(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
正面、背面に開口を有し、全体が箱形に構成されるラック本体と、前記ラック本体の正面、背面の各開口を開閉する正面、背面の蓋とを備え、各種の機器を収納する機器収納用ラックにおいて、
前記ラック本体は、
正面側及び背面側の各コーナーをなすコーナーフレームと、
正面側及び背面側の前記各コーナーフレーム間に連結されて、前記各コーナーフレームとともに正面側及び背面側の各枠を構成する枠構成フレームと、
正面側の前記各コーナーフレームと背面側の前記各コーナーフレーム間に連結されて、正面側及び背面側の各枠間を繋ぐ奥行フレームと、
前記各コーナーフレーム、前記各枠構成フレーム及び前記各奥行フレームにより囲まれた面内に取り付けられて、上下左右の各面をなすパネルと、
を備え、
前記各コーナーフレームは、正面側及び背面側の各コーナーを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部と、前記コーナー中央部の一端から箱形の幅方向に延び、前記枠構成フレームと連結される幅方向延長部、前記コーナー中央部の他端から箱形の高さ方向に延び、前記枠構成フレームと連結される高さ方向延長部、及び前記コーナー中央部の奥行側縁部から奥行方向に延び、前記奥行フレームと連結される奥行方向延長部を有し、
前記各奥行フレームは、外側の面の両側部に沿ってそれぞれ内方に向けて断面略L字形に突出するフランジが設けられて、外側の面に溝が形成され、
前記各コーナーフレーム及び前記各奥行フレームにより、前記ラック本体全体が断面略8角形に構成されて、
下面側の前記各奥行フレームの外側の面に、付属部品として脚が、前記各フランジの内面間に係合可能な固定部材と、前記脚に一体的に設けられ、前記各フランジの外面間に跨って設置可能な取付部材とをそれぞれ前記各フランジに圧接可能にねじで締め付ける固定形式により着脱可能に取り付けられ、
前記脚は、下面側の前記奥行フレームから当該奥行フレームの側方に突出することなしに下方に向けて延びる脚部本体と、前記脚部本体の上面側に形成され、下面側の前記奥行フレームを支持可能な斜めのフレーム支持部、及び前記フレーム支持部の下端から水平方向に向けて延び、下面の前記パネルの縁部付近を支持可能なパネル支持部と、前記脚部本体の内側で前記パネル支持部と前記脚部本体の下部との間に形成され、上面側の前記奥行フレームに当接可能な斜めのフレーム係合部とを有する、
ことを特徴とする機器収納用ラック。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1乃至
図3に機器収納用ラックの外部の構成を示し、
図5及び
図6に機器収納用ラックの内部の構成を示している。
図1乃至
図3に示すように、機器収納用ラックR1は、正面、背面に開口を有し、全体が箱形に構成されるラック本体Aと、ラック本体Aの正面、背面の各開口を開閉する正面、背面の蓋B1、B2とを備え、コンピュータ、通信機器などの各種の機器を収納するようになっている。
ラック本体Aは、正面側及び背面側の各コーナーCをなすアルミニウム材料からなるコーナーフレーム1と、正面側及び背面側の各コーナーフレーム1間に連結されて、各コーナーフレーム1とともに正面側及び背面側の各枠F1、F2を構成するアルミニウム材料からなる枠構成フレーム2と、正面側の各コーナーフレーム1と背面側の各コーナーフレーム1間に連結されて、正面側及び背面側の各枠F1、F2間を繋ぐアルミニウム材料からなる奥行フレーム3と、各コーナーフレーム1、各枠構成フレーム2及び各奥行フレーム3により囲まれた面内に取り付けられて、上下左右の各面Pをなす、アルミニウム材料からなるパネル4とを備え、これらの部材1、2、3、4により組み立てられる。
また、このラック本体Aは2重構造になっており、
図5及び
図6に示すように、ラック本体Aの内部に各種の機器を収納するためのアルミニウム材料からなるインナーフレームaが組み入れられる。
図1乃至
図3に示すように、正面、背面の蓋B1、B2はそれぞれ、正面、背面の各コーナーをなすアルミニウム材料からなる蓋コーナーフレーム71と、各蓋コーナーフレーム71間に連結されて、各蓋コーナーフレーム71とともに正面、背面の蓋の枠を構成するアルミニウム材料からなる蓋枠構成フレーム72と、各蓋コーナーフレーム71及び各蓋枠構成フレーム72により囲まれた面内に取り付けられて、正面、背面の蓋B1、B2の面をなすアルミニウム材料からなる蓋パネル73と、正面、背面の蓋B1、B2の蓋枠構成フレーム71に装着され、正面、背面の蓋B1、B2とラック本体Aとを固定する蓋ロック部材8とを備え、これらの部材71、72、73、8により組み立てられる。
また、このラックR1の場合、
図11に示すように、取っ手36や脚37を含む各種の付属部品や、
図15に示すように、ラック専用台車5が付属され、各種の付属部品は必要に応じてラック本体AのコーナーCをなす各奥行フレーム3に取り付けられ、ラック専用台車5もまた必要に応じて使用される。
【0011】
図4にラック本体Aの要部の構成を示している。
図4に示すように、コーナーフレーム1は、アルミダイカストにより一体に成形され、箱形の各コーナーCを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部101、コーナー中央部101の一端から箱形の幅方向に延び、枠構成フレーム2と連結される幅方向延長部102、コーナー中央部101の他端から箱形の高さ方向に延び、枠構成フレーム2と連結される高さ方向延長部103、及びコーナー中央部101の奥行方向の側縁部から奥行方向に延び、奥行フレーム3と連結される奥行方向延長部104を有する。この場合、コーナー中央部101、幅方向延長部102、高さ方向延長部103、奥行方向延長部104の外側の面はそれぞれ、フラットな面になっていて、また、コーナー中央部101の内側の面には後述する蓋B1、B2をラック本体Aの各開口に位置決めするためのガイド面G1が形成される。
また、このコーナーフレーム1には、幅方向延長部102と枠構成フレーム2、高さ方向延長部103と枠構成フレーム2、奥行方向延長部104と奥行フレーム3をそれぞれ連結するために、幅方向延長部102に箱形の幅方向に向けて、高さ方向延長部103に箱形の高さ方向に向けて、それぞれ、枠構成フレーム2を位置決めするためのガイド凸部(又はガイド凹部)、スプリングビンを挿通可能なスプリングピン挿通部、取付ねじを挿通可能なねじ挿通部が形成され、奥行方向延長部104に箱形の奥行方向に、奥行フレーム3を位置決めするためのガイド凸部(又はガイド凹部)、スプリングビンを挿通可能なスプリングピン挿通部、取付ねじを挿通可能なねじ挿通部が形成される。
この場合、幅方向延長部102は内側の面にこの幅方向延長部102の先端からコーナー中央部101に向けて連続する直方体形状の連結ブロック12が形成され、この連結ブロック12の先端で中央にコーナー中央部101の一部を開口して貫通されるねじ挿通部121が形成され、このねじ挿通部121の両側にそれぞれ所定の深さを有する有底のスプリングピン挿通部122が形成される。また、この幅方向延長部102の内側の面には連結ブロック12の一側部に並列にガイド凸部をなすガイドブロック123が形成され、先端側が幅方向延長部102の先端から先方に向けて突出される。
高さ方向延長部103は幅方向延長部102とコーナー中央部101を中心にして対称的に形成され、内側の面にこの高さ方向延長部102の先端からコーナー中央部101に向けて連続する連結ブロック13が形成され、この連結ブロック13の先端で中央にコーナー中央部101の一部を開口して貫通されるねじ挿通部131が形成され、このねじ挿通部131の両側にそれぞれ所定の深さを有する有底のスプリングピン挿通部132が形成される。また、この高さ方向延長部103の内側の面には連結ブロック131の一側部に並列にガイド凸部をなすガイドブロック133が形成され、先端側が高さ方向延長部103の先端から先方に向けて突出される。
奥行方向延長部104は内側の面の両側にそれぞれこの奥行方向延長部104の先端からコーナー中央部101に向けて連続する一対の連結ブロック14とこれらの連結ブロック14の内側にそれぞれ平行に連結短ブロック140が形成されて、各連結ブロック14に先端から所定の深さに有底のスプリングピン挿通部142が形成され、各連結短ブロック140に先後端を開口して貫通されるねじ挿通部141が形成される。また、この奥行方向延長部104の内側の面には各連結ブロック14の間にガイド凸部をなすガイドブロック143が形成され、先端側が奥行方向延長部104の先端から先方に向けて突出される。
さらに、このコーナーフレーム1には、ラック本体Aの開口側の縁部となるコーナー中央部101及び各延長部102、103の外側の縁部に凸状部114、124、134が形成され、また、幅方向延長部102と奥行方向延長部104との間の縁部、及び高さ方向延長部103と奥行方向延長部104との間の縁部にそれぞれ、パネル4を取り付けるための溝151、152が、この場合、円弧状に形成される。
このようにして、1つのラックR1につき8個のコーナーフレーム1により、箱形の正面及び背面の各コーナーCが構成される。
【0012】
図2、
図3及び
図4に示すように、枠構成フレーム2は、アルミ押出形材からなり、外側の面がフラットで、内側の面にコーナーフレーム1の幅方向延長部102、高さ方向延長部103のスプリングピン挿通部122、132、ねじ挿通部121、131に対応して、スプリングピンを通すための溝、取付ねじを挿通するための溝をなす凹凸形状が長さ方向に連続して形成されるとともに、内側一方の側縁部に沿って溝を形成されてなる枠構成フレーム基材から、正面側及び背面側の各枠F1、F2の各辺の長さにカットされて形成される。
この場合、枠構成フレーム2は、
図4に示すように、連結端からこの枠構成フレーム2の長さ方向に向けてコーナーフレーム1の幅方向延長部102、高さ方向延長部103のスプリングピン挿通部122、132、ねじ挿通部121、131に連通可能にスプリングピン挿通部202、ねじ挿通部201が形成され、ねじ挿通部201に図示されないナットが内設され、幅方向延長部102、高さ方向延長部103のガイドブロック123、133に係合可能にガイド溝203が形成され、また、組み立て時に外側となる一方の側縁部に沿ってコーナーフレーム1の凸状部124、134に連続する凸状部204が枠構成フレーム2の長さ方向に連続して形成され、組み立て時に内側となる他方の側縁部にパネル4を挿入可能に溝205が枠構成フレーム2の長さ方向に連続して形成される。
かかる枠構成フレーム2は各コーナーフレーム1の幅方向延長部102及び高さ方向延長部103に、両者のガイド溝203、203、ガイドブロック123、133が係合され、両者のスプリングピン挿通部202,122間、202,132間にスプリングピン252が通され、両者のねじ挿通部201,121間、201,131間に取付ねじ251が挿通されナットに締結されて、各コーナーフレーム1間に連結される。
