(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5723042
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】加熱可能な軸受構造を有する建設機械
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-91420(P2014-91420)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-14182(P2015-14182A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】13175298.2
(32)【優先日】2013年7月5日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100167025
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト エルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフガング ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ フェヒナー
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
西独国特許第02219569(DE,B)
【文献】
西独国特許第02248412(DE,B)
【文献】
米国特許第03367913(US,A)
【文献】
特開平11−247127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00−19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度依存の粘性を持つ材料(9,9’)の処理及び/又は輸送のための建設機械(1,1’)であって、路面仕上げ機(1)又はフィーダ(1’)である建設機械(1,1’)は、
材料庫(3,3’)、オペレータの運転台(4,4’)、一次ドライブ(5,5’)だけでなく推進要素(7,7’)と下部走行体(6,6’)が設けられた機械フレーム(2,2’)と、
材料を輸送するように構成された少なくとも1つのコンベヤシステム(10,10’)であって、前記コンベヤシステム(10,10’)は、少なくとも1つのスクリューコンベヤ(11,11’)を含んで構成され、少なくとも1つのスクリューコンベヤ(11,11’)は少なくとも1つの軸受構造(12,12’)によって支持され、
前記軸受構造(12,12’)が少なくとも1つの発熱体(14,14’,14”)によって加熱可能である、ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記発熱体(14,14’,14”)が、前記軸受構造(12,12’)に組み込まれている、ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記発熱体(14,14’,14”)が、前記軸受構造(12,12’)の内部に存在する中空空間(18,18’)の中に配置される、ことを特徴とする請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記発熱体(14,14’,14”)が、前記軸受構造(12,12’)の外側に設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項5】
保護部材(16,16’)が、前記軸受構造(12,12’)に固定された前記発熱体(14,14’,14”)を保護するために設けられている、ことを特徴とする請求項1、2または4に記載の建設機械。
【請求項6】
前記少なくとも1つの軸受構造(12,12’)が、スクリューコンベヤ(11,11’)の中央軸受台(12b)及び/又は外側軸受台(12a)である、ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項7】
少なくとも1つの発熱体(14,14’14”)を各々持っているいくつかの軸受構造(12,12’)が設けられ、少なくとも1つの発熱体(14,14’14”)は、当該少なくとも1つの発熱体(14,14’14”)が設けられた軸受構造(12,12’)の内側及び/又は外側に配置される、ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項8】
