特許第5723837号(P5723837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5723837
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】ブレード着脱装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 45/00 20060101AFI20150507BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   B24B45/00 A
   H01L21/78 F
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-159955(P2012-159955)
(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-18915(P2014-18915A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2014年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新田 一法
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−130991(JP,A)
【文献】 特開2009−269131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 45/00
H01L 21/301
B28D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を切削加工する切削加工装置のスピンドルに設けた切削用ブレードの装着部位に対して、ブレード挟持用フランジ及びブレード着脱用ナットを含む着脱具を用いて切削用ブレードを着脱操作するブレード着脱装置であって、
前記ブレード装着部位に対してブレード挟持用フランジを着脱操作するフランジ把持部と、前記ブレード装着部位に対してブレード着脱用ナットを着脱操作するナット回転支持部とを含み、
また、前記フランジ把持部は、スリーブ状のフランジ把持部本体と、前記フランジ把持部本体における周方向の等間隔位置に設けた少なくとも三個のフランジ把持手段と、前記各フランジ把持手段の操作部材とから構成し、
更に、前記各フランジ把持手段は、基部側を軸支させた係合爪を前記軸支点を中心として前記フランジ把持部本体の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪を弾性部材の弾性にて前記フランジ把持部本体の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、
また、前記各フランジ把持手段の操作部材は、前記フランジ把持部本体の外周面に嵌装すると共に、前記フランジ把持部本体の軸方向へ摺動させて前記各フランジ把持手段における前記係合爪を、前記弾性部材の弾性に抗して、前記フランジ把持部本体の軸心側となる前記フランジ把持部本体の内方向へ同時に回動させる係合爪の閉操作を行うことによって前記各係合爪を前記ブレード挟持用フランジの外周面に形成した係合用外周溝に同時に係合するように設け、逆に、前記各係合爪を前記弾性部材の弾性にて前記フランジ把持部本体の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪の開操作を行うことによって、前記各係合爪を前記ブレード挟持用フランジの係合用外周溝から同時に離脱するように構成し、
また、前記ナット回転支持部は、フランジ把持部本体の軸心部に形成した孔部に回転自在に枢着させた回転軸部と、前記回転軸部の前面位置に固着させたナット回転操作部と、前記回転軸部の後面位置に着脱自在に装着した前記回転軸部の回転操作部材23とから構成し、
また、前記ナット回転操作部の前面位置における周方向の等間隔位置には、前記ブレード着脱用ナットに設けた係合孔と嵌合させる少なくとも二個のナット回転支持部材を突設し、
また、前記回転軸部には、前記フランジ把持部本体の孔部からの離脱を防止するための抜止部材を止着し、
更に、前記フランジ把持手段における各係合爪の先端爪部の内側位置に前記ブレード着脱用ナットの係合止着手段を配設すると共に、前記ブレード着脱用ナットを前記ナット回転操作部のナット回転支持部材に嵌合させた状態で前記ナット回転操作部を後面側へ移動させたとき、前記係合止着手段を介して前記ブレード着脱用ナットを係合止着させることにより、前記ブレード着脱用ナットが前面側へ移動するのを防止するように構成したことを特徴とするブレード着脱装置。
【請求項2】
前記少なくとも三個のフランジ把持手段の操作部材における外周面に滑止め手段を設けて構成したことを特徴とする請求項1に記載のブレード着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の被加工物の所定位置を切断するための切削加工装置に装設して用いられる切削用ブレード(回転切削刃)の着脱装置に関し、より詳細には、切削加工装置におけるスピンドル(高速回転軸)の先端部に設けた切削用ブレードの装着部位に対して切削用ブレードを装着する際に、或は、切削用ブレードの交換時等にこれを該先端装着部位から取り外す際に使用するブレード着脱装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の被加工物の所定位置を切断して最小単位に分割加工するための切削加工装置に装設する切削用ブレードは、例えば、ブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジを介して切削加工装置におけるスピンドルの先端装着部位に装着すると共に、切削用ブレードの消耗や破損等により、または、被加工物の種別変更や加工内容の変更等に対応して、適宜に交換する必要がある。
