【文献】
松浦 健一郎,パズルゲーム アルゴリズム マニアックス,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2008年 7月31日,初版第1刷,P.2−4、139−140、147−149、158−161
【文献】
Car Watch 【Android】カー vs ゾンビ,[online],Impress Corporation.,2012年 7月 5日,2014年9月25日検索,インターネット<URL http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/car_app/20120705_544718.html>
【文献】
水道管デラックス版Ver1.3,モバイルi 2000年5月号,日本,ソフトバンクパブリッシング(株),2000年 5月 1日,第6巻第5号通巻55号,P.66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指示取得機能は、前記所定の入力部から取得される前記プレイヤの指示として、前記コンピュータの傾きを示す加速度を、所定の加速度計測部から取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に例示される従来のゲームは、画面上部から下部に向かって落下するパズル片を、所定の条件を満たすように組み立てることを目的とするものに過ぎないため、プレイヤに倦厭感が生じやすい。例えば、複数のジャンルにまたがるゲームを実現するなどの興趣性を増す工夫が、近年のゲームには求められている。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動体が移動可能な経路を構成するオブジェクトをゲームに用いることによって、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現可能なゲームプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、移動体が移動可能な移動経路の一部を構成するオブジェクトを、プレイヤに順次提示するオブジェクト提示機能と、オブジェクトがとり得る複数の向きの中から、当該オブジェクトが移動経路の一部を構成する1つの向きを選択するオブジェクト選択機能と、選択された1つの向きをとるオブジェクトを複数組み合わせることによって、移動経路を形成する経路形成機能とを実現させる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、移動体を移動経路に沿って移動させる移動機能をさらに実現させることができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、オブジェクトおよび移動体には属性がそれぞれ設定されており、移動機能は、オブジェクトに設定された属性と移動体に設定された属性との組み合わせに応じて、当該移動体を移動させることができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、属性を変更可能な第1の特典、および/または、当該第1の特典と交換可能な第2の特典を示す特典情報を、フィールド内の所定の位置に表示する特典表示機能と、特典情報が表示された所定の位置に至る移動経路が形成され、移動体が当該所定の位置に移動した場合、第1の特典および/または第2の特典をプレイヤに付与する特典付与機能とをさらに実現させることができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、プレイヤによって移動体が操作可能となるように、当該移動体に対する当該プレイヤの指示を所定の入力部から取得する指示取得機能をさらに実現させることができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、指示取得機能は、所定の入力部から取得されるプレイヤの指示として、コンピュータの傾きを示す加速度を、所定の加速度計測部から取得することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、移動体が、フィールド内の第1の位置から第2の位置に至ったか否かを判定する判定機能をさらに実現させることができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、移動体が移動経路を移動することによって、フィールド内の第1の位置から第2の位置に至るまでの時間に制限を課す時間制限機能をさらに実現させることができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、第1の位置は、移動体が移動を開始する開始位置であり、第2の位置は、移動体が移動の目的とする目的位置であってよい。
【0016】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、経路形成機能によって組み合わされるオブジェクトの数に制限を課すオブジェクト数制限機能をさらに実現させることができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、経路形成機能によって形成された移動経路を、所定の記憶部に格納する経路格納機能をさらに実現させることができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、オブジェクト提示機能は、プレイヤが保有するオブジェクトの中から、当該プレイヤに順次提示するオブジェクトを選択することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、オブジェクト提示機能は、プレイヤによってあらかじめ指定されたオブジェクトが、当該プレイヤに提示するオブジェクトのうちの所定の割合を占めるように、当該オブジェクトを順次提示することができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、プレイヤが移動経路を形成する第1フェーズを実行させた後に、当該プレイヤが当該移動経路に沿って移動体を移動させる第2フェーズを実行させることができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、プレイヤが視認するゲーム画面の視点を、第1フェーズと第2フェーズとで互いに異ならせて、当該ゲーム画面を表示させる表示処理機能をさらに実現させることができる。
