(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
(発光装置の構成)
以下に、発光装置100の構成について、
図1A〜
図6Bを用いて詳細に説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の正面図である。また、
図1Bは、本発明の実施の形態1における第2の光束制御部材102の正面図である。また、
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の平面図である。また、
図2Bは、本発明の実施の形態1における第2の光束制御部材102の平面図である。また、
図3Aは、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の側面図である。また、
図3Bは、本発明の実施の形態1における第2の光束制御部材102の側面図である。また、
図4Aは、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の底面図である。また、
図4Bは、本発明の実施の形態1における第2の光束制御部材102の底面図である。また、
図5Aは、
図2AのA−A線断面図である。また、
図5Bは、
図2BのC−C線断面図である。また、
図6Aは、
図2AのB−B線断面図である。また、
図6Bは、
図2BのD−D線断面図である。また、
図1A、
図2A、
図3A、
図4A及び
図6Aにおいて、発光素子200の記載を省略する。
【0016】
発光装置100は、第1の光束制御部材101と、第2の光束制御部材102と、発光素子200と、から主に構成される。
【0017】
第1の光束制御部材101は、中心軸P1が発光素子200の光軸と合致するように第2の光束制御部材102の内部に収納される。また、第1の光束制御部材101は、発光素子200から出射された光の一部を入射し、入射した光の一部を全反射することにより、入射した光全体の配光を発光素子200からの出射光の拡がりよりも狭くなるように制御して図示しない被照射面に向けて出射する。
【0018】
第2の光束制御部材102は、透明な中空の円筒形状を有し、中心軸P1が発光素子200の光軸と合致するように図示しない基板上に取り付けられる。また、第2の光束制御部材102は、第1の光束制御部材101を収納して、第1の光束制御部材101を図示しない基板に位置決めする。また、第2の光束制御部材102は、発光素子200から出射された光のうち、第1の光束制御部材101に入射しない光であって、第1の光束制御部材101に入射する光の光軸に対する角度θの最大値θ1よりも大きな角度範囲θ>θ1で発光素子200から出射された光を入射する(
図5A参照)。そして、第2の光束制御部材102は、入射した光を、第1の光束制御部材101から出射される光の配光特性と異なり、光軸に対する角度が小さな範囲よりも大きな範囲において高い光度を示すとともに、発光素子200の近傍の図示しない被照射面を照射できるような配光特性の光に制御して出射する。従って、第2の光束制御部材102は、第1の光束制御部材101のみにより被照射面を照射する場合に比べて、助走距離を短くすることができる。ここで、助走距離とは、光源である発光素子200を被照射面に投影した位置から第1の光束制御部材101及び第2の光束制御部材102を介して出射される光によって照らされる被照射面上の照度が所定値以上となる位置までの距離である。なお、第1の光束制御部材101及び第2の光束制御部材102の詳細な構成については、後述する。
【0019】
発光素子200は、例えば白色発光ダイオードであり、発光装置100の光源である。また、発光素子200は、光軸が第1の光束制御部材101の中心軸P1及び第2の光束制御部材102の中心軸P1と合致するように図示しない基板に取り付けられる。
【0020】
(第1の光束制御部材の構成)
以下に、第1の光束制御部材101の構成について、詳細に説明する。
【0021】
第1の光束制御部材101は、第1の入射面110と、凹部111と、全反射面113と、第1の出射面114と、鍔部115と、底面116と、を有する。
【0022】
第1の入射面110は、発光素子200に対向する底面116を内部に凹ませることにより形成される凹部111の内面に形成され、中心軸P1の回りに回転対称となるように形成されている。また、第1の入射面110は、凹部111の内面に形成された内天面110aと、内天面110aの外縁から凹部111の開口縁まで延びるテーパ状の内壁面110bとを有する。ここで、内壁面110bは、内天面110a側から凹部111の開口縁側へ向かうにしたがって内径が漸増している。
【0023】
全反射面113は、底面116の外周部から鍔部115の下面まで延びる外表面であり、中心軸P1を取り囲むように形成された回転対称面である。また、全反射面113は、底面116の外縁から第1の出射面114に向かって拡径するように形成されている。全反射面113の外径は、底面116から鍔部115に向かうに従って漸増している。全反射面113は、その母線が外側(中心軸P1から離れる側)へ凸の円弧状曲線を有する。
【0024】
第1の出射面114は、平面に投影された形状が中心軸P1上に中心を有する円形形状である。また、第1の出射面114は、中心軸P1の所定の位置に頂点118を有し、底面116からの高さを漸減するように頂点118から第1の出射面114の外周部117に向かって滑らかに傾斜する。また、第1の出射面114は、上方(底面116から離れる方向)に凸形状に湾曲するように形成される。
【0025】
鍔部115は、第1の出射面114の外周部117から径方向外方側に突出して形成され、略円環状である。
【0026】
底面116は、凹部111の開口縁の周囲に形成されたリング状の平面である。
【0027】
外周部117は、第1の出射面114の外周の周囲に形成され、鍔部115と接続する。
【0028】
頂点118は、中心軸P1上に位置するように第1の出射面114から突出形成される。
【0029】
(第2の光束制御部材の構成)
以下に、第2の光束制御部材102の構成について、詳細に説明する。
【0030】
第2の光束制御部材102は、弾性部120と、固定部121と、天板部124と、開口部125と、光束制御部126とを有する。
【0031】
弾性部120は、円筒形状の壁部である光束制御部126の一部を構成し、周方向に複数形成されている(
図2A及び
図2B参照)。本実施の形態においては、中心軸P1に対して線対称な1対の弾性部120が2対形成されている。また、弾性部120は、光束制御部126と接続する基端部が固定端となり支点として作用する片持梁のような状態に形成される。また、弾性部120は、円筒形状の光束制御部126の上端側(第1の光束制御部材101を収容した場合、底面116と反対側)から下方に向けてスリットを入れることで先端部が自由端として形成される。また、弾性部120は、先端部において内部に突出する係合爪120aが形成されている。また、弾性部120は、第1の光束制御部材101を第2の光束制御部材102の内部に収納する際に、光束制御部126の下側から挿入する第1の光束制御部材101の鍔部115により径方向外方側に押圧されて径方向外方側に弾性変形する。また、弾性部120は、第1の光束制御部材101が第2の光束制御部材102の内部の所定位置に収納された際に、第1の光束制御部材101の鍔部115が通過することにより弾性力により復帰し、係合爪120aの上面が鍔部115の下面と係合して、第1の光束制御部材101の下方への移動を規制する(
図5A参照)。
【0032】
固定部121は、耳状であり、光束制御部126の外周部から径方向外方側に突出して複数個形成される。本実施の形態においては、固定部121は、中心軸P1に対して線対称となるように形成される(
図2A及び
図2B参照)。また、固定部121は、図示しない基板に取り付けられることにより、第2の光束制御部材102を図示しない基板に固定する。
【0033】
天板部124は、円筒形状の光束制御部126の上端から庇のように内側へ張り出すように構成し、環状に形成されて開口部125を形成する。また、天板部124は、第1の光束制御部材101が収納された際に、天板部124の下面が鍔部115の上面と当接することにより、第1の光束制御部材101の上方への移動を規制する。このように前述の弾性部120と協働して、第1の光束制御部材101を第2の光束制御部材102の内部に固定することができる。
【0034】
開口部125は、平面視した際に中心軸P1から所定の半径を有する円の内部を上下に貫通する貫通孔である(
図2A及び
図2B参照)。また、開口部125は、平面視した際に、第1の光束制御部材101の第1の出射面114よりも小さく形成され、天板部124が第1の出射面114の外縁側の一部を覆うように形成される。なお、開口部125は、この天板部124に後述するような効果が要求されない場合には第1の出射面114と略同一の大きさに形成されてもよい。
【0035】
光束制御部126は、中空の円筒形状であり、第2の光束制御部材102の内壁部を構成するとともに発光素子200から出射された光や第1の光束制御部材101の第1の出射面114以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面126aと、第2の光束制御部材102の外壁部を構成するとともに光束制御部126に入射した光を出射する粗面化された第2の出射面126bと、を有する。また、本実施の形態における光束制御部126は、第2の入射面126a及び第2の出射面126bが光軸に対して平行になるように形成される。ここで、粗面化とは、光を拡散及び散乱させて出射させるために表面を凹凸形状することを意味する。
【0036】
ここで、第1の光束制御部材101の全反射面113に、光源近傍の照度アップのための処理を施すと光束制御能力を維持することができないため、他の面に光源近傍の照度アップ機能を持たせる必要がある。第2の光束制御部材102は、その役割を果たすものである。
