特許第5723843号(P5723843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5723843脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物含有組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5723843
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物含有組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 71/02 20060101AFI20150507BHJP
   C07C 217/50 20060101ALI20150507BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20150507BHJP
   C08K 5/18 20060101ALI20150507BHJP
   C08K 5/22 20060101ALI20150507BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   C08L71/02
   C07C217/50
   C08K5/17
   C08K5/18
   C08K5/22
   C08K5/00
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-212835(P2012-212835)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-65836(P2014-65836A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三多 貴之
(72)【発明者】
【氏名】中山 光正
【審査官】 井津 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−057897(JP,A)
【文献】 特開2004−131495(JP,A)
【文献】 特開2011−026228(JP,A)
【文献】 特開2011−170952(JP,A)
【文献】 特開2009−007185(JP,A)
【文献】 特開2010−202879(JP,A)
【文献】 特開2005−097729(JP,A)
【文献】 特開平03−026327(JP,A)
【文献】 特開2013−227386(JP,A)
【文献】 特開2013−245306(JP,A)
【文献】 特開昭59−079251(JP,A)
【文献】 特開2004−027181(JP,A)
【文献】 特開2007−161776(JP,A)
【文献】 特開2013−224365(JP,A)
【文献】 特開2010−024150(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/014670(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08G 65/00−67/04
C11D 1/00−19/00
C07B 31/00−61/00
C07B 63/00−63/04
C07C 1/00−409/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)並びに組成物の重量に基づく含有量が0.01〜10重量%である1級アミノ基を含有する脂肪族アルカノールアミン、芳香族アミン、ヒドラジンまたはその誘導体(B−4)、及び電子供与性基を有する芳香族化合物(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する家庭用洗剤用組成物。
【化1】
[式(1)中、Rは炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基、AO及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、m、nはオキシアルキレン基の付加モル数であってm+nは1〜100の整数である。]
【請求項2】
芳香族アミン、ヒドラジンまたはその誘導体(B−4)、及び電子供与性基を有する芳香族化合物(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含量が、組成物の重量に基づいて、0.01〜10重量%である請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱に対しても色調が安定な脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物を含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物は、界面活性剤及びその原料として用いられ、利用分野は、繊維の染色助剤、繊維柔軟仕上げ剤、殺菌剤、農薬展着剤、帯電防止剤、塗膜表面改質剤など家庭用、工業用、農業用等多岐にわたっている。
前記脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物は、一般的には無触媒、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物などのアルカリ触媒の存在下において、脂肪族アミンにアルキレンオキサイドを付加して製造されている。しかしながら、得られる脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物は色相が悪いという問題があり、さらに脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物は熱安定性が悪く、空気、特に酸素にさらされる条件下では室温でも着色してしまうという問題があるため、使用できる用途が限定されてしまう。
【0003】
これらの問題を解決するために、低温で反応させる方法(特許文献1)、金属酸化物又は酸触媒を用いる方法(特許文献2)、触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いる方法(特許文献3)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−96186号公報
【特許文献2】特開2005−154370号公報
【特許文献3】特開2007−262251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの特許文献に記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物では、製造直後の色相は改善されているが、長期間加熱すると着色が見られており、十分ではない。本発明は、前記の従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱に対する安定性を高めることで、着色を抑制した脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物を含有する組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明に到達した。本発明は、下記一般式(1)で示される脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)並びに組成物の重量に基づく含有量が0.01〜10重量%である1級アミノ基を含有する脂肪族アルカノールアミン、芳香族アミン、ヒドラジンまたはその誘導体(B−4)、及び電子供与性基を有する芳香族化合物(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する家庭用洗剤用組成物である。
