(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
連続移送される包装フィルムに対して縦シール及び横シールによって筒状包装袋を形成しつつ、充填ノズルを用いてこの筒状包装袋内に内容物を充填し、しごき装置によって充填後の筒状包装袋内部に付着した内容物を除去し、付着内容物が除去された筒状包装袋に対して再度横シールを施して開口部分を封止して密閉された連続包装体を形成し、この連続包装体の横シール中央付近をカッター装置によって切り離して個別包装体を作り上げるロールタイプ自動包装機であって、
前記しごき装置は、筒状包装袋の横幅全体を押圧できる超音波ホーンを取り付けた超音波振動装置と、筒状包装袋を挟み込みつつ、この超音波ホーンと相対する位置に配置された受け板(アンビル)と、この超音波ホーンと受け板をお互いに押圧するように作動させる駆動装置を備え、
前記超音波振動装置は、超音波を発振する超音波振動子と、発振した超音波を効率良く励振する超音波ホーンと、超音波振動子の発熱を抑える冷却装置で構成され、
前記冷却装置は、超音波振動子の外側を冷やす第一のエアー冷却機構と、超音波振動子の中心部を冷やす第二のエアー冷却機構を有することを特徴とするロールタイプ自動包装機の超音波しごき装置。
前記第二のエアー冷却機構は、超音波振動子の中心部を貫通した冷却通路と、この冷却通路の始端から冷却エアーを送り込むエアーコネクタ部と、この冷却通路末端の超音波ホーン取り付け部から冷却完了後のエアーを排出するエアー排出口から成ることを特徴とする超音波しごき装置の冷却機構。
【背景技術】
【0002】
従来の自動包装機は、ロール状に巻き取られた包装フィルムを繰出しロール等で引き出しながら、フィルム折り畳み装置によって断面略U字状に折り返して、縦ヒートシールロールと横ヒートシールロールに送ってシール形成する。そしてシール形成された筒状包装袋内に充填ノズルを入れ込み、内容物(原料)を充填し、その後、筒状包装袋の充填口を横ヒートシールロールによって封止して連続包装体とし、カッター装置によって切り離して個別包装体を作っている。
【0003】
ここで、上記内容物が充填された筒状包装袋の充填口を横ヒートシールロールによって封止する際に、この横シールされる部分の筒状包装袋内部に内容物が付着している場合がある。
【0004】
特に、袋内に入れる内容物の充填量を多く設定した場合や、液体内容物の粘度等の性質によって充填ノズル出口で液だれ現象が発生している場合は、横シールされる部分の筒状包装袋内部に内容物が確実に付着し、この結果、横シールロールによる内容物の挟み込みが発生する。
【0005】
通常粘性の低い液体のみの内容物の場合は、横ヒートシール動作に伴う前後二つのロールの押圧によって挟み込まれた内容物が押し出されて正しく横シールできる。一方、粘性の高い液体内容物や固形物が含有された液体内容物の場合は、横シールロールによる押圧動作だけでは内容物の排除が出来ず、内容物噛み込みによるシール不良が多発することになる。
【0006】
このため、従来の自動包装機は、下記特許文献1と特許文献2に記載されているようにしごき装置を用いて横シール部分に付着した内容物を排除する技術や、内容物充填装置において液だれしない間歇充填装置の開発を優先して取り組んできた。
【0007】
しかし、固形物が含有された粘度の高い液体内容物を充填する場合は、従来の間歇充填装置だけでは、液だれを防ぐことが困難であり、特に、固形物の含有量が多く、しかもこの固形物を含む液体内容物の粘度が高い「ハバネロソース」や「トウガラシ塩タレ」等の内容物を高速で充填する場合は、誤って横シール部分に固形物が付着する事態を完全に排除できないのが現状であり、この場合、従来のしごき装置を用いても、ほぼ100%の確率で固形物噛み込みによる横シール不良が発生することになる。
【0008】
そして、上記の問題を解決するために超音波駆動器を用いたしごき装置が開発されているが、このような超音波しごき装置が搭載されたロールタイプ自動包装機において、内容物を筒状包装袋内に充填する際に、内容物の流動性を高めるために内容物そのものを温めるホット充填方式を採用することがある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、
図1を用いて、本発明に係るロールタイプ自動包装機の全体構成について説明する。
