(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記薬用モジュール(10)が使用された後、前記針ガード(90)が、前記付勢エレメント(70)により作られる前記力により、遠位方向(120)で第二の位置に動かされる、請求項4に記載のモジュール。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
2つ又はそれ以上の活性薬剤、又は「薬剤」を同時に送達するとき、多くの潜在的な問題点が存在する。2つ又はそれ以上の活性薬剤は、処方の長期間寿命の保存中、互いに相互作用するかもしれない。従って、活性成分を分離して保存し、そして、それらを送達の観点のみで、例えば、注射、針なし注射、ポンプ、又は吸入を組み合わせることは有利なことである。しかし、2つの薬剤を組み合わせる方法は、信頼性を持って、繰り返し、そして安全に実施するために使用者にとって、簡単で、便利なことが必要である。
【0005】
更なる関心事は、組合せ治療を構成する各々の活性薬剤の定量性、及び/又は、割合は、各々の使用者にとって、又は治療の異なった段階で変化することが必要となるかもしれないことである。例えば、一つ又はそれ以上の活性薬剤は、「維持」用量まで患者に徐々に導入するために調節期間を必要とし得る。更なる実例は、一つの活性薬剤が非調整可能な固定用量を必要とする場合、一方、他剤は、患者の症状又は肉体的条件に対応して変化することである。この問題は、これらの事前混合された処方は、医療専門家又は使用者により変更できないかもしれない活性成分の固定比率を有するので、多重活性薬剤の事前に混合された処方は、適切でないかもないことを意味する。
【0006】
追加の関心事は、多薬物化合物の治療が必要であるところで発生する。何故ならば、一つより多く薬剤送達システム用いなければならないことに、又は要求される用量組合せの必要で、正確な計算を行わなければならないことに、ある使用者が対処できないことである。これは、器用さ又は計算上の困難性を有する使用者にとって、特に、真実である。
【0007】
使用者が、ある組合せ用量を送達した後、非殺菌の針を再使用しようと試みるところで、他の問題も発生する。そのような非殺菌の針を使用することは、ある疾病(敗血症)の転移をもたらし、従って、針の再使用を阻止する薬用モジュールに対する必要性は存在する。注射針が隠されていないか、又は覆われていない、特に、針が血で汚染されたかもしれないとき、使用後のある種の針アセンブリと一緒に不注意な針突き刺しに関する更なる関心事もある。そのようなわけで、また、剥き出しにされた針に対する患者の不安又は恐怖症を高めるかもしれない患者の針に関する心配事を低下させる一般的な必要性はある。
【0008】
従って、単回注射における2つ又はそれ以上の薬物の送達用のデバイス及び方法、又は使用者にとって実施することが簡単で、安全であり、そして、また、注射又は針に対する患者の心配事を低下させる傾向にある送達工程を提供するための強い必要性が存在する。本出願は 単回送達方法の実施中、組み合わせのみ、及び/又は、その後、患者に送達する2つ又はそれ以上の活性薬剤用の分離された貯蔵容器を提供することにより上記の関心事を解決する方法、デバイス、及び薬物送達キットの具体的実施態様を開示する。発明の好ましい実施態様によると、そのようなデバイスは、分離された貯蔵容器で提供されても、又は少なくとも一つの薬用モジュール及び少なくとも一つの非薬用モジュールを含むキット形体で提供されてもよい。
【0009】
本開示によると、用語、薬用モジュールは、好ましくは、(二次)薬物化合物の容器又はリザーバを含む針サブアセンブリを特徴づけるために使用される。結果として、非薬用モジュールは、好ましくは、針サブアセンブリとして特徴づけられるが、しかし、(二次)薬物化合物の容器又はリザーバを有することはない。そのような薬用モジュール、及び/又は、非薬用モジュールは、少なくとも一つの両頭針を含んでもよい。更にその上、薬用モジュール、及び/又は、非薬用モジュールは、針ガードを含んでもよい。薬用モジュール、及び/又は、非薬用モジュールは、薬物送達デバイス、例えば、ペン型薬物送達デバイスに取り付け可能に設計されてもよい。
【0010】
以下に記載する具体的な実施態様によると、一つの薬物の用量を設定することは、自動的に、第二の薬剤の用量(即ち、使用者設定不可能用量)を固定し、又は決定することになる。本出願は、また、一つ又は両方の薬物の量を変化させる機会を与え得る。例えば、一つの流体の量は、注射デバイスの性質を変化させることにより可変である(例えば、使用者に可変の用量をダイヤル設定し、又はデバイスの「固定」用量を変更する)。第二の流体量は、第二の活性薬剤の異なった体積、及び/又は、濃度を含む各々の変異体を有する包装体又はキットを含む様々な二次薬剤を製造することにより可変である。使用者又は医療専門家は、その結果、特別な治療レジームに対する、最も適切な第二包装体若しくはシリーズ、又は異なった包装体若しくはキットのシリーズの組合せを選択するであろう。
【0011】
これらの、及びその他の利点は、発明の以下の詳細な記述から明確になるであろう。
【0012】
本発明による解決すべき一般的な問題は、薬物の投与が改良される薬用モジュール、薬物送達キット及び薬物送達システムを提供することである。
【0013】
幾つかの具体的な実施態様によると、本出願は、単回送達システム内での多重薬物化合物の複雑な組合せを可能にするモジュール、システム、方法、及び薬物送達キットを開示する。好ましくは、そのようなシステムは、針の再使用を阻止する機能を有し、そして、また、針恐怖症を低下させる機能を有し、一方、また、潜在的な不注意の針突き刺しを減少させることができる針ガードを含む。
【0014】
