(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記担体タンパク質が、破傷風毒素の誘導体、ジフテリア毒素の誘導体、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ヘモシアニン、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)由来の外膜タンパク質複合体(OMPC)、易熱性大腸菌(Escherichia coli)Bサブユニット、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の組換えエキソプロテインA(rEPA)、およびバクテリオファージQbの組換え外被タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎コア抗原またはビロゾームからアセンブルされたもの等の他のウイルス様粒子から選択される修飾されていてもよいタンパク質である、請求項1に記載のハプテン−担体コンジュゲート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の態様において、本発明は、式(I)のハプテン:
【0013】
【化1】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、Xは−NH
2または−SHである]
に関する。
【0014】
一実施形態において、Wは、ピリジン環の2、5または6位にある。
【0015】
別の実施形態において、Wはピリジン環の5位にある。
【0016】
別の実施形態において、Wは−O−である。
【0017】
別の実施形態において、Wは−O−であり、Wはピリジン環の5位にある。
【0018】
さらなる実施形態において、ハプテンは
【0022】
さらなる実施形態において、ハプテンは
【0024】
第2の態様において、本発明は、式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート:
【0025】
【化5】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、C
3〜C
10シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基であり、Xは−NH
2または−SHである]
に関する。
【0026】
本明細書において使用される場合、「アルキレン基」は−(CH
2)
n−基を意味し、ここで、nは必要とされる炭素原子数である。本明細書において使用される場合、「1から4個の酸素原子によって中断されているアルキレン基」は、例えば、−CH
2CH
2OCH
2−、−CH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2−または−CH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2−である。本明細書において使用される場合、「1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されているアルキレン基」は、例えば、−CH
2CH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2CH
2CH
2NHCOCH
2CH
2−である。
【0027】
一実施形態において、Wは、ピリジン環の2、5または6位にある。
【0028】
別の実施形態において、Wはピリジン環の5位にある。
【0029】
さらなる実施形態において、Wは−O−である。
【0030】
別の実施形態において、Wは−O−であり、Wはピリジン環の5位にある。
【0031】
一実施形態において、−(スペーサー)−はC
1〜C
6アルキレン基である。
【0032】
別の実施形態において、−(スペーサー)−は、1から4個の酸素原子によって中断されているC
1〜C
10アルキレン基である。
【0033】
また別の実施形態において、−(スペーサー)−は、3個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されているC
1〜C
12アルキレン基である。
【0034】
一実施形態において、ハプテン−スペーサーコンジュゲートは、
【0036】
下記のさらなる実施形態が想定される。
(i)Wが−O−である、上記した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、
(ii)Wが−CH
2−である、上記した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、
(iii)Xが−SHである、上記または実施形態(i)および(ii)において記述した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、
(iv)Wが、ピリジン環の2、5または6位にある、上記または実施形態(i)から(iii)において記述した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、
(v)Wがピリジン環の5位にある、上記または実施形態(i)から(iv)において記述した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、
(vi)−(スペーサー)−が、C
1〜C
8アルキレン基、C
6シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基である、上記または実施形態(i)から(v)において記述した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート、および
(vii)−(スペーサー)−がC
1〜C
8アルキレン基である、上記または実施形態(i)から(vi)において記述した通りの式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート。
【0037】
式(I)の化合物を取得するための一般的方法を描写する下記のスキームにおいて、置換基は、別段の規定がない限り、式(I)の化合物またはその誘導体について上記で定義した通りである。
【0039】
ボロン酸エステル(ii)は、(S)−(−)−ニコチン(i)と、適切なイリジウム触媒、典型的にはメトキシ(シクロオクタジエン)イリジウム(I)二量体、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル等の配位子、およびビス(ピナコラト)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン等のホウ素源との、1,4−ジオキサンまたはTHF等の適切な溶媒中、室温から還流の間の温度での反応から形成され得る。次いで、メタノール/水またはエタノール/水等の適切な溶媒系中、臭化銅(II)を使用し、典型的には60℃から還流の間の温度で、ボロン酸エステル(ii)を臭化物(iii)に変換することができる。
【0041】
次いで、アクリロニトリルを用い、パラジウムカップリング条件下、酢酸パラジウム(II)またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適切なパラジウム源を使用して、トリ(o−トリル)ホスフィンまたはトリフリルホスフィン等の適切なホスフィン配位子の存在下、炭酸ナトリウム、トリエチルアミンまたはN−ジイソプロピルエチルアミン等の適切な塩基の存在下、アセトニトリルまたは1,4−ジオキサン等の適切な溶媒中、典型的には還流程度の温度で、臭化物(iii)を不飽和シアン化物(iv)に変換することができる。
【0042】
(v)を得るための(iv)の水素化は、典型的には、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素または白金活性炭等の適切な触媒を使用し、水素雰囲気下、メタノール、エタノールまたは酢酸エチル等の適切な溶媒中、典型的には室温程度の温度で行われる。
【0043】
ニトリル(v)からアミン(vi)への還元は、典型的には、ラネーニッケル等の適切な触媒を使用し、水素雰囲気(典型的には50〜100psi程度の圧力)下、メタノールまたはエタノール等の適切な溶媒中、濃アンモニアの存在下、典型的には40〜70℃程度の温度で行われる。
【0044】
(viii)型のアミドの形成は、標準的な文献の条件下で行われ得る。塩化オキサリルまたは塩化チオニル等の適切な塩素化剤を使用し、ジクロロメタンまたはトルエン等の適切な溶媒中、場合により触媒DMFの存在下、典型的には0℃から室温の間の適切な温度で、酸(vii)を酸塩化物に変換することができる。次いで、酸塩化物を、アミン(vi)と、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、ジクロロメタンまたはトルエン等の適切な溶媒中、0℃から室温の間の温度で反応させてよい。代替として、T
3P、EDCI.HCl、EDCI.MeI、HBTU、HATU、PyBop、DCCまたはCDI等のカップリング剤を用い、ジクロロメタンまたはDMF等の適切な溶媒中、酸(vii)を適切な活性種に変換することができる。EDCI.HClまたはEDCI.MeIの存在下、HOBTを添加してもよい。トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の適切な塩基も使用され、反応は、典型的には室温で行われる。
【0046】
(i)の脱プロトン化は、超強塩基nBuLi−LiDMAE(n−ブチルリチウムとジメチルアミノエタノールとの反応によって形成されたもの)等の適切な塩基を用い、ヘキサン、トルエン、ヘキサン/トルエンまたはヘキサン/THF等の適切な溶媒中、典型的には−78℃から0℃の間の適切な温度で行われ得る。得られたアニオンを、ヘキサクロロエタンまたはN−クロロコハク酸イミド等の適切な塩素源で、−78℃から室温の間の温度でクエンチして、2つのクロロピリジン類似体(ix)および(x)を得ることができる。
【0047】
エタノールアミンを好ましくは溶媒および反応物質として使用し、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド等の適切な強塩基を使用して、典型的には50〜100℃の間の温度で、クロロピリジン類似体(ix)および(x)をアミン(xi)および(xii)に変換することができる。
【0049】
臭化物(iii)を、アルコール(例えば、ベンジルアルコールまたは好ましくはp−メトキシベンジルアルコール)を担持する保護基と、適切な塩基、典型的には水素化ナトリウムを使用し、DMFまたはNMP等の適切な溶媒中、典型的には90〜130℃程度の温度で反応させてよい。(xiv)を得るための保護基の除去は、標準的な文献の方法を使用して行われ得る(例えば、p−メトキシベンジルアルコールについては、トリフルオロ酢酸等の適切な酸が使用され得る)。
【0050】
ハロゲン化物、メシレートまたはトシレート等の適切なアルキル化剤(xvi)、および炭酸カリウムまたは炭酸セシウム等の塩基を使用し、アセトニトリルまたはDMF等の適切な溶媒中、典型的には80℃から還流の間の温度で、アルコール(xiv)を保護アミン(xv)(保護基は好ましくはBOCである)に変換することができる。アミンの脱保護は、(xvii)を得るための標準的な文献の方法を使用して行われ得る(例えば、BOC保護基の場合について、脱保護は、トリフルオロ酢酸または塩化水素等の適切な酸源を使用し、1,4−ジオキサン、THFまたはジクロロメタン等の適切な溶媒中で行われ得る)。
【0051】
(xviii)型のアミドの形成は、標準的な文献の条件下で行われ得る。塩化オキサリルまたは塩化チオニル等の適切な塩素化剤を使用し、ジクロロメタンまたはトルエン等の適切な溶媒中、場合により触媒DMFの存在下、典型的には0℃から室温の間の適切な温度で、酸(vii)を酸塩化物に変換することができる。次いで、酸塩化物を、アミン(xvii)と、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、ジクロロメタンまたはトルエン等の適切な溶媒中、0℃から室温の間の温度で反応させてよい。代替として、T
3P、EDCI.HCl、EDCI.MeI、HBTU、HATU、PyBop、DCCまたはCDI等のカップリング剤を用い、ジクロロメタンまたはDMF等の適切な溶媒中、酸(vii)を適切な活性種に変換することができる。EDCI.HClまたはEDCI.MeIの存在下、HOBTを添加してもよい。トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン等の適切な塩基も使用され、反応は、典型的には室温で行われる。代替として、アミン(xvii)を酸無水物またはラクトンと反応させて、一般構造(xviii)のさらなる誘導体を調製してよい。例えば、このステップにおけるアシル源として、g−ブチロラクトンもしくはg−チオブチロラクトン、または例えば無水コハク酸もしくは無水フタル酸等の無水物を使用して、誘導体(xviii)を提供することができる。
【0053】
アルコール(xiv)は、適切な酸化剤、典型的には過酸化水素、および酢酸等の適切な酸を使用し、THFまたは1,4−ジオキサン等の適切な溶媒中、ボロン酸エステル(ii)を経由して調製することもできる。
【0054】
第3の態様において、本発明は、式(III)のハプテン−担体コンジュゲート:
【0055】
【化12】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基、またはC
3〜C
10シクロアルキレン基であり、mは0または1であり、X
*は−N(H)−または−S−であり、nは1から1000までの整数であり、Yは、細菌トキソイド、免疫原性物質、ウイルス、ウイルス様粒子、タンパク質複合体、タンパク質、ポリペプチド、リポソームおよび免疫刺激複合体から選択される修飾されていてもよい担体タンパク質である]
に関する。
【0056】
ある特定の実施形態において、YはジフテリアトキソイドまたはCRM
197である。
【0057】
ハプテンと担体タンパク質との結合については、下記の方法が例証的である。例えば、ジフテリアトキソイド(DT)またはCRM
197等の担体タンパク質は、無水物、例えば無水コハク酸で処理して担体タンパク質(xix)の誘導体化バージョンを生成することによって活性化され得る。次いで、この誘導体を、標準的なカップリング試薬の存在下、例えば、T
3P、EDCI.HCl、EDCI.MeI、HBTU、HATU、PyBop、DCCまたはCDIを用いる、適切な溶媒または緩衝液(ダルベッコリン酸緩衝溶液等)中での適切な活性種への変換によって、ハプテン(xvii)とカップリングしてよい。EDCI.HClまたはEDCI.MeIの存在下、HOBTまたはN−ヒドロキシコハク酸イミド(またはその硫酸化バージョン)を添加してもよく、反応は、典型的には室温で行われて、コンジュゲート(xx)を提供する。代替として、スクシニル化/誘導体化ステップは省略されてもよく、上記の方法を使用してハプテンと担体タンパク質上の遊離カルボキシル基との直接的なカップリングを行って、コンジュゲート(xxiv)を提供することができる。代替として、担体タンパク質を、ブロモ酢酸N−ヒドロキシコハク酸イミド等の代替的な誘導体化試薬で処理して、誘導体化種(xxi)を得ることができ、これをチオール含有ハプテン(xxii)で処理して、コンジュゲート(xxiii)を提供することができる。
【0059】
下記の実施形態が想定される。
(i)Wが−O−である、上記した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(ii)Wが−CH
2−である、上記した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(iii)Wが、ピリジン環の2、5または6位にある、上記または実施形態(i)および(ii)において記述した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(iv)Wがピリジン環の5位にある、上記または実施形態(i)から(iii)において記述した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(v)−(スペーサー)−が、C
1〜C
8アルキレン基、C
6シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよい、C
1〜C
12アルキレン基である、上記または実施形態(i)から(iv)において記述した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(vi)−(スペーサー)−がC
1〜C
8アルキレン基である、上記または実施形態(i)から(iv)において記述した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(vii)mが0である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(vi)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(viii)担体が、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイドまたは非毒性突然変異体ジフテリアトキソイドCRM
197等のその誘導体、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ヘモシアニン、アルブミン、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)由来の外膜タンパク質複合体(OMPC)、易熱性大腸菌(Escherichia coli)Bサブユニット、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の組換えエキソプロテインA(rEPA)、およびバクテリオファージQbの組換え外被タンパク質からアセンブルされたもの等のウイルス様粒子から選択される修飾されていてもよいタンパク質である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(vii)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(ix)担体が、修飾されていてもよいジフテリアトキソイドおよびCRM
197から選択されるタンパク質である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(viii)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(x)担体が修飾されていてもよいCRM
197である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(ix)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(xi)nが、1から40の範囲内の整数である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(x)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(xii)nが、10から18の範囲内の整数である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(x)による式(III)のハプテン−担体コンジュゲート、
(xiii)担体タンパク質が修飾されたスクシニル化タンパク質である、上記した通りのまたは実施形態(i)から(xii)によるまたは上記した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲート。
【0060】
ジフテリア毒素は、37℃での、ホルムアルデヒドおよび他の添加剤の存在下、4から6週間の間のインキュベーションにより、ジフテリアトキソイドに変換される。この処理は、タンパク質を非毒性にするがその免疫原性は保持する不均一な分子量の高度に架橋されたタンパク質を生じさせる。このタンパク質のワクチン担体タンパク質としての使用は十分に裏付けられており、ブタ用の抗ゴナドトロピン放出因子(GnRF)ワクチンとして、去勢手術の代替として(Improvac(商標)、Pfizer)使用されてきた。該タンパク質は、ジフテリアに対するヒト用ワクチンとして、それぞれジフテリア、破傷風および無細胞百日咳を治療するためのDTaPワクチンの一部として、非コンジュゲート形態でも市販されている。
【0061】
CRM
197は、グルタミン酸残基の52位におけるグリシン残基の単一点突然変異によって非毒性にされた、ジフテリア毒素の遺伝的に解毒されたバージョンである。突然変異は、NAD+と結合するタンパク質の能力を除去するため、タンパク質は酵素的に不活性である。架橋結合の非存在により、該タンパク質は、ジフテリア毒素のホルムアルデヒド不活性化調製物であるジフテリアトキソイドよりも均一な分子量の生成物である。CRM
197は、市販の抗肺炎球菌ワクチン治療用の担体タンパク質としても使用されてきた(Prevnar(登録商標)、Pfizer)。
【0062】
第4の態様において、本発明は、上記した通りのニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートを作製する方法であって、修飾されていてもよい担体タンパク質を、上記した通りの式(I)のニコチン誘導ハプテンまたは式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲートとカップリングするステップを含む方法に関する。
【0063】
ある特定の実施形態において、ハプテンと担体タンパク質との結合は、一緒に連結している担体タンパク質の数を最小化する手法で為され得る。ある特定の実施形態において、一緒に連結している担体タンパク質の数は、担体タンパク質の総数の5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満または30%未満である。
【0064】
好ましい実施形態において、上記した通りの式(III)のニコチン誘導ハプテン担体コンジュゲート[式中、X
