特許第5723980号(P5723980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モレックス インコーポレイテドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5723980
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】多重使用電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20150507BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20150507BHJP
【FI】
   H01R12/71
   H01R24/60
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-514311(P2013-514311)
(86)(22)【出願日】2011年6月7日
(65)【公表番号】特表2013-528317(P2013-528317A)
(43)【公表日】2013年7月8日
(86)【国際出願番号】US2011039478
(87)【国際公開番号】WO2011156399
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2012年12月6日
(31)【優先権主張番号】99210782
(32)【優先日】2010年6月7日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】99210780
(32)【優先日】2010年6月7日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】99210781
(32)【優先日】2010年6月7日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】99118343
(32)【優先日】2010年6月7日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス インコーポレイテド
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】イー ツェ ホー
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0111330(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3150853(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3148335(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3151486(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3157681(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 3/00 − 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタであって、
複数の第2の端子経路および第3の端子経路を含むハウジングと、
舌状部モジュールであって、該舌状部モジュール内に一体化して配置された複数の第1の端子を含み、各第1の端子が、前記舌状部モジュールに囲われた第1の伸長部と、該第1の伸長部の一端から伸び、前記舌状部モジュールの下部の先端から露出した第1の接触部と、前記第1の伸長部の他端から伸び、前記舌状部モジュールから外へ伸びる第1のハンダ付け部と、を有し、前記舌状部モジュールが、下面上に複数の第2の端子受け入れスロットをさらに含み、複数の第3の端子受け入れスロットが前記舌状部モジュールの上面上に位置付けられる、舌状部モジュールと、
前記第2の端子経路に位置する複数の第2の端子であって、該第2の端子の各々が第2の接触部および第2のハンダ付け部を有する第2の端子と、
前記第3の端子経路に位置する複数の第3の端子であって、該第3の端子の各々が第3の接触部および第3のハンダ付け部を有する第3の端子と、
前記ハウジングに組み付けられた金属シェルとを備え、
