(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記ローラ軸の他端側には、このローラ軸の回転角度を検出するセンサが設けられていて、上記第2の駆動源による上記ローラ軸の回転駆動を停止するときに、上記センサの検出に基いて上記一対のアーム体が平行となる揺動角度で上記ローラ軸を停止させることを特徴とする請求項2記載のマッサージ装置。
上記樽型ローラと鼓型ローラは、これらが上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることを特徴とする請求項5記載のマッサージ装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1と
図2に示すマットレスタイプのマッサージ装置は矩形平板状の本体1を備えている。この本体1は折り曲げ可能なシート状の合成樹脂によって形成されていて、長手方向中途部から2つに折り曲げることが可能となっている。
【0028】
本体1の上面の幅方向両端部には、ナイロン(商品名)やポリプロピレンなどの合成樹脂によって成形された一対のガイドレール4が平行に離間して敷設されている。このガイドレ−ル4は
図5(a)〜(c)に示すように帯状の基部4aを有し、この基部4aの幅方向両端にはL字状の支持部4bが形成されている。上記基部4aの中途部の上下面にはそれぞれ一対のL字状片4cが対向して突設されている。それによって、上記基部4aの上下面にはそれぞれ通路4dが形成され、また上側の通路4dの側方は後述する車輪29の走行面4eとなっている。
【0029】
上記ガイドレ−ル4は複数の保持具4fによって上記本体1の上面にスライド可能に保持されている。つまり、保持具4fは
図5(a)に示すようにほぼコ字状に形成されていて、中途部を本体1の下面に接合させるとともに、L字状に折曲された両端の係合部4gを上記本体1に形成された一対の通孔1aから本体1の上面側に突出させ、上記ガイドレール4の支持部4bに係合させている。それによって、上記ガイドレール4は上記本体1にスライド自在に保持されている。
【0030】
上記ガイドレ−ル4の中途部の1か所あるいは2か所には、
図5(b)、(c)に示すようにガイドレ−ル4の基部4aを除く部分に所定の間隔で複数のスリット5が形成されている。そのため、ガイドレ−ル4はそのスリット5の部分から上記本体1とともに折り曲げることができるようになっている。
【0031】
図1に示すように、上記本体1の長手方向一端側の上面、つまりガイドレール4の一端側には駆動装置7が設けられている。この駆動装置7はケース8を有し、このケース8内には減速機とモータとが一体化された第1の駆動源9が設けられている。
【0032】
上記第1の駆動源9はケース8の両側に設けられた各一対の歯車11をそれぞれ逆方向に回転駆動するようになっている。各歯車11にはそれぞれ駆動プーリ12が一体的に設けられている。
【0033】
詳細は図示しないが、各一対の駆動プーリ12にはステンレス鋼などの金属帯からなる動力伝達条体としてのベルト13の両端部がそれぞれ巻回されている。上記ベルト13の中途部は
図5(a)に示すように上記ガイドレール4の上側と下側の通路4dに挿通され、上側の通路4dから下側の通路4dに折り返す部分には上記ガイドレ−ル4の他端部に回転自在に設けられた図示しない従動ローラに係合されている。
【0034】
上記第1の駆動源9が作動して各一対の歯車11が逆方向に駆動されると、上記ベルトは一方の歯車11の駆動プ−リ12から繰り出され、他方の歯車11の駆動プ−リ12に巻き取られる。それによって、上記ベルト13は上記通路に沿って走行駆動される。
【0035】
上記ガイドレール4の他端側には肩揉みユニット14が設けられている。肩揉
みユニット14は一対の肩揉み・叩きローラ15を有する。一対の肩揉み・叩きローラ15は上下方向に振動しながら、接離する方向に揺動駆動される。それによって、本体1上に仰臥した利用者の肩の部分を揉んだり、揉みながら叩くようになっている。
【0036】
上記本体1の上面にはガイドレール4に沿ってローラユニット17が走行可能に設けられている。このローラユニット17は上記ベルト13の上記ガイドレール4の上面側の通路4dに挿通された部分に連結されていて、上記ベルト13が上記第1の駆動源9によって走行駆動されることで、このベルト13と連動して上記本体1の長手方向に沿って往復駆動されるようになっている。
【0037】
上面に上記ローラユニット17が設けられた本体1は、
図3と
図4に示すように袋状に縫製された外装地19によって被覆されてマッサージ装置Mが構成されている。この外装地19の上記本体1の上面が和を被覆した部分は耐摩耗性を有する下地(図示せず)と、肌触りの良好な上地19aとの二重構造となっている。
【0038】