【0037】
(照明装置の構成)
以下に、照明装置700の構成について、詳細に説明する。
【0038】
図7は、照明装置700の斜視図である。また、
図8は、照明装置700の平面図である。
【0039】
照明装置700は、発光装置100−1〜100−6と、基板300と、被照射部701とから主に構成される。なお、発光装置100−1〜100−6の構成は、
図1A、
図2A、
図3A、
図4A、
図5A及び
図6Aの発光装置100と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0040】
発光装置100−1〜100−6は、照明装置700の長手方向であるX軸と平行な方向に所定間隔で配列するように基板300上に各々取り付けられる。
【0041】
基板300は、複数の発光装置100−1〜100−6が、X軸と平行な方向に所定間隔で配列して取り付けられる。また、基板300は、照明装置700の底面に配置される。
【0042】
被照射部701は、矩形状であり、被照射面701aと対向被照射面701bとを有する。
【0043】
被照射面701aは、X−Z平面と平行な平面であり、例えば広告用の文字または絵等が描かれており、発光装置100−1〜100−6により内部から斜めに照明される。また、被照射面701aは、光軸に対する角度の小さい発光装置100−1〜100−6からの出射光が、光軸に対する角度の大きい発光装置100−1〜100−6からの出射光よりも、入射角が大きくなるように配置される。
【0044】
対向被照射面701bは、被照射面701aと対向する被照射面701a及びX−Z平面と平行な平面であり、例えば広告用の文字または絵等が描かれており、発光装置100−1〜100−6により内部から斜めに照明される。また、対向被照射面701bは、光軸に対する角度の小さい発光装置100−1〜100−6からの出射光が、光軸に対する角度の大きい発光装置100−1〜100−6からの出射光よりも、入射角が大きくなるように配置される。
【0045】
通常、発光素子200からの出射光の配光特性を狭めて光軸に対して小さな角度範囲の光度を高めるようなスポット照明では、
図7のような被照射部701において照射領域を狭くする。すなわち、光軸から小さな角度範囲の狭い範囲に光線が集められているため、発光素子200から離れた位置にある被照射面701a及び対向被照射面701bの照度を上げることはできるものの、発光素子200近辺を照射するための光線が不足し、被照射部701における発光素子200近傍の照度が低下して助走距離が長くなる。しかしながら、本実施の形態では、第2光束制御部材102の第2の入射面126a及び第2の出射面126bが粗面化されていることにより、第2光束制御部材102へ入射する際、及び第2光束制御部材から出射する際に光が拡散され、その拡散光が被照射面701a及び対向被照射面701b上の発光素子200近傍を照明するので、助走距離を短くすることができる。また、助走距離を短くすることにより、被照射面701a及び対向被照射面701bにおける額縁部分を狭くすることができる。
【0046】
(照明装置における測定結果)
次に、照明装置700における照度の測定結果について、
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、第2の光束制御部材102の代わりに従来の黒色のホルダーに第1の光束制御部材101を収納した照明装置の被照射面(被照射部701の外側に位置する発光面側)における照度の測定結果を示す図であり、単位はルクス(lx)である。また、
図10は、本実施の形態の照明装置700の被照射面701a(被照射部701の外側に位置する発光面側)における照度の測定結果を示す図であり、単位はルクス(lx)である。
【0047】
ここで、
図9及び
図10におけるX軸及びZ軸を説明する。軸が直交するXYZ座標のX軸上に発光装置100−1〜100−6を並べ、それら発光装置のそれぞれの光軸がZ軸と平行となるように配置する。そして、発光装置100−3と発光装置100−4との中点O(
図8参照)をX軸上の原点0とする。被照射面701aは、XZ平面と平行にY=40mmの位置に配置する。発光装置100−1〜100−6は、50mmピッチで配置され、そのうちの発光装置100−4は、(X,Y,Z)=(25,0,0)の位置に配置する。
図9及び
図10は、このような位置関係における照明装置700の被照射面701a上の照度を、X軸方向4点、Z軸方向10点の計40点について示したものである。また、照度比は、X軸方向の位置を固定した場合のZ軸方向の照度ムラを示すものであり、X値を固定してZ=25mm〜475mmまでの測定位置10点における照度の最大値を最小値で除算した値であり、この値が小さいほど照度ムラが小さいことを意味する。
【0048】
図9及び
図10より、本実施の形態の照明装置700は、従来の照明装置に比べて、光源の近くである高さ25mm及び高さ75mmにおいて照度が著しく向上しており、助走距離が短くなっている。また、本実施の形態の照明装置700は、従来の照明装置に比べて、X軸方向の各位置において照度比が小さく、Z軸方向において照度ムラが抑制されている。
【0049】
なお、
図7及び
図8に示す照明装置700は、被照射部701を内部から照射する内照用照明としたが、本発明はこれに限らず、被照射部を外部から照射する外照用照明としてもよい。外照用照明とする場合には、被照射面701aの文字または絵等が描かれた面を、発光装置100−1〜100−6により外部から照明する。
【0050】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態によれば、光の配光を狭くして出射する出射面と異なる、光源付近を照射する配光特性を有する光の出射面を設けることにより、光源近くの照度を大きくすることができ、助走距離を短くすることができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、照明装置を内部より被照射面を照射する内照用照明とした場合に、被照射面における額縁部分を狭くすることができるので、被照射面において絵または文字等を記載するスペースの自由度を高めることができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、照明装置を外部より被照射面を照射する外照用照明とした場合に、被照射面と光源との距離を短くすることができ、照明装置を小型化及び薄型化することができ、照明装置の配置スペースを小さくすることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、光源近くを照射する第2の光束制御部材を、第1の光束制御部材のホルダーと兼用するので、光源近くを照射するための専用レンズを設ける必要がない。これにより、本実施の形態によれば、部品点数を減らすことができるとともに製造コストを低減することができる。
【0054】
(実施の形態1の変形例)
(発光装置の構成)
以下に、本発明の実施の形態1の発光装置の変形例について詳細に説明する。
図11は、本実施の形態の変形例の発光装置1100の
図2のA−A線断面図に相当する断面図である。また、
図12は、本実施の形態の変形例の発光装置1100の
図2のB−B線断面図に相当する断面図である。また、
図13は、第1の光束制御部材1101の底面図である。また、
図14は、
図13のE−E線断面図である。なお、
図12において、発光素子200の記載を省略する。
【0056】
本実施の形態の変形例における発光装置1100の第1の光束制御部材1101は、第1の光束制御部材101の底面116に形成される凹部111の開口縁の一部を切り欠いた溝状の切欠部112が形成される。切欠部112は、第1の入射面110及び全反射面113に開口する。また、切欠部112は、中心軸P1に対して対称な位置に2か所形成される。この切欠部112は、発光素子200から出射される光の一部を第1の光束制御部材1101へは入射させず、第2の光束制御部材102側へ入射させるように漏れ光を生成するために形成されるものである。
【0057】
(照明装置の構成)
図15は、本発明の実施の形態1の変形例の照明装置1500の平面図である。
【0058】
図15に示す照明装置1500は、
図7及び
図8に示す実施の形態1に係る照明装置700に対して、発光装置100−1〜100−6に代えて発光装置1100−1〜1100−6を有する。
【0059】
なお、
図15において、
図7及び
図8と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、照明装置1500の斜視図は、発光装置100−1〜100−6に代えて発光装置1100−1〜1100−6を設ける以外は
図7と同一であるので、その記載及び説明を省略する。また、
図15においては、説明の便宜上、切欠部112−1〜112−6のみを記載する。また、
図15において、発光装置1100−1〜1100−6の各々は、
図11及び
図12の発光装置1100と同一構成である。また、
図15において、切欠部112−1〜112−6の各々は、
図11〜
図14の切欠部114と同一構成である。
【0060】
切欠部112−1〜112−6のそれぞれがX軸上に配列されるように、発光装置1100−1〜1100−6を基板300上に配置する。
【0061】
(実施の形態1の変形例の効果)
切欠部112−1〜112−6を設けない発光装置100−1〜100−6の場合には、第2光束制御部材102の第2の出射面126bのどの位置(360度全周)においても同等の光度の光が出射される。従って、通常、被照射面701aにおいて、発光装置1100−1〜1100−6と対向するエリア(発光装置1100−1〜1100−6から距離r1のエリア(
