特許第5722751号(P5722751)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722751通行管理装置およびカードリーダ確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722751
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】通行管理装置およびカードリーダ確認方法
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/00 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   G07C9/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-252779(P2011-252779)
(22)【出願日】2011年11月18日
(65)【公開番号】特開2013-109482(P2013-109482A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】小椋 伸雄
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−330383(JP,A)
【文献】 特開2004−206420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により非接触カードから認証情報が入力される複数の非接触カードリーダと、前記非接触カードリーダに入力された前記認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定する場合に、前記出入口に設けられたドア装置を制御するドア装置用制御装置とを備えた通行管理装置であって、
前記非接触カードリーダの保守点検を行う際に用いられ、前記非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に前記非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置と、
操作されることにより、複数の前記非接触カードリーダのそれぞれに固有情報発信指令信号を入力する固有情報発信指令信号入力装置と
をさらに備え、
前記非接触カードリーダは、前記保守点検の際に用いられる前記非接触カードリーダについての固有情報を記憶しており、前記固有情報発信指令信号が入力されることにより、前記固有情報を発信し、
前記携帯型通信装置は、無線通信により前記非接触カードリーダから前記固有情報が入力されることを特徴とする通行管理装置。
【請求項2】
前記非接触カードリーダは、前記非接触カードに電力を供給するための電波を発する電波発信装置を有しており、
前記固有情報は、前記電波に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項3】
前記携帯型通信装置は、無線通信により前記固有情報発信指令信号を前記非接触カードリーダに入力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通行管理装置。
【請求項4】
前記固有情報は、前記非接触カードリーダに記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報を含んでいることを特徴とする請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の通行管理装置。
【請求項5】
無線通信により非接触カードから認証情報が入力される複数の非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる前記非接触カードリーダについての固有情報を確認するカードリーダ確認方法であって、
操作されることにより固有情報発信指令信号入力装置から固有情報発信指令信号がそれぞれの前記非接触カードリーダに入力されることにより、前記固有情報をそれぞれの前記非接触カードリーダが発信する固有情報発信工程と、
前記非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に前記非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置が、無線通信により前記非接触カードリーダから前記固有情報が入力される固有情報受信工程と
を備えたことを特徴とするカードリーダ確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非接触カードから認証情報が入力される非接触カードリーダを備えた通行管理装置および非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認するカードリーダ確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信により非接触カードから認証情報が入力される非接触カードリーダと、非接触カードリーダに入力された認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定し、判定結果に基づいて、出入口に設けられたドア装置の電気錠を制御するコントローラとを備えたカードリーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−281063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非接触カードリーダに記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報などの、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報は、通常、非接触カードリーダの筐体の内側に記載されている。