【0022】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、第2フェーズにおけるフィールドは、幅、奥行き、および高さに関する情報を含み、表示処理機能は、第2フェーズにおいて、フィールドを所定の角度から俯瞰して表示させることによって、3次元で視認可能なゲーム画面を表示させることができる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータの制御方法は、移動体が移動可能な移動経路の一部を構成するオブジェクトを、プレイヤに順次提示するオブジェクト提示ステップと、オブジェクトがとり得る複数の向きの中から、当該オブジェクトが移動経路の一部を構成する1つの向きを選択するオブジェクト選択ステップと、選択した1つの向きをとるオブジェクトを複数組み合わせることによって、移動経路を形成する経路形成ステップとを含む。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータは、移動体が移動可能な移動経路の一部を構成するオブジェクトを、プレイヤに順次提示するオブジェクト提示部と、前記オブジェクトがとり得る複数の向きの中から、当該オブジェクトが前記移動経路の一部を構成する1つの向きを選択するオブジェクト選択部と、選択された1つの向きをとる前記オブジェクトを複数組み合わせることによって、前記移動経路を形成する経路形成部とを備えている。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、およびコンピュータは、移動経路の一部を構成することにより、その上を移動体が移動可能なオブジェクトを複数組み合わせることによって、当該移動経路を形成する。したがって、上記ゲームプログラム等は、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜
図8に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
〔携帯端末100の概要〕
携帯端末(コンピュータ)100は、ゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。上記携帯端末100は、上記ゲームプログラムに含まれる処理(以下で詳細に説明する)を実行可能な機器でありさえすればよく、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器などを用いて実現され得る。
【0029】
図2は、携帯端末100が備えた表示部50に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。
図2の(a)および(b)に例示されるように、携帯端末100は、ゲーム画面の上部から下部に向かってサーキットパーツ(オブジェクト)1が落下するように、当該サーキットパーツ1を表示部50に表示させる。各サーキットパーツ1は、カート(移動体)2が走行(移動)可能なサーキット(移動経路)4の一部を構成する。
【0030】
プレイヤは、上記サーキットパーツ1を複数組み合わせることによって、スタート地点(開始位置)3aからゴール地点(目的位置)3bまでカート2が移動可能なサーキット4を完成させる。その後、プレイヤは、組み合わせた各サーキットパーツ1の上で(すなわち、完成させたサーキット4に沿って)カート2を走らせることができる。
【0031】
以上のように、携帯端末100は、サーキットパーツ1を組み合わせてサーキット4を完成させるというパズルゲーム、および当該サーキット4を走破するというレーシングゲームという複数のジャンルにまたがるゲームを提供することができる。したがって、携帯端末100は、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現できる。
【0032】
〔携帯端末100の構成〕
図1は、携帯端末100の要部構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、携帯端末100は、制御部10(オブジェクト提示部11、オブジェクト選択部12、経路形成部13、移動部14、特典表示部15、特典付与部16、時間制限部17、オブジェクト数制限部18、経路格納部19、入力取得部21、加速度取得部22、表示処理部23)、入力部40(入力面41、入力制御部42)、表示部50、加速度計測部60、および記憶部30を備えている。
【0033】
制御部10は、携帯端末100が有する各種の機能を統括的に制御する。制御部10は、オブジェクト提示部11、オブジェクト選択部12、経路形成部13、移動部14、特典表示部15、特典付与部16、時間制限部17、オブジェクト数制限部18、経路格納部19、入力取得部21、加速度取得部22、および表示処理部23を含む。
【0034】
オブジェクト提示部(オブジェクト提示機能)11は、カート2が走行(移動)可能な(すなわち、カート2がその上を移動できることによって、当該カート2が走行する)サーキット4の一部を構成するサーキットパーツ1を、プレイヤに順次提示する。具体的には、オブジェクト提示部11は、複数種類あるサーキットパーツ1の中から1つを(例えば、ランダムに、または所定の順序で)選択し、当該選択されたサーキットパーツ1を、ゲーム画面の上部から下部に向かって(すなわち、当該サーキットパーツ1が落下するように)表示できる。
