(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722846
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】アンダーカットを有する絶縁体を備えた点火プラグ
(51)【国際特許分類】
H01T 13/36 20060101AFI20150507BHJP
H01T 13/20 20060101ALI20150507BHJP
H01T 21/02 20060101ALI20150507BHJP
F02P 13/00 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
H01T13/36
H01T13/20 B
H01T21/02
F02P13/00 301J
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-185924(P2012-185924)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2013-98171(P2013-98171A)
(43)【公開日】2013年5月20日
【審査請求日】2014年10月6日
(31)【優先権主張番号】13/283,715
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512221359
【氏名又は名称】フラム・グループ・アイピー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ビー・ビロウ
【審査官】
出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−511419(JP,A)
【文献】
特開2008−277251(JP,A)
【文献】
実開昭50−054432(JP,U)
【文献】
特表2000−504875(JP,A)
【文献】
特表2010−526415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/36
F02P 13/00
H01T 13/20
H01T 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火プラグであって、絶縁体と、前記絶縁体を取り囲むように配置されたツーピース・外側シェルと、前記絶縁体内の通路内に配置された中心電極とを含み、前記絶縁体が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記絶縁体の第1の端部に配置されており、前記第3の部分が前記絶縁体の第2の端部に配置されており、前記第2の端部が前記絶縁体の前記第1の端部の反対側に位置し、前記第2の部分が前記第1の部分と前記第3の部分との間に配置され、前記絶縁体が、更に、前記第2の部分と前記第3の部分との間に形成されたチャンネル、および前記第1の部分と前記第2の部分との間に形成された第1の肩部を含む、前記点火プラグを形成する方法であって、
前記方法が、
前記絶縁体を前記外側シェルに挿入するステップであって、
前記外側シェルの第1部品の第1端が前記絶縁体の前記第1の端部に隣接し、前記第1部品の第2端が前記絶縁体の前記第1の肩部に隣接して配置され、
前記外側シェルの第2部品が、第1端、その反対に位置する第2端、前記第1端と前記第2端との間に位置するねじ部、および前記ねじ部と前記第2端との間に位置する留めナット部分を含むように形成され、及び
前記外側シェルの前記第2部品の前記第1端が、前記外側シェルの前記第1部品の前記第2端に隣接し、前記外側シェルの前記第2部品の前記第2端が、前記絶縁体の第2の肩部および前記チャンネルに隣接して配置されるように、前記絶縁体を前記外側シェルに挿入するステップと、
前記外側シェルの前記第2部品の前記第1端を、前記第1の肩部の位置で前記外側シェルの前記第1部品の前記第2端に重ね合わせるステップと、