前記ハウジングと前記金属シェルとの間の組み合わせ部の先端にプラグ穴およびプラグインスペースが形成されて、前記プラグ穴が内向きに伸び、前記第1の端子、および2つの隣接する第1の端子の第1の伸長部間の距離が前記第2の端子受け入れスロットの幅よりも大きく、前記舌状部が、前記ハウジングに組み付けられて、前記プラグインスペースの内側に置かれ、前記第1の端子の第1のハンダ付け部が前記ハウジングから外へ伸び、前記第2の端子が前記舌状部モジュールの前記第2の端子受け入れスロット内に伸び、前記第2の端子の前記第2の接触部が前記舌状部モジュールの下面の外へ露出し、前記第2のハンダ付け部が前記ハウジングから外へ伸び、前記複数の第3の端子が前記舌状部モジュールの第3の端子受け入れスロット内に伸び、前記複数の第3の端子の前記第3の接触部が前記舌状部モジュールの上面から上に露出し、前記第3のハンダ付け部が前記ハウジングから外へ伸び、
前記ハウジングが、該ハウジングの基部から前記プラグ穴の方向に突出して伸びることにより形成された半伸長ボードをさらに備え、該半伸長ボードに対応する位置で前記舌状部モジュールの上面が内向きに落ち込んで、陥没領域を形成し、前記半伸長ボード前記陥没領域に受け入れられて前記舌状部モジュールのなかば程度にまで伸長し、各第3の端子受け入れスロットの一部が前記半伸長ボード上に位置し、前記第3の端子経路に連結され、一方で各第3の端子受け入れスロットの別の部分が前記舌状部モジュールの上面に位置する、電気コネクタ。
【請求項2】
前記第1の端子の第1の伸長部および第1の接触部が同じ平面上にある請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングが基部であって、該基部の前端部および後端部に伸びる組み立てスロットを有する基部を有し、前記第3の端子経路および前記第2の端子経路が、それぞれ、前記組み立てスロットの上側および下側に置かれ、前記舌状部モジュールが組み立て部および該組み立て部から前記プラグ穴の方向に伸びる舌状部を有し、前記組み立て部は、組み立てられ、かつ前記ハウジングの組み立てスロットに固定され、前記舌状部が前記プラグインスペース内へ伸びる請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記舌状部モジュールの組み立て部が複数の第1の固定部を有し、前記ハウジングが組み立てスロット内に複数の第2の固定部を有し、該第2の固定部が前記第1の固定部上に配置されている請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記舌状部モジュールの一部は下向きに伸びて複数の位置決め支持ブロックとなり、前記ハウジングが前記位置決め支持ブロックを受け入る複数の位置決め受け入れスロットを有する請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記半伸長ボードが前記プラグ穴の方向に伸び、かつ、複数の楔形ブロックを含み、前記舌状部モジュールが前記楔形ブロックに対応する位置に複数の楔形の穴を形成し、前記楔形ブロックが前記楔形の穴に挿入される請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記第1の端子の数が5個であり、中心に位置する第1の端子を除き、残りの第1の端子が、中心に位置する第1の端子の2つの対向する側に2つの対として、別々に配設され、それらの形状が中心に位置する第1の端子に対して鏡像関係を有し、対になった第1の端子の第1の伸長部が前記第1の接触接続経路の中心に対し偏心的に位置付けられる請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記第1の端子が前記第2の端子と連携して、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)3.0信号を伝達するように使用されるように構成され、前記第2の端子が独立にUSB2.0信号を伝達するように使用されるように構成され、前記第3の端子が外付けシリアル・アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント(ESATA)信号を伝達するように使用されるように構成される請求項1に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2010年6月7日出願の台湾特許出願第99118343号、2010年6月7日出願の台湾特許出願第99210781号、2010年6月7日出願の台湾特許出願第99210780号、および2010年6月7日出願の台湾特許出願第99210782に基づく優先権を主張する。これら全ての特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気コネクタおよびその組立方法に関し、具体的には、複数プラグ接続用の複合電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
既知の電気コネクタ、例えば、台湾特許出願第97219170号(対応米国公開特許第US2009/0111330A1号)は、標準的USB2.0、USB3.0およびESATAコネクタを、それぞれ接続できるソケット電気コネクタを開示しており、これには、絶縁ハウジングと、そのハウジングをカバーする金属シェルと、形成され、かつハウジングから分離されている端子モジュールと、が含まれる。端子モジュールは、ハウジングに取り付けられた一組の絶縁体を有する。絶縁体の先端は、結合スペース内に伸び、結合舌状部を形成し、結合舌状部の上面は第1の結合面を形成し、下面は第2の結合面を形成する。複数の第1の端子タイプ(ESATAコネクタ端子)は、第1の結合面上に位置付けられる。複数の第2の端子タイプ(標準USB2.0コネクタ端子)は、第1の結合面上に位置付けられる。複数の第3の端子タイプ(第2の端子タイプに適合し、連携してUSB3.0コネクタ端子を形成する)は、絶縁体の内側に位置する。第3の端子タイプは、端子モジュールと一体化した方法を使って最も良好に形成され、大略、絶縁体の中心に位置している。従って、第3の端子タイプは、第1および第2の端子タイプの間に位置しており、第3の端子タイプの先端は、第2の結合面内に伸び、第2の結合空間内に露出している。
【0004】
上述の既知の特許は、USB2.0、USB3.0およびESATA複合ソケットコネクタを開示し、第3の端子タイプ(第2の端子タイプに適合し、連携してUSB3.0コネクタ端子を形成する)は、絶縁体内に埋め込まれ、端子モジュールに一体化される。しかし、薄型端子モジュール(舌状部)上に3つの端子タイプを配設する必要があるという事実により、このようなタイプの電気コネクタのための空間は、非常に限られており、舌状部の厚さ方向においては、3つの端子タイプは、交互配列にしなければならない。上述の第3の端子タイプ(USB3.0端子)は、第1の端子タイプ(ESATAコネクタ端子)と第2の端子タイプ(USB2.0端子)との間に位置する必要がある。このような配設方法は、事実上、舌状部の強度を低下させ、さらには、USB2.0端子の形成の弾性変形のための空間が制限され、第3の端子タイプ(USB3.0端子)の位置を越えることができず(干渉が起こる)、従って、端子の弾性形成能力に、再び、影響を与える。さらに、分離された端子モジュール(舌状部)と絶縁体の間の固定構成物との接着強度の課題が存在する。また、上述の特許では、これらのタイプのコネクタならびに構成品の製造容易性および組み立ての容易さの問題に関しては考察および開示がされなかった。従って、改良されたコネクタがあれば関係者には高く評価されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気コネクタは、複数の第2の端子経路および第3端子経路を有するハウジングを備える。舌状部モジュールおよびインサート成形により舌状部内に配置された複数の第1の端子を備える舌状部モジュールが、ハウジング内に位置付けられる。これらの第1の端子の各々は、舌状部の下面先端部に伸びて露出した第1の接触部および舌状部から外へ伸びた第1のハンダ付け部を有する。複数の第2の端子が提供され、第2の端子の各々は、第2の接触部および第2のハンダ付け部を有する。複数の第3端子もまた、提供され、第3の端子の各々は、第3の接触部および第3のハンダ付け部を有する。複数の第2および第3の端子は、それぞれの端子経路内に位置する。金属シェルは、プラグ穴および舌状部モジュール周辺に伸びる先端部のプラグインスペース(その中で、プラグ穴が内向きに伸びている)を提供するようにハウジングに組み付けられる。複数の第2の端子受け入れスロットが、舌状部モジュールの下面と第1の端子との間に位置付けられる。2つの隣接した第1の端子の第1の伸長部の間の間隔は、第2の端子の受け入れスロットの幅よりも大きい。第1の端子の第1のハンダ付け部は、ハウジングから外へ伸びており、第2の端子は、それに対応して、ハウジングの第2の端子経路内に設置され、舌状部モジュールの第2の端子の受け入れスロット内に伸びている。第2の端子の第2の接触部は、舌状部モジュールの下面の外へ露出しており、第2のハンダ付け部は、ハウジングから外へ伸びている。複数の第3の端子受け入れスロットは、舌状部モジュールの上面に位置付けられ、第3の端子は、それに対応して、第3の端子受け入れスロット内に伸びている。複数の第3の端子の第3の接触部は、舌状部モジュールの下面の外へ露出され、第3のハンダ付け部は、ハウジングから外へ伸びることができる。
【0006】
詳細な説明が例として図示されるが、付随する図に限定されるものではない。これらの図で、同様の参照番号は、類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電気コネクタの第1の実施形態の斜視図を示す。