【化1】
[式(1)中、Rは炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基、AO及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、m、nはオキシアルキレン基の付加モル数であってm+nは1〜100の整数である。]
【発明の効果】
【0007】
本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物を含有する組成物は長期間加熱しても色調の劣化が抑制されるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組成物は、一般式(1)で示される脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)並びにアミノ基含有化合物(B)及び/又は電子供与性基を有する芳香族化合物(C)を含有する。アミノ基含有化合物(B)及び電子供与性基を有する芳香族化合物(C)は、脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)中に含まれる不純物と反応することで脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)を含有する組成物の経時による着色を抑制する機能を有する。
【0009】
本発明における脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)は、一般式(1)で表される化合物である。一般式(1)におけるRは、炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、炭素数8〜24のアルキル基としては、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ステアリル基、イソステアリル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基及びn−テトラコシル基等が挙げられる。
炭素数が8〜24のアルケニル基としては、n−オクテニル基、n−デセニル基、イソデセニル基、n−ウンデセニル基、n−ドデセニル基、n−テトラデセニル基、イソヘキサデセニル基、n−オクタデセニル基及びn−オクタデカジエニル基等が挙げられる。
【0010】
一般式(1)におけるAO及びAOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、1,2−プロピレンオキシ基及び1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキシ基があげられる。
【0011】
一般式(1)におけるm、nはアルキレンオキシ基の付加モル数であって、m+nは1〜100の整数であり、m+nは好ましくは1〜80の整数であり、更に好ましくは1〜60の整数である。一般式(1)における(AO)m及び(AO)nは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基が単独のもの又は2種以上を併用したものでもよく、2種以上の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
【0012】
本発明における脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)は、公知の方法で製造することができ、例えば以下の方法で製造することができる。
R1−NH2で表されるアミン(a)を加圧反応容器に投入し、無触媒でアミン(a)1モル当たり1.5〜2モルのエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)及び/又は1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)を80〜150℃で付加反応させる。次いでアミン(a)のEO及び/又はPO付加反応物の重量に基づき0.01〜3重量%の水酸化カリウム等のアルカリ金属又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを触媒として投入し、EO及び/又はPOを50〜150℃で付加反応させる。反応終了後、アルカリ金属触媒を用いた場合は酸で中和し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いる場合は前記触媒を130〜180℃で加熱分解し、触媒の加熱分解物を減圧除去する。
【0013】
R1−NH2で表されるアミン(a)としては、n−オクチルアミン、イソオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、イソノニルアミン、n−デシルアミン、イソデシルアミン、n−ドデシルアミン、イソドデシルアミン、n−トリデシルアミン、イソトリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、イソテトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、イソヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−ステアリルアミン、イソステアリルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−テトラコシルアミン、n−オクテニルアミン、n−デセニルアミン、イソデセニルアミン、n−ウンデセニルアミン、n−ドデセニルアミン、n−テトラデセニルアミン、n−ヘキサデセニルアミン、n−オクタデセニルアミン及びn−オクタデカジエニルアミン等が挙げられる。また、上記アミンの混合物である牛脂アミン、硬化牛脂アミン、ヤシ油アミン、パーム油アミン及び大豆油アミン等の動植物油由来アミンが挙げられる。
【0014】
脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)の具体例としては、n−オクチルアミンのEO15モル付加物、n−オクチルアミンのPO2モル/EO8モルブロック付加物、2−エチルヘキシルアミンのEO4モル付加物、n−デシルアミンのPO2モル/EO10モルブロック付加物、n−ウンデシルアミンのEO5モル付加物、n−ドデシルアミンのEO2モル付加物、n−ドデシルアミンのEO4モル付加物、n−ドデシルアミンのEO15モル付加物、n−ドデシルアミンのEO50モル付加物、n−ドデシルアミンのEO100モル付加物、n−ドデシルアミンのPO4.5モル/EO10.5モルブロック付加物、n−ドデシルアミンのPO6モル/EO9モルブロック付加物、イソトリデシルアミンのEO10モル付加物、n−テトラデシルアミンのEO15モル付加物、n−ペンタデシルアミンのEO20モル付加物、n−ヘキサデシルアミンのEO30モル付加物、n−ヘプタデシルアミンのEO40モル付加物、n−オクタデシルアミンのEO50モル付加物、n−オクタデセニルアミンのEO70モル付加物、n−ノナデシルアミンのEO80モル付加物及びn−エイコシルアミンのEO15モル付加物等が挙げられる。なお、(A)としては、これらのうちの2種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明の組成物における脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)の含有量は、色調の熱安定性の観点から、組成物の合計重量に基づいて、80〜99.9重量%、好ましくは85〜99.9重量%である。
