(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722981
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】通信システムにおけるHARQ−ACK信号のための伝送デイバーシティ及び多重化
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20150507BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20150507BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20150507BHJP
H04J 11/00 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W28/04 110
H04W16/28 151
H04J11/00 Z
【請求項の数】18
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-240446(P2013-240446)
(22)【出願日】2013年11月20日
(62)【分割の表示】特願2012-535122(P2012-535122)の分割
【原出願日】2010年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-64309(P2014-64309A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2013年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/252,854
(32)【優先日】2009年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/355,871
(32)【優先日】2010年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アリス・パパサケラリオウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ヨン・チョ
【審査官】
遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−509073(JP,A)
【文献】
特表2012−520000(JP,A)
【文献】
ZTE,ACK/NACK Design for LTE-Advanced,3GPP TSG-RAN WG1 #58 R1-093208,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58/Docs/R1-093208.zip
【文献】
ZTE,Uplink Control Channel Design for LTE-Advanced,3GPP TSG-RAN WG1 #58bis R1-093820,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-093820.zip,2009年10月
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Physical layer procedures(Release 8),3GPP TS 36.213 V8.8.0 (2009-09),http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.213/36213-880.zip,2009年 9月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04J 11/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおけるハイブリッド自動再送要求−確認(HARQ−ACK)信号を送信する方法であって、
少なくとも二つのセルの送信モードを識別するステップと、
前記少なくとも二つのセルのうち一つのセルで、該当する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)により指示される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で一つ又は二つのトランスポートブロックを受信するステップと、
少なくとも一つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースを識別するステップと、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースに基づいて前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する少なくとも一つのHARQ−ACK信号を送信するステップと、を含み、
前記該当するPDCCHは、少なくとも一つの制御チャネルエレメント(CCE)を含み、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第1のPUCCHリソースは、前記該当するPDCCHの送信のために使用される第1のCCE、nCCEに基づいて定義され、最大二つのトランスポートブロックをサポートする前記送信モードに対して、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第2のPUCCHリソースは、nCCE+1に基づいて定義されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも二つのセルの他のセルで、該当するPDCCHにより指示されるPDSCHで一つ又は二つのトランスポートブロックを受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも二つのセルのうち前記一つのセルは、第1のセルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも二つのセルの他のセルの第3のPUCCHリソース及び第4のPUCCHリソースを識別するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する前記少なくとも一つのHARQ−ACK信号に対するHARQ−ACK状態は、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの中一つにマッピングされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
通信システムにおけるハイブリッド自動再送要求−確認(HARQ−ACK)信号を受信する方法であって、
少なくとも二つのセルのうち一つのセルで、該当する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)により指示される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で一つ又は二つのトランスポートブロックを送信するステップと、
少なくとも一つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースに基づいて前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する少なくとも一つのHARQ−ACK信号を受信するステップと、を含み、
前記該当するPDCCHは、少なくとも一つの制御チャネルエレメント(CCE)を含み、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第1のPUCCHリソースは、前記該当するPDCCHの送信のために使用される第1のCCE、nCCEに基づいて定義され、最大二つのトランスポートブロックをサポートする送信モードに対して、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第2のPUCCHリソースは、nCCE+1に基づいて定義されることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記少なくとも二つのセルの他のセルで、該当するPDCCHにより指示されるPDSCHで一つ又は二つのトランスポートブロックを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも二つのセルのうち前記一つのセルは、第1のセルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する前記少なくとも一つのHARQ−ACK信号に対するHARQ−ACK状態は、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの中一つにマッピングされることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