図2図1に示した実施形態の別の斜視図を示す。
図3図1に示した実施形態の分解斜視図を示す。
図4図1に示したハウジングの実施形態の断面斜視図を示す。
図5】舌状部モジュールの実施形態の斜視図を示す。
図6図5のA部の拡大図である。
図7図5に示した舌状部モジュールの別の斜視図を示す。
図8】第1の端子の実施形態の平面図を示す。
図9】舌状部モジュールの実施形態の平面図を示す。
図10】舌状部モジュール内での使用に適した端子の実施形態の簡略化した斜視図を示す。
図11図10に示した端子の立面上面図を示す。
図12】第1の端子、第2の端子および第3の端子の実施形態の斜視図を示す。
図13図12に示した実施形態の立面側面図を示す。
図14】コネクタの実施形態の金属シェルを除いた簡略化した平面図を示す。
図15図14に示した実施形態の線15−15に沿った断面図を示す。
図16図14に示した実施形態の立面正面図を示す。
図17図16に示した実施形態の線17−17に沿った断面図を示す。
図18図16に示した実施形態の線18−18に沿った断面図を示す。
図19】部分的に組み立てたコネクタの簡略化した斜視図を示す。
図20図19の部分的に組み立てたコネクタの簡略化した斜視図で、追加の製造ステップを示す。
図21図20の部分的に組み立てたコネクタの簡略化した斜視図で、追加の製造ステップを示す。
図22図20の部分的に組み立てたコネクタの簡略化した斜視図で、追加の製造ステップを示す。
図23図22に示した端子を設置したコネクタの斜視図を示す。
図24】一緒に結合されるように構成された追加の構成要素と共に、図23に示したコネクタの分解斜視図を示す。
図25】電気コネクタの第2の実施形態の分解斜視図を示す。
図26】第3の端子が組み立てられていない状態の図25に示した実施形態の部分分解斜視図を示す。
図27図25に示したコネクタの簡略化した金属シェルを除いた立面正面図を示す。
図28図27に示した実施形態の線28−28に沿った断面図を示す。
図29】電気コネクタの第3の実施形態の分解斜視図を示す。
図30図29に示した実施形態で使用するのに適したハウジングの実施形態の断面斜視図を示す。
図31図30に示した領域Aの拡大図を示す。
図32】舌状部モジュールの実施形態の斜視図を示す。
図33図32に示した領域Aの拡大図を示す。
図34図29に示した実施形態の金属シェルを除いた立面正面図を示す。
図35図34に示した実施形態の線35−35に沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、例示的な実施形態について記載するが、明示的に開示された組み合わせに限定する意図はない。従って、別段の指示がなければ、本明細書に開示の特徴は、一緒に組み合わされて、そうでなければ簡潔さの目的のために示されなかった追加の組み合わせを形成してもよい。
【0009】
記載される開示は、インサート成形により舌状部モジュール内に一体化して配置された複数の第1の端子を開示する。隣接した2つの第1の端子の第1の伸長部間の間隔は、第2の端子の受け入れスロットの幅よりも大きく、それにより、第1の端子および第2の端子の位置が舌状部モジュールの厚さ方向でより近くにすることができ、空間位置の一部で重なり合わせることができ、さらに、舌状部モジュールの表面の幅方向で交互配列にすることができ、第2の端子のための充分な空間の変形および移動を可能とする。従って、第2および第3の端子の組み立ての間、干渉の発生を避けることができ、一方で、同時に、第1の端子と第3の端子との間で、舌状部モジュールの厚さ方向での間隔を増やすことができる。従って、それらの間の肉厚を増やすことにより、舌状部モジュールの強度が高められる。さらに、本発明は、電気コネクタの組み立て方法を提供し、それにより、そのタイプの複合電気コネクタが容易に製造、組み立てることができる。
【0010】
図1および2を参照すると、記載された開示は、ESATA/USB3.0複合電気コネクタを提供し、その先端は、共用プラグ穴501を有し、少なくともESATAプラグ、USB2.0プラグまたは複合ESATA/USBプラグのための接続するプラグを提供するために使われる。上記のESATAは、外付けシリアル・アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント(External Serial Advanced Technology Attachment)の略である。USBは、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)の略である。関連するコネクタ標準および参照基準を有する適切な団体により公開された標準については、本明細書では詳述しない。
【0011】