【0035】
ここで、サーキットパーツ1には、様々な形状を有する複数のパーツが含まれる。例えば、サーキットパーツ1は、(1)直線形状のパーツ、(2)T字形状のパーツ、(3)十字形状のパーツ、(4)カーブ形状(曲率は任意である)のパーツ、(5)U字(ヘアピン)形状のパーツ、(6)直角形状のパーツ、(7)Y字形状のパーツ、(8)その他任意の形状のパーツであってよい。
【0036】
オブジェクト提示部11は、プレイヤに提示するサーキットパーツ1に関するパーツ情報6a(サーキットパーツ1を特定可能な情報、および当該サーキットパーツ1の向きに関する情報を含む)を、オブジェクト選択部12に出力する。
【0037】
オブジェクト選択部(オブジェクト選択機能)12は、サーキットパーツ1がとり得る複数の向きの中から、当該サーキットパーツ1がサーキット4の一部を構成する1つの向きを選択する。具体的には、オブジェクト選択部12は、入力制御部42から軌跡情報5c(プレイヤからのタッチ操作5a)を取得し、当該軌跡情報5cに応じて、オブジェクト提示部11によって提示されたサーキットパーツ1を回転させて表示できるように、当該オブジェクト提示部11から入力されたパーツ情報6aを変更する。
【0038】
図3は、プレイヤがタッチ操作を与えるたびに、携帯端末100(オブジェクト選択部12)がサーキットパーツ1を回転させる過程の一例を示す模式図である。
図3に例示されるように、オブジェクト選択部12は、組み立てられたサーキット4の中で上記サーキットパーツ1がとる向きを変更することができる。オブジェクト選択部12は、パーツ情報6aを経路形成部13に出力する。
【0039】
経路形成部(経路形成機能)13は、選択された1つの向きをとるサーキットパーツ1を複数組み合わせることによって、サーキット4を形成する。具体的には、経路形成部13は、オブジェクト選択部12から入力されたパーツ情報6aにしたがって、ゲームのフィールド内に複数のサーキットパーツ1を組み合わせるように配置する。経路形成部13は、サーキット4が完成したか否かを判定し、完成したと判定される場合、当該完成したサーキット4に関するサーキット情報6b(どのサーキットパーツ1がどの位置にどの向きで配置されているかに関する情報を含む)を、移動部14、特典表示部15、特典付与部16、経路格納部19、および表示処理部23にそれぞれ出力する。
【0040】
なお、経路形成部13が、サーキット4が完成したか否かを判定する方法としては、(1)スタート地点からゴール地点までに至る経路が少なくとも1つ存在するか否かを判定したり、(2)プレイヤが「完成」ボタンをタップしたか否かを判定したりする方法が考えられる。
【0041】
また、経路形成部13は、サーキット4が完成したか否かを必ずしも判定しなくともよい。この場合、例えば、プレイヤに提示されたサーキットパーツ1の総数が、オブジェクト数制限部18によって制限された数に達した時点でサーキット組み立てフェーズが終了し、レーシングフェーズにおいてカート2を走らせた結果(当該カート2がゴール地点にたどり着いたか否か)のみが判定されることにより、当該サーキット4の適否が間接的に評価される。これにより、携帯端末100は、ゴール到達を最終目的としないサーキット4(例えば、ゴール地点には到達できないが、フィールド内に点在する特典をすべて取得可能なサーキット4、カート2のテスト走行を実施するためのサーキット4など)をプレイヤに作らせることができるため、よりバリエーションに富んだゲームを提供することができる。
【0042】
移動部(移動機能)14は、カート2をサーキット4に沿って移動させる。具体的には、移動部14は、入力取得部21から入力された軌跡情報5c(プレイヤからのタッチ操作5a)、および/または加速度取得部22から入力された加速度情報5dに応じて(すなわち、プレイヤによる操縦に応じて)カート2がサーキット4を走行するように、当該カート2を表示部50に表示させる。また、移動部(判定機能)14は、カート2が、フィールド内に存在するスタート地点(第1の位置、開始位置)からゴール地点(第2の位置、目的位置)に至ったか否かを判定する。移動部14は、カート情報6c(走行中のカート2に関する情報を含む)を表示処理部23に出力する。
【0043】
特典表示部(特典表示機能)15は、サーキットパーツ1またはカート2に設定された属性(後で詳述する)を変更可能なアイテム(第1の特典)またはカートパーツ7(第1の特典)、および/または、当該カートパーツ7、アイテム、もしくはサーキットパーツ1と交換可能なポイント(第2の特典)を示す特典情報6dを、サーキット4を組み立て可能なフィールド内の所定の位置に表示する。特典表示部15は、上記特典情報6dを表示処理部23に出力する。
【0044】
特典付与部(特典付与機能)16は、特典情報6dが表示された位置に至るサーキット4の経路が形成され、カート2が当該位置に移動した場合、カートパーツ7、および/または、当該カートパーツ7もしくはサーキットパーツ1と交換可能なポイントをプレイヤに付与する。特典付与部16は、付与情報6e(プレイヤに付与したカートパーツ7などを特定可能な情報を含む)を表示処理部23に出力する。
【0045】
時間制限部(時間制限機能)17は、カート2がサーキット4を移動することによって、第1の位置(例えば、スタート地点)から第2の位置(例えば、ゴール地点)に至るまでの時間に制限を課す。時間制限部17は、制限時間情報6fを表示処理部23に出力することによって、例えば、上記時間(ゴールするまでの残り時間)をカウントダウンして表示させることができる。これにより、携帯端末100は、カート2を操縦することに対する緊張感をプレイヤに与えることができる。
【0046】