前記外側シェルの前記第2部品の前記第2端が前記絶縁体の前記チャンネル内に延びるように、前記外側シェルの前記第2部品の前記第2端を前記第2の肩部の周囲にかしめるステップと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記外側シェルの前記第2部品の前記第1端と前記第1部品の前記第2端とは、重ね合わせを容易にするために外側に広がった形状にされている、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記外側シェルの前記第1の部品は、外側に広がった部分と、直線部分とを含み、前記外側に広がった部分は第1の距離だけ延びており、前記外側シェルの前記第2の部品の前記第1端は、前記外側に広がった部分を完全に取り囲むとともに、前記直線部分を第2の距離だけ取り囲み、前記第2の距離が前記第1の距離よりも長い、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記ねじ部は、前記絶縁体の他の部分の直径より大きい直径を有する前記絶縁体の部分の周囲において、前記外側シェルの前記第1端と第2端との間で前記外側シェルの外側面上に位置する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第2の部分が前記第1の部分および前記第3の部分よりも大きな厚さを有する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記第2の肩部が前記外側シェルの前記第2端に係合するように形成されている、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記絶縁体が非導電セラミック材料から形成され、前記外側シェルの前記第2部品の前記第2端の寸法が約14mmであり、前記絶縁体の第3の部分の直径が約10mmである、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記中心電極が、前記絶縁体の一端から延び、前記端子が、前記絶縁体の反対側の一端から延びる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年10月28日出願の米国特許仮出願第61/407,716号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般に内燃機関用の点火プラグに関し、より具体的には、点火プラグの絶縁体に対する負荷を低減する、留めナットから絶縁体への境界面に関する。
従来の点火プラグの構造は、一端の近くのねじ山と、ねじ切りされた終端から金属ケースを通り、反対端を越えて延在するセラミック絶縁体を有する環状の金属ケースを含む。中央の電極は、ねじ切りされた終端の近くに露出され、内部の絶縁体を通り、絶縁体の反対側の終端から延在する端子に対して電気的に接続され、同端子には点火プラグの点火コードが取り付けられている。
【0003】
先端部の点火プラグを密閉するために加えられる力は、ねじ切りされた金属ケースによって伝達されるトルクによるものであり、したがって、金属ケースのねじ部は、頑丈なうえに相当のサイズでなければならない。金属ケースの一部分は、ねじ部にトルクを与えるためにソケットツールによって係合されるように形成される。ねじ部は、ソケットツールによって係合される部分から離れて配置される。
【0004】
燃焼室からのガスの排気の効率的制御を助長するために、弁のサイズが増大されることがある。このことは、必然的に、点火プラグのサイズの縮小、ねじ切りされた金属ケース終端のサイズおよび頑丈さの低下、および、特に点火プラグの金属穴の内径および点火プラグをねじで受けるのに有効な燃焼室壁領域の縮小を伴うはずである。
【0005】
その結果として、セラミック絶縁体の最大部直径は、外側シェルの6角ナットまたは留めナット部分のサイズによって決定される。したがってより小さな6角ナットについては、セラミック絶縁体のバレル径が縮小される。セラミック絶縁体の直径も、動作寿命を通じてセラミックを所定の位置に保つために必要とされる肩部に加えてシェルの6角ナットおよびひだに必要とされるクリアランスによって規定される。
【0006】
これまで、14mmおよび16mmの6角ナットの点火プラグ(12mmの点火プラグ)については、セラミック絶縁体の直径が各用途に対して異なり、別々の点火ブートを必要とする。例えば、14mmの6角ナットは直径が9.0mmのセラミックバレルを使用し、16mmの6角ナットは直径が10.5mmのセラミック円筒部を使用する。
【0007】
したがって、16mmの6角ナットの点火プラグより大きな直径の絶縁体を使用することができる14mmの6角ナットの点火プラグを提供するのが望ましいであろう。
点火プラグの直径が縮小すると、取外しのときに点火プラグをその接地シールドに保持する能力も低下する可能性がある。この問題に取り組むためにより高強度の鋼の留めナットが提案されているが、より高強度の鋼の留めナットは、より低強度の鋼の留めナットより大きな荷重で絶縁体に組み付けられ、したがって、絶縁体の衝撃強度に悪影響が及ぶ可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,091,672号