*は−NH−である]を作製する方法であって、修飾されていてもよい担体タンパク質を、スルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩で処理し、次いで、上記した通りの式(I)のハプテンまたは式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート[式中、Xは−NH
2である]を添加するステップを含む方法に関する。
【0065】
代替的な実施形態において、本発明は、上記した通りの式(III)のハプテン担体コンジュゲート[式中、X
*は−NH−である]を作製する方法であって、担体タンパク質を無水コハク酸で処理して修飾されたスクシニル化担体タンパク質を得るステップと、該修飾されたスクシニル化担体タンパク質を、スルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩で処理し、次いで、上記した通りの式(I)のハプテンまたは式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート[式中、Xは−NH
2である]を添加するステップとを含む方法に関する。
【0066】
代替的な実施形態において、本発明は、上記した通りの式(III)のハプテン担体コンジュゲート[式中、X
*は−S−である]を作製する方法であって、担体タンパク質をブロモ酢酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルで処理し、次いで、上記した通りの式(I)のハプテンまたは式(II)のハプテン−スペーサーコンジュゲート[式中、Xは−SHである]を添加するステップを含む方法に関する。
【0067】
第5の態様において、本発明は、上記で定義した通りの複数の式(III)のハプテン−担体コンジュゲートと、1つまたは複数のアジュバントとを含む、ワクチン(またはワクチン組成物)に関する。
【0068】
適切なアジュバントの例は、担体分子とカップリングされた際のニコチンハプテンに対する抗体応答を含む、抗原に対する抗体応答を強化することが知られているものである。アジュバントは、当技術分野においてよく知られている(J.C.Aguilar、E.G.Rodriguez、Review:Vaccine Adjuvants Revisited、2007、Vaccine、25、3752〜3762)。アジュバントは、直接的な先天性免疫活性化、デポー剤を生じさせること、または抗原のための送達ビヒクルとして作用することを含む1つまたは複数の機序によって作用し得る。直接的な先天性免疫活性化によって作用するアジュバントは、TLR3を活性化する安定化ポリI:C、TLR4を経由して活性化するモノホスホリル−脂質A(MPL)もしくはグリコピラノシル脂質アジュバント(GLA)等のリポ多糖の誘導体、TLR5を経由して活性化するフラジェリン、TLR7もしくはTLR8またはTLR7およびTLR8の両方を経由して活性化するイミキモドまたはレシキモド等のイミダゾキノリンファミリーの低分子、TLR7および/またはTLR8を経由して活性化するオリゴリボヌクレオチド(ORN)、ならびにTLR9を経由して活性化するCpGモチーフを含有するオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含むがこれらに限定されないトール様受容体(TLR)のアゴニストであってよい。CpG ODN TLR9アゴニストは、E修飾として知られている5’Tのハロゲン化の有無にかかわらず、A−クラス、B−クラス、C−クラスまたはP−クラスのものであってよく、全ホスホジエステル骨格、全ホスホロチオエート骨格、キメラ骨格、CpGモチーフのシトシンとグアノシンとの間を除いて全ホスホロチオエートである「半軟質」骨格で作製され得る。直接的な先天性免疫活性化によって作用するアジュバントは、QS21または他のサポニン等の非TLR機序を介して作用し得る。
【0069】
アジュバントは、インフラマソームを経由してデポー剤系および先天性免疫活性化因子の両方として作用するアルミニウム塩であってよい。アルミニウム塩は、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムから優先的に選択される。水酸化アルミニウムは、優先的にアルヒドロゲルオリジナルまたはアルヒドロゲル’85である。
【0070】
免疫活性化および送達ビヒクルの両方を介して作用するアジュバントは、ISCOMATRIX等の免疫刺激性複合体(ISCOM)であってよい。
【0071】
送達ビヒクル特性を有するアジュバントは、高分子複合体、ナノカプセル、ナノ粒子、マイクロスフェア、マイクロ粒子またはビロゾームであってよく、これらは、その表面上に、特定の細胞型への標的化を目的とした部分を有し得る。アジュバントは、水中油型エマルション、油中水型エマルション、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含む脂質ベースの系であってよい。リポソームは、単層であっても多重膜であってもよい。エマルションは、MF−59等のスクアレンベースであってよい。
【0072】
アジュバントはビロゾームであってよい。
【0073】
好ましいアジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)、アルミニウム塩、QS21およびISCOMSから選択される。
【0074】
好ましいCpG ODNは、B細胞を優先的に活性化するBクラスのものである。本発明の態様において、CpG ODNは、核酸配列5’T
*C
*G
*T
*C
*G
*T
*T
*T
*T
*T
*C
*G
*G
*T
*G
*C
*T
*T
*T
*T3’(配列番号1)を有し、ここで、*はホスホロチオエート結合を示す。この配列のCpG ODNは、CpG24555として知られている。
【0075】
本明細書において使用される場合、用語「オリゴデオキシヌクレオチド」(ODN)は、多重ヌクレオチド(すなわち、リン酸基と、および置換ピリミジン(例えば、シトシン(C)またはチミジン(T))または置換プリン(例えば、アデニン(A)またはグアニン(G))のいずれかである交換可能な有機塩基と連結しているデオキシリボース糖を含む分子)を意味する。核酸分子は、既存の核酸源(例えば、ゲノムまたはcDNA)から取得され得るが、好ましくは合成である(例えば、核酸合成によって生成される)。ホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチドは、インビボでの分解(例えば、エンドおよびエキソヌクレアーゼを経由するもの)に対して比較的耐性があり、インビボで活性の強化を提供する。
【0076】
オリゴヌクレオチドの合成および化学修飾のための方法は、当業者に知られており、例えば、Uhlmann Eら(1990)、Chem.Rev.90:543;「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」Synthesis and Properties&Synthesis and Analytical Techniques、S.Agrawal編、Humana Press、Totowa、USA 1993;Crooke,S.T.ら(1996)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36:107〜129;およびHunziker J.ら、(1995)、Mod.Synth.Methods 7:331〜417において記述されている。本発明のオリゴヌクレオチドは、当技術分野においてよく知られている若干数の手順のいずれかを使用して新たに合成され得る。例えば、b−シアノエチルホスホラミダイト法(Beaucage,S.L.およびCaruthers,M.H.、(1981)Tet.Let.22:1859);ヌクレオシドH−ホスホネート法(Gareggら、(1986)Tet.Let.27:4051〜4054;Froehlerら、(1986)Nucl.Acid Res.14:5399〜5407;Gareggら、(1986)27:4055〜4058;Gaffneyら、(1988)Tet.Let.29:2619〜2622)である。これらの化学は、市場で入手可能である多様な自動核酸合成機によって実施され得る。これらのオリゴヌクレオチドを、合成オリゴヌクレオチドと称する。ホスホロチオエート等の修飾された骨格は、ホスホラミデートまたはH−ホスホネート化学のいずれかを用いる自動化された技術を使用して合成され得る。アリール−およびアルキル−ホスホネートは、例えば、米国特許第4,469,863号において記述されている通りに作製されてもよく、アルキルホスホトリエステル(荷電酸素部分が米国特許第5,023,243号において記述されている通りにアルキル化される)は、市販の試薬を使用する自動固相合成によって調製されてもよい。他のDNA骨格修飾および置換を作製するための方法が記述されている(例えば、Uhlmann,E.およびPeyman,A.、Chem.Rev.90:544、1990;Goodchild,J.、Bioconjugate Chem.1:165、1990)。
【0077】
、
最も好ましいアジュバントは、アルヒドロゲル等の水酸化アルミニウム塩と一緒に使用されるCpG24555(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同時係属出願第PCT/IB2009/055444号において記述されている通りのもの)である。故に、一実施形態において、上記で定義した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲートとCpG24555とを含むワクチン(またはワクチン組成物)が提供される。さらなる実施形態において、上記した通りの式(III)のハプテン−担体コンジュゲートと、CpG24555と、水酸化アルミニウム塩とを含むワクチン(またはワクチン組成物)が提供される。別の実施形態において、CpG24555と、複数の式(IV)のハプテン−担体コンジュゲート:
【0078】
【化14】
[式中、YはジフテリアトキソイドまたはCRM
197であり、nは、1から40の範囲内の整数である]
とを含む、ワクチン(またはワクチン組成物)が提供される。
【0079】
また別の実施形態において、CpG24555と、水酸化アルミニウム塩と、複数の式(IV)のハプテン−担体コンジュゲート:
【0080】
【化15】
[式中、YはジフテリアトキソイドまたはCRM
197であり、nは、1から40の範囲内の整数である]
とを含む、ワクチン(またはワクチン組成物)が提供される。
【0081】
また別の実施形態において、水酸化アルミニウム塩(例えばアルヒドロゲル)と、複数の式(IV)のハプテン−担体コンジュゲート:
【0082】
【化16】
[式中、YはジフテリアトキソイドまたはCRM
197であり、nは、1から40の範囲内の整数である]
とを含む、ワクチン(またはワクチン組成物)が提供される。
【0083】
ある特定の実施形態において、nは、1から30の両端を含めた範囲内の整数である。ある特定の実施形態において、nは、5から23の両端を含めた範囲内の整数である。ある特定の実施形態において、nは、10から18の両端を含めた範囲内の整数である。ある特定の実施形態において、nは10である。ある特定の実施形態において、nは11である。ある特定の実施形態において、nは12である。ある特定の実施形態において、nは13である。ある特定の実施形態において、nは14である。ある特定の実施形態において、nは15である。ある特定の実施形態において、nは16である。ある特定の実施形態において、nは17である。ある特定の実施形態において、nは18である。
【0084】
以下の例示で分かるが、ハプテン−担体コンジュゲートを形成するカップリング条件を変動させることにより、担体タンパク質のクロスカップリングを最小化することができる。担体タンパク質がクロスカップリングしている場合、得られるハプテン−担体コンジュゲートは、一緒に共有または非共有結合している多重担体タンパク質を含み、本明細書においては「高分子量種」と称される。対照的に、「低分子量種」は、本明細書において使用される場合、担体タンパク質の一部がコンジュゲートの調製中に失われたハプテン−担体コンジュゲートを指す。ある特定の実施形態において、高分子量種は効果の低いワクチンにつながることが観察された。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、ハプテン−担体コンジュゲートの一部である担体タンパク質の5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満または30%未満がクロスカップリングしている(すなわち、高分子量種である)、前述のワクチン組成物のいずれかを指す。
【0085】
ある特定の実施形態において、本発明は、ハプテン−担体コンジュゲートの一部である担体タンパク質の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%がクロスカップリングしていない、前述のワクチン組成物のいずれかに関する。
【0086】
ある特定の実施形態において、前述のワクチン組成物のいずれか1つの抗原成分の70%超、75%超、80%超、85%超、90%超または95%超が、式IVのハプテン−担体コンジュゲートである。
【0087】
ある特定の実施形態において、本発明は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の担体タンパク質が50,000ダルトンから70,000ダルトンの間の分子量を有する、前述のワクチン組成物のいずれかに関する。ある特定の実施形態において、本発明は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の担体タンパク質が約58,000ダルトンの分子量を有する、前述のワクチン組成物のいずれかに関する。
【0088】
本発明のワクチン組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容できる添加剤を場合により含有してよい。適切な添加剤は、滅菌水、食塩水および緩衝液を含む。一実施形態において、ハプテン−担体コンジュゲートは、薬学的に許容できるpHで生理食塩水に可溶化される。ワクチン組成物は、分散媒、コーティング、界面活性剤、保存剤および安定剤等の少なくとも1つの助剤を場合により含有してもよい。本発明のワクチン組成物は、好ましくは無菌である。
【0089】
本発明のワクチン組成物は、概して、初回免疫および追加免疫用量の両方のために投与されることになる。初期シリーズは、数週間の間隔が空けられる数用量を含み、さらなる追加免疫用量は数か月もしく数年の間隔が、または断煙率向上と相関することが臨床的に示された所望のレベルを循環抗体のレベルが下回るような時間が空けられるであろうことが予測される。好ましくは、本発明のワクチン組成物は、6から24週間かけて投与される3から6用量の初期シリーズとして投与され、その後、追加免疫用量が3から12か月毎に投与される。
【0090】
本発明のワクチン組成物は、非経口経路によって、例えば、筋肉内(IM)、皮内(ID)もしくは皮下(SC)注射を経由して、または適正なデバイスを使用する場合、皮膚(経皮)もしくは粘膜表面への局所投与によって、投与され得る。
【0091】
ある特定の実施形態において、本発明のハプテン担体コンジュゲートおよび/またはワクチンは、極微針デバイスの使用を介して皮内(ID)投与され得る。一態様において、本発明は、本発明のニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物でコーティングされた、それを含む、またはそれを送達するのに有効な、1本または複数の極微針を含む極微針デバイスを提供する。ある特定の実施形態において、1本または複数の極微針は、極微針が皮膚への単純な非侵襲性投与を可能にするパッチとして調製され得る。本発明の別の態様は、本発明のニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物の送達のための極微針技術の使用を企図している。
【0092】
極微針送達技術は、短(例えば、長さ4mm未満)針(複数可)のアレイを使用して、ニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートを含有するワクチン組成物の特定の望ましい皮膚深度への送達を容易にすることができる。そのような極微針は、表皮の角質層および基底層を突き刺して、薬物を表皮または隣接する真皮内に直接提示する。極微針のサイズが小さいことにより、適用は比較的無痛であり、出血または適用部位の反応は(あったとしても)最小である。本明細書において、用語「極微針」は、角質層皮膚層を貫通して表皮/真皮層まで貫入する程度に十分長いが、神経終末の活性化による実質的な痛みをもたらさない程度に十分短い、細長い構造を指す。
【0093】
経皮送達を容易にする極微針は、Prausnitz、Advanced Drug Delivery Reviews 56(2004)581〜587;Zahnら、Biomed.Microdevices 6(2004)183〜190;Shirkhandeh J.Materials Sci.16(2005)37〜45;Park,J.Controlled Release 104(2005)51〜66;米国特許第3,964,482号、同第6,503,231号、同第6,745,211号、同第6,611,707号、同第6,334,856号、ならびに米国特許出願公開第2005/0209565号、同第2004/0106904号、同第2004/0186419号、同第2002/0193754号および同第2010/0196445号において記述されており、これらはいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。適切な極微針は、シリコン、金属およびポリマーを含む多くの材料から加工されている。Davisらは、皮膚への極微針挿入の機械について記述している(Davisら、J.Biomech.37(2004)1155〜1163)。
【0094】
本明細書において記述されている実施形態において、中実または中空極微針を使用してよい。一実施形態において、本発明に使用するための極微針は中実である。例えば、チャネルは、極微針アレイで皮膚を貫通し、続いて針の除去およびその後薬物の適用をすることによって作製され得る(例えば、Martantoら、Pharm.Res.21(2004)およびMcAllisterら、PNAS 100(2003)13755〜13760を参照されたい)。本発明による治療剤を含む製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル剤、局所クリーム剤、膏薬、軟膏剤もしくは他の局所製剤として、および/または包帯、密封体(occlusive body)、パッチ等の送達デバイスを使用することによって、極微針で処置した部位に適用され得る。
【0095】
別の実施形態において、中実(非多孔性)極微針は、皮膚への適用前に、本発明によるニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物でコーティングされる。次いで、極微針を使用して表皮を穿刺し、該針を皮膚表面と接触させたまま十分な期間保ち、周囲の皮膚組織へのハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物の拡散を可能にする。(そのような方式での治療剤の投与については、Prausnitz、Advanced Drug Delivery Reviews 56(2004)581〜587を参照されたい)。別の実施形態において、本発明のハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物の貯蔵を可能にするチャネルを含有する、中空(多孔性)極微針が使用される。皮膚への適用時に、ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物は、拡散または圧力駆動流によって皮膚組織内に拡散する。(そのような方式での治療剤の投与については、Zahnら、Biomed.Microdevices 6(2004)183〜190を参照されたい)。
【0096】
また別の実施形態において、従来の中空針技術とは対照的に、本発明のある特定の態様は、本発明のワクチン組成物を送達するために使用され得る溶解性および/または生分解性材料の中実マトリックスから形成される極微針に関する。中実極微針の例については、いずれも生分解性ポリマー製の極微針アレイについて記述しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,945,952号、同第7,611,481号、ならびに出願公開第2002/0082543号、同第2005/0197308号および同第2008/0269685号を参照されたい。
【0097】
ある特定の実施形態において、中実極微針は、合成および/または天然由来の熱成形ポリマー材料を含む速溶性および/または膨張性材料から構成され得る。ある特定の実施形態において、中実極微針は、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリウレタンおよびコポリマー、ならびにそれらの混和物等の適切な生体適合性、生分解性ポリマーから形成され得る。他の実施形態において、中実極微針は、ポリアクリレート、エチレン−酢酸ビニルおよび他のアシル置換酢酸セルロースのポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、それらの混和物およびコポリマー等の非生分解性ポリマーから形成され得る。
【0098】
