(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態の発電機能を備える装置100について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態の発電機能を備える装置100は、プレス装置1と、スライド12の往復動を回転運動に変換するラック2及びピニオン3と、ピニオン3の回転運動のうち一方向の回転運動を歯車5に伝達するワンウエイクラッチ4と、歯車5から回転運動が伝達される発電機6と、から構成される。プレス装置1は、フレーム11と、フレーム11に上昇下降するように配設されているスライド12と、駆動モーターによって回転させられるフライホイール13、フライホイール13の回転運動をスライド12の往復動に変換するクランク14及びコネクションロッド15と、プレス成形するための金型である上金型16a及び下金型16bと、下金型16bの台座であるテーブル17と、を備える。
【0017】
フレーム11は、プレス装置1の外枠である。フレーム11は、矩形のベースと該矩形のベースの四隅に鉛直上向きに接合した4本の支柱と該支柱の上端に接合した天板とから構成されている。
【0018】
スライド12は、フレーム11の支柱に設けられたガイド溝に沿って鉛直上向きと鉛直下向きとにスライドするように配設されている。
【0019】
フライホイール13は、図示しない駆動モーターで回転させられ、該駆動モーターの回転運動を安定させるものである。フライホイール13は、フレーム11のスライド12の往復する範囲より上の位置に回転自在に配設されている。
【0020】
クランク14は、フライホイール13の回転運動をスライド12の往復運動に変換する機構である。クランク14の回転軸はフライホイール13の回転軸に結合され、クランク14の偏心軸はコネクションロッド15と連結される。
【0021】
コネクションロッド15は、両端に穴を有する棒状の形状を有し、スライド12とクランク14とを連結する部材である。コネクションロッド15の一端はクランク14の偏心軸と回転自在に連結され、コネクションロッド15の他端はスライド12の上部に設けられた連結部と回転自在に連結されている。
【0022】
上金型16a及び下金型16bは、被成形物Rをプレス成形するための型である。上金型16aは、スライド12の下面に固定されている。下金型16bは、フレーム11のベースの上に配設されたテーブル17の上面に固定されている。
【0023】
作動竿21は、ラック2をスライド12の動きに連動して動くように固定するための棒状の部材である。作動竿21がスライド12のスライドの動きに連動して上下に往復運動するように、作動竿21の一端はスライド12の上面に固定され、他端はフレーム11の天板に設けられた穴を挿通し天板から突出している。
【0024】
ラック2は、歯車の外周を直線にした棒状の形状を有する。ラック2は、ラック2の長手方向と作動竿21の往復運動の方向とが同じ向きなるように、作動竿21のフレーム11の天板に設けられた穴から突出している部分に固定されている。
【0025】
ピニオン3は、円形の歯車であり、ピニオン3の歯とラック2の歯とが歯合するようにフレーム11の天板の上に回転自在に配設されている。
【0026】
ワンウエイクラッチ4は、入力軸と出力軸とを有し、入力軸に入力された回転運動のうち一方向の回転運動を出力軸に出力する。本実施形態の発電機能を備える装置100では、入力軸から正回転の回転運動が入力されると出力軸が空回りし、入力軸から逆回転の回転運動が入力されると出力軸に回転運動が出力されるワンウエイクラッチ4を用いる。ワンウエイクラッチ4の入力軸はピニオン3に結合され、ワンウエイクラッチ4の出力軸は歯車5に結合されている。ピニオン3、ワンウエイクラッチ4及び歯車5は、同軸の回転軸を有するように、フレーム11の天板の上に回転自在に配設されている。
【0027】
歯車5は、ワンウエイクラッチ4から伝達された回転運動を変速歯車24及び25を介して発電機6に伝達する歯車である。変速歯車24及び25は、歯車5の回転数を発電機6が発電するために適した回転数に変換する歯車である。変速歯車24及び25は、それぞれ、第1の歯車と第2の歯車と回転軸とを有し、回転軸の両端に第1の歯車と第2の歯車とを結合したものである。変速歯車24は、変速歯車24の第2の歯車が歯車5と歯合するように回転自在にフレーム11の天板の上に配設されている。変速歯車25は、変速歯車25の第2の歯車が変速歯車24の第1の歯車と歯合するように回転自在にフレーム11の天板の上に配設されている。
