(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例におけるインクジェット記録装置のブロック図を示す。
【0011】
図1において、1はインクジェット記録装置、Aはコントローラ部、Bは印字装置、2は入力部、3は制御部、4は記憶部、5は出力部、6は搬送ラインである。7は印字される製品、8は制御部の制御装置、9はメモリ、10はプログラム格納装置、11は被印字物センサ、12は被印字物検知装置、13はエンコーダ、14は搬送速度検知装置、15は入力装置、16はタッチパネル、17は表示装置、18はディスプレイ、19はインク容器、20はポンプ、21は印字ヘッド、22はノズル、23は励振電圧発生装置、24はインク粒子、25は帯電電圧発生装置、26は帯電電極、27は偏向電圧発生装置、28は偏向電極、29は装置電源、30は電源装置、31は外部接続端子、32は接続装置である。
【0012】
図2は、マスター/スレーブ機能が追加されたインクジェット記録装置群のシステムを示す図である。
図2(a)において、35はマスターのインクジェット記録装置で、36はスレーブのインクジェット記録装置、37はマスター35とスレーブ36の接続線、38は外部通信などのネットワーク、39はパソコンなどの外部機器である。
図2(a)は、インクジェット記録装置群システムを示し、マスターインクジェット記録装置(以下、マスター装置という)35と、複数のスレーブインクジェット記録装置(以下、スレーブ装置)36で構成する。
そして、マスター装置35には、被印字物センサ11及びエンコーダ13が接続され、スレーブ装置には被印字物センサ及びエンコーダは接続されない。
また、装置群のシステムにおいて、マスター装置35と複数のスレーブ36は、1対1で接続線37により接続する。
また、パソコンなどの外部機器39や外部通信などのネットワーク38との接続は、マスター装置のみが行うこととし、スレーブ装置は行わない。
【0013】
次に、
図2(b)において、マスター装置とスレーブ装置の構成及び接続について説明する。
図2(b)において、マスター装置のAはコントローラ部、Bは印字装置で、スレーブ装置のAはコントローラ部、Bは印字装置である。
また、マスター装置35の印字装置Bは、
図1の印字装置Bと同じで、複数の外部接続端子31等により構成される。
また、マスター装置1には、被印字物センサ11、エンコーダ13とをコントローラ部Aに接続する。また、印字装置Bには、外部機器39、ネットワーク38を接続する。スレーブ装置36は、被印字物検知装置などで構成されたコントロール部Aや外部接続端子などで構成された印字装置Bで構成され、マスター装置35の印字装置Bとスレーブ装置36の印字装置Bを接続線37により接続する。
【0014】
次に、
図2の接続構成において、マスター装置36をマスターとして登録するための処理について、説明する。
図3A、
図3Bは、マスター/スレーブ機能を追加するインクジェット記録装置のディスプレイの画面を示す。
【0015】
図3A(a)画面40において、画面40は「通信環境設定」の画面で、先ず「マスター/スレーブ機能」の「あり/なし」を選択する選択肢43を設置する。また、マスター装置の製番を入力する項目44を配置し、さらに、スレーブ装置の製番を入力する項目45を配置する構成となっている。製番とは、インクジェット記録装置1台ごとに設定されている、8桁の数値からなる固体識別番号である。マスター装置の製番44は、8桁の数値を入力し、設定する。さらに、スレーブ装置の製番45は、複数個のスレーブ装置の製番で、8桁の数値を入力し、設定する。
ここで、画面40で、「マスター/スレーブ機能」が「あり」を選択され、マスター装置の製番、スレーブ装置の製番は、異なる製番が入力され、スレーブ装置の製番が1つ以上入力されているときに右上の確定ボタン46を押下すると、マスター/スレーブ機能動作判定フローチャート57(
図4A(a))を実行する。
画面40で、「マスター/スレーブ機能」が「なし」を選択され、また、マスター装置の製番及びスレーブ装置の製番入力において、条件を満たさない場合は、マスター/スレーブ機能動作判定フローチャート57(
図4A(a))は実行しない。
マスター/スレーブ機能動作判定フローチャート57において、マスター/スレーブ機能が有効であると判定し、かつ、装置がマスター装置のとき、画面右側に配置された「詳細設定」47のボタンは有効となる。