したがって、非接触カードリーダの保守点検を行う際に、非接触カードリーダについての固有情報を確認するために、非接触カードリーダの筐体を取り外さなければならず、非接触カードリーダについての固有情報を確認する作業の効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認する作業の効率を向上させることができる通行管理装置およびカードリーダ確認方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る通行管理装置は、無線通信により非接触カードから認証情報が入力される複数の非接触カードリーダと、前記非接触カードリーダに入力された前記認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、前記出入口の通行が許可されていると前記通行可否判定装置が判定する場合に、前記出入口に設けられたドア装置を制御するドア装置用制御装置とを備えた通行管理装置であって、前記非接触カードリーダの保守点検を行う際に用いられ、前記非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に前記非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置と、操作されることにより、複数の前記非接触カードリーダのそれぞれに固有情報発信指令信号を入力する固有情報発信指令信号入力装置とをさらに備え、前記非接触カードリーダは、前記保守点検の際に用いられる前記非接触カードリーダについての固有情報を記憶しており、固有情報発信指令信号が入力されることにより、前記固有情報を発信し、前記携帯型通信装置は、無線通信により前記非接触カードリーダから前記固有情報が入力される。
【0007】
この発明に係るカードリーダ確認方法は、無線通信により非接触カードから認証情報が入力される複数の非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる前記非接触カードリーダについての固有情報を確認するカードリーダ確認方法であって、操作されることにより固有情報発信指令信号入力装置から固有情報発信指令信号がそれぞれの前記非接触カードリーダに入力されることにより、前記固有情報をそれぞれの前記非接触カードリーダが発信する固有情報発信工程と、前記非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に前記非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置が、無線通信により前記非接触カードリーダから前記固有情報が入力される固有情報受信工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る通行管理装置によれば、無線通信により非接触カードから認証情報が入力される非接触カードリーダと、非接触カードリーダに入力された認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置と、出入口の通行が許可されていると通行可否判定装置が判定する場合に、出入口に設けられたドア装置を制御するドア装置用制御装置と、非接触カードリーダの保守点検を行う際に用いられ、非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置とを備え、非接触カードリーダは、保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を記憶しており、固有情報発信指令信号が入力されることにより、固有情報を発信し、携帯型通信装置は、無線通信により非接触カードリーダから固有情報が入力されるので、携帯型通信装置を用いて非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認することができる。これにより、非接触カードリーダの筐体を取り外すことなく、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認することができる。その結果、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認する作業の効率を向上させることができる。
【0009】
この発明に係るカードリーダ確認方法によれば、固有情報発信指令信号が非接触カードリーダに入力されることにより、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を非接触カードリーダが発信する固有情報発信工程と、非接触カードリーダの通信可能領域内に位置する場合に非接触カードリーダとの間で無線通信を行う携帯型通信装置が、無線通信により非接触カードリーダから固有情報が入力される固有情報受信工程とを備えているので、携帯型通信装置を用いて非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認することができる。これにより、非接触カードリーダの筐体を取り外すことなく、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認することができる。その結果、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報を確認する作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1に係る通行管理装置を示す構成図である。
図2図1の通行管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る通行管理装置を示す構成図である。図において、通行管理装置は、利用者に所持される非接触カード1と、非接触カード1との間で無線通信を行う非接触カードリーダ2と、ビル内の複数の部屋のそれぞれに形成された出入口(図示せず)のそれぞれに設けられた複数のドア装置3と、各ドア装置3を制御するコントローラ4と、非接触カードリーダ2の保守点検の際に保守点検作業者に用いられる携帯型通信装置5とを備えている。図1では、コントローラ4に対して、1個の非接触カードリーダ2が電気的に接続されている構成を示しているが、この例では、ドア装置3の数に対応した複数の非接触カードリーダ2がコントローラ4に対して電気的に接続されている。
【0012】
非接触カード1は、電波を送受信する電波送受信装置11と、認証情報を記憶する記憶装置12と、電波送受信装置11を制御する電波送受信制御装置13とを有している。認証情報としては、非接触カード1を特定する情報または非接触カード1を所持する利用者を特定するID情報などが挙げられる。
【0013】
非接触カードリーダ2は、電波を送受信する電波送受信装置(電波発信装置)21と、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報(固有情報)を記憶する記憶装置22と、電波送受信装置21を制御する電波送受信制御装置23と、コントローラ4との間で通信を行うI/F24とを有している。電波送受信装置21は、電波送受信制御装置23の制御により、非接触カード1に電力を供給するための電波を定期的に発するようになっている。電波送受信制御装置23は、バージョン特定情報発信指令信号(固有情報発信指令信号)が電波送受信制御装置23に入力される場合に、記憶装置22に記憶されているバージョン特定情報を、非接触カード1に電力を供給するための電波に含めて、電波送受信装置21に発信させるようになっている。