オブジェクト数制限部(オブジェクト数制限機能)18は、経路形成部13によって組み合わされるサーキットパーツ1の数に制限を課す。オブジェクト数制限部18は、制限数情報6gを経路形成部13に出力することによって、例えば、上記数をカウントダウンして表示させることができる。これにより、携帯端末100は、サーキットパーツ1を組み合わせることに対する緊張感をプレイヤに与えることができる。
【0047】
経路格納部(経路格納機能)19は、経路形成部13によって形成されたサーキット4を、記憶部30に格納する。具体的には、経路形成部13からサーキット情報6bが入力された場合、経路格納部19は当該サーキット情報6bを記憶部30に格納する。
【0048】
入力取得部(指示取得機能)21は、プレイヤによってカート2が操作可能となるように、当該カート2に対する当該プレイヤの指示を入力部40から取得する。具体的には、入力取得部21は、軌跡情報5c(プレイヤからのタッチ操作5a)を上記指示として入力制御部42から取得し、当該軌跡情報5cを移動部14に出力する。
【0049】
加速度取得部(指示取得機能)22は、入力部40から取得されるプレイヤの指示として、携帯端末100の傾きを示す加速度情報(加速度)5dを、加速度計測部60から取得する。
【0050】
表示処理部(表示処理機能)23は、制御部10に含まれる各部から入力された各種情報にしたがって、ゲーム画面を表示部50に表示させる画面情報5eを生成し、当該画面情報5eを表示部50に出力する(例えば、
図2の(a)および(b)参照)。
【0051】
図4は、表示処理部23によって表示されるゲーム画面の一例を示す模式図であり、(a)は、サーキット組み立てフェーズにおけるゲーム画面を示し、(b)は、レーシングフェーズにおけるゲーム画面を示す。
図4の(a)および(b)に例示されるように、表示処理部23は、プレイヤが視認するゲーム画面の視点を、サーキット組み立てフェーズ(第1フェーズ)とレーシングフェーズ(第2フェーズ)とで互いに異ならせて、当該ゲーム画面を表示させることができる。
【0052】
例えば、表示処理部23は、上記サーキット組み立てフェーズにおいては、サーキット全体を見下ろすことにより2次元で視認可能なゲーム画面を表示させ、上記レーシングフェーズにおいては、ゲームのフィールドを所定の角度から俯瞰して表示させることにより3次元で視認可能なゲーム画面を表示させることができる(
図4の(b)参照)。これにより、携帯端末100は、プレイヤにレースの臨場感を与えることができる。
【0053】
入力部40は、プレイヤによるタッチ操作5aを受け付ける。本実施の形態において、入力部40は、マルチタッチを検知可能なタッチパネルであってよい。入力部40は、入力面41と入力制御部42とを含む。なお、携帯端末100に対して入力を与える方法は、上記タッチパネルを用いたタッチ操作5aに限定されない(例えば、所定の入力キーを押下することによって入力を与えることもできる)。
【0054】
入力面41は、プレイヤによるタッチ操作5aによって指定された位置を検知可能なデバイス(例えば、上記タッチパネルに含まれるタッチ面)である。入力面41は、上記指定された位置に対応する座標情報5bを入力制御部42に出力する。
【0055】
入力制御部42は、入力面41から上記座標情報5bを所定の時間間隔で取得し、一連の座標情報5bを軌跡情報5cとして保持する。
【0056】
表示部50は、表示処理部23から入力される画面情報5eにしたがって、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部50は、液晶ディスプレイであってよい。なお、
図1においては、入力部40および表示部50がそれぞれ有する機能を明示するために、両者を分離して示している。しかし、例えば、入力部40がタッチパネルであり、表示部50が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
【0057】
加速度計測部60は、携帯端末100に加わる加速度(大きさ・向きを含むベクトル量)を計測可能な機器である。加速度計測部60は、例えば、ジャイロセンサによって実現され得る。
【0058】
図5は、プレイヤがカート2を操縦する形態の一例を示す模式図である。
図5に例示されるように、プレイヤは携帯端末100の両端部を把持し、ハンドルを回すように当該携帯端末100を時計回り・反時計回りに回転させることによって、カート2を操縦することができる。すなわち、携帯端末100は、加速度計測部60によって計測された加速度(当該携帯端末100に加わる重力の方向)に応じて、カート2が走行する方向を変更することができる。これにより、携帯端末100は、(特に、
図4の(b)に例示されたゲーム画面が表示される場合において)実際にカートを運転しているような臨場感をプレイヤに与えることができる。
【0059】
記憶部30は、例えば、ハードディスク、SSD(silicon state drive)、半導体メモリ、DVDなど、任意の記録媒体によって構成される記憶機器であり、携帯端末100を制御可能なゲームプログラムおよびデータ(例えば、サーキット情報6b)を記憶する。なお、
図1は、携帯端末100が記憶部30を内蔵する構成を示すが、当該記憶部30は、当該携帯端末100と通信可能に接続された外部の記憶装置(例えば、サーバ装置が備えた任意の記憶媒体)であってもよい。
【0060】
〔サーキットパーツ1に設定された属性〕
図6は、属性が設定されたサーキットパーツ1aおよびサーキットパーツ1bが組み合わされた場合のゲーム画面の一例を示す模式図である。サーキットパーツ1には、属性が設定されていることがある。ここで、サーキットパーツ1に設定される属性は、当該サーキットパーツ1の性質・特徴を示す任意の情報であり、例えば、(1)路面の種類(アスファルト、砂利道、石畳、土、溶岩など)、(2)路面の状態(乾いている、濡れている、凍っている、ぬかるんでいるなど)、(3)障害物(カラーコーン(登録商標)、水たまり、岩、木など)の有無、(4)付属物(ガードレール、標識など)の有無、(5)その他サーキットパーツ1の性質・特徴を規定し得る情報などを示す。