図1は、本発明にかかるロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。
図1に示すように、ロールタイプ自動包装機1(以下、自動包装機1と略す)の正面左側にはリールが設けられている。このリールには包装フィルムFを巻回した原反ロールFXが脱着交換可能に保持されている。原反ロールFXから繰り出し装置2により引き出された包装フィルムFは、自動包装機1の上部に設けられたフィルム折り返しロール3により下方に折り返される。
【0018】
下方に折り返された包装フィルムFは、製袋装置4によって長手方向に二つ折りされて縦シール装置6に送られる。この縦シール装置6によって作られる筒状包装フィルム内に内容物を送り込むために充填ノズル5が配備されており、この充填ノズル5にはポンプ装置12が接続されている。そして、ポンプ装置12には内容物が入れられたホッパー13が接続されている。
【0019】
この縦シール装置6の下には、超音波しごき装置20、第一横シール装置7、第二横シール装置8、切断カッター装置9、切り離された個別包装体が滑らかに搬出されるためのすべり台10が配備されている。さらに、自動包装機1右側には自動包装機1を操作並びに制御するためのコントロールボックス11が設けられている。
【0020】
図1に示されている縦シール装置6は、二つの縦シールロールで構成され、
図1中に表記されているのは前面側の縦シールロール(移動側シールロール)である。これに対して背面側(紙面裏側)の縦シールロールは、前面側縦シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機1の機台に固定されている(固定側シールロール)。
【0021】
横シール装置は、第一横シール装置7と第二横シール装置8で構成され、これら二つの横シール装置は、縦シール装置6と同様に、
図1中に表記されているのは前面側の二つの横シールロール(移動側シールロール)であり、背面側(紙面裏側)にはそれぞれ対になる二つの横シールロールを有している。これら背面側の二つの横シールロールは、紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機1の機台に固定されている(固定側シールロール)。
【0022】
また、包装フィルムFは、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、PET等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムFは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有してもよい。
【0023】
二つ折りされた包装フィルムFは、縦シール装置6によって包装フィルムの長手方向両端同士を熱シールして第一横シール装置7に送り出す。この縦シールにより包装フィルムは筒状に形成される。
【0024】
筒状の包装フィルムは、第一横シール装置7の横シールロールにより、包装フィルムの横方向(幅方向)にシールされ、この横シールにより筒状包装フィルムの底部が形成される。有底筒状に形成された包装袋内に充填ノズル5が挿入されており、この充填ノズル5に接続されているポンプ装置12によってホッパー13内に収容されている内容物が包装袋内に充填される。
【0025】
そして、充填ノズル5による内容物の充填が完了したらポンプ装置12の駆動を停止して充填動作を終了し、その後、包装フィルムを袋一個分繰り出しつつ、超音波しごき装置20を駆動して内容物が充填された包装袋の封止予定部分を挟み込んで袋内に付着している内容物を除去する。
【0026】
続いて、第一横シール装置7の横シールロールは、超音波しごき装置20によって内容物除去が完了した包装袋の封止予定部分を横シールし、これにより、有底筒状の包装袋に充填された内容物は密閉されて包装体形態となる。そして、この包装体は直下の第二横シール装置8の横シールロールに送られる。第二横シールロールは、第一横シール装置7によって形成された横シール部分を再度横シールして、その横シール部分の強度をより強固にするための線条シール等を形成する。
【0027】
その後、切断カッター装置9によって横シール中央部分に対して切断加工されて個別包装体になり、すべり台10から自動包装機1の外に搬出される。
【0028】
次に、