【0014】
非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアとしては、非接触カードリーダ2を構成するハードウエアである、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などに記憶されているプログラムが挙げられる。
【0015】
ソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報としては、例えば、ROMの場合には、ROMに記憶されているプログラムのバージョンやROMの製造番号が挙げられる。また、ソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報としては、例えば、EEPROMの場合には、EEPROMに記憶されているプログラムのバージョンが挙げられる。バージョン特定情報は、非接触カードリーダ2の保守点検を行う際に用いられる。
【0016】
非接触カード1は、非接触カード1が非接触カードリーダ2の通信可能領域内に位置する場合に、非接触カードリーダ2からの電波を受信する。非接触カードリーダ2は、受信した電波から充電を行い、記憶装置12に記憶されている認証情報を電波送受信装置11から発信する。非接触カードリーダ2は、非接触カード1から送られた認証情報を受信し、受信した認証情報をコントローラ4に送信する。
【0017】
ドア装置3は、出入口を閉じる閉位置と出入口が開く開位置との間で変位するドア本体31と、ドア本体31を施錠する施錠位置とドア本体31が開錠される開錠位置との間で変位する電気錠32とを有している。電気錠32は、施錠信号が入力されることにより施錠位置に変位し、開錠信号が入力されることにより開錠位置に変位する。
【0018】
コントローラ4は、非接触カードリーダ2から送られた非接触カード1の認証情報を用いて出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置41と、通行可否判定装置41の判定結果に基づいて、ドア装置3を制御するドア装置用制御装置42と、保守点検作業者により操作されるスイッチ(バージョン特定情報発信指令信号入力装置)43と、非接触カードリーダ2との間で通信を行うI/F44とを有している。
【0019】
通行可否判定装置41は、出入口の通行が許可されている認証情報を予め記憶する記憶装置(図示せず)を含んでいる。通行可否判定装置41は、非接触カードリーダ2から送られた非接触カード1の認証情報と、記憶装置に予め記憶されている認証情報とが一致する場合には、出入口の通行が許可されていると判定する。一方、通行可否判定装置41は、非接触カードリーダ2から送られた非接触カード1の認証情報と、記憶装置に予め記憶されている認証情報とが一致いない場合には、出入口の通行が許可されていないと判定する。
【0020】
ドア装置用制御装置42は、出入口の通行が許可されていると通行可否判定装置41が判定する場合に、電気錠32に対して開錠信号を送り、電気錠32を開錠位置に変位させる。一方、ドア装置用制御装置42は、出入口の通行が許可されていないと通行可否判定装置41が判定する場合に、電気錠32に対して施錠信号を送り、電気錠32の位置を施錠位置のままとする。また、ドア装置用制御装置42は、電気錠32が開錠位置に変位した後、所定の時間が経過する場合に、電気錠32に対して施錠信号を送り、電気錠32を開錠位置から施錠位置に変位させる。
【0021】
スイッチ43は、操作されることにより、バージョン特定情報発信指令信号を非接触カードリーダ2の電波送受信制御装置23に入力するようになっている。スイッチ43は、複数の非接触カードリーダ2のそれぞれにバージョン特定情報発信指令信号を入力する。
【0022】
携帯型通信装置5は、電波を受信する電波受信装置51と、電波受信装置51が受信した情報を表示する表示装置52とを有している。電波受信装置51は、非接触カード1に電力を供給するための電波を受信することにより、非接触カードリーダ2から発信された非接触カードリーダ2のバージョン特定情報が入力される。表示装置52は、電波受信装置51に入力されたバージョン特定情報を表示する。表示装置52がバージョン特定情報を表示することにより、保守点検作業者は、非接触カードリーダ2に記録されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。携帯型通信装置5は、非接触カードリーダ2と同様の構成をする装置と、この装置との間で通信を行うノート型パソコンとから構成することが可能である。
【0023】
次に、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認する場合の通行管理装置の動作について説明する。図2図1の通行管理装置の動作を示すフローチャートである。図において、まず、非接触カードリーダ2の電波送受信制御装置23は、スイッチ43からバージョン特定情報発信指令信号が入力されたか否かを判定する(固有情報発信指令信号入力判定工程)(ステップS101)。ステップS101で、スイッチ43からバージョン特定情報発信指令信号が入力されていないと電波送受信制御装置23が判定すると、ステップS101を繰り返し、非接触カードリーダ2は通常動作を行う。
【0024】
一方、ステップS101で、スイッチ43からバージョン特定情報発信指令信号が入力されたと電波送受信制御装置23が判定すると、非接触カードリーダ2の電波送受信装置21は、記憶装置22に記憶されているバージョン特定情報を、非接触カード1に電力を供給するための電波に含めて発信する(固有情報発信工程)(ステップS102)。
【0025】
その後、保守点検作業者が携帯型通信装置5を非接触カードリーダ2の通信可能領域内に持ち込むと、携帯型通信装置5の電波受信装置51は、非接触カードリーダ2が発信するバージョン特定情報が入力される(固有情報受信工程)(ステップS103)。
【0026】
その後、携帯型通信装置5は、入力されたバージョン特定情報を表示装置52に表示させる(固有情報表示工程)(ステップS104)。これにより、保守点検作業者は、表示装置52に表示された内容を確認することにより、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認する。その後、保守点検作業者は、スイッチ43を操作して、非接触カードリーダ2の電波送受信制御装置23へのバージョン特定情報発信指令信号の入力を停止する。これにより、非接触カードリーダ2の電波送受信装置21によるバージョン特定情報の発信が停止される。以上により、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認作業が終了する。