このようにして、1つのラックR1につき2組の上下の各枠構成フレーム2、2組の左右の各枠構成フレーム2により、箱形の正面側及び背面側の各枠F1、F2が構成される。
【0013】
図2、
図3及び
図4に示すように、奥行フレーム3は、アルミ押出形材からなり、外側の面が断面略C字形の浅い溝形に形成され、内側の面にコーナーフレーム1の奥行方向延長部104のスプリングピン挿通部142、142、ねじ挿通部141、141に対応して、スプリングピン352を通すための溝、ねじ351を挿通するための溝をなす凹凸形状が長さ方向に連続して形成されるとともに、両側の側縁部に沿って溝を形成されてなる枠構成フレーム基材から、箱形の正面側及び背面側の各枠F1、F2間の奥行方向の各辺の長さにカットされて形成される。
この場合、奥行フレーム3は、
図7に示すように、外側の面の両側部に沿ってそれぞれ内方に向けて断面略L字形に突出するフランジ311が設けられて、外側の面に溝31が形成され、また、内側の面の両側にそれぞれこの奥行フレーム3の長さ方向に向けてコーナーフレーム1の奥行方向延長部104の各スプリングピン挿通部142に連通可能に部品取付溝321が形成され、
図4に示すように、この部品取付溝321にスプリングピン352を挿通保持するためのスプリング取付部材とコーナーフレーム1の奥行方向延長部104のねじ挿通部141に対応してナット350を取り付けるためのナット取付部材を兼用する取付部材322が取り付けられて、この取付部材322にナット350がコーナーフレーム1の奥行方向延長部104の各ねじ挿通部141に連通可能に取り付けられる。また、
図4、
図6に示すように、この奥行フレーム3の組み立て時に左右両側となる各側縁部にパネル4が挿入可能に溝323が奥行フレーム3の長さ方向に連続して形成される。
かかる奥行フレーム3は各コーナーフレーム1の奥行方向延長部104に、奥行方向延長部104の各スプリング挿通部142と奥行フレーム3の各部品取付溝321に取り付けられた取付部材322との間にスプリングピン352が通され、奥行方向延長部3の各ねじ挿通部141と奥行フレーム3の各部品取付溝321に取付部材322を介して取り付けられたナット350との間に取付ねじ351が挿通締結されて、各コーナーフレーム1間に連結される。
このようにして、1つのラックR1につき4本の奥行フレーム3により、箱形の正面側及び背面側の各枠F1、F2間を繋ぐ奥行部Sが構成される。
【0014】
図2、
図3に示すように、パネル4は、アルミ板からなり、コーナーフレーム1と枠構成フレーム2と奥行フレーム3とにより構成される箱形の上下左右の各面Pにコーナーフレーム1と枠構成フレーム2と奥行フレーム3の各内側の側縁部の各溝151,152、205、323に挿入して組み込み可能に平面状に形成される。このパネル4の場合、箱形の上下、左右の各面P毎に適宜大きさの矩形状のフラットパネルとして形成され、適宜補強リブが設けられる。したがって、パネル4はコーナーフレーム1、枠構成フレーム2及び奥行フレーム3により囲まれた面内に、コーナーフレーム1、枠構成フレーム2、枠構成フレーム3の溝151,152、205、323内に挟持されて組み込まれる。
このようにして、1つのラックR1につき上下の各面をなす2枚のパネル4と左右の各面をなす2枚のパネル4とにより、箱形の上下左右の各面Pが構成される。
【0015】
また、このラック本体Aは、既述のとおり、2重構造になっていて、
図5、
図6に示すように、ラック本体Aの内部にインナーフレームaが支持装置Mを介して設置される。
インナーフレームaは、全体が、ラック本体Aの内部空間内に嵌合可能にラック本体Aの内部空間に対応する形状で、かつ各種の機器の外形に対応して当該機器の収納に適した構造に形成される。この場合、インナーフレームaは、正面側及び背面側の各コーナーをなすコーナーフレームa1と、正面側及び背面側の各コーナーフレームa1間に連結されて、各コーナーフレームa1とともに正面側及び背面側の各枠を構成する枠構成フレームa2と、正面側の各コーナーフレームa1と背面側の各コーナーフレームa1間に連結されて、正面側及び背面側の各枠間を繋ぐ奥行フレームa3とを備える。各コーナーフレームa1はアルミダイカストからなり、正面側及び背面側の各コーナーを傾斜面とするコーナー中央部と、コーナー中央部の一端から幅方向に延び、枠構成フレームa2と連結される幅方向延長部、コーナー中央部の他端から高さ方向に延び、枠構成フレームa2と連結される高さ方向延長部、及びコーナー中央部の奥行側縁部から奥行方向に延び、奥行フレームa3と連結される奥行方向延長部を有し、外側の面がフラットで、内側の面に、各種の機器の収納に適する所定の断面形状を有する。各枠構成フレームa2、各奥行フレームa3はいずれも、アルミ押出形材からなり、外側の面がフラットで、内側の面に、各種の機器の収納に適する断面形状を有する。そして、各コーナーフレームa1の幅方向延長部に枠構成フレームa2、高さ方向延長部に枠構成フレームa2、奥行方向延長部に各奥行フレームa3がそれぞれ、スプリングピン、取付ねじ及びナットを介して連結され、各コーナーフレームa1、各枠構成フレームa2及び各奥行フレームa3により、全体が断面略8角形に構成される。なお、このインナーフレームaの場合、複数段の棚が設けられる。
支持装置Mは4点の支持部品M1からなり、それぞれ、ラック本体Aの4コーナーの各奥行フレーム3の内側に取り付けられる。支持部品M1はそれぞれ、
図7に示すように、ラック本体Aの奥行フレーム3に固定されるベースフレームM11と、ベースフレームM11上に複数の防振ゴムM12を介して取り付けられ、インナーフレームaの各コーナー付近を支持する支持フレームM13とを備えて構成される。この場合、ベースフレームM11は奥行フレーム3上に延びるフレームで、奥行フレーム3の内側面上に設置可能な平面状のベース部M111と、奥行フレーム3の両側の各部品取付溝321に沿って設置可能に断面略くの字形の屈曲面をなす固定部M112とを有し、ベース部M111の所定の複数個所に防振ゴムM12のための取付ねじ挿通部が設けられ、各固定部M112の側縁部側の面で各部品取付溝321の開口に対応する所定の複数個所にベースフレームM11のための取付ねじ挿通部が設けられる。支持フレームM13はベースフレームM11上に延びるフレームで、ベースフレームM11のベース部M111と平行な平面状の取付部M131と、取付部M131の両側に略ハの字形に開く方向に延びる支持部M132とを有し、取付部M131の所定の複数個所に防振ゴムM12のための取付ねじ挿通部が設けられる。このようにしてベースフレームM11上に複数の防振ゴムM12を介して支持フレームM13が取り付けられ、ベースフレームM11が奥行フレーム3上に設置されて、各固定部M112の各取付ねじ挿通部に取付ねじが通され、奥行フレーム3の各部品取付溝321内に設置固定されたナットに締結されて固定される。
このようにしてインナーフレームaは、ラック本体A内部の四隅に固定された各支持部品M1が、支持フレームM13の取付部M131の面上に差し込まれる専用の治具により各防振ゴムM12を圧縮する方向に加圧され押し広げられた状態から、各支持部品M1の内側に組み入れられ、専用の治具による加圧の解除、取り外しにより各支持部品M1を弾性復帰させることにより、インナーフレームaの各コーナーの両側が各支持部品M1の支持フレームM13の各支持部M132に圧接されて、インナーフレームaは各支持部品M1によりラック本体Aの内部に宙に浮いた状態にして弾性的に支持される。
【0016】
このようにラック本体Aは、正面側及び背面側の各コーナーCをなすコーナーフレーム1と、各コーナーフレーム1とともに正面側及び背面側の各枠F1、F2を構成する枠構成フレーム2と、正面側及び背面側の各枠F1、F2間を繋ぐ奥行フレーム3と、上下左右の各面Pをなすパネル4とからなり、各コーナーフレーム1が、正面側及び背面側の各コーナーCを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部101、コーナー中央部101の一端から幅方向に延び、枠構成フレーム2と連結される幅方向延長部102、コーナー中央部101の他端から高さ方向に延び、枠構成フレーム2と連結される高さ方向延長部103、及びコーナー中央部101の奥行側縁部から奥行方向に延び、奥行フレーム3と連結される奥行方向延長部104を有し、各奥行フレーム3が各コーナーフレーム1の奥行方向延長部104に連結されて、ラック本体A全体が断面略8角形に構成される。
【0017】
図1に示すように、蓋コーナーフレーム71は、アルミダイカストにより一体に成形され、正面側、背面側の各コーナーCを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部711、コーナー中央部711の一端から幅方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される幅方向延長部712、及びコーナー中央部711の他端から高さ方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される高さ方向延長部713を有する。この場合、コーナー中央部711、幅方向延長部712、高さ方向延長部713の外側の面はフラットで、内側の面には内周方向に凸状部714が形成されてその内周縁に蓋パネル73を取り付けるための溝715が形成され、また、ラック本体Aのコーナーフレーム1の凸状部114、124、134と対向するコーナー中央部711及び各延長部712、713の内側の縁部にコーナーフレーム1の凸状部114、124、134に係合可能な凹状部(図示省略)が形成される。
蓋枠構成フレーム72は、アルミ押出形材からなり、外側の面がフラットで、内側の面には凸状部724が形成され、その内周縁に蓋パネル73を取り付けるための溝725が形成され、また、ラック本体Aの枠構成フレーム2の凸状部204と対向する内側の縁部に枠構成フレーム2の凸状部204に係合可能な凹状部(図示省略)が形成される。
かかる蓋枠構成フレーム72は、各蓋コーナーフレーム71の幅方向延長部712及び高さ方向延長部713にそれぞれ、スプリングピン、取付ねじ及びナットを介して連結される。
蓋パネル73は、アルミ板からなり、蓋コーナーフレーム71と蓋枠構成フレーム72とにより構成される枠内に蓋コーナーフレーム71及び蓋枠構成フレーム72の内側の面の溝715、725に挟持されて組み込まれる。
このようにして正面、背面の蓋B1、B2はそれぞれ、正面、背面の枠をなす蓋コーナーフレーム71、及び蓋枠構成フレーム72と、正面、背面の蓋B1、B2の面をなす蓋パネル73とからなり、蓋コーナーフレーム71が、蓋B1、B2の各コーナーを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部711、コーナー中央部711の一端から蓋B1、B2の幅方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される幅方向延長部712、コーナー中央部711の他端から蓋B1、B2の高さ方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される高さ方向延長部713を有し、全体がラック本体Aに対応する断面略8角形に構成される。