【0028】
発電機6は、交流発電機であり、歯車5から伝達された回転運動により発電する。発電機6は、歯車22及びシャフト23を有し、歯車22はシャフト23に結合している。発電機6は、歯車22が変速歯車25の第1の歯車と歯合するようにフレーム11の天板の上面に配設されている。発電機6は、発電した交流電流を直流電流に変換する整流器101に接続されている。整流器101は、直流電力を蓄える蓄電池102に接続されている。蓄電池102は、直流の電力を交流の電力に変換するパワーコンディショナー103に接続されている。
【0029】
発電機6で発電した電力は、整流器101で直流の電力に変換される。この直流の電力は、蓄電池102に蓄えられる。この蓄電池に蓄えられた電力は、パワーコンディショナー103によって、例えば、60Hz又は50Hzの100Vの交流電力に変換される。発電機6は、交流発電機に限らず直流発電機を用いることもできる。発電機6が直流発電機である場合、発電された電力は、直接発電機から蓄電池に電力を蓄える。
【0030】
プレス装置1の動作を説明する。フライホイール13は、図示していない駆動モーターにより回転する。クランク14は、フライホイール13の回転に伴いクランク14の回転軸を中心に回転する。回転運動するクランク14は、クランク14の偏心軸に連結されているコネクションロッド15を介してスライド12及び上金型16aを上昇する方向及び下降する方向に交互にスライドさせる。
【0031】
つぎに、図面を参照しながらプレス装置1が被加工物Rを成形する動作を説明する。被成形物Rがプレスされる前は、スライド12は
図1に示す位置にある。次に、
図3に示すようにスライド12が下降する方向にスライドし、被成形物Rはプレス成形される。その後、
図4に示すようにスライド12が上昇する方向にスライドする。最後に、
図5に示すようにさらにスライド12が上昇し、プレス成形された被成形物Rが取り出され、新たな被成形物Rが下金型16bの上にセットされる。
【0032】
さらに、発電機能を備える装置100がスライド12の動作を利用して発電するプロセスを説明する。スライド12が下降する方向にスライドすると、スライド12に固定したラック2は下降する方向にスライドする。ラック2が下降する方向にスライドすると、ピニオン3は逆回転の回転運動をする。ピニオン3が逆回転の回転運動をすると、ピニオン3に結合したワンウエイクラッチ4の入力軸が逆回転し、ピニオン3の回転運動は、ワンウエイクラッチ4の出力軸に結合した歯車5に伝達される。歯車5の回転運動は、変速歯車24に伝達される。変速歯車24の回転運動は、変速歯車25に伝達される。変速歯車25の回転運動は歯車22を介して発電機6のシャフト23を回転させる。この結果、発電機6は、発電する。
【0033】
逆に、スライド12が上昇する方向にスライドすると、ラック2は上昇する方向にスライドする。ラック2が上昇する方向にスライドすると、ピニオン3は正回転する。ピニオン3が正回転すると、ワンウエイクラッチ4の入力軸が正回転し、ワンウエイクラッチ4の出力軸が空回りする。このため、ピニオン3の回転運動は、歯車5に伝達されない。この結果、スライド12が上向きにスライドした場合、スライド12の動力は発電機6に伝達されず、スライド12は発電機6による負荷を受けない。
【0034】
この結果、第1実施形態の発電機能を備える装置100は、スライド12が下降する方向にスライドするとき、回転運動を発電機6に伝達し発電でき、スライド12及び上金型16aが重力によって与えられる運動エネルギー及びプレス装置1が有する余剰の力を有効に活用することができる。逆に、スライド12が上昇する方向にスライドするとき、プレス装置1は、質量の大きいスライド12と上金型16aを上方向に持ち上げる必要がある。この場合、スライド12から発電機6に動力が伝達されないため、スライド12は発電機6の抵抗を受けず、プレス装置1の動作は妨げられない。
【0035】
第1実施形態の発電機能を備える装置100は、スライド12が下昇する向きにスライドする際、ラック2から発電機6まで動力が伝達され、発電機6は回生ブレーキの役割をし、下昇する方向にスライドするスライド12にブレーキをかける。プレス装置1が第1実施形態の発電機能を備える装置100を採用していない場合、駆動モーターが受けるトルクは、スライド12の上昇するときと下降するときとで異なる。駆動モーターが受けるトルクが異なることで、駆動モーターは負荷を受ける。第1実施形態の発電機能を備える装置100は、スライド12が下降するとき回生ブレーキをかけることで駆動モーターにかかるトルクを一定させ負荷を低減するという効果がある。