【0027】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る通行管理装置によれば、無線通信により非接触カード1から認証情報が入力される非接触カードリーダ2と、非接触カードリーダ2に入力された認証情報を用いて、出入口の通行の可否を判定する通行可否判定装置41と、出入口の通行が許可されていると通行可否判定装置41が判定する場合に、出入口に設けられたドア装置3を制御するドア装置用制御装置42と、非接触カードリーダ2の保守点検を行う際に用いられ、非接触カードリーダ2の通信可能領域内に位置する場合に非接触カードリーダ2との間で無線通信を行う携帯型通信装置5とを備え、非接触カードリーダ2は、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報を記憶しており、バージョン特定情報発信指令信号が入力されることにより、バージョン特定情報を発信し、携帯型通信装置5は、無線通信により非接触カードリーダ2からバージョン特定情報が入力されるので、携帯型通信装置5を用いて非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。これにより、非接触カードリーダ2の筐体を取り外すことなく、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。その結果、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認する作業の効率を向上させることができる。
【0028】
また、非接触カードリーダ2は、非接触カード1に電力を供給するための電波を発する電波送受信装置21を有しており、バージョン特定情報は、電波送受信装置21が発する電力供給用の電波に含まれているので、電波送受信装置21がバージョン特定情報を発信している場合であっても、非接触カードリーダ2から非接触カード1に電力を供給することができ、非接触カード1から認証情報を非接触カードリーダ2に入力することができる。
【0029】
また、非接触カードリーダ2は、複数設けられており、通行管理装置は、操作されることにより複数の非接触カードリーダ2のそれぞれにバージョン特定情報発信指令信号を入力するスイッチ43を備えているので、保守点検作業者がスイッチ43を操作することにより、複数の非接触カードリーダ2からバージョン特定情報を発信させることができる。
【0030】
また、非接触カードリーダ2に記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダ2についての固有情報は、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報を含んでいるので、保守点検を行う際に、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを容易に確認することができる。
【0031】
また、この発明の実施の形態1に係るカードリーダ確認方法によれば、バージョン特定情報発信指令信号が非接触カードリーダ2に入力されることにより、ソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報を非接触カードリーダ2が発信する固有情報発信工程と、非接触カードリーダ2の通信可能領域内に位置する場合に非接触カードリーダ2との間で無線通信を行う携帯型通信装置5が、無線通信により非接触カードリーダ2からバージョン特定情報が入力される固有情報受信工程とを備えているので、携帯型通信装置5を用いて非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。これにより、非接触カードリーダ2の筐体を取り外すことなく、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。その結果、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認する作業の効率を向上させることができる。
【0032】
なお、上記実施の形態1では、ドア本体31と電気錠32とを有したドア装置3の構成について説明したが、ドア本体31とドア本体31を変位させる変位装置とを有した自動ドアからなるドア装置3であってもよい。
【0033】
また、上記実施の形態1では、ビル内の部屋に形成された出入口に設けられたドア装置3について説明したが、例えば、駅の改札口に設けられたドア装置3であってもよい。
【0034】
また、上記実施の形態1では、非接触カード1に電力を供給するための電波にバージョン特定情報が含まれる構成について説明したが、非接触カード1に電力を供給するための電波とは異なる電波にバージョン特定情報が含まれる構成であってもよい。
【0035】
また、上記実施の形態1では、コントローラ4からバージョン特定情報発信指令信号が非接触カードリーダ2に入力される構成について説明したが、無線通信により携帯型通信装置5からバージョン特定情報発信指令信号が非接触カードリーダ2に入力される構成であってもよい。これにより、保守点検作業者は、コントローラ4を操作することなく、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを確認することができる。その結果、非接触カードリーダに記憶されているソフトウエアのバージョンを確認する作業の効率をさらに向上させることができる。
【0036】
また、上記実施の形態1では、非接触カードリーダに記憶され保守点検の際に用いられる非接触カードリーダについての固有情報として、非接触カードリーダ2に記憶されているソフトウエアのバージョンを特定するバージョン特定情報を例に説明したが、これに限らず、例えば、非接触カードリーダ2の製造番号や動作ログなどであってもよい。この場合、保守点検を行う際に、非接触カードリーダ2の製造番号や動作ログを容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 非接触カード、2 非接触カードリーダ、3 ドア装置、4 コントローラ、5 携帯型通信装置、11 電波送受信装置、12 記憶装置、13 電波送受信制御装置、21 電波送受信装置(電波発信装置)、22 記憶装置、23 電波送受信制御装置、24 I/F、31 ドア本体、32 電気錠、41 通行可否判定装置、42 ドア装置用制御装置、43 スイッチ(バージョン特定情報発信指令信号入力装置)、44 I/F、51 電波受信装置、52 表示装置。
図1
図2