通信システムにおけるハイブリッド自動再送要求−確認(HARQ−ACK)信号を送信する装置であって、
少なくとも二つのセルの送信モードを識別し、少なくとも一つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースを識別するプロセッサと、
前記少なくとも二つのセルのうち一つのセルで、該当する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)により指示される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で一つ又は二つのトランスポートブロックを受信する受信器と、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースに基づいて前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する少なくとも一つのHARQ−ACK信号を送信する送信器と、を含み、
前記該当するPDCCHは、少なくとも一つの制御チャネルエレメント(CCE)を含み、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第1のPUCCHリソースは、前記該当するPDCCHの送信のために使用される第1のCCE、nCCEに基づいて定義され、最大二つのトランスポートブロックをサポートする前記送信モードに対して、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第2のPUCCHリソースは、nCCE+1に基づいて定義されることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記受信器は、前記少なくとも二つのセルの他のセルで、該当するPDCCHにより指示されるPDSCHで一つ又は二つのトランスポートブロックを受信することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも二つのセルのうち前記一つのセルは、第1のセルであることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記少なくとも二つのセルの他のセルの第3のPUCCHリソース及び第4のPUCCHリソースを識別することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する前記少なくとも一つのHARQ−ACK信号に対するHARQ−ACK状態は、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの中一つにマッピングされることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
通信システムにおけるハイブリッド自動再送要求−確認(HARQ−ACK)信号を受信する装置であって、
少なくとも二つのセルのうち一つのセルで、該当する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)により指示される物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で一つ又は二つのトランスポートブロックを送信する送信器と、
少なくとも一つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースに基づいて前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する少なくとも一つのHARQ−ACK信号を受信する受信器と、を含み、
前記該当するPDCCHは、少なくとも一つの制御チャネルエレメント(CCE)を含み、
前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第1のPUCCHリソースは、前記該当するPDCCHの送信のために使用される第1のCCE、nCCEに基づいて定義され、最大二つのトランスポートブロックをサポートする送信モードに対して、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの第2のPUCCHリソースは、nCCE+1に基づいて定義されることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記送信器は、前記少なくとも二つのセルの他のセルで、該当するPDCCHにより指示されるPDSCHで一つ又は二つのトランスポートブロックを送信することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも二つのセルのうち前記一つのセルは、第1のセルであることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記一つ又は二つのトランスポートブロックに対する前記少なくとも一つのHARQ−ACK信号に対するHARQ−ACK状態は、前記少なくとも一つのPUCCHリソースの中一つにマッピングされることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より詳しくは、伝送ダイバーシティ(diversity)の適用を含む確認信号(acknowledgement signal)の伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、基地局(base station、ノードB)からユーザ機器(User Equipment:UE)への信号伝送をサポートするダウンリンク(DownLink:DL)と、ユーザ機器(UE)から基地局への信号伝送をサポートするアップリンク(UpLink:UL)とを含む。通常、端末又は移動局(mobile station)と呼ばれるユーザ機器は、固定式又は移動式であり、無線装置、携帯電話、パーソナルコンピュータ装置などであり得る。ノードBは、一般に、固定局であり、基地局送受信システム(Base Transceiver System:BTS)、アクセスポイント(access point)又はその他の用語とも言われる。
【0003】
UEからのUL信号は、情報コンテンツを伝達するデータ信号、制御信号、及びパイロット信号とも知られている基準信号(RS)を含む。UL制御信号は、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request:HARQ)プロセスの使用と関連した確認信号を含み、UEによるデータトランスポートブロック(TB)の正確な又は不正確な受信のそれぞれに応答する。UL制御信号は、物理的アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)でデータ信号から分離して伝送されることができ、又は伝送時間区間(Transmission Time Interval:TTI)にわたって物理的アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)でデータ信号と共に伝送されることができる。UEは、物理的ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)を通じてノードBからのTBを受信し、ノードBは、物理的ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)で伝送されたダウンリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)フォーマットを介してPDSCHにおけるTBの伝送又はPUSCHにおけるUEからのTBの伝送をスケジューリングする。
【0004】