全ての発熱体(14,14’,14”)はそれぞれの軸受構造(12,12’)の内側に配置、あるいは全ての発熱体(14,14’,14”)はそれぞれの軸受構造(12,12’)の外側に配置されている、ことを特徴とする請求項7に記載の建設機械。
【請求項9】
前記発熱体(14,14’,14”)の加熱能力を可変調整可能である、ことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項10】
前記発熱体(14,14’,14”)の加熱能力が、自動的に制御可能である、ことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項11】
前記発熱体(14,14’,14”)は、建設機械(1,1)の他の集合体(5,5’,6,6’,10,10’,17,17’)から独立して操作することができる、ことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項12】
前記発熱体(14,14’,14”)は、電気エネルギーを使用して操作することができる、ことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項13】
前記発熱体(14,14’,14”)が、抵抗発熱素子(14,14’,14”)、誘導発熱素子(14,14’,14”)、あるいは赤外線放射器を含んで構成される、ことを特徴とする請求項12に記載の建設機械。
【請求項14】
前記少なくとも1つの発熱体(14,14’,14”)は、燃料の燃焼によって操作することができる、ことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項15】
前記発熱体(14,14’,14”)が、ホットエア送風機(14”)を含んで構成される、ことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の建設機械。
【請求項16】
前記保護部材(16,16’)は、前記軸受構造(12,12’)に取り外し可能に固定されている、ことを特徴とする請求項5に記載の建設機械。
【請求項17】
前記加熱能力は、予め定義された所望の温度値に基づいて制御される、ことを特徴とする請求項10に記載の建設機械。
【請求項18】
前記燃料は一次ドライブ(5,5’)を作動させるための燃料、あるいは少なくとも1つの発熱体(14,14’,14”)を作動させるために提供される他の燃料である、ことを特徴とする請求項14に記載の建設機械。
【請求項19】
前記ホットエア送風機(14”)が、前記一次ドライブ(5,5’)の冷却システム(17,17’)の加熱された冷却空気、あるいは前記一次ドライブ(5,5’)の排気ガスによって作動される、ことを特徴とする請求項15に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従った建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
実際上、この種の建設機械は、温度依存の粘性を持った混合原料、例えばアスファルトの処理及び/又は輸送のために、路面仕上げ機又はフィーダの形で知られている。それらは、層の敷設のため、あるいは他の舗装された道の建設のための道路建設で使用される。それら処理される材料はまだ熱く、舗装されるべき表面上で分配されて圧縮される。舗装材の温度および舗装材内部の均一な温度分布が舗装結果の品質に決定的な役割を果たしている。下記に述べられた先行技術は異なる方法、および建設機械の異なる場所に希望のレベルで材料の温度を維持し、かつ温度分布を均質にしておく方法をそれぞれ開示する。
【0003】
共に本出願人の名義の文献DE 2 140 058 A及びDE7 127 605 Uは、それぞれが横分配スクリューの領域に材料を案内するために設けられているスクレーパプレートを開示している。このプレートは加熱可能に構成されている。
【0004】
DE 2 312 188 Aは、路面仕上げ機の前側側面から後側面へ材料を輸送する、加熱可能なスクリューコンベヤを含むマスチックアスファルト路面仕上げ機を開示している。これらのスクリューコンベヤは加熱可能なトラフ(troughs)に囲まれる。
【0005】