上記本体1の長手方向の他端側、つまり肩揉みユニット14が設けられた頭部側の部分には、
図3に示すように上記下地と上地19aとの間に保持されて面状のヒータ21が設けられている。それによって、利用者がマッサージを受けるために、上記本体1の外装地19上に仰臥したとき、上記ヒータ21によって上半身を暖めながらマッサージを受けることができるようになっている。
【0039】
上記外装地19の頭部側にはヘッドレスト部22が設けられ、このヘッドレスト部22にはヘッドレストカバー23が着脱可能に設けられるようになっている。
【0040】
上記外装地19の上記ヘッドレスト部22には、それぞれ帯状布からなる第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの一端が縫着固定されて設けられている。第1の保持部材24aの他端の上面には第1の面状ファスナ25aが設けられ、第2の保持部材24bの他端の下面には第2の面状ファスナ25bが設けられている。
【0041】
図6に示すように、マッサージを受けるために利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥したとき、利用者Uは上記第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの他端側を脇の下を通して胸の上面に回し、上記第1の面状ファスナ25aと第2の面状ファスナ25bを連結することで、上半身を上記マッサージ装置Mに保持できるようになっている。
【0042】
それによって、上記ローラユニット17を往復走行させて利用者Uが背面にマッサージを受けるとき、利用者Uの身体が浮き上がるのを防止してマッサージ効果を高めることができるとともに、上記ローラユニット17の往復走行によって利用者Uの身体が外装地19上で上下方向にずれ動くのを防止するようになっている。
【0043】
さらに、上記マッサージ装置Mの頭部側の下面の幅方向両端部には帯状布からなる一対の固定部材26の一端が連結固定されている。これら固定部材26の他端には面状ファスナ26aがそれぞれ設けられている。
【0044】
上記マッサージ装置Mを
図4に示すように2つに折りたたんだとき、固定部材26の他端に設けられた面状ファスナ26aは上記マッサージ装置Mの側部側の下面に設けられた図示しない面状ファスナに係着させることができるようになっている。それによって、マッサージ装置Mは2つに折り畳まれた状態で保持できるようになっている。
【0045】
つぎに、上記ローラユニット17について説明する。
図7は上記ローラユニット17の平面図、
図8は下面図、
図9は正面図、
図10は縦断面図、
図11は右側面図である。上記ローラユニット17は左右一対のサイドフレーム27を有する。一対のサイドフレーム27は、下端部の幅方向両端部が一対の連結軸28によって連結されている。左右一対のサイドフレーム27と、これらを連結した連結軸28とで上記ローラユニット17の保持体30を構成している。
【0046】
上記連結軸28の両端部には上記一対のガイドレール4の走行面4eを転動する上記車輪29が回転可能に取付けられている。
【0047】
上記連結軸28の軸方向の中央部、つまりローラユニット17の幅方向の中央部には支持体31が幅方向両端部の下面に形成された一対の受け部31aを上記連結軸28に係合固定して設けられている。
【0048】
上記支持体31は側面形状がほぼ三角形状となっていて、その頂部には
図10に示すように支持孔32が形成されている。この支持孔32にはローラ軸33の軸方向の中途部が回転可能に挿通支持されている。
【0049】
図10に示すように、上記ローラ軸33の一端部と他端部はそれぞれ上記一対のサイドフレーム27に形成された支持孔27aに回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の一方のサイドフレーム27内に突出した一端には歯車34が嵌合され、この歯車34は一方のサイドフレーム27内に設けられたパルスモータからなる第2の駆動源35(
図7に破線で示す)の出力軸に設けられた歯車(ともに図示せず)に噛合している。それによって、上記ローラ軸33は上記第2の駆動源35によって回転駆動されるようになっている。
【0050】
図11に示すように、上記ローラ軸33の他端には細い帯状の検出部材36が径方向外方に突出して設けられている。この検出部材36は上記ローラ軸33とともに回転し、上記サイドフレーム27に設けられた光センサ37によって検出されるようになっている。
【0051】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転駆動を停止するとき、上記第2の駆動源35は停止信号を受けてから上記検出部材36が上記光センサ37によって検出された後、設定されたパルス数だけ上記ローラ軸33を回転させて停止させるようになっている。それによって、上記ローラ軸33を常に同じ回転角度で停止させることができるようになっている。
