(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
分離された前記たばこ原料残渣を、再度、水と混合して懸濁液を調製する工程と、前記懸濁液にオゾンを供給して溶解し、前記懸濁液に溶解したオゾンを接触させて処理する工程とをさらに含み、前記オゾン処理後の懸濁液を加熱、乾燥するとともに、この乾燥中の前記たばこ原料残渣に前記オゾンにより処理した前記抽出液を戻すことを特徴とする請求項5記載のたばこ材料の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施形態に係るたばこ材料の製造方法、口腔用たばこ材料および口腔用たばこ製品を詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るたばこ材料の製造方法は、以下の工程を含む。
【0023】
<工程a>
たばこ原料を水に浸漬してたばこ原料中の水溶性成分を水に抽出させ、たばこ原料残渣と前記水溶性成分の抽出液との混合懸濁液を調製する。
【0024】
<工程b>
混合懸濁液にオゾンを供給して溶解させ、溶解したオゾンを混合懸濁液に接触させて処理する。
【0025】
このような第1の実施形態によれば、たばこ原料残渣と水溶性成分の抽出液との混合懸濁液にオゾンを供給して溶解させ、混合懸濁液に溶解したオゾンを接触させることによって、混合懸濁液とオゾンとの反応を効率的に進行させることができる。
【0026】
混合懸濁液とオゾンとの反応において、水に溶出したたばこ原料中の水溶性成分が分解して酸性成分を放出する物質(例えば糖類)である場合には、前記物質をオゾンと効率よく接触して酸化させることができる。ここで、『分解して酸性成分を放出する物質』を“分解酸性成分放出物質”と称す。また、たばこ原料残渣に分解酸性成分放出物質(例えば多糖類等)を含む場合には、前記物質をオゾンと効率よく接触して酸化させることができる。すなわち、分解酸性成分放出物質を、たばこ材料が保存される前に予め酸化し、酸性成分として放出させておくことができる。
【0027】
その結果、得られたたばこ材料の保存中において、前記分解酸性成分放出物質が経時変化して分解され、酸性成分を放出するのを防止できる。その結果、酸性成分によるたばこ製品のpH低下を回避できる。したがって、保存中に調整されたpHを実質的に維持することが可能になるため、保存安定性に優れたたばこ材料を製造することができる。
【0028】
また、混合懸濁液に接触させる溶解したオゾンの量を調節する、つまりたばこ原料残渣と水溶性成分の抽出液に対する処理の程度を選択することによって、たばこの風味を損なうことなく、悪癖を除去し、かつ色素成分に起因する色調を調節した(白色度を高めた)たばこ材料を製造することができる。
【0029】
特に、白色度を高めた、例えばハンター白色度が35以上、たばこ材料は、口腔用たばこ材料として利用できる。このような口腔用たばこ材料を含むたばこ製品、例えば不織布からなる袋状のパウチでたばこ材料を包み、そのパウチごと口腔内に入れて使用する形態の口腔用たばこ製品は、保存中および使用後の色素成分によるパウチの着色汚れが抑制されるため、良好な美観を呈するたばこ製品を提供できる。
【0030】
工程aで用いられるたばこ原料は、例えばたばこ葉、たばこ葉から分離した中骨を挙げることができる。中骨は、ロール圧延機で圧展した後、裁刻して中骨刻として用いることができる。
【0031】
たばこ原料中の水溶性成分は、その品種等により一概に限定できないが、一般的に炭水化物(糖類)、アルカロイド、タンパク質、アミノ酸等を挙げることができる。
【0032】
工程aでたばこ原料を水に浸漬する時、水はたばこ原料に対して5〜20倍の量で用いることが好ましい。水は、常温でもよいが、20〜60℃に加温することが好ましい。たばこ原料を水に浸漬する時間は、例えば10分〜2時間にすることが好ましい。たばこ原料を水に浸漬するにあたっては、それらを攪拌してたばこ原料中の水溶性成分の水への抽出を促進することが好ましい。
【0033】
工程bのオゾンの供給において、オゾンは混合懸濁液中の抽出液1Lあたり0.5〜500gの量で溶解させることが好ましい。このようなオゾン溶解量の範囲において、たばこ原料残渣と水溶性成分の抽出液に対するオゾンによる反応度合、つまり処理度合を選択することができる。
【0034】
工程bにおけるオゾンの供給は、混合懸濁液へのオゾンの曝気により行うことが好ましい。このようなオゾンの曝気により、混合懸濁液のたばこ原料残渣および抽出液に対して溶解したオゾンのみならず気泡状のオゾンを接触させることができる。その結果、たばこ原料残渣および抽出液中の水溶性成分に対してオゾンをより効果的に作用させることが可能になる。
【0035】
オゾンの曝気において、オゾン気泡は0.5〜1000μm、より好ましくは0.5〜100μm、の径を有することが望ましい。
【0036】