これらの蓋B1、B2にはそれぞれ、後部側の各コーナーの内側に蓋枠構成フレーム72から後方に突出し、ラック本体Aのコーナーフレーム1のコーナー中央部101の内側の面に設けられたガイド面G1に係合可能な外面を有するガイド凸起G2(
図6参照)が設けられる。これらのガイド面G1、ガイド凸起G2は、ラック本体Aの正面及び背面と正面及び背面の各蓋B1、B2との間に設けられ、正面及び背面の各蓋B1、B2をラック本体Aの正面及び背面に位置決めし保持するための位置決めガイドをなす。
また、これらの蓋B1、B2には、各コーナーの外側面に当該外側面の形状に沿ってラバーからなるカバー7Cが被せ付けられる。
【0018】
また、これらの蓋B1、B2にはそれぞれ複数の蓋ロック部材8が設けられる。
図8乃至
図10に蓋ロック部材8の構成を示している。
図8に示すように、蓋ロック部材8はそれぞれ、外側の円筒部81と、外側の円筒部81内に回転可能に嵌挿される内側の円筒部82、及び内側の円筒部82の基端部に当該円筒部82の軸方向に対して直角方向に回動可能に取り付けられ、外側の円筒部81内で内側の円筒部82を回転操作するためのハンドル83と、内側の円筒部82内に回転可能にかつ進退可能に挿通され、外側及び内側の各円筒部81、82の先端から突出する駆動軸84、及び駆動軸84の先端側に当該軸方向に対して直角方向に向けて突設され、所定の被係合部に係止可能な係止部85と、外側の円筒部81及び内側の円筒部82と駆動軸84との間に形成され、この蓋ロック部材8の初期状態において、内側の円筒部82の一方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内し、駆動軸84が当該回転方向に所定の角度だけ回転した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を後退方向に移動案内し、この状態から、内側の円筒部82の他方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を前進方向に移動案内し、駆動軸84が内側の円筒部82内を所定の距離だけ前進移動した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内するガイド機構86とを備える。
【0019】
この蓋ロック部材8の場合、外側の円筒部81はステンレス鋼鋳鋼品で、
図9に示すように、基端部の大径部811と、中間の中径部812と、先端部の小径部813とからなる。大径部811は中空の円筒状に形成され、一端に開口814を有し、他端に中径部812に連通する中径部812の内周面と同径の底部開口815を有する。この大径部811の外周部の高さ方向の寸法(言い換えれば、この大径部811の軸方向の長さ)は比較的小さく、この場合、ハンドル83の軸832の断面積(この場合、軸832の軸方向に対して垂直の断面積をいう。以下、同様。)の高さ方向の寸法よりも少し大きくなっている。この外周部の所定の位置2箇所に各箇所間に略90°の間隔でハンドル83の軸832が嵌合可能にハンドル83の軸832の断面積より少し大きい溝816が大径部811の開口端から底部に向けて略コ字形に切られている(
図8参照)。中径部812は大径部811に同芯的に連続する中空の円筒状に形成され、全長が比較的長い所定の長さに形成され、小径部813側の端部に小径部813の内周面と同径の開口817が形成される。また、この中径部812の外周面はねじが切られて、この外周面にこの蓋ロック部材8の取付固定用のナット(六角ナットなど)80が取り付けられる(
図8参照)。小径部813は中径部812に同芯的に連続する中空の円筒状に形成され、全長が比較的短い所定の長さに形成され、その突出端に小径部813の内周面と同径の開口818が形成される。また、この小径部818の外周部には開口818縁部の相互に対称の所定の位置2箇所にそれぞれ略90°の範囲に亘って後述の回転方向ガイドピン844が嵌合可能な比較的浅い溝形にして回転方向ガイド819aが切られ、その一端からさらに軸方向に向けて連続的に所定の長さに延び、回転方向ガイドピン844が嵌合可能に比較的小さい幅の溝形にして進退方向ガイド溝819bが切られる。結果として、これらのガイド溝819a、819bは小径部813の外周部に略L字形に形成される。
内側の円筒部82はステンレス鋼鋳鋼品で、
図10に示すように、基端側の大径部821と先端側の小径部822とからなる。この円筒部82は全体が充実軸からなり、大径部821は外側の円筒部81の大径部811内にその内周面に沿って嵌合可能に、またこの大径部811内で回転可能に円筒状に形成され、その軸芯上にハンドル83の軸832が嵌合可能にハンドル83の軸832の断面積よりも僅かに大きい中空部823が形成される。また、この中空部823はその一部がこの円筒部82の外周方向に延び、外周部の一部に溝形に開口される(以下、この開口を中空部の外周部開口824という。)。したがって、この中空部822は大径部821の天面から見て略コ字形又は略U字形の溝形形状に切り欠かれている。小径部822は大径部821に同芯的に連続し、比較的長い所定の長さの円筒状に形成される。この小径部822の軸芯上の大径部821側一方の端部側に大径部821の底部から所定の径の小さい穴825が所定の長さに形成され、他方の端部側に所定の径の大きな穴826が所定の長さに形成されて他方の端面が開口される。この大きな穴826の外周部にはこの穴826の底部側から開口に向けて対称的に後述の進退方向ガイドピン843が嵌合可能に、一対の略螺旋形の部分形状をなすスリットが切られて進退方向ガイド827が形成される。
ハンドル83はステンレス鋼鋳鋼品で、
図8に示すように、全体が略T型に形成され、グリップ831と、グリップ831の中央に突出される軸832とからなる。この場合、軸832は断面四角形に形成され、その先端面とグリップ831とともにT字形をなす一方の側面で先端側にそれぞれ、所定径の小さな鋼球90が嵌合可能な略半球状の溝828が形成される。このハンドル83は内側の円筒部82の大径部821にディテントスプリング91、鋼球90を介して取付ピン829により軸支される。この場合、大径部821の中空部底部の小さな穴825上にディテントスプリング91を介して鋼球90が配置される。ここで鋼球90はディテントスプリング91により穴825から飛び出す方向に付勢される。ハンドル83の軸832は、一方の側面の半球状の溝828を大径部821の中空部823の外周部開口824に向けて、大径部821の中空部823に挿入され、この半球状の溝828を有する側面に対して両側の面に大径部821側から取付ピン829が通されてこの取付ピン829を介して回動可能に取り付けられる。このようにしてハンドル83は、軸832が内側の円筒部82の大径部821(内側の円筒部82の基端部)に大径部821と同軸上に延び、内側の円筒部82と一体に回転する作動連結位置と、軸832が大径部821の軸方向に対して溝形の中空部823を通して直角の位置に倒伏し、内側の円筒部82と一体に回転可能しない作動連結解除位置との間を回動可能に取り付けられ、軸832が作動連結位置にある場合は、この状態が軸832先端面の半球状の溝828と大径部821底部の鋼球90との弾性係合により保持され、軸832が作動連結解除位置にある場合は、この状態が軸832側面の半球状の溝828と大径部821底部の鋼球90との弾性係合により保持される。
駆動軸84はステンレス鋼鋳鋼品で、
図8に示すように、全体として円筒状に形成される。この駆動軸84は充実軸からなり、内側の円筒部82の小径部822の大きな穴826内にその内周面に沿って嵌合可能に、またこの大きな穴826内で回転可能に所定の長さを有する円筒状に形成され、その先端側に先端面を開口して雌ねじ840が設けられる。また、この駆動軸84の基端部側と先端部側所定の位置にそれぞれ軸芯に対して直角にピン挿通部841、842が形成され、基端部側のピン挿通部841にこのピン挿通部841よりも長いステンレス軸からなる進退方向ガイドピン843が挿通され、先端部側のピン挿通部842にこのピン挿通部842よりも長いステンレス軸からなる回転方向ガイドピン844が挿通される。
係止部85はステンレス鋼板からなり、
図8に示すように、細長い板状に形成され、一端側に軸挿通部850が穿たれる。この係止部85は一端が駆動軸84の先端面に配置され、係止部85の軸挿通部850上に複数の座金92を介して、ねじ93が軸挿通部850に挿通され、駆動軸84の先端面の雌ねじ840に締結されて固定される。
蓋ロック部材8はこれら駆動軸84、内側の円筒部82、外側の円筒部81、係止部85が順次組み立てられて形成される。すなわち、駆動軸84は後端部側から内側の円筒部82の大きな穴826に先端の開口から挿入され、この穴826の底部まで挿通されて、駆動軸84の先端部側をピン挿通部842が内側の円筒部82の先端から外部に露出するように突出されるとともに、駆動軸84の基端部側のピン挿通部841が内側の円筒部82の進退方向ガイド827の一端側に対向され、この状態でピン挿通部841、進退方向ガイド827間に進退方向ガイドピン843が通されて、駆動軸84が内側の円筒部82内に(内側の円筒部82の回転運動により)進退方向ガイドピン843と進退方向ガイド827とを案内にして所定の距離だけ進退可能に組み立てられる。このようにして組み立てられた内側の円筒部82と駆動軸84は、内側の円筒部82の小径部822の基端部側にパッキン95が取り付けられて、駆動軸84の先端から外側の円筒部81の大径部811に挿入され、中径部812を通し、小径部813から突出されて、内側の円筒部82の大径部821及び小径部822がそれぞれ外側の円筒部81の大径部811及び中径部812に回転可能に嵌め込まれる。この状態で外側の円筒部81の小径部813の進退方向ガイド819b又は回転方向ガイド819a(
図12参照)を通じて駆動軸84の先端側のピン挿通部842に回転方向ガイドピン844が挿通されて、駆動軸84が外側の円筒部81内に回転方向ガイドピン844と進退方向ガイド819bとを案内にして所定の距離だけ進退可能に、かつこの回転方向ガイドピン844と回転方向ガイド819aとを案内にして所定の回転角度だけ回転可能に組み立てられる。そして、外側の円筒部81の小径部813上にコイルスプリング96が巻き付けられ、係止部85が駆動軸84の先端にコイルスプリング96を介して既述のとおりに取り付けられて、駆動軸94の軸方向に対して直角方向に向けて突出される。