【0003】
ところで、特許文献1(特開2005−191096号公報)に開示するブレード着脱装置は、図11(1) に示すように、切削用ブレード50をスピンドル51における先端装着部位に装着させる場合、切削用ブレード50を二枚のフランジの間、即ち、スピンドル51の先端装着部に固着したブレード固定用フランジ52及び該ブレード固定用フランジ52に対して着脱自在となるように設けたブレード挟持用フランジ53との両者間に挟持させると共に、ブレード着脱用ナット54を介して、ブレード挟持用フランジ53をブレード固定用フランジ52に対して固着することにより、切削用ブレード50をスピンドル51の先端装着部位に装着させるようにした構成である。
更に、スピンドル51の先端装着部位に装着したブレード着脱用ナット54側のブレード挟持用フランジ53を把持した状態でブレード着脱用ナット54を回転させると共に、ブレード着脱装置本体55側に設けた係止爪56を介して、把持したブレード挟持用フランジ53及び該先端装着部位から取り外したブレード着脱用ナット54をブレード着脱装置本体55に同時に保持させることができる。
従って、この構成によれば、図11(2) に示すように、上記手順によって、スピンドル51の先端装着部位からブレード着脱用ナット54及びブレード挟持用フランジ53を同時に取り外すことができる。そして、上記手順とは逆の手順によって、スピンドル51の先端装着部位にブレード着脱用ナット54及びブレード挟持用フランジ53を同時に装着させることができる。
【0004】
また、このブレード着脱装置は、ブレード挟持用フランジ53を把持しながらブレード着脱用ナット54を回転させてブレード着脱用ナット54をスピンドル51の先端装着部位から取り外すことができる。
そして、ブレード着脱用ナット54をスピンドル51の先端装着部位から取り外した後においては、ブレード着脱用ナット54及びブレード挟持用フランジ53をブレード着脱装置本体55に保持させた状態を維持することができるので、該両者をブレード着脱装置本体55から脱落させると云った作業ミスを防止することができる。
【0005】
しかしながら、その反面、スピンドル51の先端装着部位に対して、切削用ブレード50とブレード挟持用フランジ53及びブレード着脱用ナット54の夫々を個別に装着する方が好ましい場合もある。
例えば、まず、スピンドル51の先端装着部位(ブレード固定用フランジ52)に対して切削用ブレード50を嵌合させ、次に、ブレード挟持用フランジ53を嵌合させる。そして、その次に、該先端装着部位におけるブレード固定用フランジ52とブレード挟持用フランジ53との両フランジによる切削用ブレード50の挟持装着状態等を確認しながら、該先端装着部位のネジ部60にブレード着脱用ナット54を螺合させ且つ堅締させるような場合は、切削用ブレード50とブレード挟持用フランジ53及びブレード着脱用ナット54の夫々を個別に装着する方が効率良く且つスムーズに装着操作を行うことができる。
【0006】
また、このブレード着脱装置を用いて、スピンドル51の先端装着部位に対してブレード着脱用ナット54のみの着脱操作を行うような場合は、特に、次のような問題がある。
即ち、このブレード着脱装置では、スピンドル51の先端装着部位に対してブレード着脱用ナット54を着脱する場合、ブレード着脱装置本体55側に設けた係合ピン57をブレード着脱用ナット54の係合孔58に嵌合させた状態でブレード着脱用ナット54を回転操作させるように設けている。そして、スピンドル51の先端装着部位から取り外した後のブレード着脱用ナット54は、ブレード着脱装置本体55の係合ピン57をブレード着脱用ナット54の係合孔58に嵌合させた状態でブレード着脱装置本体55の前面(上面)に係止させている。
更に、ブレード挟持用フランジ53は、係止爪56を介して、ブレード着脱装置本体55の前面に係止させたブレード着脱用ナット54の更に前面位置において該ブレード着脱用ナット54を嵌合し且つこれを収容するような状態で係合止着させている。
このため、ブレード着脱用ナット54は、係止爪56により係合止着させたブレード挟持用フランジ53を介して、ブレード着脱装置本体55の前面に保持させる構成となっている。
従って、例えば、図12(1) 及び図12(2) に示すように、ブレード着脱装置本体55の外周面に嵌合させた操作部材59を介して、ブレード挟持用フランジ53に対する係止爪56の係合止着状態を解除し、この状態でブレード着脱用ナット54のみの着脱操作を行うような場合は、ブレード着脱用ナット54は単に係合ピン57に嵌合させたものであるため、ブレード着脱用ナット54に対する確実な係合止着状態を保持することができず、この作業中においてブレード着脱用ナット54が係合ピン57から外れて落下すると云った作業上の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−191096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ブレード着脱装置にブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジを同時に保持させることによって該両者がブレード着脱装置から脱落するのを防止することができると共に、スピンドルの先端装着部位に対してブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジを同時に着脱することができるのみならず、スピンドルの先端装着部位に対してブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジを個々に着脱することができるように構成して、スピンドルの先端装着部位に対するブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジの多様な着脱作業(着脱操作)に適応することができるブレード着脱装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、スピンドルの先端装着部位に対してブレード着脱用ナットのみの着脱操作を行う場合においても、ブレード着脱用ナットがブレード着脱装置から外れて落下すると云った作業上の問題を解消することができるブレード着脱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るブレード着脱装置は、被加工物を切削加工する切削加工装置のスピンドルBに設けた切削用ブレードCの装着部位に対して、ブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEを含む着脱具を用いて切削用ブレードCを着脱操作するブレード着脱装置であって、
前記ブレード装着部位に対してブレード挟持用フランジDを着脱操作するフランジ把持部1と、前記ブレード装着部位に対してブレード着脱用ナットEを着脱操作するナット回転支持部2とを含み、
また、前記フランジ把持部1は、スリーブ状のフランジ把持部本体10と、前記フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に設けた少なくとも三個のフランジ把持手段11と、前記各フランジ把持手段11の操作部材12とから構成し、
更に、前記各フランジ把持手段11は、基部側(後方側)を軸支11bさせた係合爪11aを前記軸支点11bを中心として前記フランジ把持部本体10の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪11aを弾性部材11dの弾性にて前記フランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、
また、前記各フランジ把持手段11の操作部材12は、前記フランジ把持部本体10の外周面に嵌装すると共に、前記フランジ把持部本体10の軸方向へ摺動させて前記各フランジ把持手段11における前記係合爪11aを、前記弾性部材11dの弾性に抗して、前記フランジ把持部本体10の軸心側となる前記フランジ把持部本体10の内方向へ同時に回動させる係合爪11aの閉操作を行うことによって前記各係合爪11aを前記ブレード挟持用フランジDの外周面に形成した係合用外周溝D1に同時に係合するように設け、逆に、前記各係合爪11aを前記弾性部材11dの弾性にて前記フランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪11aの開操作を行うことによって、前記各係合爪11aを前記ブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1から同時に離脱するように構成し、
また、前記ナット回転支持部2は、フランジ把持部本体10の軸心部に形成した孔部10aに回転自在に枢着させた回転軸部21と、前記回転軸部21の前面位置に固着させたナット回転操作部22と、前記回転軸部21の後面位置に着脱自在に装着した前記回転軸部21の回転操作部材(トルクドライバ)23とから構成し、
また、前記ナット回転操作部22の前面位置における周方向の等間隔位置には、前記ブレード着脱用ナットEに設けた係合孔E1と嵌合させる少なくとも二個のナット回転支持部材24を突設し、
また、前記回転軸部21には、前記フランジ把持部本体10の孔部10aからの離脱を防止するための抜止部材(抜止用リング)25を止着し、
更に、前記フランジ把持手段11における各係合爪11aの先端爪部11cの内側(フランジ把持部本体10の軸心側)の位置に前記ブレード着脱用ナットEの係合止着手段13を配設すると共に、前記ブレード着脱用ナットEを前記ナット回転操作部22のナット回転支持部材24に嵌合させた状態で前記ナット回転操作部22を後面側(後方)へ移動させたとき、前記係合止着手段13を介して前記ブレード着脱用ナットEを係合止着させることにより、前記ブレード着脱用ナットEが前面側(前方)へ移動するのを防止するように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るブレード着脱装置は、前記少なくとも三個のフランジ把持手段11の操作部材12における外周面に滑止め手段12aを設けて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るブレード着脱装置によれば、ブレード着脱装置にブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを同時に保持させることによって該両者がブレード着脱装置から脱落するのを防止することができる。
また、スピンドルBの先端装着部位に対してブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを同時に着脱することができる。
また、スピンドルBの先端装着部位に対してブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを個々に着脱することができる。