具体的な実施態様によると、使用者は、一つの単回用量設定機構及び単回薬物投与インターフェースを通して、多薬物化合物のデバイスを設定し、投与することができる。好ましくは、単回薬物投与インターフェースは、その後、薬用モジュールの再使用(即ち、注射針の再使用)を阻止するために、ロックアウトされてもよい。好ましくは、単回用量設定器は、一薬物の単回用量が設定され、単回薬物投与インターフェースを通して投与されるとき、個々の薬物化合物の事前に定義された組合せが送達されるようにデバイスの機構を制御する。用語、薬物投与インターフェースは、本開示の文脈において、2つ又はそれ以上の薬物を、薬物送達システムから排出し、そして患者に送達されることを可能にするいかなるタイプの排出口であってもよい。好ましい実施態様において、単回薬物投与インターフェースは中空の針カニューレを含む。
【0015】
個々の薬物化合物間の治療上の関係を定義することにより、本開示の送達デバイス及びシステムのある実施態様は、患者/使用者が、多入力に関連する固有のリスクなしで、多薬物化合物デバイスから最適の治療組合せ用量を受け入れることを確実にするのに役立つであろう。ここで、使用者がデバイスを使用する度に、正しい用量組合せを計算し、設定しなければならない。個々の薬剤の組み合せは、好ましくは、少なくとも2つの異なった薬剤を含み、ここで、各薬剤は、少なくとも一つの薬剤を含む。薬物は本明細書で液体又は気体として定義され、流動することができ、そして、その形体を変化させようとする力が作用したとき、定常速度で形体を変化させる流体であってよい。あるいは、薬物の一つが、運ばれ、可溶化され、さもなければ別の流体薬物と一緒に投与される固体であってもよい。
【0016】
一具体的態様によると、単回入力、及び関連する事前に定義された治療プロファイルが、彼らの処方された用量を、彼らがデバイスを使用する度に計算する必要性を取り除くことになり、そして単回入力は、かなり容易に、組合せ化合物の設定と投与を可能にするので、本出願は、特に、器用さ、又は計算の困難性を有する患者に特に有利である。この出願は、また、針恐怖症を経験した患者に対して、又は不注意な針突き刺しの一般的な不安を経験するかもしれない患者に対して有益であるかもしれない。
【0017】
好ましい実施態様において、多重用量内に含まれるインスリンなどの、主、又はマスター薬物化合物又は薬剤、使用者の選択可能なデバイスは、単回用途で、使用者が代替可能な、二次薬剤の単回用量及び単回投与インターフェースを含むモジュールと一緒に使用できる。主デバイスに連結したとき、二次薬剤は主薬物の投与のため、起動され/送達される。本発明は、具体的に、2つの可能性のある薬剤の組合せとしては、インスリン、インスリン類似体、又はインスリン誘導体、及びGLP−1又はGLP−1類似体を記載するが、鎮痛剤、ホルモン、β−アゴニスト、又はコルチコステロイド、若しくは上記薬剤の組合せなどの、他の薬剤又は薬剤の組合せも本発明と共に使用できる。
【0018】
本発明の目的のために、用語「インスリン」は、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、又はヒトインスリン若しくはヒトインスリン類似体若しくは誘導体を含むそれらの混合物を意味するものとする。インスリン類似体の実例は、限定なしで、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、又はDes(B30)ヒトインスリンである。ヒトインスリン誘導体の実例は、限定なしで、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0019】
本明細書で用いる、用語「GLP−1」は、GLP−1、GLP−1類似体、又はエキセナチド(エキセンジン−4(1−39)、ペプチド配列:H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2);エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH
2)を含むその混合物を意味するものとする。
【0020】
β−アゴニストの実例としては、限定なしで、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メシル酸ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、バムブテロール、クレンブテロール、インダカテロールがある。
【0021】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0022】
一つの実施態様において、本特許出願は、薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールに関する。薬用モジュールは、薬物送達デバイスに取り付けするように構成された連結本体を含む。第一の針は、モジュール内に固定され、又は具体的実施態様によると、連結本体内に固定される。更にその上、外部本体は連結本体と機能的に連結し得る。針ガードは、モジュールに、又は具体的な実施態様によると、外部本体に機能的に連結される。付勢部材又はエレメントは、針ガードを付勢するために位置する。付勢部材は外部本体と針ガードの間に位置してもよい。第二の針は、モジュール内に固定され、又は具体的実施態様によると、外部本体内に固定される。薬剤の少なくとも一回投与量を含むリザーバが提供される。リザーバは連結本体内の凹部で画成し得る。あるいは、リザーバは、カプセル,即ち、第二の薬剤の内蔵型シールリザーバで画成されてもよい。リザーバは、第一及び第二の針と流体連通するように構成される。
【0023】
更なる配置において、薬物送達デバイス用の薬物送達キットは、薬物送達デバイスに連結するように構成される。非薬用モジュールは、また、提供され、そして薬物送達デバイスと連結するように構成されている。一つの配置において、薬物送達キットは、薬物送達デバイスに連結するように構成された複数の薬用モジュールを含む。複数のモジュールを含む一配置において、各モジュールは、次の薬用モジュールより異なった調節レベルを有する薬物を含む。更なる配置において、薬物送達キットは、複数の非薬用モジュールを含む。
【0024】
薬物送達デバイスは、好ましくは、少なくとも一つの薬剤、用量設定器、用量ボタン、及び送達機構を含む薬剤の(主)リザーバを含む。用量ボタンは主リザーバに機能的に連結される。用量設定器は主リザーバに機能的に連結される。送達機構は、回転可能なピストンロッド、好ましくは、2つの明確なネジ山付きの回転可能なピストンロッドを活用できるいかなるタイプであってもよい。
【0025】
本発明の特別の利点は、薬用モジュールが、必要なとき、特に、調節期間が特定薬剤に対して必要である場合に、用量レジームを調整することが可能となることである。薬用モジュールは、調節を支援するために、特定の順番で、提供された薬用モジュールを使用することを患者に指示するような機構の美観設計、又はグラフ、番号付けなどの、それらに限定されないが、差別化機構を有する多数の調節レベルで提供される。あるいは、処方医師は、患者に、多数の「レベル1」調節の薬用モジュール又はモジュールキットを提供し、そしてその後、これらが完了したとき、医師は次のレベル、又は次の薬物送達キットを処方するであろう。この調節プログラムの一つの利点は、主デバイスが常に一定であることである。
【0026】
本発明の好ましい実施態様において、主薬物送達デバイスは、1回以上使用され、従って、多重使用である。そのようなデバイスは主薬物化合物の代替可能なリザーバを有してもよく、有さなくてもよいが、しかし本発明は、両シナリオに対して同様に適用可能である。既に標準的な薬物送達デバイス(又はデバイスのグループ)を用いて患者に対して1回限りの追加の薬物として処方できる種々の条件に対する一連の異なった薬用モジュールを有することは可能である。患者が以前使用した薬用モジュールを再使用しようと試みるならば、今開示された薬用モジュールは、患者にこの状況を警告できるロック可能な針ガード機構を提供する。使用者に警告する他の手段は、以下のいくつか(又は全て)を含んでもよい:
1.モジュールが使用され、及び取り外されたとき、薬用モジュールの主薬物送達デバイスへの再装着の物理的阻止;
2.使用された薬物投与インターフェースの患者への挿入の物理的阻止;
(例:単回使用の針ガードタイプの配置)
3.薬物投与インターフェースを通して、それが使用されたときの後続液体流の物理的/水圧的阻止;
4.主薬物送達デバイスの用量設定器、及び/又は、用量ボタンの物理的ロック;
5.可視的警告(例えば、挿入、及び/又は流体流が発生したとき、モジュール上の表示窓内での色の変化、及び/又は、警告文/表示手段(indicia));
6.触覚的フィードバック(次に使用するモジュールハブの外部表面上での触覚的特徴の有無)。
【0027】
この実施態様の更なる機構は、一つの注射針と一つの注射工程を経由して両薬物が送達されることである。これは、2つの分離した注射の投与と比較して、使用者工程の減少の観点より、使用者にとって都合のよい利点を提供する。この便利な利点は、また、特に、注射を不愉快であると感じる使用者にとって処方治療の改良したコンプライアンスをもたらす。
【0028】
本発明の更なる態様は、分離した主包装体に保存されている2つの薬剤の送達方法に関する。薬剤が両者共液体であってもよく、あるいは、一つ又はそれ以上の薬剤が粉末、懸濁液、又はスラリーであってもよい。一つの実施態様において、薬用モジュールは、それが薬用モジュールを通して注射されるとき、主薬物中に溶解した、又は随伴した粉末薬物で充填できる。
【0029】
また、薬物送達システムは、単回投与インターフェースを通して2つ又はそれ以上の薬物を機能的に送達することを提供する。システムは、少なくとも一つの薬剤、例えば、インスリン又はその類似体などの液体薬剤を含む薬剤の主リザーバ、並びに、薬剤の主リザーバに機能的に連結される用量ボタンを含む。更に、薬物送達システムは、薬剤の主リザーバに機能的に連結される単回用量設定器を有するハウジングを含んでもよい。更にその上、主リザーバと流体連通するように構成された単回薬物投与インターフェースが提供される。システムは、針ガード、及び少なくとも一つの薬剤を含む薬剤の第二のリザーバを含む薬用モジュールを有する。システムは、用量ボタンの単回作動が、主リザーバからの薬物、及び第二のリザーバからの第二の薬剤を、単回薬物投与インターフェースを通して放出されるように設計される。好ましくは、主リザーバは液体薬剤を含む。具体的な実施態様によると、用量ボタンの単回作動は、第二の薬剤の使用者設定不可能な用量を放出させる。薬用モジュールは、プライミング可能であり、加えて、少なくとも一つの薬剤の単回用量を含むシールされた殺菌カプセルを含む。即ち、薬用モジュールは、(二次)薬剤の、内蔵型で、シールされたリザーバであるカプセルを含むリザーバを含有する。この場合、用量ボタンの単回作動はカプセルの単回用量を放出させる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】薬物送達デバイスに装着された薬用モジュールの一配置の断面図を示す。
【
図2】薬物送達デバイスに装着されたリザーバに連結する2つの針を有する
図1の薬用モジュールの透視図を示す。
【
図4】ロックアウトされた針ガードを有する
図1で示す薬用モジュールを示す。
【
図5】
図1で示す薬用モジュールを含む薬物送達キットにおいて提供できる非薬用モジュールを示す。
【
図6】
図5で示す非薬用モジュールの可動のロックアウト部材の部分図をす。
【
図7】
図6で示す可動のロックアウト部材の透視図を示す。
【
図8】ロックされた針ガードを有する
図5で示すモジュールの正面図を示す。
【
図9】
図1で示す薬用モジュールと一緒に使用できる一つの可能な薬物送達デバイスを示す。
【0034】