図1では、説明の便宜上、一つのサブフレームを含むと想定し、UL TTIでHARQ確認(HARQ−ACK)信号伝送のためのPUCCH構造を示す。サブフレーム110は、2個のスロットを含む。各スロット120は、HARQ−ACK信号130の伝送又はHARQ−ACK信号のコヒーレント復調(coherent demodulation)を可能とするRS140の伝送のためのシンボル
【0005】
【数1】
【0006】
を含む。各シンボルは、チャネル伝播効果(channel propagation effect)による干渉を軽減するためのサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)をさらに含む。第1スロットの伝送は、周波数ダイバーシティを提供するため、動作帯域幅(bandwidth:BW)での第2スロットと異なる部分で行われることができる。上記動作BWは、リソースブロック(Resource Block:RB)と呼ばれる周波数リソースユニットからなると想定される。各RBは、
【0007】
【数2】
【0008】
個の副搬送波又はリソースエレメント(Resource Elements:REs)を含み、UEは一つのRB150にHARQ−ACK信号とRSを伝送する。
【0009】
図2には、一つのスロットのPUCCHにおけるHARQ−ACK信号伝送のための構造が例示される。他のスロットの伝送は、同じ構造を有するのが効果的であると看做される。HARQ−ACKビットb210は、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)又はQPSK(Quaternary Phase Shift Keying)変調を利用して「CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation )」シーケンス230を変調し(220)、次に、後述する逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)を行った後に伝送される。RS240は、非変調CAZACシーケンスを介して伝送される。
【0010】
CAZACシーケンスの例は、下記式(1)により与えられる。
【0011】
【数3】
【0012】
上記式(1)において、LはCAZACシーケンスの長さであり、nはシーケンスn={0、1、・・・、L−1}の一つのエレメントのインデックスであり、kはそのシーケンスのインデックスである。ここで、Lが素数(prime number)である場合、kが{0、1、・・・、L−1}で変動するによって定義されるL−1の別個シーケンスが存在する。RBが、例えば、
【0013】
【数4】
【0014】
のような偶数のREを含んでいれば、同一の長さを有するCAZACシーケンスが、CAZAC属性を満たすシーケンスのコンピュータ検索を通じて直接的に生成され得る。
【0015】
図3は、PUCCHでHARQ−ACK信号のためのUE送信機の構造を例示する。コンピューターにより生成されたCAZACシーケンス310の周波数−ドメインのバージョンが考慮される。第1RB及び第2RBは、それぞれ第1スロット及び第2スロットでCAZACシーケンス伝送(330)のため選択され(320)、IFFTが遂行され(340)、サイクリックシフト(CS)が、後述するように、出力(350)に適用される。最終的に、CP360及びフィルタリング370が、伝送された信号380に適用される。UEはガードRE(図示せず)で、かつ信号伝送に使用されないREで、ゼロパディング(zero padding)を適用すると想定される。なお、説明の簡潔化のため、当該技術分野における公知のデジタル−アナログ変換器、アナログフィルタ、増幅器、及び送信機アンテナなどのような付加的な送信機回路は、図示しない。
【0016】
逆の(相補的に)送信機の機能は、PUCCHでHARQ−ACK信号受信のためノードBにより遂行され、これは
図4に示す。
図4は、
図3に示した動作の逆動作を示す。アンテナはRFアナログ信号を受信し、処理ユニット(フィルタ、増幅器、周波数ダウン変換器、アナログ−デジタル変換器など)をさらに経た後、受信信号410はフィルタリングされ(420)、CPが除去される(430)。その次に、CSが復元され(440)、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)450が適用され、第1スロット及び第2スロットにおける信号伝送460の第1RB及び第2RBが各々選択され(465)、信号がCAZACシーケンスのレプリカ(replica)480と相関される(470)。次に、出力(490)は、RSの場合に、又は伝送されたHARQ−ACK情報を検出するように、時間ー周波数補間器のようなチャネル推定ユニット(channel estimation unit)へ伝達することができる。
【0017】
同一のCAZACシーケンスの異なるCSは、直交CAZACシーケンスを提供し、同一のPUCCH RBで信号伝送の直交多重化のため異なるUEに割当てられ得る。このような原理は、
図5に示される。同一のルートCAZACシーケンスの多数のCS520、540、560、580から各々生成された多数のCAZACシーケンス510、530、550、570が直交型となるために、CS値△590は、チャネル伝播遅延拡散(channel propagation delay spread)D(時間不確実性エラー及びフィルタスピルオーバー(filter spillover)効果を包含)を超えなければならない。T
Sがシンポル持続時間である場合、そのようなCSの数はT
S/D比の数学的最低値(floor)、即ち、切り捨て(rounding down)と同様である。
【0018】
CAZACシーケンスの異なるCSを用いて、同一のRBで異なるUEからのHARQ−ACK信号伝送の直交(orthogonal)多重化に加えて、直交多重化は、また、直交カバーリング符号(Orthogonal Covering Codes:OCCs)を用いる時間ドメインで達成することができる。例えば、
図2において、HARQ−ACK信号は、WH(Walsh-Hadamard)OCCのような、長さ(length)−4OCCにより変調できる反面、RSは、DFT OCC(簡潔化のため、図示せず)のような、長さ−3OCCにより変調できる。このような方式で、PUCCH多重化能力は、3(長さのより短いOCCにより決定)の因子程度に増加される。WH OCC{W
0,W
1,W
2,W
3}及びDFT OCC{D
0,D
1,D
2}のセットは以下の通りである。
【0019】
【数5】
【0020】
下記テーブル1は、PUCCHシンボル当たりCAZACシーケンスの総合を12CSと仮定する場合、OCC n
OC及びCSαに対するHARQ−ACK信号の伝送に用いられるPUCCHリソースn
PUCCHのためのマッピングを例示する。
【0021】
【表1】
【0022】
DCIフォーマットは、制御チャネルエレメント(Control Channel Eliment:CCE)と称するエレメンタリユニット(elementary units)へ伝送される。各CCEは多数のREからなり、UEはノードBによって物理的制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)の伝送を通じてCCEsの総数、NCCEを知らされる。DCIフォーマットによってスケジュールされる周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)システム及びPDSCH伝送のため、UEはより高いレイヤ[無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)レイヤのような]によって構成されるオフセットN
PUCCHに加えて、DCIフォーマットの第1CCE、n
CCEからn
PUCCH、即ち、n
PUCCH=n
CCE+N
PUCCHを決定する。時分割複信(Time Division Duplex:TDD)システムの場合、n
PUCCHの決定は後述するように、より複雑であるが、該当するPDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットのCCEを用いる同一のマッピング原理が適用される。
【0023】
TDDシステムにおいて、DL及びUL伝送は、異なるサブフレームで行われる。例えば、10個のサブフレームを含むフレームにおいて、いくつかのサブフレームはDL伝送に用いられてもよく、いくつかのサブフレームはUL伝送に用いられてもよい。
【0024】
