(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722977
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】物理ダウンリンク制御チャンネルの拡張
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20150507BHJP
【FI】
H04W72/04 111
H04W72/04 136
【請求項の数】40
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-212628(P2013-212628)
(22)【出願日】2013年10月10日
(62)【分割の表示】特願2012-532006(P2012-532006)の分割
【原出願日】2010年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-3724(P2014-3724A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年10月10日
(31)【優先権主張番号】61/246,380
(32)【優先日】2009年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/246,387
(32)【優先日】2009年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アリス・パパサックエラーリオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ヨン・チョ
【審査官】
倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/041779(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/022879(WO,A2)
【文献】
3GPP TS 36.213 V8.7.0,2009年 5月,pp.64-65
【文献】
Component carrier indication scheme for carrier aggregation,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #58 R1-093465,2009年 8月18日,pp.1-3
【文献】
Considerations on Carrier Indicator,3GPP TSG-RAN WG1 meeting #58 R1- 093207,2009年 8月19日,pp.1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア集合(Carrier Aggregation)をサポートする通信システムにおいて、少なくとも一つのダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する方法であって、
ノードBから上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報を受信する動作と、
前記ノードBから上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報を受信する動作と、
CCE集合レベル、UE ID及び少なくとも一つのキャリア指示値に基づいてUE特定サーチスペースを定義する動作と、ここで、前記UE特定サーチスペースは、前記CCE集合レベルに基づく物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)候補の集合を含み、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングする動作と、
前記少なくとも一つのDCIを獲得する動作と、を含み、
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示に基づくことを特徴とするDCI受信方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示と同一であることを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項3】
前記上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項4】
前記上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項5】
キャリア指示の存在しないことを示す情報が受信された場合、
前記CCE集合レベル及び前記UE IDに基づいてUE特定サーチスペースを定義する動作と、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングする動作と、
前記少なくとも一つのDCIを獲得する動作と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項6】
キャリア指示のないPDCCHのための共通サーチスペースをモニタリングする動作をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項7】
前記CCE集合レベルに基づいて共通サーチスペースを定義する動作と、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングする動作と、
前記少なくとも一つのDCIを獲得する動作と、をさらに含み、
前記少なくとも一つのDCIは、キャリア指示を含まないことを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項8】
全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、キャリア指示の存在を示す情報に関係なくキャリア指示を含まないことを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項9】
前記全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、共通サーチスペース上の少なくとも一つのPDCCHに含まれる少なくとも一つのDCIフォーマットであることを特徴とする請求項8に記載のDCI受信方法。
【請求項10】
単一セルを通じた多重セルスケジューリングを示す情報を上位階層シグナリングにより受信する動作をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDCI受信方法。
【請求項11】
キャリア集合(Carrier Aggregation)をサポートする通信システムにおいて、少なくとも一つのダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する装置であって、前記装置は、
ノードBから上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報を受信し、
前記ノードBから上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報を受信し、
CCE集合レベル、UE ID及び少なくとも一つのキャリア指示値に基づいてUE特定サーチスペースを定義し、ここで、前記UE特定サーチスペースは、前記CCE集合レベルに基づく物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)候補の集合を含み、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングし、
前記少なくとも一つのDCIを獲得するように構成され、
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示に基づくことを特徴とするDCI受信装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示と同一であることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項13】
前記上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項14】
前記上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項15】
キャリア指示の存在しないことを示す情報が受信される場合、前記装置は、
前記CCE集合レベル及び前記UE IDに基づいてUE特定サーチスペースを定義し、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングし、
前記少なくとも一つのDCIを獲得するようにさらに構成されることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項16】
前記装置は、
キャリア指示のないPDCCHのための共通サーチスペースをモニタリングするようにさらに構成されることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項17】
前記装置は、