溶解したオゾンを混合懸濁液に接触させる処理において、混合懸濁液を攪拌したり、ポンプ等により循環させたり、または攪拌および循環の両方を行ったり、することが好ましい。このような攪拌、循環により混合懸濁液中のたばこ原料残渣および抽出液とオゾンとの接触効率を増大することが可能になる。
【0037】
オゾンの供給は、反応場である混合懸濁液に溶解したオゾンが常時存在するように継続して行うことが好ましい。
【0038】
前述した工程aおよび工程bの後に、オゾン処理した混合懸濁液を乾燥することができる。この場合、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣を乾燥し、この乾燥中に、分離した抽出液を噴霧等により注ぐことによって、乾燥物中に抽出液の成分を取込んでもよい。
【0039】
得られた乾燥物は、pH調節剤によるpH調節および水分調節を行うことにより目的のたばこ材料を製造する。pH調節剤は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。pHおよび水分調節後のたばこ材料は、それぞれpH7.0〜9.0、水分10.0〜50.0質量%を有することが好ましい。
【0040】
このような第1の実施形態に係るたばこ材料の製造方法におけるフローを
図1に示す。
【0041】
図1に示すようにステップS1でたばこ原料を準備する。
【0042】
ステップS2でたばこ原料に水を加え、ステップS3でたばこ原料を水に浸漬した状態で攪拌してたばこ原料中の水溶性成分を溶出して抽出液を生成する。
【0043】
ステップS4で得たたばこ原料残渣と抽出液の混合懸濁液にステップS5でオゾン(O
3)を曝気し、オゾンを溶解するとともに、混合懸濁液に溶解したオゾンを接触させる処理を行う。
【0044】
ステップS6で混合懸濁液を乾燥する。その後、ステップS7で乾燥物のpHおよび水分の調節を行ってたばこ材料を製造する。
【0045】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るたばこ材料の製造方法は、以下の工程を含む。
【0046】
<工程a>
たばこ原料を水に浸漬してたばこ原料中の水溶性成分を水中に抽出させる。
【0047】
<工程b>
抽出後のたばこ原料残渣と水溶性成分の抽出液とを分離する。
【0048】
<工程c>
分離されたたばこ原料残渣を、再度、水と混合して懸濁液を調製する。
【0049】
<工程d>
懸濁液にオゾンを供給して溶解し、前記懸濁液に溶解したオゾンを接触させて処理する。
【0050】
このような第2の実施形態によれば、たばこ原料の水溶性成分を抽出した後に、たばこ原料残渣と抽出液とを分離し、たばこ原料残渣を再度の水と混合して懸濁液を調製し、この懸濁液にオゾンを供給して溶解させ、溶解したオゾンを懸濁液のたばこ原料残渣に接触させることによって、たばこ原料残渣(分解酸性成分放出物質を多く含む)とオゾンとの反応を効率的に進行させることができる。
【0051】
たばこ原料残渣とオゾンとの反応において、たばこ原料残渣中の、分解酸性成分放出物質(例えば多糖類等)はオゾンと効率よく接触して酸化させることができる。すなわち、分解酸性成分放出物質をたばこ材料が保存される前に予め酸化し、酸性成分として放出させておくことができる。
【0052】
その結果、得られたたばこ材料の保存中において分解酸性成分放出物質が経時変化して分解され、酸性成分を放出するのを防止できる。このため、酸性成分によるたばこ製品中のpH低下を回避できる。したがって、保存中に調整されたpHを実質的に維持することが可能になるため、保存安定性に優れたたばこ材料を製造することができる。
【0053】
また、溶解したオゾンの量を調節する、つまりたばこ原料残渣に対する処理の程度を選択することによって、風味を損なうことなく、悪癖を除去し、かつ色素成分に起因する色調を調節した(白色度を高めた)たばこ材料を製造することができる。
【0054】
特に、白色度を高めた、例えばハンター白色度が35以上、たばこ材料は、口腔用たばこ材料として利用できる。このような口腔用たばこ材料を含むたばこ製品、例えば不織布からなる袋状のパウチでたばこ材料を包み、そのパウチごと口腔内に入れて使用する形態の口腔用たばこ製品は、保存時および使用後の色素成分によるパウチの着色汚れが抑制されるため、良好な美観を呈するたばこ製品を提供できる。
【0055】
工程aで用いられるたばこ原料は、例えばたばこ葉、たばこ葉から分離した中骨を挙げることができる。中骨は、ロール圧延機で圧展した後、裁刻して中骨刻として用いることができる。ただし、第2の実施形態ではオゾン処理の対象が抽出液を分離した後のたばこ原料残渣であるため、たばこ原料は水の抽出した後の残渣中に分解酸性成分放出物質(例えば多糖類等)を含むものを選択してもよい。
【0056】
工程aでたばこ原料を水に浸漬する時の条件は、前記第1の実施形態と同様にすることが好ましい。
【0057】
工程bにおける分離は、例えば濾過フィルタを用いて行えばよい。
【0058】