【0016】
本発明におけるアミノ基含有化合物(B)は(A)を包含せず、分子内にアミノ基を少なくとも1つ有する化合物であり、脂肪族アルカノールアミン(B−1)、炭素数8〜24の脂肪族または芳香族アミン(B−2)、アミド化合物(B−3)、ヒドラジンまたはその誘導体(B−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
脂肪族アルカノールアミン(B−1)の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン及びアミノメチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0018】
炭素数8〜24の脂肪族または芳香族アミン(B−2)としては、具体的には、n−オクチルアミン、イソオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、イソノニルアミン、n−デシルアミン、イソデシルアミン、n−ドデシルアミン、イソドデシルアミン、n−トリデシルアミン、イソトリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、イソテトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、イソヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−ステアリルアミン、イソステアリルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−テトラコシルアミン、n−オクテニルアミン、n−デセニルアミン、イソデセニルアミン、n−ウンデセニルアミン、n−ドデセニルアミン、n−テトラデセニルアミン、n−ヘキサデセニルアミン、n−オクタデセニルアミン及びn−オクタデカジエニルアミン、又は上記アミンの混合物である牛脂アミン、硬化牛脂アミン、ヤシ油アミン、パーム油アミン及び大豆油アミン等の動植物油由来のアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、アニリン及びベンジルアミン等のアリールアミン等が挙げられる。
【0019】
アミド化合物(B−3)の具体例としては、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、ブチロアミド及びベンズアミド等が挙げられる。
【0020】
ヒドラジンまたはその誘導体(B−4)の具体例としては、ヒドラジン、メチルヒドラジン及びN,N’−ジメチルヒドラジン等が挙げられる。
【0021】
(B)のうち、色調の熱安定性の観点から好ましくは、脂肪族アルカノールアミン(B−2)、炭素数8〜24の脂肪族または芳香族アミン(B−3)であり、更に好ましくは、1級アミノ基を含有する脂肪族アルカノールアミン、炭素数8〜24の脂肪族または芳香族アミンである。
【0022】
本発明の組成物におけるアミノ基含有化合物(B)の含有量は、色調の熱安定性の観点から、組成物の合計重量に基づいて、0〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0023】
電子供与性基を有する芳香族化合物(C)の具体例としては、フェノール、チオフェノール、トルエン及びキシレン等のアルキルベンゼン、アニソール、ジメトキシベンゼン、エトキシベンゼン及びt−ブチルヒドロキシアニソール等のアルコキシベンゼン、メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド等のアルキルフェニルスルフィド等が挙げられる。色調の熱安定性の観点から、アルキルベンゼン、アルコキシベンゼンが好ましい。
【0024】
本発明の組成物における電子供与性基を有する芳香族化合物(C)の含有量は、色調の熱安定性の観点から、組成物の合計重量に基づいて、0〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0025】
アミノ基含有化合物(B)及び芳香族化合物(C)の含有量は、色調の熱安定性の観点から、組成物の重量に基づいて、0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.1〜1重量%である。
【0026】
本発明の組成物の性状は特に限定されないが、液体状、ペースト状、粉末状、フレーク状およびブロック状等が挙げられる。
【0027】
本発明の組成物は、攪拌機および加熱冷却装置を備えた混合槽に脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物(A)とアミノ基含有化合物(B)及び/又は芳香族化合物(C)を投入順序に特に制限なく投入し、10〜60℃で均一になるまで撹拌して製造することができる。
【0028】
本発明の組成物は、80℃で14日保管した後の色調の劣化が、抑制されることが特徴であり、例えば、衣料用洗剤、皿洗い洗剤等の家庭用洗剤、機会金属用洗剤等の工業用洗剤としての洗浄剤、香料用等の可溶化剤、金属加工用乳化剤、化粧品用乳化剤、水系塗料用乳化剤、乳化重合用乳化剤等の乳化剤、浸透剤または湿潤剤等の各種界面活性剤用途に適用できる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0030】
<製造例1>[n−ドデシルアミンのEO15モル付加物(A−1)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、n−ドデシルアミン185部(1モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MPaG)、95℃に昇温し、EO88部(2モル部)を圧力が0.3MPaGを超えないように調整しながら、90〜110℃の範囲で4時間かけて滴下した。滴下終了後、95℃で30分間熟成し、室温まで冷却した。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液3.2部を空気が混入しないように投入し、95℃に昇温し同温で1時間減圧下(−0.097MPaG)脱水した。温度を70℃に下げた後、EO572部(13モル部)を圧力が0.2MPaを超えないように調整しながら、70〜90℃の範囲で3時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で30分間熟成させ、150〜170℃に昇温後、同温で触媒の加熱分解物を3時間かけて減圧(−0.097MPaG)除去し、n−ドデシルアミンのEO15モル付加物(A−1)を得た[(A−1)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが15である化合物]。
【0031】
<製造例2>[n−ドデシルアミンのEO50モル付加物(A−2)の合成]
EOの部数572部を2112部(48モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、n−ドデシルアミンのEO50モル付加物(A−2)を得た[(A−2)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが50である化合物]。