前記CCE集合レベルに基づいて共通サーチスペースを定義し、
少なくとも一つのDCIを含む少なくとも一つのPDCCHを各々前記UE IDによりデコーディングし、
前記少なくとも一つのDCIを獲得するようにさらに構成され、
前記少なくとも一つのDCIは、キャリア指示を含まないことを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項18】
全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、キャリア指示の存在を示す情報に関係なくキャリア指示を含まないことを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項19】
前記全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、共通サーチスペース上の少なくとも一つのPDCCHに含まれる少なくとも一つのDCIフォーマットであることを特徴とする請求項18に記載のDCI受信装置。
【請求項20】
前記装置は、
単一セルを通じた多重セルスケジューリングを示す情報を上位階層シグナリングにより受信するようにさらに構成されることを特徴とする請求項11に記載のDCI受信装置。
【請求項21】
キャリア集合(Carrier Aggregation)をサポートする通信システムにおいて、少なくとも一つのダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を送信する方法であって、
上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報をユーザ端末(User Equipment;UE)に転送する動作と、
上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報を前記UEに転送する動作と、を含み、
CCE集合レベル、UE ID及び少なくとも一つのキャリア指示に基づくUE特定サーチスペースが定義され、前記UE特定サーチスペースは、前記CCE集合レベルに基づく物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)候補の集合を含み、
前記少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含み、
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示に基づくことを特徴とするDCI送信方法。
【請求項22】
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示と同一であることを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項23】
前記上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項24】
前記上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項25】
キャリア指示の存在しないことを示す情報が送信された場合、
前記CCE集合レベル及び前記UE IDに基づいてUE特定サーチスペースが定義され、少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含むことを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項26】
キャリア指示のないPDCCHのための共通サーチスペースが定義されることを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項27】
前記CCE集合レベルに基づいて共通サーチスペースが定義され、
少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含み、
前記少なくとも一つのDCIは、キャリア指示を含まないことを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項28】
全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、キャリア指示の存在を示す情報に関係なくキャリア指示を含まないことを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項29】
前記全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、共通サーチスペース上の少なくとも一つのPDCCHに含まれる少なくとも一つのDCIフォーマットであることを特徴とする請求項28に記載のDCI送信方法。
【請求項30】
単一セルを通じた多重セルスケジューリングを示す情報を上位階層シグナリングにより送信する動作をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載のDCI送信方法。
【請求項31】
キャリア集合(Carrier Aggregation)をサポートする通信システムにおいて、少なくとも一つのダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を送信する装置であって、前記装置は、
上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報をユーザ端末(User Equipment;UE)に転送し、
上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報を前記UEに転送し、
CCE集合レベル、UE ID及び少なくとも一つのキャリア指示に基づくUE特定サーチスペースが定義され、前記UE特定サーチスペースは、前記CCE集合レベルに基づく物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)候補の集合を含み、
前記少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含み、
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示に基づくことを特徴とするDCI送信装置。
【請求項32】
前記少なくとも一つのキャリア指示値は、前記少なくとも一つのセル指示と同一であることを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項33】
前記上位階層シグナリングを通じてキャリア指示の存在を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項34】
前記上位階層シグナリングを通じて少なくとも一つのセル指示を示す情報は、UE特定であることを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項35】
キャリア指示の存在しないことを示す情報が送信された場合、
前記CCE集合レベル及び前記UE IDに基づいてUE特定サーチスペースが定義され、少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含むことを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項36】
キャリア指示のないPDCCHのための共通サーチスペースが定義されることを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項37】
前記CCE集合レベルに基づいて共通サーチスペースが定義され、
少なくとも一つのPDCCHは、各々前記UE IDにより少なくとも一つのDCIを含み、
前記少なくとも一つのDCIは、キャリア指示を含まないことを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項38】
全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、キャリア指示の存在を示す情報に関係なくキャリア指示を含まないことを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【請求項39】
前記全てのDCIフォーマットのうち少なくとも一つのフォーマットは、共通サーチスペース上の少なくとも一つのPDCCHに含まれる少なくとも一つのDCIフォーマットであることを特徴とする請求項38に記載のDCI送信装置。
【請求項40】
前記装置は、
単一セルを通じた多重セルスケジューリングを示す情報を上位階層シグナリングにより送信するようにさらに構成されることを特徴とする請求項31に記載のDCI送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、より詳しくは、物理ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)を単一セルでの通信サポートから多重セルの間での通信サポートに拡張することに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、基地局(BS、またはノードB)からユーザ装備(UE)への信号転送をサポートするダウンリンク(DL)とUEからノードBへの信号転送をサポートするアップリンク(UL)からなる。UEは、通常、端末機または移動局とも呼ばれて、固定または移動可能に構成されることもでき、無線装置、セルラーホン、個人用コンピュータなどで構成されることもできる。ノードBは、一般的に固定局で構成され、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント、または幾つかの他の類似な用語で呼ばれることもある。