【0061】
図6に例示されるように、サーキットパーツ1aの表面は凍っていてよい。この場合、サーキットパーツ1aに設定された「路面の状態」の属性には、「凍っている」という属性値が格納されている。または、サーキットパーツ1bの路面は砂利であってよい。この場合、サーキットパーツ1bに設定された「路面の種類」の属性には、「砂利道」という属性値が格納されている。
【0062】
表示処理部23は、サーキットパーツ1に設定された属性に応じて、当該サーキットパーツ1を表示部50に表示させる色彩、模様、形状、および/または画像などを異ならせることができる。例えば、サーキットパーツ1aに「路面の状態」を示す属性が設定されており、当該属性に「凍っている」という属性値が格納されている場合、表示処理部23は、当該サーキットパーツ1aを薄青色(プレイヤが当該属性値を直感的に把握可能となるように、当該属性値との関係を示す色彩)で表示させることができる。または、サーキットパーツ1bに「路面の種類」を示す属性が設定されており、当該属性に「砂利道」という属性値が格納されている場合、表示処理部23は、当該サーキットパーツ1bを黄土色で表示させるとともに、その表面に凹凸が存在することが視認できる模様(プレイヤが当該属性値を直感的に把握可能となるように、当該属性値との関係を示す模様)を付して表示させることもできる。
【0063】
これにより、携帯端末100は、プレイヤがバリエーション豊かなサーキット4を作成可能にすることができる。
【0064】
また、サーキットパーツ1は、立体的な形状を有することができる。例えば、サーキットパーツ1は、(1)立体交差点、(2)坂道(勾配は任意である)、(3)高速道路、(4)その他高低差を有するパーツであってよい。また、サーキットパーツ1は、複数のサーキットパーツを組み合わせた形状を有することができる。例えば、サーキットパーツ1は、陸橋のサーキットパーツと道路のサーキットパーツとを組み合わせた立体交差点であってよい。このように、3次元の組み立てを可能にするサーキットパーツ1を提供することにより、携帯端末100は、プレイヤがバリエーション豊かなサーキット4を作成可能にすることができる。
【0065】
なお、携帯端末100は、サーキット組み立てフェーズとレーシングフェーズとにおいて、各サーキットパーツ1の表示を異ならせてよい。例えば、携帯端末100は、サーキット組み立てフェーズにおいて、上記サーキットパーツ1aを薄青色で表示させ、レーシングフェーズにおいて、当該サーキットパーツ1aを「路面が凍り付いた画像」で表示させることができる。これにより、携帯端末100は、サーキット組み立てフェーズにおいては、プレイヤに上記属性値を直感的に把握させることができ、レーシングフェーズにおいては、プレイヤにレースの臨場感を与えることができる。
【0066】
〔カート2に設定された属性〕
カート2にも、属性が設定されていることがある。ここで、カート2に設定される属性は、当該カート2の性質・特徴を示す任意の情報であり、例えば、(1)所有者の識別情報(名前、IDなど)、(2)カート2の性能(四輪駆動、最高出力、制動力、最大トルク、燃費など)、(3)カート2が現在装備しているカートパーツ7(エンジン、ボディ、タイヤ、ニトロの量など)、(4)カート2のレベル、(5)カート2が発揮できる特殊機能(ジャンプできる、急停止できる、ワープできるなど)、(6)その他カート2の性質・特徴を規定し得る情報などを示す。
【0067】
そして、移動部14は、サーキットパーツ1に設定された属性とカート2に設定された属性との組み合わせに応じて、当該カート2を移動させることができる。例えば、(1)カート2が走行中のサーキットパーツ1(サーキット4の一部)に「路面の状態」を示す属性が設定されており、当該属性に「凍っている」という属性値が格納されており、かつ(2)当該カート2に「タイヤ」を示す属性が設定されており、当該属性に「ノーマルタイヤ」という属性値が格納されている場合、移動部14は、カート2がスリップするように当該カート2を移動させることができる。
【0068】
または、(1)カート2が走行中のサーキットパーツ1に「路面の種類」を示す属性が設定されており、当該属性に「砂利道」という属性値が格納されており、かつ(2)当該カート2に「性能」を示す属性が設定されており、当該属性に「四輪駆動」という属性値が格納されている場合、移動部14は、通常のカート2(例えば、二輪駆動のカート)では走行できない「砂利道」を走破するように、当該カート2を移動させることができる。
【0069】
これにより、プレイヤは自身が保有するカート2の性能を考慮した上で、スタート地点からゴール地点に至る経路が走行容易となるように、サーキット4を完成させる必要がある。したがって、携帯端末100は、サーキットパーツ1を組み合わせるための戦略性をプレイヤに要求することができるため、より興趣性の高いゲームを提供できる。
【0070】
〔特典の付与〕
図7は、特典情報6dが表示されたゲーム画面の一例を示す模式図である。
図7に例示されるように、特典表示部15は、カート2に設定された属性を変更可能なカートパーツ7、および/または、当該カートパーツ7もしくはサーキットパーツ1と交換可能なポイントを示す特典情報6dを、フィールド内の所定の位置に表示させることができる。プレイヤは、スタート地点からゴール地点までカート2が移動可能なサーキット4を完成させるだけでなく、上記フィールド内に点在する特典情報6dを拾い集めることのできる経路を形成するように、サーキット4を完成させることもできる。
【0071】