図2は、本発明に係る自動包装機1の第一横シール装置7としごき動作を行っているロータリーアクチュエータを用いた超音波しごき装置20を拡大した概略側面図である。
図3は、本発明に係る自動包装機1の第一横シール装置7としごき動作を中止しているロータリーアクチュエータを用いた超音波しごき装置20を拡大した概略側面図である。なお、
図2と
図3の概略側面図では、図視右側を自動包装機1の前面側とし、図示左側を自動包装機1の背面側としている。
【0029】
図2と
図3に示すように、超音波しごき装置20は、超音波振動を励起する超音波駆動器37と、この超音波を受けて振動を拡大する超音波ホーン36と、この超音波ホーン36の先端部分35と相対する受け板34と、超音波ホーン36並びに超音波駆動器37を押す若しくは引くように駆動するカムフォロア装置22と、このカムフォロア装置22と連動して超音波しごき装置20を駆動するカム装置21と、受け板34を押す若しくは引くように駆動するレバー装置23と、このカムフォロア装置22の駆動力をレバー装置23に伝える連結レバー押し部材29と、この連結レバー押し部材29と接している連結レバー受け部材30と、このカムフォロア装置22の支持軸26に取り付けられてカムフォロア装置22と一体になって動くエアーシリンダ受けレバー24と、このエアーシリンダ受けレバー24と向き合うように配置されたエアーシリンダ39と、このエアーシリンダ39のシリンダ軸38と向き合うように配置されたエアーシリンダ受け部28と、カムフォロア装置22を時計回りに回転させる駆動力を付与している背面側ロータリーアクチュエータ27と、レバー装置23を反時計回りに回転させる駆動力を付与している前面側ロータリーアクチュエータ32と、で構成されている。
【0030】
なお、図示の通りカムフォロア装置22は、支持軸26を中心に回転可能な構成となっており、レバー装置23は、支持軸31を中心に回転可能な構成となっている。そして、図面表示における煩雑防止のため図示省略しているが、超音波しごき装置20の受け板34と超音波ホーン36の先端部分35との間には、筒状に成形された包装フィルムが配置されている。
【0031】
次に、ロータリーアクチュエータを用いた超音波しごき装置20の動きを説明する。
図2と
図3に示すように、カム装置21は、背面側横シールロール72のロール軸に取り付けられており、背面側横シールロール72の回転動作に合わせて回転駆動されている。カムフォロア装置22には、カム装置21のカム部材と接してこのカム形状に合わせて前後に移動するカムフォロア部材25が付設され、カムフォロア装置22の中央付近には、カムフォロア装置22を回転自在に軸支する支持軸26が付設され、カムフォロア装置22の一端には、超音波駆動器37と超音波ホーン36が取り付けられ、カムフォロア装置22の他端には、連結レバー押し部材29が付設されている。
【0032】
また、レバー装置23の一端には、受け板34が取り付けられ、レバー装置23の中央付近には、レバー装置23を回転自在に軸支する支持軸31が付設され、レバー装置23の他端には、連結レバー受け部材30が付設されている。なお、背面側横シールロール72と前面側横シールロール71の間には図示省略されている筒状に成形された包装フィルムが挟み込まれている。そして、
図3に示すように、カム装置21は、この凸部分に合わせてカムフォロア部材25を図示左側に押すと、カムフォロア装置22は、支持軸26を中心に反時計回りに回転し、取り付けられている超音波駆動器37と超音波ホーン36を受け板34から離れる方向に移動させている。
【0033】
同時に、カムフォロア装置22の動きに合わせて連結レバー押し部材29と接しているレバー装置23の連結レバー受け部材30にカムフォロア装置22の駆動力が伝わって押し上げられ、レバー装置23に取り付けられている受け板34が超音波ホーン36から離れる方向に移動させられている。
【0034】
この結果、受け板34と超音波ホーン36の先端部分35は間隔を開けた配置になり、筒状に成形された包装フィルムに対して、超音波によるしごき動作をしていない状態、即ち、しごき中止状態になっている。
【0035】
一方、
図2に示すように、カム装置21は、背面側ロータリーアクチュエータ27の回転力の付加もあって、カム装置21の凹部分に合わせてカムフォロア部材25を図示右側に引くように動かす。すると、カムフォロア装置22は、支持軸26を中心に時計回りに回転し、取り付けられている超音波駆動器37と超音波ホーン36を受け板34に近づく方向に移動させている。