そして、詳細設定ボタン47を押下すると、
図3A(b)の画面41に遷移する。画面41は、「マスター/スレーブ設定」の画面を示す。画面41において、マスター装置の製番48が表示され、有効なスレーブ装置の製番49が表示され、有効なスレーブ装置の製番49が複数個一覧表で表示される。
このスレーブ装置の一覧表の中から任意のスレーブ装置の製番を選択し、画面41の右下隅の「選択実行」ボタン50を押下すると、選択したスレーブ装置の印字設定値を変更できる画面に遷移する。
また、画面41の右側の「戻る」ボタン51を押下すると、画面40に遷移する。また、画面41の右下隅の「印字プログラム」ボタン52を押下すると、
図3B(c)に示す画面42に遷移する。
【0016】
次に、
図3B(c)の画面42について説明する。
画面42は、「印字プログラム」を示す図である。画面42では、被印字物センサ11が印字する製品7を検知したとき、(1)設定したすべてのマスター装置/スレーブ装置で印字を行うか、それとも(2)任意のマスター装置/スレーブ装置で印字を行うかを設定する項目53と、上記(2)のときの印字実行プログラム設定画面54が表示される。
ここで、印字実行プログラム(又は印字プログラムとも記載する)とは、被印字物センサ11が印字する製品7を検知したとき、印字実行するかどうかを装置ごとに設定するものである。
印字実行プログラムは設定画面54を変更し、右上隅の「確定」ボタン55を押下すると、印字実行プログラムを変更することができる。この印字実行プログラムは、印字プログラム機能の項目が「有効」のときに使用する。
また、画面右下隅の「戻る」ボタン56を押下すると、画面41に遷移する。
図3B(c)の印字実行プログラム54について説明する。
先ず、印字実行プログラムの一覧表において、No.1の行は、マスターが「○」、スレーブ1が「×」、スレーブ2が「○」、スレーブ3が「×」、スレーブ4が「○」、スレーブ5が「×」、・・・と記載されている。
ここで、「○」印は、印字する装置を示し、「×」印は、印字しない装置を示している。したがって、マスター装置は印字し、スレーブ装置1は印字せず、スレーブ装置2は印字し、スレーブ装置3は印字せず、スレーブ装置4は印字し、スレーブ装置5は印字しない。
【0017】
次に、No.2の行において、マスターは「○」、スレーブ1は「○」、スレーブ2は「○」、スレーブ3は「×」、スレーブ4は「○」、スレーブ5は「×」、スレーブ6は「○」、スレーブ7は「○」、・・・と続く。
No.2の行のマスター装置及びスレーブ装置の設定による印字、非印字の実行は、上記No.1の設定、実行したあと被印字物センサ11が印字する製品7を検知した後に実行される。
また、No.3以降も上記を同じような実行を行う。
【0018】
次に、
図3A,3Bにおいて説明したマスター/スレーブ機能動作判定フローャートを
図4A(a)に示す。
図4A(a)に示したフローチャート57は
図3A(a)の画面40での設定内容の判定処理と通信確定処理で構成される。また、通信確認処理内には、接続確定処理(ステップ60)が含まれている。
設定内容の判定処理と接続確定処理のいずれの判定結果も「OK]である場合のみ、マスター/スレーブ機能を有効とし、いずれか一つでも判定結果が「NG」である場合は、マスター/スレーブ機能を無効とする。
図4A(a)は、マスター/スレーブ機能動作判定フローチャート57を示す。
このマスター/スレーブ機能動作判定フローチャート57は、「確定」ボタンが押下されたあと、画面40での設定内容の判定処理58を実行し、次に通信確認処理59を実行する。
この設定内容の判定処理58と通信確認処理59については、次に詳細に説明する。
上記の設定内容の判定処理58と通信確認処理59のいずれの判定結果も「OK」である場合のみ、マスター/スレーブ機能を有効とし、いずれかの一つでも判定結果が「NG」である場合は、マスター/スレーブ機能を無効にする。
また、通信確認処理59内には、接続確定処理60が含まれている。
【0019】
次に、設定内容の判定処理58について
図4A(b)を用いて説明する。
図4A(b)のフローチャート58は、先ず、画面40でのマスター/スレーブ機能の選択肢43において、「あり」、「なし」のどちらを選択したかを判断する。マスター/スレーブ機能が「あり」と選択されていると、マスター製番44の入力を確認する。マスター製番44に製番が入力されていると、スレーブ製番45の入力を確認する。スレーブ製番45に製番が入力されると、マスター製番とスレーブ製番の番号を比較する(ステップ61)。
