【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を備えるタービンハウジングによって解決される。さらに、この課題は、請求項20の特徴を備えるタービンハウジングの製造方法によっても解決される。本発明の適切な発展形態を備える有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
【0009】
本発明に基づく駆動ユニットのエグゾーストターボチャージャのためのタービンハウジングは、駆動ユニットの排気ガスシステムに連結可能な少なくとも1つのスパイラルダクトを有している。少なくとも1つのスパイラルダクトの上流には、排気ガスを当てることのできるタービンホイールの収容スペースが設けられている。このタービンホイールは、回転軸を中心に回転可能にタービンハウジングの中に収容可能である。少なくとも1つのスパイラルダクトと収容スペースとの間の移行部分には、ガイド格子がタービンハウジングに固定された状態で配置され、このガイド格子は、少なくとも部分的に材料接合によってタービンハウジングに接続されている。材料接合による接続により、ガイド格子は、特に密着固定された状態でタービンハウジングに配置されている。
【0010】
本発明は、ガイド格子がタービンハウジングに取り付けられている場合、製造許容誤差によって、タービンの顕著な効率低下を伴う漏れが生じるという認識に基づいている。これに加え、又は別の可能性として、ガイド格子とは別個のタービンハウジング構成部品とガイド格子との間の、動作点に由来する温度差が、ガイド格子周辺においてタービンの効率を悪化させる漏れを引き起こすおそれがある。ガイド格子が、少なくとも部分的に材料接合によってタービンハウジングに接続されている場合、ガイド格子とタービンハウジングとの材料接合に漏れが生じる可能性は極めて低い。言い換えれば、特に高い密閉性、とりわけ気密性が達成可能となる。駆動ユニットとしては、内燃機関とは異なるシステム、例えば燃料電池システムも使用可能である。
【0011】
本発明の有利な実施形態によれば、ガイド格子の少なくとも1つの端面が、少なくとも部分的にタービンハウジングと、特に気密に溶接されている。この溶接によって、極めて確実にガイド格子の端面をタービンハウジングに固定することが可能となる。
【0012】
この場合は、ガイド格子の片側、特にタービンハウジングの出口ダクトに近い端面を溶接することができる。補足又は代替手段として、タービンハウジングに固定可能なベアリングハウジングの近くに配置されている端面をタービンハウジングと溶接接続することもできる。
【0013】
補足又は代替手段として、ガイド格子の少なくとも1つの端面が、少なくとも部分的にタービンハウジング内で、特に気密に鋳込まれている。この鋳造により、同様に、ガイド格子をタービンハウジングに気密に固定することができる。この場合も、ガイド格子の片側又は両側をタービンハウジングに固定することが可能である。
【0014】
この方法で、駆動ユニットの作動条件とは無関係に、それぞれのタービンハウジングに適したガイド格子が、持続的に、しかも作動条件に起因する漏れを生じることなく、溶接及び/又は鋳造によってタービンハウジングに固定可能である。
【0015】
鋳造する場合、前もって製造された完成部品としてのガイド格子を用いることができ、このガイド格子は、鋳造により、少なくとも1つのスパイラルダクトとタービンホイールの収容部分との間の移行部分に、タービンハウジングに固定された状態で配置することが可能となる。しかし、少なくとも1つのスパイラルダクトを有するタービンハウジング部品をガイド格子に接続することも、完成部品としてのガイド格子を用いることも、両方とも考えられる。これらの完成部品は、鋳造法を用いた部分溶融によって接続可能である。同様に、少なくとも1つのスパイラルダクトを有するタービンハウジング部品だけを完成部品として用いることもでき、ガイド格子は、鋳造法によってこのタービンハウジング部品と接続される。
【0016】
タービンハウジングと接続されているガイド格子表面が、少なくとも部分的に形状をつけて形成されている場合は、さらに有利であることが示されている。このことから、ガイド格子とタービンハウジングとの材料接合に加えて、ガイド格子をタービンハウジングにとりわけ確実に固定する役割を果たす係合接続が用いられる。さらに、ガイド格子を接続できる表面が広くなることから、溶接による表面の接続でも、鋳造法による表面の接続でも、接続の強度と気密性が特に大きくなる。
【0017】