工程dのオゾンの供給において、オゾンは懸濁液中の水1Lあたり0.5〜500gの量で溶解させることが好ましい。このようなオゾン溶解量の範囲において、たばこ原料残渣に対するオゾンによる反応度合、つまり処理度合を選択することができる。
【0059】
工程dでのオゾンの供給は、懸濁液へのオゾンの曝気により行うことが好ましい。このようなオゾンの曝気により、懸濁液のたばこ原料残渣に対して溶解したオゾンのみならず気泡状のオゾンを接触することができ、たばこ原料残渣に対してより効果的にオゾンを作用させることが可能になる。
【0060】
オゾンの曝気において、オゾン気泡は0.5〜1000μm、より好ましくは0.5〜100μm、の径を有することが望ましい。
【0061】
溶解したオゾンを懸濁液に接触させる処理において、懸濁液を攪拌したり、ポンプ等により循環させたり、または攪拌および循環の両方を行ったり、することが好ましい。このような攪拌、循環により懸濁液中のたばこ原料残渣および抽出液とオゾンとの接触効率を増大することが可能になる。
【0062】
オゾンの供給は、反応場である懸濁液に溶解したオゾンが常時存在するように継続して行うことが好ましい。
【0063】
前述した工程a〜工程dの後に、オゾン処理した懸濁液を乾燥する。乾燥は、40〜100℃の温度で、乾燥物の水分量が5.0〜50.0質量%になるように行うことが好ましい。
【0064】
得られた乾燥物は、pH調節剤によるpH調節および水分調節を行うことにより目的のたばこ材料を製造する。pH調節剤は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。pHおよび水分調節後のたばこ材料は、それぞれpH7.0〜9.0、水分10.0〜50.0質量%を有することが好ましい。
【0065】
なお、抽出後に分離された抽出液はその目的に応じて使用しないか、または乾燥中の前記懸濁液に噴霧等により戻してもよい。
【0066】
前述した第2の実施形態に係るたばこ材料の製造方法におけるフローを
図2に示す。
【0067】
図2に示すようにステップS1でたばこ原料を準備する。
【0068】
ステップS2でたばこ原料に水を加え、ステップS3でたばこ原料を水に浸漬した状態で攪拌してたばこ原料中の水溶性成分を溶出して抽出液を生成する。
【0069】
ステップS4で水溶性成分の抽出後の懸濁液を固液分離し、ステップS5に示すたばこ原料残渣とステップS6に示す抽出液とを得る。
【0070】
ステップS7でたばこ原料残渣に水を加え、ステップS8で懸濁液を調製し、ステップS9で懸濁液にオゾン(O
3)を曝気し、オゾンを水に溶解するとともに、溶解したオゾンを懸濁液に接触させる処理を行う。
【0071】
ステップS10で懸濁液を乾燥する。その後、ステップS11で乾燥物のpH/水分の調節を行ってたばこ材料を製造する。
【0072】
なお、ステップS6で得た抽出液は、ステップS10の懸濁液の乾燥中に噴霧等を行って戻すことができる。
【0073】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るたばこ材料の製造方法は、以下の工程を含む。
【0074】
<工程a>
たばこ原料を水に浸漬してたばこ原料中の水溶性成分を水中に抽出させる。
【0075】
<工程b>
抽出後のたばこ原料残渣と前記水溶性成分の抽出液とを分離する。
【0076】
<工程c>
分離された前記抽出液にオゾンを供給して溶解し、前記抽出液に溶解したオゾンを接触させて処理する。
【0077】
<工程d>
工程bで分離したたばこ原料残渣を乾燥させ、乾燥中のたばこ原料残渣にオゾン処理した抽出液を例えば噴霧等により注ぐ。
【0078】
このような第3の実施形態によれば、たばこ原料から抽出した水溶性成分の抽出液にオゾンを供給して溶解させ、溶解したオゾンを抽出液に接触させることによって、抽出液とオゾンとの反応を効率的に進行させることができる。
【0079】
前記反応において、抽出液の水溶性成分に含まれる、分解酸性成分放出物質(例えば糖類)に溶解したオゾンを接触させることにより効率よく酸化させることができる。すなわち、分解酸性成分放出物質をたばこ材料が保存される前に予め酸化し、酸性成分として放出させておくことができる。
【0080】
その結果、分離後のたばこ原料残渣の乾燥中にオゾン処理した抽出液(既に酸化された分解酸性成分放出物質を含む)を注いで戻すことによって、得られたたばこ材料の保存中において分解酸性成分放出物質が経時変化して分解され、酸性成分を放出するのを防止できる。このため、酸性成分によるたばこ製品中のpH低下を回避できる。したがって、保存中に調整されたpHを実質的に維持することが可能になるため、保存安定性に優れたたばこ材料を製造することができる。
【0081】
また、溶解したオゾンの量を調節する、つまり水溶性成分の抽出液に対する処理の程度を選択することによって、風味を損なうことなく、抽出液の悪癖を除去し、かつ抽出液の色素成分に起因する色調を調節する(白色度を高める)ことが可能になる。その結果、オゾン処理後の抽出液を分離後のたばこ原料残渣の乾燥中に噴霧等により戻すことによって、風味を維持し、悪癖がなく、白色度を高めたたばこ材料を製造することができる。