図15参照)であって、第2の出射面126bからの光が被照射面701aの内側面に比較的小さな入射角で入射するエリア)に対応する被照射面701aの発光面(外側面)における照度は、互いに隣り合う発光装置1100−1〜1100−6の中央部分と対向するエリア(発光装置1100−1〜1100−6から距離r2のエリア(
図15参照)であって、第2の出射面126bからの光が被照射面701aの内側面に比較的大きな入射角で入射するエリア)に対応する被照射面701aの発光面(外側面)における照度よりも高くなる。この場合には、上記の照度差により、被照射面701aにおいて照度ムラが生じる。
【0062】
一方、本実施の形態1の変形例では、上記の通り、切欠部112−1〜112−6の全てがX軸上に並ぶように基板300上に発光装置1100−1〜1100−6を各々配置する。これにより、本実施の形態1の変形例では、発光素子200から出射された光のうち、切欠部112−1〜112−6によって第1の光束制御部材101へ入射せずに漏れる光を第2の光束制御部材102に入射させることができる。従って、本実施の形態1の変形例によれば、第2の光束制御部材102からの出射光の配光特性において、第2の出射面126bにおける切欠部112−1〜112−6それぞれに対応する位置における光度を、周方向の他の位置における光度よりも高くすることができる。この結果、発光装置1100−1〜1100−6から距離r1のエリアに対応する被照射面701aの発光面(外側面)における照度と、発光装置1100−1〜1100−6から距離r2のエリアに対応する被照射面701aの発光面(外側面)における照度との差を小さく抑えることができ、被照射面701aにおける照度ムラを抑制することができる。なお、対向被照射面701bにおいても、被照射面701aと同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
切欠部112−1〜112−6から漏れ出る光は低光度であるが、発光装置の近傍の被照射面に対して小さな入射角で入射すると、被照射面上に特異的な明部を生じさせる虞がある。本実施の形態1の変形例では、第1の光束制御部材に発光素子から出射される光を外部に漏らすための切欠部を設けるとともに、切欠部を被照射面に平行なX軸上に配列するように、切欠部を被照射面から遠ざけて発光装置を配置した。これにより、本実施の形態の変形例によれば、漏れ光によって生成する第2の出射面からの出射光の被照射面への入射角を大きくすることができ、特異的な明部の発生を抑えるとともに発光装置間の中央部分の対向する被照射面上の暗部となり易い位置の照射光を補うことができる。従って、本実施の形態1の変形例によれば、隣り合う発光装置間の中央部分と対向する被照射面の照度を高めることができ、被照射面における照度ムラを抑制することができる。
【0064】
なお、
図15に示す照明装置1500は、被照射部701を内部から照射する内照用照明としたが、本発明はこれに限らず、被照射部を外部から照射する外照用照明としてもよい。外照用照明とする場合には、被照射面701aの文字または絵等が描かれた面を、発光装置1100−1〜1100−6により外部から照明する。
【0065】
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態2に係る発光装置1600の断面図である。なお、
図16において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
第2の光束制御部材1602は、上記の実施の形態1に係る第2の光束制御部材102に対して、円筒形状の光束制御部1610の厚みが上端部から下端部に向かって変化する点が異なる。
【0067】
光束制御部1610は、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成された第2の入射面1610aと、光軸の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸に近づくように傾斜させた第2の出射面1610bとを有する。光束制御部1610は、第2の出射面1610bの傾斜させる角度を制御し、光束制御部1610の厚みをZ軸方向で変化させることにより、第2の出射面1610bから出射する光の配光特性を制御することができる。また、光束制御部1610は、第2の出射面1610bを傾斜面としたので、必須ではないが、第2の出射面1610bを傾斜面とすることに加えて、第2の入射面1610a及び第2の出射面1610bの少なくとも一方を粗面化してもよい。すなわち、第2の光束制御部材1602は、被照射部701における発光装置1600近傍位置を照らす光を生成できるように、第2の光束制御部材1602へ入射する光を拡散及び屈折の少なくとも一方の機能を備えていればよい。
【0068】
上記の構成を有する発光装置1600は、発光素子200から出射された光を、第2の入射面1610aに入射するとともに傾斜面である第2の出射面1610bから出射させる。これにより、発光装置1600は、傾斜面ではない出射面から光を出射させる場合に比べて、上方へ向けて光を照射することができる。
【0069】
なお、本実施の形態における照明装置の構成は、
図7及び
図8における発光装置100−1〜100−6、または
図15における発光装置1100−1〜1100−6の代わりに、発光装置1600と同一構成の発光装置1600−1〜1600−6を設ける以外は
図7及び
図8、または
図15と同一であるので、その説明を省略する。
【0070】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第2の光束制御部材の出射面を傾斜面にして上方へ光を出射させるので、光源の近くに加えて、光源よりも少し上側の被照射面の照度を大きくすることができる。
【0071】
(実施の形態3)
図17は、本発明の実施の形態3に係る発光装置1700の断面図である。なお、
図17において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0072】
第2の光束制御部材1702は、実施の形態1に係る第2の光束制御部材102に対して、円筒形状の光束制御部1710の厚みが上端部から下端部に向かって変化する点が異なる。
【0073】
光束制御部1710は、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸から離れるように傾斜させた第2の入射面1710aと、光軸の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成された第2の出射面1710bとを有する。光束制御部1710は、第2の入射面1710aの傾斜させる角度を制御し、光束制御部1710の厚みをZ軸方向で変化させることにより、第2の出射面1710bから出射する光の配光特性を制御することができる。また、光束制御部1710は、第2の入射面1710aを傾斜面としたので、必須ではないが、第2の入射面1710aを傾斜面とすることに加えて、第2の入射面1710a及び第2の出射面1710bの少なくとも一方を粗面化してもよい。すなわち、第2の光束制御部材1702は、被照射部701における発光装置1700近傍位置を照らす光を生成できるように、第2の光束制御部材1702へ入射する光を拡散及び屈折の少なくとも一方の機能を備えていればよい。
【0074】
上記の構成を有する発光装置1700は、発光素子200から出射された光を、傾斜面である第2の入射面1710aに入射するとともに第2の出射面1710bから出射させる。これにより、発光装置1700は、傾斜面ではない入射面に光を入射させる場合に比べて、上方へ向けて光を入射させることができ、光を出射する際に上方へ光を照射することができる。
【0075】
なお、本実施の形態における照明装置の構成は、
図7及び
図8における発光装置100−1〜100−6、または
図15における発光装置1100−1〜1100−6の代わりに、発光装置1700と同一構成の発光装置1700−1〜1700−6を設ける以外は
図7及び
図8、または
図15と同一であるので、その説明を省略する。
【0076】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第2の光束制御部材の入射面を傾斜面にして上方へ光を出射させるので、光源の近くに加えて、光源よりも少し上側の被照射面の照度を大きくすることができる。
【0077】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4に係る発光装置1800の断面図である。なお、
図18において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
第2の光束制御部材1802は、実施の形態1に係る第2の光束制御部材102に対して、円筒形状の光束制御部1810の厚みが上端部から下端部に向かって変化する点が異なる。
【0079】
光束制御部1810は、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸から離れるように傾斜させた第2の入射面1810aと、光軸の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸に近づくように傾斜させた第2の出射面1810bとを有する。光束制御部1810は、第2の入射面1810a及び第2の出射面1810bの傾斜させる角度を制御し、光束制御部1810の厚みをZ軸方向で変化させることにより、第2の出射面1810bから出射する光の配光特性を制御することができる。また、光束制御部1810は、第2の入射面1810a及び第2の出射面1810bを傾斜面としたので、必須ではないが、第2の入射面1810a及び第2の出射面1810bを傾斜面とすることに加えて、第2の入射面1810a及び第2の出射面1810bの少なくとも一方を粗面化してもよい。すなわち、第2の光束制御部材1802は、被照射部701における発光装置1800近傍位置を照らす光を生成できるように、第2の光束制御部材1802へ入射する光を拡散及び屈折の少なくとも一方の機能を備えていればよい。