【0003】
DL信号は、情報コンデンツ、制御信号、及び基準信号(RS)を伝達するデータ信号を含み、パイロット信号として知られている。ノードBは物理ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)を介してUEにデータ情報を転送し、PDCCHを介してUEに制御情報を転送する。
【0004】
または、UL信号には、データ信号、制御信号、及びRSを含む。UEは、物理アップリンク共有チャンネル(PUSCH)を介してノードBにデータ情報を転送し、物理アップリンク制御チャンネル(PUCCH)を介して制御情報を転送する。UEは、PUSCHを介して制御情報を転送することも可能である。
【0005】
ダウンリンク制御情報(DCI)は幾つかの用途に用いられ、PDCCHを介してDCIフォーマットで転送される。例えば、DCIフォーマットはUEでのPDSCH受信のためのDLのスケジューリング割当(SA)提供、UEでのPUSCH転送のためのULのSAを提供、またはUEからのPUSCH受信やPUCCH転送のための転送電力制御(TPC)コマンドの提供のために用いられる。また、DCIフォーマットは、ページングチャンネル(PCH)、UEが転送した任意接近チャンネル(RACH)に対するノードBの応答、及びノードBからの放送制御情報を提供する二次情報ブロック(SIB)に対するスケジューリング情報を提供する。TPCコマンド転送用DCIフォーマットはDCIフォーマット3として言及し、PCH、RACH応答、またはSIB転送のためのスケジューリング情報転送用DCIフォーマットはDCIフォーマット1Cとして言及することにする。
【0006】
典型的に、PDCCHは全体DLオーバーヘッドで主要部分を占めて、達成可能なDLセル容量に直接的な影響を及ぼしている。PDCCHオーバーヘッドを低減させるための従来の方法では、DL転送時間間隔(TTI)の間、DCIフォーマットを転送することに必要なリソースに従ってそのサイズを調整している。DL転送方法として直交周波数分割多重接続(OFDMA)を仮定すれば、物理制御フォーマット指示チャンネル(PCFICH)を介して転送された制御チャンネルフォーマット指示(CCFI)パラメータは、PDCCHにより占有されたOFDMシンボル個数を指示することに利用できる。
【0007】
図1は、DL TTIでのPDCCH転送のための構造を表し、説明の便宜のためにM個のOFDMシンボルを有する1つのサブフレームを含むように図示されている。
【0008】
図1を参照すると、PDCCHは最初のN個のシンボル110を占有している。サブフレームで残りのM−N個のシンボルはPDSCH転送120に主に用いられることと仮定する。PCFICH130は第1シンボルの、リソース要素(RE)とも呼ばれる、幾つかのサブキャリアに転送される。PCFICHは、M=1、M=2、またはM=3のOFDMシンボルのPDCCHサイズを指示する2ビットを含む。また、幾つかのサブフレームシンボルはRS RE 140及び150を含み、これはノードB転送器アンテナの各々に対する全てのUEに共通に
図1では2つで図示されている。RSは、UEが自身のDLチャンネル媒体に対するチャンネル推定を獲得するようにし、またその他の多様な測定及び機能を実行するようにする。PDSCHは、典型的に残りのRE 160を占有している。
【0009】
付加制御チャンネルはPDCCH領域で転送されることもできるが、説明の簡略のために、
図1では図示を省略する。例えば、PUSCH転送のためのハイブリッド自動反復要請(HARQ)をサポートするために、物理HARQ指示チャンネル(PHICH)はノードBにより転送されて、PCFICHと同一の方式によりUEグループに自分の以前のPUSCH転送がノードBにより受信されたかを指示することもできる。
【0010】
ノードBは、各々のDCIフォーマットを、PDCCHを介して各々コーディング及び転送する。
【0011】
図2は、DCIフォーマットを転送するための従来に行われる一連の処理を示すブロック図である。
【0012】
図2を参照すると、DCIフォーマットが指定しようとするUEの媒体接近制御(MAC)階層ID(または、UE ID)は、DCIフォーマット符号語の循環重複検査(CRC)を行なって、基準UEは特定DCIフォーマットが基準UEを指定することを識別することができる。DCIフォーマットビット210のCRC 220は計算され、次いで排他的OR(XOR)演算子を用いてCRCビットとUE ID 240との間にマスク処理される(230)、即ち、XOR(0,0)=0、XOR(0,1)=1、XOR(1,0)=1、及びXOR(1,1)=0となる。
【0013】
マスク処理されたCRCはDCIフォーマットビットに添付され(250)、チャンネルコーティングが実行される(260)。例えば、畳み込み符号を用いて、次いで行われるレート整合(270)を割り当てられたPDCCHリソースに行い、その後、インタリービング及び変調を行なう(280)。その後、制御信号290が転送される。
【0014】
UE受信機は、ノードB転送器の逆動作を行ってPDCCHでのDCIフォーマットがUEに指定されたか否かを決定する。
【0015】
図3は、DCIフォーマットを受信する従来技術での一連の処理を示すブロック図である。
【0016】
図3を参照すると、受信された制御信号310、即ち、PDCCHは復調され、その結果、ビットがディインタリービングされる(320)。ノードBに適用されたレート整合は復旧され(330)、その出力が次いでデコーディングされる(340)。デコーディングの後、DCIフォーマットビットが獲得され(360)、CRCビットを抽出した後(350)、UE IDでXOR演算子を適用してディマスキングされる(370)。その後、UEはCRCテストを行なう(390)。もし、CRCテストを通過すれば、UEはDCIフォーマットが有効なものと見なして、PDSCH受信(DL DCIフォーマット)用またはPUSCH転送(UL DCIフォーマット)用パラメータを決定する。もし、CRCテストを通過できなければ、UEはこのDCIフォーマットを無視する。
【0017】
DCIフォーマットの情報ビットは幾つかの情報要素(IE)に該当し、例えば、PDSCH受信やPUSCH転送用でUEに割り当てられた動作帯域幅(BW)部分を指示するリソース割当(RA)IE、変調及びコーディング方式(MCS)IE、HARQ動作に関するIEなどが挙げられる。PDSCHまたはPUSCH転送のためのBWユニットは幾つかのREで構成されるものとし、例えば、12個のREで構成され、物理リソースブロック(PRB)として言及される。
【0018】
UEに対するPDCCHは固定及び予め決まった位置で転送されず、予め決まったコーディングレートを有しない。結果的に、UEは各々のサブフレームで多重PDCCHデコーディング動作を行って、ノードBにより転送されたPDCCHのうち、任意のものがUEに指定されるか否かを決定する。PDCCHデコーディング動作を行うUEをサポートするために、PDCCH REが論理的ドメインで制御チャンネル要素(CCE)にグルーピングされる。
図2に図示された一定の個数のDCIフォーマットビットに対し、各々のPDCCH転送に対するCCEの個数はチャンネルコーディングレートによって変わるようになる。UEは低いか高い信号対干渉及び雑音レート(SINR)を経るようになるので、ノードBは所望のPDCCHブロックエラーレート(BLER)を達成するために、低いか高いチャンネルコーディングレートを各々用いることもできる。したがって、低いDL SINRを経たPDCCH転送は、典型的に高いDL SINRを経たUEに対するPDCCH転送でより多いCCEを必要とする。または、目的BLERを達成するために、REの相異する電力ブースティングが用いられる。PDCCH転送に対する典型的なCCE集合等級は、例えば1、2、4、及び8個のCCEのように、“ツリー”(tree-based)構造に従うことと仮定する。
【0019】
PDCCHデコーディングプロセスにおいて、UEは論理的ドメインでCCEを復旧した後、UE共通検索空間(UE−CSS)での全てのUEに対する共通セットのCCE及びUE専用検索空間(UE−DSS)でのUE特定セットに従って候補PDCCHのための検索空間を決定することもできる。UE−CSSは、論理的ドメインで第1のCCEを含む。UE−DSSは入力としてサブフレーム番号またはサブフレームでのPDCCH CCEの全体個数のようなUE共通パラメータと、UEに割り当てられたID(UE_ID)のようなUE特定パラメータを有する疑似ランダム関数によって決定されることもできる。
例えば、CCE集合等級L∈{1,2,4,8}に対し、PDCCH候補mに対応するCCEは<数式1>により与えられることができる。
【0020】
【数1】
【0021】
