特許第5722774号(P5722774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722774体管腔にアクセスして物質を除去する装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722774
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】体管腔にアクセスして物質を除去する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   A61B17/22
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-522299(P2011-522299)
(86)(22)【出願日】2009年8月8日
(65)【公表番号】特表2011-530353(P2011-530353A)
(43)【公表日】2011年12月22日
(86)【国際出願番号】US2009053237
(87)【国際公開番号】WO2010017537
(87)【国際公開日】20100211
【審査請求日】2012年8月7日
(31)【優先権主張番号】61/087,508
(32)【優先日】2008年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511029523
【氏名又は名称】インセプト,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INCEPT,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クロリク,ジェフリー,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ドレハー,ジェイムズ,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ワタナベ,グェンドリン
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−522881(JP,A)
【文献】 特開平2−55064(JP,A)
【文献】 米国特許第4921478(US,A)
【文献】 特開2000−5189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体管腔から閉鎖性物質を除去するシステムにおいて:
近位端部と、体管腔内に導入するサイズの遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部の間に延在している管腔とを具える伸長管状部材と;
収縮形状から拡張形状に拡張しうる、前記遠位端部にある環状の拡張性部材と;
を具え、前記拡張性部材が環状の内膜を囲んでいる環状の外膜を具え、当該外膜の近位端部が第1の近位接着部位で、該管状部材の遠位端部に取付けられ、前記内膜の近位端部が前記第1の近位接着部位に対して遠位にある第2の近位接着部位で、前記管状部材の遠位端部に取付けられ、前記外膜および前記内膜が相互に前記管状部材で閉鎖された内側を規定するように、前記外膜および前記内膜は相互に遠位接着部位で取り付けられ、前記第1の近位接着部位と前記遠位接着部位との間に規定される前記外膜の弦長が、前記第2の近位接着部位と前記遠位接着部位との間に規定される前記内膜の弦長よりも長く、前記遠位接着部位が前記第2の近位接着部位の軸方向前方に形成され、これによって、前記拡張形状において、膨脹媒体が前記内側に送達された後に、前記拡張性部材が前記遠位端部から外側に広がり、前記管腔よりも大きい当該管腔と連通している入口を規定しており、前記拡張性部材は当該拡張性部材が内部で拡張する体管腔の壁と係合するサイズであることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムがさらに、前記管状部材の前記管腔内に配置されたダイレータを具えており、当該ダイレータのテーパ形状の遠位先端部が前記収縮形状にある前記拡張性部材を越えて延在し、前記管状部材を体管腔内に導入する際に滑らかに移動するようにすることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記ダイレータが前記遠位先端部と近接する凹部を具えており、前記収縮形状にある前記拡張性部材の遠位接着部位を受けることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記管状部材が体管腔内に導入された後に前記ダイレータが前記管状部材の管腔から近位に脱着可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記内膜が、前記外膜よりも屈曲または圧縮に対して耐性があることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記内膜が補強層を具え、屈曲または圧縮に対する前記内膜の耐性を増加させることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記管状部材が前記近位端部にアクセスポートを具えており、物質を除去するために前記管腔へのアクセスを提供することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項4に記載のシステムが、前記ダイレータを除去した後に前記伸長管状部材の管腔を通って導入されるサイズの治療部材であって、遠位端部に拡張性の治療要素を具え、前記外側の管状部材が内部で展開される体管腔内の閉塞領域を治療する治療部材を更に具えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記入口が前記管腔の直径と同様の前記収縮形状における第1の直径を規定し、当該第1の直径よりも大きい前記拡張形状における第2の直径を規定しており、前記拡張性部材の内面が、前記第2の直径から前記第1の直径に向けて近接するテーパ形状となることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記拡張性部材が前記拡張形状まで拡張した場合、前記内膜が凹状の軸方向の断面を有し、前記外膜が凸状の軸方向の断面を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記拡張性部材が前記拡張形状まで拡張した場合、前記内膜および前記外膜が尖った楕円形の断面を形成することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、管状移植片、動静脈フィステル、血管、およびその種の患者の体管腔内の血栓などの閉鎖性物質、狭窄部および/または他の閉塞部を治療する装置に関するものである。より具体的には、本発明は、体管腔内の血栓または他の閉鎖性物質を除去または捕捉する、および/または体管腔を拡張する装置、およびこのような装置を製作且つ使用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者の脈管構造内の血管または他の体管腔内の流れは、様々な理由のために収縮するか、最終的に遮断されることがある。例えば、炎症および/または細胞増殖によって脈管が徐々に狭窄することがある。さらに、このような狭窄または脈管内の他の流動の問題が原因で、血栓を形成することもある。