【0080】
上記の構成を有する発光装置1800は、光束制御部1810の入射面と出射面の双方を、光軸の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成する上記の実施の形態1の場合に比べて、出射面1810bから出射される光を上方に向けることができる。
【0081】
図19は、本実施の形態の発光装置1800との比較例を示す図であり、実施の形態1の発光装置100のように第2の入射面126aと第2の出射面126bとを光軸に対して平行に形成し、第2の入射面126a及び第2の出射面126bを平滑面とした場合(粗面化処理なし)の光の進路S1を示す図である。また、
図20は、本実施の形態の発光装置1800のように入射面1810aと出射面1810bの双方を光軸に対して傾斜させた場合の光の進路S2を示す図である。
【0082】
実施の形態1の発光装置100では、
図19に示すように、発光素子200から光軸に対して80度で出射する光が第2の光束制御部材102を介して出射される光の角度は光軸に対して約80度である。これに対して、本実施の形態の発光装置1800では、
図20に示すように、第2の光束制御部材1802を介して出射面1810bから出射される光の角度は光軸に対して約75度である。即ち、
図20の本実施の形態における発光装置1800は、
図19の実施の形態1の発光装置100に比べて、約5度だけ上方に光を出射することができる。
【0083】
なお、本実施の形態における照明装置の構成は、
図7及び
図8における発光装置100−1〜100−6、または
図15における発光装置1100−1〜1100−6の代わりに、発光装置1800と同一構成の発光装置1800−1〜1800−6を設ける以外は
図7及び
図8、または
図15と同一であるので、その説明を省略する。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第2の光束制御部材の入射面及び出射面を傾斜面にして上方へ光を出射させるので、光源の近くに加えて、光源よりも少し上側の被照射面の照度を大きくすることができる。
【0085】
(実施の形態5)
(発光装置の構成)
以下に、発光装置2100の構成について、
図21を用いて詳細に説明する。
図21は、本発明の実施の形態5に係る発光装置2100の断面図である。
【0086】
発光装置2100は、光束制御部材2150と、発光素子200とから主に構成される。
【0087】
光束制御部材2150は、中心軸P1が発光素子200の光軸と合致するように図示しない基板に取り付けられる。また、光束制御部材2150は、発光素子200を収納する。また、光束制御部材2150は、発光素子200から出射された光の一部を入射し、入射した光の一部を全反射することにより、入射した光全体の配光を発光素子200からの出射光の拡がりよりも狭くなるように制御して図示しない被照射面に向けて出射する。また、光束制御部材2150は、発光素子200から出射された光のうち、角度範囲θ>θ1で発光素子200から出射された光を入射する。そして、光束制御部材2150は、角度範囲θ>θ1の光を、光軸に対する角度が小さな範囲よりも大きな範囲において高い光度を示すとともに、発光素子200の近傍の図示しない被照射面を照射できるような配光特性の光に制御して出射する。従って、光束制御部材2150は、助走距離を短くすることができる。
【0088】
発光素子200は、例えば白色発光ダイオードであり、光源である。また、発光素子200は、光軸が光束制御部材2150の中心軸P1と合致するように基板に取り付けられる。
【0089】
(光束制御部材の構成)
以下に、光束制御部材2150の構成について、詳細に説明する。
【0090】
光束制御部材2150は、第1の入射面2101と、凹部2102と、全反射面2103と、第1の出射面2104と、連結部2105と、光束制御部2106と、頂部2107とを有する。
【0091】
第1の入射面2101は、発光素子200に対向する底面2109を内部に凹ませることにより形成される凹部2102の内面に形成され、中心軸P1の回りに回転対称となるように形成されている。また、第1の入射面2101は、凹部2102の内面に形成された第1の入射面2101の内天面2101aと、内天面2101aの外縁から凹部2102の開口縁まで延びるテーパ状の内壁面2101bとを有する。ここで、内壁面2101bは、内天面2101a側から凹部2102の開口縁側へ向かうにしたがって内径が漸増している。
【0092】
全反射面2103は、底面2109の外周部から連結部2105の下面まで延びる外表面であり、中心軸P1を取り囲むように形成された回転対称面である。また、全反射面2103は、底面2109の外縁から第1の出射面2104に向かって拡径するように形成され、底面2109から連結部2105に向かうに従って外径が漸増しており、その母線が外側(中心軸P1から離れる側)へ凸の円弧状曲線を有する。
【0093】
第1の出射面2104は、平面に投影された形状が中心軸P1上に中心を有する円形形状である。また、第1の出射面2104は、中心軸P1の所定の位置に頂点2107を有し、底面2109からの高さを漸減するように頂点2107から第1の出射面2104の外周部2105に向かって滑らかに傾斜する。また、第1の出射面2104は、上方(底面2109から離れる方向)に凸形状に湾曲するように形成される。
【0094】
連結部2105は、全反射面2103及び第1の出射面2104と、光束制御部2106とを一体に連結する。
【0095】
光束制御部2106は、全反射面2103と対向して全反射面2103の周囲に形成される。また、光束制御部2106は、発光素子200から出射された光や第1の出射面2104以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面2106aと、光束制御部2106の外壁部を構成するとともに光束制御部2106に入射した光を出射する粗面化された第2の出射面2106bとを有する。また、本実施の形態における光束制御部2106は、入射面2106a及び出射面2106bが光軸に対して平行になるように形成される。
【0096】
底面2109は、凹部2102の開口縁の周囲に形成されたリング状の平面である。
【0097】
上記の構成を有する発光装置2100は、発光素子200から出射された光の一部が第1の入射面2101に入射し、入射した光の一部を全反射面2103で反射するとともに、反射した光を発光素子200からの出射光の拡がりよりも狭くなるように制御して図示しない被照射面に向けて第1の出射面2104より出射する。
【0098】
また、発光装置2100は、発光素子200から出射された光のうち、第1の入射面2101に入射しない光であって、第1の入射面2101に入射する光の光軸に対する角度の最大値θ1よりも大きな角度範囲θ>θ1で発光素子200から出射された光を光束制御部2106に入射する。そして、発光装置2100は、光束制御部2106に入射した光を、第1の出射面2104から出射される光の配光特性と異なり、光軸に対する角度が小さな範囲よりも大きな範囲において高い光度を示すとともに、発光素子200の近傍の図示しない被照射面を照射できるような配光特性の光に制御して出射する。従って、発光装置2100は、第1の出射面2104から出射される光のみにより被照射面を照射する場合に比べて、助走距離を短くすることができる。
【0099】
なお、本実施の形態における照明装置の構成は、
図7及び
図8における発光装置100−1〜100−6、または
図15における発光装置1100−1〜1100−6の代わりに、発光装置2100と同一構成の発光装置2100−1〜2100−6を設ける以外は
図7及び
図8、または
図15と同一であるので、その説明を省略する。
【0100】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態によれば、光の配光を狭くして出射する出射面と異なる、光源付近を照射する配光特性を有する光の出射面を設けることにより、光源近くの照度を大きくすることができ、助走距離を小さくすることができる。
【0101】
また、本実施の形態によれば、照明装置を内部より被照射面を照射する内照用照明とした場合に、被照射面における額縁部分を狭くすることができるので、被照射面において絵または文字等を記載するスペースの自由度を高めることができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、照明装置を外部より被照射面を照射する外照用照明とした場合に、被照射面と光源との距離を短くすることができ、照明装置を小型化及び薄型化することができ、照明装置の配置スペースを小さくすることができる。
【0103】
また、本実施の形態によれば、異なる配光特性を有する複数の出射面を有する光束制御部材を1つの部品で構成したので、部品点数を少なくすることができ、製造コストを低減することができる。
【0104】
(本実施の形態の変形例)
本実施の形態において、光束制御部材の構成は
図21に限らず、
図22に示す構成にしてもよい。
図22は、本実施の形態における発光装置2200の第1変形例を示す断面図である。
【0105】
図22に示す発光装置2200は、
図21に示す発光装置2100に対して、光束制御部2106の代わりに光束制御部2206を有する。なお、
図22の発光装置2200において、
図21の発光装置2100と同一構成である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0106】