<数式1>で、NCCE,kはサブフレーム(k)でのCCEの全体個数を表し、i=1,…,L−1,m=0、…,M(L)−1,M(L)は各々のCCE集合等級に対するPDCCH候補個数を表す。L∈{1,2,4,8}に対するM(L)の例示的な値には、各々{6,6,2,2}が挙げられる。UE−CSSに対し、Yk=0となる。UE−DSSに対し、Yk=(A・Yk−1)mod Dとなり、例えば、ここでY−1=UE_ID≠0、A=39827、及びD=65537のようになる。
【0022】
DCIフォーマット3またはDCIフォーマット1Cのような多重UEに対するDCIフォーマット変換情報はUE−CSSで転送される。もし、DCIフォーマット3及び1C転送後に充分のCCEが残るようになれば、UE−CSSはPDSCH受信またはPUSCH転送のための幾つかのDCIフォーマットをUEによりまた転送することもできる。UE−DSSは、PDSCH受信またはPUSCH転送に対してDCIフォーマットを排他的に転送するようになる。セットアップの一例で、UE−CSSは16個のCCEを含み、CCEを有する2つのPDCCH、またはCCEを有する4のPDCCH、またはCCEを有する1つのPDCCHとCCEを有する2つのPDCCHをサポートする。UC−CSSに対するCCEを、先には論理的ドメインに配置される(インタリービング前)。
【0023】
図4は、従来のPDCCH転送プロセスを示す。チャンネルコーディング及びレート整合後、
図2に示すように、エンコーディングされたDCIフォーマットビットは論理的ドメインでのCCDにマッピングされる。
【0024】
図4を参照すると、最初の4個のCCE(L=4)であるCCE1 401、CCE2 402、CCE3 403、及びCCE4 404がDCIフォーマット転送のためにUE1に用いられる。次の2つのCCE(L=2)であるCCE5 411及びCCE6 412は、DCIフォーマット転送のためにUE2に用いられる。次の2つのCCE(L=2)であるCCE7 421及びCCE8 422は、DCIフォーマット転送のためにUE3に用いられる。最後のCCE(L=1)であるCCE9 431は、DCIフォーマット転送のためにUE4に用いられる。
【0025】
DCIフォーマットビットは典型的にセル毎に特定される2進スクランブリングコードを用いてスクランブルされることもでき(440)、続いて変調が行われる(450)。各々のCCEはミニ−CCE(mini−CCE)にさらに分離される。例えば、36個のREを含むCCEは9個のmini−CCEに分離され、各々4個のREを含むようになる。
【0026】
インタリービング460は、mini−CCE(4個QPSKシンボルのブロック)の間に適用される。例えば、ブロックインタリーバはインタリービングが個別ビットの代りに4組のシンボル(symbol-quadruplet;mini−CCEの4個のREに該当する4個のQPSKシンボル)に実行されることに用いることもできる。このようなmini−CCEのインタリービングの後、結果的なQPSKシンボル列はJ個のシンボルだけシフトされることもでき(470)、その次に、各々のQPSKシンボルはDLサブフレームのPDCCH領域でのREにマッピングされる(480)。したがって、ノードB転送器アンテナ491、492、及びPCFICH493とPHICH(図示せず)のようなその他のチャンネルからのRSの他に、PDCCHでのREは、UE1 494、UE2 495、UE3 496、及びUE4 497に対するDCIフォーマットに該当するQPSKシンボルを含む。
【0027】
レガシー通信をサポートする個別キャリア(または、セル)のBWに比べて高いデータレートと、より大きいBWでの転送をサポートするために、多重のキャリア(または、セル)の集合が用いられる。例えば、100MHz以上の通信をサポートするために、5個の20MHzキャリア(または、セル)集合が用いられる。説明の便宜のために、単一キャリア(または、セル)上のみで動作できるUEをレガシーUE(L−UE)として言及し、多重キャリア(または、セル)上で動作できるUEを進歩したUE(A−UE)として言及する。
【0028】
図5は、キャリア集合の原理を表す。100MHzの動作BWは、5個のキャリア521、522、523、524、及び525(簡略のために隣接するキャリア)の集合を含み、各々は20MHzのBWを有する。
図1で、単一キャリア上での通信を行うためのサブフレームと同様に、多重キャリア上での通信のためのサブフレーム構造は、PDCCH領域(例えば、531乃至535)及びPDSCH領域(例えば、541、545)を含む。
【0029】
図6は、従来の異質的ネットワーク配置を示す図である。
【0030】
図6を参照すると、マクロ−ノードB610により囲まれた領域はマイクロ−ノードB620、630により囲まれた領域を含む。マクロ−ノードBがマイクロ−ノードBより大きい領域を囲んでいるので、これの転送パワーはマイクロ−ノードBの転送パワーより実質的に一層大きくなる。結果的に、
図6に図示されたようなトポロジーにおいて、マクロ−ノードBにより転送された信号はマイクロ−ノードBにより転送された信号と甚だしい干渉を起こすことがある。干渉調整技法がPDSCH転送に適用されてPDSCH信号転送の間にマクロ−ノードBとマイクロ−ノードBとは相異するPRBを用いることによって、マクロとマイクロとの間の干渉を緩和することができる。しかしながら、前述したように、全体動作BWに亘ってCCEが疑似ランダムに分布しているので、このような干渉調整はPDCCHに対しては必要としない。
【0031】
マイクロセルでのPDCCH転送に対する干渉を防止するために、全てのPDCCH転送はマクロセル内に存在することができ、キャリア指示子(Carrier Indicator)またはセル指示子(Cell Indicator)IEがDCIフォーマットに導入されてDCIフォーマットがマクロセルまたはマイクロセルに対するものであるかを指示することができる。例えば、2ビットのCI IEはDCIフォーマットがマクロセルに対するものであるか、または3個のマイクロセルのうちの最大のものに対するものであるかを指示することができる。
【0032】
PDCCH干渉回避の提供以外に、特定セル内でのPDCCH転送は実用的な理由により回避されることもある。例えば、小さなBWを有するセル内ではPDCCH転送は効率的でなく、また各々大きいオーバーヘッドを有するようになるので、PDCCH転送を回避することが好ましい。また、PDCCHとUE共通RSのようなその他のサポート信号の転送が回避される場合、1つのセル内でPDSCH転送は全てのDLサブフレームシンボルに対して最適化できる。
【0033】
CI機能性として次の機能を収容することができる。
−単一のセル内でPDCCH転送を通じて多重セルのULでのPUSCHスケジューリング
−単一のセル内でPDCCH転送を通じて多重セルのDLでのPDSCHスケジューリング
−第1セル(マクロセル)及び第2セル(マイクロセル)内でのPDCCH転送
【0034】
図7は、単一セル内でPDCCH転送を通じて多重セルのULで行われる従来のPUSCHスケジューリングを示す図である。
【0035】
図7を参照すると、単一セル710でのPDCCHは、2つのセル720、730のULと関連する。結果的に、セル1とセル2からのPUSCH転送をスケジューリングするPDCCHは単一セル内で転送され、PUSCHを転送するセルは1ビットで構成されるCI IEにより識別できる。
【0036】
図8は、単一セルでのPDCCH転送を通じて多重セルのDLで行われる従来のPDSCHスケジューリングを示す図である。
【0037】
図8を参照すると、セル1 810とセル3 830のみがPDCCHを転送する。セル2 820に対するスケジューリングはセル1でのPDCCH転送を通じて行なわれて、セル4 840及びセル5 850に対するスケジューリングはセル3でのPDCCH転送を通じて行われる。
【0038】
図9は、第1セル(マクロセル)と第2セル(マイクロセル)での従来PDCCH転送を示す図であって、マクロセルとマイクロセルとの間のPDCCH転送での干渉を防止するために行われる。
【0039】
図9を参照すると、マクロセル及びマイクロセル両方ともは、セル1 910とセル2 920でのPDSCH転送を行うこともできるが、マクロセルはセル1のみでPDCCHを転送し、マイクロセルはセル2のみでPDCCHを転送する。
【0040】
CIを用いてPDCCH転送をサポートするための1つの問題はPDCCHサイズである。単一セルを有する通信システムで、PDCCHはOFDMシンボルが最大M個に限定されていると仮定する。多重セルを有し、単一セル内でPDCCH転送を有する通信システムで、このようなPDCCHサイズの限界はスケジューリング制限を引き起こすこともできる。一般に、PDCCHサイズは1つのセル内でのPDCCHが多重セル内でのスケジューリングを行う場合、増加される必要がありうる。
【0041】
固定個数のCCEを含むことと仮定されるUE−CSSにおいて、追加セルに対応する追加PDCCHを転送できないこともある。
【0042】
UE−DSSにおいて、単一セルのPDCCH領域でUEに多重DCIフォーマットを転送するために変形と拡張を必要とする。
【0043】