【0036】
同時に、カムフォロア装置22の動きに合わせて連結レバー押し部材29と接しているレバー装置23の連結レバー受け部材30にカムフォロア装置22の駆動力が伝わると共に、前面側ロータリーアクチュエータ32の回転力の付加もあって押し下げられ、レバー装置23に取り付けられている受け板34が超音波ホーン102に近づく方向に移動させられている。
【0037】
この結果、受け板34と超音波ホーン36の先端部分35が互いに押接するようになり、筒状に成形された包装フィルムに対して、超音波振動が付与された超音波ホーン先端部分35と受け板34との挟み込み動作、即ち超音波によるしごき動作となって筒状包装フィルム内に付着している内容物の除去を確実に実行している。
【0038】
なお、この背面側ロータリーアクチュエータ27と前面側ロータリーアクチュエータ32の回転力は、供給されるエアー圧力に比例しており、このエアー圧力を任意に変化させることにより、ロータリーアクチュエータの回転力を任意に設定できる。即ち、ロータリーアクチュエータを用いた超音波しごき装置20においては、超音波ホーン36の先端部分35と受け板34の間の押圧力の調節を容易に実施できるようになっており、内容物の粘度や固形物の含有量等の性質に応じて最適なしごき具合にしている。しごき具合の一例としては、内容物の粘度が高く、しかも固形物の含有量が多い場合は、より確実にしごく必要があり、この場合は、超音波ホーン36の先端部分35と受け板34の間の押圧力を高くするために背面側ロータリーアクチュエータ27と前面側ロータリーアクチュエータ32に供給しているエアーの圧力を高くしている。また、受け板34には、この受け板34を前後に微小距離分だけ移動可能にできる微小距離調節装置33が配備されており、この微小距離調節装置33によっても超音波ホーン36の先端部分35と受け板34の間の押圧力を調節できることになる。
【0039】
要は、上記二つの押圧力調節手段は、調節のやり易さ等を考慮して適宜選択可能になっており、超音波ホーン36の先端部分35と受け板34の間の押圧力調整における一例として、ロータリーアクチュエータに供給するエアー圧力によっておおまかな調節を行い、その後、微小距離調節装置33によって細かな調節を行っている。
【0040】
このような超音波駆動器を用いたしごき装置が搭載されたロールタイプ自動包装機において、粘度の高い内容物を充填する場合、内容物の流動性を高めるために充填中に内容物そのものを温めるホット充填方式を採用している。
【0041】
このホット充填方式では、内容物を最大90度近くまで温めており、確実に包装袋内に粘度の高い内容物を投入することができるが、反面この温められた内容物の熱が超音波しごき装置の超音波駆動器に伝わり、この熱によって超音波駆動器の超音波振動子が急速に温度上昇し、超音波振動子が動作基準値以上の高温になって熱破壊を引き起こすことになる。このような問題に対応するため、本願発明では特別な冷却機構を採用している。
【0042】
図4は、本発明に係る超音波駆動器37の外部概略図である。
図5は、本発明に係る超音波駆動器37の外側ケースを取り除いた内部概略図である。
図4に示すように、超音波駆動器37は、外側ケース100と、内部の超音波振動子に超音波を給電するための給電コネクタ101と、超音波駆動器37の内部を冷却する冷却エアー200が通る冷却ホース102と、この冷却ホース102を二つに分けているホース二股コネクタ113と、第一の冷却機構を構成する冷却ホース104と、第二の冷却機構を構成する冷却ホース103と、内部の超音波振動子からの振動エネルギーを集めて効率よく超音波ホーンに伝える超音波ホーン取り付け部106と、超音波ホーン取り付け部106から伝わった振動エネルギーを励振して先端部に集結させる超音波ホーン36から成っている。
【0043】
このホース二股コネクタ113によって冷却エアー200は二つに分けられ、第一の冷却エアー400と、第二の冷却エアー300になる。そして、供給された第一の冷却エアー400は外側ケース100に設けられたエアー排出口111、112から廃棄エアー401、402として出て行くことになる。なお、このエアー排出口111、112は冷却エアーの流れ方を表すため、この2箇所に対して符号を付けて説明したが、この2箇所以外にも図示のように多数開孔されており、それぞれエアー排出口として機能している。
【0044】