このようにして内側の円筒部82の外周部に形成された進退方向ガイド827に駆動軸94の基端部側のピン挿通部841に通された進退方向ガイドピン843が係合され、外側の円筒部81の小径部813に形成された回転方向ガイド819a及び進退方向ガイド819bに駆動軸84の先端部側のピン挿通部842に通された回転方向ガイドピン844が係合され、これら進退方向ガイド827及び進退方向ガイドピン843、回転方向ガイド819a、進退方向ガイド819b及び回転方向ガイドピン844の案内により、内側の円筒部82の一方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内し、駆動軸84が当該回転方向に所定の角度だけ回転した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を後退方向に移動案内し、内側の円筒部82の他方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を前進方向に移動案内し、駆動軸84が内側の円筒部82内を所定の距離だけ前進移動した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内する形式のガイド機構86が構成される。
【0020】
このようにして複数の蓋ロック部材8が構成され、これらの蓋ロック部材8によりラック本体Aと正面及び背面の各蓋B1、B2がロックされる。
【0021】
このようにラックR1はラック本体A、正面及び背面の各蓋部材B1、B2が共に断面略8角形に構成され、ラック本体Aの斜めのコーナーCをなす各奥行フレーム3の外側の面に、
図11に示すように、各種の付属部品が、各フランジ311の内面間に係合可能な固定部材と、各種の付属部品に一体的に設けられ、各フランジ311の外面間に跨って設置可能な取付部材とをそれぞれ各フランジ311に圧接可能にねじで締め付ける形式の取付部品3Pにより着脱可能に取り付けられる。
【0022】
図12、
図13に取付部品の構成を示している。
図12、
図13に示すように、取付部品3Pの固定部材33は、この奥行フレーム3の外側の面の各フランジ311間の開口幅より小さい幅で、かつ開口幅より大きく溝31の底部側の幅と略同じか少し小さい長さを有し、各フランジ311の内面間に係脱可能な平板に形成され、この平板を平板の長さ方向を溝31の底部側の幅方向に向けて溝31内に配置したときに、この平板の長さ方向の中間部で各フランジ311間の開口に対向する位置に表側の平面から裏側の平面に向けてねじ穴330が貫通形成される。また、固定部材33は、奥行フレーム3の各フランジ311の内面間に係止可能に略長方形の平板に形成され、かつ平板の4つのコーナーのうち、一方の対角線上で対向する各コーナーが面取りされて略円弧状に形成される。なお、この場合、固定部材33は1個の取付部材34に対して2個1組で使用される。また、ねじ穴330は2つ固定部材33の長さ方向に並べて形成される。
取付部材34は、各種の付属部品側に一体的に、奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置可能な各種の形状に形成され、この各種の形状の各フランジ311間の開口に対向する位置に固定部材33のねじ穴330に対応して表側から裏側に向けてねじ穴340が貫通形成される。なお、この場合、取付部材34の各フランジ311間に跨る方向を取付部材34の長さ方向、これに直交する方向を取付部材34の幅方向とすると、ねじ穴340は取付部材34の長さ方向に2つ、幅方向に2列又は1列にして合計4つ又は2つ形成される。
ねじ35はこれらの取付部材34のねじ穴340から固定部材33のねじ穴330に貫通して螺合される。なお、この場合、ねじ35は1個の取付部材34に対して4本1組又は2本1組で使用される。
このようにして固定部材33の幅方向を奥行フレーム3の各フランジ311間に合わせ、固定部材33を各フランジ311間の開口を通して、溝31の底面側へ挿入した後、固定部材33を回転し、固定部材33の長さ方向を溝31の幅方向に向けて各フランジ311の内面に係合可能に配置し、この状態で、取付部材34を奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置し、これら取付部材34及び固定部材33の各ねじ穴340、330間に各フランジ311間の開口を通してねじ35を挿通し締め込むことにより、固定部材33と取付部材34をそれぞれ、各フランジ311に内側及び外側から圧接させて、各種の付属部品を奥行フレーム3の外側の面上に固定する。
【0023】
図11に示すように、下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる付属部品として4個の脚37を備える。各脚37は、
図12に示すように、取付部材34が一体的に形成され、固定部材33、取付部材34及びねじ35を介して下面側の奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる。この場合、各脚37は、下面側の奥行フレーム3から当該下面側の奥行フレーム3の側方に突出することなしに下方に向けて延びる脚部本体371と、脚部本体371の上面側に形成され、下面側の奥行フレーム3を支持可能な斜めのフレーム支持部372、及びこのフレーム支持部372の下端から水平方向に向けて形成され、下面のパネル4の縁部付近を支持可能なパネル支持部373と、脚部本体371の内側でパネル支持部373と脚部本体371の下部との間に形成され、上面側の奥行フレーム3に当接可能な斜めのフレーム係合部374とを有する。この場合、各脚37のパネル支持部373の下面から斜めのフレーム係合部374にポリアセタール樹脂(POM)などのエンジニアリングプラスチック376が被着され、また、脚部本体371の下端面にはシリコンラバー375が付設される。
この脚37の場合、取付部材34は、斜めのフレーム支持部372に形成され、このフレーム支持部372は奥行フレーム3の両側のフランジ311間に跨って設置可能に略矩形の平板に形成され、この平板のフランジ311間の開口に対向する位置に固定部材33のねじ穴330に対応して表側から裏側に向けてねじ穴340が貫通形成されてなる。この場合、ねじ穴340はフレーム支持部372に長さ方向に2つ幅方向に2列設けられる。なお、固定部材33、ねじ35は既述のとおりである。
この脚37の取り付け方は次のとおりである。この脚37の場合、脚37一つにつき、まず、2つの固定部材33をそれぞれ、固定部材33の幅方向を奥行フレーム3の各フランジ311間に合わせ、各フランジ311間の開口を通して、溝31の底面側へ挿入した後、各固定部材33を回転し、各固定部材33の長さ方向を溝31の幅方向に向けて各フランジ311の内面に係合可能に配置する。次に、脚37のパネル支持部373を下面のパネル4の縁部付近に沿って合わせるとともに、脚37に一体の取付部材34、すなわち、フレーム支持部372を奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置する。そして、これらフレーム支持部372の各ねじ穴340にねじ35を挿通し、各フランジ311間の開口を通して、各固定部材33の各ねじ穴330に締め込むことにより、固定部材33と取付部材34をそれぞれ、各フランジ311に内側及び外側から圧接させて、取付部材34を奥行フレーム3の外側の面上に固定する。
なお、この取付部材34と固定部材33とのねじ締結において、固定部材33が、奥行フレーム3の各フランジ311の内面間に係止可能に略長方形の平板に形成され、かつ平板の4つのコーナーのうち、一方の対角線上で対向する各コーナーが略円弧状に形成されていることで、固定部材33は奥行フレーム3の溝31内で一方向にのみ回転可能で、他方向に回転されないため、ねじ35を取付部材34を通して固定部材33に締め込む際に、この固定部材33がねじ35とともに回転することがない。
このようにして脚37はラック本体Aの下面側の各奥行フレーム3の前後両端付近に1つずつ取り付けられる。
【0024】
また、このラックR1では、
図11、
図12に示すように、上面側の奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる付属部品として4つの取っ手36を備える。各取っ手36は、
図13に示すように、取付部材34が一体的に形成され、固定部材33、取付部材34及びねじ35を介して上面側の奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる。この場合、各取っ手36は、
図11に示すように、略コ字形又は略U字形をなし、両端に取付軸362を有する取っ手本体361と、上面側の奥行フレーム3の側方に突出することなしにこの奥行きフレーム3上に設置可能に形成され、取っ手本体361の各取付軸362を軸支する一対の取っ手台座363とを有する。この取っ手36の場合、取っ手本体361は略コ字形をなし、取っ手本体361の中間部にグリップカバー360が装着される。また、取付軸362は取っ手本体361の両端から内向きに延ばされており、一方の取付軸362は他方の取付軸362に対して所定の角度を付け偏芯され、取っ手台座363に軸支される。これにより取っ手本体361が取っ手台座363に対して回動が適度に規制され、取っ手36のばたつきが防止される。取っ手台座363は、
図13に示すように、両側面が略三角形の面をなす、各フランジ311間に跨って設置可能な三角柱に形成され、外側の側面に取っ手本体361の取付軸362を軸支するための軸挿通部を有する。
この取っ手36の場合、取付部材34は、取っ手台座363に形成され、底面をなす面が奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置可能に略矩形の平面で、かつ各フランジ311間に位置決め可能に、各フランジ311間の開口に対応する位置に各フランジ311の開口縁部に係合可能な2つの凸段部が形成されて、上面側の各斜めの面と底面の各凸段部との間に固定部材33のねじ穴330に対応して表側から裏側に向けてねじ穴340が貫通形成されてなる。この場合、ねじ穴340は各取っ手台座363に長さ方向に2つ1列に設けられる。なお、固定部材33、ねじ35は既述のとおりである。
この取っ手36の取り付け方は次のとおりである。この取っ手36の場合、取っ手36一つにつき、まず、2つの固定部材33をそれぞれ、固定部材33の幅方向を奥行フレーム3の各フランジ311間に合わせ、各フランジ311間の開口を通して、溝31の底面側へ挿入した後、各固定部材33を回転し、各固定部材33の長さ方向を溝31の幅方向に向けて各フランジ311の内面に係合可能に配置する。次に、取っ手本体361を取り付けた各取っ手台座363の底面を奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置する。そして、これら取っ手台座363の各ねじ穴340にねじ35を挿通し、各フランジ311間の開口を通して、各固定部材33の各ねじ穴330に締め込むことにより、各固定部材33と各取っ手台座363をそれぞれ、各フランジ311に内側及び外側から圧接させて、各取っ手台座363を奥行フレーム3の外側の面上に固定する。
なお、この取っ手台座363と固定部材33とのねじ締結において、固定部材33が、奥行フレーム3の各フランジ311の内面間に係止可能に略長方形の平板に形成され、かつ平板の4つのコーナーのうち、一方の対角線上で対向する各コーナーが略円弧状に形成されていることで、固定部材33は奥行フレーム3の溝31内で一方向にのみ回転可能で、他方向に回転されないため、ねじ35を取付部材34を通して固定部材33に締め込む際に、この固定部材33はねじ35とともに回転することがない。