前述したように、特典付与部16は、上記特典情報6dが表示された位置に至るサーキット4の経路が形成され、カート2が当該位置に移動した場合、上記カートパーツ7等をプレイヤに付与する。具体的には、特典付与部16は、カート2が各サーキットパーツ1の上を走行することによって、当該カート2の座標(例えば、表示部50の左上を原点とする2次元座標でよい)と、上記特典情報6dが表示された位置に対応する座標とが略同一になった場合、特典付与部16は、当該カート2が上記表示された位置に到達したと判定する。そして、特典付与部16は、(1)当該到達した時点で、または(2)上記カート2がゴール地点に到達した時点で、上記カートパーツ7等を特典としてプレイヤに付与する。
【0072】
したがって、携帯端末100は、ゲームに対するプレイヤの熱意を喚起することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現できる。
【0073】
また、特典付与部16は、例えば、(1)抽選を実施してプレイヤが当選した場合、(2)プレイヤが所定のサーキットを走破した場合、(3)プレイヤが完成させたサーキット4に対して他のプレイヤから賛辞を得た(例えば、「いいね!」を多数集めた)場合、(4)所定のサーキットを走破したタイムのランキングにおいて上位入賞した場合、(5)上記賛辞を得た数のランキングにおいて上位入賞した場合などに、上記カートパーツ7等を特典としてプレイヤに付与することができる。
【0074】
したがって、携帯端末100は、ゲームに対するプレイヤの熱意をさらに喚起することができるため、一層興趣性の高いゲームを実現できる。
【0075】
〔サーキットパーツ1、カート2、およびカートパーツ7の保有〕
プレイヤは、サーキットパーツ1を保有することができる。この場合、オブジェクト提示部11は、プレイヤが保有するサーキットパーツ1の中から、当該プレイヤに順次提示するサーキットパーツ1を選択することができる。
【0076】
例えば、プレイヤが「アスファルトで舗装された、路面の乾いたT字路」(すなわち、T字路のサーキットパーツ1に「路面の種類」(属性値:アスファルト)、および「路面の状態」(属性値:乾いている)を示す属性がそれぞれ設定されている)を保有している場合、オブジェクト提示部11は、例えば、5回に1回の頻度(所定の割合)でプレイヤが保有する上記サーキットパーツ1を選択し、当該サーキットパーツ1をプレイヤに提示できる。この場合、プレイヤは、オブジェクト提示部11に選択を許すサーキットパーツ1を事前に指定できる。
【0077】
これにより、プレイヤは、理想的なサーキット4を見通し良く完成させることができるため、携帯端末100は、ゲームに対するプレイヤの熱意を喚起することができ、さらに興趣性の高いゲームを実現できる。
【0078】
また、プレイヤは、カート2およびカートパーツ7も保有することができる。例えば、プレイヤは、互いに性能の異なる(すなわち、設定された属性が異なる)複数のカート2を保有することもできるし、変更できる属性の異なる複数のカートパーツ7を保有することもできる。
【0079】
これにより、携帯端末100は、カート2に対する愛着感をプレイヤに抱かせることができるため、ゲームに対する当該プレイヤの熱意を喚起することができる。
【0080】
〔サーキットパーツ1およびカート2のカスタマイズ〕
プレイヤは、自身が保有するサーキットパーツ1をカスタマイズすることができる。例えば、特典付与部16により付与されたポイントを消費する(ポイントと引き換える)ことによって、プレイヤは、(1)サーキットパーツ1の形状を変更する(例えば、「T字形状」を「十字形状」に変更する)、(2)サーキットパーツ1に新たな属性を設定する(例えば、「付属物」の属性を新たに設定し、「一時停止の標識」の属性値を格納する)、(3)サーキットパーツ1に設定された属性の属性値を変更する(例えば、「砂利道」を「アスファルト」に変更する)などのカスタマイズを行うことができる。
【0081】
前述したように、オブジェクト提示部11は、プレイヤが保有するサーキットパーツ1の中から、当該プレイヤに順次提示するサーキットパーツ1を選択できるため、プレイヤは、上記カスタマイズしたサーキットパーツ1をオブジェクト提示部11による選択の対象として指定しておくことにより、当該サーキットパーツ1を用いて理想的なサーキット4の完成を目指すことができる。
【0082】
これにより、携帯端末100は、ゲームに対するプレイヤの熱意を喚起することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現できる。
【0083】
プレイヤは、(1)自身が保有するカートパーツ7を用いて、または(2)特典付与部16により付与されたポイントを消費する(ポイントと引き換える)ことによって、自身が保有するカート2をカスタマイズすることができる。例えば、プレイヤは、「スタッドレスタイヤ」のカートパーツ7をカート2に適用することによって、当該カート2に設定されている「タイヤ」の属性の「ノーマルタイヤ」という属性値を、上記「スタッドレスタイヤ」に変更することができる。
【0084】
例えば、ゲームフィールドが「雪国」であることによって、「路面の状態」の属性値が「凍っている」となっているサーキットパーツ1が、ゲーム画面の上部から落下してくることが多い場合、プレイヤは、あらかじめ「スタッドレスタイヤ」のカートパーツ7をカート2に適用しておくという準備をとり得る。すなわち、携帯端末100は、提示されるサーキットパーツ1の種類(どの属性にどのような属性値が格納されたサーキットパーツ1が多く提示されるか)に応じて、カート2をカスタマイズしてゲームに臨むという戦略性をプレイヤに要求できるため、より興趣性の高いゲームを提供できる。
【0085】
〔ゲームのクリア条件・ゲームオーバ条件〕