【特許文献2】米国特許第5,697,334号
【特許文献3】米国特許第5,918,571号
【特許文献4】米国特許第6,104,130号
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0272683号
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0079319号
【特許文献7】米国特許出願公開第2009/0121603号
【特許文献8】米国特許出願公開第2009/0189503号
【特許文献9】米国特許出願公開第2009/0189505号
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0189506号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明者は、絶縁体に対する負荷を低減する、留めナットから絶縁体への境界面を設けることが望ましいことを認識した。また、本発明者は、一般的には、より大きな点火プラグの6角ナットの設計に関連したセラミック絶縁体の円筒部および点火コードを有するより小さな点火プラグの6角ナットの設計を用いるのも望ましいことを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例示的実施形態は、内燃機関用の点火プラグに関する。この点火プラグは、一端に中心電極チップを有して他端に近接した端子を有する細長い中心電極と、中心電極を実質的に取り囲む絶縁体であって、絶縁体の外面に形成されたチャンネルを有する絶縁体と、絶縁体を取り囲む外側シェルとを有し、外側シェルが、留めナット部分および留めナット部分から延在する遠位末端を有し、外側シェルの遠位末端が、外側のシェルのチャンネルに収容されて、これと係合するように位置合わせされる。
【0011】
本発明の例示的実施形態は、点火プラグを形成する方法にも関する。この方法は、点火プラグの外側シェルに絶縁体を挿入するステップであって、絶縁体が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、第1の部分が絶縁体の一端に配置され、第3の部分が絶縁体の反対端に配置され、第2の部分と第3の部分の間にチャンネルが配置され、第2の部分が、第1の部分および第3の部分より厚く、絶縁体が、チャンネルと第2の部分の間に配置された肩部をさらに備えるステップと、肩部を、外側シェルの遠位末端と接触させるステップであって、遠位末端が、外側シェルの留めナット部分から延在するステップと、絶縁体の第1の部分と第2の部分の間に配置されている絶縁体の別の肩部と外側シェルの反対側の遠位末端の間に接地シールドを固定するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の例示的実施形態による点火プラグの側面図である。
【
図2】
図1に示された例示的点火プラグの断面側面図である。
【
図3】
図1の線3−3に沿った視野を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜
図4は、本発明の例示的実施形態の全体構造を示す。点火プラグ10が示されており、内燃機関用に設計されている。点火プラグ10の内燃機関への設置は、点火プラグ10が、エンジン先端部(図示せず)に設けられているねじ切りされた穴を通ってエンジンの燃焼室(図示せず)の中へ突出するように点火プラグ10を嵌合することによって実現される。点火プラグ10は、点火プラグの軸方向の長さに沿って延在する円筒状の中心電極12と、中心電極12を同心的に取り囲む、セラミックまたは類似のもので構成された絶縁体14と、絶縁体14を同心的に取り囲む外側シェル16を含む。
【0014】
図示の実施形態では、中心電極12は、一端にチップ18を有する円筒状の本体を有し、中心電極12の、チップ18に対して反対側の終端20は、導電性ガラスシール24を介して円筒状の端子スタッド22に電気的に接続される。一実施形態では、導電性ガラスシールは、ファイヤド−イン(fired−in)・シールであり得る。ガラスシールは、端子スタッドと中心電極の間の電気的接続として働く。端子スタッドには、プラグが設置されているときにプラグに電流を供給する点火ケーブル(図示せず)に取り付けるように構成されて絶縁体から突出する端子ナット26がさらに備わっている。代替実施形態では、端子スタッドと中心電極の間に抵抗素子が配置されてよい。
【0015】