光束制御部2206は、全反射面2103と対向して全反射面2103の周囲に形成される。また、光束制御部2206は、発光素子200から出射された光や第1の出射面2104以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面2206aと、光束制御部2206の外壁部を構成するとともに光束制御部2206に入射した光を出射する粗面化された第2の出射面2206bとを有する。また、本実施の形態における光束制御部2206は、第2の入射面2206a及び第2の出射面2206bが光軸に対して平行になるように形成される。本実施の形態の変形例は、光束制御部2206を第1の出射面2104の外縁部の位置よりも高くなるように延長部分を形成し、その延長部分が実施の形態1における天板部124の代わりを成している。すなわち、第1の出射面2104からの出射光の一部は、この延長部分を介して被照射面に到達する。
【0107】
発光装置2200において、光束制御部2206の略中央部において、連結部2105により全反射面2103及び第1の出射面2104と、光束制御部2206とを連結する。
【0108】
なお、発光装置2200における配光特性は、発光装置2100と同一であるので、その説明を省略する。
【0109】
上記の発光装置2100または発光装置2200では、光束制御部2206の第2の入射面2206a及び第2の出射面2206bを光軸に対して平行にしたが、本実施の形態はこれに限らず、光束制御部2206の第2の入射面2206aと第2の出射面2206bの少なくとも一方を上端部から下端部に向かうほど光軸に近づくように傾斜させてもよい。
【0110】
また、本実施の形態において、光束制御部材の構成は
図21または
図22に限らず、
図23〜
図25に示す構成を有するようにしてもよい。
図23は、本実施の形態における発光装置の第2変形例を示す断面図である。また、
図24は、本実施の形態における発光装置の第3変形例を示す断面図である。また、
図25は、本実施の形態における発光装置の第4変形例を示す断面図である。なお、
図23〜
図25において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0111】
実施の形態1〜実施の形態4における第2の光束制御部材において、天板部が不要の場合は、第1の光束制御部材と天板部を有しない第2の光束制御部材とを一体化した形状としてもよい。その場合には、第1の光束制御部材と第2の光束制御部材との係合部において一体化すればよく、弾性部は不要となる。
【0112】
具体的には、
図23に示す発光装置2300では、第2の光束制御部材2301及び発光素子200を有する。
【0113】
第2の光束制御部材2301は、全反射面113と対向して全反射面113の周囲に形成される。また、第2の光束制御部材2301は、発光素子200から出射された光や第1の出射面114以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面2301aと、第2の光束制御部材2301の外壁部を構成するとともに第2の入射面2301aに入射した光を出射する粗面化された第2の出射面2301bとを有する。また、第2の光束制御部材2301は、接着剤または溶着等の方法により、第2の入射面2310aの上端に第1の光束制御部材101の鍔部115が固定される。なお、第2の入射面2301a及び第2の出射面2301bは、粗面化しなくてもよい。
【0114】
第2の入射面2301aは、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成される。
【0115】
第2の出射面2301bは、光軸の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸に近づくように傾斜させて形成される。
【0116】
なお、発光装置2300の配光特性は、上記の実施の形態2と同一であるので、その説明を省略する。
【0117】
また、
図24に示す発光装置2400では、第2の光束制御部材2401及び発光素子200を有する。
【0118】
第2の光束制御部材2401は、全反射面113と対向して全反射面113の周囲に形成される。また、第2の光束制御部材2401は、発光素子200から出射された光や第1の出射面114以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面2401aと、第2の光束制御部材2401の外壁部を構成するとともに第2の入射面2401aに入射した光を出射する粗面化された第2の出射面2401bとを有する。また、第2の光束制御部材2401は、接着剤または溶着等の方法により、第2の入射面2401aの上端に第1の光束制御部材101の鍔部115が固定される。なお、第2の入射面2401a及び第2の出射面2401bは、粗面化しなくてもよい。
【0119】
第2の入射面2401aは、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸から離れるように傾斜させて形成される。
【0120】
第2の出射面2401bは、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成される。
【0121】
なお、発光装置2400の配光特性は、上記の実施の形態3と同一であるので、その説明を省略する。
【0122】
また、
図25に示す発光装置2500では、第2の光束制御部材2501及び発光素子200を有する。
【0123】
第2の光束制御部材2501は、全反射面113と対向して全反射面113の周囲に形成される。また、第2の光束制御部材2501は、発光素子200から出射された光や第1の出射面114以外の面から漏れ出た光が入射する粗面化された第2の入射面2501aと、第2の光束制御部材2501の外壁部を構成するとともに第2の入射面2501aに入射した光を出射する粗面化された第2の出射面2501bとを有する。また、第2の光束制御部材2501は、接着剤または溶着等の方法により、第2の入射面2501aの上端に第1の光束制御部材101の鍔部115が固定される。なお、第2の入射面2501a及び第2の出射面2501bは、粗面化しなくてもよい。
【0124】
第2の入射面2501aは、光軸(中心軸P1)の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸から離れるように傾斜させて形成される。
【0125】
第2の出射面2501bは、光軸の周りに回転対称となるように形成するとともに、上端部から下端部に向かうほど光軸に近づくように傾斜させて形成される。
【0126】
なお、発光装置2500の配光特性は、上記の実施の形態4と同一であるので、その説明を省略する。
【0127】
(実施の形態6)
図26は、本発明の実施の形態6に係る発光装置2600の断面図である。なお、
図26において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0128】
第2の光束制御部材2602は、光束制御部2610と天板部2611とを有する。
【0129】
光束制御部2610は、中空の円筒形状である。また、光束制御部2610は、光軸の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成された第2の入射面2610aと、光軸の周りに回転対称となるように光軸と平行に形成された第2の出射面2610bとを有する。
【0130】
天板部2611は、円筒形状の光束制御部2610の上端から庇のように内側へ張り出すように構成し、環状に形成されて開口部125を形成する。また、天板部2611は、第1の光束制御部材101が収納された際に、第1の光束制御部材101の第1の出射面114の外周部117から所定距離までの範囲の第1の出射面114の一部を覆い、覆われた第1の出射面114から出射された光が入射する第3の入射面2611aと、第3の入射面2611aから天板部2611に入射した光を出射する第3の出射面2611bとを有する。第3の出射面2611bから出射される光は、第3の入射面2611bで覆われていない第1の出射面114から出射される光の一部と混ざり合って図示しない被照射部を照射する。また、天板部2611は、先端部(開口部125)に向かうほど第3の入射面2611aと第3の出射面2611bとの厚みが薄くなるように形成される。また、天板部2611は、蛍光体、顔料等の色補正部材を含有して着色したり、散乱材を含有して光を散乱したり、第3の出射面2611bを粗面にしたりすることにより、天板部2611を介して出射する光と天板部2611で覆われていない第1の出射面114からの出射光とが被照射部701上で混ざり合った際に色補正や照度分布補正ができるように、調整光を出射する。例えば、天板部2611は、黄色味を帯びた第1の出射面114からの出射光の黄色を、白色に近い光に補正するための蛍光体を含有する。また、天板部2611は、上記の調整部材を内部に含有する構成に限らず、第3の出射面2611b上に蛍光体等の調整部材を含有する塗料を塗布したり、シール状のものを貼ったりしてもよい。
【0131】
上記の構成を有する発光装置2600は、第1の出射面114から出射した光の一部が入射面2611aに入射し、入射した光が、第1の出射面114から出射される光の配光特性と異なる配光特性の光に制御されて第3の出射面2611bから出射される。なお、光束制御部2610から出射する光の配光特性は、上記の実施の形態1と同一であるので、その説明を省略する。
【0132】
このように、本実施の形態では、出射面から出射した光を天板部に入射し、天板部に入射した光を出射面の配光特性とは異なる配光特性の光に制御して出射する。これにより、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、被照射面を斜めから照射するために配光を狭くして出射する光を、発光素子近傍を照射する光に利用することができ、助走距離をさらに短くすることができる。
【0133】