具体的な実施態様によると、本発明は、単回出力、又は両頭針などの薬物投与インターフェースを通して、第二の薬剤(二次薬物化合物)の固定された事前決定された用量、及び第一の薬剤(主薬物化合物)の潜在的な変動の可能性のある用量を投与する。使用者により主薬剤の用量を設定することは、自動的に、第二の薬剤の固定用量を決定することになり得る。第二の薬剤のこの固定用量は、好ましくは、単回用量である。好ましい配置において、薬物投与インターフェースは、針カニューレ(中空針)、及び薬物の注射後、ロックアウトできる針ガードを含む。
【0035】
図1は第一の針40がデバイスカートリッジ14のセプタム(septum)2を穿孔する薬用モジュール10の好ましい配置を示す。第二の注射針80は、薬用モジュール内に含まれる第二の薬剤と一緒にカートリッジ内に含まれる第一の薬剤を皮下注射するために使用できる。連結本体24で画成される凹部37は、2つの針40、80の間に位置する。好ましくは、この凹部は、第二の薬剤38のリザーバを含む。最も好ましくは、このリザーバは、第一及び第二の穿孔可能シール48、50でシールされた端部を有するカプセル46を含む。
【0036】
この好ましい配置において、薬用モジュール10は、図示する通り、薬物送達デバイス12に取り付けられる。そのような薬物送達デバイスの部分のみが、
図1で示される。薬物送達デバイス12は、標準カートリッジ14を含むカートリッジホルダを含んでもよい。この標準カートリッジ14は、インスリンなどの第一の薬剤16を含む。
【0037】
一つの配置において、薬用モジュール10は、好ましくは、内蔵型であり、そして、シールされ、殺菌された使い捨てモジュールであり得る。そのようなモジュールは、薬物送達デバイス12の遠位端で取り付け手段と互換性のある取り付け手段を含む。図示されていないが、薬用モジュール10は、保存及び殺菌容器内に含まれ、製造業者により提供され得るが、ここで、使用者が殺菌された薬用モジュールに接近できるようにするため、シール又は容器それ自身をはがし、又は裂き開くであろう。ある例において、薬用モジュールの各端部に2つ又はそれ以上のシールを提供することは望ましいことであるかもしれない。加えて、以下に説明するように、一配置において、そのような薬用モジュール10は、
図5で示すモジュールのように、少なくとも一つの非薬用モジュールと一緒に薬物送達キットにおいて提供し得る。
【0038】
薬物送達デバイス12の一実例が
図9で示される。恒久的で、取り外し可能な連結手段を含めて、いかなる公知の手段も使用できる。ネジ山、スナップロック、スナップフィット、ルアーロック、バイオネット、スナップリング、キースロット、及びそのような連結手段の組み合せは、デバイス12に対してモジュール10を取り付けするために使用できる。ほんの一例ではあるが、
図1はスクリューネジ山を含む取り付け手段を示す。
図1で示す配置は、単回用量が薬用モジュール10内に完全に含まれるので、第二の薬剤38の利点を有する。これは、第二の薬剤と薬用モジュール10の構造で使用される素材間の素材の非適合性のリスクを最小化できる。
【0039】
図1に戻って、薬用モジュール10は、連結本体24、第一の針40、バイパス配置52、第二の針80、付勢部材70、及び針ガード90を含む。
【0040】
連結本体24は、近位端26から遠位端28へ伸びる。連結本体の近位端は、薬用モジュール10が薬物送達デバイス12に連結し得るようにコネクタ30で提供される。好ましくは、このコネクタは、連結本体24の内部表面22に沿って提供され、そして、薬物送達デバイス12に開放可能な連結を提供する。そのような開放可能なコネクタは、スナップフィット、フォームフィット、スナップロック、ルアーロック、又は当業者に公知のその他類似の機構を含んでもよい。また、
図1から分かるように、連結本体24は、更に、第一及び第二の凹部32、34を含む。これらの凹部は、連結本体外部表面33に沿って提供される。2つの凹部32、34のみが
図1で示す薬用モジュール10の配置で示すが、更なる凹部の配置は、2つの凹部32、34より多いか、又は少なく含んでもよい。以下により詳細に説明する通り、
図1で示す外部本体52のオス型部材60は、第一の凹部32と開放可能に係合する。
【0041】
連結本体24は、リザーバ36を画成し、そして好ましくは、このリザーバは、第二の薬剤38を含む。最も好ましくは、この第二の薬剤38は、GLP−1、あるいは薬物の事前混合物のような薬物の単回用量を含む。一つの好ましい配置において、リザーバは、穿孔可能な膜48、50でシールされた第一及び第二端を含むカプセル46を含む。そのような構造物は、第二の薬剤38に対して密閉してシールされたリザーバを提供する。
【0042】
連結本体24は、更に、連結本体の外部表面35に堅く固定された第一の針40を含む。好ましくは、この第一の針40は、第一の穿孔端42(即ち、遠位端)及び第二の穿孔端44(即ち、近位端)を有する両頭針を含む。この好ましい配置において、薬用モジュール10が、
図1で示す通り、薬物送達デバイス12に初期に取り付けられるとき、第二の穿孔端44は、カートリッジ14の膜18を穿孔するが、第一の穿孔端42は、未だ、カプセル46の第一又は近位シール48を穿孔しない。そのようなわけで、カートリッジ14の第一の薬剤16は、カプセル46に含まれる第二の薬剤38と流体連通にない。
【0043】
薬用モジュール10は、更に、外部本体52を含み、そして好ましくは、この外部本体は、連結本体24と摺動可能に係合する。より好ましくは、この外部本体52は連結本体24と摺動可能に係合し、そして、初期位置から(
図1で示す通り)第二又は用量注射位置(
図2及び3で示す通り)へ摺動可能である。
【0044】
外部本体52は遠位端54及び近位端56を含む。外部本体の近位端56は、連結本体24と開放可能に係合するオス型部材60で構成される。好ましくは、薬用モジュールが、
図1で示す通り、初期に薬物送達デバイス12上に取り付けられるとき、オス型部材60は、連結本体24の外部表面33に沿って提供される第一の凹部32と開放可能に係合する。第二又は用量注射位置において(