中心電極は、例えばインコネル、別のニッケルベースの合金、または他の適切な金属もしくは合金などの高度に耐熱性かつ耐食性の金属材料で従来のものより長い被覆によって覆われた、例えば銅などの高度に熱伝導性の金属材料で作製されたコアを備えてよい。さらに、中心電極は、金、パラジウム、またはプラチナ合金から作製されたものなどの貴金属チップ28を、適切な点火プラグの機能を可能にするために、熱伝達を改善し、かつ火花間隙を維持するように中心電極チップ18に接合される、例えば平坦なものまたは細線などといった任意の適切な形態で有することになる。関連技術で知られているように、端子スタッドは、ニッケルめっき仕上げを伴う、鋼または鋼ベースの合金材料を含むことができる。
【0016】
図示のように、絶縁体は、それぞれが別々の直径を有する第1の絶縁体区間30、第2の絶縁体区間32、および第3の絶縁体区間34を有する、実質的に円筒状の細長い本体を有する。第1の絶縁体区間は、実質的に中心電極を取り囲み、先細りの、またはフレアーの構成38を有する遠位末端36で終結する。第2の絶縁体区間は、第1の絶縁体区間と第3の絶縁体区間の中間に配置されており、第2の絶縁体区間の直径は、他の2つの絶縁体区間の直径より大きい。第2の絶縁体区間と、より狭い第1の絶縁体区間は、肩部40によって互いに分離されている。
【0017】
点火プラグは、外側シェル16および接地シールド44をさらに備える。外側シェルは、一端の留めナット部分46および反対端の内燃機関座面部分48をさらに備える。内燃機関の燃焼室と連絡するほぼ円筒状の開口のねじ部とねじ係合するように構成された複数のねじ山50が、留めナット部分と内燃機関座面部分の間に配置される。外側シェルのねじ部は、絶縁体の第2区間を取り囲むように構成される。ロックナット部分は、ロックナットのねじが弛められたとき点火プラグが螺旋形のパターンで取り出され得るように外側シェルと一体化して形成され、ごくわずかな傾きで簡単かつ直接的に取り出される。点火プラグをエンジン穴に対してねじで出し入れするために、適切なソケットツールが外側シェルのロックナットと係合することができる。
【0018】
外側のシェルの内燃機関座面部分は、点火プラグの組立てが完了したとき、外側シェルのねじ切りされた区間の下に位置して絶縁体の肩部40に対して並置して位置合わせされている接地シールドの相補形のフレアーの区間52に重なるフレアー部分を含む。この接続点で、接地シールドと外側シールドが互いに固定され、その中に絶縁体が捕捉されている。
【0019】
次に、特に
図2および
図4を参照して、絶縁体は、絶縁体の外面に形成されたチャンネル、溝または逃げ溝54をさらに備え、チャンネルは、絶縁体の第2の部分と第3の部分の間に配置された絶縁体の区間56をもたらす。区間56は、第2区間および第3区間の隣接した部分より薄い、低減された厚さを有する。また、チャンネルは、留めナット部分から延在する遠位末端58に位置合わせされるように配置される。
【0020】
遠位末端58は、絶縁体の相補形の肩部64と係合するように構成された内側の肩部62をさらに備える。図示のように、肩部64は、絶縁体のチャンネル部分54と第2の部分32の間に配置される。
【0021】
チャンネルの反対端では、絶縁体壁の厚さがポイント68で増加し、第3の絶縁体区間が外側シェルの遠位末端から突出する。それ自体では、留めナットの6角部分が14mmであるとき、第3の絶縁体区間および対応する端子スタッドの絶縁体のサイズは、寸法が16mmの留めナットを有する点火プラグとともに使用されるものと同一サイズであり得る。例えば、6角ナットの寸法が14mmの点火プラグは、一般に9mmの円筒部の寸法または第3区間の寸法を有することになり、6角ナットの寸法が16mmの点火プラグは、10.5mmの円筒部の寸法または第3区間の寸法を有することになる。さらに、結果としての端子スタッドのサイズは、円筒部の寸法に従って変化することになる。したがって、点火プラグの絶縁体に、ひだまたはチャンネル54を設けることにより、円筒部の寸法が10.5mmの絶縁体および対応する端子スタッドを14mmの6角ナットサイズを有する点火プラグとともに使用することができる。もちろん、前述の範囲および寸法は、単に実例として提供されたものであり、本発明の例示的実施形態は、本明細書に開示された特定の範囲および寸法に限定されるようには意図されていない。
【0022】
組立て中に、絶縁体が、軸方向に外側シェルの中へ矢印72の方向に挿入され、次いで内燃機関座面部分48が接地シールドの裾広がりの部分52の上に押しつけられ、絶縁体が、絶縁体の肩部64および40ならびに遠位末端58および外側シェルの内燃機関座面部分によって、外側シェルと接地シールドの組立体の中に捕捉されるように、遠位末端58が、チャンネルまたは逃げ溝56の中へ押し合わされる。