【0003】
例えば、動静脈移植片は、透析治療を容易にするといったことのために、腎不全を経験している患者の上腕に移植されることがある。このような移植片は、近接する動脈と静脈間または他の脈管間といった組織を介して患者の体内に直接形成されるフィステルであってもよく、2本の脈管間に移植される異種移植片、あるいは人工移植片であってもよい。このような移植片は、炎症、血栓の形成、およびその種のものが理由により、限られたライフサイクルのみを有している。一旦このような移植片が十分に閉塞するか劣化すると、新しい移植片を次の治療のために新しい場所に移植しなければならない。
【0004】
従って、動静脈移植片、血管、または他の体管腔から物質を除去する、および/または体管腔を治療する装置および方法が有用である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、管状移植片、動静脈フィステル、血管、およびその種のものといった患者の体管腔を治療する装置に関するものである。より具体的には、本発明は、体管腔内の血栓または他の閉鎖性物質を除去または捕捉する、および/または体管腔を拡張する装置、およびこのような装置を製造かつ使用する方法に関するものである。
【0006】
一実施形態によると、体管腔から閉鎖性物質を除去するシステムが提供されており、当該システムは、近位端部と、体管腔内に導入するサイズの遠位端部と、近位および遠位端部間に延在している管腔と、管腔を通って挿入可能な伸長治療部材とを具え、体管腔内の1またはそれ以上の領域を治療すべく選択的に拡張しうる拡張性の治療要素を有する伸長管状部材を具える。例えば、治療要素を用いて、閉鎖性物質を管状部材の管腔内に誘導することができる。
【0007】
実施例では、管状部材は、遠位端部に収縮形状から拡張形状まで拡張しうる環状の拡張性部材を具えてもよく、この拡張性部材は遠位端部から離れて外側に開いた先細形状をなして、管腔よりも大きく管腔と連通している入口を規定しており、拡張性部材は、内部で拡張性部材が拡張する体管腔の壁と係合するサイズである。
【0008】
例えば、拡張性部材は、環状の内膜を囲んでいる環状の外膜を具えてもよく、外膜および内膜は互いに、且つ管状部材の遠位端部に取り付けられ、これにより、外膜および内膜は実質的に閉鎖された内側を規定する。管状部材はこの内側と連通している膨脹管腔を具えてもよく、膨脹媒体が膨脹管腔を介して内側に送達されると、拡張性部材は拡張形状に拡張する。
【0009】
一実施例では、外膜および内膜の近位端部が管状部材の遠位端部に沿って互いに間隔を開けて配置されるように、外膜は内側部材よりも軸方向の長さが長くてもよい。例えば、外膜の近位端部は第1の位置において管状部材の遠位端部に取り付けることができ、内膜の近位端部は第1の位置に遠位の第2の位置において管状部材の遠位端部に取り付けることができる。
【0010】
更にまたは代替的に、内膜は、屈曲または圧縮に対して外膜よりも耐性がある。例えば、内膜は補強層を有して、屈曲または圧縮に対する内膜の耐性を増加させることができる。
【0011】
任意に、管状部材は近位端部にアクセスポートを具えてもよく、物質を除去するために管腔へのアクセスを設けている。
【0012】
他の態様では、システムは1またはそれ以上の更なる構成要素を具える場合がある。例えば、ダイレータを管状部材の管腔内に配置してもよく、これにより、先細の遠位先端部は収縮形状にある拡張性部材を越えて延在し、管状部材を体管腔内に挿入する際に、実質的に滑らかに移動する。実施例では、ダイレータは遠位先端部に近い凹部を具えて、収縮形状にある拡張性部材の遠位端部を収容することができる。このダイレータは、管状部材が体管腔内に導入された後に管状部材の管腔から近位に脱着可能であり、これにより治療装置を管状部材の管腔内に挿入できる。
【0013】
任意に、管状部材は弛緩したサイズから拡張したサイズに拡張しうる少なくとも遠位端部を含む拡張性の区画を具えてもよく、治療装置によって管腔内に誘導された、弛緩状態よりも大きい物質の受け入れに適応する。例えば、管状部材は、近位および遠位端部間の長さ全体に沿って拡張可能であってもよい。
【0014】
実施例では、管状部材の拡張性の区画は、1またはそれ以上のスロットを具える非弾性の層に連結された弾性層を具え、拡張している非弾性の層に適応することができ、弾性層が拡張性の区画を付勢して弛緩したサイズへと戻す。例えば、弾性層は、非弾性の層を囲んでいる弾性スリーブを具えてもよい。更にまたは代替的に、非弾性の層は管状体を具えており、1またはそれ以上のスロットは、管状体の長さに沿って延在している1またはそれ以上の縦方向のスロットを含む。代替的に、非弾性の層は管状体を具えてもよく、1またはそれ以上のスロットは、管状体の長さに沿って互いに軸方向かつ円周に間隔をあけて配置された複数の縦方向のスロットを具えてもよい。
【0015】
任意のこれらの実施形態では、治療装置の治療要素は、治療装置の遠位端部に装着された第1のノンコンプライアントのバルーンを具えてもよい。更にまたは代替的に、第2のコンプライアントのバルーンを、第1のバルーンの上など治療装置に装着してもよい。
【0016】
更にまたは代替的に、この治療装置は、治療要素を少なくとも部分的に覆っている牽引部材を具える。例えば、この牽引部材は、牽引部材が治療要素の近くに位置する第1の位置と、牽引部材が少なくとも部分的に治療要素を覆う第2の位置との間を移動することができる。実施例では、牽引部材は拡張性のメッシュを具えてもよい。
【0017】
他の実施形態によると、体管腔へのアクセスを設ける装置が提供され、当該装置は、近位端部と、体管腔内に導入するサイズの遠位端部と、近位および遠位端部間に延在している管腔とを具える伸長管状部材と;遠位端部に収縮形状から拡張形状まで拡張しうる環状の拡張性部材とを具えており、この拡張性部材は遠位端部から離れて外側へ広がる先細形状をなし、管腔よりも大きく管腔と連通している入口を規定しており、拡張性部材は内部で拡張性部材が拡張する体管腔の壁と係合するサイズである。
【0018】
更に他の実施形態によると、体管腔から閉鎖性物質を除去し、体管腔を拡張させる装置が提供されている。例えば、この装置は、近位端部と、拡張性の遠位端部と、近位および遠位端部間に延在している第1の管腔とを有する外側の管状部材を具えてもよい。この装置はさらに、近位端部と、先細形状を有する遠位端部とを具える内側部材を具えており、当該内側部材は外側部材の第1の管腔内に摺動可能に配置されるよう構成され、これにより、内側部材の近位端部は外側部材の近位端部から近位に延在し、内側部材の遠位端部は外側部材の遠位端部から遠位に延在する。任意に、内側部材は、外側部材の遠位端部が非拡張形状にある場合に、外側部材の遠位端部と係合するように構成された切り込みを有してもよい。更にまたは代替的に、この装置は、外側部材の第1の管腔内に摺動可能に配置されるよう構成された伸長部材を具えることができる。伸長部材は、その遠位端部に2つの同軸バルーンを具えてもよく、これらのバルーンの1つは、別のバルーンよりもさらにコンプライアントである。例えば、それほどコンプライアントではないバルーンを、体管腔を拡張させるように構成してもよい。
【0019】
一実施形態では、外側部材の遠位端部は、内膜と、外膜と、内膜と外膜との間の空洞とを具えてもよい。任意に、内膜は、放射状の拡張を可能にし、軸方向の屈曲および/または圧縮に耐える補強層を具えてもよい。内膜は外膜よりも長さが短くてもよく、あるいは、同様の長さを有していてもよい。外側部材はさらに、外側部材の近位および遠位端部間に延在し、空洞と連通している第2の管腔を具えてもよい。