路面仕上げ機の他の加熱可能な材料コンベヤシステム、及び加熱装置を含む材料コンベヤシステムは、本出願人の名義のDE198 09 435 A1及びDE20 2010 005125 U1から知られている。DE 2 219 569 Aは、加熱可能なチューブ内に配置されたスクリューコンベヤを含んで構成される路面仕上げ機を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、舗装材のより均一な温度分布が達成されるように上述のタイプの建設機械を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1の特徴を備えた建設機械によって解決される。
有利なさらなる展開は従属請求項に記載されている。
【0008】
温度依存の粘性を有する材料の処理及び/又は輸送のための、本発明に係る建設機械は、路面仕上げ機またはフィーダである。同建設機械は、材料庫、オペレータの運転台、一次ドライブだけでなく推進要素と下部走行体が設けられた機械フレームを備えている。本発明による建設機械は、材料を輸送するように構成されるコンベヤシステムであって、前記コンベヤシステムは少なくとも1つのスクリューコンベヤを含み、少なくとも1つのスクリューコンベヤは少なくとも1つの軸受構造によって支持される。本発明の建設機械は、軸受構造自身が少なくとも1つの発熱体によって加熱可能であることを特徴とする。軸受構造は回転自在に機械フレーム上のスクリューコンベヤを支持するように構成される。好ましくは、軸受構造は回転自在にその重心軸または回転軸上のスクリューコンベヤを支持するように構成される。これは、スクリューコンベヤのコアシャフト上に、例えば、スクリューコンベヤに設けられている適切な軸受部によって実現されてもよい。特に好ましいのはピボット軸受、例えば転がり軸受または摩擦軸受の使用であり、それぞれブッシュを滑らせる。前述のものは、摩擦を低減することができ、使用に耐える。軸受構造は、例えばスクリューコンベヤがその回転軸の領域で回転可能にマウントされる軸受台である。
【0009】
本発明は、舗装材料が軸受構造と接触する時にさえ、温度と温度分布の均一性が悪影響を受けないという利点がある。軸受構造を加熱可能なのは、冷却されて建設機械が掃除される場合、付着材料が加熱されてより容易に除去することができるという長所を持つ。加えて、本発明に係る構成は、スクリューコンベヤの動作開始前に、軸受構造を一種の予熱することを可能にする。こうして、軸受構造に固着してスクリューコンベヤの回転を妨害する残りの冷却された材料は軟化し、これによってスクリューコンベヤの起動トルクを低減する。冷却が少ないことにより摩擦を低減し、したがって、固形物の残留物もまた摩耗を少なくする。
【0010】
発熱体が軸受構造の中に一体化することは考えられる。例えば、軸受構造と一緒に一体化することができる。例えば、発熱体は軸受構造の中に封入されることが考えられる。この場合、発熱体は外部に露出されるか、あるいは軸受構造によって覆われてもよい。
【0011】
一変形例では、発熱体は、軸受構造内部の中空空間に配置することができる。この構成は、破損、ダスト、湿気あるいは他の悪影響を及ぼす要因から軸受構造が発熱体を保護するという長所を持つ。この場合には、軸受構造は、管状又は他の中空の半製品から作られているので、中空空間は、既に、例えば軸受構造内に存在する可能性がある。また、中空空間が発熱体を収容するために専用に設けられていることが可能である。
【0012】
別の有利な変形例において、発熱体は軸受構造の外側に設けても良い。これは、不良発熱体を交換するのがより簡単になる可能性があるという利点を有する。一般に、軸受構造の外側に取り付けられている発熱体は、メンテナンスや修理作業を行うことが容易である。この目的のために、発熱体が取り外し可能な接続によって軸受構造の外側に固定される場合、それは利点であり得る。この接続は、例えば、ねじによる接続、噛み合わせによる接続(form-closed connection)あるいはプラグ接続になり得る。さらに、永久的な接続、例えば材料を噛み合わせた接続(material-closed connection)、溶接接続、粘着性の接続を提供することは可能である。
【0013】