極微針は、単独で、または複数の極微針のアレイとして使用され得る。種々のサイズのアレイが本発明での使用に適している。一実施形態において、1〜10本の極微針が使用される。他の実施形態において、10〜25、10〜50、25〜50、25〜200、25〜100または50〜100本の針を含む極微針アレイが使用される。極微針のアレイは、使用される極微針の長さ、直径、針間の距離、鋭度および総数を含むがこれらに限定されないいくつかの要因に基づいて変動し得る。例示的な実施形態において、極微針のアレイは10×10マトリックスを含む。別の実施形態において、極微針のアレイは20×20マトリックスを含む。いくつかの実施形態において、アレイ中の各極微針間の距離は、約100μmから約400μmまでである。一実施形態において、アレイの特定の寸法は、皮膚透過性の所望の強化に応じて選択され得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、極微針は、20μmから約1000μmまで、例えば、約50μmから約150μmまで、または約150μmから約500μmまで、または500μmから約1000μmまで、または600μmから約800μmまでの長さを有する。他の実施形態において、極微針は、約50、100、250、500、600、700、800、900または1000μmの長さである。また他の実施形態において、極微針は、少なくとも50、100、250、500、600、700、800、900または1000μmの長さである。他の実施形態において、極微針は、50、100、250、500、600、700、800、900または1000μm未満の長さである。一実施形態において、極微針は、約700μmの長さである。いくつかの実施形態において、極微針は、約400μmから約700μmの深度で皮膚を貫通する。一実施形態において、極微針は、角質層の底部にほぼ相当する深度で皮膚を貫通する。別の実施形態において、極微針は、ほぼ真皮層の最上部まで皮膚を貫通する。また他の実施形態において、極微針は、ほぼ角質層の底部と真皮層の最上部との間の深度まで皮膚を貫通する。極微針は、効能を維持するために必要とされる通りの多様な直径のいずれかであってよい。いくつかの実施形態において、極微針の外径は、約20μmから約100μmまでであってよい。他の実施形態において、極微針の外径は、約10μmから約50μmまでであってよい。中空極微針の内径は、いくつかの実施形態において、約5μmから約70μmまでであってよい。加えて、極微針の外径または内径は、最大10、20、30、40、50、60、70、80、90または100μmであってよい。上記の極微針寸法の任意の組合せを、本明細書において記述されているシステムおよび方法で必要に応じて使用してよい。
【0100】
極微針は、シリコン、金属、ポリマーおよびガラスを含むがこれらに限定されない多様な材料から製造され得る。いくつかの実施形態において、シリコン極微針が使用される。シリコン極微針は、中実であるか中空であるかにかかわらず、シリコンウエハーからエッチングすることができる。例えば、各極微針の位置に印をつけ、周囲のシリコンをエッチング除去して、極微針のアレイを共通の基盤に付着させる。いくつかの実施形態において、シリコンウエハーの厚さは、約300〜600μmの間である。
【0101】
他の実施形態において、極微針は、ニッケル、チタン、およびステンレス鋼等の合金を含むがこれらに限定されない金属から作製される。いくつかの実施形態において、金属極微針をエポキシ鋳型から作製し、次いで選択した金属で電気めっきし、その一方でその後エポキシ鋳型をエッチング除去する。得られる極微針は、再使用可能または使い捨てのいずれであってもよい。極微針は、Zosano Pharma,Inc.、Coriumおよび3Mを含む商業的供給源から入手することもできる。Zosanoおよび3Mは、いずれもコーティングされた極微針含有パッチを開発した。Coriumは、生分解性極微針を開発した。3Mは、中空極微針(例えば、Intanza(登録商標)/IDflu(登録商標))を開発した。
【0102】
ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物は、多様な方法を使用して極微針に適用され得る。一実施形態において、ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物を含む溶液を調製し、該溶液を極微針上/内に配置させ、続いて溶液を乾燥させる。代替として、ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物を含む溶液にマイクロアレイを浸漬して、ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物で極微針をコーティングする。追加のタンパク質または成分を本発明の極微針上または内にコーティングする場合、追加のコーティングステップを実施してよい。代替として、溶液の数種またはすべての成分を1つの溶液に混合し、次いでこれを極微針上/内に配置させる。浸漬コーティング、スプレーコーティング、または当技術分野において知られている他の技術、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2006/138719号において記述されているものが使用され得る。コーティングは、固体であっても半固体であってもよい。
【0103】
各ワクチン用量中のハプテンコンジュゲート担体タンパク質の量は、典型的なワクチンにおける有意な有害副作用無しに免疫防御応答を誘発する量として選択される。適切な投薬量範囲は、0.01から10mg/用量、好ましくは0.1から1.0mg/用量である。概して、人が単回ワクチン用量の後に外来抗原に対する抗体を産生するには2週間以上かかり、概して、抗ニコチンワクチンが禁煙を支援するために望ましいもの等の高度に持続性の抗体力価を誘発するには、数週間にわたって投与される数回のワクチン用量を要する。人の血液中における抗体の生成は、ELISA、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴およびウエスタンブロッティング法等、当業者によく知られている技術を使用してモニターすることができる。
【0104】
故に、第6の態様において、本発明は、薬剤として使用するための、上記で定義した通りのハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物に関する。
【0105】
またさらなる態様において、本発明は、断煙を希望している喫煙者、再発の回避を希望している元喫煙者において断煙率を増大させ、再発率を低減させるのに使用するための、またはニコチン中毒の予防のための、上記で定義した通りのハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物に関する。
【0106】
またさらなる態様において、本発明は、そのような治療を必要とする人におけるニコチン依存の治療または予防用薬剤の製造のための、上記で定義した通りのニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物に関する。
【0107】
またさらなる態様において、本発明は、そのような治療を必要とする人におけるニコチン中毒を治療または予防するのに使用するための、上記で定義した通りのニコチン誘導ハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物に関する。
【0108】
またさらなる態様において、本発明は、断煙を希望している喫煙者における禁煙を支援するため、または断煙した喫煙者における再発を予防するため、または別の源からの喫煙またはニコチンに暴露される可能性がある人におけるニコチン中毒を予防するための治療方法であって、該人に、有効量の上記で定義した通りのハプテン−担体コンジュゲートまたはワクチン組成物を投与するステップを含む方法に関する。
【0109】
一実施形態において、本発明は、該人に、別の非ワクチン禁煙製品を投与するステップをさらに含む。適切な製品は、場合により持続放出形態のバレニクリンまたはブプロピオン等、ニコチン性アセチルコリン受容体を標的とする薬物療法製品を含む。本発明の方法において使用され得る他の製品は、クロニジンおよびノルトリプチリンを含む。追加の適切な製品は、例えば、パッチ(16時間および24時間)、ガム、鼻腔用スプレーまたは吸入器の形態の、ニコチン置き換え療法(NRT)製品を含む。
【0110】
またさらなる態様において、本発明は、本発明によるハプテン担体コンジュゲートを作製する方法であって、修飾されていてもよい担体タンパク質を、本発明によるハプテンまたは本発明によるハプテン−スペーサーコンジュゲートとカップリングするステップを含む方法に関する。
【0111】
またさらなる態様において、本発明は、式(III)のハプテン担体コンジュゲート:
【0112】
【化17】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、C
3〜C
10シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基であり、X
*は−NH−であり、mは0または1であり、nは1から1000までの整数であり、Yは、細菌トキソイド、免疫原性物質、ウイルス、ウイルス様粒子、タンパク質複合体、タンパク質、ポリペプチド、リポソームおよび免疫刺激複合体から選択される修飾されていてもよい担体タンパク質である]を作製する方法であって、修飾されていてもよい担体タンパク質を、スルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩で処理し、次いで、式(I)のハプテン:
【0113】
【化18】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、Xは−NH
2である]
または式(II)によるハプテン−スペーサーコンジュゲート:
【0114】
【化19】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、C
3〜C
10シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基であり、Xは−NH
2である]
のいずれかを添加するステップを含む方法に関する。
【0115】
またさらなる態様において、本発明は、式(III)のコンジュゲート:
【0116】
【化20】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、C
3〜C
10シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基であり、X
*は−NH−であり、mは0または1であり、nは1から1000までの整数であり、Yは、細菌トキソイド、免疫原性物質、ウイルス、ウイルス様粒子、タンパク質複合体、タンパク質、ポリペプチド、リポソームおよび免疫刺激複合体から選択される修飾されていてもよい担体タンパク質である]を作製する方法であって、担体タンパク質を無水コハク酸で処理して修飾されたスクシニル化担体タンパク質を得るステップと、該修飾されたスクシニル化担体タンパク質を、スルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩で処理し、次いで、式(I)のハプテン:
【0117】
【化21】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、Xは−NH
2である]
または式(II)によるハプテン−スペーサーコンジュゲート:
【0118】
【化22】
[式中、Wは−CH
2−または−O−であり、−(スペーサー)−は、C
1〜C
8アルキレン基、C
3〜C
10シクロアルキレン基または1から4個の酸素原子によって中断されており、−N(H)C(O)−によって中断されていてもよいC
1〜C
12アルキレン基であり、Xは−NH
2である]
のいずれかを添加するステップとを含む方法に関する。
【0119】
生物学的アッセイ
抗ニコチン抗体ELISA。ELISAアッセイを使用して、マウス血漿中における抗ニコチン抗体のレベルを次の通りに定量化した。ニコチン分子はELISAプレートへのコーティングに適していないため、生体接着特性を有するさらに大きな分子(ウシ血清アルブミン)と連結させた。ニコチン誘導体(rac−trans3’−チオメチルニコチン)をウシ血清アルブミンとコンジュゲートさせ、取得されたニコチン−BSAコンジュゲートを使用して、炭酸緩衝液(Sigma−Aldrich)中1μg/mLの最終濃度で96ウェルイムノマキシソープELISAプレート(VWR)をコーティングし(100μL/ウェル)、4℃で終夜インキュベートした。次いで、プレートを吸引し、0.05%Tween(登録商標)20(Sigma−Aldrich、P3563)を含有するリン酸緩衝溶液で洗浄した。プレートを、37℃で1時間、200μLのブロッキング緩衝液(炭酸緩衝液+10%仔ウシ血清、Fisher)でブロックし、次いで上記のように洗浄した。試料および標準血漿を希釈緩衝液(0.05%Tween(登録商標)20+10%BCSを加えた1×PBS)中で連続希釈し、プレートに添加した(100μL/ウェル)。プレートを37℃で2時間インキュベートした。これらを再度洗浄し、次いで、希釈緩衝液(0.05%Tween(登録商標)20+10%BCSを加えた1×PBS)で希釈したヤギ抗マウスIgG−HRP(Southern Biotech)とともに37℃で1時間インキュベートした。次いで、プレートを再度洗浄し、O−フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)基質(リン酸クエン酸緩衝液に溶解した1×5mgのOPD錠、Sigma−Aldrich)とともに、室温、暗所で30分間インキュベートした。各ウェルへの50μLの4N硫酸(VWR)の添加によって反応を停止させ、自動プレートリーダーを使用して450nmで読み取った。試料は、非免疫性血漿の値よりも2倍大きい抗体吸光度(antibodiesorbance)値(OD450)を0.05のカットオフ値でもたらす最大血漿希釈として定量化された。
【0120】
抗ニコチン抗体のアビディティの測定。抗ニコチン抗体のアビディティは、チオシアン酸アンモニウム溶離ベースのELISA法を使用して次の通りに測定した。96ウェルイムノマキシソープELISAプレート(VWR)を、炭酸緩衝液(Sigma−Aldrich)中1μg/mLの濃度のニコチン−BSA抗原溶液でコーティング(100μL/ウェル)し、4℃で終夜インキュベートした。プレートを、0.05%Tween(登録商標)20(Sigma−Aldrich)を含有するリン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄し、次いで、37℃で1時間、200μL炭酸緩衝液+10%仔ウシ血清(Fisher)でブロックした。プレートを再度洗浄した。抗ニコチン抗体を含有することが予め判明している血漿試料を、0.05%Tween(登録商標)20+10%仔ウシ血清(BCS)を含有するPBS中で希釈して、450nmで約1.0の最適な抗体吸光度値を達成し、次いで、100μL/ウェルでプレートに添加した。プレートを37℃で2時間インキュベートし、次いで洗浄した。次に、チオシアン酸アンモニウム(NH
4SCN)(100μL/ウェル)を、PBS/0.05%Tween(登録商標)20中で希釈した0から2.0Mまでの範囲の濃度で添加することにより、溶離を実施し、室温で15分間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄し、希釈緩衝液(0.05%Tween(登録商標)20+10%BCSを加えた1×PBS)で希釈したヤギ抗マウスIgG−HRP(Southern Biotech)を使用して、37℃で1時間、抗体結合を検出した。次いで、プレートを再度洗浄し、O−フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)基質(リン酸クエン酸緩衝液に溶解した1×5mgのOPD錠、Sigma−Aldrich)とともに、室温、暗所で30分間インキュベートした。各ウェルへの50μLの4N硫酸(VWR)の添加によって反応を停止させ、自動プレートリーダーを使用して450nmで読み取った。次いで、結果をNH
4SCNの存在下における抗原−抗体の結合のパーセント低減(ODにおける%低減)として表現し、NH
4SCNのモル濃度に対してプロットした。アビディティ指数は、結合の50%低減を生成するために必要とされるNH
4SCNの濃度として算出した。
【0121】
血漿および脳中におけるニコチン分布の評価。血漿および脳中におけるニコチン分布に対する免疫化の影響は、動物(抗ニコチンワクチンで予め免疫化したもの)に、100μLのPBS中の3μCi
3H−ニコチンを含有する0.05mg/kgの(−)酒石酸水素ニコチンを、10秒間かけて尾静脈注入を経由して投与することによって決定した。5分後、心穿刺によって血液を取得し、血漿を収集した。20mLを心臓の左室に1から2分間かけて注射することによってマウスをPBSで直ちに灌流し、脳を採取し、秤量した。脳を、1mLの消化緩衝液(100mgの組織当たり、100mM塩化ナトリウム、25mMトリス、25mM EDTA、0.5%イゲパルCA−630および0.3mg/mLのプロテイナーゼK)中、約50℃で72時間消化した。100μLアリコートの脳消化物または血漿を5mLの液体シンチレーション流体と混合し、液体シンチレーション計数によって放射性標識ニコチンのレベルを決定した。
【0122】
抗ニコチンワクチンによって誘発された抗体の特異性を決定するための競合ELISA。抗ニコチン抗体の特異性は、競合ELISAを使用し、次の通りに決定した。96ウェルイムノマキシソープELISAプレート(VWR)を、炭酸緩衝液(Sigma−Aldrich)中1μg/mLの濃度のニコチン−BSA抗原溶液でコーティング(100μL/ウェル)し、4℃で終夜インキュベートした。プレートを、0.05%Tween(登録商標)20(Sigma−Aldrich)を含有するリン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄し、37℃で1時間、200μL炭酸緩衝液+10%仔ウシ血清(Fisher)でブロックし、次いで再度洗浄した。このインキュベーションの間に、抗ニコチン抗体を含有することが予め判明している血漿試料を、0.05%Tween(登録商標)20+10%仔ウシ血清(BCS)を含有するPBS中で希釈して、450nmで約1.0から1.5の最適な抗体吸光度値を達成し、異なる阻害剤(ニコチン、コチニン、アセチルコリン、バレニクリン)を、20,000μMから出発して連続希釈した。等体積(65μL)の希釈された試料および選択された阻害剤を、コーティングされていない96ウェルプレートのウェルに添加し、37℃で1時間インキュベートさせた。インキュベーション後、予めブロックしたニコチン−BSAコーティングプレートに、血漿/阻害剤混合物を100μL/ウェルで添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートし、次いで再度洗浄した。希釈緩衝液(0.05%Tween(登録商標)20+10%BCSを加えた1×PBS)で希釈したヤギ抗マウスIgG−HRP(Southern Biotech)を使用して、37℃で1時間、抗体結合を検出した。次いで、プレートを再度洗浄し、O−フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)基質(リン酸クエン酸緩衝液に溶解した1×5mgのOPD錠、Sigma−Aldrich)とともに、室温、暗所で30分間インキュベートした。各ウェルへの50μLの4N硫酸(VWR)の添加によって反応を停止させ、自動プレートリーダーを使用して450nmで読み取った。450nmでのOD読み取りを、阻害剤のモル濃度に対してプロットし、試験した各試料について50%阻害を外挿した。
【0123】
例示
本発明を下記の調製および実施例によって例証するがこれらに限定せず、その中で、下記の略号を使用する。
【0125】
1H NMRスペクトルは、いずれの場合も、推定構造と一致していた。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークの呼称を表す従来の略号:例えば、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、広域;brm、広域多重線;brt、広域三重線を使用し、テトラメチルシランから低磁場を百万分率で記す。
【0126】
LCMSは、別段の指示がない限り、下記の条件下で実施した:WatersクロスブリッジC18 5nm、2.1×30mmカラム、3.1分間かけて0:100から95:5、MeCN:(10mM(NH
4)
2HCO
3水溶液)。
【0127】
調製
調製1:(S)−3−ブロモ−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(または5−ブロモニコチン)
【0128】
【化23】
この化合物は、J.Am.Chem.Soc.、2007、50、15434〜15435において記述されている方法に準拠して調製した。
【0129】
ビス(ピナコラト)ジボロン(7.16g、28.21mmol)を1,4−ジオキサン(60mL)に溶解し、次いで、アルゴンを吹き込んで発泡させることによって脱気した。(S)−(−)−ニコチン(6.48mL、40.3mmol)、続いて4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(650mg g、2.42mmol)を添加した。脱気を10分間続け、次いでメトキシ(シクロオクタジエン)イリジウム(I)二量体(753mg、1.21mmol)を添加した。反応混合物を還流温度で18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物をMeOH(100mL)に溶解した。水(100mL)中の臭化銅(II)(27.0g、120.9mmol)を添加し、反応混合物を80℃で3時間加熱した。アンモニア溶液(10%水溶液、100mL)を反応混合物に添加し、次いでこれを酢酸エチルで抽出し、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)によって精製して、表題化合物を橙色油(6.14g、63%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.68-1.70 (m, 1H),
1.80-1.82 (m, 1H), 1.92-1.94 (m, 1H), 1.99-2.02 (m, 1H), 2.03 (s, 3H),
2.20-2.34 (m, 1H), 3.08 (t, 1H), 3.20 (t, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.54
(s, 1H).