【0032】
<製造例3>[n−ドデシルアミンのEO100モル付加物(A−3)の合成]
EOの部数572部を4312部(98モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、n−ドデシルアミンのEO100モル付加物(A−3)を得た[(A−3)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが100である化合物]。
【0033】
<製造例4>[n−ドデシルアミンのEO2モル付加物(A−4)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、n−ドデシルアミン185部(1モル部)を投入し、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MPaG)、95℃に昇温し、EO88部(2モル部)を圧力が0.3MPaを超えないように調整しながら、90〜110℃の範囲で4時間かけて滴下し、滴下終了後95℃で30分間熟成し、n−ドデシルアミンのEO2モル付加物(A−4)を得た[(A−4)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが2である化合物]。
【0034】
<製造例5>[n−ドデシルアミンのEO4モル付加物(A−5)の合成]
EOの部数572部を88部(2モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、n−ドデシルアミンのEO4モル付加物(A−5)を得た[(A−5)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが4である化合物]。
【0035】
<製造例6>[n−オクチルアミンのEO15モル付加物(A−6)の合成]
n−ドデシルアミン185部(1モル部)をn−オクチルアミン129部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、n−オクチルアミンのEO15モル付加物(A−6)を得た[(A−6)は、一般式(1)におけるRがn−オクチル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが15である化合物]。
【0036】
<製造例7>[n−テトラコシルアミンのEO15モル付加物(A−7)の合成]
n−ドデシルアミン185部(1モル部)をn−テトラコシルアミン353部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、n−テトラコシルアミンのEO15モル付加物(A−7)を得た[(A−7)は、一般式(1)におけるRがn−テトラコシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基、m+nが15である化合物]。
【0037】
<製造例8>[n−ドデシルアミンのPO4.5モル/EO10.5モルブロック付加物(A−8)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、n−ドデシルアミン1
85部(1モル部)及び水酸化カリウム2部を投入し、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MPaG)、130℃に昇温した。撹拌下PO261部(4.5モル部)を圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら5時間かけて滴下した後、次いでEO462部(10.5モル部)を圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら8時間かけて滴下し、更に130℃で2時間熟成した。次いで80℃に冷却後、水酸化カリウムを酢酸(和光純薬工業(株)製)で中和し、n−ドデシルアミンのPO4.5モル/EO10.5モルブロック付加物(A−8)を得た[(A−8)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基、m+nが15である化合物]。
【0038】
<製造例9>[n−ドデシルアミンのPO6モル/EO9モルランダム付加物(A−9)の合成]
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、n−ドデシルアミン1
85部(1モル部)及び水酸化カリウム2部を投入し、窒素置換後密閉し、減圧下(−0.097MPaG)、130℃に昇温した。撹拌下PO261部(4.5モル部)、EO396部を混合したものを圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら5時間かけて滴下した後、更に130℃で2時間熟成した。次いで80℃に冷却後、水酸化カリウムを酢酸(和光純薬株式会社製)で中和し、n−ドデシルアミンのPO6モル/EO9モルブロック付加物(A−9)を得た[(A−9)は、一般式(1)におけるRがn−ドデシル基、AO及びAOがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基、m+nが15である化合物]。
【0039】
<実施例1〜25及び比較例1〜5>
表1、2に記載の部数の各成分を配合し組成物を作製し、下記の熱安定性試験を行った。試験前後でのガードナー色数を測定し、測定結果は、表1,2に示した。
【0040】
<熱安定性試験>
空気が入らない密閉容器にサンプルを入れ、窒素置換を行い密閉する。これを80℃の恒温器で14日間保存した後、ガードナー色数を測定した。
色調を表すガードナー色数は日本工業規格JIS K 0071−2に基づき測定を行った。なお、色数が1未満の結果は、<1と示した。
【0041】
表1、2に記載の各原料は以下の通りである。
(B−1−1):エタノールアミン[和光純薬工業(株)製]
(B−1−2):ジエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]
(B−1−3):トリエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]
(B−1−4):アニリン[和光純薬工業(株)製]
(B−2−1):アセトアミド[和光純薬工業(株)製]
(B−2−2):ベンズアミド[和光純薬工業(株)製]
(B−3−1):ヒドラジン一水和物[和光純薬工業(株)製]
(B−3−2):N,N−ジメチルヒドラジン[和光純薬工業(株)製]
(C−1):トルエン[和光純薬工業(株)製]
(C−2):アニソール[和光純薬工業(株)製]
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1の結果から、実施例1〜25の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物は、比較例1〜5の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物と比較して色調の劣化が抑制されていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の組成物は、例えば、衣料用洗剤、皿洗い洗剤等の家庭用洗剤、機会金属用洗剤等の工業用洗剤としての洗浄剤、香料用等の可溶化剤、金属加工用乳化剤、化粧品用乳化剤、水系塗料用乳化剤、乳化重合用乳化剤等の乳化剤、浸透剤または湿潤剤等の各種界面活性剤用途に適用できる。