【0082】
特に、白色度を高めた、例えばハンター白色度が35以上、たばこ材料は、口腔用たばこ材料として利用できる。このような口腔用たばこ材料を含むたばこ製品、例えば不織布からなる袋状のパウチでたばこ材料を包み、そのパウチごと口腔内に入れて使用する形態の口腔用たばこ製品は、保存時および使用後の色素成分によるパウチの着色汚れが抑制されるため、良好な美観を呈するたばこ製品を提供できる。
【0083】
工程aで用いられるたばこ原料は、例えばたばこ葉、たばこ葉から分離した中骨を挙げることができる。中骨は、ロール圧延機で圧展した後、裁刻して中骨刻として用いることができる。ただし、第3の実施形態ではオゾン処理の対象が抽出液であるため、供するたばこ原料は、抽出液中に分解酸性成分放出物質(例えば糖類等)を含むものを選択してもよい。
【0084】
工程aでたばこ原料を水に浸漬する時の条件は、前記第1の実施形態と同様にすることが好ましい。
【0085】
工程bにおける分離は、例えば濾過フィルタを用いて行えばよい。
【0086】
工程cのオゾンの供給において、オゾンは抽出液1Lあたり0.5〜500gの量で溶解させることが好ましい。このようなオゾン溶解量の範囲において、抽出液に対するオゾンによる反応度合、つまり処理度合を選択することができる。
【0087】
工程cでのオゾンの供給は、抽出液へのオゾンの曝気により行うことが好ましい。このようなオゾンの曝気により、抽出液に対して溶解したオゾンのみならず気泡状のオゾンを接触することができ、抽出液に対してより効果的にオゾンを作用させることが可能になる。
【0088】
オゾンの曝気において、オゾン気泡は0.5〜1000μm、より好ましくは0.5〜100μm、の径を有することが望ましい。
【0089】
溶解したオゾンを抽出液に接触させる処理において、抽出液を攪拌したり、ポンプ等により循環させたり、または攪拌および循環の両方を行ったり、することが好ましい。このような攪拌、循環により抽出液とオゾンとの接触効率を増大することが可能になる。
【0090】
オゾンの供給は、反応場である抽出液に溶解したオゾンが常時存在するように継続して行うことが好ましい。
【0091】
工程dにおける分離したたばこ原料残渣の乾燥は、その乾燥中にオゾン処理した抽出液を噴霧等により戻すことから、40〜100℃の温度で行うことが好ましい。乾燥は、得られた乾燥物の水分量が5.0〜25.0質量%になるように行うことが好ましい。
【0092】
工程dにおいて、乾燥中のたばこ原料残渣に注がれる抽出液(オゾン処理した抽出液)の量は、一部であっても、全量であってもよい。
【0093】
前述した工程a〜工程dで得られた乾燥物は、pH調節剤によるpH調節および水分調節を行うことにより目的のたばこ材料を製造する。pH調節剤は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。pHおよび水分調節後のたばこ材料は、それぞれpH7.0〜9.0、水分10.0〜50.0質量%を有することが好ましい。
【0094】
前述した第3の実施形態に係るたばこ材料の製造方法におけるフローを
図3に示す。
【0095】
図3に示すようにステップS1でたばこ原料を準備する。
【0096】
ステップS2でたばこ原料に水を加え、ステップS3でたばこ原料を水に浸漬した状態で攪拌してたばこ原料中の水溶性成分を溶出して抽出液を生成する。
【0097】
ステップS4で水溶性成分の抽出後の懸濁液を固液分離し、ステップS5に示すたばこ原料残渣とステップS6に示す抽出液とを得る。
【0098】
ステップS7でオゾン(O
3)を抽出液に曝気し、オゾンを水に溶解するとともに、溶解したオゾンを抽出液に接触させる処理を行う。
【0099】
ステップS8で固液分離したたばこ原料残渣を乾燥するとともに、乾燥中のたばこ原料残渣にオゾン処理した抽出液を噴霧等により戻す。その後、ステップS9で乾燥物のpHおよび水分の調節を行ってたばこ材料を製造する。
【0100】
なお、第3の実施形態において以下の工程を追加してもよい。
【0101】
分離された前記たばこ原料残渣を、再度、水と混合して懸濁液を調製する。この懸濁液にオゾンを供給して溶解し、溶解したオゾンを懸濁液に接触させて処理する。このようなオゾン処理後の懸濁液を乾燥し、乾燥中のたばこ原料残渣乾燥物に前記オゾン処理した抽出液を例えば噴霧等により戻す。
【0102】
このようなたばこ原料の製造方法におけるフローを
図4に示す。
【0103】
図4に示すようにステップS1でたばこ原料を準備する。
【0104】
ステップS2でたばこ原料に水を加え、ステップS3でたばこ原料を水に浸漬した状態で攪拌してたばこ原料中の水溶性成分を溶出して抽出液を生成する。
【0105】
ステップS4で水溶性成分の抽出後の懸濁液を固液分離し、ステップS5に示すたばこ原料残渣とステップS6に示す抽出液とを得る。
【0106】
ステップS7でたばこ原料残渣に水を加え、ステップS8で懸濁液を調製し、ステップS9で懸濁液にオゾン(O