図2及び3で示す通り)、オス型部材60は、この部材が第二の凹部34と係合するように近位的に動かされる。
【0045】
外部本体52は、更に、第一及び第二の内部キャビティ61、62をそれぞれ含む。好ましくは、第一の内部キャビティ61は、連結本体24のリザーバを含むように形成され、一方、第二の内部キャビティ62は、圧縮スプリングのような弾性部材70を含むように形成される。
図1で示す通り、薬用モジュールの初期に装着された位置において、弾性部材70は伸長状態にある。この伸長状態において、弾性部材はこの第二キャビティ62内に、そして、外部本体52と針ガード90の間に存在する。
【0046】
外部本体52は、更に、内部表面63上で提供される遠位及び近位溝65、66を含む。遠位溝65は、可動のロック機構68を、好ましくは、可動のサークリップの形体に含む。以下に説明する通り、この可動のロック機構68は、注射が行われた後、即ち、針ガードが初めに近位方向に動かされ、その後、遠位方向に戻った後、針ガード90をロックするために使用される。
【0047】
外部本体52は、更に、第二、又は外部本体ハブエレメント64に堅く固定された注射針80を含む。好ましくは、この第二の針80は、第一の穿孔端82(即ち、遠位端)及び第二の穿孔端84(即ち、近位端)を有する両頭針を含む。
【0048】
この好ましい配置において、
図1に示す通り、薬用モジュール10が初期に薬物送達デバイス12に取り付けられるとき、第二の穿孔端84は、カプセル46の遠位シール50を、未だ、穿孔しない。加えて、この好ましい配置において、第二の針80の第一の穿孔端82は、患者が経験するかもしれないいかなる針の心配事も軽減するのに役立つように、針ガード90により使用者の視界から、本質的に隠される。
【0049】
好ましくは、針ガード90は、管状形状のエレメントを含み、そして弛緩状態において、
図1で示す通り、本質的に第二の針80を隠す。第二の針を本質的に隠している間、針ガードは、また、不注意の針突き刺しを防ぐのに役立つ。
図1において、この針ガード90は開放位置において示される。即ち、使用者が注射を開始する注射工程中において、針ガード90は、近位方向に、又は薬物送達デバイス(
図1における矢印110で示す)に向かって自由に動かされる。
【0050】
好ましくは、針ガード90は、複数の外側に向いたアーム96、98を含む。これらのアーム96、98は、外部本体52の内部キャビティ62の内部表面63と摺動係合にあり、そして外部本体で画成される第二キャビティ62内に存在する。これらの外側に向いたアーム96、98は、用量の注射後、針ガード90をロックアウト位置に置き、そして保持されることを可能にする。また、これらの外側に向いたアーム96、98は、また、針ガード90が薬物送達デバイスに連結したき、又は薬物注射工程中に針ガードの回転を阻止するために、回転防止器として機能し得る。
【0051】
図1で示す通り、モジュール10は、薬物送達デバイス12上の第一の装着位置で示される。この第一の位置において、連結本体24は、薬物送達デバイス12の遠位端に連結される。図示する通り、薬物送達デバイスは、連結本体24と係合するためにネジ山13を含む。一つの配置において、連結本体24は、これらのネジ山に開放可能に係合するためにネジ山付きコネクタを含んでもよい。しかし、更なる配置において、連結本体24は、フォームフィット又はスナップフィットコネクタ配置などを含むコネクタ30を含んでもよい。この方式でモジュール10は、単にモジュールを薬物送達デバイスの遠位端上に摺動させることにより、薬物送達デバイス12に連結されてもよい。
【0052】
図1で示す通り、この第一の位置において、外部本体52は、近位端で、連結本体の近位端近傍で提供される第一の凹部32と係合する内側に伸びるオス型部材60を含む。外部本体24がこの初期に連結された位置に存在するとき、内側に伸びるオス型部材60は、連結本体の凹部32の第一のセットと係合し、そして、第一及び第二の針40、80の両方は、薬用モジュールのリザーバ36と流体連通にない。
【0053】
上記で議論した通り、初期装着位置において、第一及び第二の針40、80の両方は、薬用モジュールのリザーバ36と流体連通にない。
図3は、用量の準備状態における薬物送達デバイス12に薬用モジュール10を装着した側面図を示す。この用量準備状態又は第二状態を実施するために、外部本体52は、近位方向に動かされる。この外部本体の近位運動は、外部本体の内側に伸びるオス型部材60を連結本体の第一の凹部32から第二の凹部34へ動かす。
【0054】
重要なことに、外部本体の近位運動は、また、第一の針40の遠位端42を、カプセル46の第一の穿孔可能シール48に貫通させ、一方、第一の針40の近位端44は、デバイス12のカートリッジ14のセプタムのその貫通を維持する。外部本体の近位運動は、また、第二の針80の近位端84に、カプセル46の第二の穿孔可能シール50を貫通させる。膜48及び50を穿孔することは、第一及び第二の薬剤16、38間の流体連通を開放し、これら2つの薬物を、薬物送達デバイス12上の投与機構の操作を通して投与することを可能にする。
【0055】
薬物送達デバイス12が用量設定器8を含むところでは、薬物送達デバイス12の用量は、その後、通常の方法で用量設定器8(
図9参照)を用いて設定し得る(例えば、ユニットの適切な数をダイヤル設定することにより)。薬物16、38の投与は、その後、デバイス上の用量ボタン12の起動を経由して薬物を皮下注射することにより実施し得る。用量ボタン6は、用量設定器で設定された第一の薬剤の用量をデバイスの遠位端に向かって遠位方向に動かすいかなる起動機構であってもよい。好ましい実施態様において、用量ボタンは、第一の薬剤の主リザーバにおけるピストンに係合するスピンドルに機能的に連結される。更なる実施態様において、スピンドルは、好ましくは、2つの明確なネジ山を含む回転可能なピストンである。
【0056】
注射中、針ガード90は、弾性部材70により作られる力に対抗して近位方向110に動かされる。針ガードは近位方向に動かされるので、その外側に向いたアーム96、98は、遠位溝65から近位溝66へ、外部本体52の第二のキャビティ62内で内側に摺動する。外側に向いたアーム96が近位溝66に到達したとき、外側に向いたアーム96は、可動のロック機構68を引き上げる。第一及び第二の薬剤16、38は、その後、第二の針80により注射サイトへ注射され得る。
【0057】
注射及び薬物送達デバイス及び薬用モジュールが、注射サイトから取り外された後、付勢エレメント70の力の元で針ガード90は、遠位方向120に強制される(forced)。エレメント70によりつくられた力により下方向に、又は遠位方向(
図7において、矢印120で表される)に強制され、針ガード90は可動のロックアウト部材68を遠位溝65へ引き上げ、それにより、下側位置における針ガード90をロックする。
【0058】
下側位置においてこの方法で、針ガード90をロックすることは、数多くの有益な特徴を提供する。第一に、それは使用者に、非殺菌の薬用モジュールの再使用を阻止する。第二に、ロックされた針ガードは、第二の針80を保護し、そして本質的に隠し、従って、潜在的な不注意による針突き刺しのリスクを減少させる。そして、第三に、本質的に第二の針80隠すことにより、ロックされた針ガードは、いかなる潜在的な針不安、針恐怖症、又は患者が経験するかもしれない針の心配事も低下させるように作動する。
【0059】
本明細書で記載する配置において、第二の薬剤は、粉末状固体状態であっても、第二のリザーバ又はカプセル内に含まれるいかなる流動状態であっても、又は薬物投与インターフェースの内側表面にコートされていてもよい。薬剤の固体形体の大きい濃度は、低い濃度を有する液体より小さい体積を占める優位性がある。これは、順に、薬用モジュールの目減り量を減少させる。更なる利点は、固体形体の第二の薬剤は、液体形体の薬物より、潜在的により直接的シールが可能であることである。デバイスは、投与中、第一の薬剤により溶解された第二の薬剤を有する好ましい実施態様と同様の方法で使用されるであろう。
【0060】
記載した実施態様の薬用モジュール又は非薬用モジュール間の連結又は装着は、コネクタ、停止部、スプライン、リブ、ネジ溝、及び特定の薬用モジュールが薬物送達デバイスに適合するためのみに取り付け可能であることを確実にするデザイン機構などの追加の機構(図示されていないが)を含んでもよい。そのような追加の機構は、非適切な薬用モジュールを非適合の注射デバイスへ取り付けすることを阻止するであろう。
【0061】
薬用モジュールの形状は、円筒形本体であってもよく、又は流体リザーバを画成するために、又は第二の薬剤の個別の内蔵型リザーバを含むために、及び一つ又はそれ以上の針カニューレを取り付けするために、好適な他のいかなる幾何学的形状であってもよい。第二のリザーバ又はカプセルは、ガラスから又は他の薬剤接触に好適な素材から製造できる。一体化した注射針は、皮下注射、又は筋肉内注射に好適な、いかなる針カニューレであってもよい。
【0062】
好ましくは、薬用モジュールは、独立型で、及び殺菌性を保持するためにシールされた分離デバイスとして製造業者より提供される。モジュールの殺菌シールは、好ましくは、薬用モジュールが使用者により薬物送達デバイスに前進し、又は取り付けられるとき、例えば、切断により、引き剥がしにより、ピーリングにより、自動的に解放されるように設計される。注射デバイスの末端にある角度の付いた表面などの特徴、又はモジュール内側の特徴により、シールのこの開放を支持し得る。
【0063】
あるいは、薬用モジュールは、そのようなキットが少なくとも一つの非薬用モジュール又は安全針アセンブリを含む場合には、一緒にキット形体で提供してもよい。キット形体において薬用モジュールと一緒に(
図1で示す通り)、一つ又はそれ以上の非薬用針アセンブリを提供するのに多くの理由がある。
【0064】
例えば、患者が2つ又はそれ以上の薬物送達デバイス間で用量を分割し、又は補給する必要がある状況が存在するかもしれない。例えば、患者が薬物送達デバイスのカートリッジ内に残存する薬物以上に大きい用量を投与する必要がある状況が存在するかもしれない。本の一例で示す通り、使用者が50ユニット用量を投与する必要がある場合に、古い(即ち、部分的に使用した)薬物送達デバイスのカートリッジに30ユニットのみ残留する状況を考察してください。そのような状況下では、使用者は初めに薬用モジュールを薬物送達デバイス上に装着し、第一の薬剤の30ユニットを投与するために薬物送達デバイスを設定し、その後、第一及び第二の薬剤を一般的に公知の方法で投与するであろう。その結果、使用者が第一の薬剤の残りの20ユニットを送達する必要が未だあり、むしろ、第二の薬剤の用量を含む別の薬用モジュールを使用する必要があるので、使用者は、単に、非薬用モジュールを、新しい薬物送達デバイスに備えつけ、そして、その後、第一の薬剤の残りの20ユニットを投与することになろう。
【0065】
使用者が、また、第一の薬剤の大用量を投与することに直面するかもしれず、そして、一つ又は別の理由で、この大用量(即ち、薬物の大きい体積)を2つ又はそれ以上の注射に分割することを欲するかもしれない。例えば、ある使用者は、単回注射に対して単回薬物の約100ユニット又はそれ以上の大用量を自分自身に投与することになるかもしれない。単回注射中、そのような大用量の薬物を投与するよりむしろ、使用者は、初めに、60ユニットを投与し、その後、非薬用モジュールを用いて残りの40ユニットを投与してもよい。投与すべき用量の体積を分割することは患者の不愉快さを減少させ、そして、潜在的な薬物を皮膚の下に貯留させることを減少させるかもしれない。そのような大用量を分割することは、また、デバイスがそのような大用量の薬物を機械的に設定し、投与することができない薬物送達デバイスにおいて機械的拘束が存在することが必要となるかもしれない。
【0066】