【0020】
次に、マスター製番とスレーブ製番を比較して、マスター製番がスレーブ製番に入力されているかを判断する。
すなわち、マスター製番とスレーブ製番に同じ番号がないかを確認する。
マスター製番とスレーブ製番が異なれば、判定はOKとし、このマスター/スレーブ機能動作判定フローチャート58は終了する。
また、画面40でのマスター/スレーブ機能の選択が「なし」の場合、マスター製番を入力しなかった場合、スレーブ製番を入力しなかった場合、マスター製番とスレーブ製番に同じ番号が存在した場合は、判定は「NG」で、マスター/スレーブ機能動作判定フローチャート58は終了する。
【0021】
次に、上記のマスター/スレーブ機能の設定内容の判定処理が終了すると、次に、通信確認処理59に進む。
通信確認処理のフローチャート59を
図4B(c)に示す。
通信確認は、マスター装置とスレーブ装置との間の通信である。通信確認処理のフローチャート59において、先ず、画面40内の設定値を入力した装置(以下、入力装置という)の製番を判定する(ステップ62)。入力装置の製番が、マスター装置の製番44である場合、入力装置を「マスター装置」とする。
入力装置の製番が、スレーブ製番45である場合、入力装置を「スレーブ装置」とし、マスター装置に画面40の設定値を通信する。通信が、正常に終了した場合、以降の動作をマスター装置にて行う(ステップ64)。入力装置の製番が、マスター製番とスレーブ製番のいずれでもないときは、判定結果をNGとする。ステップ64のあと、画面40の設定値を改めてマスター装置から全スレーブ装置に通信する(ステップ65)。通信が正常に終了した後、マスター装置の外部接続端子すべてにおいて、正常に通信が行えるスレーブ装置の特定処理を行う(ステップ60)。特定処理が正常に終了した場合、フロー処理59の判定結果を「OK」とする。それ以外の場合は、フロー処理59の判定結果を「NG」とする。判定結果が「OK」又は「NG」の場合でも処理フローチャート59は終了する。
【0022】
次に、
図4B(d)に示したステップ60について、その詳細な処理を
図4B(c)に示す。
ステップ60の「マスター装置との通信を正常に送受信できるスレーブ装置を特定する」フローチャート60において、先ず、マスター装置のすべての外部接続端子より何がしかの機器が装着された端子を取得(ステップ66)する。
そして、取得順に通信「製番送信指示」を、外部接続端子を通して機器に送信する。通信「製番送信指示」は、通信「自機製番」とセットになっており、通信「製番通信指示」を受信したインクジェット記録装置は、通信「自機製番」にて製番を送信する。一方、マスター装置では、通信「製番送信指示」を送信した外部接続端子で通信「自機製番」を受信するまで一定時間受信待ちを行う(ステップ67)。
通信「自機製番」を受信した場合は、受信した製番を有効なスレーブ装置として、〔有効スレーブリスト〕に記憶する(ステップ68)。ここで、有効スレーブリストとは有効スレーブ一覧表のことを指している。
さらに、通信「製番送信指示」送信時から通信「自機製番」受信時までの時間の半分」を[応答時間:λ]として、マスター装置及び該当のスレーブ装置に記憶する(ステップ69)。
これをマスター装置のすべての外部接続端子で繰り返し、終了したら、有効なスレーブ装置数を判定する(ステップ70)。
有効なスレーブ装置数が1つ以上のときは、特定処理が正常に終了したとし、有効なスレーブ装置数が0のときは、特定処理が異常終了したとして、プログラムの処理を終了する。
(実施例5)
次に、マスター/スレーブ機能が有効のとき、マスター装置及びスレーブ装置での状態変更のフローチャートについて説明する。
ここでいう状態というのは、(1)休止状態や印字可能状態などの印字に関する状態、(2)電源オフ状態、(3)電源オン状態、(4)装置異常状態をいう。
状態(1)、(2)、(3)では、マスター装置の状態が変化したときに、そのとき〔有効スレーブリスト〕の装置状態も追従して変化する。
スレーブ装置では、スレーブ装置のみ状態を変更することができるが、状態(4)を除いて、基本的にマスター装置の状態変化を優先することにする。
状態(4)では、マスター装置が異常状態になったときは、異常状態が解消されるまでマスター/スレーブ機能を無効とし、異常状態から復帰したときはマスター/スレーブ機能を再度有効とする。