一方、供給された第二の冷却エアー300は超音波ホーン取り付け部106に設けられたエアー排出口109、110から廃棄エアー301、302として出て行くことになる。また、超音波ホーン36は、幅寸法Hを有しており、自動包装機1が製造する個別包装体の最大袋幅より大きい値を採用している。
【0045】
次に、
図5について説明する。
図5に示すように、ここでは超音波駆動器37の外側ケース100が取り除かれており、超音波駆動器37の内部の様子が分かるようになっている。超音波駆動器37の超音波振動子105には、超音波発振素子107が搭載されており、この超音波発振素子107の接続線は給電コネクタ101とつながっている。通常超音波発振素子107には共振周波数が数百kHzの圧電振動子をスタック状にしたものが使用され、ここで発生した超音波振動は、超音波振動子105内部を伝わって超音波ホーン取り付け部106を経由し、超音波ホーン36に終結される。
【0046】
超音波ホーン36は、超音波ホーン取り付け部106経由で伝わった振動エネルギーを励振し、先端部に向かってさらに共振作用によって振動運動が強化されている。この超音波ホーン36が実際のしごき動作を行う部分であるが、内容物の流動性を高めるために充填中に内容物そのものを温めるホット充填方式では、この温められた内容物の熱が超音波ホーン36、超音波ホーン取り付け部106、超音波振動子105、最後に超音波発振素子107へと伝わり、急激な温度上昇を招く。
【0047】
この温度上昇を防ぐために、本願発明の超音波駆動器37には、第一の冷却機構として、超音波振動子105の外側を冷却エアー400で冷やす冷却ホース104が配備されている。また、同じくこの温度上昇を防ぐために、第二の冷却機構として、超音波振動子105の内側を冷却エアー300で冷やす冷却ホース103が配備されている。
【0048】
この第二の冷却機構は、超音波振動子105の中心部を貫通した冷却通路114と、この冷却通路114の始端から冷却エアー300を送り込むエアーコネクタ部108と、この冷却通路114末端の超音波ホーン取り付け部106から冷却完了後の廃棄エアー301、302を排出するエアー排出口109、110から成っている。
【0049】
通常超音波駆動器37には、標準装備として超音波振動子105の外側を冷却エアー400で冷やす第一の冷却機構のみが配備されているが、この超音波駆動器37をホット充填方式のロールタイプ自動包装機に搭載される超音波しごき装置に用いた場合は、冷却能力の不足が発生することになる。特に、超音波振動子105の中心部に熱が蓄積され、この蓄積された熱を冷却するために、本願発明では第二の冷却機構が配備されている。この第二の冷却機構は、冷却通路114の始端のエアーコネクタ部108から冷却エアー300が送り込まれ、冷却通路114を通過する間に超音波振動子105の中心部に蓄積された熱を吸収し、最後に超音波ホーン取り付け部106を冷却しつつ、エアー排出口109、110から廃棄エアー301、302として排出して排熱動作を行っている。
【0050】
なお、上記エアー排出口109、110から排出された廃棄エアー301、302を超音波ホーン36の方向へ向けるためのカバーを外側ケース100に取り付けることもできる。このことは、廃棄エアー301、302によって超音波ホーン36自体を冷却することになり、冷却エアー300の更なる有効活用がなされ、第二の冷却機構による冷却効率のアップを図ることが可能になる。
【0051】
以上、
図4と
図5によって説明された本発明は、超音波振動子の中心部と外側を強制的に冷却する二種類のエアー冷却機構を設けたことにより、冷却効率が上昇し、ホット充填動作を行う際に発生する超音波振動子の熱破壊現象を確実に防止できる超音波しごき装置を提供できる。
【0052】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0053】
即ち、第二の冷却機構として、超音波ホーン取り付け部106に穿孔されたエアー排出口109、110は二つの例で説明したが、これに限定するものではなく、複数以上の排出口を穿孔しても良い。例えば、超音波ホーン取り付け部106に設けられた冷却通路を十字形状にして四つの排出口を設けても良い。
【0054】
また、超音波ホーン取り付け部106に設けられた冷却通路を斜めに穿孔して排出された廃棄エアー301、302を超音波ホーン36の方向へ向けるようにしても良い。