【0052】
上記ローラ軸33の上記支持体31の両側には一対の補助マッサージローラ38が回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の上記一対の補助マッサージローラ38の両側には揉みマッサージ部41が設けられている。
【0053】
上記揉みマッサージ部41は一対のアーム体42を有する。このアーム体42は、
図10及び
図13、
図14に示すように周辺部全長にわたってフランジ43aが設けられた第1の部材43と、この第1の部材43のフランジ43a内に嵌め込まれて取付けられる第2の部材44を有する。
【0054】
上記第1の部材43の長手方向両端部の高さ方向上部には揉みローラ45が回転可能に支持されている。各揉みローラ45は、耐摩耗性を有するとともに、
図7に示すように耐摩耗性を有して滑り易い布地で作られた袋部材46によって被覆されている。それによって、揉みローラ45が上記外装地19との摩擦によって早期に磨耗するのを防止している。
【0055】
図13は、上記アーム体42の第1の部材43に第2の部材44が取付けられた状態を示し、
図14は第2の部材44が取り外された第1の部材43を示している。
【0056】
図14に示すように、上記第1の部材43の長手方向の中央部には矩形状の開口部47が開口形成されている。この開口部47の両側部と上下部にはそれぞれ凹部48が形成されている。上記第1の部材43の内面側には上下部及び両側部にそれぞれガイド片49を有するスライダ51が上記ガイド片49を上記凹部48にスライド可能に係合させて上記第2の部材44とで保持されている。
【0057】
上記スライダ51の中心部には嵌合孔52が形成されている。この嵌合孔52には偏心カム体53に設けられた偏心カム部54が回転可能に嵌挿されている。
図9と
図10に示すように、上記嵌合孔52に装着された上記偏心カム部54の端面には押え部材55がねじ止め固定されている。それによって、上記偏心カム体53が上記嵌合孔52から外れないようになっている。
【0058】
図10と
図14に示すように、上記偏心カム体53には挿通孔56は形成され、この挿通孔56には上記ローラ軸33が挿通されている。ローラ軸33はキー57によって上記偏心カム体53と一体的に回転するよう連結されている。
【0059】
上記偏心カム部54は、
図10に示すように上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、しかも所定の角度で傾斜して形成されている。
【0060】
上記支持体31の外側に設けられた一対のアーム体42は、上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対し、規制体61によって長手方向、つまり両端部が上下方向に揺動する角度が制限されるようになっている。
【0061】
上記規制体61は
図9に示すように上記偏心カム体53の両側に設けられた一対の規制板62を有する。この規制板62は
図12に示すように三角形状をなしていて、その頂部に形成された上部取付け孔63に上記ローラ軸33が回転可能に挿通されている。
【0062】
上記規制板62の下辺には3つの下部取付け孔64が一列に形成されている。上記偏心カム体53を挟んで対向する一対の規制板62の上記下辺の両端に位置する一対の下部取付け孔64間にはスリーブ65が設けられ、このスリーブ65は連結ねじ66によって一対の規制板62に取付け固定されている。
【0063】
図8と
図9に示すように、上記支持体31側に位置する上記規制板62の下端の外面には、一方のスリーブ65と対応する位置と、上記規制板62の下辺の中途部に位置する下部取付け孔64の箇所に、それぞれストッパ67がねじ止め固定されている。
【0064】
各一対のストッパ67は上記支持体31の両側面の下端部に突設された係止部68を挟んで設けられている。上記ストッパ67と上記係止部68とでストッパ手段を構成している。
【0065】
一対の規制板62を所定間隔で連結した一対のスリーブ65のうちの一方は、
図9と
図14に示すように上記アーム体42の長手方向一端部の下部に形成された連結孔69に
図9に示す球体軸受70を介して360度方向に揺動可能に連結されている。
【0066】
すなわち、上記アーム体42は上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対して上記規制体61と一体的に揺動するようになっている。
【0067】
そして、上記アーム体42の長手方向に沿う揺動は、上記規制体61の規制板62に設けられた一対のストッパ67が上記支持体
31に設けられた係止部68に当たることで制限されるようになっている。