このようにして取っ手36はラック本体Aの上面側の各奥行フレーム3の前後両端付近に一つずつ取り付けられる。なお、この取っ手36はラック本体Aの上面側の各奥行フレーム3の中央付近に一つずつ取り付けられてもよい。
【0025】
また、このラックR1では、
図11に示すように、上下に積み重ねられる複数のラックR1間を固定するためのロック装置38を備える。このロック装置38は、ラックR1が上下に積み重ねられた状態において、上面側の各奥行フレーム3又は下面側の各奥行フレーム3のいずれか一方の外側の面に所定の間隔をあけて取り付けられる少なくとも2つの固定側ロック部材381、及び2つの固定側ロック部材381のうちの一方の固定側ロック部材381aで他方の固定側ロック部材381bに対向する面に形成される係合凹部又は係止凸部と、他方の外側の面に一方の外側の面の2つの固定側ロック部材381の間で一方の固定側ロック部材381aに連接可能に取り付けられる作動側ロック部材382、作動側ロック部材382の一方の固定側ロック部材381aに対向する面に形成され、一方の固定側ロック部材381aの係合凹部又は係止凸部に係合可能な係止凸部又は係止凹部、及び作動側ロック部材382の他方の固定側ロック部材381bに対向する面に垂直方向に回動可能に取り付けられ、作動側ロック部材382と他方の固定側ロック部材381bとの間に係脱可能なロックレバー383とにより構成される。
なお、このロック装置38は、各部が専用の部品で構成されてもよく、取っ手36や脚37など各種の付属部品を利用して構成されてもよい。
【0026】
図11に示すように、このラックR1の場合、上面側の各奥行フレーム3の外側の面に前後に2つずつ取り付けられた取っ手台座363がそれぞれ、固定側ロック部材381として用いられ、各奥側の取っ手台座363aの各手前側の取っ手台座363bに対向する面に係合凹部364が設けられる。また、下面側の各奥行フレーム3の外側の面に前後に一つずつ取り付けられた脚37がそれぞれ、作動側ロック部材382として用いられ、下面側の各奥行フレーム3の外側の面に各脚37が上面側の各奥行フレーム3の外側の面の各2つの取っ手台座363の間で各奥側の取っ手台座363aに連接可能に取り付けられ、各脚37の各奥側の取っ手台座363に対向する面に、各奥側の取っ手台座363の係合凹部364に係合可能な係止凸部377が設けられ、各手前側の脚37の各手前側の取っ手台座363bに対向する面にロックレバー383が垂直方向に回動可能に取り付けられて、各手前側の脚37と各手前側の取っ手台座363との間に係脱可能になっている。この場合、ロックレバー38は図示されない回転軸にOリングが装着されて、摩擦抵抗が持たされており、これによって、ロックレバー38のばたつきが防止される。また、このロックレバー38が下方の回動端まで回動され、各脚37と各手前側の取っ手台座363との間に係合された状態のロックレバー383をロックするために、
図14に示すように、このロックレバー383が取り付けられた各脚37の面には、ロックレバー383の下方の回動端に対応する位置にボールプランジャー39が埋め込まれてボールの一部が所定量突出され、これによって、ロックレバー383の動き(上方への回動)が規制されて、このロックレバー383の確実なロック状態が得られるようになっている。
【0027】
図15にこのラックR1に付属するラック移動用のラック専用台車5を示している。このラック専用台車5は、
図15に示すように、正面側及び背面側の各コーナーをなすコーナーフレーム51と、正面側及び背面側の各コーナーフレーム51間に連結されて、各コーナーフレーム51とともに正面側及び背面側の各枠を構成する枠構成フレーム52と、正面側の各コーナーフレーム51と背面側の各コーナーフレーム51間に連結されて、正面側及び背面側の各枠間を繋ぐ奥行フレーム53とを有する、ラックR1を載せるための台フレーム54と、
図16乃至
図19に示すように、この台フレーム54内の各コーナーにヒンジ部材55を介して垂直方向に回動可能に取り付けられる支持部材56と、各支持部材56の回動端に軸受57を介して軸支される車輪570と、台フレーム54内に設置され、各支持部材56を垂直位置で回動を規制し、各車輪57を台フレーム54の下方に突出案内する垂直方向ガイド58、及び各支持部材56を水平位置で回動を規制し、各車輪57を台フレーム54内に収納案内する水平方向ガイド59と、各支持部材56を垂直位置で垂直方向ガイド58に固定し、水平位置で水平方向ガイド59に固定するストッパー60とを備え、車輪57は台フレーム54の下方に突出されて転動可能に、また、台フレーム54内に折り畳まれて収納可能に構成される。
この場合、各コーナーフレーム51は、正面側及び背面側の各コーナーを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部、コーナー中央部の一端から幅方向に延び、枠構成フレーム52と連結される幅方向延長部、コーナー中央部の他端から高さ方向に延び、枠構成フレーム52と連結される高さ方向延長部、及びコーナー中央部の奥行側縁部から奥行方向に延び、奥行フレーム53と連結される奥行方向延長部を有し、各奥行フレーム53はラック本体Aの奥行フレーム3と共通で、各コーナーフレーム51及び各奥行フレーム53により、台フレーム54全体が断面略8角形に構成されて、各奥行フレーム53の外側の面に、ラックR1と共通の各種の付属部品が、ラックR1と共通の固定部材(33)、取付部材(34)及びねじ(35)からなる取付部品(3P)により着脱可能に取り付けられる。なお、ここでは、ラック専用台車5の各奥行フレーム53にラックR1と共通の脚37がラックR1と同様に取り付けられる。
また、この場合、ストッパー60は、
図18に示すように、各支持部材56に設けられるねじ穴61と、垂直方向ガイド58に垂直位置の各支持部材56のねじ穴61に対応して設けられるねじ穴62と、
図17に示すように、水平方向ガイド59に水平位置の各支持部材56のねじ穴61と対応して設けられるねじ穴63と、各支持部材56と垂直方向ガイド58の各ねじ穴61、62間、各支持部材56と水平方向ガイド59の各ねじ穴61、63間に締結される共通のねじ64とにより構成される。なお、ねじ45は紐などにより台フレーム54に連結される。
さらに、このラック専用台車5にあっては、
図16、
図18に示すように、台フレーム54に平板を収納可能なスペース50を備え、このスペース50に平板状のラック載置用のプレート501が収納される。
【0028】
この機器収納用ラック、及び付属部品、ラック専用台車の使い方について
図1、
図2、
図5、
図6、及び
図7、並びに
図11、及び
図15乃至
図20を用いて説明する。
図1及び
図2に示すように、この機器収納用ラックR1は、ラック本体Aと、正面及び背面の蓋B1、B2とからなるので、ラック本体Aの正面及び背面が開放された状態から、ラック本体Aにコンピュータ、通信機器など各種の機器を収容する。この場合、ラック本体Aの中から
図5に示すインナーフレームaを取り出し、インナーフレームaに各種の機器を組み込んだ後、このインナーフレームaをラック本体A内に戻し入れて、各種の機器を収納する。このインナーフレームaをラック本体A内に入れる場合、
図7に示すように、ラック本体A内部の四隅に固定された各支持部品M1の各支持フレームM13を各支持フレームM13の取付部M131の面上に図示されない専用の治具差し込んで各防振ゴムM12を圧縮する方向に加圧して押し広げた状態から、インナーフレームaを各支持部品M1の内側に挿入する。このインナーフレームaの挿入後、専用の治具による各支持フレームM13の加圧の解除、取り外しにより各支持フレームM13を弾性復帰させることにより、インナーフレームaの各コーナーの両側が各支持フレームM13の各支持部M132に圧接され、インナーフレームaに組み込まれた各種の機器は各支持部品M1によりラック本体Aの内部で宙に浮いた状態に弾性的に支持される。なお、ラック本体Aの中からインナーフレームaを取り出す場合は、上記の動作が逆になる。
【0029】
このようにしてラック本体A内に各種の機器を収納したら、
図6に示すように、ラック本体Aの正面及び背面に、正面及び背面の各蓋B1、B2を合わせ、
図1に示すように、各蓋B1、B2の蓋枠構成フレーム72に蓋ロック部材8を装着し、ラック本体Aの枠構成フレーム2に係合させてロックし、ラック本体Aと各蓋B1、B2とを結合する。
この場合、
図6に示すように、蓋B1、B2にガイド凸起G2を有し、ラック本体Aのコーナーフレーム1の内面にガイド面G1が設けられているので、これらのガイド凸起G2、ガイド面G1の案内及び支持により、正面及び背面の各蓋B1、B2をそれぞれラック本体Aの正面及び背面に簡単かつ確実に位置合わせし、連接した状態に保持することができる。
また、この場合、4個の蓋ロック部材8が蓋枠構成フレーム72の4隅近傍に形成されたロック部材挿通部に挿通固定される。これらの蓋ロック部材8はそれぞれ、(
図8参照)外側の円筒部81の中径部812がロック部材挿通部に通されて、この中径部812に六角ナット80がワッシャーを介して螺合され、外側の円筒部81の大径部811と六角ナット80とによりロック部材挿通部の周囲を挟持して取り付けられる。
そして、ハンドル83の初期位置(この場合、駆動軸84が外側の円筒部81から最大限に突出し、係止部85がラック本体A側の被係合部に対して離脱されており、また、ハンドル83はハンドルの軸832が内側の円筒部82の溝形の中空部823及び外側の円筒部81の一方の溝816を通して外側の円筒部81の軸方向に対して直角に倒伏されて折り畳まれた状態)から、ハンドル83を引き起こし、ハンドルの軸832を作動連結位置にして、このハンドル83を所定の一方向に一定の角度(この場合、略90°)まで回転操作すると、外側の円筒部81内で内側の円筒部82がハンドル83と一体に回転され、この蓋ロック部材8のガイド機構86の作用により、内側の円筒部82内で駆動軸84が同方向に回転するとともに係止部85が同方向に回動して枠構成フレーム2に設けられた所定の被係合部に係合し、ハンドル83をさらに同方向に一定の角度(この場合、略30°)まで回転すると、外側の円筒部81内で内側の円筒部82がハンドル83と一体に回転され、この蓋ロック部材8のガイド機構86の作用により、内側の円筒部82内で駆動軸84が後退運動するとともに係止部85が同方向に移動して枠構成フレーム2と蓋枠構成フレーム72とを相互に引き寄せる方向に加圧され、各枠構成フレーム2、72が圧接された状態で、ラック本体Aと蓋B1、B2がロックされる。このようにしてラック本体Aと蓋B1、B2をロック状態にすると、内側の円筒部82の溝形の中空部823の外周部開口824と外側の円筒部81の大径部811の一方の溝816が一致して連通し、ハンドルの軸832が直角に回動可能となり、ハンドル83をこの中空部823及び溝816に向けて倒し、ハンドルの軸832をこの中空部823及び溝816を通して大径部811の軸方向に対して直角に倒伏して、作動連結解除位置にすると、この中空部823及び溝816と軸832との係合によりハンドル83の回転方向の動きが規制されてハンドル83がロックされ、これにより蓋ロック部材8の緩みが防止されて、ラック本体Aと蓋B1、B2との確実なロック状態が得られる。また、この場合、ハンドル83を倒すことで、このハンドル83が蓋B1、B2の外周縁部をなす蓋枠構成フレーム72の外側縁部の高さ内に収められる。
