特許第5723966号(P5723966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5723966
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】多重入力テレビ受像機
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/442 20110101AFI20150507BHJP
   H04N 21/81 20110101ALI20150507BHJP
【FI】
   H04N21/442
   H04N21/81
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-501425(P2013-501425)
(86)(22)【出願日】2011年3月23日
(65)【公表番号】特表2013-526111(P2013-526111A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011029566
(87)【国際公開番号】WO2011119690
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2014年2月24日
(31)【優先権主張番号】61/317,843
(32)【優先日】2010年3月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509055068
【氏名又は名称】エコスター テクノロジーズ エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】ECHOSTAR TECHNOLOGIES L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,マーカス ウェイン
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−135168(JP,A)
【文献】 特開平07−154708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/38−5/46
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
19/89−19/895
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイプの信号を受信して出力するための装置であって、
第一の信号を受信する第一の入力と、
第二の信号を受信するオーバーザエア伝送を含む第二の入力と、
前記第一の入力へと動作可能なように接続され、前記第一の信号を処理するように動作可能であり、それによって処理された信号を生成する、処理回路と、
前記第二の入力および前記処理回路へと動作可能なように接続された変調器であって、前記第二の信号と前記処理された信号のうちの少なくとも一方を出力するように動作可能な変調器と
前記処理回路へと接続された赤外線送信機であって、前記変調器が前記第二の信号を出力するとき、自動的にチャンネル変更コマンドをディスプレイデバイスに送信するように構成された、赤外線送信機と、
を含む、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記変調器は、前記第二の信号および前記処理された信号の両方を出力するように動作可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変調器は、ピクチャインピクチャディスプレイを要求する信号に応じて、前記第二の信号および前記処理された信号の両方を出力する、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の信号は衛星テレビ伝送である、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の信号はケーブルテレビ伝送である、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数入力テレビ受像機からの出力を提供する方法であって、
数のチャンネル用の電子プログラミングガイドデータを受信するステップと、
前記電子プログラミングガイドデータにおける前記複数のチャンネルの何れが第一の入力信号に対応するか、ならびに、何れが第二の入力信号に対応するかを示すチャンネル分配を決定するステップであって、前記決定するステップは、
前記第二の入力信号に関連付けられた、アンテナ上の複数のローカル放送チャンネルをスキャンするステップと、