従って、スピンドルBの先端装着部位に対する該ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDの多様な着脱作業(着脱操作)に適応することができる。
更に、スピンドルBの先端装着部位に対してブレード着脱用ナットEのみの着脱操作を行う場合においても、ブレード着脱用ナットEを誤って脱落させる等の作業上の弊害・問題点を解消することができる。
【0012】
また、前記操作部材12の外周面に滑止め手段12aを設けて構成したことにより、操作部材12の摺動操作を、より効率良く且つ確実に行うことができるため、フランジ把持手段11における先端爪部11cの係脱作業を適確に補助させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(1) は、本発明に係るブレード着脱装置の全体を示す概略平面図であり、ブレード着脱装置の前面部を切削加工装置におけるスピンドル先端部に接合させた状態を示している。また、図1(2) は、ブレード着脱装置の前面部を示す概略正面図である。
図2図2は、図1(1) に対応するブレード着脱装置であり、図1(2) のA−A線における要部を拡大して示す概略縦断面図である。なお、図には、フランジ把持部の係合爪と、ナット回転支持部のナット回転支持部材、及び、ブレード着脱用ナットの係合孔の各位置を同じA−A線上において図示している。
図3図3は、図2に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、フランジ把持部における係合爪を外方向へ回動させて係合爪とブレード挟持用フランジとを非係合状態とした場合を示している。
図4図4は、図3に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、フランジ把持部における係合爪を内方向へ回動させて係合爪とブレード挟持用フランジとを係合状態とした場合を示している。
図5図5は、図4に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、ナット回転支持部をスピンドル先端部側へ押動してナット回転支持部のナット回転支持部材とブレード着脱用ナットの係合孔とを係合状態とした場合を示している。
図6図6は、図5に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、ナット回転支持部を回転させてブレード着脱用ナットをスピンドル先端部から取り外してブレード着脱装置側に係合止着させた状態を示している。
図7図7は、図6に対応するブレード着脱装置の一部拡大縦断面図である。
図8図8は、図6に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、ブレード着脱装置にスピンドル先端部のブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジの両者を同時に係合止着させた状態で取り外した場合を示している。
図9図9は、図8に対応するブレード着脱装置の縦断面図で、フランジ把持部における係合爪を外方向へ回動させて係合爪とブレード挟持用フランジとの係合状態を解除してブレード挟持用フランジを取り外した状態を示している。
図10図10は、本発明に係る第二実施例を示す他のブレード着脱装置の全体を示す概略平面図であり、ブレード着脱装置の前面部を切削加工装置におけるスピンドル先端部に接合させた状態を示している。
図11図11は、従来のブレード着脱装置の要部を示す縦断面図であり、図11(1) はブレード着脱装置の前面部を切削加工装置におけるスピンドル先端部に接合させた状態を示している。また、図11(2) は、ブレード着脱装置にスピンドル先端部のブレード着脱用ナット及びブレード挟持用フランジの両者を同時に係合止着させた状態で取り外した状態を示している。
図12図12は、図11に対応する従来のブレード着脱装置の縦断面図で、図12(1) はフランジ把持部における係合爪とブレード挟持用フランジとを非係合状態とした場合を示しており、図12(2) は、ブレード着脱装置にブレード着脱用ナットのみを係合させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1乃至図9に示す本発明の第一実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係るブレード着脱装置を示している。
このブレード着脱装置は、半導体ウェハ等の被加工物の所定位置を切断して最小単位に分割加工するための切削加工装置におけるスピンドルBの先端装着部位に対して、切削用ブレードCとブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEを着脱操作する場合に用いるものである。
【0016】
また、このブレード着脱装置は、切削加工装置におけるスピンドルBの先端部に設けたブレード装着部位に対して、ブレード挟持用フランジDを着脱操作するフランジ把持部1と、ブレード着脱用ナットEを着脱操作するナット回転支持部2とを含んでいる。
【0017】
また、フランジ把持部1は、スリーブ状のフランジ把持部本体10と、フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に設けた少なくとも三個のフランジ把持手段11と、三個のフランジ把持手段11の操作部材12とを備えている。
なお、このフランジ把持手段11は、必要とされる最少限のフランジ把持機能を備えた簡略な構造を目的として、フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に三個を配設した場合を図示しているが、ブレード挟持用フランジDの構造や重量、その他の要請事項に対応して、フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に、これよりも多い個数のフランジ把持手段11を配設するように構成しても差し支えない。