本発明のもう1つの有利な実施形態では、タービンハウジングが少なくとも2つの部分に分かれて形成されており、少なくとも1つのスパイラルダクトを含むタービンハウジングの第1のハウジング部分に、出口ダクトを含む第2のハウジング部分が固定可能になっている。第2のハウジング部分は、独立して第1のハウジング部分に取り付けることができることから、とりわけ、ガイド格子と第2のハウジング部分との溶接のために適切な作業性が得られる。
【0018】
鋳造法によるガイド格子とタービンハウジングとの接続についても、第2のハウジング部分を後付けで第1のハウジング部分に固定可能である場合は有利である。特に、この場合、熱力学的条件から維持されなければならない規定の許容範囲内に、移行部分及び/又はガイド格子を保持するため、第2のハウジング部分の取付け前に、ガイド格子及び/又は第1のハウジング部分を再加工することが可能である。この種の再加工の場合、特に、切削加工を用いることができる。この種の精密な再加工により、タービンの効率を特に高くすることができる。
【0019】
出口ダクトを含むタービンハウジングの第2のハウジング部分が、少なくとも1つのスパイラルダクトを含む第1のハウジング部分にまだ固定されていない間は、とりわけ自動的な溶接方法、例えばレーザー溶接又は電子ビーム溶接方法によって、ガイド格子と第1のハウジング部分とを溶接するのに比較的広いスペースがある。しかし、ガイド格子の第1のハウジング部分への取付けは、先に、ベアリングハウジングに近い第1のハウジング部分の側から行われる。
【0020】
さらに、タービンハウジングが、駆動ユニットの排気ガスシステムに連結可能な第2のスパイラルダクトを有し、この第2のスパイラルダクトが、隔壁によって少なくとも1つのスパイラルダクトから区切られていると有利であり、この場合、ガイド格子とこの隔壁とが少なくとも部分的に接続されている。従って、保持力を達成するためにスパイラルダクトを小さくした結果、比較的大きな流動損失に陥るような設計にすることなく、このガイド格子を用いることによって、少なくとも2つのスパイラルダクトの片方の保持力を発生させることができる。代替の実施形態では、2つ以上のスパイラルダクトをタービンハウジングの中に形成することができる。
【0021】
このガイド格子により、タービンハウジングの非対称特性が達成される。ここでは特に、強くせき止められる排気ガス流用として設計されたスパイラルダクトを、排気ガス再循環装置に割り当てることができる。隔壁と接続されているガイド格子を有するスパイラルダクトの中に排気ガスが比較的多くせき止められることから、このスパイラルダクトを、給気エアに排気ガスが供給される排気ガスシステムのラインに連結することが可能となる。
【0022】
隔壁が、係合結合によってガイド格子と接続されている場合、隔壁の機械的応力を、スライドによってベアリング部分において緩和することができる。
【0023】
これに対して、溶接又は鋳造などによって達成可能なガイド格子と隔壁との接続により、第2のスパイラルダクトに対する気密な分離が可能となる。スペースの理由から、この場合、第2のスパイラルダクトよりもベアリングハウジングに近いスパイラルダクトの移行部分にガイド格子を配置することが重要である。
【0024】
この場合、隔壁が少なくとも部分的にガイド格子と一体形成されている場合は有利である。複数のスパイラルダクトの分離は、ガイド格子と一体形成の完成部品を用いることによって、とりわけ正確に行うことができる。隔壁とガイド格子とを一体形成する場合、ガイド格子及び隔壁を鋳造部品として、特に精密鋳造として形成し、一体部品として用いることができる。
【0025】
この場合、排気ガスがスパイラルダクトからタービンホイールへと移行する舌状部分からタービンハウジングの入口フランジまでの隔壁を、ガイド格子と一体形成することができる。タービンハウジングの入口フランジでは、それぞれのスパイラルダクトに配置されている排気ガスシステムのラインとそれぞれのスパイラルダクトとを連結することが可能である。
【0026】
代替として、スパイラルダクトを含むタービンハウジングのハウジング部分と隔壁とを部分的に一体形成することができる。しかし、この場合、特に舌状部分と接続する隔壁部分が、ガイド格子と一体形成され、例えば鋳造によって、スパイラルダクトを含むハウジング部分と接続すると有利である。
【0027】
この場合、もう1つの有利な方法では、隔壁が、タービンハウジングに埋め込まれている固定部品を有している。この固定部品によって、隔壁とタービンハウジング間の係合結合が可能となり、従って、隔壁をタービンハウジングにとりわけ確実に固定することができる。固定部品は、断面積を広げられた隔壁部分として実施することができ、この部分は、鋳造工程で係合した状態でタービンハウジングに埋め込まれる。固定部品をフック型またはT型形状に形成することも可能である。