3)を曝気し、オゾンを水に溶解するとともに、溶解したオゾンを懸濁液に接触させる処理を行う。
【0107】
ステップS10で懸濁液を乾燥する。
【0108】
前記ステップS4で固液分離することにより得た抽出液にステップS11でオゾン(O
3)を曝気し、オゾンを水に溶解するとともに、溶解したオゾンを抽出液に接触させる処理を行う。
【0109】
前記ステップS10の懸濁液の乾燥中に前記オゾン処理した抽出液を噴霧等により戻す。その後、ステップS12で乾燥物のpH/水分の調節を行ってたばこ材料を製造する。
【0110】
このような第3の実施形態の別の態様によれば、抽出後のたばこ原料残渣の性状および抽出液の性状に合せて的確なオゾン処理を行うことができる。
【0111】
すなわち、前述した第1の実施形態では抽出後のたばこ原料残渣と抽出液の混合懸濁液にオゾン処理するため、オゾン作用はたばこ原料残渣と抽出液に均等に作用する。
【0112】
しかし、たばこ原料の種類によっては抽出後のたばこ原料残渣に分解酸性成分放出物質が多く含まれたり、逆に抽出液に分解酸性成分放出物質が多く含まれたり、する場合がある。さらに、風味、悪癖、色素成分についても、たばこ原料残渣および抽出液のいずれかに偏ったりする場合もある。
【0113】
前述したようにたばこ原料残渣と抽出液をそれぞれオゾンで処理することによって、たばこ原料残渣と抽出液に対するオゾンによる反応度合、つまり処理度合をそれらの性状に合せて独立して、任意に調節できるため、保存安定性に優れ、さらに風味を維持し、悪癖がなく、白色度を高めたたばこ材料を製造することができる。
【0114】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る口腔用たばこ製品は、ハンター白色度が35以上である口腔用たばこ材料を含む。より好ましい口腔用たばこ材料は、ハンター白色度が37以上である。
【0115】
口腔用たばこ製品は、たばこ材料を例えば不織布からなる袋状のパウチで包んだ構造を有する。口腔用たばこ製品は、パウチごと口腔内に入れて使用する。
【0116】
口腔用たばこ材料は、前記第1〜第3の実施形態で説明したたばこ材料の製造方法により得ることができる。
【0117】
口腔用たばこ材料は、オゾン以外の酸化剤でたばこ原料を処理することによっても得ることができる。酸化剤は、例えば過酸化水素などを用いることができる。
【0118】
第4の実施形態に係る口腔用たばこ製品は、ハンター白色度が35以上である口腔用たばこ材料を含むため、保存中および使用後において、色素成分によるパウチの着色汚れを抑制し、良好な美観を発現できる。
【0119】
以下、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、以下に説明する比較例1、2および実施例1〜4に記載のたばこ材料の含水率は、次の方法で測定した。
【0120】
<含水率の測定方法>
粉末たばこ材料3.0gの含水率を加熱乾燥式水分計(METTLER TOLEDO社製:HB 43-S)を用いて測定した。
【0121】
(比較例1)
まず、ルスチカ、バーレー葉、たばこ中骨の粉砕された粉末をそれぞれ35質量%、15質量%および50質量%の割合で配合したたばこ原料を準備した。
【0122】
次いで、たばこ原料4kgを110℃で30分加熱した後、80℃で3時間加熱、乾燥し、さらに冷却した。得られたたばこ原料の含水率を測定した。その結果、たばこ原料の含水率は18質量%であった。
【0123】
次いで、たばこ材料の最終含水率を25.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水に炭酸ナトリウムをたばこ材料の乾燥重量に対し3.0質量%添加した。得られた炭酸ナトリウム水溶液の全量を前記たばこ原料に噴霧し、含水率25質量%、pH(初期値)8.43のたばこ材料を製造した。
【0124】
(実施例1)
比較例1と同様な組成のたばこ原料4kgと水80Lを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。
【0125】
次いで、攪拌を継続し、たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を3時間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が10μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、38.0g/hrの量で行った。
【0126】
次いで、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣を80℃に加熱しながら、液体である抽出液をたばこ原料残渣に噴霧し、乾燥した。得られた乾燥物の含水率を測定した。その結果、乾燥物の含水率は8.8質量%であった。
【0127】