サーキット組み立てフェーズにおいて、所定の制約(例えば、時間、サーキットパーツ1の数など)のもとで、プレイヤがスタート地点からゴール地点に至る経路が少なくとも1つ存在するサーキット4を完成させた場合、携帯端末100は、ゲームをレーシングフェーズに移行させることができる。逆に、プレイヤが上記経路の存在しないサーキット4しか完成させることができなかった場合、携帯端末100は、ゲームを終了させる(ゲームオーバにする)ことができる。なお、前述したように、携帯端末100は、サーキット4が完成していることを、レーシングフェーズに移行させるための必須の要件としなくともよい(あくまで一例である)。
【0086】
レーシングフェーズにおいて、所定の制約(例えば、時間など)のもとで、プレイヤがカート2をスタート地点からゴール地点まで走破させることができた場合、携帯端末100は、ゲームクリアとすることができる。逆に、途中でコースアウトした場合、携帯端末100は、ゲームを終了させる(ゲームオーバにする)ことができる。
【0087】
〔複数プレイヤによるマルチプレイ〕
携帯端末100は、複数プレイヤによるマルチプレイ可能なゲームを提供できる。例えば、携帯端末100は、サーキット組み立てフェーズを第1プレイヤがプレイし、レーシングフェーズを第2プレイヤがプレイする協調ゲームを提供できる。または、携帯端末100は、レーシングフェーズにおいて第1プレイヤがプレイする場合に、第2プレイヤがサーキット4に所定の障害物を配置する競合ゲームを提供できる。さらに、携帯端末100は、上記協調ゲームにおいて、第1プレイヤおよび第2プレイヤのペアが別のペアとラップタイムを競うペア間競合ゲームを提供することもできる。
【0088】
すなわち、携帯端末100は、複数人で楽しめる、より興趣性の高いゲームを提供できる。
【0089】
〔その他の構成〕
携帯端末100は、プレイヤからの指示を受け付けることなく、カート2を操縦することができる(すなわち、プレイヤの視点からは、当該カート2が自動で移動する)。この場合、携帯端末100は、フェーズを2つに分ける(サーキット組み立てフェーズ、レーシングフェーズ)ことなく、例えば、プレイヤがサーキットパーツ1を組み合わせるそばから上記カート2が走行するようにすることができる。これにより、携帯端末100は、サーキット4を完成させることにプレイヤを集中させることができるため、ゲームをプレイする敷居を下げることができる。
【0090】
また、携帯端末100は、プレイヤが完成させたサーキット4を保存できる(サーキット情報6bを記憶部30に格納できる)だけでなく、当該プレイヤがサーキット4を走破した記録も保存することができる。この場合、携帯端末100は、プレイヤが上記サーキット4を再度プレイする場合、現在走行中のカート2だけでなく、上記記録時のカート2をあわせて表示することができる(いわゆる「ゴースト表示」)。特に、携帯端末100は、最短ラップを記録したカート2をあわせて表示することができる。これにより、携帯端末100は、ゲームに対するプレイヤの熱意を喚起することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現できる。
【0091】
〔携帯端末100が実行する処理〕
図8は、携帯端末100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、カッコ書きの「〜ステップ」は、コンピュータの制御方法に含まれる各ステップを表す。
【0092】
オブジェクト提示部11が、カート2がその上を移動できることによって、当該カート2が走行するサーキット4の一部を構成するサーキットパーツ1を、プレイヤに順次提示し(ステップ1、オブジェクト提示ステップ、以下「ステップ」を「S」と略記する)、オブジェクト選択部12が、サーキットパーツ1がとり得る複数の向きの中から、当該サーキットパーツ1がサーキット4の一部を構成する1つの向きを選択する(S2、オブジェクト選択ステップ)。次に、経路形成部13が、選択された1つの向きをとるサーキットパーツ1を複数組み合わせることによって、サーキット4を形成する(S3、経路形成ステップ)。
【0093】
経路形成部13は、上記サーキット4が完成したか否かを判定し(S4)、完成したと判定される場合(S4においてYES)、プレイヤからの指示(操縦)にしたがって、移動部14がカート2を移動させる(S5)。移動部14は、カート2がゴール地点に到達したか否かを判定し(S6)、到達したと判定される場合(S6においてYES)、ゲームを終了させる。
【0094】
なお、上記制御方法は、
図8を参照して前述した上記処理だけでなく、制御部10に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでよい。
【0095】
〔携帯端末100が奏する効果〕
以上のように、携帯端末100は、カート2がその上を移動可能なサーキットパーツ1を複数組み合わせることによって、サーキット4を形成することができる。したがって、携帯端末100は、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現できる。
【0096】
〔サーバ装置が機能の一部または全部を提供する構成〕
以上では、ゲームの進行を処理するゲームプログラムが、主に携帯端末100において実行される構成を説明した。
【0097】
一方、上記ゲームプログラムの一部または全部がサーバ装置において実行され、当該実行された処理の結果が上記携帯端末100に返される構成であってもよい。本発明のコンピュータが、プレイヤ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置として機能する場合、ゲームの進行画面を上記サーバ装置が生成したデータに基づいて、上記プレイヤ端末において表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを当該プレイヤ端末にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなどの、上記サーバ装置と上記プレイヤ端末のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。これにより、サーバ装置は、上記携帯端末100が機能を提供する場合に、当該携帯端末100が奏する効果と同じ効果を奏する。