【0068】
したがって、上記アーム体42に設けられた一対の揉みローラ45が利用者Uの背面をマッサージしながら上記ローラユニット17によって走行駆動されるとき、利用者Uの背面の凹凸形状が大きくても、上記一対のストッパ67によって上記アーム体42が上下方向に大きく揺動するのが制限されるようになっている。
【0069】
一方、上記ローラ軸33が上記第2の駆動源35によって回転駆動されると、この回転に上記偏心カム体53が連動する。この偏心カム体53の偏心カム部54は上記アーム体42にスライド可能に保持されたスライダ51の嵌合孔52に回転可能に嵌合されている。上記偏心カム部54は上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、かつ所定の角度で傾斜している。
【0070】
そのため、上記ローラ軸33とともに上記偏心カム体53が回転すると、一対のアーム体42は上下方向に傾動しながら、
図15(a)、(b)に示すように長手方向一端と他端とが交互に接離する方向に揺動運動する。それによって、一対のアーム体42の長手方向一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uは身体の背面に揉みに夜マッサージを受けることができるようになっている。
【0071】
なお、上記偏心カム体53の回転に応じて上記スライダ51が上記アーム体42の長手方向に沿ってスライドするため、上記アーム体42は長手方向に対して動くことなく揺動するようになっている。
【0072】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転を停止させるために停止操作をすると、上述したように光センサ37が上記ローラ軸33の端部に設けられた検出部材36を検出してから、所定パルス後に上記ローラ軸33を停止させる。それによって、一対のアーム体42は
図15(c)に示すように平行な状態で停止するようになっている。
【0073】
上記ローラ軸33には、上記一対の揉みマッサージ部41の外側にそれぞれ側部マッサージ部71が設けられている。上記側部マッサージ部71は
図16図17に示すように構成されている。すなわち、上記側部マッサージ部71は所定間隔で平行に離間対向した一対の円盤72を有する。一対の円盤72の中心部には中空軸73によって連結されている。この中空軸73には上記ローラ軸33が回転可能に挿通される。
【0074】
上記中空軸73の内周面の軸方向一端部には一方向クラッチ74が設けられている。この一方向クラッチ74は
図18(a),(b)に示すように上記中空軸73の内周面に周方向に所定間隔で形成された凹部75を有する。この凹部75の周方向に沿う一端部は他の部分よりも上記凹部75を浅くするテーパ面76に形成されている。上記凹部75にはクラッチ軸77がばね78によって上記テーパ面76側に付勢されて設けられている。
【0075】
上記ローラ軸33が
図18(a)に矢印Aで示す反時計方向(この方向を逆転方向とする。)に回転駆動されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力によって上記凹部75内を上記テーパ面76側に移動する。それによって、上記クラッチ軸77が上記ローラ軸33の外周面に圧接するから、上記中空軸73が上記ローラ軸33に結合される。つまり、一方向クラッチ74が噛み合うことになる。
【0076】
上記ローラ軸33が
図18(b)に矢印Bで示す時計方向(この方向を正転方向とする。)に回転されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力に抗して上記凹部75内を上記テーパ面76から離れる方向に移動する。それによって、上記ローラ軸33の回転に対して上記中空軸73が回転しない状態となる。つまり、ローラ軸33に対して上記中空軸73が空回転する。
【0077】
図16に示すように、上記一対の円盤72の周辺部には複数の支軸79が周方向に所定間隔で回転可能に支持されている。複数の支軸79には、周方向に対して交互に側部ローラとしての樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが取付けられている。
【0078】
上記樽型ローラ81の頂部81aは対向する一対の円盤72間の中心部に位置し、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aは上記樽型ローラ81の頂部81aに対して軸方向にずれた位置にある。
【0079】
したがって、上記ローラユニット17が上記第1の駆動源9によって上記ガイドレール4に沿って走行駆動されると、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが利用者Uの背面、とくに大腿部から脹脛の部分である、脚部の背面をマッサージする。