保護部材が発熱体を保護するために設けられている場合は特に有利である。同様に好ましくは、例えば取り外し可能な方法で軸受け構造に固定することができる。これにより、軸受構造の外側に露出し、あるいはその外側に配置され、少なくとも衝撃や打撃などの機械的影響から、または舗装材の付着から発熱体を保護することができる。保護部材の取り外し可能な実施形態は、更にメンテナンス、修理及び交換作業を容易にする。保護部材は、この場合には、取り外し可能な接続によって直接固定されてもよい。しかしながら、保護部材が取り外し可能な方法で固定される取付部材を永久的に取り付けることも考えられる。この場合、保護部材は、軸受構造自体に固定してもよいし、建設機械の任意の他の適切な構造、例えば機械フレームに固定してもさしつかえない。
【0014】
軸受構造は、例えばスクリューコンベヤの中央軸受台及び/又は外側軸受台であっても良い。スクリューコンベヤには、例えば路面仕上げ機のスクリードの前の進行方向に対して横方向に舗装材料を分配する横送りオーガを用いることができる。中央軸受台は、路面仕上げ機の中央に設けられている。外側軸受台は、スクリューコンベヤの終端の左又は右外側に配置してもよい。中央及び外側軸受台の両方は、機械フレーム上でスクリューコンベヤを回転自在に支持するように構成されている。
【0015】
各々が少なくとも1つの発熱体を持っている幾つかの軸受構造であって、少なくとも1つの発熱体は軸受構造の内部に配置され、及び/又は少なくとも1つの発熱体はそれが設けられる軸受構造の外部に配置されることが考えられる。このように、各軸受構造の内部と各軸受構造の外部に任意の組み合わせで発熱体を設けることが可能である。1つの中央軸受構造と2つの外側軸受構造を含む例において、例えば、発熱体はそれぞれの外側軸受構造上、それぞれの外側軸受構造の外部上に設けても良く、また中央軸受構造の発熱体は軸受構造の内部に設けても良い。しかしながら、他の任意の適切な組み合わせも同様に考えられる。
【0016】
1つの実施形態では、全ての発熱体は、それぞれの軸受構造の内部に配置されてもよい。あるいは、全ての発熱体はそれぞれの軸受構造の外部に配置されてもよい。
【0017】
発熱体の加熱能力を可変調整可能であることが特に好ましい。こうして、各々が異なる処理温度を持っている異なる舗装材料に対して加熱能力を調節することができる。また、周囲温度の変動に対する調整が可能である。加えて、異なる処理速度が異なる温度を必要とすることが考えられる。
【0018】
別の有利な実施形態では、発熱体の加熱能力を自動的に制御することができる。これは、本発明による建設機械の運転快適性を著しく増大させる。
【0019】
幾つかの入力変動は、発熱体の加熱能力を制御するための根拠と考えられる。有利な実施形態では、制御は希望温度値に基づく。しかしながら、さらに、それは事前に定義された熱量を使用することも可能である。前記値を制御するために用いられる提供された値は、例えば、本発明に係る建設機械が路面仕上げ機である場合、他の影響を及ぼす要因、例えば周囲温度、混合材料の温度、軸受けのために使用された材料の熱伝導率、舗装する速度あるいはスクリードの有効幅に依存してもよい。
【0020】
建設機械の他の集合体から独立して発熱体を操作することができれば有利である。建設機械の全ての集合体から独立して発熱体を操作することができることは考えられる。これらの集合体は、例えば建設機械、建設機械のコンベヤシステム、冷却系装置及び建設機械の他の構成部分の一次ドライブであっても良い。また、発熱体は、例えばコンベヤシステムのみ独立した建設機械の選択された集合体と無関係に、しかし従属的に建設機械の一次ドライブで操作することができる。このように、異なる機能は、例えば上記に言及された洗浄機能あるいは予熱機能として実現するのがより簡単である。
【0021】
発熱体が一種の基質物質の内部に封入されることは考えられる。この場合、金属、セラミックス、ガラス、カーボンファイバーあるいはプラスチック材料を使用しても良い。これらの材料の適切な組み合わせ、あるいはこれらの材料の複合材料も同様に可能である。
【0022】
電気エネルギーを使用して、発熱体を作動することができることは考えられる。そのような電気的な発熱体は、既に他の設置位置において、例えば路面仕上げ機の中に一般に使用される。その加熱能力は調節が容易であり、また、その接続は単純なケーブルによって行われてもよい。
【0023】
電気的な発熱体が使用される場合、異なる動作方法が考えられる。発熱体は、例えば抵抗発熱素子、誘導発熱素子あるいは赤外線放射器を含むことが可能である。電気発熱体の異なるタイプは、異なる利点を有する。例えば、赤外線放射器が指向性の熱伝達を可能にしつつ、抵抗発熱素子を実現するのが特に容易である。
【0024】
別の変形例では、他の様々な発熱体、例えば燃料の燃焼によって稼働される発熱体が考えられる。
【0025】