図1〜18では、電気コネクタの第1の実施形態が示されている。電気コネクタは、絶縁材料から形成されてもよいハウジング1と、絶縁材料から同様に形成されてもよい舌状部モジュール2と、複数の第1の端子22と、複数の第2の端子3と、複数の第3の端子4と、金属シェル5と、を備える。
【0012】
ハウジング1は、基部11と、基部11の両側から前方に伸びることにより形成されている2つのアーム12と、を備える。基部11は、複数の第2の端子経路13、組み立てスロット15および複数の第3の端子経路14を形成し、第2の端子経路13、組み立てスロット15および第3の端子経路14は、基部11の前端および後端に伸び、第3の端子経路14および第2の端子経路13は、それぞれ、組み立てスロット15の上側と下側に位置している。
【0013】
舌状部モジュール2は、絶縁材料から作られた舌状部モジュール21と、インサート成形により舌状部モジュール21内に配置された複数の第1の端子22と、を備える。舌状部モジュール21は、対応する上面211および下面212を有する。
【0014】
理解することができるように、各第1の端子22は、舌状部モジュール21の内側に配置された第1の伸長部221、伸長部221の一端から伸び、舌状部モジュールの下部212の先端から露出している第1の接触部222、ならびに第1の伸長部221の他端から伸び、舌状部モジュール21から外へ伸びている第1のハンダ付け部223を有する。第1の端子22の第1の伸長部221および第1の接触部222は、同じ平面上にある。
【0015】
舌状部モジュール21の下面212は、第1の端子22の間に複数の第2の端子受け入れスロット23を有する。隣接する2つの第1の端子の第1の伸長部221の間の間隔は、第2の端子の受け入れスロット23の幅より大きい。舌状部モジュール21の上面211は、別々に複数の第3の端子受け入れスロット24を有する。ハウジング1の第2の端子経路13は、対応するように、第2の端子受け入れスロット23に連結され、第2の端子3は、対応するように、その上に組み立てられる。第3の端子経路14は、対応するように、第3の端子受け入れスロット24に連結され、第3の端子4は、対応するように、その上に組み立てられる。
【0016】
舌状部モジュール21の上面211は、第3の端子受け入れスロット24の上部に伸び、第3の端子4を押さえつけるために使用される保持ブロック26を、各第3の端子受け入れスロット24の少なくとも一方側上に有する。舌状部モジュール21の上面211は、第3の端子受け入れスロット24のそばの複数の突出リブ27を有する。保持ブロック26は、そのリブ27の上に形成される。
【0017】
図3から解るように、各第2の端子3は、第2の固定部31と、第2の固定部31の一端から伸びる第2の接触部32と、第2の固定部31の他端から伸びている第2のハンダ付け部33を有する。各第3の端子4は、第3の固定部41と、第3の固定部41の一端から伸びる第3の接触部42と、固定部41の他端から伸びる第3のハンダ付け部43を有する。
【0018】
図で示すように、第1の端子22の数は5である。第2の端子3の数は、4である。第3の端子4の数は、7であり、第1の端子22は、第2の端子3と連携して端子として使われ、USB3.0信号を伝達する。第2の端子3は、独立に端子として使用され、USB2.0信号を伝達できる。第3の端子4は、ESATA信号の伝達のための端子として使用される。
【0019】
金属シェル5は、ハウジング1に組み付けられ、ハウジング1と金属シェル5との組み合わせは、その先端にプラグ穴501、およびプラグ穴501から内向きに伸びるプラグインスペース502を形成する。
【0020】
舌状部モジュール21は、ハウジング1に組み付けられて固定され、プラグインスペース502の内側に位置される。第1の端子22のハンダ付け部223は、ハウジング1から外へ伸びる。理解することができるように、舌状部モジュール21の図示した構成物は、組み立て部213、および組み立て部213からプラグ穴501の方向に伸びる舌状部214を有する。組み立て部213は、組み立てられ、ハウジング1の組み立てスロット15上に固定され、舌状部214は、プラグインスペース502内に伸びる。第3の端子受け入れスロット24は、舌状部214上に位置する。
【0021】
第2の端子3は、対応するように、ハウジング1の第2の端子経路13内に設置され、舌状部モジュール21の第2の端子受け入れスロット23まで伸びる。第2の端子3の第2の固定部31は、ハウジング1上に固定された第2の端子経路13と干渉する。第2の接触部32は、舌状部モジュール21の下面212上に露出される。第2のハンダ付け部33は、ハウジング1から外へ伸び、第1のハンダ付け部223の前部に位置する。
【0022】