【0020】
外側部材の拡張性の遠位端部は、外側部材の遠位開口部が第1の直径を有する拡張形状を有することができ、この遠位端部は第1の直径から近位に第2の直径へと先細りしており、第1の直径は第2の直径よりも大きい。例えば、第1の直径は、遠位開口部が内部で拡張性の遠位端部が拡張する体管腔の内径とほぼ等しくなるように調整することができる。
【0021】
更に別の実施形態によると、体管腔を治療する装置が提供されている。この装置は、近位端部と、拡張形状と非拡張形状を有する拡張性の遠位端部と、近位および遠位端部間に延在しているシャフトと、近位端部と遠位端部の遠位開口部との間に延在している第1の管腔とを有する管状シースを具えており、遠位端部が拡張形状にある場合に、遠位端部は遠位開口部における第1の直径からシャフトの第2の直径に先細りし、第1の直径は第2の直径よりも大きい。
【0022】
任意に、この装置はさらに、シースの第1の管腔内に摺動可能に配置されたダイレータを具えてもよい。ダイレータは、シースの近位端部に近い近位端部と、シースの遠位端部から延在し、先細の遠位先端部を有する遠位端部と、シースの遠位端部が非拡張形状にある場合にシースの遠位端部を収容するための、遠位先端部に近接する環状領域とを具えており、遠位先端部とシースとの間が実質的滑らかに移動するようにする。
【0023】
更に他の実施形態によると、体管腔を治療する装置が提供され、当該装置は、近位端部と、拡張性の遠位端部と、近位および遠位端部間に延在している第1の管腔と、近位および遠位端部間に延在している第2の膨脹管腔とを具える管状部材を具えており、拡張形状にある遠位端部は、遠位開口部における第1の直径から第2の直径へと近位に先細りする先細形状を有し、第1の直径は第2の直径よりも大きい。
【0024】
一実施形態では、管状部材の遠位端部は、内膜と、外膜と、内膜と外膜の間の空洞とを具えてもよく、第2の管腔は空洞と管状部材の近位端部における膨脹ポートとの間で連通していてもよい。任意に、内膜は補強層を具えることができる。この補強層は、管状部材に対して軸方向の屈曲および/または圧縮に耐性がある材料で形成することができる。更にまたは代替的に、外膜は、内膜よりも長さが長くてもよく、あるいは、これらの長さはほぼ同一であってもよい。例えば、管状部材の遠位端部が拡張形状にある場合に、内膜は凹状の形状になり、外膜は凸状の形状になってもよい。
【0025】
任意に、この装置はさらに、管状部材の第1の管腔内に摺動可能に配置された内側部材を具えてもよい。この内側部材は、管状部材の近位端部に近い近位端部と、管状部材の遠位端部から延在し、先細の遠位先端部を有する遠位端部とを具える。内側部材の遠位端部は内側部材の近位端部を向いた開口部を有する環状の切り込みを具えてもよく、非拡張形状にある管状部材の遠位端部がこの開口部内に納まりうる。
【0026】
更にまたは代替的に、この装置はさらに、管状部材の第1の管腔内に摺動可能に配置されるよう構成された伸長部材を具えてもよい。この伸長部材は、その遠位端部に、単一のバルーンか、外側のバルーンが内側のバルーンよりもさらにコンプライアントである同軸のバルーンといった1またはそれ以上の拡張性部材を具えてもよい。
【0027】
他の実施形態によると、体管腔を治療する方法が提供され、当該方法は、流動回復装置を体管腔内に導入するステップであって、この流動回復装置が外側部材と外側部材の管腔内に配置された内側部材とを具えているステップと;外側部材の遠位端部が体管腔の内壁と係合するか接触するように、非拡張形状から先細の拡張形状に外側部材の遠位端部を拡張させるステップと;外側部材から内側部材を引き出して、体管腔内に配置された拡張形状にある外側部材を残すステップとを具える。
【0028】
次いで、外側部材を介して処置が実施され、体管腔内の閉鎖性物質を除去または治療することができる。例えば、伸長治療部材は外側部材を通って体管腔内に導入され、体管腔内の物質を捕捉または除去するように操作することができる。一実施形態では、治療部材の遠位端部は、外側部材の拡張した遠位端部から、除去すべき物質を越えて進展させてもよい。治療部材の遠位端部における第1の拡張性部材は拡張することができ、治療部材は、拡張した第1の拡張性部材を完全に外側部材内に引っ張ることによって、外側部材へと引き出されて、体管腔内の物質を外側部材の拡張した遠位端部内に誘導することができる。任意に、体管腔の一部分内の更なる閉塞部を見つけることがあり、治療部材の遠位端部における第2の拡張性部材を拡張させて体管腔の部分を拡張させてもよい。
【0029】
本発明の他の態様および特徴は、添付の図面と共に以下の記載を考慮すると自明となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図面に示す例示的な装置は正確な縮尺で描く必要はなく、実施例の様々な態様および特徴を図示することに重点に置いているということを理解されたい。
図1A図1Aは、外側シースとダイレータとを具えている、体管腔内に配置された流動回復装置またはシステムの第1の実施例の断面図である。
図1B図1Bは、図1Aに示す装置の遠位部の詳細である。
図2A図2Aは、体管腔内の拡張形状にあるシースの拡張性部材を示す、図1Aの装置の断面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す拡張性部材の壁の詳細である。
図3図3は、拡張性部材が拡張形状にあり、ダイレータが除去された状態の図1Aおよび図2Aの装置の断面図である。
図4図4は、患者の身体の断面図であり、移植片の管腔内に閉鎖性物質を有する、静脈と動脈の間に延在している例示的な透析移植片を示している。
図5図5は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図6図6は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図7図7は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図8図8は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図9図9は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図10図10は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片管腔から閉鎖性物質を除去する例示的な方法を示している。
図11図11は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片の閉塞領域を拡張させる方法を示している。
図12図12は、図4の透析移植片の断面図であり、移植片の閉塞領域を拡張させる方法を示している。
図13図13は、図1A乃至図12の流動回復装置および方法に具えられうるシースの代替的な実施形態の斜視図である。
図14図14Aは、図5乃至図12に示す方法に用いられうるバルーンカテーテルの代替的な実施形態の側面図であり、図14B乃至図14Dは、図14Aに示すバルーンカテーテルの他の代替的な実施形態の側面図である。
図15図15Aおよび図15Bは、外側シースと誘導ワイヤとを具える流動回復装置の第2の実施例の断面図である。