この場合、複数の燃料、例えばメタン、アセチレン、プロパン、ブタンあるいは水素などの異なる燃焼ガスが考慮に入る。また、例えばガソリンまたはディーゼル油の液体燃料が使用可能である。燃料は、具体的には、少なくとも1つの発熱体を作動する目的で運ばれた燃料と一次ドライブを作動するために使うのと同じ燃料である場合がある。換言すれば、燃料は、発熱体を動作させるためと、一次ドライブを動作させるための両方に使用可能であってもよい。
【0026】
別の変形例では、発熱体は、例えば一次ドライブの加熱された冷却空気、または一次ドライブの排気ガスにより作動することができるホットエア送風機を含んでもよい。
【0027】
発熱体が軸受構造領域の硬化された材料を柔らかくするように作動する洗浄モードを含んでいる場合、それは特に有利であり、こうしてより容易な洗浄を可能にする。そのような洗浄モードは、例えば、一定時間内に可能な限り高い加熱能力を供給する発熱体で構成することができる。
【0028】
建設機械に設けられた操縦装置から発熱体を調整することができれば、それは有利であり得る。この操縦装置は、例えばオペレータの運転台の領域における集中型操作盤であってもよい。例えば、いわゆる外部制御ステーションも考えられ、それは例えば路面仕上げ機の舗装スクリードの外端に固定される。この場合、発熱体の加熱能力を直接可変調整することが考えられる。別の変形例では、自動制御のための所望の温度値は、操縦装置を用いてオペレータによって事前に定義されてもよい。
【0029】
本発明の有利な実施形態について図面を用いて以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】建設機械の背面側から見た斜視図であり、この例では路面仕上げ機を示し、明瞭化のために、搭載されたスクリードは表示しない。
【
図2】
図1の建設機械におけるコンベヤシステムを拡大して背面側から見た斜視図を示し、建設機械の後側面の図である。
【
図3】
図1のコンベヤシステムの斜視図を示し、建設機械の走行方向と反対の方向から見たものである。
【
図4】
図3の材料搬送システムと同様な図を示し、図示の発熱体は、別の例示的な実施形態に従って示されている。
【
図5】
図2の材料搬送システムと同様な図を示し、図示の発熱体は第3実施形態に従って示されている。
【
図6】建設機械の側面図を示し、この例ではフィーダであり、この視線における他の部品の背後に隠された構成部品が破線で示されている
【
図7】
図6のフィーダの平面図であり、明瞭のために、オペレータの運転台、下部走行体および機械フレームはこの図の中に示されず、発熱体は本発明の別の典型的な実施形態に従って示されている。
【
図8】
図7と同様であるが、本発明の別の典型的な実施形態に係る発熱体を備えており、明瞭さのために構成部品のみが
図7とは異なる参考番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、建設機械1を示し、この場合は機械フレーム2を備える路面仕上げ機を示している。材料庫3、オペレータの運転台4、一次ドライブ5及び推進要素7を有する下部走行体6は、機械フレーム2に設けられている。一次ドライブ5は、少なくとも下部走行体6を駆動するために設けられている。同様に、建設機械1の他の集合体用エネルギーの適した種類、例えば油圧駆動システム用の油圧、あるいは電気的作動システム用の電圧を提供してもよい。一次ドライブ5は、冷却系装置17(それはベンチレーションスロット8の背後の機械室の中に同様に配置されている)に新鮮な空気を供給するように構成されたベンチレーションスロット8の背後の機械ハウジングに収容されている。
【0032】
材料庫3は、ストックされている後続の舗道を作る材料9を受け取る役目をする。この目的のために、建設機械1の進行方向を基準にしてコンベヤシステム10によって横に分配される場合、材料9は建設機械1の後側面にオペレータの運転台4の下に縦の搬送システム(図示せず)によって伝えられる。実施形態では、2つのスクリューコンベヤ11を含むコンベヤシステム10を示している。これらのスクリューコンベヤ11は、軸受構造12及び適用可能であれば他の構成要素13を介して機械フレーム2に回転自在にマウントされる。実施形態では、2つの外側軸受台12aと中央軸受台12bが軸受構造として使用される。しかしながら、本発明によれば、コンベヤシステム10の構成に応じて、軸受構造12の異なる数及びタイプが使用されてもよい。
【0033】