使用者が薬用及び非薬用モジュールの間の用量を分割することを必要とする別の理由は、恐らく医師が使用者に用量を2つ又はそれ以上の注射に分割することを指示したことである。2つ又はそれ以上の注射は、第一の薬剤の全用量を、第二の薬剤の用量と同時に投与するとき、ある陰性反応を使用者が経験する場合、必要となるかもしれない。あるいは、患者は、初めに、一日の特定時間の間(例えば、朝における長時間作用インスリン)に第一の薬剤を投与することを指示され、そしてその後、その日のうちに、第一及び第二の薬剤の組合せ(例えば、長時間作用インスリンと短時間作用インスリンとの組み合わせをその日のうちに)を投与することを指示されるかもしれない。そのようなシナリオにおいて、非薬用モジュールは、第一注射を投与するために使用できるであろう。
【0067】
図5は非薬用モジュールの第一配置を示し、そして薬用モジュールに幾分構造的に類似している。例えば、このモジュール210は、連結本体224、両頭針280、付勢部材270、可動のロック部材268及び針ガード290を含む。
【0068】
モジュール210の連結本体224は、近位端226から遠位端228へ伸びる。連結本体の近位端は、コネクタ本体が薬物送達デバイス212に連結できるように、コネクタ230で提供される。好ましくは、このコネクタ230は、連結本体224の内部表面222に沿って提供され、そして薬物送達デバイス212に開放可能な連結を提供する。そのような開放可能なコネクタは、スナップフィット、フォームフィット、スナップロック、スクリューロック、バイオネットフィット、ルアーロック、又は当業者が公知の他の類似連結機構を含み得る。
【0069】
連結本体224は、更に、針ハブの主軸231内に堅く固定した注射針280を含む。好ましくは、この針280は、第一の穿孔端282(即ち、遠位端)及び第二の穿孔端(即ち、近位端)を有する両頭針を含む。この好ましい配置において、モジュール210は、初めに、
図5で示す通り、薬物送達デバイス212に取り付けられるとき、第二の穿孔端284は、カートリッジ214の膜218を穿孔する。
【0070】
連結本体224は、更に、第一の内部キャビティ261を含む。好ましくは、第一の内部キャビティ261は、可動のロックエレメント268、及び圧縮スプリングなどの付勢部材270を含むよう形成される。
図5で示す通り、針アセンブリの初めに取り付けする位置において、付勢部材270は、伸長状態にある。
【0071】
ロック機構の好ましい配置の詳細は、
図6及び7から明確に理解できる。
図6は可動のロック機構268の断面図を示し、
図7はロック機構268の透視図を示す。図示した通り、可動のロック機構268は、好ましくは、外部の面取り端部274を有する円筒形状である。好ましくは、ロック機構268は、ロック機構によりつくられたキャビティ内の複数の環状スプリングフィンガ272a、b、cを含む。
図5の第一の装着位置で示す通り、これらのスプリングフィンガ272a、b、cは、連結本体主ハブの主軸231の近位端226上に位置する凹部239と係合する。スプリングフィンガ272a、b、c及び凹部の係合は、注射前、ロック機構の遠位方向における運動を阻止する。この可動ロック機構268は、注射が実施された後、針ガード290をロックアウトするために使用される。即ち、針ガードが初めに近位方向に動いた後、その後、付勢部材270の力の元で遠位方向に戻る。
【0072】
この好ましい配置において、針アセンブリ210は、初めに、薬物送達デバイス212に取り付けられるとき、針の第二の穿孔端284は、薬物送達デバイス212に含まれるカートリッジの膜218を穿孔する。第一の針280の第一の穿孔端282は、針ガード290により、使用者の視界から本質的に隠すよう示されている。針280を隠すことは、患者が経験するかもしれない針の心配事を低下させるのに役立ち、その上、また、潜在的な不注意による針突き刺しを減少させる。
【0073】
好ましくは、針ガード290は、管状形体のエレメントを含み、そして、弛緩状態において、
図5で示す通り、本質的に針280を隠す。本質的にこの針を隠している間、針ガードは、また、不注意の針突き刺しを阻止するのに役立つ。
図5において、この針ガード290は、開放位置において示される。即ち、使用者が注射を始める注射工程の間、針ガード290は近位方向へ、又は薬物送達デバイスに向かって自由に動かされる。好ましくは、針ガード290は、連結本体224の内部キャビティ261の内部表面263と摺動係合にある外側に向いたアーム296、298を含む。
【0074】
図5で示す通り、モジュール210は、薬物送達デバイス212上の第一の装着位置において示される。この第一の位置において、連結本体224が薬物送達デバイス212の遠位端に連結される。図示する通り、薬物送達デバイスは、連結本体224との係合のためのネジ山213を含む。一つの配置において、連結本体224は、開放可能にこれらのネジ山に係合するためネジ山付きコネクタを含んでもよい。しかし、更なる配置において、連結本体224は、フォームフィット又はスナップフィット配置などを含むコネクタ230を含有してもよい。この方式において、モジュール210は、単にモジュールを薬物送達デバイスの遠位端上に摺動させることにより薬物送達デバイス212に連結し得る。
【0075】
この初期装着位置において、針280は、カートリッジ内に含まれる薬物と流体連通にある。薬物送達デバイス212が用量設定器含む場合には、その後、薬物送達デバイス212の用量は、通常方式(例えば、ユニットの適切な数をダイヤル設定することにより)で用量設定器8(
図12参照)を用いて設定できる。薬物216の投与は、デバイス212上の用量ボタンの起動を経由して、薬物を皮下注射することにより達成し得る。用量ボタンは、用量設定器で設定した第一の薬剤の用量を、デバイスの遠位端に向かって遠位方向に動かすいかなる起動機構であってもよい。好ましい実施態様において、用量ボタンは第一の薬剤の主リザーバにおいてピストンを係合するスピンドルに機能的に連結する。更なる実施態様において、スピンドルは2つの明確なネジ山を含む回転可能なピストンロッドである。