【0036】
変速歯車24及び25は、歯車5の回転数を発電に適した回転数に変換して、発電機6のシャフト23に動力を伝達する。発電に適した回転数の回転運動の動力が発電機6に伝達されることで、発電機6は効率よく発電できる。ここで、本発明の発電機能を備える装置100は、変速歯車24及び25を用いず歯車5の回転運動を発電機6に直接伝達してもよく、変速歯車24及び25に変えて、ローラーチェーン及びスプロケットなどを組み合わせて回転数を調整するものなどを用いてもよい。
【0037】
歯車5は、スライド12が下降する場合は伝達された回転運動により回転するが、逆にスライド12が上昇する場合は惰性で回転している。このため、歯車5は、加速減速を繰り返し回転運動が一定しない虞がある。この歯車5の回転運動を用いて発電機6を駆動すると、発電機6で発電される電力も不安定となると考えられる。そこで、第1実施形態の発電機能を備える装置100は、フライホイールをさらに有するとよい。前記フライホイールは、歯車5から動力が伝達される。前記フライホイールは伝達された動力を運動エネルギーとして蓄積する。この運動エネルギーを蓄積した前記フライホイールの動力は発電機6に伝達される。この結果、発電機6は安定した電力を発電することができる。
【0038】
ここで、第1実施形態の発電機能を備える装置100を用いて発電できる電力を計算する。例えば、プレス装置1は、P(kN)のプレス能力を有し、ストローク長さはh(m)、ストローク数はt(回/s)、スライド12及び上金型16aの合計質量はm(kg)とする。また、重力加速度gは9.8m/s
2とする。
【0039】
第1実施形態の発電機能を備える装置100は、スライド12及び上金型16aの合計質量mが持つ位置エネルギーE1を発電に用いることができると考えられる。この場合、位置エネルギーはE1=mghで表される。位置エネルギーE1をすべて電気エネルギーに変換できるとすると、1ストロークあたり発電できる電力量は、E1=mgh(W・s)である。得られる電力は、1秒あたりの電力量であるのでE1にストローク数tを掛け、mghW・s×t(回/s)=mght(W)である。例えば、m=1000kg、h=0.2m、t=0.5回/sとすると、1ストロークあたりの発電量は、E1=1000kg×9.8m/s
2×0.2m=1960W・sである。得られる電力はE1にストローク数tを掛け、1960W・s×0.5回/s=980W≒1kWである。第1実施形態の発電機能を備える装置100は、スライド12及び上金型16aの合計質量mが持つ位置エネルギーE1を用いて発電できるため、プレス装置1の動作を妨げず、上記発電量の電力を得ることができる。
【0040】
また、プレス装置1は、P(kN)のプレス能力を有しているとしても、プレスする力は、通常0.6×P(kN)程度あればプレス作業を行うことができる。プレス装置1は、プレスする力に余剰の力があり、この余剰の力を用いて発電することも可能である。例えば、余剰の力pを用いて発電すると仮定すると、発電できる1ストロークあたりの電力量はE2=phで表される。得られる電力は、1秒あたりの電力量であるので前記E2に前記ストローク数tを掛け、ph(W・s)×t(回/s)=pht(W)である。例えば、P=500kN、h=0.2m、t=0.5回/sの場合、余剰の力pを10kN用いて発電すると仮定すると、1ストロークあたりの電力量はE2=10kN×0.2m=2kW・sである。得られる電力は、前記E2に前記ストローク数tを掛け、2kW・s×0.5回/s=1kWである。第1実施例の発電機能を備える装置100は、プレス装置1の余力を用いて発電できるため、プレス装置1の動作を妨げず、上記発電量の電力を得ることができる。
【0041】
発電機6は、プレス装置1から取り出せるエネルギーに適した発電能力を持つものを選択するとよい。このことにより、第1実施形態の発電機能を備える装置100は、プレス装置1から効率よくエネルギーを取り出し発電できる。
【0042】
(第1実施形態の変形例1)
つぎに、本発明の第1実施形態の変形例1について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。第1実施例の発電機能を備える装置100は、ラック2、ピニオン3、ワンウエイクラッチ4、歯車5及び発電機6はプレス装置1の天板の上に配設されていたが、第1実施例の発電機能を備える装置100の変形例1は、