図6は、二つの同一なハーフフレームを含む10ミリセカンド(ms)フレームの構造を例示している。各5msハーフフレーム610は、8個のスロット620と3個のスペシャルフィールド、即ち、DL ParTシンボル(DwPTS)630、ガードピリオド(GP)640、及びUL ParTシンボル(UpPTS)650に分けられる。DwPTS+GP+UpPTSの長さは、一つのサブフレーム(1ms)660である。上記DwPTSは、ノードBから同期信号の伝送に用いられる反面、UpPTSはUEからランダムアクセス信号の伝送に用いられ得る。GPは一時的な干渉現象を吸収することにより、DL伝送とUL伝送との間の転換を容易にする。
【0025】
TDDシステムにおいて、フレーム当たりDL及びULサブフレームの数は異なってもよく、複数のDLサブフレームは、単一のULサブフレームと関連されてもよい。複数のDLサブフレームと単一のULサブフレームとの間の関連は、複数のDLサブフレームでPDSCH伝送に応じて生成されたHARQ−ACK情報が、単一のULサブフレーム内に伝達される必要があることを意味する。
【0026】
複数のDLサブフレームにおけるPDSCH伝送に応じて、UEが単一のULサブフレームでHARQ−ACK情報を伝達するための第1方法は、HARQ−ACKバンドリング(bundling)であって、UEは、各々のPDSCHにおける全てのTBが正確に受信される場合にのみ、肯定確認信号(positive ACKnowledgement:ACK)を伝送し、その他の場合には、否定確認信号(Negative ACKnowledgement:NACK)を伝送する。従って、HARQ−ACKバンドリングは、UEが各々のPDSCHにおけるいくつかのTB(全体ではなく)を正確に受信するときも、NACK信号が伝送されるので、不要な再伝送とDLの減少を招く。複数のDLサブフレームにおける各々のPDSCHのTBに応答して、UEが単一のULサブフレームでHARQ−ACK情報を伝達するためのもう一つの方法は、HARQ−ACK多重化であって、これは後述するように、HARQ−ACK信号の伝送のためのPUCCHリソースの選択に基づく。本発明は、主にHARQ−ACK多重化に焦点を当てている。
【0027】
本発明の一実施形態において、1ULサブフレームと関連した1、2、3、4又は9個のDLサブフレームが存在する。従って、UEがDLサブフレームでPDSCH当たり最大2個のTBを受信すると仮定すれば、ULサブフレームで伝送されるHARQ−ACKビットの数は1、2、3、4、6、8、9又は18であり得る。そのような動的な範囲の数のHARQ−ACKビットをサポートするのは典型的に望ましくなく、その理由は、UEへのPDSCH伝送に失敗したDCIフォーマット(DTXと称する)により、予想HARQ−ACK信号伝送の欠如を含めて、ノードBで必要な検出信頼性を保障し難いためである。HARQ−ACKビットの数を減らすため、空間ドメインにバンドリングを適用することができ、その結果、PDSCHで2TBの場合に単一のHARQ−ACKビットとなる。これは、ULサブフレームで可能なHARQ−ACKビットの数を1、2、3、4又は9個に減少させる。さらに、時間ドメインにおけるバンドリングは、最大数がいつも4HARQ−ACKビットに減少されるように、9HARQ−ACKビットの場合に適用され得る。次に、HARQ−ACK多重化が4HARQ−ACKビットまで伝送するよう使われることができる。
【0028】
HARQ−ACK多重化により、UEに対するPDSCH伝送がDLサブフレーム全体で遂行されなかった場合にも、UEが複数のDLサブフレームの各々に対するHARQ−ACK値(ACK、NACK又はDTX)を伝達する。例えば、HARQ−ACK情報が、同一のULサブフレームで伝送される必要がある4DLサブフレームが存在する場合、HARQ−ACK多重化により、UEからのHARQ−ACK信号が、そのUEに対するPDSCH伝送が4個より少ないDLサブフレームで遂行される場合でも、4DLサブフレームの各々に対するHARQ−ACK情報を伝達する。
【0029】
テーブル2は、UEが同一のULサブフレームで2DLサブフレームに対するHARQ−ACK情報を伝達する場合のHARQ−ACK多重化を例示している(HARQ−ACK状態は、2HARQ−ACK値からなる)。UEは、HARQ−ACK情報によって、QPSK変調HARQ−ACK信号の伝送のための一つのQPSK信号点(constellation point)(信号空間ダイヤグラム(constellation diagram:信号点配置図)上の)と一つのPUCCHリソース、n
PUCCH(0)又はn
PUCCH(1)を選択する。各々のPUCCHリソースは、2DLサブフレームの各々で各PDSCH伝送のためのDCIフォーマットの第1CCEから決定される。
【0030】
【表2】
【0031】
図7は、テーブル2におけるHARQ−ACK信号伝送プロセスを例示する。あるDCIフォーマットがUEにより受信されない場合、何らのHARQ−ACK信号伝送も存在しない。UEが第2DLサブフレーム702でDCIフォーマットを受信すると、それは後続してQPSK信号点にマッピングされる可能なHARQ−ACK状態として{NACK/DTX、ACK}722、{ACK、ACK}724、及び{NACK/DTX、NACK}726を有するHARQ−ACK信号伝送のためのn
PUCCH(1)を決定するため、各々の第1CCEを使用する。UEが第1DLサブフレーム704でのみ、DCIフォーマットを受信する場合、それは後続してQPSK信号点にマッピングされる可能なHARQ−ACK状態として、{ACK、NACK/DTX}742、及び{NACK、DTX}744を有するHARQ−ACK信号伝送のためのn
PUCCH(0)を決定するため、各々の第1CCEを使用する。
【0032】
テーブル2は、UEが同一のULサブフレームで2DLサブフレームに対するHARQ−ACK情報を伝達する場合のHARQ−ACK多重化を例示している(HARQ−ACK状態は、2HARQ−ACK値からなる)。UEは、HARQ−ACK情報によって、QPSK変調HARQ−ACK信号の伝送のための一つのQPSK信号点及び一つのPUCCHリソース、n
PUCCH(0)又はn
PUCCH(1)を選択する。各々のPUCCHリソースは、2DLサブフレーム各々で各PDSCH伝送のためのDCIフォーマットの第1CCEから決定される。
【0033】
テーブル3は、UEが同一のULサブフレームで3DLサブフレームに対するHARQ−ACK情報を伝達する場合のHARQ−ACK多重化を例示する(HARQ−ACK状態は、3HARQ−ACK値からなる)。UEは、HARQ−ACK情報によって、QPSK変調HARQ−ACK信号の伝送のための一つのQPSK信号点及び一つのPUCCHリソース、n
PUCCH(0)、n
PUCCH(1)又はn
PUCCH(2)を選択する。各々のPUCCHリソースは、3DLサブフレーム各々で各PDSCH伝送のためのDCIフォーマットの第1CCEから決定される。UEへの割当てられたPDSCH伝送の累積数を表すダウンリンク割当インデックス(Downlink Assignment Index:DAI)情報エレメント(Information Element:IE)のPDSCH伝送のためのDCIフォーマットにおける包含を介して明示的DTX指示が可能である。
【0034】
【表3】
【0035】
最終的に、テーブル4は、UEが同一のULサブフレームで4DLサブフレームに対してHARQ−ACK情報を伝達する場合のHARQ−ACK多重化を例示する(HARQ−ACK状態は、(3/4)HARQ−ACK値からなる)。UEは、HARQ−ACK情報によって、QPSK変調HARQ−ACK信号の伝送のための一つのQPSK信号点及び一つのPUCCHリソース、n
PUCCH(0)、n
PUCCH(1)、n
PUCCH(2)又はn
PUCCH(3)を選択する。各々のPUCCHリソースは、4DLサブフレーム各々で各PDSCH伝送のためのDCIフォーマットの第1CCEから決定される。
【0036】
【表4】
【0037】
テーブル4におけるマッピングの主な欠点は、多数のHARQ−ACK状態が、同一のPUCCHリソース及びQPSK信号点にマッピングされる(即ち、オーバーラッピングされる)ことである。例えば、テーブル4で三つの異なるHARQ−ACK状態(エントリ2、4及び6)は、PUCCHリソースn
PUCCH(1)及びQPSK信号点{1、0}にマッピングされる。同様に、三つの他のHARQ−ACK状態(エントリ7、12及び17)は、PUCCHリソースn
PUCCH(3)及びQPSK信号点{0、1}にマッピングされる。テーブル4において、20HARQ−ACK状態が4PUCCHリソース及び4QPSK信号点に応じた最大16個の位置にマッピングされなければならないので、そのようなオーバーラップは避けられない。
【0038】
テーブル4において、HARQ−ACK状態のオーバーラッピングにより、システム処理能力が低下する。ノードBは、典型的に、非唯一性(non-unique)値がNACK又はDTXに相当すると仮定して 、UEが各々のPDSCHのTBを実際に正確に受信したとしても、HARQ再伝送を行う必要がある。ノードBが、第1及び第2サブフレームでUEに対するPDSCH伝送をスケジュールする場合、第3又は第4サブフレームでUEに対するPDSCH伝送をスケジュールするのは、通常、不可能である(エントリ2、4及び6)。同様に、ノードBが第3及び第4サブフレームでUEに対するPDSCH伝送をスケジュールする場合、第1又は第2サブフレームでUEに対するPDSCH伝送をスケジュールすることは、通常、不可能である(エントリ7、12及び17)。従って、テーブル4におけるマッピングは、HARQ−ACK状態のオーバーラップを最小化又は回避するため、改善されなければならない。HARQ−ACK状態の数が増加するにつれ、マッピング表を繰り返し構築するためには、一定の規則がさらに定められるべきである。
【0039】
2個以上の送信機アンテナを備えるUEの場合、送信機ダイバーシティ(TxD)は、空間ダイバーシティを提供することにより、ノードBで受信信号の信頼性を向上することができる。HARQ−ACK信号伝送には、PUCCHシンボル全体に適用されたOCCのため、かつ、一つのスロット内のPUCCHシンボル全体に可能なCSホッピング(hopping)のため、空間−時間コーディングを用いるTxD方法の適用に問題が発生する。反対に、各UE送信機アンテナは、個別的な(直交)PUCCHリソースを用いる直交リソース伝送ダイバーシティ(Orthogonal Resource Transmission Diversity:ORTD)を直接適用することができる。
【0040】
図8は、ORTDの応用を例示している。第1UE送信機アンテナは、DCIフォーマットの伝送に用いられる第1CCEと関連した第1PUCCHリソース810を使用し、第2UE送信機アンテナは、DCIフォーマットの伝送に用いられる第2CCEと関連すると推定可能な第2PUCCHリソース820を使用する。両方のアンテナは、ACK830、850又はNACK840、860の同じ情報を伝送する。
【0041】
ORTDが追加のPUCCHリソースを必要としても、UEは時々HARQ−ACK信号の伝送のための二つ以上の直交PUCCHリソースを利用可能である。例えば、PDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットが、その伝送のため二つ以上のCCEを用いる際、各CCEはHARQ−ACK信号の伝送に直交PUCCHリソースを提供する。しかしながら、ORTDを適用するUEに対して、追加の直交PUCCHリソースの個別的構成のような追加のメカニズムを利用せず、HARQ−ACK信号伝送のためORTDを使用すると、一般的に問題が引き起こされる。その理由は、各々のPDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットが、ただ一つのCCEからなり、その次のCCEは別のUEにPDSCH伝送をスケジューリングする別のDCIフォーマットを伝送するに用いられた第1CCEであり得るためである。
【0042】
TDDシステムに用いられるHARQ−ACK多重化は、UEが同一のTTIで複数のDLセルでの複数のPDSCH伝送を受信する搬送波集積(Carrier Aggregation:CA)技術を利用するFDDシステムに対しても拡大され得る。CA技術は、基本的に、マルチセルオペレーションへのシングルセルオペレーションの並列化(parallelization)である。各々のPDSCH受信のため、UEは、PDSCHが一つのTBを伝達した場合、一つのHARQ−ACK値(ACK、NACK又はDTX)を、そして、PDSCHが2個のTBを伝達した場合には、2個のHARQ−ACK値({ACK、ACK}、{ACK、NACK}、{NACK、ACK}、{NACK、NACK}又はDTX)をノードBに伝達する必要がある。
【0043】
従って、各々のDCIフォーマットの伝送のため使用可能なCCEを活用して多重化することにより、ORTDがHARQ−ACK信号伝送を可能にする必要がある。
【0044】
さらに、多重化を用いるHARQ−ACK信号伝送のためのPUCCHリソースの利用を最適化する必要がある。
【0045】
なお、同一のPUCCHリソース又はQPSK信号点に対するHARQ−ACK状態のオーバーラップを最小化又は回避し、かつHARQ−ACK状態の数が増加するにつれ、繰り返しマッピング規則を定める必要がある。
【0046】
最終的に、搬送波集積技術を利用するFDDシステムのHARQ−ACK多重化をサポートする必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0047】
【非特許文献1】Samsung,UL ACK/NAK Transmission in LTE-A,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting#57bis R1-092668,2009年 7月 3日,p1-p3,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_57b/Docs/R1-092668.zip
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
本発明の目的は、従来の技術において上述した制限と問題を解決すると共に、後述する利点を提供することにある。本発明の一つの観点は、ORTDを用いてユーザ機器(UE)がHARQ−ACK信号を基地局に伝送するための装置及び方法であって、TDDシステムにおいて、又はCAを利用するFDDシステムにおいて、第1TBの受信と関連した第1リソースを用いて第1UEアンテナからHARQ−ACK信号を伝送し、また、第2TBの受信と関連した第2リソースを用いて第2UEアンテナからHARQ−ACK信号を伝送する装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本発明の別の観点によれば、リソース多重化を用いて、ユーザ機器(UE)がHARQ−ACK信号を基地局へ伝送するための方法が提供される。この方法は、同一な大きさのHARQ−ACK情報について、UEがTDDシステムで動作する際には、第1マッピングが使用され、また前記UEがFDDシステムで動作する際には、第2マッピングが使用され、前記第1マッピングは、同一のリソースに対する異なるHARQ−ACK状態のオーバーラッピングを含み、また前記第2マッピングは、異なるHARQ−ACK状態を異なるリソースと常に関連させる。いずれか一つのマッピングにおいて、HARQ−ACK情報の最後の値がACKである場合、最後に受信されたPDSCHをスケジューリングするために用いられたDCIフォーマットに相当する制御リソースが、HARQ−ACK信号伝送のため選択される。
【0050】
本発明のさらなる別の観点によれば、リソース多重化を用いて、UEがHARQ−ACK信号を基地局へ伝送するための方法及び装置が提供される。この方法及び装置は、UEが一つのTBを受信するときには、第1制御チャネルリソースを利用し、二つのTBを受信するときには、第1及び第2制御チャネルリソースを利用し、前記UEは、第1制御チャネルリソースから第2制御チャネルリソースを予測する。
【0051】
なお、本発明の別の観点によれば、ユーザ機器(UE)が確認信号を基地局へ伝送するための方法であって、前記確認信号が複数の伝送時間区間にわたって、UEによって受信された多数のトランスポートブロック(TB)のUEによる受信に対する確認情報を伝達し、また変調スキームの複数の信号点から一つの信号点、及び制御チャネルの複数のリソースから一つのリソースを選択することにより伝送される方法において、前記確認情報が2又は3ビットからなる場合、TBの受信失敗に対する明示的指示を含む確認情報を提供するための確認信号を伝送する過程と、前記確認情報が4ビットからなる場合、TBの受信失敗に対する明示的指示を含まない確認情報を提供するための確認信号を伝送する過程と、を含む。
【0052】