図16A図16Aは、拡張性部材を保持し、拡張性の壁を有する外側シースと、バルーンカテーテルとを具える流動回復装置の第3の実施形態の断面図である。
図16B図16Bは、線16B−16Bに沿って取り出した、図16Aのシースの断面である。
図16C図16Cは、拡張性の壁をもたらすスロットを具える、図16Aのシースの代替的な実施形態の詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を見てみると、図1A乃至図3は、体管腔50内から血栓、物体、デブリ、および/または閉鎖性物質を除去する、および/または血管、動静脈フィステル、管状移植片、およびその種の体管腔50の領域を拡張させるなどのために、体管腔50へのアクセスおよび/または治療を提供する流動回復装置10を示している。一般に、この装置10は、外側シースまたは他の管状部材20と、任意で、ダイレータまたは他の内側部材30とを具えており、以下で更に説明する1またはそれ以上の治療装置(図示せず)と共に、患者の体内の体管腔内の閉鎖性物質を除去する、および/または閉塞領域を治療するシステムを提供することができる。さらに、このようなシステムは、図7に示し、以下でさらに説明するように、誘導ワイヤ64および注射器18といった、1またはそれ以上の誘導ワイヤ、注射器または膨脹媒体および/または真空の他の供給源などの1またはそれ以上の更なる構成要素を具えてもよい。
【0032】
更に図6乃至図9を参照すると、シース20は、近位端部22aと、遠位端部26と、それらの間に延在している管腔24(図1A乃至図3に最もよく見られる)とを具える伸長管状体またはシャフト22である。遠位端部26は拡張しうる、すなわち、収縮形状(図1Aおよび図1Bに示す)と拡張形状(図2Aおよび図3に示す)との間を移動することができ、拡張性の遠位端部26は先細の外形またはトランジションを有している。図示された実施形態では、遠位端部26は、シャフト22の遠位端部26に取り付けられた、および/またはそこから延在しているバルーンまたは他の拡張性部材26aを具えており、以下でさらに説明するように、拡張性のトランジションを提供している。
【0033】
任意に、ハンドルまたはハブ13がシース20の近位端部22aに連結されるか設けられて、シース20および/または装置10全体を操作することができる。このハンドル13は人間工学的な形状を有し、ハンドル13の保持および/または操作を容易にすることができる。このハンドル13はサイドポート14といった1またはそれ以上のポートを具えてもよく、膨脹媒体の供給源、真空源、および/または、診断薬および/または治療薬の供給源(図示せず)といった1またはそれ以上の流体の供給源を装置10に連結することができる。サイドポート14は1またはそれ以上のコネクタ(図示せず)を具えてもよく、1またはそれ以上の流体の供給源を、ルアロックコネクタなどのサイドポート14および/または止血シールなどの1またはそれ以上のシールに連結するのを容易にし、流体がサイドポート64から漏れるのを防ぐ。さらに、ハンドル13は管腔24と液通しているポート15を具えてもよく、ダイレータ30、誘導ワイヤまたは他の装置(図示せず)を管腔24内におよび/または管腔24を通して受ける。ポート15は止血シール(図示せず)などの1またはそれ以上のシールを具えてもよく、管腔24から血液または他の体液が漏れるリスクが実質的になく、その中にダイレータ30または他の装置が通過できるようにする。
【0034】
シース20は、その長さに沿ってほぼ均一の構造を有していてもよく、若しくは、この構造は変化してもよい。例えば、シース20の近位部は、近位端部22aを押すか操作することによって装置10が容易に進展するように実質的に剛性または半剛性であってもよい。更にまたは代替的に、シース20の遠位部は、捩れるか座屈するリスクが実質的になく、複雑な解剖学的構造を通って容易に曲がるおよび/または進展するように柔軟であってもよい。実施例では、シース20は、金属、PEEK、GrilamedL25、およびその種のプラスチック、または複合材料といった材料から形成することができる。シース20は、約5乃至130センチメートル(5乃至130cm)の長さ、且つ、約1.6乃至2.0ミリメートルの外径を有してもよく、管腔24は、約1.4乃至1.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0035】
図1A乃至図3を見てみると、ダイレータ30はシース20の管腔24内に脱着可能に配置することができ、一般に、近位端部32a(図示せず、図6参照)と、先細の遠位先端部36で終端している遠位端部32bとを具えるシャフト32と、近位および遠位端部32a、32b間に延在している補助管腔34とを具えている。遠位先端部36に実質的に非外傷性に移動し、皮膚、脈管壁、および他の組織を通る装置10の導入および/または体管腔内の進展を容易にすることができる。先細の遠位先端部36はさらに、誘導ワイヤと外側シース20との間を滑らかに移動するようにする。ダイレータ30のシャフト32は、屈曲に対応するように柔軟ではあるが、シース20のシャフト22よりも更に硬質であってもよく、これによりダイレータ30は、導入中またはその後の操作の際に進展するシース20に円柱状の支持をもたらすことができる。
【0036】
図1Aおよび図1Bに最もよく示すように、ダイレータ30の遠位先端部36はシース20の遠位端部26から遠位に延在している。ダイレータ30の遠位先端部36は遠位先端部36の近位端部において環状の切り込みまたは他の領域38を具えてもよく、その結果、ダイレータ30の近位端部32aを向いた開口部または凹部37を規定している。ダイレータ30がシース20の管腔24内に配置され、拡張性部材26aが収縮形状にある場合、図1Aおよび図1Bに示すように、拡張性部材26aの遠位端部28は凹部37内に収容することができる。この方法では、領域38は、ダイレータ30とシース20との間を実質的に滑らかに移動するようにして、組織を通る装置10の通過を容易にすることができる。この領域38はさらに、ダイレータ30に対して拡張性部材26aを保持することができ、進展中に拡張性部材26aが近位に移動するのを防ぎ、拡張性部材26aを軸方向に集めるか収縮させることができる。
【0037】
図1A乃至図3に示す実施形態では、拡張性部材26aは、外側の環状の膜または面23と内側の環状の膜または面25とを具え、その間に実質的に閉鎖された内側または領域27を規定している。管腔(図示せず)は、ハンドル13における膨脹ポート14からシース20の近位端部22a(図示せず、図6乃至図9参照)を通ってシース20の遠位端部26まで、壁に沿って延在することができ、内側27と液通している。図6乃至図9に示すように、注射器18などの膨脹媒体または真空の供給源は膨脹ポート14に連結することができ、これにより、拡張性部材26aの内側27が供給源18aと流体連通ができ、生理食塩水、水、およびその種のものといった膨脹媒体を、拡張性部材26aの内側27内に送達したり、排出したりすることが可能となる。
【0038】