第3の端子4は、対応するように、ハウジング1の第3の端子経路14内に設置され、舌状部モジュール21の第3の端子受け入れスロット24まで伸びる。第3の端子4の第3の固定部41は、ハウジング1の基部11の内側に固定された第3の端子経路14と干渉する。第3の接触部42は、舌状部モジュール21の上面211上に露出される。第3のハンダ付け部43は、ハウジング1から外へ伸び、第2の端子受け入れスロット23の下の第1のハンダ付け部の後部に位置する。保持ブロック26は、第3の端子受け入れスロット24のそばに置かれ、第3の端子4の第3の接触部42を押さえつけるので、端子4を、確実に配置することができ、第3の端子4の反りや座屈が防止できる。電気コネクタは、上述の構成を通して形成することができる。
【0023】
2つの隣接する第1の端子22の第1の伸長部221間の間隔は、第2の端子受け入れスロット23の幅より大きいので、第1の端子2および第2の端子3の位置は、舌状部モジュール21の厚さ方向で近くなり、空間的に重なり合うことができ、舌状部モジュール21の表面の幅方向で交互配列とすることができ、それにより、第2の端子3および第3の端子4の組み立ての間の干渉の発生を避けることができる。これは、第2の端子3のための充分な空間の変形および移動の提供を補助する。
【0024】
舌状部モジュール21の組み立て部213は、複数の第1の固定部215を有する。ハウジング1は、組み立てスロット15内の複数の第2の固定部151を有する。第2の固定部151および第1の固定部215は、相互に嵌合され、固定される。本実施形態では、第1の固定部115は、舌状部モジュール21の下面212の内側くぼみにより形成された取付穴である。第2の固定部151は、組み立てスロット15の内側底面から突き出ている取り付けブロックである。取り付けブロックと取り付けバックルは取り付け穴内で嵌合し、その結果、ハウジング1の組み立てスロット15内の舌状部モジュール21の組み立て部213を固定する。
【0025】
舌状部モジュール21は、別々に、複数の位置決め支持ブロック25まで、下方向に伸びる。ハウジング1は、複数の位置決め受け入れスロット16を有する。位置決め支持ブロック25は、対応するように、その位置に収容され、受け入れスロット16が、舌状部モジュール21に堅牢な保持力を付与し、その結果、大きなトルク作用に耐えることができる。
【0026】
上述の5つの第1の端子22の内で、中心に位置する第1の端子22を除いて、残りの第1の端子22は、別々に、中心に位置する第1の端子22の2つの対向する側に2つの対で配設され、それらの形状が中心に位置する第1の端子22に対し鏡像関係を有することに留意されたい。対になった第1の端子22の第1の伸長部221は、第1の接触経路222の中心および対向する外側に対し偏心的に位置付けられる。対になった第1の端子22は、対になった信号を伝達するのに使用される。本実施形態では、第1の2つの対になった端子22の第1の接触部222から第1のハンダ付け部223までの長さは同じであり、そのため、信号の伝達経路は、等距離であり、従って、信号偏向とひずみを防ぐのに役立つ。
【0027】
電気コネクタは、さらに、絶縁材料から作られた位置決め部6を含む。位置決め部6は、前から後ろに、上面と下面を横切る複数の位置決め穴62、61および63を形成する。位置決め部60は、ハウジング1の後端に、底部から頂部へ組み付けられ、第1の端子22の第1のハンダ付け部223、第2の端子3の第2のハンダ付け部33および第3の端子の第3のハンダ付け部43は、対応するように、位置決め穴61、62および63に差し込まれ、位置決め効果を実現させ、それらが相互に接触することを防ぐ。
【0028】
次に、図19〜24を参照すると、組み立て方法は、いくつかのステップを含むことができる。しかし、所望する場合、他の組み立て方法も、使用可能であることに留意されたい。ハウジング1が提供される。ハウジング1は、複数の第2の端子経路13および複数の第3の端子経路14を含む。
【0029】
さらに、舌状部モジュール21が提供される。複数の第1の端子22が、舌状部モジュール21内に配置され、それらは、インサート成形プロセスによりそのように位置付けられてもよい。第1の端子22の第1のハンダ付け部223は、舌状部モジュール21から外へ水平に伸びる。舌状部モジュール21の下面212は、複数の第2の端子受け入れスロット23を有し、一方、舌状部モジュール21の上面211は、複数の第3の端子受け入れスロット24を有し、第2の端子受け入れスロット23は、第1の端子22の間に位置され、2つの隣接する第1の端子22の第1の伸長部221の間隔は、第2の端子受け入れスロット23の幅より大きい。
【0030】