図2は、コンベヤシステム10の拡大図を示す。構成要素13によって機械フレーム2に接続される軸受構造12を示す。実施形態では4つの発熱体14が設けられ、外側軸受台12aにそれぞれ1つずつと中央軸受台12bに2つ設けられている。本実施形態では、発熱体14は軸受構造12の内部に設けられている。このように、それらは汚れ、湿気、衝突や打撃、並びに高すぎるまたは低すぎる温度などの外部の影響から保護される。破線で例示の概略的な形態は、発熱体14が軸受構造12の内部に設けられていることを実証することである。これは異なる方法で実現することができる。発熱体14は、軸受構造12の壁部材に一体化されてもよい。あるいは、それらは軸受構造12の内部の中空空間18内に設けてもよい。
【0034】
説明されるように、配置の異なる形態が可能である。例えば、
図2の右側の外側軸受台12aでは、発熱体14は直線的に配置される。
図2の左の外側軸受台12aでは、発熱体14は螺旋状に配置されている。中央軸受台12bは、発熱体14は最初に直線的に配置され、一端が弧形であり、その結果、形状はラテン文字のJに似ている。しかしながら、他の適切な形状もまた考えられる。実施形態では、発熱体14は電気エネルギーで動作可能であり、図示されている接続リード15で例証される。しかしながら、発熱体の他のタイプ、例えば前述のガスバーナーまたは液体バーナー、例えば操作することができるホットエア送風機、一次ドライブ5の加熱した冷却空気あるいはその排気ガスで同じように提供されてもよい。これらの変形の可能性はまた、発熱体14の配置が変更されている、後述する例示的な実施形態に適用される。
【0035】
図3は、初めに
図2とは逆方向から見たコンベヤシステム10を示す。スクリューコンベア11、軸受構造12及びこの軸受構造12の中に設けられた発熱体14を備えるコンベヤシステム10の構成は、変更されていない。
【0036】
図4は、中央軸受台12b上の発熱体14の配置例の第2の実施形態を示す。発熱体14は、この実施形態では、中央軸受台12bの外部上に配置される。外側の構成は、発熱体14は中央軸受台12を有する中央の壁に一体化されているが、外部に露出されることを示唆することができる。それはちょうど、発熱体14が、取り外し可能な又は永久的な接続を用い、例えば中央軸受台12bの外部上に設けられていることを意味してもよい。
図4に示す実施形態では、保護部材16が設けられている。これは、外部に露出されたか、中央軸受台12bの外部上で提供される発熱体14が、それぞれ少なくとも衝突や打撃などの機械的な影響から保護されるという利点を有する。また、舗装材9の付着はこの保護部材16によって防止される。発熱体14は、保護部材16のデザインにより例えば密閉することによって、湿気や埃などから保護することができる。
図4に示す実施形態では、保護部材16は取り外し可能なねじ込み式の接続方式によって中央軸受台12b自体に固定される。さらに、永久接続、例えば溶接するか粘着性の接続を用いることは可能である。しかしながら、さらに、それは分離可能か永久接続による路面仕上げ機の他の適切な構造物に保護部材16を固定することも可能である。
【0037】
図5は、
図4の実施形態に類似する実施形態を示している。見る方向は、
図4のそれと逆である。この場合、発熱体14は、外側軸受台12aの一方の外側に取り付けられている。
図4中の中央軸受台12bの外部の発熱体のように、本実施形態の発熱体14も、外側軸受台12aの外壁と一体化するか、あるいは外側軸受台12aの外壁への分離可能か永久接続によって固定することができる。
図5に説明された実施形態の発熱体14も、保護部材16によって保護される。機能性および変形可能性は、
図4の実施形態中に示される保護部材16に相当する。
【0038】
図6は、本発明に係る別の建設機械を示し、この場合、フィーダ1’の側面図を示している。フィーダ1’は、材料庫3’、オペレータの運転台4’、一次ドライブ5’と推進要素7’を有する下部走行体6’が設けられた機械フレーム2’を含んで構成される。一次ドライブ5’は、少なくとも下部走行体6’を駆動するために設けられている。最初に述べた実施形態のように、一次ドライブ5’は、フィーダ1’の他の集合体用エネルギー、例えば油圧駆動システム用の油圧、または電気的駆動システム用の電圧の適切な形式を提供してもよい。
【0039】