UEが行なう必要があるブラインドデコーディング(blind decoding)動作において、これらの番号はPDCCHが単一セル内で転送されるセルの個数によって線形的に調整されることもできる。UE受信機の複雑度に及ぼす影響を回避するために、このような増加は回避することが好ましい。
【0044】
したがって、多重セルでのスケジューリングのためにPDCCH転送をサポートするために単一セル内でのPDCCH領域を拡張する必要がある。
【0045】
単一多重セルのためのUE共通情報を伝達するPDCCHを転送可能にするために、セル内でUE−CSSを拡張する必要がある。
【0046】
単一セル内で多重セルに亘ってスケジューリングを行うために、単一セルでのUE−DSSの容量を拡張する必要がある。
また、UEが行なう必要があるブラインドデコーディング回数を減少させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】国際公開第2009/041779号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
本発明は、前述した従来技術での限界及び問題点を解決するために設計されたものであり、次の利点を提供する。本発明の一態様は、単一セルでの制御領域を上記単一セルでの通信を行うためのUEに対するDCIの転送サポートから多重セルでの通信のために上記UEに対するDCIの転送サポートに拡張する方法及び装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本発明の一態様によれば、UE−CSSとUE−DSSとを含み、単一セルに対するDCI転送をサポートする、従来の単一セルでの制御領域は多重セルの各々に該当する各々の多重UE−CSSを含んだり、多重セルの各々に該当する多重UE−DSSを含んだり、またはこれら全てを含むことによって、上記多重セルに対するDCI転送をサポートするように拡張される。
【0050】
本発明の他の態様によれば、単一セルでの制御領域を通じてセルID(Cell_ID)を各々が有する多重セルに対するDCI転送のサポートは、上記UEに上記多重セルの各々に対するCell_IDを通知し、上記単一セルの上記制御領域での上記多重セルの各々に対する個別UE−DSSを定義することによって提供され、各々の個別UE−DSSは単一セルのみでのDCI転送におけるUE−DSSと同一の構造を有し、その位置は付加的に各々のCell_IDのみに依存する。DCIは、DCIフォーマットを通じて転送され、各々のUE−DSSでのDCIフォーマットはCell_IDから誘導されるCI IEを含むこともできる。
【0051】
本発明の他の形態によれば、一次セルでの制御領域を通じて多重セルに対するDCI転送サポートは、上記一次セルを含むセルの第1セットに対応するDCI転送に対する第1制御領域、上記第1セットのセルに含まれない上記多重セルを含むセルの第2セットに対応するDCI転送に対する第2制御領域を定義することによって提供される。第1制御領域は一次セルのみに対応するDCI転送に対する制御領域と同一のリソースを含む。第2制御領域は一次セルでデータ転送に利用できるリソースを含む。
【発明の効果】
【0052】
前述したように、本発明の好ましい実施形態は、単一セルでの制御領域を上記単一セルでの通信を行うためのUEに対するDCIの転送をサポートするものから多重セルでの通信を行うためのUEに対するDCIの通信をサポートするものに拡張する方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】PDCCH転送のための従来の構造を示す図である。
【
図2】DCIフォーマットを転送するために従来に行われる一連の処理を示すブロック図である。
【
図3】DCIフォーマットを受信するために従来に行われる一連の処理を示すブロック図である。
【
図4】従来のPDCCH転送プロセスを示す図である。
【
図6】従来の異質的ネットワーク配置を示す図である。
【
図7】単一セルでのPDCCH転送を通じて多重セルのULで行われる従来のPUSCHスケジューリングを示す図である。
【
図8】単一セルでのPDCCH転送を通じて多重セルのDLで行われる従来のPDSCH転送を示す図である。
【
図9】第1セル(マクロセル)及び第2セル(マイクロセル)で行われる従来のPDCCH転送を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に従う、UE特定方式によりCI IEがDCIフォーマットに含まれているか否かをA−UEに通知する方法を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に従う、A−UEが第1のE−PDCCHシンボルを決定するために最大PDCCHサイズを仮定するE−PDCCH多重化構造を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に従う、A−UEが実際PDCCHサイズと第1のE−PDCCHシンボルを決定するためにPCFICHをデコーディングするE−PDCCH多重化構造を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に従う、相異するセルに対して相異するCI値の割当を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態に従う、多重UE−CSSに対するCCEの配置を示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態に従う、UE−DSSの位置を決定する変数の各々の個別初期化を通じて各々のセルに対する個別UE−DSSを生成する動作を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態に従う、可能な値のセットを構成し、このセットのうち、1つの値を示すためにPCFICHを用いることによって、PDCCHサイズを拡張することを示す図である。
【
図17】本発明の一実施形態に従う、UE−CSSサイズのノードBによる明示的及び暗示的な指示の組合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の上記及びその他の形態、特徴、及び利点は、添付した図面を参照した詳細な次の説明により明確になる。
【0055】
添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は多くの相異する形態で具現されることもでき、本明細書に記載された実施形態に限定されるものと理解されてはならない。また、これら実施形態は本開示を完壁に理解するために提供され、当業者に本発明の範囲を十分に伝達することができる。
【0056】
また、本発明は直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)通信システムに関して説明するが、周波数分割多重化(FDM)システム、単一−キャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)、OFDM、FDMA、離散フーリエ変換(DFT)−拡散OFDM、DFT−拡散OFDMA、SC−OFDMA、及びSC−OFDMに適用されることもできる。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、A−UEは、例えば、無線リソース制御(RRC)シグナリングを通じて半固定(semi-statical)的に構成されており、これを通じてセルはPDSCH受信またはPUSCH転送を行うようになる。これらのセルはDL及びULの間でリンクされて構成されることもできる。CI IEがDCIフォーマットで含まれて、これはUE特定またはセル特定になることができる。DCIフォーマットでCI IEがUE特定の場合、各々のA−UEはセルで自身の割り当てられたDCIフォーマットがCI IEを含むか否かを上位階層シグナリング(MACまたはRRCシグナリング)を通じて通知するようになる。DCIフォーマットでCI IEがセル特定の場合、ノードBはCI IEがDCIフォーマットで含まれているか否かを放送することもできる。これら全ての場合に、A−UEによりモニタリングされるCIの値がまた含まれる。CI IEを含むDCIフォーマットは全てDCIフォーマットまたはDCIフォーマットの所定のサブセットになることができる。例えば、UE−CSSでのDCIフォーマットはCIを含まないこともでき、反面にUE−DSSでのDCIフォーマットはCIを含むこともできる。
【0058】
図10は、本発明の一実施形態に従う、UE特定方式によりCI IEがDCIフォーマットに含まれているか否かをA−UEに通知する方法を示す図である。
【0059】
図10を参照すると、A−UEは、PDSCH受信のためのセル1 1010、セル2 1020、及びセル3 1030のDLとPUSCH転送のためのセル1 1040とセル2 1050のULで構成される。PDCCH転送のセルは上位階層シグナリングを通じてA−UDに通知される。
【0060】
図10で、PDCCHはセル1 1060のみに転送される。例えば、セル1のDLとULはマクロセルに対応され、反面、セル2のDLとULは第1マイクロセルに対応され、セル3のDLとセル2のULは第2マイクロセルに対応できる。PUSCH転送やPUSCHやPUCCH転送に対するTPCと関連したDCIフォーマットはUL DCIフォーマットとして言及される。残りのDCIフォーマットはPDSCH受信と関連され、DL DCIフォーマットとして言及される。