次いで、たばこ材料の最終含水率を25.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水に炭酸ナトリウムをたばこ材料の乾燥重量に対し2.3質量%添加した。得られた炭酸ナトリウム水溶液の全量を乾燥物に噴霧し、含水率25質量%、pH(初期値)8.50のたばこ材料を製造した。
【0128】
(実施例2)
まず、ルスチカ、バーレー葉の粉砕された粉末をそれぞれ70質量%、30質量%の割合で配合したたばこ原料を準備した。
【0129】
次いで、たばこ原料4kgと水80Lを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。つづいて、攪拌を継続し、たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を3時間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が10μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、38.0g/hrの量で行った。
【0130】
次いで、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣を80℃に加熱しながら、液体である抽出液をたばこ原料残渣に噴霧し、乾燥した。得られた乾燥物の含水率を測定した。その結果、乾燥物の含水率は8.5質量%であった。
【0131】
次いで、たばこ材料の最終含水率を25.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水に炭酸ナトリウムをたばこ材料の乾燥重量に対し2.8質量%添加した。得られた炭酸ナトリウム水溶液の全量を乾燥物に噴霧し、含水率25質量%、pH(初期値)8.25のたばこ材料を製造した。
【0132】
(実施例3)
実施例2と同様な組成のたばこ原料4kgと水80Lを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。つづいて、攪拌を継続し、たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を3時間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が10μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、38.0g/hrの量で行った。
【0133】
次いで、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣を80℃に加熱しながら、液体である抽出液をたばこ原料残渣に噴霧し、乾燥した。得られた乾燥物の含水率を測定した。その結果、乾燥物の含水率は8.5質量%であった。
【0134】
次いで、たばこ材料の最終含水率を50.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水に炭酸ナトリウムをたばこ材料の乾燥重量に対し2.8質量%添加した。得られた炭酸ナトリウム水溶液の全量を乾燥物に噴霧し、含水率25質量%、pH(初期値)8.48のたばこ材料を製造した。
【0135】
得られた比較例1および実施例1のたばこ材料について、においを以下の方法で測定した。その結果を下記表1に示す。
【0136】
<におい測定方法>
1)分析機関:日本食品分析センター
2)試料ガスの調製
検体10gをポリエチレンテレフタレート製サンプルバック(容量約2L)に入れ、窒素ガスで袋内を置換した。その後、室温に約3時間静置し、試料ガスとした。
【0137】
3)測定方法
におい識別試験装置を用い、以下の条件で試料ガスのにおいを測定した。
【0138】
4)測定条件
機種:におい識別装置 FF−2A(株式会社 島津製作所)
サンプルバッグ用オートサンプラ FAS−1(株式会社 島津製作所)
希釈混合装置 FDL−1(株式会社 島津製作所)
捕集管:通常用
データ解析用ソフトウエア:Smell P(株式会社 島津製作所)
【表1】
【0139】
注)臭気寄与は、系統のにおいの強さを臭気指数相当値で示した値である。
【0140】
計算値が設定された閾値以下の場合は−(マイナス)の値(最低値:−30)で示す。
【0141】
前記表1から明らかなように実施例1で得られたたばこ材料は、比較例1のたばこ材料に比べて悪癖を著しく低減できることが分かる。
【0142】
なお、実施例2,3で得られたたばこ材料も実施例1と同様に悪癖が著しく低減されていた。
【0143】
また、実施例1〜3および比較例1で得られたたばこ材料について、製造時、2ヶ月および4ヶ月の保存後のpHを以下の方法により測定した。その結果を
図5に示す。なお、保存はたばこ材料を25℃〜30℃の温度を一日毎に上下する条件に設定された雰囲気下に置いた。
【0144】
<pHの測定方法>
たばこ材料3.0gをバイアルに量り入れ、30mLの水を加えて、その混合物を200rpmで10分間振盪する抽出処理に供した。5分間静置した後、抽出液のpHをpHメータ(IQ Scientific Instruments Inc.製IQ 240)を用いて測定した。
【0145】
図5から明らかなように実施例1〜3で得られたたばこ材料は、比較例1で得られたたばこ材料に比べて保存中のpH低下を著しく抑制できる、つまり保存中のpH変化が小さい、ことが分かる。
【0146】
(実施例4〜9)
比較例1と同様な組成のたばこ原料5gと水400mLを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。
【0147】
次いで、攪拌を継続し、たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を10分間、20分間,30分間,40分間,80分間.120分間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が45μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下で6.0g/hrの量で行った。
【0148】
次いで、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離した。分離後の抽出液を濃縮し、分離後のたばこ原料残渣を40℃に保ちながら、濃縮抽出液をかけ戻して6種のたばこ材料を製造した。
【0149】
(比較例2)
たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液のポンプ循環およびオゾンの微細気泡の曝気を行なわない以外、実施例4〜9と同様な方法によりたばこ材料を製造した。
【0150】
得られた実施例4〜9および比較例2のたばこ材料について、ハンター白色度を以下の方法で測定した。その結果を下記表2に示す。
【0151】
<ハンター白色度の測定方法>
粉末たばこ材料を採取し、12cm径のシャーレに厚さ2cm程度入れ、色彩色差計(コニカミノルタ社製:色彩色差計 CR410)にて明度、色相、彩度を測定した。
【0152】
得られたデータをもとに、下記計算式を用いハンター白色度を算出した。
【0153】
ハンター白色度=100−sqr〔(100−L)^2+(a^2+b^2)〕
ここで、Lは明度、a、bは色相と彩度を示す色度である。
【表2】
【0154】
前記表2の実施例4〜9より明らかなように混合懸濁液の循環時間(オゾン曝気時間)を長くすればする程、得られたたばこ材料のハンター白色度が高くなることがわかる。
【0155】
(実施例10〜12)
比較例1と同様な組成のたばこ原料5gと水400mLを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。
【0156】
次いで、攪拌を継続し、たばこ原料残渣と抽出液との混合懸濁液を5℃、25℃および80℃に設定し、混合懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を5時間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が45μmで、オゾンの曝気は6.0g/hrの量で行った。
【0157】
次いで、オゾン処理した混合懸濁液を固液分離した。分離後の抽出液を濃縮し、分離後のたばこ原料残渣を40℃に保ちながら、濃縮抽出液をかけ戻して3種のたばこ材料を製造した。
【0158】
得られた実施例10〜12のたばこ材料について、前述した方法にてpHおよびハンター白色度を測定した。その結果を下記表3に示す。
【表3】
【0159】
前記表3から明らかなように混合懸濁液の温度を5℃、25℃に設定した実施例9,10のたばこ材料は、混合懸濁液の温度を80℃に設定した実施例11のたばこ材料に比べて高いハンター白色度を示すことがわかる。これは、オゾンの溶解度が低温側で高くなることに起因する。
【0160】
(比較例3)
ルスチカ、バーレー葉、たばこ中骨の粉砕された粉末をそれぞれ35質量%、15質量%および50質量%の割合で配合したたばこ原料を準備した。
【0161】
次いで、たばこ原料4kgと水80Lを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。つづいて、この懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣のみを80℃で加熱乾燥した。乾燥物の含水率を測定した結果、乾燥物の含水率は9.8質量%であった。
【0162】
次いで、たばこ材料の最終含水率を25.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水を前記乾燥物に噴霧し、含水率25.2質量%のたばこ材料を製造した。
【0163】
(実施例13)