任意のローカル放送チャンネルを前記第二の入力信号へと割り当てるステップと、
前記スキャンする動作において発見されなかった、前記電子プログラミングガイドデータにおける任意の複数のチャンネルを、前記第一の入力信号へと割り当てるステップと、
を含む、前記決定するステップと、
第一のデバイスにおいて、第一のチャンネルから第二のチャンネルへと変更するためのコマンドを受信するステップと、
前記チャンネル分配の参照によって、前記第二のチャンネルが、前記第一および第二の入力信号のいずれに対応するかを判定するステップと、
前記第二のチャンネルが前記第一の入力信号に対応する場合に、前記第一の入力信号を処理して、処理された信号を生成するステップと、
前記第二のチャンネルが前記第一の入力信号に対応する場合に、前記処理された信号を出力デバイスで出力するステップと、
前記第二のチャンネルが前記第二の入力信号に対応する場合に、前記第一のデバイスから前記出力デバイスに対してチャンネル変更コマンドを発行するステップであって、前記チャンネル変更コマンドは、前記第二のチャンネルに対応する周波数に同調するように前記出力デバイスに命令するステップと、
前記第二のチャンネルが前記第二の入力信号に対応する場合に、前記第二の入力信号を前記出力デバイスで出力するステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記第一の入力信号に対応する周波数は、前記出力デバイスにおけるチャンネル3もしくはチャンネル4に対応する、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
第一のチャンネルリストをコンパイルするステップであって、前記第一のチャンネルリストは、前記第一の入力信号に関連付けられ、アンテナを介して使用可能である全チャンネルを含む、ステップと、
第二のチャンネルリストをコンパイルするステップであって、前記第二のチャンネルリストは、前記第二の入力信号に関連付けられ、アンテナを介して使用可能である全チャンネルを含む、ステップと、
前記第一および第二のチャンネルリストを仮想電子プログラミングガイドへとマージするステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第一のチャンネルリストにおけるチャンネルと前記第二のチャンネルリストにおけるチャンネルが重複することを判定するステップと、
前記第一のチャンネルリストにおける前記チャンネルと、前記第二のチャンネルリストにおける前記チャンネルのうちの一つを、重複していないチャンネルへと再度割り当てるステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第一の入力信号は衛星テレビ伝送である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記第一の入力信号はケーブルテレビ伝送である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記第二の入力信号はローカルテレビ伝送である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願に対する相互参照]
本特許協力条約(PCT)出願は、2010年3月26日に出願された米国仮特許出願整理番号61/317,843“Multiple Input Television Receiver”の優先権を享受する利益を主張し、その内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で開示される実施形態は、概して、テレビ受像機に関し、より詳細には、多重入力(複数の入力)およびこれらの入力間で切り替えることが可能な変調器を有するテレビ受像機に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、現代の視聴覚プログラミングは、多数の異なるネットワークを介して供給され得る。例えば、衛星コンテンツプロバイダは、衛星ネットワークを介して、セットトップボックスに対してプログラミングを伝送し得る。同様に、ローカルテレビプロバイダは、地上波でコンテンツを放送し得る。
【0004】
多くの場合においては、消費者は、第一のタイプのプログラミングを受信するために(前述されたセットトップボックスのような)テレビ受像機と、第二のタイプのプログラミング、たとえば地上波放送を受信するためにアンテナを有し得る。このことはユーザにとって厄介であり、第一のタイプのプログラミングを視聴するときには、ユーザはテレビ受像機との相互作用を必要とするが、地上波放送を視聴するときには、ユーザにテレビ受像機を無視することを強いる。その代わりに、地上波放送を視聴するときには、ユーザはテレビ上のチャンネルを変更するか、またはアンテナに対して接続された他のタイプのディスプレイに変更する必要があり得る。ユーザはデバイスと入力との間でスイッチを切り替えるため、シームレスな視聴は達成されない。