【0080】
そのとき、脚部の背面は上記樽型ローラ81の1つの頂部81aと、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aとの、合計3つの頂部によって強くマッサージされる。そのため、従来のように単に樽型のローラによって脚部の背面をマッサージする場合に比べ、利用者Uの脚部に対するしマッサージ効果を高めることができる。
【0081】
なお、上記側部マッサージ部71の上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82は
図19と
図20に示すように耐摩耗性を有するとともに、滑り易い布地で形成された袋部材84によって被覆される。それによって、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82が早期に磨耗したり、上記外装地19が早期に損傷するのを防止するようになっている。
【0082】
図21は制御系統図を示す。同図中86は制御装置である。この制御装置86は
図1に示すように上記本体1に設けられている。この制御装置86には操作部としてのリーモーとコントローラ87が接続されている。リーモーとコントローラ87は
図3にも示されている。
【0083】
上記リーモーとコントローラ87には、詳細は図示しないが、マッサージ装置Mによる種々のマッサージのパターン、たとえば肩揉みローラ15、揉みマッサージ部41の揉みローラ45及び側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によるマッサージのパターンを設定できるようになっている。
【0084】
上記制御装置86は上記リーモーとコントローラ87からの操作信号に基いて上記第1の駆動源9、第2の駆動源35及びヒータ21の駆動を制御する。上記光センサ37の検出信号は上記制御装置86に出力され、それによって上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転が設定された角度で停止するよう制御される。つまり、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が平行になる位置で停止させられる。
【0085】
つぎに、上記構成のマッサージ装置Mの使用形態について説明する。
利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥して胸部を
図6に示すように第1、第2の保持部材24a,24bによって保持したならば、利用者Uはリモートコントローラ87によって所望するマッサージコースを選択する。
【0086】
たとえば、ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、第2の駆動源35を作動させずにマッサージを受けることができる。その場合、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42は
図15(c)に示すように平行な状態で停止しているから、一対のアーム体42の長手方向両端に設けられた揉みローラ45によって利用者は脊柱の両側にマッサージを受けることができる。
【0087】
このとき、側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82は回転しながら、利用者Uの背面の上記揉みローラ45によるマッサージの部位よりも外側の部分をマッサージすることになる。
【0088】
したがって、利用者Uは背面の広い範囲にわたってマッサージを受けることができ、しかも脚部においては樽型ローラ81の頂部81aと鼓型ローラ82の2つの頂部82aによって強いマッサージを受けることができる。
【0089】
上記ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、上記リモートコントローラ87の操作によって第2の駆動源35を作動させ、ローラ軸33を
図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させる。
【0090】
それによって、上記揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動されるから、一対のアーム体42の長手方向の一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uの背面の脊柱の両側が揉みマッサージされながら、押圧マッサージされることになる。
【0091】
上記ローラ軸33を