また、本実施の形態によれば、天板部に出射光の色を補正するための色補正部材や散乱材等を含有させるので、被照射面を照射する光の色や散乱度合を制御することができ、被照射面における色ムラや照度ムラを抑制することができる。
【0134】
なお、本実施の形態において、色補正部材や散乱材等を含有する成形材料で第2の光束制御部材を成形し、天板部以外にも色補正部材や散乱材等を含有するようにしてもよい。
【0135】
(実施の形態7)
(発光装置の構成)
以下に、発光装置2700の構成について、詳細に説明する。
図27は、本発明の実施の形態7に係る発光装置2700の平面図である。また、
図28は、
図27のF−F線断面図である。なお、
図27及び
図28において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0136】
第1の光束制御部材2701は、第1の入射面110と、凹部111と、全反射面113と、鍔部115と、底面116と、スリット部2710と、第1の出射面2711とを有する。
【0137】
スリット部2710は、平面に投影された形状が円形形状である第1の出射面2711の、中心軸P1を通る直線上の端部から端部までの間において、上端部から鍔部115と同一高さの位置まで形成した溝である。
【0138】
第1の出射面2711は、平面に投影された形状が円形形状である。また、第1の出射面2711は、中心軸P1から外周部117に向かって傾斜するとともに上方に凸形状に湾曲する天板出射面2711aを有する。また、第1の出射面2711は、スリット部2710を挟んで対向する中心軸P1と平行な平面である粗面化された側壁出射面2711bを有する。
【0139】
上記の構成を有する発光装置2700は、側壁出射面2711bからの出射光を散乱させて出射させることにより、第2の光束制御部材102の底面から側壁出射面2711bまでの高さH(
図28参照)の被照射面とその近傍を照明する光を出射する。なお、天板出射面2711aから出射する光及び第2の光束制御部材102から出射する光の配光特性は、上記の実施の形態1と同一であるので、その説明を省略する。
【0140】
(照明装置の構成)
以下に、照明装置2900の構成について、詳細に説明する。
【0141】
図29は、本発明の実施の形態7に係る照明装置2900の平面図である。
【0142】
図29に示す照明装置2900は、
図7及び
図8に示す実施の形態1に係る照明装置700に対して、発光装置100−1〜100−6の代わりに発光装置2700−1〜2700−6を有する。なお、
図29において、
図7及び
図8と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、
図29においては、説明の便宜上、発光装置2700−1〜2700−6において、スリット部2710−1〜2710−6のみを記載する。
【0143】
照明装置2900は、発光装置2700−1〜2700−6と、基板300と、被照射部701とから主に構成される。なお、発光装置2700−1〜2700−6の構成は、
図27及び
図28の発光装置2700と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0144】
発光装置2700−1〜2700−6は、照明装置2900の長手方向であるX軸上に所定間隔で基板300上に配列される。また、発光装置2700−1〜2700−6は、スリット部2710−1〜2710−6の長手方向(
図29において左右方向)がX軸と平行になるように基板300上に配置される。
【0145】
基板300は、複数の発光装置2700−1〜2700−6が、所定間隔でX軸と平行な方向に配列して取り付けられる。また、基板300は、照明装置2900の底面に配置される。
【0146】
被照射面701aは、X−Z平面と平行な平面であり、例えば広告用の文字または絵等が描かれており、発光装置2700−1〜2700−6により内部から斜めに照明される。
【0147】
対向被照射面701bは、被照射面701aと対向する被照射面701a及びX−Z平面と平行な平面であり、例えば広告用の文字または絵等が描かれており、発光装置2700−1〜2700−6により内部から斜めに照明される。
【0148】
上記の構成を有する照明装置2900においては、スリット部2710−1〜2710−6を挟んで互いに対向する2つの側壁出射面2711bが、被照射面701aまたは対向被照射面701bと対向する。従って、被照射面701a及び対向被照射面701bの高さH近傍のエリアは、側壁出射面2711bにより照射されることにより、発光素子200の近傍の照度を高くすることができ、助走距離を短くすることができる。また、助走距離を短くすることにより、被照射面701a及び対向被照射面701bにおける額縁部分を狭くすることができる。
【0149】
図29に示す照明装置2900は、被照射部701を内部から照射する内照用照明としたが、本発明はこれに限らず、被照射部を外部から照射する外照用照明としてもよい。外照用照明とする場合には、被照射面701aの文字または絵等が描かれた面を、発光装置2700−1〜2700−6により外部から照明する。
【0150】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第1の出射面において、被照射面に平行な断面の出射面をさらに設けることにより、光源の近くの被照射面における照度を高めることができる。
【0151】
(実施の形態8)
図30は、本発明の実施の形態8に係る発光装置3000の平面図である。なお、
図30において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0152】
第1の光束制御部材3001では、平面に投影された形状が円形形状の第1の出射面114を同一角度で4等分したうちの中心軸P1に対して点対称となる領域R1、R2を粗面化する。
【0153】
これにより、第1の出射面114の領域R1、R2から出射光を散乱させて出射させることにより、第1の出射面114と同程度の高さの被照射面とその近傍を照明する光を出射する。
【0154】
なお、上記以外の構成は、上記の実施の形態1の構成と同一構成であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態における照明装置の構成は、
図7及び
図8における発光装置100−1〜100−6、または
図15における発光装置1500の代わりに、発光装置3000と同一構成の発光装置3000−1〜3000−6を設ける以外は
図7及び
図8、または
図15と同一であるので、その説明を省略する。
【0155】
このように、本実施の形態では、第1の光束制御部材の第1の出射面114の一部を粗面化し、この粗面化の位置を
図7及び
図8におけるX軸上に配置する。これにより、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第1の光束制御部材から出射される光の一部により光源の近くを照射することができ、光源の近くの被照射面における照度を高めることができる。
【0156】
(実施の形態9)
図31は、本発明の実施の形態9に係る発光装置3100の平面図である。なお、
図31において、第1の光束制御部材101の構成は
図1〜
図6Bと同一構成であるので、その説明を省略する。
【0157】
(第2の光束制御部材の構成)
第2の光束制御部材3101は、弾性部120と、固定部121と、開口部125と、光束制御部126と、天板部3110とを有する。なお、
図31において、
図1A〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0158】
天板部3110は、円筒形状の光束制御部126の上端から庇のように内側へ張り出すように構成し、環状に形成されて開口部125を形成する。また、天板部3110は、第1の光束制御部材101が収納された際に、天板部3110の下面が鍔部115の上面と当接することにより、第1の光束制御部材101の上方への移動を規制する。このように前述の弾性部120と協働して、第1の光束制御部材101を第2の光束制御部材102の内部に固定することができる。また、天板部3110は、第1の出射面114の外縁側の一部を覆うように形成される。また、天板部3110は、天板部3110の他の部分よりも粗くなるように粗面化した粗面部3111が一対形成される。本実施の形態における発光装置3100は、対向配置される一対の被照射部701の間に配置され、照明装置3200を構成する。照明装置3200の構成の詳細については後述する。天板部3110に形成される一対の粗面部3111は、一対の被照射部701に特異的な明部を生じさせる原因となる光を拡散させるために、その原因光が出射する第1の出射面114上の一部を覆う位置に形成される。すなわち、粗面部3111は、被照射部701の光入射側である被照射面701a、701bに直交し、かつ中心軸P1を含む面を仮想面とし、その仮想面と交わる第1の出射面114であって、被照射面701a、701bに近い位置に形成される。粗面部3111の形成範囲は、中心軸P1を回転軸として、前述の仮想面と天板部3110との交線を±θ2/2ずつ回転させた範囲に形成され、この交線を±90°回転させた位置における天板部3110よりも粗くなるように粗面化されている(
図31参照)。
【0159】
(照明装置の構成)
以下に、照明装置3200の構成について、詳細に説明する。
【0161】
照明装置3200は、発光装置3100−1〜3100−12と、基板300と、被照射部701とから主に構成される。なお、発光装置3100−1〜3100−12の構成は、
図31の発光装置3100と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0162】