【0028】
本発明のもう1つの有利な実施形態によれば、隔壁が、少なくとも1つの調整部分を有しており、この調整部分によって、スパイラルダクト及びガイド格子の異なる熱膨張を少なくとも部分的に補償することができる。このような調整部分として、1つの湾曲部又は連続する複数の湾曲部を隔壁の中に設けることができる。これにより、スパイラルダクトとガイド格子の異なる熱膨張による温度差を、応力が大きく増加することなく補償することができる。調整部分は、特に波形の形状にすることができる。スパイラルダクト、ガイド格子及び隔壁自体の間で異なっている相対的伸びも、極めて適切に調整可能である。
【0029】
隔壁が少なくとも部分的に金属板から形成され、金属板がガイド格子と、特に気密に溶接されている場合は、さらに有利であることが示されている。金属板から形成された隔壁を溶接する場合、例えばレーザー溶接又は電子ビーム溶接加工などの自動溶接方法を用いることができる。隔壁とガイド格子とを含むこの種の一体部品は、特に鋳造によってタービンハウジングに固定することができる。代替手段として、隔壁を係合状態でガイド格子と接続することもできる。隔壁をタービンハウジングに取り付ける作業も、係合状態で行うことができる。
【0030】
この種の一体部品は、特に小さな製造許容誤差で、すなわち非常に精密に製造可能である。さらに、金属板の滑らかな表面により、スパイラルダクトを通過する際の排気ガスの流動損失もとりわけ小さくなる。
【0031】
これに対して、一体形成の鋳造部品、特に精密鋳造として形成されている、ガイド格子と隔壁との一体部品では、隔壁とガイド格子とを後付けで接続する工程を省略することができる。
【0032】
本発明のもう1つの有利な実施形態によれば、第2のスパイラルダクトとタービンホイールの収容スペースとの間の移行部分に、フローガイドエレメントを配置することができ、このエレメントによって、互いに異なる少なくとも2つの流動状態を、この移行部分で設定することができる。このようなフローガイドエレメントは、バリオ装置として、軸方向に移動可能なガイド格子、このガイド格子を様々な広さで覆う軸方向スライダ、もしくは同様のバリオ装置、を含むことができる。タービン形状を調整するこのようなバリオ装置を用いて、特に、様々なタービンの作動条件に適合する流動状態を設定することができる。とりわけ、この種のフローガイドエレメントにより、ターボブレーキ機能を用いることが可能となる。ターボブレーキ機能のためにフローガイドエレメントを用いる際、第2のスパイラルダクトとタービンホイールとの間の移行部分の通過可能な断面積がフローガイドエレメントにより減少することにより、内燃機関のアウトプットシャフトに制動的に作用する排気ガス背圧が調整可能である。
【0033】
有利な方法では、この場合、フローエレメントが、出口ダクトを含むタービンハウジングの第2のハウジング部分に組み込まれている。この出口ダクト側では、バリオ装置を設けるために、ベアリングハウジングに近いタービンハウジング側よりもスペースの制約が少ない点で有利である。
【0034】
とりわけ、例えば内燃機関の駆動ユニットの要求にタービンを適合させるため、隔壁と接続されているガイド格子を有するスパイラルダクトとは無関係に、第2のスパイラルダクトを使用することができる。そのようにして、第2のスパイラルダクトとタービンホイールの収容スペースとの間の移行部分に配置されているフローガイドエレメントが、タービン形状の可変性をもたらし、ターボブレーキ機能を供給する。これに対して、隔壁に接続されているガイド格子がその移行部分に配置されているスパイラルダクトでは、内燃機関の広い回転数範囲にわたって、特に下方及び平均の回転数範囲においてすでに、排気ガス再循環を可能にする保持力が提供される。
【0035】
有利な方法では、第2のスパイラルダクトの通過可能な断面積が、少なくとも1つのスパイラルダクトの通過可能な断面積と、少なくとも実質的に同じになっている。この種の、例えばダブルフロー型であり、かつ左右対称なタービンの場合、有利な方法では、排気ガス再循環に使用されるガイド格子、すなわち隔壁に接続されているガイド格子を有するスパイラルダクトの中では、せいぜい僅かな流動損失が生じるだけである。隔壁に接続されるガイド格子を設けることによっても、非対称タービンの特性を達成することができる。特に内燃機関の駆動ユニットが作動している場合、比較的大きく設計され、隔壁と接続されているガイド格子を有するスパイラルダクトの中では、排気ガスが非常に損失の少ない状態で流れる。タービンの流れを特に良くする排気ガスの加速は、ガイド格子の非常に短い距離を使って達成される。