本発明の上述した観点、特徴、及び長所は、添付図面と関連して後述する発明の詳細な説明から一層明らかになるだろう。
【発明の効果】
【0053】
この発明によれば、できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】HARQ−ACK信号の伝送のためのPUCCHサブフレーム構造を例示する図である。
【
図2】PUCCHサブフレームの1個のスロットにおけるHARQ−ACK信号の伝送を例示する図である。
【
図3】PUCCHにおけるHARQ−ACK信号についてのUE送信機構造を例示するブロック図である。
【
図4】PUCCHにおけるHARQ−ACK信号についてのノードB受信機構造を例示するブロック図である。
【
図5】直交CAZACシーケンスを提供する同一のCAZACシーケンスの異なるCSの使用を例示する図である。
【
図6】二つの同一なハーフフレームからなる10msフレーム構造を例示する図である。
【
図7】TDDシステムの2個のサブフレームでPDSCH受信に応答してHARQ−ACK多重化を用いるHARQ−ACK信号の伝送を例示する図である。
【
図9】ORTDを用いる多重化によるHARQ−ACK信号の伝送を例示する図である。
【
図10】ORTDと共に、多重化を用いるノードB受信機のHARQ−ACK信号の受信プロセスを例示する図である。
【
図11】最後のDLサブフレームでPDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットが、2CCEを用いて伝送されると仮定する場合におけるORTDの適用例を例示する図である。
【
図12】UEが二つのDLセルでPDSCHを受信するFDDシステムにおいて、多重化によるHARQ−ACK信号の伝送を例示するためのUEの動作手順を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は多数の実施形態で実施することができ、本明細書で記述した実施形態に限定されると解すべきではない。本実施形態は、本開示が完全で当業者に発明の範囲を十分に伝えるように提供するものである。
【0056】
なお、本発明は、単一搬送波周波数分割多重接続(Single-Frequency Division Multiple Access:SC−FDMA)通信システムと関連して説明されているが、本発明は、一般的に、全周波数分割多重化(FDM)システムに適用され、特に、直交周波数多重接続(OFDMA)、OFDM、FDMA、DFT(Discrete Fourier Transform)−拡散OFDM、DFT−拡散OFDMA、SC−OFDMA、及びSC−OFDMにも適用される。
【0057】
本発明の実施形態は、各々のPDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットが、二つ以上のCCEを用いて伝送したと仮定できない場合、HARQ−ACK信号の伝送のためにORTDの適用を考慮する。上記実施形態は、HARQ−ACK多重化の場合を仮定しているが、同じ原理がHARQ−ACKバンドリングの場合に適用される。ここでは、二つのUE送信機アンテナを仮定する。三つ以上のUE送信機アンテナの場合には、二つのUE送信機アンテナの場合を仮想してもよい。本実施形態は、M=2個のDLサブフレーム(TDDシステム)の場合をさらに考慮する。この場合に、関連したHARQ信号の伝送は、同一のULサブフレームで遂行されるが、M=2個のDLセルにわたってCAを用いるFDDシステムについて同一な原理が適用される。DCIフォーマットj(ここで、j=0、…、M−1)を伝送するために用いられた第1CCEに相当するHARQ−ACK信号伝送のためのPUCCHリソースは、n
PUCCH(j)と表示される。
【0058】
図9は、ORTDを用いる多重化によるHARQ−ACK信号伝送のための実施形態を示す。UEが第2DLサブフレーム902でDCIフォーマットを受信すると、これはQPSK信号点配置(constellation)において可能なHARQ−ACK状態として{NACK/DTX、ACK}922、{ACK、ACK}924及び{NACK/DTX、NACK}926を有する第1アンテナからのHARQ−ACK信号伝送のためのn
PUCCH(1)910を決定するため、該当する第1CCEを用いる。UEが、また、第1DLサブフレーム930でDCIフォーマットを受信すると、これはQPSK信号点配置において可能なHARQ−ACK状態として{NACK/DTX、ACK}952、{ACK、ACK}954及び{NACK/DTX、NACK}956を有する第2アンテナからのHARQ−ACK信号伝送のためのn
PUCCH(0)940を決定するため、該当する第1CCEを用いる。UEが第1DLサブフレーム904でのみ、DCIフォーマットを受信する場合、これは1UE送信機アンテナにより、又は複数のUEアンテナからの伝送を組合わせることにより(例えば、プレコーディング(precoding)を用いて)、QPSK信号点配置において可能なHARQ−ACK状態として{ACK、NACK/DTX}972、及び{NACK、DTX}974を有するHARQ−ACK信号伝送のためのn
PUCCH(0)960を決定するため、該当する第1CCEを用いる。
【0059】
従って、TDDシステムにおける複数のDLサブフレームで、又はFDDシステムにおける複数のDLセルで、それぞれ複数のDCIフォーマットに該当するCCEが、それぞれ、通常的なHARQ−ACK信号伝送のためのPUCCHリソースと関連したDCIフォーマットが二つ以上のCCEで伝送されたと仮定できないと、ORTDをサポートするために用いられる。
【0060】
ORTDを利用するHARQ−ACK信号伝送のためUEによって用いられたPUCCHリソースを、ノードB受信機が決定する過程は、候補PUCCHリソースでエネルギー検出を行うことである。ノードBがHARQ−ACK信号伝送でPUCCHリソースを決定すると、その次に、
図9における信号点による受信信号を処理できる。2UE送信機アンテナの場合、各々の信号は最大比合成(Maximal-Ratio Combining:MRC)のような公知の方法により結合することができる。
【0061】
図10は、ORTDと共に、多重化を用いるHARQ−ACK信号の受信のためのノードB受信機プロセシング過程を示す。ノードB受信機は、まず、n
PUCCH(1)で受信信号エネルギーが「閾値0」を超えるか否かを検査する(1010)。1012の場合であれば、ノードB受信機は、また、n
PUCCH(0)で信号エネルギーが「閾値1」を超えるか否かを検査する(1020)。1022の場合であれば、ノードB受信機は、ORTDによりn
PUCCH(0)及びn
PUCCH(1)でHARQ−ACK信号の存在を推定し、2UEアンテナから伝送されたHARQ−ACK信号を復調する過程を進行し、MRCのような方法により出力を結合する(1030)。1024の場合であれば、ノードB受信機は、n
PUCCH(1)でのみHARQ−ACK信号の存在を推定し、その復調過程を進行する(1040)。n
PUCCH(1)で受信信号エネルギーが「閾値0」を超えない(1014)場合であれば、ノードB受信機は、n
PUCCH(0)で信号エネルギーが「閾値2」を超えるか否かを検査する(1050)。この過程は、過程1030と同様であってもよく、「閾値1」及び「閾値2」について異なる値を有すると思われる。1052の場合であれば、ノードB受信機は、HARQ−ACK信号を復調し、該当する値を決定する(1060)。1054の場合であれば、ノードBはそれ以上、何らの動作を実行しなくてもよく、UEがM=2個のDLサブフレームで何らのDCIフォーマットも正確に受信しなかったと仮定してもよい(1070)。n
PUCCH(0)及びn
PUCCH(1)での受信信号エネルギーを計算し、それを各々の閾値と比較する能力は、既にPUCCHリソース選択を利用するHARQ−ACK多重化をサポートするために要求されているので、本発明の方法によりORTDをサポートするため、ノードBによって追加過程が要求されないことが観察される。
【0062】
図9の実施形態は、UEが第1DLサブフレームでのみDCIフォーマットを受信する場合、ORTDが適用されなくてもよいことを考慮しているが、代替実施形態では、第1DLサブフレームにおけるDCIフォーマットが、少なくとも2CCEを含むとUEが推定できるようにして、UEが第1DLサブフレームでのみDCIフォーマットを受信する場合、ORTDが適用できるようにする。このような必要条件は、HARQ−ACK信号伝送が同一のULサブフレーム内で遂行される残余DLサブフレームでUEに伝送されるDCIフォーマットに対して要求されず、ORTDは