【0061】
図10のセットアップにおいて、UEへのDL DCIフォーマットは2ビットを有するCI IEを含む。例えば、DLにおいて、CI値“00”、“01”、及び“10”は、各々セル1、セル2、及びセル3に対応されることができ、反面、CI値“11”は使用されない。同様に、ULにおいて、CI値“0”及び“1”は、各々セル1とセル2に対応できる。一般に、CI IEに対するビット個数はDL DCIフォーマットとUL DCIフォーマットとの間で相異することができる(例えば、UL DCIフォーマットでは任意のCI IEビットを含まないで、DL DCIフォーマットではCI IEビットを含む)。CI値とセルとの間の関連は暗示的に決定されることもできる。例えば、増加するCI値“00”、“01”、“10”、及び“11”はキャリア周波数の増加順序によりセルにマッピングできる。
【0062】
DCIフォーマットが指定されたセルを指示するためにCIを使用することは、他のBWを有するセルでは各々のDCIフォーマットが相異するサイズを有するので必要でないこともある。例えば、1つのセルのみでPDCCHが転送される2つのセルにおいて、もし、例えば1つのセルが20MHzのBWを有し、他のセルが5MHzのBWを有する場合、CIがDL DCIフォーマットに含まれることは必要ではない。一般に、相異するBWに対して相異するDCIフォーマットサイズを有する一次的な理由はDCIフォーマットでのリソース割当(RA)であり、これはより多い個数のPRBをアドレッシングするので、より大きいBWを有するセルに対してより大きいサイズを有しなければならない。
【0063】
L−UEに対するDCIフォーマットの転送は、従来のPDCCH構造でサポートされる。同一セルでPDSCH受信またはPUSCH転送を有するA−UEに対するPDCCH転送も従来のPDCCH構造でサポートされる。相異するDCIフォーマットを用いることもできるが、PDCCH転送に対してA−UEとL−UEとの間には差異点がない。使用の便宜のために、このようなA−UEを一次的UE(P−UE)といい、PDCCH転送を有するセルを一次的セル(Pcell)という。反対に、Pcellの以外のセルでPDSCH受信またはPUSCH転送を有するA−UEは二次的UE(S−UE)といい、該当セルは二次的セル(Scell)という。
【0064】
例えば、
図10で、セル1でPDSCHを受信するUEはP−UEであり、セル1はPcellである反面、セル2でPDSCHを受信するUEはS−UEであり、セル2はScellである。A−UEはセル(PcellまたはScell)に従ってP−UE及びS−UE全てになることができる。したがって、A−UEをP−UEまたはS−UEに分類することは、各々のセルに対して固有であり、A−UEがPcellではP−UEになることができ、ScellではS−UEになることができるので、セルの間に相異することもできる。
【0065】
ScellでS−UEへのPDCCH転送において、従来のPDCCH構造または別途のPDCCH構造を用いることもできる。例えば、従来のPDCCH構造の容量(DLサブフレームの最初のM個のOFDMシンボル)がP−UEのスケジューリングにまだ到達できなかった軽負荷のシステムにおいて、S−UEに対するDCIフォーマットの転送をサポートすることが可能であり、一方、中負荷のシステムにおいては、S−UEに対してPDCCH転送をサポートするためには追加的なPDCCH構造を必要とすることもできる。
【0066】
従来のPDCCH構造または拡張PDCCH(E−PDCCH)構造を用いるかは予め決定されたり、ノードBにより放送シグナリングまたはUE特定の上位階層シグナリングを通知できる。A−UEに対するPDCCH CCEは、PDCCHまたはE−PDCCH構造となることができるか、でないこともできる。A−UEが特定セルでのPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするために、PDCCHまたはE−PDCCHをモニタリングするか否かは、上位階層シグナリングまたは放送シグナリングを通じて半固定的に構成できる。
【0067】
もし、PcellでE−PDCCHがScellでのPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするために用いられる場合には、本発明の一実施形態によれば、次のようなものが考慮される。
【0068】
E−PDCCHコンテンツ
E−PDCCHは拡張されたPDCCHを提供し、したがって、同一の性質の情報を転送するようになる。S−UEに対するDCIフォーマットの以外に、E−PDCCHはE−PDCCHにより提供されたScellでのPUSCH転送のためにPCFICH(E−PCFICHという)及びPHICH(E−PHICHという)の各々を含むこともできる。E−PCHFICHとE−PHICHは、PCHFICH及びPHICHと各々同一の構造を有している。
【0069】
E−PDCCHに対する周波数リソース
E−PDCCHでのDCIフォーマットはCCEで転送されるが、E−PDCCHはPDSHCと直交的に多重化されるので、CCE割当はPRBで行われる。E−PDCCHに対するPRBは半固定的または動的に構成される。半固定的な構成のE−PDCCHPRBは、周波数拡散(frequency diversity)を獲得したり、隣接するセルの間での干渉を最小化する干渉調整技法に従ってPRBを選択するために、周波数ドメインで適当な分離を確保している。
【0070】
E−PDCCHに対する時間リソース
PDCCH OFDMシンボルの最大個数を仮定して、第1のE−PDCCHシンボルは最後の実際PDCCH OFDMシンボルの以後の第1のOFDMシンボルになることができ、または最後のPDCCH OFDMシンボルの以後の第1シンボルになることができる。第1のE−PDCCHシンボルが最後の実際PDCCH OFDMシンボルの以後の第1のOFDMシンボルの場合、S−UEはE−PDCCHの開示を決定するためにPCFICHをデコーディングする。PDCCH OFDMシンボルの最大個数を仮定して第1のE−PDCCHシンボルが最後のPDCCH OFDMシンボルの以後の第1シンボルの場合、最大E−PDCCHデコーディングレイテンシーが発生するが、PDCCHデコーディングの失敗に繋がる不正確なPCFICH検出による誤りは避けるようになる。
【0071】
最後のE−PDCCHシンボルは、固定的、半固定的、または動的に構成できる。固定的構成では、最後のE−PDCCHシンボルは、例えばDLサブフレームの7番目のシンボルになることができる。半固定的構成では、最後のE−PDCCHシンボルはノードBにより放送チャンネルを介して通知できる。動的構成では、最後のE−PDCCHシンボルはE−PCFICHを介して通知できる。
【0072】
E−PDCCHに対するE−PCFICHにより指示されたOFDMシンボルの範囲はPDCCHに対するPCFICHにより指示されたOFDMシンボルの範囲とは相異することができる。例えば、E−PCFICHはE−PDCCHに対して0個のOFDMシンボルを指示することもでき、この場合、E−PCFICHとE−PHICHは、PDCCHで転送されることもできる。
【0073】
図11は、本発明の一実施形態に従う、A−UEが第1のE−PDCCHシンボルを決定するために最大PDCCHサイズを仮定するE−PDCCH多重化構造を示す。
【0074】
図11を参照すると、PDCCH転送(1110)は3個のPDCCH OFDMシンボルのうち、2つのOFDMシンボルを有している。第1のE−PDCCHシンボルは最大3個のOFDMシンボルを仮定すれば、PDCCH転送の以後の第1のOFDMシンボルである。したがって、第1のE−PDCCHシンボルはDLサブフレームの第4のOFDMシンボルとなる。E−PCFICH転送(図示せず)には常に第1のE−PDCCHシンボルがあり、
図11の構造では、E−PDCCHは2つのOFDMシンボル1120で転送されることを示す。E−PDCCH PRB転送(1130)は、ノードBにより搬送シグナリングを通じて半固定的に構成される(例えば、SIB)。E−PDCCH転送はPDSCH転送で多様なUE1140、1150、及び1160に多重化される。L−UEへのPDSCH転送は、E−PDCCH転送に用いられるPRBで発生することもあり、そうでないこともある。L−UEは、E−PDCCHの存在を認知できないので、もし、E−PDCCH PRBでPDSCHが割り当てられる場合、このようなPRBを、PDSCHを含むPRBとして処理するようになる。これは、L−UEに対するPDSCH受信品質を低下させるが、このようなスケジューリングを実行するか否かの判断はノードBによる。A−UEは、E−PDCCH PRBを認知することができ、自身の各々のPDSCH受信に一致する適当なレートを適用することができる。
【0075】
図12は、本発明の一実施形態に従う、A−UEが実際PDCCHサイズと第1のE−PDCCHシンボルを決定するためにPCFICHをデコーディングするE−PDCCH多重化構造を示す。
【0076】
図12を参照すると、PDCCH転送(1210)は2つのOFDMシンボルを有している。第1のE−PDCCHシンボルは第3のOFDMシンボルとなり、これはPDCCH転送の以後の第1のOFDMシンボルである。E−PCFICH転送(図示せず)は常に第1のE−PDCCHシンボルとなり、