【0023】
したがって、組み立てられた外側シェルと接地シールドがユニットとして機能する。代替構成では、接地シールドとリテーナを一緒に固定するために、外側シェルの内燃機関座面部分と接地シールドの部分52も、ろう付け、レーザー溶接、抵抗溶接、またはプラズマ溶接などの接合技法を用いて互いに接合され得る。本発明の例示的実施形態では、外側シェルの内燃機関座面部分は、接地シールドのフレアー部分に対して「熱間圧縮される」。また、接地シールドは、中心電極チップの上に延在する、接地電極に対する接地用ストラップも備えてよい。そのうえ、点火プラグは、様々な他の構成を有してもよい。点火プラグと接地シールド/接地ストラップの構成の限定的でない実例は、米国特許第5,091,672号、米国特許第5,697,334号、米国特許第5,918,571号、および米国特許第6,104,130号、ならびに米国特許出願公開第2008/0272683号、米国特許出願公開第2009/0079319号、米国特許出願公開第2009/0121603号、米国特許出願公開第2009/0189503号、米国特許出願公開第2009/0189505号、および米国特許出願公開第2009/0189506号に見いだされ、それぞれが参照によって本明細書に組み込まれる。
【0024】
外側シェルは、ニッケルめっきした炭素鋼ベースの合金などの導電性金属材料を含むことになり、ねじ切りされた区間は、約12〜16mm以下のねじ外径を有することができ、また、ねじ切りされていない区間は、前述のように、小さな直径の点火プラグを用意することによって大きなエンジン空間を与えるために、約6〜10mmの外径を有することができる。
【0025】
外側シェルならびに絶縁体の形状、サイズ、および特定の構造は、もちろん設計ごとに大幅に変化する可能性があり、したがって、外側シェルおよび点火プラグの前述の寸法の属性は、単に限定的でない実例として提供されたものであり、本発明の例示的実施形態は、これらの値より大きなサイズまたはより小さなサイズを企図する。
【0026】
さらに、ろう付け、レーザー溶接、抵抗溶接、またはプラズマ溶接などの任意の適切な接合技法により、中心電極チップおよび接地電極ストラップに貴金属チップを接合することができる。
【0027】
絶縁体は、中心電極をしっかりと保持する一方で中心電極と接地シールドの間の電気的短絡を防止するように、例えばアルミナセラミックなどの非導電セラミック材料から形成される。もちろん、その他の適切な同等の材料が用いられてよい。
【0028】
(1)
本発明の一例に係る内燃機関用の点火プラグは、「内燃機関用の点火プラグであって、
一端に中心電極チップを有し、他端に近接した端子を有する細長い中心電極と、
前記中心電極を実質的に取り囲む絶縁体であって、前記絶縁体の外面に形成されたチャンネルを有する絶縁体と、
前記絶縁体を取り囲む外側シェルであって、前記外側シェルが、留めナット部分および前記留めナット部分から延在する遠位末端を有し、前記外側シェルの前記遠位末端が、前記外側シェルの前記チャンネルに収容されて、これと係合するように位置合わせされる外側シェルと
を備える内燃機関用の点火プラグ。」に関する。
(2
)前記留めナット部分が、前記外側シェルと一体化して形成され、前記留めナット部分に近接した前記外側シェルの外面がねじ部を有
してもよい。
(3
)前記留めナット部分が、前記遠位末端と前記外側シェルのねじ部の間に配置され、前記外側シェルの反対側の遠位末端が、前記外側シェルの内燃機関座面部分を画定し、前記ねじ部が、前記留めナット部分と前記内燃機関座面部分の間に配置されて
もよい。
(4
)前記絶縁体が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記絶縁体の一端に配置されており、前記第3の部分が前記絶縁体の反対端に配置されており、前記チャンネルが、前記第2の部分と前記第3の部分の間に配置され、前記第2の部分が、前記第1の部分および前記第3の部分より厚い
構成としてもよい。
(5
)前記絶縁体が、前記チャンネルと前記第2の部分の間に配置された肩部をさらに備え、前記肩部が、前記外側シェルの前記遠位末端に近接した前記外側シェルの一部分と係合するように構成されて
もよい。
(6
)前記絶縁体が非導電セラミック材料から作製され、前記留めナット部分の直径がおおよそ14mmであり、前記絶縁体の前記区間の直径がおおよそ10mmであ
ってもよい。
(7