【0036】
本発明のもう1つの有利な実施形態では、タービンハウジングと、特に精密鋳造として形成されているガイド格子とが、少なくとも部分的に同じ材料、特に鋳鋼材料を有している。同じ種類の材料を選ぶことによって、溶接及び/又は鋳造によりガイド格子とタービンハウジングとを特に良好に接続することができる。鋳鋼材料として、例えば、材料1.4849が使用できる。このような鋳鋼材料は、とりわけ、極めて亀裂が生じ難いことが特徴である。
【0037】
タービンハウジングとガイド格子とが、両方とも鋳鋼材料から形成されている場合、鋳造部品の気密な接合が容易になる。ここでは、ガイド格子が精密鋳造部品として形成されている場合、熱力学的に非常に良好な結果を得ることができる。つまり、このような精密鋳造部品は、特に高い精度を有している。これに対して、タービンハウジングは、製造に関して、精度要求がそれほど高くない鋳造部品、例えば砂型鋳造として形成することができる。
【0038】
少なくとも接続箇所に同じ材料が用いられている、精度の異なる鋳造方法によって製造されたこの種の鋳造部品は、鋳造及び/又は溶接によって、特に気密に相互接続可能である。
【0039】
少なくとも1つのスパイラルダクトが、排気ガスが通過可能な、特に金属板から形成された内部部品を有しているタービンハウジングの実施形態は、さらに有利であることが示されており、この場合、少なくとも1つのスパイラルダクトの外部シェルとこの内部部品との間に、少なくとも部分的に断熱を行うギャップが形成されている。少なくとも1つのスパイラルダクトのこの種の内部ライニングは、特に高い排気ガス温度が生じ得る内燃機関でタービンハウジングを使用する場合、特に有利である。例えば、出力密度が高く、それに応じてラムダ値が低いガソリンエンジン又はディーゼルエンジンでの使用が考えられる。
【0040】
排気ガスのフローガイドは、この場合、内部部品の形状に左右され、この内部部品は、例えば、気密に相互接続された、金属板からなる2つの内部シェルによって形成されている。これに対して、スパイラルダクトの外部シェルは、流れを調整する内部部品のサポートとして用いられる。外部シェルを排気ガスのフローガイドには用いないことから、外部シェルは、例えば鋳鉄部品として、特に低コストに接続することができる。もう1つの低コストの代替手段として、外部シェルにアルミニウム合金を使用することもできる。さらに、少なくとも1つのスパイラルダクトの外部シェルは、タービン入口フランジと、ベアリングハウジングと、タービン出口フランジと、の間で力伝達を行う。
【0041】
内部部品は、鋳造法によって、サポートとして働く外部シェルと接続することができる。代替手段として、外部シェルと内部部品の係合結合による接続も可能である。従って、少なくとも1つのスパイラルダクトへの内部部品の位置決め及び固定は、鋳造による接合の場合、湯口箇所で行うことができる。このために、外部シェルに、ギャップと接続している少なくとも1つの通過開口部を設け、この開口部から、断熱を行うギャップ製造のための、ロスト鋳造コア(中子)を取り除くことができる。
【0042】
内部部品が、深絞り加工によって形成された金属板から形成されている場合、この内部部品は、非常に損失の少ないフローガイドに特に有利な滑らかな表面を有している。内部部品が僅かな凹凸を有する金属板から形成されており、この金属板が、例えば砂型鋳造部品として形成されているスパイラルダクトの外部シェルよりも小さな壁厚を有している場合、タービンハウジングの流れは、比較的少ない排気ガス熱損失を伴う。これによって、タービンハウジングの下流に配置されている排気ガス後処理装置は、排気ガスの効果的な後処理に必要な作動温度まで、比較的短時間で達することができる。
【0043】
サポートとしての機能及び力伝達機能の他に、内部部品を取り囲むスパイラルダクトの外部シェルは、ブレードの破損など、タービンホイールで損傷が生じた場合の安全装置としての役割も果たしている。
【0044】
ここでは、有利な方法において、特にガイド格子に溶接された、及び/又は2つのスパイラルダクトを互いに区切っている隔壁に溶接された内部部品が、気密に形成されている。この場合、外部シェルはタービンハウジングの気密性に何も影響を与えないため、鋳造コアを取り除くために設けられている外部シェルの通過開口部を、密閉しないまま残すことができる。内部部品のガイド格子及び/又は隔壁への接続は、係合状態で行うことができる。
【0045】
特に、鋳造法によってスパイラルダクトと内部部品とを接続する場合、内部部品を、あらかじめ溶接又は係合結合によってガイド格子と接続しておくことが有利である。