図6に示すように、ラック2、ピニオン3、ワンウエイクラッチ4、歯車5及び発電機6はプレス装置1の横の位置に配設されている。第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第1実施形態の変形例1の発電機能を備える装置100は、作動竿21を有さない。この代わりに、第1実施形態の変形例1の発電機能を備える装置100は、作動棒26及び連結棒27、台座28を有する。
【0043】
作動棒26は、上昇する方向及び下降する方向に平行移動できるようにフレーム11の支柱に配設され、連結棒27によってスライド12に連結されている。スライド12が上昇する方向又は下降する方向にスライドすると、作動棒26は同じ方向に平行移動する。ラック2は、作動棒26に固定されている。
【0044】
ピニオン3はラック2と歯合するようプレス装置1の横の位置に固定された台座28の上に回転自在に配設されている。ワンウエイクラッチ4、歯車5及び発電機6は、台座28の上に第1実施形態と同様の配置になるよう配設されている。
【0045】
第1実施形態の発電機能を備える装置100は、ラック2、ピニオン3、ワンウエイクラッチ4、歯車5及び発電機6がフレーム11の天板の上に配設される場合に限定されず、プレス装置1の横の位置の台座28の上にも配設されることが可能であり、また、プレス装置1から離れた場所などいずれの場所であっても配設されることが可能である。
【0046】
(第1実施形態の変形例2)
つぎに、本発明の第1実施形態の変形例2について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。第1実施例の発電機能を備える装置100の変形例2は、
図7に示すように電磁クラッチをさらに備えたワンウエイクラッチ4’を用い、電磁クラッチを制御する記憶装置104、入力装置105、演算装置106及びクラッチ制御装置107を備える。
【0047】
ワンウエイクラッチ4’は、電磁クラッチがつながっているときは、通常のワンウエイクラッチとして動作するものであり、電磁クラッチが切れているときは、ワンウエイクラッチ4’の入力軸に回転運動が伝達されたとしても、出力軸に該回転運動が伝達されないものである。
【0048】
記憶装置104は、プレス装置1の最大プレス圧力Xと、発電に必要な余剰のプレス圧力Yとを記憶している。入力装置105は、プレス作業に必要なプレス圧力Zを演算装置106に入力する装置である。
【0049】
演算装置106は、記憶装置104に記憶されているX及びY、並びに入力装置105に入力されたZが入力される入力部と、X−Zを計算し、X−Z<YであるかX−Z≧Yであるか判定する判定部と、X−Z<Yである場合Yesの信号、X−Z≧Yである場合Noの信号をクラッチ制御装置107に出力する出力部を備える装置である。
【0050】
クラッチ制御装置107は、前記電磁クラッチを制御する装置であり、演算装置106から信号を入力される入力部と、入力された上記信号がYesの場合、ワンウエイクラッチ4’の電磁クラッチをつなぐ信号を出力し、上記信号がNoの場合、ワンウエイクラッチ4’の電磁クラッチを切る信号を出力する出力部を備える。
【0051】
ワンウエイクラッチ4’は、上記信号がYesの場合、第1実施例の発電機能を備える装置100と同様にスライド12の動きを発電機6に伝達することができる。ワンウエイクラッチ4’は、上記信号がNoの場合、スライド12の動きを発電機6に伝達しない。プレス作業に必要なプレス圧力ZがZ≦X−Yである場合、スライド12の動きが発電機6に伝達されないことで、プレス装置1の動作を妨げない。
【0052】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態の発電機能を備える装置200について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0053】
図8に示すように、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第2実施形態の発電機能を備える装置200は、ラック2、ピニオン3及び作動竿21を有さない。この代わりに、第2実施形態の発電機能を備える装置200は、新たにローラーチェーン7、スプロケット8、おもり31、固定部32、貫通穴33及び34を有している。
【0054】