図12に図示された構造では、E−PDCCHが2つのOFDMシンボル1220で転送されることを示している。
【0077】
もし、多重Scellに対するDCIフォーマット転送がE−PDCCHを介して行われる場合、本発明の一実施形態に従って、各々のScellが別個のCCEセットを有するよりは、全てのE−PDCCH CCEが全てのScellに対して共同に考慮される。したがって、E−PDCCHで単一セットのCCEのみ存在し、各々のS−UEは自身のUE−CSSとUE−DCCを有することもできる。これは、各々がE−PDCCHで相異するScellに対応する多重E−PCFICHの代りに、単一のE−PCFICHの転送を可能にする。
【0078】
UE−CSS
第1代替形態において、S−UEに対するUE−CSSは個別的に構成され、CCEの個数でのそのサイズはノードBにより放送されることもできる。例えば、UE−CSSサイズは所定の4個の値のうちの1つを取ることもでき、ノードBはこの値(例えば、PcellでSIBを通じて)を指示したり、UE−CSSサイズがK個のCCSの基本サイズの1、2、3、または4倍であることを指示するために2ビットを放送するようになる。E−PDCCHでのUE−CSSに対するCCEは先に、即ち、UE−DSSに対するCCSより先に配置される。一旦S−UEがUE−CSSサイズの通知を受ければ、各々のScellに対応するCCEを決定する必要がある。
【0079】
第1代替形態に対する第1オプションでは、S−UEはUE特定のCI構成に対するScellの順序を、上位階層シグナリングを通じて、またはセル特定のCI構成に対するシステム情報の一部として通知を受けるようになる。これは、自身のDCIフォーマットに対してCI値の通知を受けるS−UEに相当する。CIが存在しない場合、例えば、セルが相異するBWを有する場合、その順序はBW減少する順序になることもできる。例えば、より大きいBWが順序上、先に出るようになる。
【0080】
図13は、本発明の一実施形態に従う、相異するセルに対する相異するCI値を割り当てることを示す図である。
【0081】
図13を参照すると、マクロセル1310のUE−CSSに対するCCEはPDCCHに配置される。マイクロセル1 1320に対するUE−CSSのCCEは先にE−PDCCH(CI=1)に順序するようになり、マイクロセル2 1330に対するUE−CSSのCCEはその次にE−PDCCH(CI=2)に順序する。一旦、CI値がScellに割り当てられ、S−UEのUE−CSSのCCEは論理的ドメインで同一の順序に配置される。
【0082】
図14は、本発明の一実施形態に従う、多重UE−CSSに対するCCEの配置を示す図である。
【0083】
図14を参照すると、S−UE(マイクロセル1または第1セットのS−UE、CI=1)の第1のUE−CSSに対するL1 CEが先に配置され(1410)、次にS−UE(マイクロセル2または第2セットのS−UE、CI=2)の第2のUE−CSSに対するL2 CEが配置される(1420)。UE−DSSに対するCCEの配置(1430)は論理的ドメインでUE−CSSに対するCCEの配置の以後になされる。
図14で、L1及びL2と表記された、相異するCI値に対してS−UEに対するUE−CSSのCCE個数は、全体UE−CSSサイズから暗示的に決定されることもでき、またはノードBにより放送シグナリングを通じて通知されることもできる。または、S−UEのUE−CSSに対するCCEの個数は、各々のScellでBWに作用するDLまたはULに関わらず全てのCI値と同一であってもよい。
【0084】
各々のUE−CSSに対し、S−UEは全体UE−CSSに割り当てられたCCE全体セットのサブセットを検索するため、ブラインドデコーディング動作(BDO)の関連個数を減少させるためにS−UEのUE−CSSに対するCCEを
図14に図示したような順序通り配置する。また、S−UEに対してUE−CSSを順に配置することによって、各々のUE−CSSで転送されたDCIフォーマットにCI IEを含める必要がなくなる。
【0085】
第1代替形態に対する第2オプションにおいて、S−UEに対する個別UE−CSSの順序は適用されず、各々のCCEは全体UE−CSSに対するCCEの全体セット上に分布されることもできる。その後、DCIフォーマットにCIを含めることが行なわれ、DCIフォーマットに対するUE検索プロセスが後述するS−UEのUE−DSSに対して行われる。
【0086】
第2代替形態において、UE−CSSはそのまま維持され、S−UEはScellでDCIフォーマット3及びDCIフォーマット1Cの転送に対してP−UEとして取扱され、UE−CSSに対する相異するカテゴリーへのUEを差別化しない。
【0087】
PCHはPDCCH転送(Pcell)で、セル内で全てのS−UEに転送される。
【0088】
PDCCH転送(Scell)無しでセルから同期化信号が転送される場合は仮定せず、S−UEはPDCCH転送(Pcell)でセルの同期化信号を獲得する。その後、RACHプロセスがPcellを通じて完了され、PDCCH転送(Scell)無しでセルに対応して追加的なRACH応答シグナリングが必要でない。
【0089】
PDCCH転送(Scell)を行わないセルに対するSIBは、SIB転送に対応するセルを指示するためにDCIフォーマット1Cに相異するCRCマークを用いてPDCCH転送(Pcell)を行うセル(マクロセルなど)から転送されることもできる。
【0090】
DCIフォーマット3は、PDCCH転送(Pcell)を行うセルでのUE及びPDCCH転送(Scell)を行うセル(マイクロセル)でUEに対応するTPCコマンドを多重化する。
【0091】
したがって、P−UEは単一セルを含む逆方向互換可能なシステムでのように、PDCCHでDCIフォーマット転送に対する自身らのUE−CSSを有するようになる。S−UEにおいて、第1代替形態で説明したように、新たなUE−CSSがE−PDCCHで定義されたり、または追加的なUE−CSSが定義されず、第2代替形態で説明したように、全てのUE(P−UE及びS−UE)はPDCCHで同一UE−CSSを利用するようになる。
【0092】
UE−DSS
UE−DSS及び単一セル動作において、予め定義された表記を用いて、PDCCH候補mに対応するCCEは<数式2>により与えられる。
【0094】
<数式2>で、NCCE,kはサブフレームkでのCCE全体個数を表し、I=0,…,L−1であり、m=0,…,M(L)−1、ここで、M(L)はUE=DSSでの候補の個数を表す。
【0095】
E−PDCCH(または、多重セルに対するDCIフォーマットの転送をサポートする場合、PDCCH)で同一のUE−DSSを共有していることと仮定しているので、上記UE−DSS構造は相異するセル(PcellまたはScell)に対するUE−DSSを識別するようになっている。
【0096】
固有のUE−DSSを提供するために、本発明の一実施形態に従うUE−IDの以外に、UE−DSSはCell_IDにも依存するようになる。これは、DCIフォーマット転送がUE−DSSからCCEの非利用性によって遮断される可能性を実質的に減少させることができる。このような遮断可能性の減少は、PDSCHまたはPUSCHスケジューリングの発生可能性を増加させるようになるので、各々のDLまたはULシステム容量(throughput)を改善し、動作の質及び信頼性を向上させるようになる。
【0097】
Cell_IDは各々のセルに割り当てられたCI値になることもできる。例えば、UEは上位階層シグナリングを通じてCell_IDの通知を受けるようになることもできる。少なくともセルが同一のBW(及び各々のCIが定義)になる時、Cell_IDは各々のCIと同一でありうる。UEは、各々のセルと初期同期化の間Cell_IDを獲得することもでき、または、もしセルが同期化信号を転送しない場合、UEは同期化の後に同期化信号を転送するセルから上位階層シグナリングを通じて各々のCell_IDを獲得することもできる。また、Cell_IDはUE特定になることもでき、各々のUEに上位階層シグナリングを通じて通知されることもできる。例えば、3個のセルに対して、3個の相異する各々のCell_IDを有する代わりに、各々のUEに対するCell_IDは、UEが構成されるセルの個数によって変更できる。もし、UE1がセル1とセル2で構成される場合、各々のCell_IDはCell_ID1とCell_ID2になることができる。もし、UE2がセル2とセル3で構成される場合、各々のCell_IDはCell_ID1とCell_ID2になることもできる。
【0098】
次の例は、DCIフォーマットに対する転送遮断が発生することを例示したものである。UEに対するDCIフォーマットが4個のCCEで転送され、このCCE集合レベルに対するUE−DSSで2つの候補のみ存在する場合、多くても2つのセルに対するDCIフォーマットの転送がサポートできる(または、PDSCH受信及びPUSC転送に対して1つのセル)。また、インタリービングを通じてランダムに行われるので、相異するUEに対するUE−DSSは重畳されたCCEを含むこともでき、このような理由により単一セルに対してのみDCIフォーマット転送をサポートできるようになる。
【0100】