外膜および内膜23、25は、接着剤での接着、音波溶接、熱定着、およびその種の手段によって環状のスリーブに接着または取り付けられうる材料の単一のシートまたは複数のシートから形成して、内側27を実質的に密閉および/または閉鎖することができる。代替的に、外膜および内膜23、25は、押出成形、射出成形、およびその種の手段によってスリーブとして形成されてもよい。図1Bに最もよく見られる実施形態では、外膜および内膜23、25は、その近位および遠位エッジが互いに、および/またはシース20の遠位端部26に取り付けられた別個の材料のスリーブとして形成して、拡張性部材26aを規定してもよい。膜23、25は、実質的に非弾性またはノンコンプライアントの材料から形成されてもよく、これにより、膨脹すると、拡張性部材26aは所与のサイズおよび/または形状に拡張する。
【0039】
例えば、外膜および内膜23、25は、(図1Bに最もよく見られる)遠位接着位置42において互いに取り付けられてもよく、(図1Aおよび図2に最もよく見られる)近位接着位置44、46それぞれにおいてシャフト22の遠位端部26に取り付けることもできる。例えば、外膜および内膜23、25の遠位エッジは、互いに重なっているか、接合されてもよい。外膜23の近位エッジはシャフト22の外面に取り付けることができ、内膜25の近位エッジはシャフト22の外面、第1の管腔24の内面に取り付けることができあるいは、遠位端部26に接合することができる。
【0040】
図1Aおよび図2Aに示すように、近位接着位置44、46は互いに軸方向に間隔をあけて配置されてもよいが、代替的には、外膜および内膜23、25の近位エッジは、外膜23が内膜25の上に取り付けられた状態というように、同じまたは同様の軸方向の位置で遠位端部26に取り付けてもよい。収縮形状では、外膜および内膜23、25は、外膜23が内膜25を実質的に囲んでいる状態で、実質的に軸方向に延在することができる。
【0041】
図1Aおよび図2に示すように、外膜の近位接着位置46は、内膜の近位接着位置44よりも拡張性部材26aの遠位端部28から更に遠い。これにより、拡張形状にある拡張性部材26aが望ましい形状となるように助長し、図2Aに示すように、シース20の管腔24と液通しているほぼ連続的に先細りした内径を提供する。例えば、先細りした拡張形状は、近位および遠位接着位置46、42間に内膜25よりも長い弦長を有する外膜23によるものでる。膨脹すると、外膜23の長い弦長は、短い弦長を有する内膜25よりも大きい張力を外膜23に生成しうる。これらの張力を均衡させるため、シース20の拡張性部材26aは湾曲または円錐形に放射状に外側へ拡張することができ、外膜23における張力を減少させる。従って、拡張性部材26aが拡張形状に拡張すると、内膜25の直径(拡張性部材26aの内径)は、遠位開口部21における比較的大きい遠位直径Dから比較的小さい近位直径Dに先細りすることができる。拡張性部材26aの材料およびサイズは、以下で更に説明するように、比較的大きい遠位直径Dが、装置10が導入される体管腔50の内径とほぼ等しいか大きいように選択されうる。
【0042】
シース20の拡張性部材26aは、外膜および内膜23、25によって規定された内側27内に膨脹媒体を導入することによって拡張させることができる。図2Aは、拡張性部材26aが完全に膨脹した後の装置10を示している。バルーンが膨脹する際、拡張性部材26aの遠位端部28がシース20の中心の長軸から放射状に外側へ広がり、ダイレータ30の凹部38から自由となる。膨脹圧力が外膜23に張力を作用させ、シース20の長軸から外側に膨脹させることができる。この張力は、遠位接着位置42および近位接着位置44、46にも作用する。シースのシャフト22に接着されているため、近位接着位置44、46は加えられた張力に応じて形状を実質的には変えず、放射状に拡張することはできない。遠位接着位置42は、拡張性部材26aが拡張形状に拡張するにつれて、外膜23の張力によって放射状に外側方向へと引っ張られる。
【0043】
拡張形状にある先細形状の拡張性部材26aをさらに増強するため、外膜および内膜23、25に異なる材料が与えられてもよい。例えば、別の比較的固い物質、同様ではあるが厚さが厚い物質、およびその種のものを内膜25に提供することにより、内膜25は外膜23よりも硬質であってもよい。任意に、図2Bに示すように、内膜25は補強層29を具えて、先細形状を作るか、それを増強することができる。例えば、ナイロンまたはPEEKなどの硬質プラスチック、あるいはステンレス鋼またはニチノールなどの金属といった材料のストライプ(図示せず)が、内膜25に接着、組み込み、または取り付けられてもよく、これらのストライプは、実質的に軸方向へ近位および遠位接着位置44、42間に少なくとも部分的に延在する。代替的に、組みひもまたは他のメッシュ(図示せず)を内膜25の内面または外面に組み込むか取り付けてもよい。補強層29は、内膜25の軸方向の長さに沿って実質的に均一または異なっていてもよい。例えば、補強層29は、遠位接着部42と近接する領域に対して近位接着部44と近接する内膜25の硬性を高めることができ、必要に応じて、拡張性部材26aが拡張した際に釣鐘状に拡張した内膜25を増強する。
【0044】
更にまたは代替的に、補強層29の材料は放射状への拡張を可能にしながら、シース20の長軸に対して軸方向への内膜25の屈曲または圧縮に耐えることができる。例えば、補強層29と近位接着位置44、46の組み合わせは、図2Aおよび図3に示すように、拡張性部材26aが拡張形状の断面において尖った楕円形またはアーモンド型をなすようにすることができる。例えば、内膜25は、凹状の断面等を有する釣鐘状を規定してもよく、あるいは、内膜25がフレア状または先細の場合に、ほぼ直線の円錐形状を有してもよい。拡張性部材26aの先細形状は、以下で更に説明するように、体管腔から除去する比較的小さい管腔24内に物質を注ぎ込むことができる比較的大きい直径の入口21があるため、体管腔50からデブリを除去するには有意となりうる。
【0045】
一旦、拡張性部材26aが拡張して遠位端部28がダイレータ30の凹部37を出ると、ダイレータ30をシース20から自由に近位へと引き寄せることができる。ダイレータ30が除去された拡張したシース20を図3に示している。シース20が内部で展開される体管腔50内の血栓または他の不要な物質は、以下で更に説明するように、先細の入口21を介してシース20の管腔24内に一掃することができる。
【0046】
例えば、図4乃至図10を見てみると、装置10を用いて、透析か他の管状移植片内またはその近くの血栓または他の物質にアクセスする、および/または除去することができる。装置10の使用方法は、管状移植片内で行われるものとして、以下に図示および説明されているが、装置10はこのような移植片内での使用に制限されず、動静脈フィステル、異種移植片、血管、およびその種のものといった、患者の体内の他の体管腔に用いてもよい。
【0047】
例示的な移植管腔50が図4に示されており、患者の腕または患者の体内の他の位置などの動脈51と静脈53との間に延在している。従って、移植管腔50は、動脈吻合52を通る動脈血流と、静脈吻合54を通る静脈血流を連結することができる。透析移植片の失敗に共通するように、図4は、炎症および細胞増殖(新生内膜過形成としても知られている)によって起こりうる狭窄部56によって、静脈吻合54が狭窄している状態を示している。第2の狭窄部57は、中間の移植片部分を示している。さらに、図示の狭窄部56、57により移植管腔50を通る血流が緩慢となったため、動脈吻合52に形成された血栓58を示している。
【0048】