スプロケット8は、ローラーチェーン7の動作をワンウエイクラッチ4の入力軸に伝達するための歯車であり、フレーム11の天板の上に回転軸を水平にして回転できるように配設されている。スプロケット8の回転軸は、ワンウエイクラッチ4の入力軸と結合している。
【0055】
ローラーチェーン7は、スライド12からスプロケット8に動作を伝達するチェーンである。ローラーチェーン7は、スプロケット8に上から掛けられ、ローラーチェーン7の一端はフレーム11の天板に設けられた貫通穴33を挿通しスライド12に設けられた固定部32に固定されている。ローラーチェーン7の他端はフレーム11の天板に設けられた貫通穴34に挿通しおもり31を取り付けられている。
【0056】
ここで、ローラーチェーン7及びスプロケット8の動作を説明する。スライド12が下降する方向にスライドすると、ローラーチェーン7はローラーチェーン7の一端が下に引っ張られ、スプロケット8は正回転し、ローラーチェーン7の他端に取り付けられたおもり31は上に引き上げられる。逆に、スライド12が上方向にスライドすると、ローラーチェーン7の他端に取り付けられたおもり31によってローラーチェーン7の他端は下に引き下げられ、スプロケット8は逆回転する。
【0057】
次に、第2実施形態の発電機能を備える装置200がプレス装置1のスライド12の動作を利用して発電するプロセスを説明する。スライド12が下向きにスライドすると、スプロケット8は逆回転する。スプロケット8が逆回転すると、ワンウエイクラッチ4の入力軸は逆回転する。スプロケット8の回転運動は、ワンウエイクラッチ4の出力軸から歯車5に伝達される。歯車5の回転運動は、変速歯車24及び25を介して発電機6に伝達される。発電機6に回転運動が伝達されると、発電機6は発電する。逆に、スライド12が上向きにスライドすると、スプロケット8は正回転する。スプロケット8が正回転すると、ワンウエイクラッチ4の入力軸は正回転し、ワンウエイクラッチ4は空回りする。このため、スプロケット8の回転運動は歯車5には伝達されない。
【0058】
第2実施形態の発電機能を備える装置200は、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同様の効果が得られる。第2実施形態の発電機能を備える装置200により発電できる電力は、第1実施形態と同様である。
【0059】
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態の発電機能を備える装置300について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0060】
図9に示すように、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第3実施形態の発電機能を備える装置300は、フライホイール13、クランク14及びコネクションロッド15を有するプレス装置1を備えない。この代わりに、第3実施形態の発電機能を備える装置300は、新たにシリンダー41及びピストンロッド42を有するプレス装置40を備える。
【0061】
プレス装置40は、プレス装置1と異なり、スライド12は、ピストンロッド42及びシリンダー41が油圧により伸縮することで上昇する方向及び下方する方向にスライドする。
【0062】
シリンダー41は、一端が閉じられ他端が開放された略円筒の形状を有する。ピストンロッド42は、略円柱の形状を有し、シリンダー41にピストンロッド42を挿入したときなめらかにスライドできる直径を有する。ピストンロッド42の一端は、シリンダー41の他端からシリンダー41に挿入されている。
【0063】
シリンダー41の一端は、フレーム11の天板に結合されている。ピストンロッド42の他端は、スライド12の上面に結合されている。
【0064】
次にプレス装置40の動作について説明する。図示しない油圧ポンプから油圧がシリンダー41に供給されると、ピストンロッド42がシリンダー41から押し出される。シリンダー41が押し出されると、スライド12はピストンロッド42によって下向きに力が加えられ下方向にスライドする。スライド12が下方向にスライドすると、上金型16aと下金型16bとの間に置かれた被成形物Rは成形される。
【0065】
第3実施形態の発電機能を備える装置300がプレス装置40のスライド12の動作を利用して発電するプロセスは、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同様である。
【0066】
上金型16aが被成形物Rに接触する位置までスライド12がスライドする間は、スライド12は下向きの余力を持っていると考えられる。また、スライド12は、重力により下向きの力を受けている。第3実施形態の発電機能を備える装置300は、この余力及び重力によりスライド12が受ける下向きの力を用いて発電することができる。第3実施形態の発電機能を備える装置300により発電できる電力は、第1実施形態と同様である。
【0067】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態の発電機能を備える装置400について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0068】
図10に示すように、第4実施形態の発電機能を備える装置400は、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、装置1を備えない代わりに、新たにプレス装置50を備える。ラック2、ピニオン3、ワンウエイクラッチ4及び発電機6は、プレス装置50の横の台座28の上に配設されている。
【0069】
プレス装置50は、被破砕物を破砕するためのプレス装置であり、フレーム51と、油圧により伸縮するシリンダー53及びピストンロッド54と、被破砕物を破砕するための固定刃55及び揺動刃56とを備える。
【0070】
固定刃55は、フレーム51の一方側に、破砕するための凸状の刃が設けられている面をフレーム51の内側に向けて固定されている。揺動刃56は、破砕するための凸状の刃が設けられている面を固定刃55と対峙するように配設されている。揺動刃56の上端が略水平方向に往復動するように、揺動刃56の下端は、フレーム51に設けられた枢軸57に揺動自在に取り付けられている。
【0071】
シリンダー53の形状は、一端が閉じられた筒状である。シリンダー53の一端は、フレーム51の他方側に連結されている。ピストンロッド54の形状は、円柱状である。ピストンロッド54の一端は、シリンダー53の他端側から挿入されている。ピストンロッド54の他端は、揺動刃56の上部に連結されている。
【0072】
作動竿52は、長手方向に往復動できるように、かつ長手方向が水平になるようにフレーム51に配設されている。作動竿52の一端は、揺動刃56の動きを捉え、作動竿52が長手方向に往復動できるように揺動刃56の上端に連結されている。
【0073】
ラック2は、作動竿52の他端に取り付けられている。ピニオン3は、ラック2に歯合し回転自在に台座28の上に配設されている。
【0074】
プレス装置50は、ピストンロッド54が収縮した状態では、
図10に示すように揺動刃56の上端と固定刃55の上端が開いた状態になる。この状態で、揺動刃56と固定刃55との間に被破砕物を投入する。被破砕物を投入した後、シリンダー53に油圧を供給し、ピストンロッド54を伸張させると、
図11に示すように揺動刃56の上端が固定刃55に押しつけられる。揺動刃56が固定刃55に押しつけられると、投入された被破砕物が破砕される。
【0075】
つぎに、第4実施形態の発電機能を備える装置400の発電プロセスについて説明する。ここで、ピストンロッド54が伸張するときの揺動刃56の上端の動きを前進運動とし、ピストンロッド54が収縮するときの揺動刃56の上端の動きを後退運動とする。揺動刃56が前進運動すると、作動竿52及びラック2は前進運動する。ラック2が前進運動すると、ピニオン3は正回転の回転運動をする。ピニオン3が正回転の回転運動をすると、ワンウエイクラッチ4が空回りし、ピニオン3の回転運動は歯車5に伝達されない。また、揺動刃56が後退運動すると、作動竿52及びラック2は後退運動する。ラック2が後退運動すると、ピニオン3は逆回転の回転運動をする。ピニオン3が逆回転の回転運動をすると、ワンウエイクラッチ4が空回りし、ピニオン3の回転運動は歯車5に伝達される。歯車5の回転運動は発電機6に伝達され、発電する。第4実施例の発電機能を備える装置400は、ピストンロッド54が収縮する方向の動きを前進方向としているが、これとは逆にピストンロッド54が伸張する方向の動きを前進方向としてもよい。
【0076】
(第5実施形態)
つぎに、本発明の第5実施形態の発電機能を備える装置500について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0077】
図12に示すように、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第5実施形態の発電機能を備える装置500は、プレス装置1を備えない。この代わりに、第5実施形態の発電機能を備える装置500は、新たに食品加工機60を備える。
【0078】
食品加工機60は、矩形の台座、矩形の台座の四隅から垂直に伸びる支柱、支柱の上端に固定された天板を有するフレーム61と、餅をつく杵64及び臼65と、杵64を上昇下降させる動作機構であるピストンロッド63及びシリンダー62とを備える。
【0079】
シリンダー62は、一端が閉じられ他端が開放された略円筒の形状を有する。ピストンロッド63は、略円柱の形状を有し、シリンダー62にピストンロッド63を挿入したときなめらかにスライドできる直径を有する。ピストンロッド63の一端は、シリンダー62の他端から挿入されている。
【0080】
シリンダー62の一端は、フレーム61の天板に結合されている。ピストンロッド63の他端は、杵64の上端に結合されている。
【0081】
次に食品加工機60の動作について説明する。図示しない油圧ポンプから油圧がシリンダー62に供給されると、ピストンロッド63が押し出される。ピストンロッド63が押し出されると、杵64はピストンロッド63によって下向きに力が加えられ下方向に移動する。杵64が下方向に移動すると、杵64が臼65の凹み部に入っている餅Sがつかれる。
【0082】
第5実施形態の発電機能を備える装置500が食品加工機60の杵64の動作を利用して発電するプロセスは、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同様である。また、食品加工機60は、餅つき機以外として、穀物の脱穀や籾すりをする食品加工機であってもよい。
【0083】
(第6実施形態)
つぎに、本発明の第6実施形態の発電機能を備える装置600について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0084】
図13に示すように、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第6実施形態の発電機能を備える装置600は、プレス装置1、ラック2、ピニオン3を備えない。この代わりに、第6実施形態の発電機能を備える装置600は、新たに昇降装置70及びプーリー74を備える。
【0085】
昇降装置70は、エレベーターであり、中空の角柱形状の側壁72と、側壁72の上端に固定された天井板71と、側壁72内を上昇下降し人又は貨物を載せる箱77、箱77に配設された扉78、動作機構である駆動モーター75及び巻き取りリール76と、一端が箱77に他端が巻き取りリール76に連結されたワイヤー73を備える。プーリー74は、ワンウエイクラッチ4の入力軸に連結されている。
【0086】
駆動モーター75は、天井板71の上に配設されている。巻き取りリール76は、駆動モーター75の駆動軸に連結されている。ワイヤー73は、他端が巻き取りリール76に連結され、巻き取りリール76からプーリー74にかけられ、プーリー74から鉛直下向きに垂らされている。プーリー74から鉛直下向きに垂らされたワイヤー73は、箱77の上端に連結されている。
【0087】
次に昇降装置70の動作について説明する。駆動モーター75がワイヤー73を巻き取る向きに巻き取りリール76を回転させると、ワイヤー73が巻き取られる。ワイヤー73が巻き取られると、プーリー74が正回転し、箱77が上昇する。プーリー74が正回転するとワンウエイクラッチ4の入力軸が正回転する。駆動モーター75がワイヤー73を繰り出す方向に巻き取りリール76を回転させると、ワイヤー73が繰り出される。ワイヤー73が繰り出されると、プーリー74が逆回転し、箱77が下降する。プーリー74が逆回転するとワンウエイクラッチ4の入力軸が逆回転する。
【0088】
第6実施形態の発電機能を備える装置600が昇降装置70の箱77の動作を利用して発電するプロセスは、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同様である。
【0089】
第6実施形態の発電機能を備える装置600は、昇降装置としてエレベーターを用いた場合を説明しているが、エレベーターに限定されず、クレーン、フォークリフト等を用いることができる。
【0090】
(第7実施形態)
つぎに、本発明の第7実施形態の発電機能を備える装置700について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0091】
図14(a)及び(b)に示すように、第1実施形態の発電機能を備える装置100と比較して、第7実施形態の発電機能を備える装置700は、プレス装置1を備えない。この代わりに、第7実施形態の発電機能を備える装置700は、新たに運搬装置80を備える。
【0092】
運搬装置80は、貨物などを箱82に入れて水平方向に運搬するものである。運搬装置80は、取付部81bによって天井に水平方向に固定されているレール81aと、荷物を入れる箱82と、レールに沿って往復動するローラー部83aと、箱82とローラー部83aとを連結するアーム軸83bと、一端がアーム軸83bの下端に連結されている挺子梁84と、支持棒85の上部に設けられ挺子梁84を軸止する支点ピン86と、水平方向に設けられている鞘管88、鞘管
88に挿入され一端がピン87によって挺子梁84の他端に連結されている駆動棒89と、を備える。
【0093】
レール81aは、Hを横倒した断面形状を有し、左右に溝が形成されている。ローラー部83aは、前記左右の溝に引っかかり、図示しない駆動モーターによって駆動され、レール81aの上に水平方向に往復動できるように配設されている。箱82は、ローラー部83aに連結されているアーム軸83bによってつり下げられている。
【0094】
挺子梁84は、支持棒85の上部に設けられたピン87を中心に往復運動できるように配設されている。挺子梁84の一端は、アーム軸83bの下端に連結されている。挺子梁84は、ピン87と他端との間に長孔84rが設けられている。
【0095】
鞘管88は、中空の角柱状の形状を有し、軸がレール81aと平行かつ水平方向に固定され、側面に長孔88rが設けられている。駆動棒89は、鞘管88に挿入され、摺動できるように配設されている。ピン87は、一端が駆動棒89に固定され、長孔88rと長孔84rとを貫通し、他端に頭が取り付けられている。駆動棒89は、ピニオン3と歯合するようにラック2が取り付けられている。
【0096】
箱82が矢印xの方向に運動すると、挺子梁84は、支点ピン86を中心として時計回りに回転運動する。挺子梁84が時計回りに回転運動すると、ピン87は長孔84rと長孔88rとの交点に位置するように矢印xの逆方向に運動する。ピン87が矢印x逆方向に運動すると、駆動棒89は矢印xの逆方向に運動する。駆動棒89が矢印xの逆方向に運動すると、ラック2は矢印xの逆方向に運動する。ラック2が矢印xの逆方向に運動すると、ラック2と歯合しているピニオン3は逆回転の回転運動をする。
【0097】
箱82が矢印xの逆方向に運動すると、挺子梁84は支点ピン86を中心として反時計回りに回転運動する。挺子梁84が反時計回りに回転運動すると、ピン87は長孔84rと長孔88rとの交点に位置するように矢印xの方向に運動する。ピン87が矢印xの方向に運動すると、駆動棒89は矢印xの方向に運動する。駆動棒89が矢印xの方向に運動すると、ラック2は矢印xの方向に運動する。ラック2が矢印xの方向に運動すると、ラック2と歯合しているピニオン3は正回転の回転運動をする。
【0098】
第7実施形態の発電機能を備える装置700が、運搬装置80の箱82の動作を利用して発電するプロセスは、第1実施形態の発電機能を備える装置100と同様である。
【0099】
第1〜7の実施形態の発電機能を備える装置は、プレス装置、食品加工機、昇降装置及び運搬装置について説明したが、これら以外の装置を用いることもできる。往復動する動作機構としては、クランクとコネクションロッドとを含むもの、油圧シリンダーとピストンロッドとを含むもの等について説明したが、これら以外のものであってもよい。変換機構として、ラックピニオン、スプロケット及びローラーチェーン等を用いた場合を説明しているが、これら以外のものを用いてもよい。また、クラッチ機構としてワンウエイクラッチを用いた場合を説明しているが、ワンウエイクラッチ以外の電磁クラッチなどのクラッチ機構を用いてもよい。従動子として歯車を用いた場合を説明しているが、従動子は歯車に限定されず、歯車以外のものを用いてもよい。
【解決手段】発電機能を備える装置は、スライド12を備えるプレス装置1と、スライド12の動きと連動するラック2と、ラック2と歯合するピニオン3と、入力軸がピニオン3に結合され、出力軸が歯車5に結合されたワンウエイクラッチ4と、歯車5から回転運動を伝達される発電機6と、を備える。スライド12が上昇するとピニオン3が正回転の回転運動をする。この正回転の回転運動はワンウエイクラッチ4が空回りすることにより発電機6に伝達されない。逆に、スライド12が下降するとピニオン3が逆回転の回転運動をする。この逆回転の回転運動はワンウエイクラッチ4によって歯車5及び発電機6に伝達され発電する。