【0046】
タービンがダブルフローで形成されている場合、2つのスパイラルダクトを互いに区切っている隔壁と内部部品とを接続するために、自動的な溶接プロセス、特にレーザー溶接又は電子ビーム溶接プロセスを用いることができる。この場合、ガイド格子も隔壁と一体形成することができ、次に、この一体部品が内部部品と気密に溶接される。ガイド格子と、これに成形される隔壁とに接続される内部部品のタービンハウジングへの鋳造は、ガイド格子と内部部品との両方、もしくはガイド格子のみが、少なくとも部分的に鋳造によってスパイラルダクトに接続される方法で行うことができる。隔壁は、係合状態でスパイラルダクトと接続することができる。
【0047】
本発明のもう1つの有利な実施形態の場合、外部シェルが2つの部分から形成されており、ガイド格子に接続された第1の外部部品シェルに、第2の外部部品シェルが固定され、特に気密に溶接されている。内部部品は、そのため、少なくともガイド格子によって第2の外部部品シェルに固定可能であり、内部部品の取付け後に、第1の外部部品シェルと第2の外部部品シェルとを、例えば溶接によって気密に接続することができる。代替手段として、2つの外部部品シェルを係合状態で互いに固定することも可能である。外部シェルが2つの部分から形成されている場合、断熱を行うギャップから中子を取り除く必要がないため、一方の外部部品シェルの通過開口部を省略することができる。
【0048】
2つの外部部品シェルが気密に互いに接続されている場合、内部部品の気密性への要求をより少なくすることができる。従って、内部部品の製造コストが比較的小さくなる。内部部品が、両方の外部部品シェルと気密に接続されている場合、内部部品と外部部品シェルとの間にある断熱を行うギャップは、半径方向に閉じたスペースとして形成されている。一方の外部部品シェル又は両方の外部部品シェルと内部部品とを接続するために、溶接方法を用いることができる。代替手段として、内部部品と少なくとも1つの外部部品シェルとの係合結合も可能である。
【0049】
本発明のもう1つの有利な実施形態では、ガイド格子が、回転軸方向に、特にタービンハウジングに固定可能なベアリングハウジングの方向に遊びを設けて、タービンハウジングと接続されている。これによって、ガイド格子とタービンハウジングとの熱による繰り返し応力が生じた場合、回転軸方向、特にガイド格子のベアリングハウジング方向への自由な動きが可能となる。
【0050】
このタービンハウジングは、シールエレメントを含むことができ、このエレメントによって、タービンハウジングが、エグゾーストターボチャージャのベアリングハウジングに対して密閉可能となる。このシールエレメントは、この場合、ガイド格子がタービンハウジングに固定可能なベアリングハウジングに対して遊びのある部分に設けることができる。このようなシールエレメント、例えば熱補償リングが設けられている場合、特に効果的なタービンハウジングの気密性が得られ、それによって、タービンの効率を特に高くすることができる。
【0051】
最後に、ガイド格子が多数の固定された案内羽根を有している場合は有利であることが示されている。この種の案内羽根は、比較的堅牢に、動作信頼性があるように、低コストで製造可能である。
【0052】
もう1つの利点は、タービンハウジングのコンポーネントが低コストに製造可能なことである。
【0053】
本発明のもう1つの視点に従って、上述の課題は、駆動ユニットのエグゾーストターボチャージャのためのタービンハウジングの、以下の工程を備える製造方法によって解決される。
a)駆動ユニットの排気ガスシステムに連結可能な少なくとも1つのスパイラルダクトを備えるタービンハウジング部品を用意し、
b)少なくとも1つのスパイラルダクトと、回転軸を中心に回転可能にタービンハウジングに収容可能であり、少なくとも1つのスパイラルダクトの上流に配置可能な、排気ガスを当てることのできるタービンホイール用の収容スペースと、の間の移行部分に配置できるガイド格子を用意し、
c)ガイド格子をタービンハウジングに固定した状態で配置し、このとき、工程c)に従って、ガイド格子をタービンハウジングに固定した状態で配置した場合、ガイド格子は、少なくとも部分的に材料接合によってタービンハウジングに接続される。
【0054】
本発明に基づくタービンハウジングに関して説明されている好ましい実施形態及び利点は、本発明に基づくタービンハウジング製造方法にも該当する。
【0055】
以下に説明される有利な実施形態及び図に基づいて、本発明のさらなる利点、特徴及び詳細が示され、図の中では、同一エレメント又は機能を同じくするエレメントには同一の参照番号が付されている。