図9と関連して記述されたように適用され得る。
【0063】
本発明の他の実施形態は、繰り返しマッピング規則を考慮する。これはオーバーラップされるHARQ−ACK状態の数を最小化するために、HARQ−ACK信号伝送が同一のULサブフレーム内に存在する必要があるDLサブフレーム(TDDシステム)の数が増加するためである。同一のULサブフレームでHARQ−ACK信号伝送を有するM個のDLサブフレームに該当するHARQ−ACK状態に対する繰り返しマッピング規則は以下の通りである:
【0064】
a)任意のM−1の第1値及びその最後の(M番目の)値として、NACK/DTX又はDTXを有するM値(M DLサブフレームの場合)のHARQ−ACK状態は、同一のM−1値(M−1 DLサブフレームの場合)のHARQ−ACK状態として同一のPUCCHリソース及びQPSK信号点にマッピングされる。
【0065】
b)M ACK値のHARQ−ACKは、n
PUCCH(M−1)にマッピングされ、常に同一のQPSK信号点にマッピングされる。
【0066】
c)全ての第1M−1HARQ−ACK値がDTXを含むと、M番目のHARQ−ACK値は、それがACKの場合、n
PUCCH(M−1)にマッピングされる。NACKの場合にも同様に適用され得る。
【0067】
全ての第1M−1HARQ−ACK値がDTXを含み、M番目のHARQ−ACK値がNACKであれば、HARQ−ACK状態は、全てのM−1値がDTXとNACKの組合わせであるM−1値のHARQ−ACK状態(例えば、テーブル7でエントリ8)として、QPSK信号点及び同一のn
PUCCH(M−k),1<k≦Mにマッピングされてもよい。これは最後の値としてACKを有するHARQ−ACK状態をマッピングするための追加のn
PUCCH(M−1)リソースを提供する。
【0068】
d)残余HARQ−ACK状態は、常にその最後の値として、ACK値を有し、各々のQPSK信号点が利用可能であれば(テーブル6)、n
PUCCH(M−k),1<k≦M上にマッピングされるか、或いは利用可能なQPSK信号点(テーブル7)に対して優先的にn
PUCCH(M−1)上にマッピングされる。利用可能なリソースより残余HARQ−ACK状態が多く存在するため、いくつかのHARQ−ACK状態は同じリソースに必ずマッピングされる。このような場合の目的は、不要な再伝送の数を最小化することにある。M値が、最後の値としてACK値を有する全てのHARQ−ACK状態は、n
PUCCH(M−1)上にマッピングされ得る(テーブル8)。
【0070】
テーブル7は、全ての利用可能なリソースが用いられ(PUCCHリソース及びQPSK信号点)、かつ最後の値として、ACK値を有するHARQ−ACK状態のみが、最後のPUCCHリソース(n
PUCCH(M−1)=n
PUCCH(3))にマッピングされる際のHARQ−ACKマッピングを例示している。
【0072】
テーブル8は、すべての利用可能なリソースが用いられ(PUCCHリソース及びQPSK信号点)、かつ最後の値として、ACK値を有するHARQ−ACK状態全体が、最後のPUCCHリソース(n
PUCCH(M−1)=n
PUCCH(3))にマッピングされる際のHARQ−ACKマッピングを例示している。テーブル8の例において、オーバーラップされたHARQ−ACK状態は、第3PDSCH伝送の結果のみが曖昧であるように選択される。しかしながら、(PDSCH受信が正確であるか否かに関して)1番目の3PDSCH伝送の中の一つが曖昧になることにつながる全ての組合わせが可能である。
【0074】
本発明の他の実施形態は、同一のPUCCHリソース及び同一のQPSK信号点にマッピングされたHARQ−ACK状態(オーバーラップされるHARQ−ACK状態)の数の低減(完全な回避を含んで)を考慮する。このような目的を達成するため、本発明はオーバーラップされるHARQ−ACK状態を有するPUCCHリソースに該当するDCIフォーマットが少なくとも2CCE(又は一般的には、オーバーラップされるHARQ−ACK状態の数と少なくとも同等である多数のCCE)からなるとUEが仮定できることを考慮する。下記の実施形態において、PUCCHリソース表示法は、各々のDCIフォーマットのCCEインデックスnをさらに含むまでに拡大され、n=0、・・・、N(j)−1であるとき、n
PUCCH(j、n)と表示され得る。ここで、N(j)はj=0、・・・、M−1であるとき、DCIフォーマットjに対するCCEの総数である。
【0075】
本実施形態は、単一のULサブフレームにおけるHARQ−ACK信号伝送は、M=4個のDLサブフレーム(TDDシステム)におけるPDSCH伝送に該当すると看做す。さらに、テーブル8におけるマッピングによれば、最後(4番目)のDCIフォーマットは、少なくとも2CCEからなる。テーブル9は、最後(4番目)のDLサブフレームにおけるPDSCH伝送のためのDCIフォーマットが N(3)=2CCEからなると仮定するときの(テーブル8において、オーバーラッピングされる)HARQ−ACK状態の伝送を示す。HARQ−ACK状態のオーバーラッピングは、n
PUCCH(3,0)及びn
PUCCH(3、1)をそれぞれ用いてテーブル8の第1及び第2オーバーラッピングHARQ−ACK状態の伝送を分離することにより回避する。ノードB受信機は、前述したように、候補PUCCHリソースで受信信号エネルギーを検査することにより、UEによって伝送されたHARQ−ACK状態を決定することができる。
【0077】
複数のUE送信機アンテナの場合、TxDはオーバーラッピングHARQ−ACK状態が該当するPUCCHリソースに存在するか否かによって選択的に適用され得る。例えば、テーブル8において全てのオーバーラッピングHARQ−ACK状態が、最後のDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースで生じるため、HARQ−ACK信号伝送が1番目の3DCIフォーマットと関連した任意のPUCCHリソースで存在する場合、ORTDが適用されてもよい。反対に、HARQ−ACK信号伝送が、最後(4番目)のDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースで存在すると、両方のUEアンテナは、オーバーラッピングHARQ−ACK状態の存在を避けるため、例えば、テーブル9に示したように、HARQ−ACK状態によって決定される同一のPUCCHリソースで伝送する。それにもかかわらず、TxDは、テーブル9のように、選択されたリソースで一つの送信機アンテに送信させることにより、最後(4番目)のDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースで上記HARQ−ACK信号伝送が存在する場合に適用してもよく、異なるDLサブフレーム(又はFDDの場合には、DLセル)でDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースで第2アンテナに送信させてもよい。
【0078】
図11は、HARQ−ACK信号伝送が、M=4個のDLサブフレームに対する単一のULサブフレームで存在し、最後のDLフレームでPDSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマットが、2CCEを用いて伝送されると仮定できるときの2UE送信機アンテナに対するORTDの適用を例示する図である。UEが最後(4番目)のサブフレームでDCIフォーマットを受信すると、そのDCIフォーマットは少なくとも2CEEを含むと仮定される。HARQ−ACK信号伝送が、1番目の3DLサブフレーム中のいずれかでDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースに存在すると、TXDが適用される(
図8と同様に、通常のORTDにより、又は
図9において本発明の第1目的により記述されたORTD方法により)(1102)。HARQ−ACK信号伝送が、最後(4番目)のDLサブフレームでDCIフォーマットと関連したPUCCHリソースで存在すると(1104)、両方のUEアンテナは、同一のPUCCHリソースで伝送される(1110)。n
PUCCH(3,0)において、QPSK信号点に対するHARQ−ACK状態のマッピングは以下の通りである:{NACK/DTX、ACK、ACK、ACK}→{0,0}1122、{ACK、NACK/DTX、ACK、ACK}→{0,1}1124、{ACK、ACK、ACK、ACK}→{1、1}1126、及び{NACK/DTX、NACK/DTX、ACK、ACK}→{1,0}1128。n
PUCCH(3,1)において、QPSK信号点に対するHARQ−ACK状態のマッピングは以下の通りである:{NACK/DTX、ACK、NACK/DTX、ACK}→{0,0}1132、{ACK、NACK/DTX、NACK/DTX、ACK}→{0,1}1134、{ACK、ACK、NACK/DTX、ACK}→{1、1}1136、及び{NACK/DTX、NACK/DTX、NACK/DTX、ACK}→{1,0}1138。
【0079】
本発明の他の実施形態は、2DLセルの場合に、FDDにおいて搬送波集積(CA)の機能を有するHARQ−ACK多重化をサポートするためのHARQ−ACK状態のマッピングを考慮する。各々のセルでPDSCH伝送モード(TM)が、UEに4HARQ−ACK状態の全体に対する各々のPDSCH受信のために2HARQ−ACK状態を伝達することを要求すると、2TBでPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマットは、HARQ−ACK信号伝送のためのHARQ−ACK状態のマッピングに2PUCCHリソースを提供する1番目の2CCEによるその伝送のため、少なくとも2CCEを必要とすると仮定される。従って、第1セルにおけるDCIフォーマットは、PUCCHリソースn
PUCCH(0)及び n
PUCCH(1)と関連する反面、第2セルにおけるDCIフォーマットは、PUCCHリソースn
PUCCH(2)及びn
PUCCH(3)と関連する。2TBでPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマットを伝送するため、少なくとも2CCEを常に仮定するもう一つの重要性は、単一のセルの場合に、DCIフォーマットの1番目の2CCEに該当する異なるPUCCHリソースを用いていつもTXDをサポートできることである。
【0080】
一般的に、例えば、テーブル4又はテーブル7に示したように、TDDにおいてHARQ−ACK多重化に用いられる多数のHARQ−ACK状態は、FDD(2TBを伝達するPDSCHのためのTM及び2セルの場合)には適用不可能である。この理由は、DTXが1番目の2エントリ又は最後の2エントリの両方に適用可能であるか、或いはそれらの中のいずれにも適用不可能であるためである。これにより、オーバーラッピングするHARQ−ACK状態の数が減少され、テーブル4又はテーブル7のエントリ3及び5が除外される。その際、テーブル4又はテーブル7のエントリ8及び13をエントリ13と結合することにより、テーブル7におけるマッピングは、テーブル10のように修正される。一つのPDSCHに対するDTXが、他のPDSCHに対する{NACK、NACK}と結合されるエントリ10の場合にのみオーバーラップが観察される。その際、唯一の不利益は、HARQ−ACK再伝送中の一つが不正確な余計なバージョンを有することである。そのような出来事は、システム効率に対して何らの影響も及ぼさない。なお、DTXフィードバックがサポートされないと、オーバーラップも存在しない。従って、2DLセルを有するCAの場合、4ビットによるHARQ−ACK多重化は、Rel−8(テーブル4)におけるTDDについての欠点を実際に回避することができる。各々の候補マッピングは、テーブル10にまとめた。
【0082】
第1セルでPDSCHのTMが、2HARQ−ACK状態(2TBに対して)のUEからのフィードバックを必要とし、第2セルでPDSCHのTMが、1HARQ−ACK状態(1TBに対して)のUEからのフィードバックを必要とするとき、3状態によるHARQ−ACK多重化についての各々のマッピングは、テーブル11Aと同様である。第2セルにおけるPDSCHに対するDTX状態は、明示的に表示され、PUCCHリソースn
PUCCH(0)又はn
PUCCH(1)にマッピングされ、両方とも第1セルにおけるPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマット伝送と関連する。第2セルでPDSCHに対するNACK状態は、例えば、n
PUCCH(2)のような任意のPUCCHリソースにマッピングされることができ、これは第2セルにおけるPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマット伝送と関連する。第2セルでPDSCHに対するACK状態は、例えば、n
PUCCH(1)のような任意のリソースにまたマッピングされ得る。正確なQPSK信号点は、提案されたマッピングには関係ない。
【0084】
第2セルにおけるPDSCHのTMが、2HARQ−ACK状態(2TBに対して)のUEからのフィードバックを必要とし、さらに第1セルにおけるPDSCHのTMが、1HARQ−ACK状態(1TBに対して)のUEからのフィードバックを必要とする場合に、同一の原理が適用される。3状態によるHARQ−ACK多重化についての各々のマッピングは、テーブル11Bに示したように、テーブル11Aにおける第1及び第3HARQ−ACK状態を簡単に切り替えることにより得られる。
【0086】
上記2セル中のいずれか一つにおけるPDSCHのTMが、1AHRQ−ACK状態(1TBに対して)のUEからのフィードバックを必要とする場合、2状態によるHARQ−ACK多重化についての各々のマッピングは、テーブル12と同様である。ある一つのセルに対するDTX状態は、明示的にマッピングされる。第2セルでPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマットの第1CCEに該当するPUCCHリソースn
PUCCH(1)は、第1セルのDTX状態をマッピングするために用いられる反面、第1セルでPDSCH受信をスケジューリングするDCIフォーマットの第1CCEに該当するPUCCHリソースn
PUCCH(0)は、第2セルのDTX状態をマッピングするために用いられる。上記NACK又はACK状態は、任意のPUCCHリソースにマッピングされ得る。また、QPSK信号点配置の正確な点は、提案されたマッピングには関係ない。
【0088】
UEが二つのDLセルでPDSCHを受信するFDDシステムにおいて多重化を用いるHARQ−ACK信号伝送のためのUE動作は、
図12で説明される。第1セルでPDSCHのTMが1TBを伝達し、第2セルでPDSCHのTMが1TBを伝達すると(1210)、UEはテーブル12におけるHARQ−ACK状態のマッピングを用いる(1220)。第1セルでPDSCHのTMが2TBを伝達し、第2セルでPDSCHのTMが2TBを伝達すると(1230)、UEはテーブル10におけるHARQ−ACK状態のマッピングを用いる(1240)。第1セルでPDSCHのTMが、2TBを伝達し、第2セルでPDSCHのTMが1TBを伝達すると(1250)、UEはテーブル11AにおけるHARQ−ACK状態のマッピングを用いる(1260)。そうでなければ、上記UEは、テーブル11BにおけるHARQ−ACK状態のマッピングを用いる(1270)。
【0089】
以上、本発明を特定実施形態を参照して詳細に説明したが、添付した特許請求の範囲により定められる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0090】
110 サブフレーム
120 スロット
130 HARQ−ACK信号
140 基準信号(RS)
150 リソースブロック(RB)
210 HARQ−ACKビットb
220 変調器
230 CAZACシーケンス
240 基準信号(RS)
310 CAZACシーケンス
320 転送RBの制御
330 副搬送波マッピング
340 IFFT
350 サイクリックシフター
360 CP挿入
370 フィルタリング
380 転送信号
410 受信信号
420 フィルタリング
430 CP除去
440 サイクリックシフト復元
450 FFT
460 副搬送波デマッピング
465 RB受信の制御
470 マルチプライアー
480 CAZACシーケンス
490 出力
510、530、550、570 CAZACシーケンス
520、540、560、580 サイクリックシフト
610 5msハーフフレーム
620 スロット
630 DL ParTシンボル(DwPTS)
640 ガードピリオド(GP)
650 UL ParTシンボル(UpPTS)
660 サブフレーム