図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させると、側部マッサージ部71は一方向クラッチ74のクラッチ軸77とローラ軸33との噛み合いが外れるから、上記ローラ軸33に対して側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた一対の円盤72を連結した中空軸73が空回転する。
【0092】
それによって、側部マッサージ部71はローラ軸33によって回転駆動されることなく走行するから、この円盤72に設けられた樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが支軸79に対して回転しながら利用者Uの背面、とくに脚部の背面を強くマッサージすることになる。
【0093】
上記側部マッサージ部71によって脚部背面に強いマッサージを受けたい場合には、上記リモートコントローラ87の操作によって上記第1の駆動源9による上記ローラユニット17の走行駆動を所望する部位で停止させる。そして、その部位で上記ローラ軸33を
図18(a)に矢印Aで示す反時計方向に回転させる。
【0094】
上記ローラ軸33が矢印A方向に回転すると、一方向クラッチ74のクラッチ軸77がローラ軸33に噛み合うから、ローラ軸33と一体的に樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた側部マッサージ部71が回転する。
【0095】
それによって、利用者Uは背面の所望する部位をローラ軸33とともに回転する側部マッサージ部71の各複数の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によってマッサージを受けることができるから、利用者Uは側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的回転させない場合に比べて強いマッサージを受けることができる。
【0096】
上記第1の駆動源9によって上記ローラユニット17を本体1の長手方向に対して往復動させながら、上記側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的に回転させるようにしてもよい。そうすれば、利用者Uは背面の全身にわたって揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71とによって十分に強いマッサージを受けることができる。
【0097】
しかも、側部マッサージ部71は側面形状がV字状の鼓型ローラ82を有することで、利用者Uの脚部が鼓型ローラ82のV字状の部分で支持され、左右方向にずれ難くなる。つまり、脚部が側部マッサージ部71の樽型ローラ81や鼓型ローラ82から外れ難いから、従来の椅子式やマットレスタイプのマッサージ装置に比べて脚部に対するマッサージ効果を向上させることができる。
【0098】
上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって利用者Uがマッサージを受ける場合、肩揉みユニット14の肩揉みローラ15を上記リモートコントローラ87の操作によって選択的に作動させることができる。
【0099】
このようにして利用者Uがマッサージを受ける際、利用者Uは上半身が第1、第2の保持部材24a,24bによって保持されている。そのため、利用者Uの背面が上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって押圧されても、身体がマッサージ装置Mの上面で浮き上がってマッサージ効果が低下したり、ローラユニット17の動きによって上下方向にずれ動くのが防止されるから、マッサージ効果を高めることができる。
【0100】
なお、上述した各種のマッサージのパタンーンは、上記リモートコントローラ87の操作によって自動或いは手動で行うことができる。
【0101】
上記揉みマッサージ部41の揉みローラ45と、上記側部マッサージ部71の樽型ローラ81及び鼓型ローラ82はそれぞれ耐摩耗性を有するとともに滑り易い布地で作られた袋部材46,84によって被覆されている。
【0102】
そのため、上記揉みローラ45、樽型ローラ81及び鼓型ローラ82は外装地19の内面との摺接によって早期に磨耗するのが防止されるばかりか、外装地19も早期に損傷するのが防止される。
【0103】
上記一実施の形態では、一対の側部ローラ部をローラ軸と一体的に回転させるため、ローラ軸と側部ローラ部の中空軸との間に一方向クラッチを設け、上記ローラ軸の回転方向に応じて上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしたが、たとえば上記中空軸を上記ローラ軸に対してキーによって回転不能に取付け、上記ローラ軸の回転方向に係わらず、上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしてもよい。