を収納しうる範囲内で適宜定めることができ、形状補正部材70の深さ方向長さ70hと同じ又は若干大きい程度にする他、形状補正部材70の深さ方向(図示例の場合前後方向)の位置を調整できるように、
図15に示すように、形状補正部材70の長さ70hよりもある程度深く形成し、開口部81から形状補正部材70の長さ70hより深い部分を接合部75において剥離可能に接合しておく、あるいは着脱可能に接合しておくのも一つの好ましい形態である。後者の場合、必要に応じて接合部を剥離することにより袋状部分80の深さを深くし、形状補正部材70をより深い位置に配置することができる。
【0076】
また、
図12に示すように、外装シート12の袋状部分80に開口部81から深さ方向に沿って延在するミシン目83を形成するとともに、閉鎖手段82を深さ方向に複数並設することも提案する。この場合、袋状部分80のミシン目83を開口部81側から所望の深さ位置まで切り離すとともに、複数の閉鎖手段82の中からミシン目83の切り離し深さに応じた位置の閉鎖手段82を選択使用することにより、形状補正部分となる袋状部分80の深さ寸法を変更することができ、使用者が個々のペットの寸法に合わせて形状補正部分の寸法を調節することができる。
【0077】
(その他)
(a) 吸収体56をフィラメント集合体により形成する場合、フィラメントの延在方向をおむつの前後方向とすることにより、尿がフィラメントの延在方向つまり前後方向に沿って拡散し易くなり、尿吸収による重量増が腹側部分Fの局所に集中し難くなり、垂れ下り防止効果に優れるようになるため好ましい。もちろん、他の吸収体56を用いることもできる。
【0078】
(b)
図1に示すように、表面シート30に縦方向に沿う溝31を幅方向に複数並設すると、尿が前後方向に拡散し易くなり、尿吸収による重量増が腹側部分Fの局所に集中し難くなり、垂れ下り防止効果に優れるようになるため好ましい。この溝は設けなくても良い。
【0079】
(c) 形状補正部材70を取外し又は取り付け可能とするために、形状補正部材70に例えば粘着剤層やメカニカルファスナーのフック材(面ファスナーの雄材)等の着脱可能な接合手段を設け、おむつの外面に着脱可能としても良い。