【0018】
また、三個のフランジ把持手段11は、図2に示すように、係合爪11aの基部側(図においては、後方側となる下端部)をフランジ把持部本体10に軸支(11b)すると共に、係合爪11aの先端爪部(図においては、前方側となる上端部)11cが軸支点(11b)を中心としてフランジ把持部本体10の半径方向へ回動可能となるように設けている。
更に、係合爪11aの基部側には、バネ等の適宜な弾性部材11dを配設することにより、弾性部材11dの弾性にて、係合爪の先端爪部11cをフランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢している。
また、各係合爪11aの先端爪部11cにおける内側(フランジ把持部本体10の軸心側)の位置には、後述するブレード着脱用ナットEの係合止着手段13を配設している。
【0019】
また、フランジ把持手段11の操作部材12は、フランジ把持部本体10の外周面に、軸方向(図においては、前後方向となる上下方向)への摺動が可能となるように嵌装している。
そして、図3に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(図においては、後方となる下方向)へ摺動させて、係合爪11aを弾性部材11dの弾性にてフランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪11aの開操作を行うことによって、各係合爪の先端爪部11cをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1から同時に離脱させることができるように設けている。
また、これとは逆に、図4に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(図においては、前方となる上方向)へ摺動させて、三個のフランジ把持手段11における係合爪11aを弾性部材11dの弾性に抗してフランジ把持部本体10の軸心側となる該フランジ把持部本体の内方向へ同時に回動させる係合爪11aの閉操作を行うことによって、各係合爪11aの先端爪部11cをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1に同時に係合させることができるように設けている。
【0020】
また、ナット回転支持部2は、フランジ把持部本体10の軸心部に形成した孔部10aに回転自在に枢着させた回転軸部21と、回転軸部の前面位置(図においては、上端面)に固着させたナット回転操作部22と、回転軸部の後面位置(図においては、下端面)に着脱自在に装着した回転操作部材23とを備えている。
なお、この回転軸部21に対して着脱自在に装着させる回転操作部材23として、図には、着脱式のトルクドライバを例示しているが、回転軸部21を回転操作することができる他の回転操作部材を採用し得ることは明らかである。
【0021】
また、ナット回転操作部22の前面位置における周方向の等間隔位置には、少なくとも二個のナット回転支持部材24を突設させている。
このナット回転支持部材24は、切削加工装置におけるスピンドルBの先端装着部位に装着させたブレード着脱用ナットEにおける係合孔E1の数や位置及び形状等に対応して配設すればよい。
また、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を回転させることにより、ナット回転操作部22上のナット回転支持部材24をブレード着脱用ナットEの係合孔E1に係合させた状態で、ブレード着脱用ナットEを回転操作することができるように設けている。
なお、このナット回転支持部材24は、必要とされる最少限のナット回転支持機能を備えた簡略な構造を目的として、ナット回転操作部22の前面位置における周方向の等間隔位置に二個を配設した場合を図示しているが、ブレード着脱用ナットEに形成した係合孔E1の構造や数、その他の要請事項に対応した形状や数等を配設して構成するようにしても差し支えない。
また、ナット回転支持部材24はナット回転操作部22の前面位置に固設した場合を図示しているが、ブレード着脱用ナットEの厚さや係合孔E1の形状等に対応できるように、例えば、ナット回転支持部材24をバネ等の弾性部材の弾性にて軸方向(図においては、前方となる上方向)へ弾性突出させて、軸方向への進退調整が可能となる弾性伸縮手段(図示なし)を併設するように構成しても差し支えない。
【0022】
ナット回転操作部22は、ブレード着脱用ナットEの形状に対応させて、回転軸部21の軸径よりも大径となるように形成しており、また、このナット回転操作部22と回転軸部21とは一体に固着させている。このため、回転軸部21がフランジ把持部本体10の後面側からは離脱しない構成となっている。
そこで、回転軸部21の後面側における所定位置に適宜な抜止部材(抜止用リング)25を止着することにより、フランジ把持部本体10に対してナット回転操作部22及び回転軸部21を嵌合装着させることができると共に、フランジ把持部本体10に対してこのナット回転操作部22及び回転軸部21を回転自在に装設することができる。
【0023】
また、ブレード着脱用ナットEの係合止着手段13は、本体13aに内装したバネ等の弾性部材13bの弾性によってボール13cを弾性突出させる、所謂、ボールプランジャの機能を備えている。