なお、この中空部823及び溝816を通して倒伏されたハンドル83を反対に90°回動して作動連結位置に引き起こすと、この中空部823及び溝816と軸832との係合が外れてハンドル83のロックが解除される。そして、ハンドル83を他方向、つまり反対方向に一定の角度(この場合、略30°)までに回転すると、外側の円筒部81内で内側の円筒部82がハンドル83と一体に回転され、この蓋ロック部材8のガイド機構86の作用により、内側の円筒部82内で駆動軸84が前進運動するとともに係止部85が同方向に移動して枠構成フレーム2と蓋枠構成フレーム72とを相互に引き寄せる方向の加圧力が解除されて、各枠構成フレーム2、72間の接触が緩められ、ハンドル83をさらに同方向に一定の角度(この場合、略90°)まで回転すると、外側の円筒部81内で内側の円筒部82がハンドル83と一体に回転され、この蓋ロック部材8のガイド機構86の作用により、内側の円筒部82内で駆動軸84が同方向に回転するとともに係止部85が同方向に回動して枠構成フレーム2に設けられた所定の被係合部に対する係合が解除され、ラック本体Aと蓋B1、B2とのロック状態が解除される。
【0030】
このように各種の機器を収納したラックR1は、
図1に示すように、このままの状態で設置してもよく、このままの状態から搬送することもできる。また、複数のラックR1を上下方向に積み重ねたり、あるいは左右方向に並置したり、又は上下左右に組み合わせて設置したりすることもできる。
このラックR1の場合、既述のとおり、各コーナーフレーム1が、箱形の各コーナーCを傾斜面とするコーナー中央部101、コーナー中央部101の一端から箱形の幅方向に延び、枠構成フレーム2と連結される幅方向延長部102、コーナー中央部101の他端から箱形の高さ方向に延び、枠構成フレーム2と連結される高さ方向延長部103、及びコーナー中央部101の奥行側縁部から奥行方向に延び、奥行フレーム3と連結される奥行方向延長部104を有し、これらコーナーフレーム1のコーナー中央部101と、正面側の各コーナーフレーム1のコーナー中央部101と背面側の各コーナーフレーム1のコーナー中央部101との間に連結される各奥行フレーム3により、箱形全体が断面略8角形に構成されるので、複数のラックR1を一列に又は複列に並べたり多段的に積み重ねたりする場合に、隣り合う各ラックR1間の隙間が小さくて済み、このため、各ラックR1が隣接しやすく、複数のラックR1を並べる場合でも積み重ねる場合でも作業を容易に行うことができる。
また、このラックR1の場合、各コーナーフレーム1、各枠構成フレーム2、各奥行フレーム3、各パネル4、各蓋コーナーフレーム71、各蓋枠構成フレーム72、各蓋パネル73がアルミニウム材料(アルミニウム合金)により形成されるので、ラックR1全体に軽量で、十分な強度を持たせることができ、さらに、各コーナーフレーム1の幅方向延長部102と枠構成フレーム2、高さ方向延長部103と枠構成フレーム2、奥行方向延長部104と奥行フレーム3がそれぞれ、スプリングピン252、352、取付ねじ251、351及びナット350を介して連結されるので、ラックR1に大きな衝撃が加えられた場合でも、ラックR1全体の変形を防止することができる。したがって、ラックR1の搬送の際に、複数のラックR1を車両や航空機などの輸送手段に積み重ねて搭載しても、下のラックR1が上のラックR1の重みで変形してラックR1内の機器を損傷させる恐れかなく、また、これら各種の機器を収納したラックR1を所定の設置場所に所要のレイアウトで積み上げても、同様に、下のラックR1が上のラックR1の重みで変形してラックR1内の機器を損傷させる恐れもなく、各種の機器をラックR1ごと自由なレイアウトで安定的に確実に段積み配置することができる。
【0031】
また、このラックR1を設置面に設置する場合、
図11に示すように、ラック本体Aの下面側の各奥行フレーム3の外側の面に前後に1つずつ脚37を取り付ければ、これらの脚37を使って設置面に設置することができる。この場合、ラック本体Aの各奥行フレーム3の外側の面にこの面の両側部に沿ってそれぞれ内方に向けて断面略L字形に突出するフランジ311が設けられて、外側の面に溝31が形成され、この奥行フレーム3の外側の面に各種の付属部品をねじ式の取付部品3Pにより着脱可能に取り付けるようにしているので、脚37を簡易に取り付けることができ、しかもこれらの脚37がラックR1のパネル4面から外側に大きく突出することがないので、ラックR1の搬送や設置の際に邪魔になることがない。また、この場合、各脚37の脚部本体371の下端面にシリコンラバー375が被着されているので、各脚37の滑りが防止され、床面にホールドしやすい。
また、このラックR1の場合、ラック本体Aに脚37を取り付けていても、
図20に示すように、各ラックR1を上下方向に積み重ねることができる。この場合、各ラックR1の左右両側の各脚37がハの字形になって各ラック本体Aの各コーナーC、すなわち、各奥行フレーム3の斜めの外側の面に沿って当接されているので、これがずれ止めになって、各ラックR1が安定される。また、この場合、各脚37の各奥行フレーム3の斜めの外側の面に当接する面にポリアセタール樹脂(POM)などのエンジニアリングプラスチック376が付設されて、滑りをよくしてあるので、各脚37の内側面がラックR1の各フレームや各パネルに当たっても傷つけにくくなっている。さらに、この場合、各脚37が前後方向にずれるようなことがあっても、各ラック本体Aのコーナーフレーム1により各脚37の前端方向又は後端方向の動きが規制されるので、各ラックR1間のずれは確実に防止される。
【0032】
さらに、このラックR1を搬送する場合、
図11に示すように、ラック本体Aの上面側の各奥行フレーム3の外側の面に前後に1つずつ取っ手36を取り付ければ、これらの取っ手36により、ラックR1の上げ下ろし、搬送を容易に行うことができる。この場合、ラック本体Aの各奥行フレーム3の外側の面にこの面の両側部に沿ってそれぞれ内方に向けて断面略L字形に突出するフランジ311が設けられて、外側の面に溝31が形成され、この奥行フレーム3の外側の面に各種の付属部品をねじ式の取付部品3Pにより着脱可能に取り付けるようにしているので、取っ手36を簡易に取り付けることができ、しかもこれらの取っ手36がラックR1のパネル4面から外側に大きく突出することがないので、ラックR1の搬送や設置の際に邪魔になることがない。
【0033】
また、このラックR1では、上下に積み重ねられる複数のラックR1間を固定するためにロック装置38を備えており、このロック装置38は、ラックR1が上下に積み重ねられた状態において、上面側の各奥行フレーム3の外側の面の前後にそれぞれ所定の間隔をあけて取り付けられる2つの取っ手台座363、及び各2つの取っ手台座363のうち奥側の取っ手台座363aで手前側の取っ手台座363bに対向する面に形成される係合凹部364と、下面側の各奥行フレーム3の外側の面の前後にそれぞれ上面側の各奥行フレーム3の前後の各取っ手台座363の間で各奥側の取っ手台座363aに連接可能に取り付けられる脚37、各脚37の各奥側の取っ手台座363aに対向する面に形成され、各奥側の取っ手台座363aの係合凹部364に係合可能な係止凸部377、及び各手前側の脚37の各前側の取っ手36の各手前側の取っ手台座363bに対向する面に垂直方向に回動可能に取り付けられ、各手前側の脚37と各手前側の取っ手台座363bとの間に係脱可能なロックレバー383とにより構成されるので、複数のラックR1を上下に積み重ねる際に、下のラックR1上で上のラックR1を手前側から奥側に向けて少しスライドさせるようにして重ね合わせることで、下のラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各取っ手36の奥側の取っ手台座36の係合凹部364と、上のラックR1の下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各脚37の係止凸部377部が係合し、この状態から、上のラック3の下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各手前側の脚37と下のラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各前側の取っ手36の各手前側の取っ手台座363との間にロックレバー38を係合させることで、上下の各ラックR1の動きが規制され、上下の各ラックR1間を確実に固定することができる。
【0034】
このようにこのラックR1では各種の機器を収納して自由なレイアウトで多段的に積み重ねることができるので、キャビネット型のラックとして利用することができるとともに、これらの機器を屋内で移動したり屋外へ移動したりするような場合でも、各機器をラックR1に収納した状態でラックR1ごと容易に搬送、設置することができる。また、同一の設置場所においても、これらの機器を一つのシステムとしてより使いやすいレイアウトに組み立てし直したり機器の変更又は追加により全体又は一部の機器のレイアウトを変更したりしようとする場合に、各機器をラックR1ごと出し入れして、所望のレイアウトを容易に作ることができる。
【0035】
また、このラックR1には、既述とおり、
図15に示すラック移動用のラック専用台車5が付属されており、このラック専用台車5は、各車輪57が台フレーム54の下方に突出されて転動可能に、また、台フレーム54内に折り畳まれて収納可能に取り付けられているので、ラック専用台車5を使ってラックR1を搬送する場合は、各車輪57を台フレーム54の下方に突出させ、ラック専用台車5を使用しない場合は、各車輪57を台フレーム54内に折り畳み収納する。
ラック専用台車5をラックR1の搬送に使用する場合、
図16、
図17に示すように、各ストッパー60を解除し、各支持部材56を垂直方向に回動して、各支持部材56を垂直位置で各ストッパー60により垂直位置に固定する。この場合、ストッパー60はねじ式で、各支持部材56のねじ穴61から各水平方向ガイド59のねじ穴63にねじ64が通されているので、まず、このねじ64を取り外す。そして、各支持部材56を垂直方向に回動して、各支持部材56を垂直位置で、各支持部材56のねじ穴61から各垂直方向ガイド58のねじ穴62に共通に使用するねじ64を通して締結することにより固定して、各支持部材56先端の各車輪57を台フレーム54の下方に向けて突出し固定する。これにより、ラック専用台車5は走向可能状態となる。そして、このラック専用台車5上に1個又は複数個のラックR1を積み重ねて載せ、ラックR1を搬送方向に押せば、ラック専用台車5の各車輪57はラックR1が押された方向に向けて転動し、ラックR1を容易に移動することができる。
また、ラック専用台車5を使用しない場合は、各支持部材56のねじ穴61から各垂直方向ガイド58のねじ穴62に締結されているねじ64を取り外した後、各支持部材56を水平方向に回動して、各支持部材56を水平位置で、各支持部材56のねじ穴61から各水平方向ガイド59のねじ穴63に共通に使用するねじ64を通して締結することにより固定して、各支持部材56先端の各車輪57を台フレーム54内に折り畳み固定する。これにより、ラック専用台車5は台フレーム54のみの外観をなす。また、このラック専用台車5の場合、各奥行フレーム53にラック本体Aと同様の奥行フレーム3が使用されるので、ラック本体Aと同様に奥行フレーム54に脚37などの付属部品を取り付けることができる。例えば、脚37をラック本体Aと同様に取り付けることにより、この不使用時のラック専用台車5をラックR1上で手前側から奥側に向けて少しスライドさせるようにして重ね合わせることで、ラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各取っ手36の奥側の取っ手台座363の係合凹部364と、このラック専用台車5の各奥行フレーム53の外側の面に取り付けられた各脚37の係止凸部377が係合し、この状態から、ラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた取っ手36とこのラック専用台車5の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた脚37との間にロックレバー383を係合させることで、ラックR1上に重ねたラック専用台車5を確実に固定することができる。したがって、このラック専用台車5をラックR1とともに車両や航空機など各種の輸送手段に載せて輸送する場合に、ラック専用台車5をラックR1上に積み重ねておくことができる。
なお、このラック専用台車5には、台フレーム54のスペース50に平板状のラック載置用のプレート501が収納されるので、ラックR1の設置面が柔らかい床などで、ラックR1の重量によりラックR1の脚37で凹んでしまうような場合に、ラック専用台車5からラック載置用のプレート501を取り出して、ラックR1の設置面に敷設することで、設置面を保護することができる。
【0036】
以上説明したように、この機器収納用ラックR1は、正面、背面に開口を有し、全体が箱形に構成されるラック本体Aと、ラック本体Aの正面、背面の各開口を開閉する正面、背面の蓋B1、B2とを備え、ラック本体A、及び正面、背面の各蓋B1、B2に有する次の各構成により次のような効果を奏することができる。
(1)ラック本体Aは、正面側及び背面側の各コーナーCをなすコーナーフレーム1と、正面側及び背面側の各コーナーフレーム1間に連結されて、各コーナーフレーム1とともに正面側及び背面側の各枠F1、F2を構成する枠構成フレーム2と、正面側の各コーナーフレーム1と背面側の各コーナーフレーム1間に連結されて、正面側及び背面側の各枠F1、F2間を繋ぐ奥行フレーム3と、各コーナーフレーム1、各枠構成フレーム2及び各奥行フレーム3により囲まれた面内に取り付けられて、上下左右の各面Pをなすパネル4とを備え、各コーナーフレーム1は、正面側及び背面側の各コーナーCを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部101、コーナー中央部101の一端から箱形の幅方向に延び、枠構成フレーム2と連結される幅方向延長部102、コーナー中央部101の他端から箱形の高さ方向に延び、枠構成フレーム2と連結される高さ方向延長部103、及びコーナー中央部101の奥行側縁部から奥行方向に延び、奥行フレーム3と連結される奥行方向延長部104を有し、各奥行フレーム3は各コーナーフレーム1の奥行方向延長部104に斜めに連結されて、これらコーナーフレーム1及び奥行フレーム3により、ラック本体A全体が断面略8角形に構成され、正面、背面の蓋B1、B2はそれぞれ、正面、背面の各コーナーをなす蓋コーナーフレーム71と、各蓋コーナーフレーム71間に連結されて、各蓋コーナーフレーム71とともに正面、背面の蓋B1、B2の枠を構成する蓋枠構成フレーム72と、各蓋コーナーフレーム71及び各蓋枠構成フレーム72により囲まれた面内に取り付けられて、正面、背面の蓋B1、B2の面をなす蓋パネル73と、正面、背面の蓋B1、B2の蓋枠構成フレーム72に装着され、正面、背面の蓋B1、B2とラック本体Aとを固定する蓋ロック部材8とを備え、蓋コーナーフレーム71は、蓋B1、B2の各コーナーを傾斜面とする傾斜面形状のコーナー中央部711、コーナー中央部711の一端から蓋B1、B2の幅方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される幅方向延長部712、コーナー中央部711の他端から蓋B1、B2の高さ方向に延び、蓋枠構成フレーム72と連結される高さ方向延長部713を有し、全体がラック本体Aに対応する断面略8角形に構成されるので、ボックス型のラックR1として構成し、キャビネット型のラックに比べて、全体の大きさを小さくすることができ、コンピュータ、通信機器など各種の機器を屋内で移動したり屋外へ移動したりしようとする場合に、各種の機器をこのラックR1に収納した状態でラックR1ごと搬送、設置することができる。
特に、このラックR1の場合、ラック本体Aが正面及び背面の蓋B1、B2とともに、断面略8角形に構成されることで、複数のラックR1を一列に又は複列に並べたり多段的に積み重ねたりする場合に、隣り合う各ラックR1間の隙間が小さくて済み、このため、各ラックR1が隣接しやすく、複数のラックR1を並べる場合でも積み重ねる場合でも作業を容易に行うことができる。
また、この場合、ラックR1は、ラック本体Aの各コーナーフレーム1、各枠構成フレーム2、各奥行フレーム3、各パネル4、各蓋B1、B2の各蓋コーナーフレーム71、各蓋枠構成フレーム72、各蓋パネル73がアルミニウム材料(アルミニウム合金)により形成されて、ラック1全体に軽量で、十分な強度を持たせることができ、さらに、ラック本体Aの各コーナーフレーム1の幅方向延長部102と枠構成フレーム2、高さ方向延長部203と枠構成フレーム2、奥行方向延長部104と奥行フレーム3はそれぞれ、スプリングピン252、352、取付ねじ251、351及びナット350を介して連結され、各蓋B1、B2の各蓋コーナーフレーム72の幅方向延長部712と蓋枠構成フレーム72、高さ方向延長部713と蓋枠構成フレーム72はそれぞれ、スプリングピン、取付ねじ及びナットを介して連結されるので、ラックR1に大きな衝撃が加えられた場合でも、ラックR1全体の変形を防止することができる。したがって、ラックR1の搬送の際に、複数のラックR1を車両や航空機などの輸送手段に積み重ねて搭載しても、下のラックR1が上のラックR1の重みで変形してラックR1内の機器を損傷させる恐れかなく、また、これら各種の機器を収納したラックR1を所定の設置場所に所要のレイアウトで積み上げても、同様に、下のラックR1が上のラックR1の重みで変形してラックR1内の機器を損傷させる恐れもなく、各種の機器をラックR1ごと自由なレイアウトで安定的に確実に段積み配置することができる。
このようにこのラックR1では各種の機器を収納して自由なレイアウトで多段的に積み重ねることができるので、キャビネット型のラックとして利用することができるとともに、これらの機器を屋内で移動したり屋外へ移動したりするような場合でも、各機器をラックR1に収納した状態でラックR1ごと容易に搬送、設置することができる。また、同一の設置場所においても、これらの機器を一つのシステムとしてより使いやすいレイアウトに組み立てし直したり機器の変更又は追加により全体又は一部の機器のレイアウトを変更したりしようとする場合に、各機器をラックごと出し入れして、所望のレイアウトを容易に作ることができる。
(2)ラック本体Aの各奥行フレーム3に外側の面の両側部に沿ってそれぞれ内方に向けて断面略L字形に突出するフランジ311が設けられて、外側の面に溝31が形成され、この外側の面に、各種の付属部品が、奥行フレーム3の各フランジ311の内面間に係合可能な固定部材33と、各種の付属部品に一体的に設けられ、奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置可能な取付部材34とをそれぞれ各フランジ411に圧接可能にねじ35で締め付けるねじ式の取付部品3Pにより着脱可能に取り付けられるので、取っ手36や脚37など各種の付属部品を簡易に取り付けることができ、しかも付属部品がラックR1のパネル面から外側に大きく突出することがなく、ラックR1の搬送や設置の際に邪魔になることがない。
(3)取付部品3Pは、奥行フレーム3の外側の面の各フランジ311間の開口幅より小さい幅で、かつ各フランジ311間の開口幅より大きく溝31の底部側の幅と略同じか少し小さい長さを有し、各フランジ311の内面間に係脱可能な平板に形成され、当該平板の長さ方向の中間部でフランジ311の開口に対向する位置に表側の平面から裏側の平面に向けて貫通するねじ穴330を有する固定部材33と、各種の付属部品側に一体的に、奥行フレーム3の各フランジ331の外面間に跨って設置可能な各種の形状に形成され、当該各種の形状のフランジ331間の開口に対向する位置に固定部材33のねじ穴330に対応して表側から裏側に向けて貫通するねじ穴340を有する取付部材34と、取付部材34のねじ穴340から各フランジ331間の開口を通して固定部材33のねじ穴330に貫通して螺合されるねじ35とを備え、固定部材33の幅方向を奥行フレーム3の各フランジ331間に合わせ、固定部材33を各フランジ311間の開口を通して、溝31の底面側へ挿入した後、固定部材33を回転し、固定部材33の長さ方向を溝31の幅方向に向けて各フランジ311の内面に係合可能に配置し、この状態で、取付部材34を奥行フレーム3の各フランジ311の外面間に跨って設置し、取付部材34及び固定部材33の各ねじ穴340、330間に各フランジ311間の開口を通してねじ35を挿通し締め込むことにより、固定部材33と取付部材34をそれぞれ、各フランジ311に内側及び外側から圧接させて、各種の付属部品を奥行フレーム3の外側の面上に固定する形式に構成されるので、ラック本体Aの各コーナーCの奥行フレーム3の外側の面に、各種の付属部品を簡易かつ確実に取り付けることができる。
この場合、ラック本体Aの下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる付属部品として脚37を備え、脚37に取付部材34が一体的に形成され、脚37は、固定部材33、取付部材34及びねじ35を介して下面側の奥行フレーム3の外側の面に固定されて取り付けられるので、ラック本体Aの下面側の奥行フレーム3の外側の面に、脚37を簡易かつ確実に取り付けることができる。この脚37を使ってラックR1を設置面に設置することができる。この設置に当たり、脚37の下端面にシリコンラバー375が被着されているので、床面などで脚37の滑りが防止され、優れたホールド性がある。
また、この脚37は、下面側の奥行フレーム3から当該下面側の奥行フレーム3の側方に突出することなしに下方に向けて延びる脚部本体371と、脚部本体371の上面側に形成され、下面側の奥行フレーム3を支持可能な斜めのフレーム支持部372、及びこのフレーム支持部372の下端から水平方向に向けて延び、下面のパネル4の縁部付近を支持可能なパネル支持部373と、脚部本体371の内側でパネル支持部373と脚部本体371の下部との間に形成され、上面側の奥行フレーム3に当接可能な斜めのフレーム係合部374とを有するので、脚37がラックR1のパネル4面から外側に大きく突出することがなく、ラックR1の搬送や設置の際に邪魔になることがなく、また、ラック本体Aに脚37を取り付けていても、各ラックR1を上下方向に積み重ねることができ、この場合、各ラックR1の左右両側の各脚37がハの字形になって各ラック本体Aの各奥行フレーム3の斜めの外側の面に沿って当接されるので、これがずれ止めになって、各ラックR1を安定させることができる。また、この場合、各脚37の内側面にポリアセタール樹脂(POM)などのエンジニアリングプラスチック376が付設されて、滑りをよくしてあるので、脚37の内側面が各ラックR1の各フレームや各パネルに当たっても傷つけにくい利点がある。
また、この場合、ラック本体Aの上面側の奥行フレーム3の外側の面に取り付けられる付属部品として取っ手36を備え、取っ手36の取っ手台座363に取付部材34が一体的に形成され、取っ手台座363は、固定部材33、取付部材34及びねじ35を介して上面側の奥行フレーム3の外側の面に固定されて取り付けられるので、ラック本体Aの上面側の奥行フレーム3の外側の面に、取っ手36を簡易かつ確実に取り付けることができる。
しかも、この取っ手36は、略コ字形又は略U字形をなし、両端に取付軸362を有する取っ手本体361と、上面側の奥行フレーム3の側方に突出することなしにこの奥行きフレーム3上に設置可能に形成され、取っ手本体361の各取付軸362を軸支する一対の取っ手台座363とを有し、取っ手台座363は、両側面が略三角形の面をなし、各フランジ311間に跨って設置可能な三角柱に形成されるので、取っ手36がラックR1のパネル4面から外側に大きく突出することがなく、ラックR1の搬送や設置の際に邪魔になることがない。
さらに、この取っ手36は一方の取付軸362が他方の取付軸362に対して所定の角度を付け偏芯されて、取っ手台座363に軸支されるので、取っ手36の回動を適度に規制してばたつきを防止することができる。
(4)上下に積み重ねられる複数のラックR1間を固定するためにロック装置38を備え、このロック装置38は、ラックR1が上下に積み重ねられた状態において、上面側の各奥行フレーム3の外側の面の前後にそれぞれ所定の間隔をあけて取り付けられる2つの取っ手台座363、及び各2つの取っ手台座363のうち奥側の取っ手台座363aで手前側の取っ手台座363bに対向する面に形成される係合凹部364と、下面側の各奥行フレーム3の外側の面の前後にそれぞれ上面側の各奥行フレーム3の前後の各取っ手台座363の間で各奥側の取っ手台座363aに連接可能に取り付けられる脚37、各脚37の各奥側の取っ手台座363aに対向する面に形成され、各奥側の取っ手台座363aの係合凹部364に係合可能な係止凸部377、及び各手前側の脚37の各前側の取っ手36の各手前側の取っ手台座363bに対向する面に垂直方向に回動可能に取り付けられ、各手前側の脚37と各手前側の取っ手台座363bとの間に係脱可能なロックレバー383とにより構成されるので、複数のラックR1を上下に積み重ねる際に、下のラックR1上で上のラックR1を手前側から奥側に向けて少しスライドさせるようにして重ね合わせることで、下のラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各取っ手36の奥側の取っ手台座36の係合凹部364と、上のラックR1の下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各脚37の係止凸部377部が係合し、この状態から、上のラック3の下面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各手前側の脚37と下のラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各前側の取っ手36の各手前側の取っ手台座363との間にロックレバー38を係合させることで、上下の各ラックR1の動きが規制され、上下の各ラックR1間を確実に固定することができる。
(5)ラック本体Aは2重構造をなし、ラック本体A内部に各種の機器を収容するためのインナーフレームaを備え、インナーフレームaはラック本体A内部に防振ゴムM12を介して設置された支持フレームM13に弾性的に支持されるので、ラック本体Aに大きな衝撃が加えられた場合でも、ラック本体A内部にインナーフレームaを介して収納した各種の機器をその衝撃から確実に保護することができる。
(6)蓋ロック部材8は、外側の円筒部81と、外側の円筒部81内に回転可能に嵌挿される内側の円筒部82、及び内側の円筒部82の基端部に当該円筒部の軸方向に対して直角方向に回動可能に取り付けられ、外側の円筒部81内で内側の円筒部82を回転操作するためのハンドル83と、内側の円筒部82内に回転可能にかつ進退可能に挿通され、外側及び内側の各円筒部81、82の先端から突出する駆動軸84、及び駆動軸84の先端側に当該軸方向に対して直角方向に向けて突設され、ラック本体A側の所定の被係合部に係止可能な係止部85と、外側の円筒部81及び内側の円筒部82と駆動軸84との間に形成され、内側の円筒部82の一方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内し、駆動軸84が当該回転方向に所定の角度だけ回転した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を後退方向に移動案内し、内側の円筒部82の他方向の回転運動により、駆動軸84を内側の円筒部82の軸上を前進方向に移動案内し、駆動軸84が内側の円筒部82内を所定の距離だけ前進移動した地点で駆動軸84を内側の円筒部82の回転方向に所定の角度だけ回転案内するガイド機構86とを備え、外側の円筒部81が蓋枠構成フレーム72に挿着されて、ハンドル83を所定の一方向に90°回転操作することにより、係止部85をラック本体A側の所定の被係合部に対して係合し、ハンドル83をさらに所定の一方向に30°回転操作することにより、枠構成フレーム2と蓋枠構成フレーム72とを相互に引き寄せる方向に圧接した状態にロックするようにしたので、ラック本体Aと蓋B1、B2とを簡単かつ確実に、しかも強固に固定することができ、また、ハンドル83の他方向への反対の回転操作により、係止部85のラック本体A側の被係合部に対する係合を解除できるので、ラック本体Aからの蓋B1、B2の取り外しもまた簡単かつ確実に行うことができる。また、ハンドル83を90°倒し、外側、内側の各円筒部81、82の各溝を通して折り畳むことにより、ハンドル83をロックすることができ、ハンドル83に振動などを受けることがあってもハンドル83の回転を防止して、ラック本体Aと蓋B1、B2との間のロックをより確実に保持することができる。さらに、ハンドル83を倒すことで、このハンドル83を蓋B1、B2の外周縁部の高さ内に収めることができるので、ラックR1のハンドル83が他のラックやラック周囲の壁面などに衝突することがない。
(7)ラック移動用のラック専用台車5を備え、このラック専用台車5は、正面側及び背面側の各コーナーをなすコーナーフレーム51と、正面側及び背面側の各コーナーフレーム51間に連結されて、各コーナーフレーム51とともに正面側及び背面側の各枠を構成する枠構成フレーム52と、正面側の各コーナーフレーム51と背面側の各コーナーフレーム51間に連結されて、正面側及び背面側の各枠間を繋ぐ奥行フレーム53とを有する、ラックR1を載せるための台フレーム54と、台フレーム54内の各コーナーにヒンジ部材55を介して垂直方向に回動可能に取り付けられる支持部材56と、各支持部材56の回動端に軸受57を介して軸支される車輪570と、台フレーム54内に設置され、各支持部材56を垂直位置で回動を規制し、各車輪57を台フレーム54の下方に突出案内する垂直方向ガイド58、及び各支持部材56を水平位置で回動を規制し、各車輪57を台フレーム54内に収納案内する水平方向ガイド59と、各支持部材56を垂直位置で垂直方向ガイド58に固定し、水平位置で水平方向ガイド59に固定するストッパー60とを備え、車輪57は台フレーム54の下方に突出されて転動可能に、また、台フレーム54内に折り畳まれて収納可能に構成されるので、各車輪57を台フレーム54の下方に突出させて、ラック専用台車5として使用すれば、1個又は複数個のラックR1を容易に搬送することができ、また、このラック専用台車5を使用しないときは、各車輪57を台フレーム54内に折り畳み収納し、台フレーム54のみの外観とすることで、このラック専用台車5を邪魔にならないところに重ねて置いておくことができる。また、このラック専用台車5の場合、各奥行フレーム53にラック本体Aと同様の奥行フレーム3が使用されるため、ラック本体Aと同様に奥行フレーム53に脚37などの付属部品を取り付けることができ、例えば、脚37をラック本体Aと同様に取り付けることにより、この不使用時のラック専用台車5をラックR1上で手前側から奥側に向けて少しスライドさせるようにして重ね合わせることで、ラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた各取っ手36の奥側の取っ手台座363の係合凹部364と、このラック専用台車5の各奥行フレーム53の外側の面に取り付けられた各脚37の係止凸部377が係合し、この状態から、ラックR1の上面側の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた取っ手36とこのラック専用台車5の各奥行フレーム3の外側の面に取り付けられた脚37との間にロックレバー383を係合させることで、ラックR1上に重ねたラック専用台車5を確実に固定することができる。したがって、このラック専用台車5をラックR1とともに車両や航空機など各種の輸送手段に載せて輸送する場合に、ラック専用台車5をラック上R1に積み重ねておくことができる。
なお、このラック専用台車5には、台フレーム54のスペース50に平板状のラック載置用のプレート501が収納されるので、ラックR1の設置面が柔らかい床などで、ラックR1の重量によりラックR1の脚37で凹んでしまうような場合に、ラック専用台車5からラック載置用のプレート501を取り出して、ラックR1の設置面に敷設することで、設置面を保護することができる。
(8)以上により、このラックR1によれば、屋内、屋外を問わず、コンピュータ、通信機器など各種の機器の収納、搬送及び設置を簡単かつ確実に行うことができる。