スレーブ装置が異常状態になったときは、マスター装置またはスレーブ装置で復帰動作を行い、復帰できる場合は、そのままの状態に変更し、復帰できない場合はそのスレーブ装置を無効なスレーブ装置とする。
【0023】
まず、装置状態が状態(1)「休止状態や印字可能状態などの印字に関する状態」に変化した場合の処理について説明する。
【0024】
図5A(a)は、状態(1)「休止状態や印字可能状態などの印字に関する状態」に変化したときの処理のフローチャートを示す。
図5A(a)の処理のフローチャート71において、先ず、状態が変化し(ステップ75)、状態が変化した装置がマスター装置の場合は、ステップ60の処理を実行し、スレーブ装置である場合はステップ78の処理を実行する。
ステップ60の処理は、上記の通りで、ステップ60の処理の後、〔有効スレーブリスト〕の装置にも状態変化を命令する(ステップ76)。
スレーブ装置で、状態変化がマスター装置と同様のものとならなかった場合、そのスレーブ装置を〔有効スレーブリスト〕から削除する(ステップ77)。
状態が変化した装置がスレーブ装置の場合は、〔有効スレーブリスト〕の装置かを判定し(ステップ78)、有効スレーブリスト内の装置の場合は、現在の状態がマスター装置の状態と一致するかを判定する(ステップ79)。
現在の状態が、マスター装置の状態と相違する場合、そのスレーブ装置を無効とする通信「スレーブ無効」をマスター装置に通信する(ステップ80)。
通信「スレーブ無効」がマスター装置に送信された場合、マスター装置は〔有効スレーブリスト〕から該当するスレーブ装置を削除する。
【0025】
次に、装置状態が状態(2)「電源オフ状態」に変化した場合の処理について説明する。
【0026】
図5A(b)は、状態(2)「電源オフ状態」に変化したときの処理のフローチャート72を示す。
図5A(b)の処理のフローチャート72において、先ず、電源をオフとした装置がマスター装置かスレーブ装置かを判断する。電源オフとした装置がマスター装置の場合は、ステップ60の処理を実行し、その後、通信「電源オフ」を〔有効スレーブリスト〕の装置に送信する。通信「電源オフ」は、通信「オフ完了」とセットとなっており、通信「電源オフ」を受信したインクジェット記録装置は、自機の電源をソフトウェア的にオフとし、動作完了直前に通信「オフ完了」を送信することになっている(ステップ81)。
すべての〔有効スレーブリスト〕の装置に対して、通信「電源オフ」を送信した後に、マスター装置の電源をオフにする(ステップ82)。電源をオフとした装置がスレーブ装置の場合は、〔有効スレーブリスト〕の装置か否かを判定し(ステップ83)、有効スレーブリスト内の装置である場合は、そのスレーブ装置を無効とする通信「スレーブ無効」をマスター装置に通信する(ステップ84)。その後、スレーブ装置の電源をオフにする(ステップ83)。
以上が「電源オフ」の場合の処理フローの説明である。
【0027】
次に、装置状態が状態(3)「電源オン状態」に変化した場合の処理について説明する。
図5B(c)は、状態(3)「電源オン状態」に変化したときの処理のフローチャート73を示す。
図5B(c)の処理のフローチャート73において、先ず、電源をオンし(ステップ86)、電源をオンとした装置がマスター装置かスレーブ装置を判断する。電源オンとした装置がマスター装置の場合は、マスター装置のすべての外部接続端子より何かしらの機器が装着された端子を取得する(ステップ87)。そして、取得順に通信「電源オン」を、外部接続端子を通して機器に送信する(ステップ88)。通信「電源オン」は、通信「オン完了」とセットになっており、通信「電源オン」を受信したインクジェット記録装置は、自機の電源をソフトウェア的にオンとし、動作完了直前に通信「オン完了」を送信することになっている。これをマスター装置のすべての外部接続端子で繰り返す。終了したら、ステップ60の処理を実行する。
電源をオフとした装置がスレーブ装置の場合は、ステップ60の処理を実行する。
以上が「電源オン状態」に変化したときの処理プログラムの説明である。
【0028】
次に、装置状態が状態(4)「装置異常状態」に変化したときの処理について説明する。
【0029】
図5C(d)は、状態(4)「装置異常状態」に変化したときの処理のフローチャート74を示す。