更に、この係合止着手段13は、各係合爪11aの先端爪部11cにおける内側(フランジ把持部本体10の軸心側)の位置に配置している。
そして、このボール13cは、後述するブレード着脱用ナットEの取り外し操作時においては、弾性部材13bの弾性に抗してブレード着脱用ナットEの後面側(下方)への移動を許容するために本体13a内へ退避することができると共に、ブレード着脱用ナットEが後面側へ移動した後は弾性部材13bの弾性にてボール13cを弾性突出させ且つブレード着脱用ナットEに係合止着させることにより、ブレード着脱用ナットEが前面側(前方)へ移動するのを防止することができるように構成している(図6及び図7参照)。
【0024】
なお、フランジ把持部本体10の後面位置には、フランジ把持手段11の操作部材12が後面側から離脱するのを防止するための適宜なストッパ部材14を装着している。
【0025】
また、符号B1は、ブレード固定用フランジであり、通常は、スピンドルB側に固着した状態で用いるものである。
また、符号B2は、ブレード固定用フランジB1の先端部に形成したネジ部である。
【0026】
次に、図1乃至図9を参照して、切削加工装置におけるスピンドルBの先端装着部位に対して、ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを着脱する場合について詳述する。
なお、切削加工装置に併設する機能の一つに、所謂、スピンドルのロック機構がある。
このロック機構は、例えば、切削加工作業の中止時にスピンドルの回転作用を自動的にまたは手動的に停止させておくためのものである。
また、ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDの着脱操作は、通常、切削加工作業の中止時に行うものである。
従って、ブレード着脱用ナットE等の着脱操作時において、スピンドルBは上記ロック機構によって回転しない状態に設定されているものとして説明する。
【0027】
スピンドルBの先端装着部位に装着されているブレード着脱用ナットEとブレード挟持用フランジDとを同時に取り外す場合は、次のようにすればよい。
まず、図3に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(下方)へ摺動させて、フランジ把持手段11における各係合爪11aを各弾性部材11dの弾性にて外方向へ同時に弾性回動させる各係合爪11aの開操作を行う。
【0028】
次に、図4に示すように、ブレード着脱装置の前面(上面)をスピンドルBの先端装着部位に接合させて、フランジ把持手段11における各係合爪11aをブレード挟持用フランジDの外周面に形成した係合用外周溝D1に同時に係合させる。
各係合爪11aとブレード挟持用フランジの係合用外周溝D1との係合止着は、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(上方)へ摺動させてフランジ把持手段11における各係合爪11aを各弾性部材11dの弾性に抗して内方向へ同時に弾性回動させる各係合爪11aの閉操作することによって行うことができる。
この各係合爪11aの閉操作によって、各係合爪11aをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1内に確実に係合させることができると共に、各係合爪11aにてブレード挟持用フランジDを確実に把持させることができる。
【0029】
次に、図5に示すように、回転操作部材(トルクドライバ)23を前面に押動して、該回転操作部材23の前方に配置したナット回転操作部22の前面をスピンドルBの先端装着部位に装着されているブレード着脱用ナットEの後面(下面)に接合させる。
なお、このとき、ナット回転操作部22を周方向へ回転させることにより、図に示すように、ナット回転操作部22に突設した二個のナット回転支持部材24とブレード着脱用ナットEに設けた係合孔E1とを各々嵌合させることができる。
【0030】
次に、図6に示すように、フランジ把持手段11における各係合爪11aをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1に係合させると共に、この状態を維持しながら、回転操作部材23を周方向へ回転操作してブレード着脱用ナットEを緩める(緊締状態を解く)ことにより、ブレード着脱用ナットEをスピンドルBの先端装着部位から取り外す。
このとき、ナット回転操作部22における二個のナット回転支持部材24をブレード着脱用ナットEの係合孔E1に嵌合させているため、ブレード着脱用ナットEの回転操作を効率良く行うことができると共に、前述したように、スピンドルBは非回転状態に設定しているので、ブレード着脱用ナットEはこの回転操作に伴ってフランジ把持部本体10側となる後方(下方)へ移動することになる。
また、このとき、後方へ移動するブレード着脱用ナットEは、図7に矢印にて示すように、係合止着手段13におけるボール13cを弾性部材13bの弾性に抗して本体13a内へ退避させながら移動することができる。そして、ブレード着脱用ナットEが後方へ移動した後は、弾性部材13bの弾性にて突出するボール13cをブレード着脱用ナットEの前面側に係合止着させることにより、ブレード着脱用ナットEが前方(上方)へ移動するのを防止することができる。
即ち、このとき、ブレード着脱用ナットEは、ナット回転操作部22のナット回転支持部材24と嵌合し、更に、係合止着手段13にて係合止着させた状態にある。
従って、ブレード着脱用ナットEを、ナット回転操作部22上に嵌合止着させ且つ係合止着手段13にて係合止着させた状態で、ブレード着脱装置に保持させることができる。
【0031】
なお、フランジ把持手段11の各係合爪11aに対する係合止着手段13の取付位置については、ブレード着脱用ナットEの厚み等に対応して適宜に選択して決定することができる。
また、上述したように、ブレード着脱用ナットEが後方へ移動した後は、係合止着手段13のボール13cを介して、ブレード着脱用ナットEの前方への移動を規制するように設けられている。
そして、これとは逆に、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を前方へ強制的に押し出すと、ナット回転操作部22の前面(上面)に保持させたブレード着脱用ナットEは係合止着手段13のボール13cを弾性部材13bの弾性に抗して本体13a内へ退避させながら前方へ移動することができるように設けられている。
【0032】
ナット回転支持部材24を周方向へ回転させてブレード着脱用ナットEを緩めていくと、スピンドルBは非回転状態にあるため、ブレード着脱用ナットEは軸方向(下方)へ移動することになる。
また、この移動作用に伴って、ナット回転操作部22と一体構造の関係にある回転軸部21と回転操作部材23とが同時に移動することになる。
そして、ブレード着脱用ナットEがブレード固定用フランジ先端部のネジ部B2から外れると、この状態で、把持しているフランジ把持部1を軸方向(下方)へ移動させることにより、フランジ把持部本体10の各係合爪11aにて把持させたブレード挟持用フランジDをスピンドルBの先端装着部位から取り外すことができる。
従って、これにより、スピンドルBの先端装着部位に装着したブレード挟持用フランジDやブレード着脱用ナットEを同時に取り外すことができる。また、このブレード挟持用フランジDやブレード着脱用ナットEを、ブレード着脱装置に同時に且つ確実に保持させることができる(図8参照)。
このため、このようなブレード着脱装置を用いることにより、スピンドルBの先端装着部位やブレード着脱装置からブレード挟持用フランジDやブレード着脱用ナットEを脱落させる等の作業上の弊害・問題点を解消することが可能となる。
【0033】
また、ブレード着脱装置に保持させたブレード挟持用フランジD若しくはブレード着脱用ナットEを他のものと交換するような場合は、図9に示すように、係合爪11aの開操作を行うと共に、各係合爪11aの先端爪部11cをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1から同時に離脱させることにより、ブレード着脱装置からブレード挟持用フランジDを取り外すことができる。
また、この係合爪11aの開操作を行うと、ブレード着脱用ナットEに対する係合止着手段13の規制状態は解除されるので、ブレード着脱用ナットEをナット回転操作部22上から容易に取り外すことができる。
【0034】
次に、ブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEをスピンドルBの先端装着部位に装着する場合について説明する。
例えば、切削用ブレードCの交換時等のように、交換前の切削用ブレードを取り外したスピンドルBの先端装着部位に、予め、新たな切削用ブレードCを嵌合装着した状態にあり、そして、該先端装着部位に、まず、切削用ブレード挟持用フランジDを嵌合装着し、次に、ブレード着脱用ナットEを装着することにより、この新たな切削用ブレードを該先端装着部位の所定位置に固着するような場合について説明する。
なお、ナット回転支持部2にはスピンドルBの先端装着部位から取り外したブレード着脱用ナットEを保持し、また、フランジ把持手段11における各係合爪11aには該先端装着部位から取り外したブレード挟持用フランジDを把持しているものとする(図8参照)。
【0035】
まず、ブレード着脱装置を把持して、ブレード挟持用フランジDをスピンドルBの先端装着部位に嵌合装着する(図6参照)。
【0036】
次に、フランジ把持部本体10や操作部材12の部位を把持した状態で、回転操作部材23を前方(上方)へ押動して、ナット回転操作部22上のブレード着脱用ナットEをスピンドル先端のネジ部B2に螺合させる。そして、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を周方向へ回転操作することにより、ブレード着脱用ナットEをスピンドルBのネジ部B2に堅締する。
従って、これにより、新たな切削用ブレードCを該先端装着部位の所定位置に固着することができる(図5参照)。
なお、ブレード着脱用ナットEをスピンドルのネジ部B2へ装着するとき、スピンドルBは非回転状態にあるため、ブレード着脱用ナットEはこの回転操作に伴ってブレード固定用フランジB1側となる前方(上方)へ移動することになる。
また、このとき、前方へ移動するブレード着脱用ナットEは、係合止着手段13におけるボール13cを弾性部材13bの弾性に抗して本体13a内へ退避させながら移動する。
即ち、このとき、ブレード着脱用ナットEはナット回転操作部22のナット回転支持部材24と嵌合し且つ係合止着手段13と係合した状態にあるが、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を前方へ移動させることによって、ボール13cを本体13a内へ退避させることができるので、該ボール13cがブレード着脱用ナットEの前方への移動作用を阻害することはない。
【0037】
次に、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を後方(下方)へ移動させて、そのナット回転支持部材24とブレード着脱用ナットEとの嵌合状態を解く(図4参照)。
【0038】
次に、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(下方)へ摺動させることにより、フランジ把持手段11における各係合爪11aを各弾性部材11dの弾性にて外方向へ同時に弾性回動させる各係合爪11aの開操作を行う(図3参照)。
従って、この状態において、ブレード着脱装置を後方(下方)へ移動させれば、切削加工装置におけるスピンドルBの先端装着部位に、ブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEを同時的に装着させる作業を終了することができる。
【0039】
また、スピンドルBの先端装着部位に、ブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEの夫々を個別に装着する場合は次のようにすればよい。
【0040】
スピンドルBの先端装着部位に対して、ブレード挟持用フランジDのみを装着する場合は、フランジ把持手段11における各係合爪11aの開操作及び閉操作を行うことによって、各係合爪11aの先端爪部11cをブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1に同時に係合させる(図8及び図9等参照)。
この状態で、ブレード挟持用フランジDのみをスピンドルBの先端装着部位に嵌合装着すればよい。
なお、このブレード挟持用フランジDの嵌合装着時においては、ナット回転操作部22上にブレード着脱用ナットEを係合止着させた状態であってもよく、または、このブレード着脱用ナットEを取り外した状態であってもよい。
【0041】
また、スピンドル先端のネジ部B2に対して、ブレード着脱用ナットEのみを装着する場合は、フランジ把持手段11における各係合爪11aの開操作を行うことにより、フランジ把持手段11からブレード挟持用フランジDを取り外すと共に(図9参照)、ナット回転操作部22上にブレード着脱用ナットEを係合止着させる。そして、その後に、各係合爪11aの閉操作を行うことによって、ナット回転操作部22上のブレード着脱用ナットEを係合止着手段13を介して係合止着することができる。
従って、この状態では、ブレード着脱用ナットEがナット回転支持部材24から外れて落下することはない。
次に、この状態で、ブレード着脱装置をスピンドル先端のネジ部B2に接近させると共に、この接近させた位置において、再び、フランジ把持手段11における各係合爪11aの開操作を行うことにより、各係合爪11aの先端爪部11cとスピンドルBの先端装着部位に既に装着させたブレード挟持用フランジDとの接触を避けるようにする(図3参照)。
そして、この状態で、回転操作部材23を前方(上方)へ押動して、ナット回転操作部22上のブレード着脱用ナットEをスピンドル先端のネジ部B2に螺合させると共に、回転操作部材23を介してナット回転操作部22を周方向へ回転操作することにより、ブレード着脱用ナットEをスピンドルBのネジ部B2に堅締させればよい。
【0042】
この実施例の構成によれば、ブレード着脱装置に対してブレード挟持用フランジD及びブレード着脱用ナットEを同時に保持させることによって該両者がブレード着脱装置から脱落するのを防止することができる。
また、スピンドルBの先端装着部位に対して該ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを同時に着脱することができる。そして、スピンドルBの先端装着部位に対して該ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDを個々に着脱することができる。
従って、スピンドルBの先端装着部位に対する該ブレード着脱用ナットE及びブレード挟持用フランジDの多様な着脱作業に適応することができる。
更に、スピンドルBの先端装着部位に対してブレード着脱用ナットEのみの着脱操作を行う場合においても、該ブレード着脱用ナットEを誤って脱落させる等の作業上の弊害・問題点を解消することができると云った実用的な効果を奏する。
【0043】
次に、本発明に係る第二実施例の形態を、図10に基づいて説明する。
【実施例2】
【0044】
図10に示す第二実施例の特徴は、ブレード挟持用フランジDの係合用外周溝D1に対してフランジ把持手段11の先端爪部(11c)を係脱操作するための操作部材12の外周面に、断面凹凸形状や溝、或は、粗面等から形成した滑止め手段12aを施した点である。
なお、本実施例において前実施例と実質的に同じ構成については前実施例について説明した事項と同様である。従って、説明の重複を避けるため、両者に共通する構成については同じ符号を付している。
【0045】
この第二実施例の構成によれば、操作部材12の摺動操作を、より効率良く且つ確実に行うことができるため、フランジ把持手段11における先端爪部(11c)の係脱作業を適確に補助させることができると云った実用的な効果を奏する。
【符号の説明】
【0046】
B スピンドル
B1 ブレード固定用フランジ
B2 ネジ部
C 切削用ブレード
D ブレード挟持用フランジ
D1 係合用外周溝
E ブレード着脱用ナット
E1 係合孔
1 フランジ把持部
2 ナット回転支持部
10 フランジ把持部本体
10a 孔部
11 フランジ把持手段
11a 係合爪
11b 軸支
11c 先端爪部
11d 弾性部材
12 操作部材
12a 滑止め手段
13 係合止着手段
13a 本体
13b 弾性部材
13c ボール
14 ストッパ部材
21 回転軸部
22 ナット回転操作部
23 回転操作部材(トルクドライバ)
24 ナット回転支持部材
25 抜止部材(抜止用リング)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12