)前記中心電極が前記絶縁体の一端から延在し、前記絶縁体の反対端から端子が延在する
構成としてもよい。
(8
)前記絶縁体が、前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された別の肩部をさらに備え、前記別の肩部が、前記外側シェルの前記内燃機関座面部分と前記別の肩部の間に配置された接地シールドの遠位末端と係合するように構成されて
もよい。
(9)
本発明の一例に係る方法は、「前記点火プラグの外側シェルに絶縁体を挿入するステップであって、前記絶縁体が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記絶縁体の一端に配置されており、前記第3の部分が前記絶縁体の反対端に配置されており、前記第2の部分と前記第3の部分の間にチャンネルが配置され、前記第2の部分が、前記第1の部分および前記第3の部分より厚く、前記絶縁体が、前記チャンネルと前記第2の部分の間に配置された肩部をさらに備えるステップと、
前記肩部を、前記外側シェルの遠位末端に近接した前記外側シェルの一部分と接触させるステップであって、前記遠位末端が、前記外側シェルの留めナット部分から延在するステップと、
前記絶縁体の別の肩部と前記外側シェルの反対側の遠位末端の間に接地シールドを固定するステップであって、前記別の肩部が、前記絶縁体の前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置されているステップとを含む方法。」に関する。
(10
)前記留めナット部分が、前記外側シェルと一体化して形成され、前記留めナットに近接した前記外側シェルの外面がねじ部を有する
構成としてもよい。
(11
)前記留めナット部分が、前記遠位末端と前記外側シェルの前記ねじ部の間に配置され、前記外側シェルの反対側の遠位末端が、前記外側シェルの内燃機関座面部分を画定し、前記ねじ部が、前記留めナット部分と前記内燃機関座面部分の間に配置され
てもよい。
(12
)前記絶縁体が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記絶縁体の一端に配置されており、前記第3の部分が前記絶縁体の反対端に配置されており、前記チャンネルが、前記第2の部分と前記第3の部分の間に配置され、前記第2の部分が、前記第1の部分および前記第3の部分より厚い
構成としてもよい。
(13
)前記絶縁体が、前記チャンネルと前記第2の部分の間に配置された肩部をさらに備え、前記肩部が、前記外側シェルの前記遠位末端と係合するように構成されて
もよい。
(14
)前記絶縁体が非導電セラミック材料から作製され、前記留めナット部分の寸法がおおよそ14mmであり、前記絶縁体の前記区間の直径がおおよそ10mmであ
ってもよい。
(15
)前記中心電極が前記絶縁体の一端から延在し、端子が前記絶縁体の反対端から延在
してもよい。
(16
)前記絶縁体が、前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された別の肩部をさらに備え、前記別の肩部が、前記外側シェルの前記内燃機関座面部分と前記別の肩部の間に配置された接地シールドの遠位末端と係合するように構成され
てもよい。
本発明が、例示的実施形態を参照しながら説明されてきたが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行なわれ得ること、また、等価物が、本発明の要素の代わりになり得ることが理解されよう。また、本発明の教示の基本的範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を同範囲に適合させるために、多くの修正が行なわれ得る。したがって、本発明は、本発明を実行するために企図された最善の様式として開示された特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的に同等の範囲に入る実施形態をすべて含むように意図されている。
【符号の説明】
【0029】
10 点火プラグ
12 中心電極
14 絶縁体
16 外側シェル
18 チップ
20 終端
22 端子スタッド
24 導電性ガラスシール
26 端子ナット
28 貴金属チップ
30 第1の絶縁体区間
32 第2の絶縁体区間
34 第3の絶縁体区間
36 遠位末端
38 構成
40 肩部
44 接地シールド
46 留めナット部分
48 内燃機関座面部分
50 ねじ山
52 区間
54 チャンネル
56 区間
58 遠位末端
62 内側の肩部
64 肩部
68 ポイント
72 矢印