図5C(d)の処理フローチャート74において、先ず、装置上に異常状態であることを表示する(ステップ89)。その後、異常状態が解除されるまで状態を監視する。異常状態になった装置がマスター装置かスレーブ装置かを判定する。異常状態になった装置がマスター装置の場合は、異常が解決したかを確認する(ステップ90)。異常が未解決の場合、マスター/スレーブ機能を無効とする(ステップ91)。異常が解決した場合、装置上の異常状態の表示を消去する(ステップ92)。そして、その後、マスター/スレーブ機能動作判定フローチャートを実行する(ステップ57)。異常状態になった装置がスレーブ装置の場合は、マスター装置上にスレーブ装置が異常状態であることを表示し(ステップ93)、異常が解決したかを確認する(ステップ94)。異常が未解決の場合、そのスレーブ装置を無効とする通信「スレーブ無効」をマスター装置に通信する(ステップ95)。異常が解決した場合、装置上の異常状態の表示を消去し(ステップ96)、同時にマスター装置上に異常な異常状態の表示を消去する(ステップ96)。そして、その後、ステップ60の処理を実行して終了する。
(実施例6)
次に、マスター/スレーブ機能が有効のとき、マスター装置及びスレーブ装置で印字設定値を変更するための変更方法について説明する。マスター装置では、マスター装置・スレーブ装置での全ての印字設定値を変更することができ、スレーブ装置ではスレーブ装置のみ印字設定値を変更することができる。
【0030】
図6(a)は、マスター装置で操作したときの変更方法を示すフローチャート97である。
図6(a)の処理のフローチャート97において、先ず、変更する印字設定値がマスター/スレーブのどちらかを判断する(ステップ99)。
変更する印字設定値がマスター装置のものである場合、マスター装置の入力装置より印字設定値変更画面(マスター)を表示して印字設定値を変更する(ステップ100)。変更する印字設定値がスレーブ装置のものである場合、マスター装置の画面40からボタン
47を押下し、画面41を表示する(ステップ101)。そして、その後、表示されたスレーブ装置一覧から変更するスレーブ装置の製番を選択して、ボタン
50を押下する(ステップ102)。
その後、選択したスレーブ装置と通信を行い、現在のスレーブ装置の印字設定値を取得する(ステップ103)。取得した印字設定値を元に、印字設定値変更画面(スレーブ)を表示して印字設定値を変更する(ステップ104)。
印字設定値の変更後は、再度変更した印字設定値がマスター/スレーブのどちらのものか判断する(ステップ105)。変更した印字設定値がマスター装置のものである場合、マスター装置内の印字設定値を更新する(ステップ106)。変更した印字設定値がスレーブ装置のものである場合、スレーブ装置に変更した印字設定値を送信する(ステップ107)。印字設定値の最適化については、スレーブ装置内で
図11に示したフローチャート145の通りに実行する。
【0031】
次に、変更方法をスレーブ装置で操作したときの変更方法について
図6(b)を用いて説明する。
図6(b)の処理のフローチャート98において、スレーブ装置の入力装置より印字設定変更画面(スレーブ)を表示して印字設定値を変更する(ステップ108)。印字設定値の変更後は、マスター装置と通信を行い(ステップ109)、その結果を元にフローチャート145(
図11に示す)の通りに印字設定値が最適かを判断し、最適でない場合は印字設定値を補正する。そして、その後、スレーブ装置内の印字設定値を更新する。
(実施例7)
次に、マスター/スレーブ機能が有効のときの外部通信の形式111(
図7A(a))、形式112(
図7A(b))と、外部通信による印字設定値変更方法についてのマスター装置内の動作フローチャート113(
図7B(c))を示す。
外部通信は、マスター装置が一括で管理しているため、スレーブ装置の印字設定値を外部通信で変更する際にもマスター装置の印字設定値を外部通信で変更する際にもマスター装置を介して行わなければならない。
そこで、
図7A(a)の形式111を満たす通信をマスター装置用の外部通信、
図7A(b)の形式112を満たす通信をスレーブ装置用の外部通信とする。