【0098】
上記サーバ装置は、各プレイヤが完成させたサーキット4の情報(サーキット情報6b)を、ネットワークを介して各携帯端末100から集めることができる。そして、上記サーバ装置は、他のプレイヤが完成させたサーキット4をプレイヤがプレイできるように、当該サーキット4をダウンロード可能な環境をすべてのプレイヤに提供することができる。これにより、上記サーバ装置は、レーシングゲームとしての興趣性をさらに高めることができる。
【0099】
また、上記サーバ装置は、例えば、プレイヤから集めた賛辞の量(例えば、「いいね!」の数)にしたがってサーキット4をランキングし、当該ランキングにおいて上位入賞したサーキット4を規定コースに含むグランプリを開催することができる。この場合、上記サーバ装置は、当該グランプリにおいて良好な成績(例えば、各サーキットを走破した時間が短いなど)をおさめたプレイヤに対して、(1)特典としてポイントを付与したり、(2)多くの観客(当該グランプリに不参加のプレイヤ)が集まる中で表彰を授与したりすることができる。
【0100】
これにより、上記サーバ装置は、ゲームに対するプレイヤの熱意を喚起することができるため、さらに興趣性の高いゲームを実現できる。
【0101】
〔その他の実現例〕
上記においては、ゲーム画面の上部から下部に向かってサーキットパーツ1が落下し(プレイヤに提示され)、プレイヤは当該サーキットパーツ1を組み合わせてサーキット4を完成させるゲームを、本発明を実現する一例として説明した。しかし、本発明は、当該一例に限定されない。
【0102】
例えば、本発明のゲームプログラムは、すごろくの各マスを構成する「すごろくパーツ」(オブジェクト)がプレイヤに提示され(例えば、ゲーム画面の上部から下部に向かって落下するように表示され)、当該プレイヤは上記「すごろくパーツ」を組み合わせて1つのすごろく(移動経路)を完成させ、完成後に複数のプレイヤがコマ(移動体)をそれぞれ使って当該すごろくを遊ぶようなゲームを提供することができる。
【0103】
この場合、各「すごろくパーツ」には、「ふりだしに戻る」、「3マス進む」などの情報が属性として設定されてよい。また、フィールド内には、当該ゲームにおいて所定の効果をもたらすイベント(例えば、いわゆる「人生ゲーム」のように「卒業祝いをもらった!ポイントゲット!」など)が、特典情報6dとして表示されていてよい。
【0104】
すなわち、本発明のゲームプログラムは、「すごろくパーツ」を組み合わせてすごろくを完成させるというパズルゲーム、および当該すごろくにおいて「あがり」に到達するというすごろくゲームという複数のジャンルにまたがるゲームを提供できる。したがって、上記ゲームプログラムは、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現できる。
【0105】
このように、本発明のゲームプログラムは、様々な形態で実現され得る。そして、どのような形態で実現されたとしても、新たな娯楽を提供する、興趣性の高いゲームを実現できるという効果を奏する。
【0106】
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末100の制御ブロック(特に、制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0107】
具体的には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムは、コンピュータ(携帯端末100)に、オブジェクト提示機能、オブジェクト選択機能、経路形成機能、移動機能、特典表示機能、指示取得機能、時間制限機能、オブジェクト数制限機能、経路格納機能、および表示処理機能を実現させる。上記オブジェクト提示機能、オブジェクト選択機能、経路形成機能、移動機能、特典表示機能、指示取得機能、判定機能、時間制限機能、オブジェクト数制限機能、経路格納機能、および表示処理機能は、前述したオブジェクト提示部11、オブジェクト選択部12、経路形成部13、移動部14、特典表示部15、特典付与部16、入力取得部21および加速度取得部22、移動部14、時間制限部17、オブジェクト数制限部18、経路格納部19、および表示処理部23によってそれぞれ実現され得る。詳細については上述した通りである。
【0108】
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた情報処理端末(例えば、携帯端末100)と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
【0109】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【0110】
また、本発明のゲームプログラムは次のようにも表現できる。すなわち、当該ゲームプログラムは、コンピュータに、移動体が第1の位置から第2の位置に移動する経路の一部を構成するオブジェクトを、プレイヤに対して順次付与するオブジェクト付与機能と、オブジェクトがそれぞれとり得る複数の形状から1つの形状を選択可能となるように、当該オブジェクトをプレイヤに提示するオブジェクト提示機能と、選択された1つの形状をとるオブジェクトを複数組み合わせることによって、経路を形成する経路形成機能とを実現させる。
【解決手段】本発明は、コンピュータに、移動体が移動可能な移動経路の一部を構成するオブジェクトを、プレイヤに順次提示するオブジェクト提示機能と、オブジェクトがとり得る複数の向きの中から、当該オブジェクトが移動経路の一部を構成する1つの向きを選択するオブジェクト選択機能と、選択された1つの向きをとるオブジェクトを複数組み合わせることによって、移動経路を形成する経路形成機能とを実現させる。