材料庫3’は、ストックされている後続の舗道を作る材料9’を受け取る役目をする。このために、材料9’は、縦搬送システム19を介して、例えば最初に述べた実施形態に係る路面仕上げ機の材料庫3中の運転台4’の後ろに搬送される。4つのスクリューコンベヤ11’が材料庫3’内に配置されている。この実施形態では、それらは、縦搬送システム19に向かって、材料庫3’の縁部領域から材料9’を搬送するのに役立つ。
【0040】
スクリューコンベヤ11’は、材料庫3’の中に設ける必要はない。むしろ、スクリューコンベヤ11’がフィーダ1’の任意の位置、例えば縦搬送システム19の一部、あるいはスクリューコンベヤ11’としてそれは特に材料9’の良好な混合のために提供されて配置され、材料庫3’と縦搬送システム19の間に設けられることが考えられる。スクリューコンベヤ11’のない材料庫3’は、また考えられる。
【0041】
スクリューコンベヤ11’は、軸受構造12’によってフィーダ1’に回転自在にマウントされる。図示の実施形態では、軸受構造12’は、各材料庫3’のそれぞれの壁に接続されている。さらに、それらは機械フレーム2’あるいはフィーダ1’の他の構造物に直接固定されてもよい。
【0042】
図7は、スクリューコンベヤ11’を有するフィーダ1’の搬送システム10’を示す。
図7に示す実施形態では、発熱体14’,14”が軸受構造12’の中空空間18’の内部に配置されている。この実施形態では、発熱体は、例えば燃料作動発熱体14’及び/又はホットエア送風機14”として構成されており、概略的に図示されている。しかしながら、さらに、発熱体のこれらの動作モードは、建設機械1が路面仕上げ機である上記の典型的な実施形態と組み合わせることも考えられる。軸受構造12’及び発熱体14’,14”の両方が単に概略的に示されている。それらは軸受構造12’の内部に取り付け、あるいは軸受構造12’と一体的に構成されてもよい。これは、軸受構造12’と一体に、それらが一体的に構成されてもよいことを意味する。
【0043】
図8は、本発明の別の典型的な実施形態に係る
図7の考え方を説明する。
図8では、単に、それらの構成部分は、
図7に説明される実施形態と比較して、その構成が変更された参照符号で示されている。これは、ここでは、軸受構造12の外側に設けられている発熱体14’,14”に特に関係する。
図8の右側の発熱体14’,14”は、保護部材16’によってさらに保護される。保護部材16’は、この場合には、材料庫3’の壁に取り付けられている。さらに、それらはフィーダ1’の任意の適切な部品へ固定されてもよい。
【0044】
路面仕上げ機1を説明する実施形態に述べられていた可能な変形例は、フィーダ1’に示す実施形態に同様に当てはまる。路面仕上げ機1の実施形態に関連して述べた操作モードとエネルギー源も、フィーダ1’の発熱体14’,14”に適用することができる。
【0045】
説明された実施形態は、単に可能な組み合わせの選択を表しただけである。軸受構造12,12’が任意の数で、発熱体14,14’,14”も任意の数にすることができる。設けられた軸受構造12,12’の全てに発熱体14,14’,14”を設ける必要はない。軸受構造12,12’が加熱される場合、これは発熱体14,14’,14”の任意の数で達成することができる。発熱体14,14’,14”の設計も任意に組み合わせることができる。例えば、コンベヤシステム10,10’の1つ以上の軸受構造12,12’に螺旋状の発熱体14,14’,14”を挿入し、同コンベヤシステム10,10’の他の軸受構造12,12’に線形の発熱体14,14’,14”を挿入することが可能である。また、発熱体14,14’,14”を一体化した軸受構造12,12’と発熱体14,14’,14”が一体化されていない軸受構造12,12’の組み合わせ、及び/又は軸受構造12,12’の内部に設けられた発熱体14,14’,14”の組み合わせ、又は内側に露出された発熱体14,14’,14”それぞれと、別の軸受構造12,12’の外側に設けられている発熱体14,14’,14”又は外側に露出された発熱体14,14’,14”それぞれを組み合わせることは可能である。さらに、要望されるように、その固定式及び/又は固定場所と同様に、幾つかの軸受構造12,12’に保護部材16,16’を設けるか設けないかは組み合わされてもよい。例えば、2つの外側軸受台12a及び1つの中央軸受台12bがあるコンベヤシステム10は、中央軸受台12bの上に設けられた発熱体上に保護部材16を持っていないが、外側軸受台12aおよび別の外側軸受台12a上の永久固定の保護部材16のうちの1つの上に移動できるように固定式の保護部材16を持っていることが可能である。