図7B(c)の外部通信による印字設定値変更方法についてのマスター装置内の動作フローチャート113において、先ず、外部通信の形式の通信xかを判断し(ステップ114)、次に外部通信の形式の通信zかを判断する(ステップ115)。次に製番がマスター装置かスレーブ装置かを判断し(ステップ116)、ステップ117及びステップ118の処理により外部通信がマスター装置/スレーブ装置のいずれかを決定する。外部通信がマスター装置用の場合、マスター装置内の印字設定値を更新する(ステップ119)。外部通信がスレーブ装置用の場合、外部通信の形式の通信yかを判断する(ステップ120)。
一定時間、外部通信の形式の通信yが受信されなければ、一連の外部通信は無効とする(ステップ121)。外部通信の形式の通信yがあれば、スレーブ装置に受信した印字設定値を送信する(ステップ122)。
印字設定値の最適化については、スレーブ装置内で
図11に示したフローチャート145を実行して行う。
(実施例8)
次に、搬送ライン上にある印字物が被印字物センサを通って印字ヘッドによって印字されるまでの一例と、マスター装置に被印字物センサが入力された時点から時間T経過後に印字物に印字する時点までのマスター装置の処理の移動例と、移動例に対応する印字制御時間及びタイムチャートについて説明する。
図8A(a)は、搬送ライン上の印字物が被印字物センサを通って印字している
図123を示している。
図8A(a)において、印字物が被印字物センサで検知されてから印字ヘッドで印字物の書き出し開始位置に印字するまでの時間をTとしている。
【0032】
次に、
図8A(b)及び
図8A(c)の時間の構成
図125は、マスター装置に被印字物センサが印字物を検知して時間T経過後、印字するまでの所要時間を表すための構成と所要時間の内容を示す。
図8A(b)に示すブロック
図124において、マスター装置の印字制御時間は、被印字物センサからの信号を装置内で検出するまでの時間(1)と、コントローラ部A内で印字設定値から印字するための制御を行う時間(2)と、コントローラ部A内の印字装置から印字ヘッドBに通信するための装置内部通信時間(3)と、印字ヘッドBからインクを噴き出し、印字物までに到達するインク飛行時間(4)とが含まれる。
ここで、これら(1)乃至(4)までの合計時間を制御時間αとする。
【0033】
次に、
図8B(d)にて、マスター装置における上記の印字制御時間がどのように印字に関わるかをより具体的に記述する。
図8B(d)は、マスター装置の印字までの制御時間を表わすタイムチャート126で、最上段は印字物の検知及び印字開始位置を示し、2段目は印字センサの検知状態を示す。3段目及び4段目はマスター装置のエンジン部及びコントローラ部のタイムチャートを示し、5段目はマスター装置の時間Tにおける制御時間の合計を示す。
印字物を検知し、時間T経過後に印字が行われるには、印字制御時間αのほかにも印字待ち時間γが掛かる。ここで、印字待ち時間γとは、エンコーダからの信号より算出した搬送ライン速度と、印字設定値の一つである「被印字物センサと印字ヘッド間の距離」の設定値より計算された時間をいう。
図8A(c)及び
図8B(d)のタイムチャートより、時間T=制御時間α+印字待ち時間γが掛かることが分かる。
(実施例9)
次に、マスター/スレーブ機能が有効のとき、マスター装置に被印字物センサが入力された時点から時間T経過後に、スレーブ装置で印字物に印字する時点までのマスター装置及びスレーブ装置の処理の移動例(
図9A(a))127と、移動例に対応するマスター装置及びスレーブ装置の印字制御時間(
図9A(b))128と、タイムチャート(
図9B(c)、
図9C(d))129,130及びその時間比較(
図9D(e)131について説明する。
図9A(a)は、マスター装置とスレーブ装置の構成を示し、マスター装置で印字物を検知して、スレーブ装置にて印字するまでの制御時間の流れを示す。
また、
図9A(b)は、
図9A(a)の構成図における制御時間を示している。
図9A(a)(b)において、マスター装置及びスレーブ装置における印字物検知から印字までの制御時間は、被印字物センサからの信号をマスター装置内で検出するまでの時間(1)と、スレーブ装置内のコントロール部A内で印字設定値から印字するための制御を行う時間(2)と、スレーブ装置内で内部通信処理に掛かる時間(3)と、印字物にインクを飛ばして印字するインク飛行時間(4)のほかに、マスター装置内で内部通信処理に掛かる時間(5)と、マスター装置内のコントローラ部A内で各種制御を行う時間(6)と、マスター装置/スレーブ装置間の通信応答時間λ(7)が掛かる。
【0034】
この制御時間のうち、(1)〜(4)は
図8A(c)125に示した印字制御時間αである。(5)〜(7)はマスター/スレーブ機能によって新たに追加された時間で、この時間の合計を増加時間βとする。
【0035】
図9B(c)は、
図9A(b)の印字制御時間がどのように印字に関わるかをより具体的に表わしている。
図9B(c)は、改善前のスレーブ装置の印字までの制御時間を表わすタイムチャート129で、最上段は印字物の検知及び印字開始位置を示し、2段目は印字センサの検知状態を示す。
3段目及び4段目はマスター装置のエンジン部及びコントローラ部のタイムチャートを示し、5段目及び6段目はスレーブ装置のエンジン部及びコントローラ部のタイムチャートを示す。最下段は、改善前のスレーブ装置の制御時間の合計を示す。
図9B(c)では、印字待ち時間γが
図8B(d)と同じ時間であるため、印字物の検知から印字までに増加時間β分多く時間を要してしまい印字開始位置に印字できなくなっている。この時間の問題を解決したのが、
図9C(d)131である。
図9C(d)は、改善後のスレーブ装置の印字までの制御時間を表わすタイムチャート129で、各タイムチャートの要素は
図9B(c)のタイムチャートと同じである。
図9C(d)のタイムチャート130は、具体的にはマスター装置から受信した設定値及び応答時間λを参考にして、増加時間βを考慮した新印字待ち時間ωを再計算する制御(
図11のステップ157)をスレーブ装置自身で行う。
これにより、時間T経過後に印字開始位置に印字できるようになる。
図9D(e)は、
図8B(d),
図9B(c)、
図9C(d)のタイムチャートを纏めたものである。
図9C(d)のタイムチャート130は、新印字待ち時間ωを再計算したため、増加時間βがあっても
図8B(d)と同じ時間で印字できることが分かる。
(実施例10)
図10は、マスター/スレーブ機能が有効のとき、被印字物センサが入力されたときのマスター装置内の動作フローチャート132を示す。
図10において、先ず、マスター装置の装置状態を判断する(ステップ133)。装置状態が印字可能な状態でなければプログラムは終了する。装置状態が印字可能な状態のとき、〔有効スレーブリスト〕の装置に対して通信「印字開始」を送信する(ステップ134)。通信「印字開始」は、印字実行を命令するものである。それと同時にエンコーダ信号を任意設定分カウント開始する(ステップ135)。カウント数を判定し(ステップ136)、設定分のカウントが完了したら、カウントを終了する(ステップ137)。
その後、カウント数およびカウント時間より搬送ライン速度を算出する(ステップ138)。
次に、〔有効スレーブリスト〕装置に通信「ライン速度」を送信する(ステップ139)。スレーブ装置では、通信「ライン速度」と印字設定値「被印字物センサと印字ヘッド間の距離」より印字待ち時間ωなどを計算する。
また、算出した搬送ライン速度より印字設定値補正が必要と判断した場合(ステップ140)、印字設定値補正を行い(ステップ141)、補正結果の印字設定値を更新する(ステップ142)。ステップ142まですべて終了したとき、はじめてマスター装置内の印字制御および印字待ち時間γ算出を行い(ステップ143)、印字を実行する(ステップ144)。
(実施例11)
図11は、マスター/スレーブ機能が有効のとき、マスター装置から各種通信を受信した際の、スレーブ装置内での動作フローチャート145を示す。
図11の処理にフローチャート145において、先ず、どの通信を受信したかを判定する(ステップ146)。受信内容が印字設定値のときは、印字設定値を更新する(ステップ147)。その後、印字設定値補正が必要と判別した場合(ステップ148)、印字設定値補正を行い(ステップ149)、印字設定値の補正結果を更新する(ステップ150)。受信内容が通信「印字開始」の場合は、装置状態を判定する(ステップ151)。装置状態が印字可能以外のときは、そのスレーブ装置を無効とする通信「スレーブ無効」をマスター装置に通信する(ステップ152)。受信内容が通信「ライン速度」のときは、受信した搬送ライン速度より印字設定値補正が必要と判断した場合(ステップ153)は、印字設定値補正を行い(ステップ154)、印字設定値の補正結果を更新する(ステップ155)。その後、スレーブ装置内の印字制御及び印字待ち時間γの算出を行う(ステップ155)。この結果と応答時間λより新印字待ち時間ωを計算し(ステップ157)、印字を実行する(ステップ158)。