【0130】
調製2:(S)−3−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル
【0131】
【化24】
MeCN(10mL)中の、(S)−3−ブロモ−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(調製1)(300mg、1.24mmol)、酢酸パラジウム(II)(14mg、0.06mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(75mg、0.25mmol)およびトリエチルアミン(0.35mL、2.48mmol)の混合物に、アルゴンを吹き込んで発泡させることによって脱気した。次いで、アクリロニトリル(0.12mL、1.87mmol)を添加し、反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトに通して濾過し、溶媒を蒸発させて、褐色固体を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を赤褐色油(188mg、71%、シスおよびトランス異性体の混合物)として得た。
1H NMR (400
MHz, CDCl
3) δ = 1.60-1.79 (m, 1H), 1.80-1.90
(m, 1H), 1.90-2.04 (m, 1H), 2.17および2.19 (2 x s, 3H),
2.16-2.40 (m, 2H), 3.11-3.30 (m, 2H), 5.57および6.00 (2 x
d, 1H), 7.16および7.40 (2 x d, 1H), 7.80および8.26 (2 x s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.60および8.71
(2 x s, 1H).
【0132】
調製3:(S)−3−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イル)プロパンニトリル
【0133】
【化25】
MeOH(5mL)中の(S)−3−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イル)アクリロニトリル(調製2)(185mg、0.87mmol)および5%Pd/C(50mg)を、水素雰囲気下で72時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、次いで溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を淡黄色油(141mg、75%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.66-1.78 (m, 1H),
1.78-1.89 (m, 1H), 1.89-2.02 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.17-2.25 (m, 1H), 2.31 (q,
1H), 2.65 (t, 2H), 2.97 (t, 2H), 3.10 (t, 1H), 3.24 (t, 1H), 7.61 (d, 1H), 8.38
(s, 1H), 8.44 (s, 1H).
【0134】
調製4:(S)−3−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イル)プロパン−1−アミン
【0135】
【化26】
MeOH中20%アンモニア(50mL)中の(S)−3−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イル)プロパンニトリル(調製3)(140mg、0.65mmol)およびラネーニッケル(50mg)を、50psiの水素下、50℃で4時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、次いで溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中7%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を淡黄色油(126mg、88%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CD
3OD) δ = 1.70-1.85 (m, 3H), 1.85-2.03
(m, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.35 (q, 2H), 2.59-2.78 (m, 4H), 3.12-3.37 (m, 2H), 7.70
(s, 1H), 8.31 (br s, 2H).
LCMS: 1.91分(97%),
m/z = 220.16 [M+H]
+
【0136】
調製5および6:(S)−2−クロロ−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(または6−クロロニコチン)および(S)−2−クロロ−3−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(または2−クロロニコチン)
【0137】
【化27】
これらの化合物は、Eur.J.Org.Chem.、2006、3562〜3565において記述されている方法に準拠して調製した。
【0138】
ブチルリチウム(ヘキサン中2M、83mL、166mmol)を、ヘキサン(70mL)中のジメチルアミノエタノール(9.3mL、92.5mmol)の溶液に−20℃で添加した。ヘキサン(30mL)中の(S)−(−)−ニコチン(5.0g、30.8mMol)を添加し、反応混合物を−20℃で1時間撹拌した。次いで、緑色溶液を−78℃に冷却し、ヘキサクロロエタン(29.1g、123mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで塩化アンモニウム(飽和水溶液)の添加によってクエンチした。DCMおよび2M HCl(水溶液)を添加した。水層をDCM(×2)で洗浄し、次いで氷/アンモニア(水溶液)の添加によって塩基性化した。水層をDCM(×2)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)によって精製して、6−クロロニコチン(調製5)(2.2g、36%)および2−クロロニコチン(調製6)(120mg、2%)をいずれも黄色油として得た。
6−クロロニコチン:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ =
1.58-2.01 (m, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.10-2.23 (m, 1H), 2.28 (q, 1H), 3.05 (t, 1H),
3.19 (dt, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 8.27 (d, 1H).
2−クロロニコチン:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ =
1.45-1.60 (m, 1H), 1.76-1.98 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.31-2.49 (m, 2H), 3.24 (t,
1H), 3.55 (t, 1H), 7.20-7.29 (m, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.24 (dd, 1H).
【0139】
調製7:(S)−2−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ)エタンアミン
【0140】
【化28】
水素化ナトリウム(油中60%、約500mg)を、エタノールアミン(3mL)中の6−クロロニコチン(調製5)(690mg、3.5mmol)に添加した。室温で15分後、反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を無色油(44mg、6%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CD
3OD) δ = 1.71-2.00 (m, 3H), 2.17
(s, 3H), 2.17-2.23 (m, 1H), 2.31 (q, 1H), 2.99 (t, 2H), 3.09 (t, 1H), 3.20 (t,
1H), 4.26 (t, 2H), 6.83 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 8.02 (d, 1H).
LCMS: 2.02分(100%),
m/z = 222.1 [M+H]
+
【0141】
調製8:(S)−2−(3−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−2−イルオキシ)エタンアミン
【0142】
【化29】
水素化ナトリウム(油中60%、約200mg)を、エタノールアミン(2mL)中の2−クロロニコチン(調製6)(120mg、0.61mmol)に添加した。室温で15分後、反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を無色油(8.5mg、6%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CD
3OD) δ = 1.60-1.70 (m, 1H),
1.81-1.99 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.23-2.40 (m, 2H), 3.03 (t, 2H), 3.19 (t, 1H),
3.53 (t, 1H), 4.27-4.41 (m, 2H), 6.96 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 8.00 (d, 1H).
LCMS: 2.03分(99%),
m/z = 222.1 [M+H]
+
【0143】
調製9:(S)−3−(4−メトキシベンジルオキシ)−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン
【0144】
【化30】
水素化ナトリウム(油中60%、650mg、32.5mmol)を、DMF(10mL)中の4−メトキシベンジルアルコール(1.4g、11.6mmol)に添加した。室温で30分後、DMF(2mL)中の5−ブロモニコチン(調製1)(1.4g、11.6mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2.5%→5%MeOH)によって精製して、表題化合物を約30%の別の異性体と混合された黄色油(402mg、23%)として得た。
【0145】
調製10:(S)−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−オール(または5−ヒドロキシニコチン)
【0146】
【化31】
調製10a:(S)−3−(4−メトキシベンジルオキシ)−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン(調製9)(400mg、1.34mmol)を、トリフルオロ酢酸(2mL)およびDCM(5mL)中、2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、次いでDCM(×5)およびMeOH中20%アンモニアと共蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)によって精製して、表題化合物を黄色油(225mg、94%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 2.20-2.39 (m, 3H),
2.48-2.59 (m, 1H), 2.76 (s, 3H), 3.83 (br s, 1H), 4.38 (br s, 1H), 7.42 (d,
1H), 8.16 (s, 1H), 8.20 (s, 1H).
LCMS: 1.26分(100%),
m/z = 179.1 [M+H]
+
【0147】
調製10b:(S)−ニコチン(54mL、336.2mmol)および4,4’−ジ−tertブチル−2,2’−ジピリジル(5.41g、20.2mmol)を、1,4−ジオキサン(218mL)中のビス(ピナコラト)ジボロン(59.8g、235.5mmols)の溶液に連続的に添加した。得られた溶液を、真空下室温で15から20分間脱気し、次いで窒素中に放出した。次いでこの手順をもう2回繰り返した。
【0148】
[Ir(cod)(OMe)]
2(6.7g、10.1mmol)を反応ベッセルに投入し、反応混合物を、真空下室温で5分間脱気し、次いで窒素中に放出した。次いで、この手順をもう2回繰り返した。
【0149】
得られた溶液を85℃で16時間加熱し、その時間の後、分析は完全反応を示した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下50から55℃で濃縮乾固した。得られた橙色残留物をテトラヒドロフラン(740mL)に溶解し、溶液を0から5℃の間に冷却した。酢酸(52.1mL、908.8mmol)をベッセルに投入し、続いて温度を0から10℃の間に維持しながら、過酸化水素溶液(30%、43.1mL、454.4mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、その時間の後、分析は完全反応を示した。
【0150】
次いで、反応混合物を0から5℃の間に冷却し、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(30%、50mL)の添加によってクエンチした。得られた混合物のpHを、濃水酸化アンモニウム溶液(130mL)の添加によって調整した。得られた二相混合物の層を分離し、水層をテトラヒドロフラン(300mL)で再抽出した。合わせた有機層を濃縮して、粗化合物を橙色ガム状物として得た。これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM中MeOH、5から20%)によって精製して不純物の大部分を除去し、続いてさらなるカラムクロマトグラフィー(100%THF)をして異性体の不純物を除去した。純粋な5−ヒドロキシニコチンが黄色固体(26g、48%収率)として単離された。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.70-2.05 (m, 4H), 2.21
(s, 3H), 2.31 (m, 1H), 3.11 (t, 1H), 3.25 (m, 1H), 7.32 (d, 1H), 8.01 (s,
1H), 8.05 (s, 1H).
【0151】
調製11:(S)−tert−ブチル2−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イルオキシ)エチルカルバメート
【0152】
【化32】
DMF(7mL)中の、(S)−5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−オール(調製10)(175mg、0.98mmol)、tert−ブチル2−ブロモエチルカルバメート(550mg、2.45mmol)および炭酸カリウム(676mg、4.9mmol)を、90℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%→10%MeOH)によって精製して、表題化合物を黄色油(108mg、34%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s, 9H), 1.70-2.00
(m, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.09-2.20 (m, 1H), 2.20-2.30 (q, 1H), 3.15-3.26 (m, 2H),
3.45 (t, 2H), 4.08 (t, 2H), 7.43 (d, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.13 (s, 1H).
LCMS: 2.62分(100%),
m/z = 322.15 [M+H]
+
【0153】
調製12:(S)−2−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イルオキシ)エタンアミン
【0154】
【化33】
調製12a:(S)−tert−ブチル2−(5−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン−3−イルオキシ)エチルカルバメート(調製11)(105mg、0.33mmol)を、トリフルオロ酢酸(1mL)およびDCM(5mL)中で1.5時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、次いでDCM(×5)およびMeOH中20%アンモニアと共蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%[MeOH中20%アンモニア])によって精製して、表題化合物を黄色油(62mg、85%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.70-2.01 (m, 3H), 2.17
(s, 3H), 2.18-2.30 (m, 1H), 2.30-2.40 (m, 1H), 3.03 (t, 2H), 3.14-3.28 (m, 2H),
4.08 (t, 2H), 7.44 (d, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.16 (s, 1H).
LCMS: 1.87分(100%),
m/z = 222.12 [M+H]
+
【0155】
調製12b:メタノール(40mL)中のカリウムメトキシド(3.37g、46.2mmol)を、メタノール(40mL)中の5−ヒドロキシニコチン(調製10b)(8.0g、44.0mmol)の溶液に、0から5℃の間で投入した。得られた混合物を90分間撹拌し、次いで、減圧下45℃で濃縮乾固した。
【0156】
ジメチルホルムアミド(80mL)中のBoc−1−アミノ−2−ブロモエタン(14.8g、66.0mmol)を、窒素下で50℃に加熱し、この時点で、予め調製した5−ヒドロキシニコチンのカリウム塩、続いて直ちに炭酸カリウム(6.7g、48.4mmol)をベッセルに投入した。
【0157】
得られた混合物を85℃で4時間加熱し、次いで室温に冷却した。これを減圧下50℃で濃縮し、得られた橙色混合物を1,4−ジオキサン(50mL)中で15分間撹拌した。次いで、溶液を濾過し、液を0から5℃の間に冷却し、次いで1,4−ジオキサン中4M HCl(65mL)で酸性化した。混合物を、減圧下50℃で濃縮し、得られた残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。次いで、この混合物を0から5℃の間に冷却し、pHを水酸化ナトリウム溶液(10M、45mL)で調整した。得られた二相混合物の層を分離し、水層をテトラヒドロフラン(2×50mL)で再抽出した。合わせた有機層を濃縮して、粗化合物を赤色油として得た。粗生成物をDCMに溶解し、10分間撹拌し、次いで濾過し、液をシリカカラムにロードし、酢酸エチル中5から30%メタノール(20%水酸化アンモニウムを含有する)で溶離することによって精製した。表題化合物は黄色油、7.15g(73%収率)として取得された。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.65-1.80 (m, 3H), 1.85
(m, 1H), 1.95 (m, 1H), 2.19 (s, 3H), 2.21 (m, 1H), 2.35 (q, 1H), 3.12 (m, 3H),
3.28 (t, 1H), 4.08 (t, 2H), 7.28 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.23 (s, 1H).
【0158】
調製13:tert−ブチル{trans−4−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)カルバモイル]シクロヘキシル}カルバメート
【0159】
【化34】
2−メチルテトラヒドロフラン(2ml)中の3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロパン−1−アミン(調製4)(100mg、0.45mmol)の溶液を、撹拌しながら、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸(132mg、0.502mmol)、続いてT3P(580μl、0.91mmol)、次いでEt
3N(118μl、0.91mmol)で処理した。3時間撹拌後、溶液をT3P(240μL、0.38mmol)で処理した。18時間撹拌後、溶液を真空で濃縮し、残留物をMeOHに溶かし、SCX−2カートリッジに適用し、MeOH、続いてMeOH中アンモニア(約2M)で溶離した。生成物含有画分を真空で濃縮し、EtOAc:MeOH:NH
3(1:0:0から90:10:1までの勾配)で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、表題化合物をガム状物(130mg、64%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.04-1.14 (m, 2H), 1.42
(s, 9H), 1.48-1.59 (m, 2H), 1.65-1.74 (m, H), 1.79-2.02 (m, 7H), 2.05-2.09
(brm, 2H), 2.13-2.22 (m, 4H), 2.26-2.33 (m, H), 2.60-2.64 (t, 2H),
3.04-3.08 (t, H), 3.20-3.30 (m, 3H), 3.40 (brm, H), 4.39 (brm, H), 5.56 (brt,
H), 7.50 (t, H), 8.30-8.31 (d, H), 8.34-8.35 (d, H).
MS, m/z=568 ES+[M+H]
+, 567 CI
[M+H]
+
【0160】
調製14:tert−ブチル(19−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−16−アザノナデカ−1−イル)カルバメート
【0161】
【化35】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−(2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(180mg、70%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.41 (s, 9H), 1.65-1.76
(m, H), 1.78-1.86 (m, 3H), 1.88-2.01 (m, H), 2.13-2.21 (m, 4H), 2.25-2.32 (m,
H), 2.44-2.47 (t, 2H), 2.61-2.65 (t, 2H), 3.03-3.07 (t, H), 3.19-3.29 (m, 6H),
3.49-3.52 (t, 2H), 3.57-3.62 (m, 11H), 3.70-3.73 (t, 2H), 5.21 (brm, H), 6.66
(brm, H), 7.51 (t, H), 8.30-8.31 (d, H),] 8.33 (d, H).
MS, m/z=445 ES+ [M+H]
+, 445 CI
[M+H]
+
【0162】
調製15:tert−ブチル{2−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−2−オキソエチル}カルバメート
【0163】
【化36】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−酢酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(133mg、77%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.45 (s, 9H), 1.66-1.77
(m, H), 1.79-1.90 (m, 3H), 1.91-2.02 (m, H), 2.14-2.23 (m, 4H), 2.27-2.34 (q,
H), 2.62-2.66 (m, 2H), 3.04-3.09 (t, H), 3.21-3.26 (m, H), 3.28-3.34 (m,
2H), 3.75-3.76 (d, 2H), 5.21 (brm, H), 6.29 (brm, H), 7.52 (t, H),
8.31-8.32 (d, H), 8.34-8.35 (d, H).