まず、図5に示すように、針62を患者の皮膚を通って移植管腔50内に挿入することができる。次いで、誘導ワイヤ64が針62を通って移植管腔50内に多少の距離進展することができ、その後に器具を導入する際に機械的な安定性をもたらすことができる。
【0049】
次に、図6に示すように、装置10は、誘導ワイヤ64にわたって、移植管腔50内に導入することができる。装置10は、図1Aおよび図6に示すように、ダイレータ30がシース20に装着された状態で、製造者から提供されてもよい。代替的に、処置の直前に遠位先端部36をポート15内に挿入することにより、ダイレータ30をシース20に装着してもよい。この代替例では、ダイレータ30は、遠位先端部36が拡張性部材26aの遠位端部28を越えて通過するように進展することができ、ダイレータ30を引き戻して、凹部37内に遠位端部28を捕捉することができる。別の代替例では、環状の領域38および凹部37をダイレータ30から取り除いてもよく、ダイレータ30は単に、拡張性部材26aおよびシース20の遠位端部26を越えて通過し、延在してもよい。
【0050】
装置10が組み立てられた状態では、誘導ワイヤ64は、ダイレータ30の遠位先端部36を通って装着され、補助管腔34内に入り、近位ハブ39を出ることができる。次いで、装置10は、図6に示すように、拡張性部材26aが移植管腔50内に完全に収容されるまで、拡張性部材26aが収縮形状にある状態で、誘導ワイヤ64にわたって皮膚および任意の干渉組織を通り、移植管腔50内に進展することができる。任意に、ダイレータ30および/または拡張性部材26aは、1またはそれ以上のX線不透過性のバンドまたは他の目印といった1またはそれ以上の目印(図示せず)を具えてもよく、これにより、蛍光透視法、X線画像化、超音波、およびその種のような外部画像化を用いて、拡張性部材26aを移植管腔50内の所望の位置に配置することができる。
【0051】
図7を見てみると、シース20が移植管腔50内の所望の位置にある状態で、シース20の遠位端部26は拡張することができる。拡張性部材26aの遠位端部28が領域37から除去されると、ダイレータ30を移植管腔50およびシース20から除去することができる。代替的に、ダイレータ30が環状領域38および凹部37を具えていない場合、ダイレータ30は拡張性部材26aが拡張する前に除去してもよい。
【0052】
図7に示すように、注射器18は膨脹ポート14に連結され、シース20の壁内の膨脹管腔(図示せず)を介してシース20の遠位端部26を拡張させることができ、拡張性部材26aの内側27(図1A乃至図3に示す)との流体連通を可能にする。
【0053】
シース20の拡張性の遠位端部26aは、既存の拡張しないシースに優る幾つかの利点を提供することができる。第1に、遠位端部26の拡張した直径Dは移植管腔50の内径とほぼ等しいかそれよりも大きいため、拡張した拡張性部材26aは移植管腔50との密閉を形成することができ、その結果、血流を妨げ、処置中に身体の残りを血栓または他の粒子が塞栓する可能性を低くする。第2に、拡張性部材26aの段階的に先細りした内径は、漏斗または段階的な平滑な先細形状を設けることにより、移植管腔50からの物質の除去を容易にすることができる。第3に、拡張性部材26aは、拡張性部材26aと移植管腔50の壁との間の牽引摩擦によって、移植管腔50内のシース20を実質的に安定させることができ、処置中にシース20が不要な移動をするのを防ぐことができる。
【0054】
次に、図8に示すように、シース20の拡張性部材26aが拡張し、ダイレータ30が除去されると、1またはそれ以上の治療装置をシース20を介して移植管腔50内に導入して、1またはそれ以上の診断および/または治療処置を実施することができる。
【0055】
図8に示すように、バルーンカテーテル82は、誘導ワイヤ64にわたり、シース20の管腔24を通り、移植管腔50内、例えば、狭窄部57および血栓58を形成している物質の向こう側の位置まで挿入することができる。カテーテル82は、カテーテル82の近位端部82aにおける近位ハブまたはハンドル90と、カテーテル82の遠位端部82bとの間に延在している誘導ワイヤ管腔(図示せず)を具えてもよく、これはオーバーワイヤシステム(図示)として用いられる。代替的に、カテーテル82内の誘導ワイヤ管腔は、遠位端部82bから中間位置(図示せず)まで延在してもよく、急速交換システムとして用いられる。
【0056】
一実施形態では、バルーンカテーテル82は、図14Aに示すように、遠位端部82bにコンプライアントのバルーンを具える低圧の塞栓除去カテーテルでもよい。しかしながら、図8に示す実施例では、バルーンカテーテル82は複数のバルーンまたは拡張性部材を具え、複数の目的の装置を提供することができる。例えば、図示のように、2つの同軸バルーン84、86が、バルーンカテーテル82の遠位端部82bに設けられてもよい。第1の、ノンコンプライアントの、高圧バルーン84は、カテーテル82のシャフトに接着または取り付けることができる。ノンコンプライアントのバルーン84は、ハブ90の第1の膨脹ポート88と別個に流体連通していてもよく、注射器または他の膨脹媒体の供給源18aに連結されてもよい。第2の、コンプライアントの低圧バルーン86は、ノンコンプライアントのバルーン84の上に同軸に接合されてもよい。コンプライアントのバルーン86は、カテーテルハブ90の第2の膨脹ポート92と別個に流体連通していてもよく、注射器または他の膨脹供給源18bに連結されてもよい。
【0057】
図9を見てみると、カテーテル82が動脈51内の遠位端部82bまたは血栓58を超えて配置されると、コンプライアントのバルーン86は拡張することができる。その結果、移植管腔50内の流体および閉鎖性物質(狭窄部57や血栓58など)をシース20とコンプライアントのバルーン86との間に実質的に隔離することができ、動脈51、静脈53および/または体内の他の場所内に物質が塞栓を起こす可能性を実質的に低くする。
【0058】
図10に示すように、次いで、バルーンカテーテル82はシース20へと近位に引き戻すことができ、血栓または他の閉鎖性物質が一緒に引き寄せられる。任意に、バルーンカテーテル82はシース20内に中を通って完全に引き寄せることができ、シースの管腔24内に物質が引っかかるか管腔24を閉塞させるリスクを実質的に減少させる。
【0059】
不要な物質の総てを、コンプライアントのバルーン86の1回の通過では除去できない場合がある。例えば、図10に示すように、中央の移植片狭窄部57の一部分が管腔の壁に取り付いて残っていることがある。この理由のため、コンプライアントのバルーン86を収縮してバルーンカテーテル82を進展させ、コンプライアントのバルーン86を拡張させ、必要に応じてバルーンカテーテル86を1またはそれ以上の回数引き寄せるなどして、繰り返して通過させてもよい。任意に、動脈51へのシース20の向きによって到達することができない任意の狭窄部、血栓、または他のデブリ(例えば、狭窄部56)は、装置10を除去し、装置10(またはシース内に位置するダイレータを有する他の新しい装置、図示せず)を移植管腔50内と反対方向へと導入することによって除去することができる。
【0060】
図10に示すように、中央の移植片狭窄部57などの幾つかの閉塞部は、コンプライアントのバルーン86によって完全に除去できないことがある。バルーンの塞栓除去に対応しない狭窄部を処置するため、図11乃至図12を参照して更に詳細を記載するように、高圧での狭窄部の拡張を実施してもよい。二重バルーンカテーテル82を有する装置10は、二重のバルーン構造のため、拡張を実施する向上した方法を提供することができる。
【0061】
最初に、図11に示すように、コンプライアントのバルーン86を対照液で膨脹させて、管腔50内を軸方向に移動させてもよい。バルーン86が狭窄部57と接触すると、図示のように、狭窄部57の形状に適応するように変形し、蛍光透視法または他の外部画像化によって可視することができる。さらに、引き込みの際にコンプライアントのバルーン86が狭窄部57と接触すると、バルーン86が閉塞していない管腔内を移動するときよりも大きい抵抗を感じることがあり、外部画像と共に、あるいはその代わりに、利用者に触覚的なフィードバックを与える。従って、視覚および/または触覚的なフィードバックを用いて、図11に示すように、コンプライアントのバルーン86を狭窄部57の上に正確に配置することができる。
【0062】
図12を見てみると、コンプライアントのバルーン86を用いて認識された位置にバルーンカテーテル82がある状態で、ノンコンプライアントのバルーン84が膨脹して狭窄部57を拡張させることができる。コンプライアントのバルーン86は、ノンコンプライアントのバルーン84の膨脹とほぼ同時または膨脹する直前に収縮させてもよい。従って、狭窄部57は、図示のように、実質的に閉塞していない移植管腔50を残して拡張することができる。
【0063】
従来の拡張処置に優るこの拡張処置の利点の1つは、拡張用に使用されるカテーテル82と同じものを用いて、狭窄部57を簡単且つ直接的に配置することができ、その結果、カテーテルの交換、あるいはバルーンを交換する必要性がなくなる。別の利点は、拡張処置の際、患者の血流内に対照液が放出されないという点である。多くの患者、特に腎臓機能不全の患者は対照液に対する問題を有しており、上述の拡張処置は有用となりうる。
【0064】
更なる代替例では、他の装置が装置10を用いて導入され、シース20が展開される移植管腔50内または患者の体内の他の場所で処置を実施してもよい。使用されうる例示的な装置および方法が、同時係属中の、2008年9月22日出願の第61/099,171号、2009年1月9日出願の第61/143,603号、2009年2月12日出願の第61/152,227号、2009年6月8日出願の第12/480,664号、2009年7月2日出願の第12/497,135号、および国際公開第WO2009/076482号に開示されている。
【0065】
狭窄部または血栓を除去する際、本書に記載の装置および方法などを用いて、シースの障害を除くかシースの詰まりを防ぐことが望ましい。これを容易にするため、アクセスポートをシースの近位端部内に設けることが望ましい。図13を見てみると、シース20’が図示されており、これは図1A乃至図3に図示され本書に記載されたものと類似しており、ハンドル13’にドア102を具えてもよい。ドア102は、処置中の任意のときに利用者が開けることができ、これにより、シース20’内に引き込まれた血栓または他の物質104は、シース20が詰まった場合には、ハンドル13’から手動で除去することができる。代替的に、他の種類の繰り返して開放かつ閉鎖可能なアクセスポートまたは構造を、ブリーチまたは他の摺動可能な機構(図示せず)といったドア102の代わりに設けてもよく、これらはハンドル13’かシース20’の他の場所に設けることができる。更に代替的には、ハンドル13’は、物質がシース20’を通って近位に引っ張られたときに、バルーンカテーテル82のバルーン86または本書に記載の他の装置を用いて物質(例えば、血栓104)が中に押し出される区画(図示せず)を有していてもよい。
【0066】
図14B乃至図14Dを見てみると、治療装置の他の実施形態が図示されており、装置10に具えられて、体管腔を治療するシステムを提供することができる。この実施形態では、シース20(図示せず、図1A乃至図3参照)を通して導入されうるバルーンカテーテル82’が図示されており、移植片または他の体管腔から血栓または他の物質を除去する。例えば、図14Aは平滑な外面を有するコンプライアントのバルーン86を具えるバルーンカテーテル82を示しており、バルーン86の性能を制限して体管腔の壁に付着した物質を除去することができる。
【0067】
牽引摩擦を増加させるため、図14B乃至図14Dに示すように、コンプライアントの低圧バルーン86’と牽引シース112とを具えるバルーンカテーテル82’を設けてもよい。バルーン86’は、本書に記載の他の実施形態と同様に、カテーテル82’の遠位端部82b’に設けることができ、牽引シース112はカテーテル82’および/またはバルーン86’にわたって同軸に収容されうる。図示された実施形態では、牽引シース112は、遠位端部に拡張性メッシュ114を保持する管状体を具えている。この牽引シース112はカテーテル82’に対して軸方向に移動することができ、これにより、拡張性メッシュ114は、バルーン86’の少なくとも一部を選択的に囲むことができる。最初に、処置の際、拡張性メッシュ114は、バルーン86’の任意の部分を覆うことなく、バルーン86’の近位に設けることもできる。
【0068】
バルーン86’単独では体管腔から十分な血栓または他の物質を除去しない場合、必要に応じて、バルーン86’の牽引摩擦は、図14Cに示すようにバルーン86’に近位の第1の位置から、図14Dに示すようにメッシュ114がバルーン86’の上に少なくとも部分的に配置された第2の位置まで牽引シース112を進展させることによって増加できる。バルーンカテーテル82’は近位端部(図示せず)にアクチュエータを具えて、第1および第2の位置の間で牽引シース112を移動させてもよい。代替的に、このアクチュエータによって牽引シース112を複数の位置に誘導可能にしてもよく、必要な限り広く拡張性メッシュ114でバルーン86’を覆うことができる。更に代替的には、牽引シース112がカテーテル82’に取り付けるか固定され、これにより、拡張性メッシュ114はバルーン86’の所定の部分を覆ってもよい。
【0069】
メッシュ114は、膨脹したバルーン86’を用いて体管腔から除去される物質に押しこまれるか、この物質との係合を高める粗い表面を提供することができる。さらに、牽引シース112はコンプライアントのバルーン86’よりも厚いおよび/または丈夫な材料で構成されているため、牽引シース112に加えられる張力の量は、バルーン86’単体よりも大きくなりうる。牽引シース112のメッシュ114は、金属またはポリマ繊維のの中空ブレイド、ステント状の構造を形成する複数の開口部を有するように切断されたポリマまたは金属の管、または金属かプラスチックで構成された、バルーン86’の上を最初に進展する際に互いにほぼ平行な状態のままとなる一連の縦の支柱を含む様々な材料で構成することができる。
【0070】
図15Aおよび図15Bを見てみると、管腔24と拡張性部材26aとを具えるシース20が示されており、本書に記載の他の実施形態と類似している。よく知られているように、シース20の管腔24は、誘導ワイヤ、バルーンカテーテル82(図示せず)といった治療装置、さらには当該治療装置を用いて捕捉または除去された物質を収容しなくてはならない。これらの装置が管腔24内の空間を占有しているということから、シース20は、シースが収容可能な粒子の大きさは制限されうる。図15Aおよび図15Bは誘導ワイヤ164の代替的な実施形態を示しており、本書に記載の任意の実施形態であるシース20および/または装置10(図示せず)と組み合わせて使用することもできる。従って、誘導ワイヤ164は、装置10および/または本書または本書に示された参考文献に記載の治療装置を具えるシステムの一部として具えられてもよい。
【0071】
大きい粒子を除去するシース20の能力を最大限にする一実施形態では、誘導ワイヤがシース20の管腔24内を占有する空間を最小限にすることができる。比較的大きい誘導ワイヤ(例えば、直径が約0.035インチ)は、その上を軌道とする装置に対する支持が高レベルであるため、広く使用されている。図15Aは誘導ワイヤ164の代替的な実施形態を図示しており、この上をシース20が進展する。誘導ワイヤ164は内側部分またはコア168を具えており、その上に外側部分またはスリーブ166が摺動可能に配置される。コア168の上にスリーブ166が配置された状態では、誘導ワイヤ164は他の誘導ワイヤと同様の性質を有することができ、誘導ワイヤ164を、図5に示すプロセスと同様に、針または他の機器を通して移植管腔50または他の体管腔内へと容易に導入することが可能となる。一旦、誘導ワイヤ164が移植管腔50内に十分に配置されると、シース20を具える装置10(図示せず)は、図6および図7に示す実施形態と同様に、誘導ワイヤにわたって移植管腔50内に進展することができる。必要に応じて、誘導ワイヤ164がまだ配置されていない場合は、図8に示すように、除去また治療すべき血栓または他の物質を越えて誘導ワイヤ164の遠位端部が延在するよう更に操作してもよい。
【0072】
一旦、シース20および誘導ワイヤ164が定位置になると、誘導ワイヤ164のスリーブ166が除去され、図15Bに示すように、誘導ワイヤ164の比較的小さい直径のコア168を通りすぎることができる。この小さい誘導ワイヤ168はシース20の管腔24の内側を占有する空間が少なく、その結果、本書の別の場所に記載されたような、塞栓除去のバルーンカテーテルまたは他の治療装置を用いて、大きな粒子を管腔24内に引き込むことが可能となる。この実施形態では、治療装置は比較的小さい補助管腔を有し、その中に誘導ワイヤ164のコア168を摺動可能に収容することができ、その結果、治療装置のシャフトはさらに、大きい誘導ワイヤにわたって進展する装置と比較して比較的小さい外径を有することもできる。従って、小さい誘導ワイヤ164およびその後の治療装置のシャフトは、管腔24内により多くの余裕を残して、体管腔から大きい粒子を除去することができる。
【0073】
図16A乃至図16Cを見てみると、シース120の他の実施形態が図示されており、比較的大きい粒子を除去するシース20の能力を増大させることができる。一般に、シース120は、本書に記載の他の実施形態と同様の機能を具えてもよく、図1A乃至図3に示す装置10または任意の他の装置かシステムに組み込むことができる。例えば、シース120は拡張性部材126aを保持するシャフト122を具えており、前述の実施形態と同様に構成および使用することができる。
【0074】
前述の実施形態とは異なり、シース120のシャフト122の少なくとも一部分が放射状に拡張して、図16Aに示すように、中を通過する比較的大きい粒子116を収容してもよい。この例では、塞栓除去のバルーン86を用いて、粒子116がシースの管腔24を通り、体管腔および患者の身体の外に引き出される。
【0075】
図16Bにより詳しく図示されているように、シース120のシャフト122が、1またはそれ以上の実質的に非弾性の材料から構成された内層152を具え、シース120に望ましい構造的な剛性をもたらすことができる。1またはそれ以上のスロット154が、内層152に設けられてもよく、これらのスロットは、例えば、シース120が比較的大きい直径の近位部分を具えている場合に、シース120の長さ全体に沿って、またはシース120の遠位部分のみに沿って延在する。シャフト122はさらに外側のシャフト層156を具えており、これはシャフト122に液密の外皮を提供する1またはそれ以上の弾性材料から構成することができ、流体が(複数の)スロット154を通過し、内層152内に入るのを防ぐ。放射状に外側へ力が加わると、(複数の)スロット154が開放され、外層156が弾性的に変形してシャフト122が放射状に拡張可能となる。放射状に外側への力が除去されると、外層156は弾性的に本来のサイズへと内側に戻り、(複数の)スロット154が閉鎖される。
【0076】
図示のように、外層156は、内層152を囲んでいる閉鎖スリーブであってもよい。外層156は、内層152、例えば内層152の外面に、締まりばめ、接着剤での接合、音波溶接、熱定着、およびその種の手段などによって取り付けることができる。代替的に、弾性層156を非弾性の層152(図示せず)の内径に接着してもよく、必要に応じて、シース120に堅いおよび/またはより滑らかな外面を提供することができる。代替的な実施形態では、弾性層は、スロットがある層の内面に接着することができる。
【0077】
使用中、図16Aに示すバルーンカテーテル82といった治療装置を用いて、前述の実施形態と同様に、シース120の管腔124内に血栓または他の物質116を引き込むことができる。物質116が、外層156が弛緩または比較的低位置のエネルギ状態にある管腔124の直径よりも大きい場合、次いで物質116を管腔124内に引っ張ると外層156を伸縮させ、その結果(複数の)スロット154が開放され、内層152およびシャフト122の直径が増加する。物質116がシャフト122の拡張部分に沿って通過すると、シャフト122が弾性的に拡張して、図16Aで見られるように弛緩状態へと引き戻すことができる。
【0078】
図16Cを見てみると、シース120’の他の実施形態が図示されており(単に便宜上、拡張性部材は図示しない)、代替的に放射状に拡張するシャフト122’を具えている。シャフト122’の拡張部分の長さ全体に沿った1またはそれ以上の細長いスロットの代わりに、スロットがある管のステントと同様に、複数の別個の長さのスロット158’を比較的非弾性の層152’に設けてもよい。弾性層(図示せず)を非弾性の層152’の外側か内側に再び設けてもよい。スロット158’は、レーザ切断、機械的切断などによりスロット158’を管に切り込みする、あるいはシートにスロットを切り込み、丸めてシートの縦の端部を取り付けることにより(図示せず)、非弾性の層152’の壁を形成することができる。非弾性の層152’の材料は、非弾性の層152’の変形に適応する程度に十分柔軟であってもよく、これにより、大型の物質が管腔124’を通って引っ張られるにつれて、ステントの開口部と同様に、シャフト122’が放射状に拡張する。弾性層は非弾性の層152’ひいてはシャフト122’を弾性的に付勢して、弛緩した状態か小さい直径へと内側に戻る。
【0079】
本書における任意の実施形態に示す要素または構成要素は、特定の実施形態のための例示であり、本書に開示された他の実施形態に、またはそれらと組み合わせて使用することもできるということを理解されたい。
【0080】
本発明は様々な改変、および代替形状が可能であり、それらの特定の実施例が図面に示され、本書に詳しく記載されてきた。しかしながら、本発明は開示された特定の形状または方法に限定されるものではなく、反対に、本発明は添付の特許請求の範囲に収まる総ての改変、均等物および代替物を包含するということを理解されたい。
図1A-1B】
図2A-2B】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C