比較例3と同様な組成のたばこ原料4kgと水80Lを30分間攪拌混合し、たばこ減量中の内容成分を水中に溶出(抽出)させた。つづいて、この懸濁液を分離し、固体であるたばこ原料残渣のみを回収した。このたばこ原料残渣に再度、水80Lを加え攪拌を継続し、たばこ原料残渣と水の懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を3時間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が10μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、38.0g/hrの量で行った。
【0164】
次いで、オゾン処理後の懸濁液を固液分離し、固体であるたばこ原料残渣のみを回収し80℃で加熱乾燥した。乾燥物の含水率を測定した結果、乾燥物の含水率は9.4質量%であった。
【0165】
次いで、たばこ材料の最終含水率を25.0質量%に調節するのに必要な量の水を準備し、この水を前記乾燥物に噴霧し、含水率24.7質量%のたばこ材料を製造した。
【0166】
得られた比較例3および実施例13のたばこ材料について、前述した方法にてハンター白色度を測定した。その結果を下記表4に示す。
【表4】
【0167】
前記表4から明らかなように実施例13で得られたたばこ材料は、比較例3で得られたたばこ材料に比べて高いハンター白色度を示すことがわかる。
【0168】
(実施例14)
まず、60質量%ラミナ(バーレー18質量%およびルスチカ42質量%)と40質量%の中骨からなるたばこ原料を準備した。
【0169】
たばこ原料5gと水400mLを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出させるか、または抽出させた。つづいて、この混合懸濁液をろ過し、抽出液とたばこ原料残渣に分離した。
【0170】
抽出液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を120分間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が45μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、6.0g/hrの量で行った。処理後、60℃の減圧下で体積10%以下まで濃縮した。
【0171】
次いで、たばこ原料残渣を40℃(RH60%)で加熱しながら、オゾン処理後の抽出液の全量を噴霧し、乾燥した。22℃、60%RHで12時間静置し、含水率が14.6質量%、pHが3.726のたばこ材料を製造した。
【0172】
(実施例15)
実施例14と同じ組成のたばこ原料5gと水400mLを30分間攪拌混合し、たばこ原料中の内容成分を水中に溶出させるか、または抽出させた。つづいて、この混合懸濁液をろ過し、抽出液とたばこ原料残渣とに分離した。
【0173】
抽出液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を120分間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が45μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、6.0g/hrの量で行った。処理後、60℃の減圧下で体積10%以下まで濃縮した。
【0174】
一方、たばこ原料残渣に水400mLを新たに加えて懸濁液を調製した。この懸濁液をポンプにより循環させながら、オゾンの微細気泡の曝気を120分間継続した。このとき、オゾンの微細気泡は平均径が45μmで、オゾンの曝気は25℃の環境下、6.0g/hrの量で行った。その後、乾燥させ、処理残渣を得た。
【0175】
次いで、処理残渣を40℃(RH60%)で加熱しながら、オゾン処理した抽出液の全量を噴霧し、乾燥した。22℃、60%RHで12時間静置し、含水率が12.2質量%、pHが3.227のたばこ材料を製造した。
【0176】
得られた実施例14,15のたばこ材料について、前述した方法にてハンター白色度を測定した。その結果を下記表5に示す。
【表5】
【0177】
前記表5から明らかなように抽出後のたばこ原料残渣にオゾン処理した抽出液を噴霧し、乾燥することにより得られた実施例14のたばこ材料は、高いハンター白色度を示すことがわかる。また、抽出後にオゾン処理したたばこ原料残渣にオゾン処理した抽出液を噴霧し、乾燥することにより得られた実施例15のたばこ材料は、実施例14のたばこ材料に比べてさらに高いハンター白色度を示すことがわかる。
【0178】
(実施例16)
実施例14と同じ組成のたばこ原料1gを5%の過酸化水素水と混合し混合懸濁液とし、それを12時間静置した後、混合懸濁液を濾過し残渣を得た。次いで、その処理残渣を40℃(RH60%)で加熱しながら、乾燥した。その後、22℃、60%RHで12時間静置し、たばこ材料を製造した。得られたたばこ材料のハンター白色度を測定したところ、47.1であった。
【0179】
この結果から明らかなようにオゾン以外の酸化剤として過酸化水素を用いた場合であっても同様に高いハンター白色度を得られることがわかる。