発光装置3100−1〜3100−12は、照明装置3200の長手方向であるX軸と平行な方向に所定間隔で配列するように基板300上に各々取り付けられる。また、発光装置3100−1〜3100−12の各々は、一対の粗面部3111−1〜3111−12の各々が被照射面701a側及び対向被照射面701b側になるように配置される。
【0163】
基板300は、複数の発光装置3100−1〜3100−12が、X軸と平行な方向に所定間隔で配列して取り付けられる。
【0164】
被照射面701aは、発光装置3100−1〜3100−12により内部から斜めに照明される。また、被照射面701aは、発光装置3100−1〜3100−12からの出射光のうち、光軸に対する角度の小さい光が、光軸に対する角度の大きい光よりも、被照射面701aへの入射角が大きくなるように配置される。
【0165】
対向被照射面701bは、発光装置3100−1〜3100−12により内部から斜めに照明される。また、対向被照射面701bは、発光装置3100−1〜3100−12からの出射光のうち、光軸に対する角度の小さいが、光軸に対する角度の大きい光よりも、入射角が大きくなるように配置される。
【0166】
本実施の形態において、XYZ直交座標のXY平面上に基板300が配置され、X軸上に12個の発光装置3100が50mmピッチ(
図32Aの距離H=50mm)で配置される。6個目と7個目の発光装置3100間であって基板300上にXYZ直交座標の原点Oが位置する。被照射面701a及び被照射面701bは、その一辺がXY平面上に配置され、XZ平面からY軸方向に±40mm(
図32Bの距離E=80mm)の位置に平行に配置される。被照射面701a、701bを有する被照射部701の大きさは、X軸方向が650mm(
図32Aの距離A)、Z軸方向が520mm(
図32Aの距離C)である。
図32Aにおける被照射部701の中心から左右285mm、上下220mmの範囲を有効発光領域(
図32Aの距離B×距離D=570mm×440mm)とする。
【0167】
上記の構成を有する照明装置3200では、粗面部3111−1〜3111−12から出射される光は、粗面部3111−1〜3111−12により拡散される。これにより、被照射部701における光源付近の明部の発生を抑制することができる。
【0168】
図33および
図34に、照明装置3200における被照射面部701の有効発光領域における光出射面側の照度分布を示す。
図33はZ=110mm(
図32Aの距離G)の位置における被照射部701の光出射面上の照度を等ピッチで50ポイント測定した結果を示す。
図34はZ=260mm(
図32Aの距離F)の位置における被照射部701の光出射面上の照度を等ピッチで50ポイント測定した結果を示す。なお、縦軸は相対照度を示し、有効発光領域における最高照度値を100%とした場合の各測定ポイントにおける照度の相対値を示す。横軸は、各測定ポイントのX値を示す。アスタリスク(*)は発光装置として実施の形態1に示す発光装置100を用いた結果であり、三角(△)は本実施の形態9における発光装置3100を用い、θ2を45°とした場合の結果であり、黒丸(●)は本実施の形態9の発光装置3100を用い、θ2を60°とした場合の結果である。粗面部3111−1〜3111−6を形成する角度範囲θ2及び粗面度合は、発光装置3100のX軸方向のピッチや照明する被照射面701a及び対向被照射面701bの発光装置3100からの位置等に応じて、任意の角度範囲及び粗面度合に適宜設定可能である。本実施の形態においては、角度範囲θ2が60°よりも45°の方が被照射部701の光出射面上における照度が高くなる傾向にある(
図33及び
図34参照)。また、被照射部701の光出射面上において、光源から離れた方が粗面部3111−1〜3111−12による影響が少ない。
【0169】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第2の光束制御部材の天板部に粗面部を設けたので、被照射部の光源付近の照度ムラの原因となる明部の照度を落とすことができ、被照射部を均一な照度分布にすることができる。
【0170】
また、本実施の形態によれば、天板部の一部に粗面部を形成したので、粗面部以外の天板部および第1の出射面等からの出射光により、被照射面または対向被照射面の光源から離れた箇所を適度な光量で照射することができる。
【0171】
なお、本実施の形態において、第2の光束制御部材の天板部の一部を粗面化して粗面部を形成したが、本実施の形態はこれに限らず、粗面化したシートを天板部の一部に貼り付けて粗面部を形成してもよい。また、粗面部の粗面度合にグラデーションを設けてもよい。また、天板部の一部を粗面化する方法としては、金型にエッチング加工、放電加工、ブラスト加工等を施して、成形によって第2の光束制御部材の表面に転写する方法が挙げられる。
【0172】
(実施の形態10)
以下に、第1の光束制御部材3300の構成について、
図35A〜
図35Cを用いて詳細に説明する。
図35Aは、本発明の実施の形態10に係る第1の光束制御部材3300の平面図である。また、
図35Bは、本発明の実施の形態10における第1の光束制御部材3300の側面図である。また、
図35Cは、本発明の実施の形態10に係る第1の光束制御部材3300の正面図である。なお、
図35において、
図1〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0173】
第1の光束制御部材3300は、第1の入射面110(
図35において省略)と、凹部111(
図35において省略)と、全反射面113と、鍔部115と、底面116と、第1の出射面3301とを有する。
【0174】
全反射面113は、底面116の外縁から第1の出射面3301に向かって拡径するように形成される。
【0175】
第1の出射面3301は、第1の光束制御部材3300を平面に投影した形状が、中心軸P1上に中心を有する円形形状である。また、第1の出射面3301は、中心軸P1の所定の位置に頂点118を有し、底面116からの高さを漸減するように頂点118から第1の出射面3301の外周部117に向かって滑らかに傾斜する。また、第1の出射面3301は、上方(底面116から離れる方向)に凸形状に湾曲するように形成される。また、第1の出射面3301は、鍔部115と接続する外周部117に沿って、第1の出射面3301の他の部分よりも粗くなるように粗面化した粗面部3302が形成される。粗面部3302は、第1の出射面3301において一対形成される。本実施の形態における第1の光束制御部材3300は、前述の照明装置3200の発光装置3100の第1の光束制御部材101と同様に用いられる。第1の出射面3301に形成される一対の粗面部3302は、一対の被照射部701に特異的な明部を生じさせる原因となる光を拡散させるために、その原因光が出射する第1の出射面3301上の一部に形成される。すなわち、粗面部3302は、被照射部701の光入射側である被照射面701a、701bに直交し、かつ中心軸P1を含む面を仮想面とし、その仮想面と交わる第1の出射面3301であって、被照射面701a、701bに近い位置に形成される。粗面部3302の形成範囲は、中心軸P1を回転軸として、前述の仮想面と第1の出射面3301との交線を±θ2/2ずつ回転させた範囲であって、第1の出射面3301の外縁部に帯状に形成され、この交線を±90°回転させた位置における第1の出射面3301よりも粗くなるように粗面化されている(
図35A参照)。
【0176】
鍔部115は、第1の出射面3301の外周部117から径方向外方側に突出して形成され、略円環状である。
【0177】
外周部117は、第1の出射面3301の外周の周囲に形成され、鍔部115と接続する。
【0178】
頂点118は、中心軸P1上に位置するように第1の出射面3301から突出形成される。
【0179】
上記の構成を有する第1の光束制御部材3300は、
図1A〜
図6Bに示す第2の光束制御部材102に収納される。本実施の形態では、第1の光束制御部材3300を第2の光束制御部材102に収納することにより発光装置を形成する。
【0180】
また、上記の発光装置を用いた照明装置では、
図32と同様に、一対の粗面部3302の各々が、被照射面701a側及び対向被照射面701b側になるように上記の発光装置を配置する。なお、本実施の形態における照明装置は、第1の光束制御部材3300を第2の光束制御部材102に収納した発光装置を用いる以外は
図32と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0181】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第1の光束制御部材の第1の出射面の一部に粗面部を設けたので、被照射部の光源付近の照度ムラの原因となる明部の照度を落とすことができ、被照射部を均一な照度分布にすることができる。
【0182】
また、本実施の形態によれば、第1の出射面の一部に粗面部を形成したので、粗面部を形成しない第1の出射面からの出射光により、被照射面または対向被照射面の光源から離れた箇所を適度な光量で照射することができる。
【0183】
なお、本実施の形態において、第1の光束制御部材の第1の出射面の一部を粗面化して粗面部を形成したが、本実施の形態はこれに限らず、粗面化したシートを第1の出射面の一部に貼り付けて粗面部を形成してもよい。また、粗面部の粗面度合にグラデーションを設けてもよい。また、天板部の一部を粗面化する方法としては、金型にエッチング加工、放電加工、ブラスト加工等を施して、成形によって第2の光束制御部材の表面に転写する方法が挙げられる。
【0184】
(実施の形態11)
以下に、第1の光束制御部材3400の構成について、
図36A〜
図36Cを用いて詳細に説明する。
図36Aは、本発明の実施の形態11に係る第1の光束制御部材3400の正面図である。また、
図36Bは、本発明の実施の形態11における第1の光束制御部材3400の側面図である。また、