MS, m/z=377 ES+ [M+H]
+, 377 CI
[M+H]
+
【0164】
調製16:tert−ブチル{3−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−3−オキソプロピル}カルバメート
【0165】
【化37】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(130mg、73%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.41 (s, 9H), 1.67-1.75
(m, H), 1.79-1.88 (m, 3H), 1.91-2.00 (m, H), 2.14-2.23 (m, 4H), 2.27-2.33 (q,
H), 2.37-2.40 (t, 2H), 2.62-2.66 (m, 2H), 3.04-3.08 (t, H), 3.20-3.30 (m,
3H), 3.37-3.41 (q, 2H), 5.26 (brm, H), 6.00 (brm, H), 7.52 (t, H), 8.31-8.32
(d, H), 8.34 (d, H).
MS, m/z=391 ES+ [M+H]
+, 391 CI
[M+H]
+
【0166】
調製17:tert−ブチル{4−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバメート
【0167】
【化38】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ブタン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(140mg、76%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.40 (s, 9H), 1.64-1.72
(m, H), 1.74-1.87 (m, 5H), 1.87-1.89 (m, H), 2.12-2.20 (m , 6H), 2.24-2.31 (q,
H), 2.62-2.66 (m, 2H), 3.02-3.06 (t, H), 3.11-3.16 (q, 2H), 3.18-3.29 (m , 3H),
4.91 (brm, H), 6.57 (brm, H), 7.51 (t, H), 8.30 (d, H), 8.32 (d, H).
MS, m/z=405 ES+ [M+H]
+, 405 CI
[M+H]
+
【0168】
調製18:tert−ブチル[2−(2−{2−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エトキシ)エチル]カルバメート
【0169】
【化39】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−酢酸(Angew.Chemie Int.編(2006)、45(30)、4936〜4940において記述されている通りに調製したもの)を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(60mg、28%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s, 9H), 1.67-1.98
(m, 7H), 2.14-2.23 (m, 4H), 2.27-2.33 (q, H), 2.64-2.68 (m, 2H), 3.04-3.09 (t,
H), 3.21-3.26 (m, H), 3.29-3.37 (m, 3H), 3.53-3.56 (t, 2H), 3.62-3.68 (m, 4H),
3.98 (s, 2H), 4.99 (brm, H), 6.88 (brm, H), 7.53 (t, H), 8.33 (d, H), 8.35 (d,
H).
MS, m/z=465 ES+ [M+H]
+, 465 CI
[M+H]
+
【0170】
調製19:tert−ブチル(2−{2−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−2−オキソエトキシ}エチル)カルバメート
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−酢酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(105mg、55%)を産出した。
【0171】
【化40】
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.43(s, 9H),
2.16-2.24(m, 5H), 2.31(q, 4H), 2.66(t, 1H), 3.07 (t, 2H), 3.24 (t, 1H), m, 1H),
3.32-3.37 (m, 4H), 3.56 (t, 2H), 3.94(s, 2H), 4.98 (br, 1H), 6.69 (br, 1H),
7.54 (t, 1H), 8.33-8.36 (m, 2H).
MS m/z=421 ES+ [M+H]
+
【0172】
調製20:tert−ブチル{5−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−5−オキソペンチル}カルバメート
【0173】
【化41】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(191mg、64%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.43 (s, 9H), 1.47-1.53
(m, 2H), 1.63-1.75 (m, 3H), 1.80-1.89 (m, 4H), 1.94-2.05 (m, H), 2.16 (s, 3H),
2.16-2.23 (m, 2H), 2.31 (q, H), 2.65 (t, 2H), 3.07 (t, H), 3.14-31.6 (m, 2H),
3.22-3.30 (m, 3H), 5.30 (br, H), 5.80 (br, H), 7.53 (t, H), 8.33 (m, H), 8.35
(m, H).
MS m/z=420 ES+ [M+H]
+
【0174】
調製21:tert−ブチル{6−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−6−オキソヘキシル}カルバメート
【0175】
【化42】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘキサン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(197mg、50%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.32-1.37 (m, 2H), 1.43
(s, 9H), 1.46-1.54 (m, 2H), 1.61-1.69 (m, 2H), 1.69-1.77 (m, H), 1.81-1.89 (m,
5H), 1.95-2.00 (m, H), 2.14-2.22 (m, 5H), 2.30 (q, H), 2.65 (t, 2H), 3.05-3.13
(m, 3H), 3.22-3.33 (m, 3H), 4.62 (br, H), 5.63 (br, H), 7.53 (t, H), 8.33 (m,
H), 8.35 (m, H).
MS m/z=434 ES+ [M+H]
+
【0176】
調製22:tert−ブチル{7−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アミノ]−7−オキソヘプチル}カルバメート
【0177】
【化43】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘプタン酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(204mg、55%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.31-1.35 (m, 4H), 1.44
(s, 9H), 1.44-1.49 (m, 2H), 1.60-1.67 (m, 2H), 1.70-1.77 (m, H), 1.81-1.89 (m,
5H), 1.94-1.99 (m, H), 2.13-2.23 (m, 5H), 2.30 (q, H), 2.65 (t, 2H), 3.05-3.12
(m, 3H), 3.22-3.33 (m, 3H), 4.37 (br, H), 5.68 (br, H), 7.53 (t, H), 8.33 (m,
H), 8.35 (m, H).
MS m/z=448 ES+ [M+H]
+
【0178】
調製23:tert−ブチル(22−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}−15,18−ジオキソ−4,7,10−トリオキサ−14,19−ジアザドコサ−1−イル)カルバメート
【0179】
【化44】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにN−(3−{2−[2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロピル)−スクシンアミド酸を使用し、調製13について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(284mg、53%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.43 (s, 9H), 1.71-1.77
(m, 9H), 1.87-2.02 (m, 4H), 2.16-2.22 (m, 4H), 2.30 (q, H), 2.63 (t, 2H), 3.06
(t, H), 3.19-3.28 (m, 5H), 3.33-3.37 (m, 2H), 3.51-3.65 (m, 12H), 5.09 (br, H),
6.59 (br, H), 6.64 (br, H), 7.52 (t, H), 8.32 (m, H), 8.35 (m, H).
MS m/z=622 ES+ [M+H]
+
【0180】
調製24:trans−4−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)シクロヘキサンカルボキサミド
【0181】
【化45】
DCM(3mL)中のtert−ブチル{trans−4−[(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)カルバモイル]シクロヘキシル}カルバメート(調製13)(130mg、0.29mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(1mL)で処理した。得られた溶液を周囲温度で2時間撹拌し、その時間の後、これを真空で濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、SCX−2カートリッジに適用し、MeOH、続いてMeOH中アンモニア(2M)で溶離した。生成物を含有する画分を真空で濃縮して、表題化合物を無色ガム状物(98mg、97%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.02-1.12 (m, 2H),
1.45-1.76 (m, 5H), 1.77-2.03 (m, 9H), 2.12-2.21 (m, 4H), 2.25-2.32 (q,
H), 2.59-2.68 (m, 3H), 3.02-3.06 (t, H), 3.19-3.29 (m, 3H), 5.66 (br, H), 7.49
(t, H), 8.29 (d, H), 8.33 (d, H).
MS, m/z= 345および367
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 345
CI [M+H]
+
【0182】
調製25:1−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−アミド
【0183】
【化46】
表題化合物は、調製14から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(149mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.64-1.75 (m, H),
1.77-1.99 (m, 7H), 2.12-2.21(m, 4H), 2.25-2.32 (q, H), 2.44-2.46 (t, 2H),
2.60-2.64 (t, 2H), 2.82-2.85 (t, 2H), 3.02-3.06 (t, H), 3.19-3.29 (m, 3H),
3.47-3.50 (t, 2H), 3.59-3.61 (m, 11H), 3.69-3.72 (t, 2H), 6.76 (brm, H), 7.50
(t, H), 8.30-8.31 (d, H), 8.33 (d, H).
MS, m/z= 467および489
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 467 CI
[M+H]
+
【0184】
調製26:N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)グリシンアミド
【0185】
【化47】
表題化合物は、調製15から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(99mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.66-2.01 (m, 7H),
2.13-2.22 (m, 4H), 2.27-2.33 (q, H), 2.62-2.66 (t, 2H), 3.05-3.09 (t, H),
3.21-3.26 (t, H), 3.29-3.34 (m, 4H), 7.35 (brm, H), 7.53 (t, H), 8.32 (d, H),
8.33-8.34 (d, H).
MS, m/z= 277および291
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 277 CI
[M+H]
+
【0186】
調製27:N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)−ベータ−アラニンアミド
【0187】
【化48】
表題化合物は、調製16から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(99mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.65-1.76 (m, H),
1.77-2.00 (m , 6H), 2.13-2.22 (m, 4H), 2.26-2.32 (m ,3H), 2.62-2.66 (t, 2H),
2.98-3.01 (t, 2H), 3.03-3.08 (t, 2H) 3.20-3.31 (m, 3H), 7.26 (brm, H), 7.51 (t,
H) 8.31-8.32 (d, H), 8.33-8.34 (d, H).
MS, m/z= 291および313
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 291 CI
[M+H]
+
【0188】
調製28:4−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)ブタンアミド
【0189】
【化49】
表題化合物は、調製17から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(104mg、99%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.65-2.00 (m , 9H),
2.13-2.32 (m, 7H), 2.61-2.65 (t, 2H), 2.72-2.76 (t, 2H) 3.03-3.07 (t, H)
3.20-3.30 (m, 3H), 6.22 (brm, H), 7.50 (t, H), 8.30-8.31 (d, H) 8.33-8.34 (d,
H).
MS, m/z= 305および327
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 305 CI
[M+H]
+
【0190】
調製29:2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アセトアミド
【0191】
【化50】
表題化合物は、調製18から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、無色ガム状物(49mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.67-1.78 (m, H),
1.79-2.02 (m , 4H), 2.15-2.34 (m, 7H), 2.64-2.67 (t, 2H), 2.88-2.91 (t, 2H),
3.06-3.10 (t, 1H), 3.22-3.27 (t, 1H), 3.31-3.36 (q, 2H), 3.54-3.57 (t, 2H),
3.63-3.70 (m, 4H), 3.99 (s, 2H), 7.02 (dm, 2H), 7.54 (t, H), 8.33-8.34
(d, H), 8.35 (d, H).
MS, m/z= 365および387
ES+ [M+H]
+および[M+Na]
+, 365 CI [M+H]
+
【0192】
調製30:2−(2−アミノエトキシ)−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)アセトアミド
【0193】
【化51】
表題化合物は、調製19から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(87mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.70-1.97 (m, 6H), 2.17
(s, 3H), 2.18-2.23 (m, H), 2.31 (q, H), 2.67 (t, 2H), 2.94 (m, 2H), 3.08 (t,
H), 3.26 (m, H), 3.35 (q, 2H), 3.56 (t, 2H), 3.98 (s, 2H), 7.35 (br, H), 7.55
(t, H), 8.34 (d, H), 8.35 (d, H).
MS, m/z= 321 ES+ [M+H]
+
【0194】
調製31 5−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)ペンタンアミド
【0195】
【化52】
表題化合物は、調製20から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(78mg、54%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.46-1.52 (m, H),
1.64-1.72 (m, 3H), 1.81-2.02 (m, 7H), 2.15-2.24 (m, 5H), 2.31(q, H), 2.65
(t, 2H), 2.72 (t, H), 3.07 (t, H), 3.20-3.32 (m, 4H), 5.79 (br, H), 6.25 (br,
H), 7.53 (s, H), 8.33 (m, H), 8.35 (m, H).
MS, m/z= 319 ES+ [M+H]
+
【0196】
調製32:6−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)ヘキサンアミド
【0197】
【化53】
表題化合物は、調製21から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(70mg、46%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.32-1.41 (m, 2H),
1.50-1.57 (m, H), 1.59-1.70 (m, 4H), 1.81-1.85 (m, 3H), 1.87-2.01 (m, 2H), 2.15
(s, 3H), 2.15-23 (m, 3H), 2.30 (q, H), 2.63 (t, 2H), 2.765 (t, H), 3.06 (t, H),
3.19-2.29 (m, 3H).
MS, m/z= 333 ES+ [M+H]
+
【0198】
調製33:7−アミノ−N−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)ヘプタンアミド
【0199】
【化54】
表題化合物は、調製22から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(59mg、37%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.32-1.29 (m, 3H),
1.46-1.50 (m, H), 1.61-1.66 (m, 2H), 1.70-1.74 (m, H), 1.82-1.89 (m, 3H),
1.94-2.04 (m, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.15-2.23 (m, 3H), 2.32 (q, H), 2.65 (t, 2H),
2.71 (t, H), 3.08 (t, H), 3.18-3.33 (m, 4H), 5.58 (br, H), 5.65 (br, H), 7.53
(d, H), 8.34 (m, H), 8.36 (m, H).
MS, m/z= 347 ES+ [M+H]
+
【0200】
調製34:N−(3−{2−[2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピル)−N’−(3−{5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}プロピル)スクシンアミド
【0201】
【化55】
表題化合物は、調製23から出発し、調製24について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(120mg、51%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.71-1.87 (m, 6H),
1.90-2.02 (m, H), 2.16 (s, 3H), 2.17-2.24 (m, H), 2.30 (q, H), 2.40-2.51 (m,
6H), 2.61-2.67 (m, 2H), 2.87 (t, 2H), 3.22-3.29 (m, 3H), 3.31 (q, 2H),
3.51-3.65 (m, 12H), 6.85 (br, H), 6.95 (br, H), 7.53 (s, H), 8.33 (m, H), 8.35
(m, H).
MS, m/z= 522 ES+ [M+H]
+
【0202】
調製35:tert−ブチル(trans−4−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]カルバモイル}シクロヘキシル)カルバメート
【0203】
【化56】
2−メチルテトラヒドロフラン(2ml)中の2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エタンアミン(調製12)(55mg、0.25mmol)の溶液を、撹拌しながら、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸(91mg、0.373mmol)、続いてT3P(317μl、0.498mmol)およびEt3N(118μl、0.91mmol)で処理した。3時間撹拌後、溶液をT3P(69μL、0.498mmole)で処理した。18時間撹拌後、溶液を真空で濃縮し、残留物をMeOHに溶かし、SCX−2カートリッジに適用し、メタノール、続いてMeOH中アンモニア(約2M)で溶離した。生成物含有画分を真空で濃縮し、EtOAc:MeOH:NH3(1:0:0から90:10:1までの勾配)で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。次いで、この材料をDCMに溶解し、PS−イソシアネート樹脂で3時間処理し、その後、濾過し、真空で蒸発させて、表題化合物を淡黄色ガム状物(35mg、35%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.14-1.25 (m,2H), 1.42
(d,9H), 1.47-1.58 (m,2H), 1.75-1.85 (m,3H), 1.87-2.06 (m,4H), 2.09-2.18 (m,1H),
2.21 (s,3H), 2.23-2.32 (m,1H), 2.38-2.45 (q,1H), 3.24-3.29 (m,3H), 3.55-3.58
(t,2H), 4.11-4.14 (t,2H), 7.45-7.43 (m,1H), 8.10 (d,1H), 8.15-8.16 (d,1H).
MS m/z = 447 ES+ [M+H]
+, 447 CI
[M+H]
+
【0204】
調製36:tert−ブチル{2−[2−(2−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エトキシ]エチル}カルバメート
【0205】
【化57】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−酢酸(Angew.Chemie Int.編(2006)、45(30)、4936〜4940において記述されている通りに調製したもの)を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(50mg、43%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.41 (s,9H), 1.72-1.81
(m,1H), 1.84-2.01 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.21-2.30 (m,1H), 2.33-2.40 (q,1H),
3.16-3.26 (m,4H), 3.50-3.52 (t,2H), 3.62-3.69 (m,6H), 4.01 (s,2H), 4.16-4.19
(t,2H), 7.44-7.45 (m,1H), 8.10 (d,1H), 8.15-8.16 (d,1H).
MS m/z = 467 ES+ [M+H]
+, 467 CI
[M+H]
+
【0206】
調製37:tert−ブチル(2−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−2−オキソエチル)カルバメート
【0207】
【化58】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−酢酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(50mg、53%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s,9H), 1.87-2.09
(m,3H), 2.30-2.38 (m,4H), 2.60-2.67 (q,1H), 3.37-3.43 (brt,1H), 3.52-3.56
(brt,1H), 3.61-3.64 (t,2H), 3.70 (s,2H), 4.14-4.17 (t,2H), 7.49-7.50 (m,1H),
8.14-8.15 (d,1H), 8.20-8.21 (d,1H).
MS m/z = 379 ES+ [M+H]
+, 379 CI
[M+H]
+
【0208】
調製38:tert−ブチル(3−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−3−オキソプロピル)カルバメート
【0209】
【化59】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(70mg、72%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.39 (s,9H), 1.75-1.84
(m,1H), 1.87-2.04 (m,2H), 2.21 (s,3H), 2.23-2.31 (m,1H), 2.37-2.47 (m,3H),
3.24-3.33 (m,4H), 3.58-3.61 (t,2H), 4.12-4.15 (t,2H), 7.44-7.45 (m,1H),
8.10-8.11 (d,1H), 8.16-8.17 (d,1H).
MS m/z = 393 ES+ [M+H]
+, 393 CI
[M+H]
+
【0210】
調製39:tert−ブチル(4−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−4−オキソブチル)カルバメート
【0211】
【化60】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ブタン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(43mg、42%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.41 (s,9H), 1.70-1.78
(m,2H), 1.96-2.12 (m,3H), 2.21-2.24 (t,2H), 2.33-2.42 (m,4H), 2.69-2.76 (q,1H),
3.02-3.07 (m,2H), 3.43-3.49 (brt,1H), 3.58-3.61 (t,2H), 3.64-3.69 (brt,1H),
4.15-4.18 (t,2H), 7.51-7.52 (m,1H), 8.16-8.17 (d,1H), 8.23-8.24 (d,1H).
MS m/z = 407 ES+ [M+H]
+, 407 CI
[M+H]
+
【0212】
調製40:tert−ブチル(5−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−5−オキソペンチル)カルバメート
【0213】
【化61】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(49mg、47%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.41-1.50 (m,11H),
1.57-1.65 (m,2H), 2.01-2.18 (m,3H), 2.20-2.24 (t,2H), 2.37-2.44 (m,1H), 2.46
(s,3H), 2.78-2.85 (q,1H), 3.00-3.05 (m,2H), 3.49-3.55 (m,1H), 3.58-3.61 (t,2H),
3.76-3.80 (brt,1H), 4.15-4.16 (t,2H), 7.55-7.56 (m,1H), 8.18-8.19 (d,1H),
8.25-8.26 (d,1H).
MS m/z = 421 ES+ [M+H]
+, 421 CI
[M+H]
+
【0214】
調製41:tert−ブチル(6−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)カルバメート
【0215】
【化62】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘキサン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(65mg、60%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.29-1.35 (m,2H),
1.42-1.49 (m,11H), 1.57-1.65 (m,2H), 2.05-2.15 (m,3H), 2.19-2.23 (t,2H), 2.38-2.46
(m,1H), 2.48 (s,3H), 2.82-2.89 (m,1H), 2.96-3.00 (t,2H), 3.53-3.61 (m,3H),
3.62-3.66 (brt,1H), 4.15-4.18 (t,2H), 7.55-7.56 (m,1H), 8.19-8.20 (d,1H),
8.26-8.27 (d,1H).
MS m/z = 435 ES+ [M+H]
+, 435 CI
[M+H]
+
【0216】
調製42:tert−ブチル(7−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−7−オキソヘプチル)カルバメート
【0217】
【化63】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにtert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘプタン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(67mg、60%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.28-1.34 (m,4H),
1.39-1.45 (m,11H), 1.55-1.64 (m,2H), 2.03-2.15 (m,3H), 2.19-2.22 (t,2H),
2.38-2.46 (m,1H), 2.48 (s,3H), 2.81-2.88 (m,1H), 2.97-3.00 (t,2H), 3.51-3.57
(m,1H), 3.58-3.61 (t,2H), 3.80-3.84 (m,1H), 4.15-4.18 (t,2H), 7.55-7.57 (m,1H),
8.19 (d,1H), 8.16 (d,1H).
MS m/z = 449 ES+ [M+H]
+, 449 CI
[M+H]
+
【0218】
調製43:tert−ブチル[2−(2−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]カルバメート
【0219】
【化64】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−酢酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、淡黄色ガム状物(42mg、42%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s,9H), 2.15-2.32
(m,3H), 2.43-2.52 (s,1H), 2.61 (s,3H), 3.03-3.10 (m,1H), 3.24-3.29 (m,2H),
3.52-3.55 (t,2H), 3.66-3.69 (m,3H), 3.98 (s,2H), 4.06-4.13 (m,1H), 4.21-4.24
(t,2H), 7.62-7.63 (m,1H), 8.24 (d,1H), 8.32-8.33 (d,1H).
MS m/z = 423 ES+ [M+H]
+, 423 CI
[M+H]
+
【0220】
調製44:tert−ブチル[21−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)−15,18−ジオキソ−4,7,10−トリオキサ−14,19−ジアザヘンイコサ−1−イル]カルバメート
【0221】
【化65】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりにN−(3−{2−[2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロピル)−スクシンアミド酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(80mg、51%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s,9H), 1.68-1.76
(m,4H), 1.97-2.15 (m,3H), 2.35-2.52 (m,9H), 2.71-2.80 (m,1H), 3.09-3.14 (m,2H),
3.20-3.26 (m,2H), 3.48-3.51 (t,5H), 3.55-3.64 (m,10H), 3.66-3.76 (m,1H),
4.14-4.17 (t,2H), 7.53-7.54 (m,1H), 8.17-8.18 (d,1H), 8.24-8.25 (d,1H).
MS m/z = 625 ES+ [M+H]
+, 625 CI
[M+H]
+
【0222】
調製45:tert−ブチル[18−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)−15−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサ−16−アザオクタデカ−1−イル]カルバメート
【0223】
【化66】
表題化合物は、trans−4−tert−ブトキシカルボニル−シクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−(2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオン酸を使用し、調製35について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(80mg、56%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.42 (s,9H), 2.03-2.20
(m,3H), 2.38-2.50 (m,6H), 2.85-2.91 (m,1H), 3.19-3.22 (m,2H), 3.47-3.50 (t,2H),
3.53-3.63 (m,15H), 3.71-3.74 (t,2H), 3.84-3.92 (m,1H), 4.17-4.19 (t,2H),
7.58-7.59 (m,1H), 8.20-8.21 (d,1H), 8.28 (d,1H).
MS m/z = 570 ES+ [M+H]
+, 570 CI
[M+H]
+
【0224】
調製46:trans−4−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]シクロヘキサンカルボキサミド
【0225】
【化67】
DCM(3mL)中のtert−ブチル(trans−4−{[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]カルバモイル}シクロヘキシル)カルバメート(調製35)(35mg、0.078mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(1mL)で処理した。得られた溶液を周囲温度で終夜撹拌し、その時間の後、これを真空で濃縮した。残留物をMeOHに溶解し、SCX−2カートリッジに適用し、MeOH、続いてMeOH中アンモニア(2M)で溶離した。生成物を含有する画分を真空で濃縮して、表題化合物を橙色ガム状物(17mg、62%)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.16-1.26 (m,2H),
1.47-1.57 (m,2H), 1.71-2.01 (m,8H), 2.13-2.30 (m,4H), 2.33-2.40 (q,1H),
2.68-2.76 (m,1H), 3.18-3.26 (m,2H), 3.56-3.59 (t,2H), 4.12-4.14 (t,2H),
7.43-7.44 (m,1H), 8.09-8.10 (d,1H), 8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 347 ES+ [M+H]
+, 347 CI
[M+H]
+
【0226】
調製47:2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アセトアミド
【0227】
【化68】
表題化合物は、調製36から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(37mg、95%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.72-1.81 (m,1H),
1.84-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.22-2.30 (m,1H), 2.34-2.41 (q,1H), 2.83-2.86
(t,2H), 3.19-3.26 (m,2H), 3.54-3.57 (t,2H), 3.65-3.71 (m,6H), 4.02 (s,2H),
4.16-4.19 (t,2H), 7.44-7.45 (m,1H), 8.10-8.11 (d,1H), 8.15 (d,1H).
MS m/z = 367 ES+ [M+H]
+, 367 CI
[M+H]
+
【0228】
調製48:N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]グリシンアミド
【0229】
【化69】
表題化合物は、調製37から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(37mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.74-1.84 (m,1H),
1.87-2.05 (m,2H), 2.20 (s,3H), 2.23-2.32 (m,1H), 2.38-2.44 (q,1H), 3.23-3.28
(m,2H), 3.37 (s,2H), 3.63-3.66 (t,2H), 4.15-4.17 (t,2H), 7.45-7.47 (m,1H),
8.10-8.11 (d,1H), 8.15-8.16 (d,1H).
MS m/z = 279 ES+ [M+H]
+, 279 CI
[M+H]
+
【0230】
調製49:N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]−ベータ−アラニンアミド
【0231】
【化70】
表題化合物は、調製38から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(52mg、100%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.72-1.81 (m,1H),
1.84-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.21-2.30 (m,1H), 2.33-2.44 (m,3H), 2.93-2.96
(t,2H), 3.16-3.26 (m,2H), 3.60-3.62 (t,2H), 4.13-4.16 (t,2H), 7.43-7.44 (m,1H),
8.10 (d,1H), 8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 293 ES+ [M+H]
+, 293 CI
[M+H]
+
【0232】
調製50:4−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]ブタンアミド
【0233】
【化71】
表題化合物は、調製39から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(28mg、88%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.73-1.82 (m,3H),
1.84-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.21-2.30 (m,3H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.68-2.72
(t,2H), 3.18-3.26 (m,2H), 3.58-3.61 (t,2H), 4.12-4.15 (t,2H) 7.43-7.44 (m,1H),
8.10 (d,1H), 8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 307 ES+ [M+H]
+, 307 CI
[M+H]
+
【0234】
調製51:5−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]ペンタンアミド
【0235】
【化72】
表題化合物は、調製40から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(30mg、81%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.48-1.56 (m,2H),
1.61-1.68 (m,2H), 1.71-1.81 (m,1H), 1.85-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.22-2.30
(m,3H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.68-2.72 (t,2H), 3.18-3.26 (m,2H), 3.58-3.61 (t,2H),
4.12-4.15 (t,2H), 7.43-7.44 (m,1H), 8.10 (d,1H), 8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 321 ES+ [M+H]
+, 321 CI
[M+H]
+
【0236】
調製52:6−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]ヘキサンアミド
【0237】
【化73】
表題化合物は、調製41から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(38mg、76%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.31-1.39 (m,2H),
1.48-1.55 (m,2H), 1.59-1.66 (m,2H), 1.72-1.81 (m,1H), 1.84-2.03 (m,2H), 2.18
(s,3H), 2.21-2.30 (m,3H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.65-2.69 (t,2H), 3.18-3.26 (m,2H),
3.57-3.60 (t,2H), 4.15-4.12 (t,2H), 7.43-7.44 (m,1H), 8.09-8.10 (d,1H),
8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 335 ES+ [M+H]
+, 335 CI
[M+H]
+
【0238】
調製53:7−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]ヘプタンアミド
【0239】
【化74】
表題化合物は、調製42から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(37mg、72%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.32-1.37 (m,4H),
1.44-1.51 (m,2H), 1.57-1.65 (m,2H), 1.72-1.82 (m,1H), 1.83-2.03 (m,2H),
2.18-2.30 (m,6H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.65-2.68 (t,2H), 3.18-3.26 (m,2H),
3.57-3.60 (t,2H), 4.12-4.15 (t,2H), 7.43-7.44 (m,1H), 8.09-8.10 (d,1H),
8.14-8.15 (d,1H).
MS m/z = 349 ES+ [M+H]
+, 349 CI
[M+H]
+
【0240】
調製54:2−(2−アミノエトキシ)−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]アセトアミド
【0241】
【化75】
表題化合物は、調製43から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(27mg、84%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.72-1.82 (m,1H),
1.84-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.22-2.30 (m,1H), 2.34-2.40 (q,1H), 2.86-2.89
(t,2H), 3.18-3.26 (m,2H), 3.55-3.58 (t,2H), 3.66-3.68 (t,2H), 4.00 (s,2H),
4.16-4.19 (t,2H), 7.44-7.45 (m,1H), 8.10 (d,1H), 8.15 (d,1H).
MS m/z = 323 ES+ [M+H]
+, 323 CI
[M+H]
+
【0242】
調製55:N−(3−{2−[2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピル)−N’−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]スクシンアミド
【0243】
【化76】
表題化合物は、調製44から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(59mg、88%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.70-1.80 (m,5H),
1.86-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.21-2.30 (m,1H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.44-2.52
(m,4H), 2.76-2.80 (t,2H), 3.18-3.26 (m,4H), 3.48-3.51 (t,2H), 3.55-3.63
(m,12H), 4.11-4.14 (t,2H), 7.43-7.44 (m,1H), 8.10 (d,1H), 8.15 (d,1H).
MS m/z = 524 ES+ [M+H]
+, 524 CI
[M+H]
+
【0244】
調製56:1−アミノ−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−アミド
【0245】
【化77】
表題化合物は、調製45から出発し、調製46について上記した一般的方法によって調製して、橙色ガム状物(55mg、85%)を産出した。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ = 1.71-1.81 (m,1H),
1.84-2.03 (m,2H), 2.18 (s,3H), 2.22-2.30 (m,1H), 2.33-2.40 (q,1H), 2.45-2.48
(t,2H), 2.78-2.80 (t,2H), 3.18-3.25 (m,2H), 3.50-3.53 (t,2H), 3.58-3.62
(m,14H), 3.71-3.74 (t,2H), 4.13-4.15 (t,2H), 7.44-7.45 (m,1H), 8.10 (d,1H),
8.15-8.16 (d,1H).
MS m/z = 469 ES+ [M+H]
+, 469 CI
[M+H]
+
【0246】
調製57:4−メルカプト−N−[2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エチル]ブタンアミド
【0247】
【化78】
水(10ml)中の2−({5−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]ピリジン−3−イル}オキシ)エタンアミン(調製12)(1100mg、4.971mmol)の溶液をγ−チオブチロラクトン(861ul、9.94mmol)で処理し、反応混合物を60℃に終夜加熱した。次いでこれを真空で蒸発させると無色ガム状物が残り、これをMeOHからシリカに予め吸着させた。次いでこれを、EtOAcからEtOAc:MeOH:NH3 80:20:1で溶離する40gのISCOカラム上でクロマトグラフィーにかけた。適正な画分を真空で蒸発させて、表題化合物を無色ガム状物690mgとして得た。収率=43%。
1H NMR
(400Mhz, CD
3OD): δ=1.77-2.06 (m, 6H), 2.22-2.35
(m, 6H), 2.41-2.51 (m, 3H), 3.26-3.32 (m, H), 3.58-3.61 (t, 2H),
4.13-4.15 (t, 2H), 7.45-7.47 (m, H), 8.11-8.12 (d, H), 8.17 (d, H). MS m/z=324
ES+ [M+H]
+および322 CI- [M-H]
-
【実施例】
【0248】
(実施例1)
下記の手順を使用して、調製4のハプテンをジフテリアトキソイドタンパク質とカップリングした。
【0249】
a)ハプテンを黄色油として取得し、使用日まで2〜8℃で貯蔵した(最大1週間、それより長い貯蔵は−20℃で)。この油を、CaもMgも含まないダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)または脱イオン水のいずれかに、溶液1ml当たり50mgのハプテンで溶解した。結果は、黄褐色懸濁液または溶液であった。
【0250】
b)別個に、アリコートの濃ジフテリアトキソイド(DT)を取得し、ゲル濾過脱塩カラム(Bio−Rad)を使用して、DTの緩衝液をDPBSに変更した。カラムからの溶離液は、ウシ血清アルブミン標準曲線を使用するブラッドフォードアッセイ(クマシーブリリアントブルー試薬、Pierce Chemical)によって決定したところ、約11mg/mlの4ml溶液であった。アリコートのこれをさらなるDPBSで希釈して、DPBS中5mg/mlタンパク質の4ml溶液を得た。
【0251】
c)このアリコートのDTを無水コハク酸と反応させて、修飾されたスクシニル化ジフテリアトキソイドを生じさせた。DPBS中の4mlアリコートのDTを固体としての80mg無水コハク酸と合わせ、チューブローラー上に置いて、室温で3時間穏やかにかき混ぜた。この方法を使用すると、最終生成物が透明溶液ではないことが認められた。3時間の反応時間の終わりに、アリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して、未反応の低分子成分を除去した。これにより、試料の体積を計6mlに増大させた。
【0252】
d)28mgの固体としてのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を、6mlスクシニル化DTアリコートに添加し、管を反転させて穏やかに混合することによってs−NHSを溶解させた。次いで、28mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。反応混合物(スクシニル化DT/EDC/s−NHS)を室温で10分間インキュベートし、200μlの上記で調製したハプテン溶液を添加し、ボルテックスを使用し反応混合物を手早く撹拌して、混合した。
【0253】
e)混合物を、チューブローラー上で穏やかにかき混ぜながら、室温で3から4時間反応させた。反応時間の終わりに、アリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して、未反応の低分子成分を除去した。これにより、コンジュゲート試料の体積を計8mlに増大させた。次いで、この8mlの溶離液を、3k MWCO遠心限外濾過装置(Millipore)を使用して約3.0〜3.5mlに濃縮した。
【0254】
f)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は2.3mg/mlと決定された。タンパク質含有量が正規化された非コンジュゲート対照と対比した250〜270nm領域における紫外分光法を使用して、コンジュゲートをハプテン組み込みについて分析し、この領域において、天然トキソイドと比較してより強く抗体吸収する(antibodiesorb)ことが分かった。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、100μgのコンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLCを使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した。ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり19個のハプテンを有することが分かった。
【0255】
g)最後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、0.5mlアリコートに無菌で細分した。これらの無菌アリコートを、ドライアイス上の研究位置への輸送まで、−80℃で貯蔵した。
【0256】
(実施例2)
下記の変更を加えた、実施例1について上記した一般的手順を使用して、調製12のハプテンをジフテリアトキソイドタンパク質とカップリングした:ステップd)において、186μlのハプテン溶液を反応混合物に添加し;ステップf)において、最終濃度は3.3mg/mlと決定され、ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり13個のハプテンを有することが分かった。
【0257】
(実施例3)
ステップc、eおよびfにおいて下記の変更を加えた、実施例1について上記した一般的手順を使用して、調製7のハプテンをジフテリアトキソイドタンパク質とカップリングした。
【0258】
ステップc)において、3ml部のアリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して未反応の低分子成分を除去し、それにより、精製試料の体積を計4mlに増大させ;ステップd)は次の通りに実施した:80μlのハプテン溶液を4mlのスクシニル化DTアリコートに添加し、穏やかに反転させて混合した。次いで、28mgのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。最後に、28mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。
【0259】
ステップe)において、混合物を2時間反応させ、コンジュゲート試料の体積を溶離後に計6mlに増大させ、次いで、6mlの溶離液を、10k MWCO遠心限外濾過装置(Millipore)を使用して約2.5〜3.0mlに濃縮した。
【0260】
ステップf)において、最終濃度は2.4mg/mlと決定され、ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり14.5個のハプテンを有することが分かった。
【0261】
(実施例4)
下記の変更を加えた、実施例1について上記した一般的手順を使用して、調製8のハプテンをジフテリアトキソイドタンパク質とカップリングした:ステップd)は次の通りに実施した:120μlのハプテン溶液を6mlのスクシニル化DTアリコートに添加した。混合物をボルテックスで手早く撹拌した。次いで、28mgのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を固体として添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。最後に、28mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させ;ステップf)において、最終濃度は2.5mg/mlと決定され、ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり19.3個のハプテンを有することが分かった。
【0262】
(実施例5)
調製24から34および46から56のハプテン−スペーサーコンジュゲートを、以下の方法において記述する通り、ジフテリアトキソイドタンパク質とカップリングした。
【0263】
a)ハプテン−スペーサーコンジュゲートを黄色油として取得し、使用日まで2から8℃で貯蔵した(最大1週間、それより長い貯蔵は−20℃で)。この油を、CaもMgも含まないダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)に、溶液1ml当たり50mgのハプテンで溶解した。結果は、黄褐色懸濁液または溶液であった。調製33は、脱イオン水に完全には溶解しなかったため、50%メタノールにさらに溶解して、溶液1ml当たり25mgのハプテン−スペーサーコンジュゲートの最終濃度とした。
【0264】
b)別個に、アリコートの濃ジフテリアトキソイド(DT)を取得し、ゲル濾過脱塩カラム(Bio−Rad)を使用して、DTの緩衝液をDPBSに変更した。カラムからの溶離液は、ウシ血清アルブミン標準曲線を使用するブラッドフォードアッセイ(クマシーブリリアントブルー試薬、Pierce Chemical)によって決定したところ、約11mg/mlの4ml溶液であった。アリコートのこれをさらなるDPBSで希釈して、DPBS中5mg/mlタンパク質の2ml溶液を得た。
【0265】
c)このアリコートのDTを無水コハク酸と反応させて、修飾されたスクシニル化ジフテリアトキソイドを生じさせた。DPBS中の2mlアリコートのDTを固体としての40mgの無水コハク酸と合わせ、チューブローラー上に置いて、室温で3時間穏やかにかき混ぜた。この方法を使用すると、最終生成物が透明溶液ではないことが認められた。3時間の反応時間の終わりに、アリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して、未反応の低分子成分を除去した。これにより、試料の体積を計3mlに増大させた。
【0266】
d)9mgの固体としてのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を、3mlのDTアリコートに添加し、管を反転させて穏やかに混合することによってs−NHSを溶解させた。次いで、9mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。50μlの上記で調製したハプテン−スペーサーコンジュゲート溶液(調製33では100ul)を反応混合物(スクシニル化DT/EDC/s−NHS)に添加した。
【0267】
e)混合物を、チューブローラー上で穏やかにかき混ぜながら、室温で3から4時間反応させた。反応時間の終わりに、アリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して、未反応の低分子成分を除去した。これにより、コンジュゲート試料の体積を計4mlに増大させた。
【0268】
f)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は表1において示される通りに決定された。タンパク質含有量が正規化された非コンジュゲート対照と対比した250から270nm領域における紫外分光法を使用して、コンジュゲートをハプテン組み込みについて分析し、この領域において、天然トキソイドと比較してより強く抗体吸収することが分かった。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、100μgのコンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLCを使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した。試験試料へのハプテンローディングについて、表1および2において以下で詳述する。
【0269】
g)最後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、1.0mlアリコートに無菌で細分した。これらの無菌アリコートを、ドライアイス上の研究位置への輸送まで、−80℃で貯蔵した。
【0270】
【表2】
【0271】
【表3】
【0272】
(実施例6)
反応性アミン基を持つハプテンを、無水コハク酸の添加無しに、ジフテリアトキソイドとコンジュゲートしてもよい。ジフテリアトキソイドとコンジュゲートされた調製12のハプテンの例を以下で詳述するが、これは調製4、7、8、24〜34および46〜56で実施することもできる。
【0273】
a)ハプテンを黄色油として取得し、使用日まで2から8℃で貯蔵した(最大1週間、それより長い貯蔵は−20℃で)。この油を、CaもMgも含まないダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)に、溶液1ml当たり50mgのハプテンで溶解した。結果は、黄褐色懸濁液または溶液であった。
【0274】
b)別個に、アリコートの濃ジフテリアトキソイド(DT)を取得し、ゲル濾過脱塩カラム(Bio−Rad)を使用して、DTの緩衝液をDPBSに変更した。カラムからの溶離液は、ウシ血清アルブミン標準曲線を使用するブラッドフォードアッセイ(クマシーブリリアントブルー試薬、Pierce Chemical)によって決定したところ、約11mg/mlの4ml溶液であった。アリコートのこれをさらなるDPBSで希釈して、DPBS中5mg/mlタンパク質の2ml溶液を得た。
【0275】
c)9mgの固体としてのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を、2mlのDTアリコートに添加し、管を反転させて穏やかに混合することによってs−NHSを溶解させた。次いで、9mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を固体としての混合物に添加し、管を反転させて穏やかに混合することによって溶解させた。50μlの上記で調製したハプテン溶液を反応混合物(DT/EDC/s−NHS)に添加した。この段階で、1M HClの滴下添加によりpHをpH5.6まで調整した。
【0276】
d)混合物を、チューブローラー上で穏やかにかき混ぜながら、室温で3から4時間反応させた。反応時間の終わりに、アリコートをゲル濾過脱塩カラムに適用し、DPBS中に溶離して、未反応の低分子成分を除去した。これにより、コンジュゲート試料の体積を計3mlに増大させた。
【0277】
e)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は3.01mg/mlと決定された。タンパク質含有量が正規化された非コンジュゲート対照と対比した280nm領域における紫外分光法を使用して、コンジュゲートをハプテン組み込みについて分析し、この領域において、天然トキソイドと比較してより強く抗体吸収することが分かった。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、100μgのコンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLCを使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した。ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり11.6個のハプテンを有することが分かった。
【0278】
g)最後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、1.0mlアリコートに無菌で細分した。これらの無菌アリコートを、ドライアイス上の研究位置への輸送まで、−80℃で貯蔵した。
【0279】
(実施例7)
調製12をCRM
197と、およびジフテリアトキソイドとカップリングしてもよい。そのようなコンジュゲートの例を以下に記す。図示されていないが、4、7、8、24〜34および46〜56等のハプテンを含有する他のアミンに同じプロセスを適用してもよい。
【0280】
a)調製12のハプテンを黄色油として取得し、−20℃で貯蔵した。この油を、CaもMgも含まないダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)に、溶液1ml当たり50mgのハプテンで溶解した。結果は、黄褐色懸濁液または溶液であった。
【0281】
b)別個に、20mlアリコートの濃CRM
197(5.91mg/ml)を、−80℃から2〜8℃に解凍した。8.62mlアリコートの解凍した材料を取り、1.38mlのDPBSで希釈して、DPBS中5mg/mlタンパク質の10ml溶液を得た。
【0282】
c)500μlの上記で調製したハプテン溶液を、10mlのCRM
197溶液に添加し、これをゆっくり滴下添加し、次いでチューブローラー上で5分間反応させておいた。
【0283】
d)この時間の後、次いで90mgの固体としてのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)を10mlのCRM
197溶液に添加した。穏やかに混合しながら管を反転させることによって、s−NHSを溶解させた。次いで、溶液をチューブローラー上で5分間反応させておいた。
【0284】
e)5分後、90mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)をCRM
197溶液に、再度固体として添加し、穏やかに混合しながら管を反転させることによって、これを溶解させた。この段階で、1M HClの滴下添加によりpHをpH5.6まで調整した。
【0285】
f)次いで、反応混合物を冷室(2〜8℃)に移し、チューブローラー上で6時間反応させておいた。
【0286】
g)反応時間の終わりに、5×NAP25カラムを使用し試料をdPBS中に脱塩して、過剰な未反応の試薬を除去した(オン:2ml、オフ:3ml)。最終体積は15mlに増大した。
【0287】
h)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は2.88mg/mlと決定された。タンパク質含有量が正規化された非コンジュゲート対照と対比した280nm領域における紫外分光法を使用して、コンジュゲートをハプテン組み込みについて分析し、この領域において、天然トキソイドと比較してより強く抗体吸収することが分かった。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、100μgのコンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLCを使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した。ハプテン−CRM
197コンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり8.0個のハプテンを有することが分かった。
【0288】
i)最後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、1.0mlアリコートに無菌で細分した。これらの無菌アリコートを、ドライアイス上の研究位置への輸送まで、−80℃で貯蔵した。
【0289】
(実施例8)
反応混合物のsNHS/EDC濃度を増大させることにより、担体タンパク質にロードされるハプテンの量を制御できることが分かった。調製7とジフテリアトキソイドとのコンジュゲートの例を以下に示す。該方法は、ステップcおよびeにおいて下記の変更を加えた、実施例6について記述した通りのものである。
【0290】
ステップc)において:この段階で、2mlアリコートの脱塩されたDTに添加されるスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(s−NHS)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)の量を変動させてよい。この実験においては、9mgのsNHSおよびEDCを1つのアリコートに添加し(これを条件2と称する)、36mgのsNHSおよびEDCを別のアリコートに添加した(これを条件4と称する)。試料を1M HClの滴下添加によりpH5.6までpH調整しなかった。
【0291】
ステップe)において:条件2を使用して作製されたコンジュゲートについて、最終濃度は3.14mg/mlと決定され、ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり8.3個のハプテンを有することが分かった。条件4を使用して作製されたコンジュゲートについて、最終濃度は2.46mg/mlと決定され、ハプテン−DTコンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり13.2個のハプテンを有することが分かった。
【0292】
(実施例9)
ブロモ酢酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(BAANS)コンジュゲート化学を経由するCRM
197およびホルマリン不活性化ジフテリアトキソイド(DT)上へのチオール化ハプテン−スペーサーコンジュゲートの調製
【0293】
a)3mlのCRM
197(5.91mg/mlで17.73mg)および3mlのDT(8mg/mlで24mg)を解凍し、10DG脱塩カラム(Pierce)を使用して100mMリン酸緩衝液、pH8.0中に脱塩した(オン:3ml、オフ:4ml)。同じ緩衝液を使用して濃度を4mg/mlに調整した。
【0294】
b)1mlアリコートの脱塩したCRM
197およびDT試料を取り、2〜8℃に冷却した。
【0295】
c)20mgの調製57のハプテン−スペーサーコンジュゲートを300ulのDMSOおよび700ulのdPBSに溶解して、20mg/mlの最終濃度とした。
【0296】
d)500ul(10mg)のハプテン−スペーサーコンジュゲート溶液を、500ulの予め洗浄したTCEP((トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン))ゲル(Pierce)に添加し、室温でかき混ぜながら3時間インキュベートした。残ったハプテン溶液を、長期貯蔵では−20℃で冷凍した。
【0297】
e)ステップ(d)に入って90分後に、10mgのBAANS(Sigma)を500ulのDMSOに溶解して、20mg/mlの最終濃度とした。
【0298】
f)1.5mg(75ul)のBAANSを、1mlのDT/CRM
197に、ゆっくり滴下添加した(4mg/mlで)。これを11℃未満で90分間反応させた(1mgのCRM
197/DT当たり0.375mgのBAANSを添加した)。
【0299】
g)90分後、依然として11℃未満で動作し、NAP10カラムを使用して、ブロモアセチル化CRM