【発明の概要】
【0005】
実施形態は、概して、多重入力(複数の入力)を有するテレビ受像機に対するものであり、入力のうちの幾つかは、ローカル放送を受信し、幾つかは衛星伝送を受信し、または別のネットワークを介した伝送を受信する。テレビ受像機は、ローカル伝送を元の形式かつ元の周波数でディスプレイへと通過させ、ディスプレイをリチューニングしてその伝送をその元の周波数で受信する。テレビ受像機は、衛星もしくは他のタイプのプログラミングを、必要に応じて、受信し、処理し、テレビに対して提供してもよい。受像機の変調器の出力は、ユーザがローカル放送と衛星チャンネルとの間で変更するときに、スイッチを切り替えてもよい。さらには、EPGは、両方のプログラミングソース用の情報を統合された様式で含むものとして提供されてもよい。
【0006】
一実施形態は、複数のタイプの信号を受信し出力するための装置であり、第一の信号を受信する第一の入力と、第二の信号を受信する第二の入力と、第一の入力へと動作可能なように接続され、第一の信号を処理するように動作可能であり、それによって処理された信号を生成する処理回路と、第二の入力および処理回路へと動作可能なように接続された変調器とを含み、変調器は、第二の信号および処理された信号のうちの少なくとも一つを出力するように動作可能である装置に対するものである。
【0007】
別の実施形態は、多重入力(複数入力)テレビ受像機からの出力を提供する方法であり、第一の状態から第二の状態へと変更するためのコマンドを受信するステップと、第二の状態が、第一および第二の入力信号のうちのいずれに対応するかを判定するステップと、第二の状態が第一の入力信号に対応する場合に、処理された信号を生成するために第一の入力信号を処理するステップと、第二の状態が第一の入力信号に対応する場合に、処理された信号を出力するステップと、第二の状態が第二の入力信号に対応する場合に、第二の入力信号を出力するステップと、を含む方法に対するものである。
【0008】
さらに別の実施形態は、テレビ受像機に対して電子プログラミングデータを提供する方法であり、第一のチャンネルリストをコンパイルするステップであって、第一のチャンネルリストは、テレビ受像機における第一の入力信号に関連付けられたアンテナを介して使用可能である全チャンネルを含む、ステップと、第二のチャンネルリストをコンパイルするステップであって、第二のチャンネルリストは、テレビ受像機における第二の入力信号に関連付けられたアンテナを介して使用可能である全チャンネルを含む、ステップと、第一および第二のチャンネルリストを電子プログラミングガイドデータへと統合(marge)するステップと、サービスプロバイダからテレビ受像機へと電子プログラミングガイドデータを伝送するステップと、を含む方法に対するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】サンプルの動作環境におけるサンプルのテレビ受像機を示す。
図2図1のテレビ受像機で動作する、衛星コンテンツプロバイダが如何にEPGおよびチャンネルマップを実施し得るかを概略的に示すフローチャートである。
図3図1に関して記述されたテレビ受像機を使用する、チャンネル間を移動するための方法を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
概して、本明細書で議論される実施形態は、シームレスなもしくは比較的シームレスな様式で、多重入力ストリームを介して伝達されたコンテンツを視聴することを容易にし得る。一実施例として、テレビ受像機は、複数のプログラムを受信し、各プログラムは一意的な入力伝送上で伝送され、各伝送は、異なる媒体を介してもしくは異なる周波数で受信されるように構成される。ユーザがテレビ受像機をチューニングする、さもなければテレビ受像機を設定して、受像機は、その受像機がチューニングされた/設定された入力および/もしくは伝送に関連付けられたプログラムを表示してもよい。このことは、ユーザ入力に対する応答としてテレビ受像機の動作を通して生じる。
【0011】
前述の一実施例として、テレビ受像機は、ローカル放送アンテナ入力と衛星放送入力を有するセットトップボックスであってもよい。ローカル放送入力および衛星放送入力の双方は、セットトップボックス内(もしくは、ある場合においては、セットトップボックス外)の変調器へと接続されてもよい。セットトップボックスは、衛星のトランスポンダを介して、データストリームの集合(例えば、パケット識別子もしくは“PID”)を受信してもよい。これらのPIDは、ともに、チャンネルもしくはプログラムを作り上げ、チャンネル番号などの特定の識別子へと割り当てられてもよい。セットトップボックス、セットトップボックスと関連付けられた電子プログラムガイド、または別の外部プログラミング設備もしくは信号は、PIDグループを特定のチャンネルに割り当ててもよい。
【0012】
例を続けると、第二組のデータは、ローカル放送アンテナを介して受信されてもよい。第二組のデータは、第二のチャンネルもしくはプログラムを作り上げてもよい。第二組のデータは、異なるチャンネル番号などの第二の識別子へと割り当てられてもよい。したがって、第一のチャンネルは衛星放送に対応し、第二のチャンネルは地上波放送に対応してもよい。
【0013】
ユーザが第一のチャンネルを選択すると、セットトップボックスは、通常、PIDを処理して、したがって、対応する衛星コンテンツをディスプレイへと出力してもよい。ユーザが第二のチャンネルへと切り替えるとき、セットトップボックスは、第二のチャンネルに対応するチャンネル番号へとチューニングさせるために、ディスプレイに対してコマンドを発行してもよい。このコマンドは、例えば、赤外線(“IR”)送信機を介して伝送されてもよい。セットトップボックスは、同様に、変調器を介して対応する地上波放送からデータを出力してもよい。そのようにするために、セットトップボックスは、変調器が衛星放送入力から、地上波放送入力へと切り替える間、変調器に対してデータを通過させてもよい。したがって、セットトップボックスは、地上波放送に対しては、パススルーとして機能し、地上波放送を表示するために適切な周波数へとチューニングするようにディスプレイに命令する。(地上波放送の周波数は、典型的には、セットトップボックスによって変調されないため、ディスプレイは、放送を表示するために対応するチャンネルにチューニングしてもよい。)
【0014】
したがって、放送/チャンネルタイプの切り替えは、セットトップボックスによって処理され、ユーザが直接入力を切り替える必要はない。このことは、今度は、そのチャンネルに対応する入力タイプに関係なく、チャンネル変更コマンドが所望のチャンネルを示す効果を有するとき、比較的シームレスなユーザの視聴を提供する。
【0015】
図1は、サンプルの動作環境におけるサンプルのテレビ受像機104を示す。ここで、テレビ受像機104はセットトップボックスであるが、代替の実施形態は、ケーブルボックス、適切に構成された受像機回路を有するテレビ、アナログからデジタルへのテレビコンバータなどの形態であってもよい。概して、テレビ受像機104は、衛星入力108と、アンテナ入力112とを含み、その実施形態に依存して追加の入力(例えば、ケーブル入力、USBポート、イーサネット入力、ネットワーク入力など)を有してもよい。
【0016】
衛星入力108は、衛星アンテナディッシュおよび低ノイズブロック給電ホーン112に接続され、低ノイズブロック給電ホーン112は、図1に示されるように、“LNB”と称され、衛星116からの放送を受信する。衛星放送はLNBによって受信され、続いて、衛星信号を周波数変換して、衛星入力108に接続されたケーブルを介して、その衛星信号をテレビ受像機104へと伝送する。LNBの動作は、当業者によって十分に理解されるため、本明細書ではこれ以上は議論されない。
【0017】
同様に、アンテナ入力112は、ローカル放送を伝送する地上波伝送などの伝送を受信するように構成されたアンテナ120へと接続される。これらの放送は、アンテナ120によって受信され、アンテナ入力112に接続されたケーブルを介して、テレビ受像機へと中継されてもよい。したがって、テレビ受像機は、衛星およびローカル放送の双方を受信してもよく、衛星およびローカル放送の各々は、異なる周波数で、ならびに/または、異なる周波数変調スキームに従って、伝送されることが理解されよう。したがって、本明細書で記述される実施形態によって、異なる多重入力が受信され、処理され、出力される可能性がある。
【0018】
典型的には、衛星伝送上で伝送されるデータは、テレビ受像機104内の回路によってフォーマットされるか、さもなければ、テレビ受像機104内の回路によって処理される。このような回路は、“処理回路”124と称されたボックスによって、図1に表される。データフォーマットおよび/もしくは処理は、バンドスタッキング、周波数変換、変調、復調、MPEG−1,MPEG−2および/もしくはMPEG−4データの処理などを含みうる。処理回路124は、したがって、復調器、変調器、バンドスタッキング回路、メモリなどの一つ以上のストレージ、一つ以上のプロセッサなどを含み得る。
【0019】
処理された衛星データは、変調器128へと提供される。変調器128は、図1においては、テレビ受像機104内に存在するものとして示されているが、代替の実施形態においては、変調器は、受像機104の外部に存在してもよいし、受像機に接続されてもよいし、さもなければ受像機104から分離されてもよい。
【0020】
対照的に、ローカルアンテナ112から受信されたデータは、処理受像機回路124によって処理されない。その代わりに、変調器128へと、受信された形式で、もしくは“生の”の形式(“ロー”形式)で提供される。
【0021】
変調器128は、多重入力(複数の入力)および(この場合には)単一出力を有するデータスイッチとして機能してもよい。変調器128は、処理された衛星データおよびローカルアンテナデータのうちの一つを、出力もしくはディスプレイデバイス132へと伝送する。ディスプレイ132は、受信されたデータを取得して、それをユーザに対して提示してもよい。データは例えば、視聴覚コンテンツであってもよい。代替の実施形態においては、変調器128は、多重出力(複数の出力)を有し、その出力の各々は、個別のディスプレイへと接続されてもよい。幾つかの場合においては、“ピクチャインピクチャ”、スプリットスクリーン、もしくは他の多重データ(複数データ)視聴機能を提供するために、多重(複数の)変調器出力、単一のディスプレイへと接続されてもよい。
【0022】
前述したことに加えて、テレビ受像機104は、赤外線送信機136もしくは赤外線送受信機(本明細書では“IR送信機”と称される)を含み得る。IR送信機は、赤外線波形としてのコマンドを、ディスプレイ132へと送信してもよい。コマンドは、例えば、異なるチャンネルへと変更するか、またはチューニングするように、ディスプレイ132へと命令してもよい。したがって、ユーザが衛星チャンネルからローカル放送チャンネルへと変更するとき、変調器128は、入力を切り替え、ローカル放送伝送および関連付けられたデータを通過させる。関連付けられたデータは、典型的には、既にフォーマットされ、選択されたチャンネルに対応する周波数におけるものである。さらには、IR送信機136は、テレビへとコマンドを送信して、衛星伝送が通常表示されるチャンネル以外でありかつユーザによって選択されたチャンネルへとチューニングし得る。
【0023】
この方法においては、ユーザは、テレビ受像機104にチャンネルを変更するように命令して、ローカル放送チャンネルが選択されるとき、テレビ受像機104は、この命令をテレビへと中継し、生のローカルフィードをディスプレイに対して通過させる。本明細書で議論される実施形態は、テレビ132上で単一のチャンネルを使用し衛星から受信した全コンテンツを表示し、必要に応じてユーザが選択したチャンネルを表示するために、リチューニングするおよび/または選択されたPIDを通過させ、そして、処理することなく、テレビ受像機104を通過した、オーバーザエア放送を表示するために、テレビ上の他のチャンネルを使用してもよい。したがって、テレビ受像機リモート140が全チャンネル選択用に使用され、単一の電子プログラミングガイド(“EPG”)が衛星およびローカルチャンネルの双方に対して表示され、ローカルチャンネルを選択するときに、ユーザがテレビ132を個人的にリチューニングする必要がないため、ユーザの視聴はシームレスである。
【0024】
図2は、衛星コンテンツプロバイダが、図1のテレビ受像機104を用いて、EPGおよびチャンネルマップを如何に実施し得るかを概略的に示すフローチャートである。これはEPG生成するための可能性のある一方法に過ぎず、本文書の趣旨もしくは範囲から逸脱することなく、他の方法が存在し得ることに留意されたい。
【0025】
動作200においては、コンテンツプロバイダ(衛星放送のプロバイダもしくは衛星ネットワークのオペレータなど)は、全衛星チャンネルのリストをコンパイルしてもよい。本明細書で使用される、衛星“チャンネル”とは、まとめると、特定の時間帯およびHBO、FOX、ESPNなどのプログラミングソースに関連付けられた特定のプログラムを示すPIDの集合のことを称する。“チャンネル”は、したがって、必ずしもコンテンツもしくは他のデータが伝送される特定の周波数ではなく、共通に関連付けられるデータストリームの集合である。
【0026】
動作205においては、コンテンツプロバイダは、ローカルチャンネルのリストをコンパイルしてもよい。“ローカルチャンネル”は典型的には、UHFもしくはVHFバンドにおける特定の周波数における地上波放送のチャンネルである。ローカル放送チャンネルは、その後、特定の周波数に関連付けられる。典型的には、異なるローカルチャンネルは、放送周波数域の異なる周波数における放送である。
【0027】
前述したことからわかるように、セットトップボックスもしくは他のテレビ受像機が異なる衛星チャンネルへと切り替えるとき、処理および表示のために、PIDの異なるグループを選択する。対称的に、ローカルチャンネルが選択され、ディスプレイ用に、変調器を通過するときには、ディスプレイそれ自体は、ローカルチャンネルデータを受信するための適切な周波数にリチューニングされる。このことは、図3に関連して以下により詳細に議論される。
【0028】
いったん、衛星およびローカルチャンネルのリストがコンパイルされると、コンテンツプロバイダは、動作210において、任意の衛星チャンネルが、任意のローカルチャンネルに重複するかどうかを判定し得る。すなわち、衛星チャンネルおよびローカルチャンネルの双方が同一のチャンネル指定(例えば、同一のチャンネル番号)を有する場合には、それらは重複すると考えられる。このような重複がある場合には、動作215において、コンテンツプロバイダは、衛星チャンネルを別のものに再度割り当てし、衛星チャンネルリスト上にチャンネル指定を開いてもよい。別の実施形態においては、ローカル放送チャンネルが再度割り当てされてもよい。重複が存在しない場合、または動作215の後で、動作220が実行される。
【0029】
動作220においては、コンテンツプロバイダは、衛星チャンネルのリストとローカルチャンネルのリストをマージすることによって、チャンネルマップを生成してもよい。このマージされたリストは、動作225において使用され、続いて、動作230においてテレビ受像機へと伝送され得るEPGを生成する。ネットワークを介したEPGの伝送は、当業者にとって既知である。動作225において生成されたEPGは、典型的には、衛星放送チャンネルとローカル放送チャンネルの双方のプログラム情報を含むが、必ずしもそうとは限らない。したがって、テレビ受像機のユーザがEPGを表示させるとき、両タイプのチャンネル用のプログラム情報を表示してもよい。EPGは、したがって、衛星およびローカル放送チャンネルならびにプログラミングを包含する限り、“統合EPG”と考えられてもよい。
【0030】
図2の方法における幾つかの動作は、コンテンツプロバイダによって実施されるものとして記述されたことに留意されたい。実際には、これらの動作は、コンテンツプロバイダによって所有されたおよび/もしくは動作されるコンピューティングデバイスによって自動化され、かつ実施されてもよい。代替の動作においては、テレビ受像機は、動作200−220(および、オプションとして動作225)を実行するように動作可能である回路を含み、それによって、コンテンツプロバイダから受信された衛星チャンネルのリストおよびローカルアンテナ入力を介して検出されたローカルチャンネルのリストを動的に再マップすることによって、当のテレビ受像機に対して特定の“仮想EPG”を生成してもよい。衛星チャンネルのリストは、コンテンツプロバイダによって供給されたEPGの形式で提供されてもよい。
【0031】
図3は、図1に関連して記述されたテレビ受像機を使用してチャンネルを切り替えるための方法を示す。最初に、動作300においては、テレビ受像機は、コンテンツプロバイダからEPGを受信して処理する。動作305においては、テレビ受像機は、EPGのチャンネル用に、チャンネル分配を決定してもよい。すなわち、テレビ受像機は、EPGにリスト化されたどのチャンネルが衛星放送を介して提供され、どのチャンネルがローカル放送を通して提供されるかを決定してもよい。この情報は、EPGに含まれてもよいし、または、テレビ受像機によって局所的に決定されてもよい。
【0032】
局所的な決定の一例として、テレビ受像機は、ローカルアンテナ入力上で受信されたローカル放送をスキャンしてもよい。受信された各ローカル放送は、特定の周波数帯域を占めるため、テレビ受像機は、概して、ローカル放送用に対応するチャンネルを周波数帯域から決定してもよい。テレビ受像機は、他の全チャンネルが衛星チャンネルであると仮定してもよい。
【0033】