図36Cは、本発明の実施の形態11に係る第1の光束制御部材3400の底面図である。なお、
図36において、
図1〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0185】
第1の光束制御部材3400は、第1の入射面110と、凹部111と、第1の出射面114と、鍔部115と、底面116と、全反射面3401とを有する。
【0186】
全反射面3401は、底面116の外周部から鍔部115の下面まで延びる外表面であり、中心軸P1を取り囲むように形成された回転対称面である。また、全反射面3401は、底面116の外縁から第1の出射面114に向かって拡径するように形成され、底面116から鍔部115に向かうに従って外径が漸増しており、その母線が外側(中心軸P1から離れる側)へ凸の円弧状曲線を有する。また、全反射面3401は、底面116と全反射面3401との接続部から、全反射面3401と鍔部115との接続部までに渡って、全反射面3401の他の部分よりも粗くなるように粗面化した粗面部3402が形成される。粗面部3402は、全反射面3401において一対形成される。本実施の形態における第1の光束制御部材3400は、前述の照明装置3200の発光装置3100の第1の光束制御部材101と同様に用いられる。全反射面3401に形成される一対の粗面部3402は、一対の被照射部701に特異的な明部を生じさせる原因となる光を拡散させるために、その原因光が反射する全反射面3401上に形成される。すなわち、粗面部3402は、被照射部701の光入射側である被照射面701a、701bに直交し、かつ中心軸P1を含む面を仮想面とし、その仮想面と交わる全反射面3401に形成される。粗面部3402の形成範囲は、中心軸P1を回転軸として、前述の仮想面と全反射面3401との交線を±θ2/2ずつ回転させた範囲に形成され、この交線を±90°回転させた位置における全反射面3401よりも粗くなるように粗面化されている(
図36C参照)。
【0187】
上記の構成を有する第1の光束制御部材3400は、
図1A〜
図6Bに示す第2の光束制御部材102に収納される。本実施の形態では、第1の光束制御部材3400を第2の光束制御部材102に収納することにより発光装置を形成する。
【0188】
また、上記の発光装置を用いた照明装置では、
図32と同様に、一対の粗面部3402の各々が、被照射面701a側及び対向被照射面701b側になるように上記の発光装置を配置する。なお、本実施の形態における照明装置は、第1の光束制御部材3400を第2の光束制御部材102に収納した発光装置を用いる以外は
図32と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0189】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第1の光束制御部材の全反射面の一部に粗面部を設けたので、被照射部の光源付近の照度ムラの原因となる明部の照度を落とすことができ、被照射部を均一な照度分布にすることができる。
【0190】
また、本実施の形態によれば、全反射面の一部に粗面部を形成したので、粗面部を形成しない全反射面からの出射光を用いて、被照射面または対向被照射面の光源から離れた箇所を適度な光量で照射することができる。
【0191】
なお、本実施の形態において、第1の光束制御部材の全反射面の一部を粗面化して粗面部を形成したが、本実施の形態はこれに限らず、粗面化したシートを全反射面の一部に貼り付けて粗面部を形成してもよい。また、粗面部の粗面度合にグラデーションを設けてもよい。また、天板部の一部を粗面化する方法としては、金型にエッチング加工、放電加工、ブラスト加工等を施して、成形によって第2の光束制御部材の表面に転写する方法が挙げられる。
【0192】
(実施の形態12)
以下に、第1の光束制御部材3500の構成について、
図37A〜
図37Cを用いて詳細に説明する。
図37Aは、本発明の実施の形態12に係る第1の光束制御部材3500の正面図である。また、
図37Bは、本発明の実施の形態12における第1の光束制御部材3500の側面図である。また、
図37Cは、本発明の実施の形態12に係る第1の光束制御部材3500の底面図である。なお、
図37において、
図1〜
図6Bと同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0193】
第1の光束制御部材3500は、第1の入射面110と、凹部111と、第1の出射面114と、鍔部115と、底面116と、全反射面3501とを有する。
【0194】
全反射面3501は、底面116の外周部から鍔部115の下面まで延びる外表面であり、中心軸P1を取り囲むように形成された回転対称面である。また、全反射面3501は、底面116の外縁から第1の出射面114に向かって拡径するように形成され、底面116から鍔部115に向かうに従って外径が漸増しており、その母線が外側(中心軸P1から離れる側)へ凸の円弧状曲線を有する。また、全反射面3501は、全反射面3501と鍔部115との接続部から、鍔部115と底面116との略中間部までに渡って、全反射面3501の他の部分よりも粗くなるように粗面化した粗面部3502が形成される。粗面部3502は、全反射面3501において一対形成される。本実施の形態における第1の光束制御部材3500は、前述の照明装置3200の発光装置3100の第1の光束制御部材101と同様に用いられる。全反射面3501に形成される一対の粗面部3502は、一対の被照射部701に特異的な明部を生じさせる原因となる光を拡散させるために、その原因光が反射する全反射面3501上に形成される。すなわち、粗面部3502は、被照射部701の光入射側である被照射面701a、701bに直交し、かつ中心軸P1を含む面を仮想面とし、その仮想面と交わる全反射面3501に形成される。粗面部3502の形成範囲は、中心軸P1を回転軸として、前述の仮想面と全反射面3501との交線を±θ2/2ずつ回転させた範囲に形成され、この交線を±90°回転させた位置における全反射面3501よりも粗くなるように粗面化されている(
図37C参照)。
【0195】
上記の構成を有する第1の光束制御部材3500は、
図1A〜
図6Bに示す第2の光束制御部材102に収納される。本実施の形態では、第1の光束制御部材3500を第2の光束制御部材102に収納することにより発光装置を形成する。
【0196】
また、上記の発光装置を用いた照明装置では、
図32と同様に、一対の粗面部3502の各々が、被照射面701a側及び対向被照射面701b側になるように上記の発光装置を配置する。なお、本実施の形態における照明装置は、第1の光束制御部材3500を第2の光束制御部材102に収納した発光装置を用いる以外は
図32と同一構成であるので、その詳細な説明を省略する。
【0197】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、第1の光束制御部材の全反射面の一部に粗面部を設けたので、被照射部の光源付近の照度ムラの原因となる明部の照度を落とすことができ、被照射部を均一な照度分布にすることができる。
【0198】
また、本実施の形態によれば、全反射面の一部に粗面部を形成したので、粗面部を形成しない全反射面からの出射光を用いて、被照射面または対向被照射面の光源から離れた箇所を適度な光量で照射することができる。
【0199】
なお、本実施の形態において、第1の光束制御部材の全反射面の一部を粗面化して粗面部を形成したが、本実施の形態はこれに限らず、粗面化したシートを全反射面の一部に貼り付けて粗面部を形成してもよい。また、粗面部の粗面度合にグラデーションを設けてもよい。また、天板部の一部を粗面化する方法としては、金型にエッチング加工、放電加工、ブラスト加工等を施して、成形によって第2の光束制御部材の表面に転写する方法が挙げられる。
【0200】
なお、上記の実施の形態1〜実施の形態8において、対向する被照射面と対向被照射面とを発光装置により照明したが、本発明はこれに限られず、1つの被照射面を発光装置により照明してもよい。この場合、照明される被照射面と対向する対向被照射面には反射板を設けることにより、被照射面の照度を高めることができる。
【0201】
また、上記の実施の形態1〜実施の形態8に係る第2の光束制御部材の第2の入射面は、第1の光束制御部材に入射しない光以外に、第1の光束制御部材に入射して全反射面等から漏れ出る光も入射することができる。
【0202】
また、上記の実施の形態1〜実施の形態8において、第2の光束制御部材または光束制御部における光の入射面の一部に鏡面を設けて、前記入射面に到達する光を鏡面で反射させて第1の光束制御部材または出射面からの光の出射方向に向かう光としてもよい。
【0203】
また、上記の実施の形態9〜実施の形態12において、各実施の形態で説明した粗面部のみを用いて出射光を拡散する場合に限られず、各実施の形態を適宜組み合わせて、複数の異なる箇所に粗面部を形成し、各々の箇所からの出射光を各々拡散させてもよい。
【0204】
なお、これら実施の形態9〜実施の形態12の発光装置によって、対向する被照射面と対向被照射面とを照明する例を示したが、本発明はこれに限られず、1つの被照射面を照明してもよい。この場合、一対(2か所)の粗面部を形成する必要はなく、被照射面に対応する位置のみを粗面部とすればよい。
【0205】
また、対向する被照射面と対向被照射面のうちの一方を反射面とし、他方を光透過面としてもよい。その場合、光透過面の光出射面側の照度分布によって、適宜、被照射面と対向被照射面とに対応する位置の両方、またはいずれか一方に粗面部を形成するようにしてもよい。
【0206】
2010年8月3日出願の特願2010−174783及び2010年10月19日出願の特願2010−234966の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。