197/DTを冷100mM炭酸ナトリウム/重炭酸緩衝液、pH9.1中に脱塩した(1mlオン、1.5mlオフ)。
【0300】
h)ハプテン−スペーサーコンジュゲートをTCEPゲルから吸引し、250ul(5mg)のハプテン−スペーサーコンジュゲートを、混合して濃度勾配が形成されるのを防止しながら、活性化されたCRM
197/DT試料両方に再度ゆっくり滴下添加した。
【0301】
i)ハプテン−スペーサーコンジュゲートを添加した後、pHを確認し、必要ならば、0.1M NaOH/HClの滴下添加によって9.1に調整した。
【0302】
j)反応混合物を混合しながら光のアンチボディセンス(antibodiesence of light)中に18時間保った。
【0303】
k)この時間の後、2ulのN−アセチルシステアミン(NAC)を各反応混合物に添加し、ここでも光のアンチボディセンス中、かき混ぜながら3時間反応させた(1gのCRM
197/DT当たり0.5ml)。
【0304】
l)反応後、10DG脱塩カラム(BioRad)を使用して、これをダルベッコPBS中に脱塩した(3mlオン、4mlオフ)。
【0305】
m)最後に、試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、無菌でアリコートした。これらの無菌アリコートを、研究位置への輸送まで、2〜8℃で貯蔵した。
【0306】
n)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は1.59mg/mlと決定された。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、150μgのコンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLCを使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した。ハプテン−CRM
197コンジュゲートは、タンパク質単量体1個当たり11.6個のハプテンを有することが分かった。
【0307】
(実施例10)
反応混合物のBAANS濃度を増大させることにより、担体タンパク質にロードされるハプテン/ハプテン−スペーサーコンジュゲートの量を制御できることが分かった。調製57とCRM
197とのコンジュゲートの例を以下に示す。
【0308】
a)9mlのCRM
197(5.91mg/mlで53.19mg)を解凍し、10DG脱塩カラム(BioRad)を使用して100mMリン酸緩衝液、pH8.0中に脱塩した(オン:3ml、オフ:4ml)。同じ緩衝液を使用して濃度を4mg/mlに調整した。
【0309】
b)30mgの調製57のハプテン−スペーサーコンジュゲートを、1.5mlのDMSOに溶解した(最終濃度20mg/ml)。
【0310】
c)ダルベッコPBS中で2回洗浄することによって1mlのTCEPゲル(Pierce)を調製した後、1.5mlのハプテン−スペーサーコンジュゲート含有溶液を添加した。次いで、これを回転台上、2〜8℃で2時間インキュベートした。
【0311】
d)1時間のTCEPインキュベーション後、10mlの4mg/ml CRM
197溶液を、別個の反応ベッセル中で5×2mlアリコートに分割し、冷室で30分間貯蔵して、溶液の温度を2〜8℃に調整した。以後すべてのステップは2〜8℃で実施した。
【0312】
e)同時に、20mgのBAANSを1mlのDMSOに溶解することにより、BAANSのストック溶液を調製した。5つの反応ベッセルに、条件1、2、3、4または5のいずれかとしてラベル付けした。CRM
197アリコートの温度を2〜8℃に調整した後、様々な量のBAANS溶液(50ul、100ul、150ul、225ulおよび300ul)を、表2において示される通りに5×2mlの反応ベッセルに添加した。BAANS溶液をゆっくり(滴下)混合しながら添加した。
【0313】
f)アリコートを、回転台上、2〜8℃で30分間反応させた。
【0314】
g)30分間のインキュベーション後、NAP25(Gibco)カラムを使用して、5×2mlのブロモアセチル化CRM
197を100mM炭酸ナトリウム/重炭酸緩衝液pH9.1中に脱塩した(オン:2ml、オフ:3ml)。
【0315】
h)TCEPゲルをハプテン試料から回転分離し、脱塩したブロモアセチル化CRM
197試料のそれぞれに、5.6mg(280ul)のハプテン−スペーサーコンジュゲートを混合しながら(ゆっくり、滴下)添加した。内容物を光から保護するために、反応ベッセルをホイルで覆った。
【0316】
i)混合物を、回転台上で18時間反応させた。
【0317】
j)1gのCRM
197当たり0.5ml(したがって1反応当たり4ul)のNACを反応混合物に添加することにより、未反応のBrAc基をクエンチした。混合物を、回転台上で3時間反応させた(光から保護するためにホイルで覆ったまま)。
【0318】
k)最後に、DG10カラムを使用して、各反応物をダルベッコPBS中に脱塩した(オン:3ml、オフ:4ml)。最終体積は4mlであった。
【0319】
l)試料を0.22μmのシリンジフィルターに通して滅菌濾過し、無菌でアリコートした。これらの無菌アリコートを、研究位置への輸送まで、2〜8℃で貯蔵した。
【0320】
m)ウシ血清アルブミン標準物質を使用し、最終コンジュゲートをタンパク質含有量についてブラッドフォード(Pierceクマシーブリリアントブルー試薬)アッセイを使用して分析し、最終濃度は表3に示す通りに決定された。コンジュゲートを、SDS−PAGE電気泳動によって、およびLALアッセイを使用してエンドトキシン含有量についても分析した。最後に、450μgの各コンジュゲートの試料を加水分解し、逆相HPLC(N=3)を使用して分析して、タンパク質分子1個当たりの組み込まれたハプテンの数を決定した(ハプテンローディングデータを表5に示す)。
【0321】
【表4】
【0322】
【表5】
【0323】
【表6】
【0324】
(実施例11)
BALB/cマウス(Charles River、Montreal、QC.)(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例1から4のコンジュゲートで免疫化した。血漿中の抗ニコチンIgG抗体レベルを上記した通りのELISAによって測定した。
【0325】
結果は
図1に示されており、ここから、初回免疫注射の4週間後に試験コンジュゲートそれぞれについて強いニコチン抗体応答が取得され、その応答は、1回目および2回目の追加免疫注射のそれぞれの後2週間、持続または増大することが分かる。
【0326】
(実施例12)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例1から4のコンジュゲートで免疫化した。アビディティ指数を種々の時点で算出した。アビディティ指数は、上記した通りのニコチン−BSAコーティングプレートから抗ニコチン抗体の50%を溶離するために必要とされるチオシアン酸アンモニウムの濃度に相当する。
【0327】
結果は
図2に示されており、ここから、マウスにおける試験コンジュゲートによる抗体は初回免疫注射の4週間後に高いアビディティを呈し、これは、1回目および2回目の追加免疫注射のそれぞれの後2週間、持続または増大することが分かる。
【0328】
(実施例13)
BALB/cマウス(1群当たりn=6)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例1から4のコンジュゲートで免疫化した。最後の追加免疫の2週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)を静脈注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、
3Hの脳/血漿比を上記した通りに決定した。
【0329】
結果は
図3に示されており、ここから、試験コンジュゲートの血漿/脳比は対照動物のものよりも有意に大きく、試験コンジュゲートによって誘発された抗体がニコチンに対して特異的であり、血液中のニコチンを隔離し、脳へのニコチン取り込みを防止したことを示しているのが分かる。
【0330】
(実施例14)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例1から4のコンジュゲートで免疫化した。2回目の追加免疫の2週間後、上記した通りの競合ELISAによって、抗ニコチン抗体とニコチンとの相互作用が実証された。
【0331】
結果は
図4に示されており、ここから、試験コンジュゲートによって誘発された抗体がニコチンを認識し、それと結合することが分かる。
【0332】
(実施例15)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例1および2のコンジュゲートで免疫化した。2回目の追加免疫の2週間後、ニコチン、コチニン、アセチルコリンおよびバレニクリンに対する抗ニコチン抗体の特異性を、上記した通りの競合ELISAによって決定した。
【0333】
結果は
図5に示されており、ここから、添加されるニコチンの量が増加するにつれて、抗ニコチン抗体とニコチンコーティングELISAプレートとの結合の用量依存的阻害があることが分かる。しかしながら、バレニクリン、コチニンまたはアセチルコリンではそのような効果は観察されず、試験コンジュゲートによって誘発された抗体がニコチンに対して特異的であり、コチニン、バレニクリンまたはアセチルコリンのいずれに対しても特異的でないことを示している。
【0334】
(実施例16)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例5のコンジュゲートで免疫化した。血漿中の抗ニコチン抗体レベル(全IgG)を、上記した通りのELISAによって測定した。
【0335】
結果は
図6、7、8および9に示されており、ここから、初回免疫注射の4週間後に試験コンジュゲートそれぞれについて非常に強い抗ニコチン抗体応答が取得され、その応答は、追加免疫の後2週間増大することが分かる。さらに、抗ニコチン抗体のレベルおよび抗ニコチン抗体のアビディティの両方は、使用されるスペーサーに応じて変動する。加えて、すべての試験コンジュゲートが、対照動物におけるものよりも高い血漿/脳比をもたらし、試験コンジュゲートによって誘発された抗体が、対照動物よりも高い程度まで、血液中のニコチンを隔離し、その脳への取り込みを防止することができるのを示している。
【0336】
(実施例17)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例6および7のコンジュゲートで免疫化した。血漿中の抗ニコチン抗体レベル(全IgG)をELISAによって測定した。最後の追加免疫の2週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)を静脈注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、対照動物と比べた
3Hのレベルの%変化を上記した通りに決定した。
【0337】
結果は
図12(抗ニコチン抗体レベル)および13(
3Hのレベルの%変化)に示されており、ここから、試験コンジュゲートそれぞれについて免疫応答が取得され、その応答は、用量依存的に増大することが分かる。これは、DTおよびCRM
197の両方がニコチン誘導ハプテンの適切な担体であることを示す。加えて、すべての試験コンジュゲートが、対照動物よりも脳に入る
3H−ニコチンのレベルを低くし、試験コンジュゲートによって誘発された抗体が、対照動物よりも高い程度まで、血液中のニコチンを隔離し、その脳への取り込みを防止することができるのを示している。
【0338】
(実施例18)
BALB/cマウス(1群当たりn=12)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および50μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射(0、28、42日目)により、10μgの実施例6、7および8のコンジュゲートで免疫化した。血漿中の抗ニコチンIgG AbレベルをELISAによって測定した。最後の追加免疫の2週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)をiv注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、対照動物と比べた
3Hのレベルの%変化を上記した通りに決定した。
【0339】
結果は
図14(抗ニコチン抗体レベル)および15(
3Hのレベルの%変化)に示されており、ここから、試験コンジュゲートそれぞれについて免疫応答が取得され、その応答は、ハプテンローディングにより増大することが分かる。加えて、すべての試験コンジュゲートが、対照動物よりも脳に入る
3H−ニコチンのレベルを低くし、試験コンジュゲートによって誘発された抗体が、対照動物よりも高い程度まで、血液中のニコチンを隔離し、その脳への取り込みを防止することができるのを示している。
【0340】
(実施例19)
BALB/cマウス(1群当たりn=10)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および10μgのCpG24555の存在下、またはISCOMATRIX(IMX;0.1から3.0ユニット)の存在下での筋肉内注射により、10μgの実施例7のコンジュゲートで免疫化した。血漿中の抗ニコチンIgG AbレベルをELISA(21および28日目)によって、アビディティを阻害ELISAによって測定した。結果は
図16および17に示されており、ここから、組合せアジュバントとしてのCpG24555および水酸化アルミニウムの使用、または単独アジュバントとしてのISCOMATRIXによって、免疫応答(Abレベルおよびアビディティ)が取得され、その応答は、ISCOMATRIX用量に伴って増大することが分かる。
【0341】
2回目の免疫化の1週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)をIV注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、対照動物と比べた血液および脳中における3H−ニコチンの%変化を決定した。結果は
図18に示されており、ここから、組合せアジュバントとしてのCpG24555および水酸化アルミニウムまたは単独アジュバントとしてのISCOMATRIXの使用が、対照動物よりも脳に入る
3H−ニコチンのレベルを低くし、試験コンジュゲートによって誘発された抗体が、免疫化されていない対照動物よりも高い程度まで、血液中のニコチンを隔離し、その脳への取り込みを防止することができるのを示していることが分かる。
【0342】
(実施例20)
以下の表6において記載されている試料は、次の通りに調製した。
【0343】
a)冷凍CRM
197(5.9mg/mlで200ml)を、4℃で終夜解凍した。
【0344】
b)解凍したら、10kD分子量カットオフでクイックスタートポリエーテルスルホン(PES)膜を使用する限外濾過(UF)によって、CRM
197を200mlから100mlに濃縮した。
【0345】
c)50mM MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、50mM NaCl、pH7.2を使用して、濃CRM
197をダイアフィルター(DF)8TOVs(回転体積)にかけた。SARTOPORE 2 150滅菌カプセルフィルターを使用して、UF/DF後のCRM
197を濾過した。
【0346】
d)0.942の消散係数を使用してA
280での吸光度を測定することにより、CRM
197の濃度を決定した。濃度は9.65mg/mlであると決定された。
【0347】
f)50mM MOPS、50mM NaCl、pH7.2を使用して、UF/DF後のCRM
197を9.65mg/mlから7.18mg/mlに希釈した。
【0348】
g)別個のベッセル内、6M HCl溶液(7.46mL)を、氷浴中で冷却しながら7460mgの調製12のハプテンにゆっくり添加した。次いで、50mM MOPS、50mM NaCl、pH7.2緩衝液を添加し(2.00mL)、pH試験紙によってpHを確認した。pHは約9であった。7.5のpHが達成されるまで、6M HClを少量ずつ添加した(1.70mLのHClを添加した)。溶液の総体積は18.65mLであり、調製12のハプテンの400mg/mLの濃度をもたらした。
【0349】
h)別個のベッセル内、7000mgのスルホ−N−ヒドロキシコハク酸イミド(sNHS)を、50mM MOPS、50mM NaCl、pH7.2溶液(14mL)に溶解し、7.13のpHが達成されるまで、19.25MのNaOH溶液を少量ずつ添加した(1.44mLのNaOHを添加した)。溶液の総体積は18.50mLであり、sNHSの378mg/mLの濃度をもたらした。
【0350】
i)別個のベッセル内、8000mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を、5mLの50mM MOPS、50mM NaCl、pH7.2に溶解した。溶液の総体積は12.0mLであり、EDCの666mg/mLの濃度をもたらした。EDC溶液は、最後、コンジュゲート反応物への添加直前に作製した。
【0351】
j)UF/DF後のCRM
197、調製12のハプテン、sNHSおよびEDC溶液を、表6に収載されている24の試料を生じるような手法で合わせた。24の試料について、正確に算出された量の溶液を、下記のように一緒に混合した:UF/DF CRM
197、調製12のハプテンおよびsNHSを合わせ、混合物のpHを確認した。試料番号10および18について、1N NaOHを使用してpHをさらに調整し、pHを約7.5にした。最後に、EDCを試料に添加した。各反応管を手早くボルテックスし、水浴中、15℃で18時間インキュベートした。
【0352】
k)18時間のインキュベーション後、30kD分子量カットオフでアミコンウルトラ遠心濃縮器を使用して、試料を緩衝液交換した。使用した緩衝液は、20mMリン酸カリウム、20mMヒスチジン、pH7.0であった。市販のマイクロBCAキットを使用して、タンパク質濃度を決定した。
【0353】
l)200mg/mlのスクロースを水に溶解し、24のコンジュゲート試料のそれぞれに1:1(体積)比で添加した。その後、PS80を添加して、0.2mg/mlの最終濃度とした。試料を、短期貯蔵では4℃、長期貯蔵では−20℃で貯蔵した。
【0354】
【表7】
【0355】
試料1〜24を検査するために利用される分析的方法論を以下で詳述する。
【0356】
SELDI−MS。表面増強レーザー脱離イオン化(SELDI)は、タンパク質混合物の分析に使用される質量分析におけるイオン化法である。アッセイでは、コンジュゲートプロセスを介して、CRM
197骨格への正味質量ゲインを報告する。質量の変化は、骨格への付加物として報告される。理想的には、付加物は、ハプテン特異的エピトープ密度アッセイと一致するべきである。付加物=(質量
コンジュゲート−質量
骨格)/質量
ハプテン。過剰のED値における付加物レベルは、ハプテン以外の質量が骨格に付加されていることを示すこと、および付加物が多い試料はHMMSも多いことに留意されたい。
【0357】
サイズ排除クロマトグラフィー。サイズ排除アッセイは、HMMS(高分子量種)、二量体、単量体およびLMMS(低分子量種)を、これらの成分の相対存在度に影響を及ぼす処理パラメーターを理解するために分解するために開発された。該方法は、HMMSピーク群、二量体、単量体およびLMMSピーク群について、相対面積パーセントを報告するものである。プロセス化学量論および出発材料間の比は、HMMS、二量体、単量体およびLMMS間のピーク面積の見かけの分布に影響を及ぼしたことに留意されたい。
【0358】
エピトープ密度。酸加水分解試料調製に連動した逆相液体クロマトグラフィーアッセイは、CRM
197担体タンパク質とコンジュゲートされたハプテンの量を決定するために開発された。ハプテン分子は、アミド結合を経由してCRM
197骨格とコンジュゲートされ、標準的な加水分解化学により、この結合を加水分解して、ハプテンを置換基アミノ酸とともに放出する。コンジュゲートされたハプテン7の量は、プロセスの一貫性、製品品質および効能の尺度である。
【0359】
試料1〜24の特性付けの結果を表7に示す。このデータは、効能とCRM
197に連動したハプテンエピトープ密度との間の強固な関係を示している。加えて、該データは、最適なエピトープ密度値が、高単量体、低HMMSおよび低付加物と相関することを示している。
【0360】
【表8-1】
【0361】
【表8-2】
【0362】
(実施例21)
BALB/cマウス(1群当たりn=10)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および10μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射により、10μgの試料1〜24(実施例20、表6および7を参照されたい)で免疫化した。血漿中の抗ニコチンIgG AbレベルをELISA(21および28日目)によって、アビディティを阻害ELISAによって測定した。結果は
図19および20に示されており、ここから、試験コンジュゲートそれぞれについて免疫応答が取得され、その応答は、%単量体に伴って増大し、単位担体当たり10から18個のハプテンの間のハプテンローディングで最適となることが分かる。
【0363】
2回目の免疫化の1週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)をIV注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、対照動物と比べた血液および脳中における
3H−ニコチンの%変化を決定した。結果は
図21および22に示されており、ここから、すべての試験コンジュゲートが、免疫化されていない対照動物よりも脳に入る
3H−ニコチンのレベルを低くし、試験コンジュゲートによって誘発された抗体が、対照動物よりも高い程度まで、血液中のニコチンを隔離し、その脳への取り込みを防止することができること、効能が%単量体に伴って増大し(
図21)、単位担体当たり10から18個のハプテンの間のハプテンローディングで最適となる(
図22)ことを示しているのが分かる。
【0364】
(実施例22)
試料1〜24(実施例20、表6および7を参照されたい)を、アルヒドロゲルとの結合について試験した。BALB/cマウス(1群当たりn=10)を、水酸化アルミニウム(ミョウバン;アルヒドロゲル−85:40μgのAl
3+)および10μgのCpG24555の存在下での筋肉内注射により、10μgのこれらの異なるコンジュゲートでも免疫化した。2回目の免疫化の1週間後、
3H−ニコチン(3μCi
3H−nicを含有する0.05mg/kgのニコチン)をIV注射によって投与し、血液を収集し、動物を灌流し、脳を切除し、
3Hのレベルを定量化し、対照動物と比べた血液および脳中における
3H−ニコチンの%変化を決定した。結果は
図23に示され、ここから、より高い%単量体含有量を持つコンジュゲートは、アルヒドロゲルとのより高い%結合を有し、これは、脳中の
3H−ニコチンの量のより大きな低減によって実証される通り、より大きな効能と相関することが分かる。