動作310においては、テレビ受像機は、ユーザからチャンネル変更コマンドを受信する。それに応じて、受像機は、新規に選択されたチャンネルがローカルであるか否かを、動作315において決定する。もしそうである場合には、動作320がアクセスされ、変調器は、ディスプレイへと選択されたローカルチャンネルを提供するために設定される。すなわち、変調器(およびテレビ受像機)は、ローカル放送チャンネルに対するパススルーとして機能する。動作325においては、テレビ受像機は、ディスプレイがチューニングされるチャンネルを変更するために、ディスプレイに対してコマンドを発行する。概して、テレビ受像機は、動作310においてユーザによって選択されたローカル放送チャンネルに対応するチャンネルへと変更するように、ディスプレイへと命令する。ローカル放送は、任意の処理をすることなく、テレビ受像機および変調器を通過するため、したがって、ディスプレイは、それを表示するために適切にチューニングされ、それを受信する。
【0034】
動作325に続いて、本方法は、終了状態340で終了する。
【0035】
テレビ受像機が、動作315において、新規に選択されたチャンネルがローカルではない(例えば、衛星チャンネルである)と判定する場合には、その後、動作330がアクセスされ、変調器は、ディスプレイへと衛星出力を提供するように設定される。動作335においては、テレビ受像機は、新規に選択されたチャンネルに対応するPIDを選択するために、“リチューニングされ”る。これらのPIDは、テレビ受像機によって処理され、変調器を通してディスプレイへと提供される。ディスプレイは、同調されるチャンネルを変更していないため、適切に割り当てられたチャンネルもしくは入力上で、テレビ受像機からデータを受信することを継続する。多数のディスプレイは、例えば、チャンネル3もしくはチャンネル4上で、または、特定の音声/動画入力上で、テレビ受像機から出力を受信するように構成される。
【0036】
動作335に続いて、本方法は、終了状態340で終了する。
【0037】
前述されたことからわかるように、単一のテレビ受像機は、多重入力を有するように提供され、幾つかの入力は、ローカル放送を受信し、幾つかの入力は衛星伝送、もしくは他のネットワークを介した伝送を受信する。テレビ受像機は、ローカル伝送を元の形式かつ元の周波数でディスプレイへと通過させ、ディスプレイをリチューニングしてその伝送をその元の周波数で受信する。その元の周波数で放送を受信するためにディスプレイをリチューニングさせる間に、テレビ受像機は、ディスプレイに対して、その元の形式かつ元の周波数で、ローカル放送を通過させてもよい。さらには、テレビ受像機は、標準モードで動作を継続し、必要に応じて、テレビ受像機に対する衛星プログラミングを受信し、処理し、提供してもよい。受像機の変調器の出力は、ユーザがローカル放送と衛星チャンネルの間で変更するとき、スイッチを切り替えてもよい。さらには、EPGは、統合された様式における双方のプログラミングソース用の情報を含むものとして提供されてもよい。
【0038】
概して、本明細書の実施形態は、衛星放送およびネットワークに関連して記述されてきた。別の実施形態は、ケーブルネットワーク、インターネット、イーサネットもしくは他のローカルネットワークなどの異なるネットワークもしくはさらなるネットワークで動作してもよいことを理解されたい。
【0039】
具体的な装置、実施例および方法が本明細書では記述されてきたが、本開示を読解することで、当業者にとっては、変形は明らかであろう。したがって、本開示の適切な範囲は、添付の請求項において記載される。
【0040】
実施形態は、図1に示された例示的な衛星放送システムに関連して、本明細書で議論されてきたが、実施形態は、他のタイプのネットワークもしくはコンテンツ送達メカニズムに関連して使用されてもよいことを理解されたい。概して、本開示は、ネットワークを介して、もしくはネットワーク上で受像機に対してプロバイダから送達されるコンテンツを含む。コンテンツが送達されうるネットワークは、図1に示されたような衛星システムを含んでもよい。或いは、ネットワークは、ケーブルテレビネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークもしくはインターネットを含んでもよい。ある実施形態に関連して、受像機は、インターネットのワイドエリアネットワークなどのネットワークを介して、データもしくは他のコンテンツを受信するように動作可能である汎用コンピュータを含んでもよい。そのような実施形態においては、プロバイダがウェブサイト、ファイル転送プロトコル(FTP)サイト、ファイル共有システムもしくはサイトなどにアクセスできるように、コンピュータが構成されてもよい。さらには、本明細書で記述された、図2および図3に示されたような、本方法が動作する順序は、例示の目的のものであって、限定する目的のものではない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、ある実装は、本方法の動作を再度順序付けしてもよい。
図1
図2
図3