【0076】
310に動かされる。針ガードが近位的に動かされるので、そのアーム296、298は、連結本体224のキャビティ261内で内部的に摺動する。針ガードの面取り端部275がリブ274に到達すると、面取り端部は、針ガード290が可動のロック機構268を持ち上げるために、リブの周囲を摺動する。薬物216は、その後、針280により注射サイト内へ注射できる。
【0077】
注射後、薬物送達デバイス及びモジュール210は、注射サイトから動かされる。その後、付勢部材270の力の元で、針ガード290は遠位方向320に強制される。付勢部材270により作られた力により、下方向に、又は遠位方向320に強制され、針ガード290は可動のロックアウト部材268を遠位方向に引っ張る。
【0078】
図8は、ロック位置における針ガード290を備えたモジュール210を示す。図示する通り、ロック部材268の環状リングフィンガ272a、b、cは、主軸231の遠位端に沿って提供される第一の凹部245に沿って存在するために内側に曲がる。そのようなわけで、管状リングフィンガ272は、針ガード290の近位方向に動かされることを阻止し、従って、使用者にモジュールを再使用することを阻止する。
【0079】
この方式で下部位置において針ガード290をロックすることは、多数の便利な特長を提供する。第一に、それは、使用者に非殺菌の薬用モジュールを再使用することを阻止する。第二に、ロックされた針ガードは針280を保護し、そして、本質的に針280を隠すので、従って、潜在的な不注意の針突き刺しのリスクを低下させる。加えて、針280を本質的に隠すことにより、ロックされた針ガード290は、いかなる潜在的な針不安、針恐怖症、又は患者が経験するかもしれない針心配事を減少するように作用する。
【0080】
本明細書で記載した薬用モジュール及び非薬用モジュールは、多重使用注射デバイス又はデバイスのグループ、好ましくは、
図9で示したものと類似のペン型多重用量注射デバイスと連携して操作するように設計すべきである。注射デバイスは再使用可能な、又は使い捨てデバイスであってもよい。使い捨てデバイスにより、それは、製造業者から得られた、薬物を事前負荷した注射デバイスを意味し、主薬物が放出された後、新しい薬物を再負荷することができない。デバイスは、固定用量の、又は設定可能な用量のデバイスであってもよいが、しかし、いずれの場合でも、それは多重用量デバイスである。
【0081】
一般的な注射デバイスはカートリッジ又は他の薬物リザーバを含む。このカートリッジは一般的には円筒形状であり、そして通常はガラスで作られている。カートリッジは一端をゴム栓で、そして他端をゴムセプタムでシールされる。注射デバイスは多重注射を送達するよう設計される。送達機構は、一般的に、使用者の人力で動力を供給されるが、しかし、注射機構は、また、スプリング、圧縮ガス又は電気エネルギなどの他の手段でも動力を受けられる。好ましい実施態様において、送達機構は、リザーバ内のピストンと係合するスピンドルを含む。更なる実施態様において、スピンドルは、2つの明確なネジ山を含む回転可能なピストンロッドである。
【0082】
薬用モジュールが薬物の単回用量を含むある実施態様において、モジュールは、リザーバ中の単回用量を患者に投与するため、モジュールは、薬物送達デバイスに取り付けられる。換言すれば、薬用モジュールは、自立型の注射デバイスとして使用できない。これは、モジュールが用量送達機構を含まず、その変わり、それが取り付けられる薬物送達デバイス内に含まれる用量送達機構に依存するからである。
【0083】
本発明の典型的な実施態様が説明された。しかし、当業者は、変化と修正は請求項で定義される本発明の真の範囲と精神から離れることなくこれらの実施態様に対して実施でき得ることは理解するであろう。
【0084】
参照番号リスト
2:セプタム;
6:用量ボタン;
8:用量設定器;
10:薬用モジュール;
12:薬物送達デバイス;
13:ネジ山;
14:デバイスカートリッジ;
16:第一の薬剤;
18:膜;
24:連結本体;
26:近位端;
28:遠位端;
30:コネクタ;
32:第一の凹部/オス部材;
33:外部表面;
34:第二の凹部;
35:上部表面;
36:リザーバ;
37:凹部;
38:第二の薬剤;
40:第一の針;
42:第一の穿孔端/遠位端/近位端;
44:第二の穿孔端/遠位端/近位端;
46:カプセル;
48:第一の穿孔可能シール/穿孔可能膜/膜;
50:第二の穿孔可能シール/穿孔可能膜/遠位シール/膜;
52:外部本体;
54:遠位端;
56:近位端;
60:オス型部材;
61:第一の内部キャビティ;
62:第二の内部キャビティ/内部キャビティ;
63:内部表面;
64:ハブエレメント;
65:遠位溝;
66:近位溝;
68:ロック機構/ロックアウト部材;
70:付勢部材/弾性部材;
80:第二の注射針;
82:第一の穿孔端/遠位端
84:第二の穿孔端/近位端
90:針ガード;
96:アーム;
98:アーム;
110:近位方向;
120:遠位方向;
210:モジュール/針アセンブリ;
212:薬物送達デバイス/用量設定器;
213;ネジ山;
214:カートリッジ;
216:薬剤;
218:膜;
224:連結本体;
226:近位端;
228:遠位端;
230:コネクタ;
231:主軸;
239:凹部;
245:第一の凹部;
244:第二の穿孔端;
261:第一の内部キャビティ;
263:内部表面;
268:ロック部材/ロックエレメント;
270:付勢部材;
272a、b、c:スプリングフィンガ/管状リングフィンガ;
274:端部/リブ/外部面取り端部;
275:端部;
280:両頭針/注射針;
282:第一の穿孔端/遠位端;
284:第二の穿孔端/近位端;
290:針ガード;
296:アーム;
298:アーム;
310:近位方向;
320:遠位方向;