図15は、本発明の一実施形態に従う、変数YkをCell_IDに初期化することを示す。
【0101】
図15を参照すると、2進UE_ID 1510及び2進Cell_ID 1520は、2進合算器1530により合算されて変数Ykの初期値Yk−1 1540を提供し、各々のセルに対応するDCIフォーマットに対するサブフレームで、UE−DSSでのCCEをランダムに抽出する。16ビットUE IDを仮定すれば、必要条件Y−1≠0は小さい個数のUE_IDが用いられることを防止し、DCIフォーマットが単一セルで転送されるセルの全体個数が10個未満であることを考慮して見れば、216=65536個の利用可能なUE IDに影響を及ぼされない。また、変数YkがCell_IDに依存するので、Ykc(c=0,1,...,Nc−1)として表記されなければならず、ここでNcは各々のDCIフォーマットが単一セル(Pcell)で伝えられるセルの個数を示す。
各々のセルに対する別個のUE−DSSを構築する本発明の他の実施形態において、セルcに対するCIまたはCell_IDの関数f(c)と表記する時、各々のUE−DSSは<数式4>により獲得される。
【0103】
に対する1つの条件には、PcellでのPDSCH/PUSCHに対応するUE−DSSはL−UEに対して定義されなければならないということが挙げられる。これは、Pcellの以外の全てのセルが活性化されない時にレガシー動作を維持することに有用である。したがって、もし、cPがPcellに対してCIまたはCell_IDの場合、f(cP)=0となる。
【0104】
cP以外のCIまたはCell_ID値cに対し、f(c)はf(c)=1,2,…,7(3ビットCIと仮定)に決定されることもでき、割り当てられたCI値に基づいて昇順に順位が決定できる。A−UEのUE−DSSに対する自治遮断確率を減少させるために活性化されたセルのみ考慮される。Scell(Pcell除外)に対する正確な値は連続的な値であり、Pcellに対して条件f(cP)=0を満足しさえすれば重要でない。例えば、cP以外のCIまたはCell_ID値cに対し、関数f(c)はf(c)=−3、−2、−1、1、2、3に決定されることもでき、または一般的に正の整数と負の整数値の割当をf(cP)=0を中心に連続的な方式により交互に行なうことによって決定されることもできる(1から始まって−1、2、−2等に繋がる)。
【0105】
多重ScellでスケジューリングのためのDCIフォーマットの転送はA−UEが実行するBDOの個数を増加させる。これら可能なDCIフォーマットの位置の何らの制限無しでBDOの個数の増加はScellの個数と線形的な関係である。これはUE受信機の複雑度を増加させ、またCRCテストの誤り可能性を増加させる(結果的に、UEは元来意図したDCIフォーマットを正確に認識できなくなる)。
【0106】
BDOの個数を減少させるために幾つかの異なる形態に設計される場合がある。基準UEに対する多重UE−DSSでのDCIフォーマットの可能な位置が全て相互依存的な場合を考慮することができる。BDOの個数の減少とCRCテスト以外に、これら設計はUEが構成されるセルの個数に関わらず、基本単一セルUE−DSSデコーディングプロセスに対して同一の受信機アーキテクチャ(多数台のデコーダ)を維持するようになる。
【0107】
第1設計では、基準UEに対する全てのDCIフォーマットで同一集合レベルLを用いる。
【0109】
したがって、UEセルc1に対するDCIフォーマットを識別した後、追加的なBDO(n=0,…,M(L)−1)を実行してセルc2に対して1つの候補を保有しているか否かを決定する。
【0111】
したがって、UEがセルc1に対してPDCCHを識別した後、可能な集合レベルの個数と同一の追加BDOの個数を実行してセルc2に対するPDCCHを保有するかを決定するようになる。本発明の一実施形態によれば、追加BDOの個数は4であり、したがって、可能な集合レベルは{1,2,4,8}となる。このプロセスは、追加セルに直接拡張できる。
【0112】
第3設計は、第1及び第2設計の組合により構成され、基準セル(Pcell)でPDCCHに用いられた集合レベルが、UEが構成される残りのセル(Scell)に対するPDCCHの可能な集合レベルに影響を及ぼすようになる。例えば、残りのセルに対するPDCCHに用いられた集合レベルは基準セルに対するPDCCHに用いられたものに比べて同一または1つ大きい値を有することもできる(もし、L=8が基準セルに用いられる場合、L=8がまた残りのセルに用いられる)。付加的に、基準セルに対するPDCCHの位置は残りのセルに対する可能なPDCCH位置に影響を及ぼす。例えば、もし、基準セルに対するPDCCH位置が奇数または偶数の場合、残りのセルに対する潜在的なPDCCHの位置また各々奇数または偶数となる。
【0114】
第3設計に対する追加的な制限が可能であり、例えば、全てのセルで用いられる同一CCE集合レベルを要求することによって制限できる。第3設計で説明したように、第1及び第2設計に対する原理を組み合わせて潜在的な組合を含むことができる。
【0115】
前述したPDCCH拡張は現存する単一セル通信と両立できる。しかしながら、PDCCH拡張は両立が不可能な方式によりサポートされることもできる。このような場合、本発明の一実施形態によれば、PCFICH値の相異する解釈とUE−CSS及びUE−DSSの相異する構成が適用されることもできる。PCFICHがPDCCHサイズに対して1、2、または3個のOFDMシンボルのように3個の所定の値を伝達するレガシーシステムとは異なり、非両立PDCCH拡張に対するPCFICHはより多い値を伝達することができ、これら値は予め定まらず、半固定的に変更できる。ノードBは可能な構成セットのうち、PDCCHサイズ構成を放送することもでき、またPCFICHはPDCCHサイズの放送された構成から1つのサイズを単純に指示することもできる。例えば、ノードBはOFDMシンボルの数で{1,2,3,4}、{2,3,4,5}、{3,4,5,6}、及び{4,5,6,7}のうちの1つをPDCCHサイズ構成に対して指示することもできる。ノードBにより放送された構成内でPDCCHサイズをUEに通知するためにPCFICHで2ビットが利用できる。
【0116】
図16は、本発明の一実施形態に従う、可能な値のセットを構成し、このセットで1つの値を指示するためにPCFICHを用いることによって、PDCCHサイズを拡張することを図示する。
【0117】
図16を参照すると、ノードBは2ビット、例えば、“10”を放送して{3,4,5,6}シンボルのPDCCHサイズ構成を指示するようになる(1610)。PDCCHサイズ構成は、ノードBが例えば第1サブフレームSのように、これを放送した後、所定のサブフレームで発効されてmodulo(S、40)=0のようになることもできる。各々のサブフレームで転送されたPCFICHは、例えば第3要素(1620)のようなPDCCHサイズ構成セットから要素を指示する。UEは放送されたPDCCHサイズ構成及びPDFICH値(1630)全てに基づいてPDCCHサイズを決定する。
【0118】
全体PDCCHサイズの構成以外に、UE−CSSまたはUE−DSSの個別サイズも構成できる。例えば、ノードBはUE−CSSサイズを放送することもできる。結果的に、A−UEはUE−CSSサイズが4個の所定の値のうちの1つであることが分かり、ノードBはこの値を指示したり、UE−CSSサイズが16個のCCEの基本UE−CSSサイズの1、2、3、または4倍であることを、2ビットを用いて放送するようになる。UE−CSSサイズの指示は、PDCCH構成サイズに基づいて暗示されることもできる。例えば、もしノードBが
図16での第3のPDCCH構成サイズを放送する場合、A−UEはUE−CSSが16個のCCEの基本UE−CSSサイズに3倍であることを識別することができる。即ち、UE−CSSサイズは48個のCCEであることを識別することができ、または例えば{16,28,36,44}個のCCEセットのようにUE−CSSサイズの構成セットで第3要素により決まる。
【0119】
図17は、本発明の一実施形態に従う、ノードBがUE−CSSサイズをA−UEに明示的及び暗示的に指示することを図示する。
【0120】
図17を参照すると、明示的な指示において、ノードBは例えばSIB通信のような通信チャンネルを介してA−UEにUE−CSSサイズを通知する。例えば、ノードBは“10”値を有する2ビットを転送して36個のCCEを指示し、4個の可能なUE−CSSサイズのセットで3番目の要素となる(1710)。放送情報の受信時、A−UEは前述した通り、レガシーシステムと互換可能なPDCCH拡張のための各々のセルに対してUE−CSSを決定する(1720)。暗示的な指示において、ノードBは
図17に図示されたように、PDCCHサイズ構成(例えば、SIBでの構成)を放送し、このような構成に基づいてA−UEは各々のセルに対するUE−CSSサイズ及びUE−CSSを決定する。例えば、ノードBは第3のPDCCHサイズ構成を放送し(1730)、その後、A−UEはUE−CSSサイズを36個のCCEに決定する(1740)。
【0121】
本発明の特定の実施形態を参照して本発明を表して説明したが、添付した請求項に記載されたように、本発明の趣旨と範囲を逸脱しない範囲で形態と詳細において多様な変化がなされることができ、その均等物であることを当業者は理解することができる。