舌状部モジュール21は、ハウジング1に組み付けることができる。次に、複数の第2の端子3をハウジング1の第2の端子経路13内に設置することができ、それにより、それらは、舌状部モジュール21の下面212上の第2の端子受け入れスロット23まで伸長し、第2の端子31の第2の接触部32は、舌状部モジュール21の下面212上に露出される。第2の端子3の第2のハンダ付け部33は、ハウジング1から外へ伸びる。
【0031】
第1の端子22の第1のハンダ付け部223は、次に、曲げられて、第1の端子22の第1のハンダ付け部223を、ハウジング1から外へ伸ばし、第2のハンダ付け部33の後方に位置させることができる。次に、複数の第3の端子4は、ハウジング1の第3の端子経路14内に設置することができ、それにより、それらが、舌状部モジュール21の下面211上の第3の端子受け入れスロット24まで伸び、第3の端子4の第3の接触部42は、舌状部モジュール21の下面211上に露出される。第3の端子4の第3のハンダ付け部43はハウジング1から外へ伸び、第1のハンダ付け部223の後方に位置される。
【0032】
次に、位置決め部6が提供される。位置決め部6は、複数の位置決め穴61、62および63を有する。位置決め部6は、ハウジング1の後端に底部から頂部へ向けて組み付けられ、第1の端子22の第1のハンダ付け部223、第2の端子3の第2のハンダ付け部33および第3の端子4の第3のハンダ付け部43は、対応するように、位置決め穴61、62および63内に挿入される。次に、金属シェル52をハウジング1の外側に組み付けることができる。
【0033】
次に、図25〜28を参照すると、電気コネクタの第2の実施形態が図示されている。各第3の端子4は、第3の固定部41と第3の接触部42との間に位置付けられ、屈曲させられ、かつ下向きに伸び、第3の接触部42が第3の固定部41の位置よりも低い位置にすることを可能とする、屈曲部44をさらに備える。
【0034】
図29〜35を参照すると、電気コネクタの第3の実施形態での使用に適した特徴が図示されている。理解することができるように、舌状部モジュール21は、半伸長ボード17をさらに備え、これは、ハウジング1の基部11からプラグ穴501の方向に突き出て、伸びることにより形成される。舌状部モジュール21の上面211は、半伸長ボード17に対応する位置で内側に落ち込んで、陥没領域216を形成する。半伸長ボード17の先端は、複数の楔形ブロック18までプラグ穴501の方向に伸び、舌状部モジュール21は、楔形ブロック18に対応する位置で複数の楔形の穴217を形成する。本実施形態の第3の端子受け入れスロット24は、第1の部分241と第2の部分242により連携して形成され、第1の部分241は、半伸長ボード17上に位置し、第3の端子経路14に連結され、一方、第2の部分242は、舌状部モジュール21の上面211上に位置される。
【0035】
組み立ての間、ハウジング1の半伸長ボード17は、舌状部モジュール21の陥没領域216内に収容され、楔形ブロック18は、適合し、楔形の穴217に挿入され、その結果、舌状部モジュール2に対する支持作用を提供する。第3の端子4の第3の固定部41は、第3の端子受け入れスロット24のうちの1つに対し2つの第1の部分と干渉し、その上に固定される。
【0036】
さらに、各第3の端子受け入れスロット24の近くで、舌状部モジュール21の上面211は、第3の端子受け入れスロット24の第1の部分241の上部まで伸び、第3の端子4を押さえつけるのに使われる保持ブロック28を有し(図31参照)、これは、同様に、第3の端子4の位置決めの効果を実現し、反りおよび座屈を防止することができる。
【0037】
理解することができるように、電気コネクタは、舌状部モジュール内にインサート成形された複数の第1の端子を配置することができる。2つの隣接する第1の端子の間隔は、第2の端子受け入れスロットの幅よりも大きく、そのために、第1の端子および第2の端子の位置は、垂直の方向または舌状部モジュールの第1の方向でより近くすることができ、重なり合うことができ、かつ舌状部モジュールの表面の幅方向で交互配列にすることができ、これにより、第2の端子の空間の変形と移動が可能となる。従って、第2および第3の端子の組み立ての間、干渉の発生を避けることができ、一方で、同時に、第1の端子と第3の端子との間の舌状部モジュールの厚さ方向での空間を増やすことができる。さらに、開示の組み立て方法は、特定の電気コネクタを容易に製造および組み立てることを可能とする。
【0038】
本明細書で提供される開示は、その好ましく、かつ、例示的な実施形態の観点から特徴を記載している。当業者なら本開示の検討から、添付した特許請求の範囲と趣旨内で、多くの他の実施形態、修正および変形を生じるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35