(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各部の運転を制御する制御部を備え、制御部は、脱墨槽内に古紙パルプ液を流通開始した時点から所定時間経過後に液体供給口から液体を供給するよう制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の脱墨処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる古紙再生処理装置の構成概略図である。
図1において、古紙再生処理装置100は、古紙パルプ液製造部1、脱墨パルプ部2、抄紙部3、仕上げ部4を備えるものである。尚、本実施形態にかかる古紙再生処理装置100は、大規模な製紙工場に設置される大型のものでもよく、企業内、事務所内または家庭等に置かれる小型のもののいずれでもよい。
【0026】
古紙パルプ液製造部1は、古紙6を離解して古紙パルプを製造するものであり、脱墨パルプ部2は、古紙パルプ液製造部1において製造された古紙パルプを脱墨するものであり、抄紙部3は、脱墨パルプ部2において得られた脱墨パルプを抄紙するものであり、仕上げ部4は、抄紙部3において抄紙された仕上げ前の再生紙を裁断等することにより仕上げを行って再生紙7を得るものである。
【0027】
(古紙パルプ液製造部)
図2は、古紙パルプ液製造部1の内部構造を示す概略図である。古紙パルプ液製造部1は、パルパー18を備えてなり、該パルパー18は古紙6又は古紙6の裁断紙片(図示省略)を水及び離解促進剤の液体中において、繊維、つまり古紙パルプにまで離解させるものである。
【0028】
パルパー18には、古紙6が投入される攪拌槽181と、攪拌槽181に給水するための給水部182と、離解促進剤供給部183とを設けている。離解促進剤供給部183から供給される古紙6の離解を促進する離解促進剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いることができ、更に、スルファミン酸、塩酸、硫酸、リン酸、硫酸アルミニウムなどの酸類、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などの酸化剤、界面活性剤、漂白剤、PH安定剤、キレート剤、分散剤などを補助的に用いることもできる。
【0029】
攪拌槽181の底部には、古紙6を給水部182から給水された水とともに攪拌し離解するための攪拌羽根184が設けられ、前記攪拌羽根184を回転駆動するモータ等の駆動手段188を有している。また、得られた古紙パルプ液を取り出すための古紙パルプ液取出部187を設けている。
【0030】
(脱墨パルプ部)
図1に示すように、 脱墨パルプ部2は、脱墨前希釈部21及び脱墨処理部22を備え、各部の間には配管、ポンプ等からなる移送部(図示省略)を設けている。
【0031】
脱墨前希釈部21は、パルパー18から送られた古紙パルプ液を脱墨に適した繊維濃度、ここでは0.1重量%〜5.0重量%程度、より好ましくは0.3重量%〜2.0重量%程度にまで希釈するものであり、希釈用水および脱墨剤としての界面活性剤等を投入する希釈液供給部(図示省略)を備えている。脱墨前希釈部21において繊維濃度を0.1重量%〜5.0重量%とすることにより、後の脱墨処理部22においてトナー成分と脱墨剤とを効率よく接触させトナー成分等を容易に除去することができる。
【0032】
図3に脱墨処理部22を構成する脱墨処理装置51の斜視図を、
図4(a)に脱墨処理装置51の平面図を、同図(b)に
図4(a)のA−A線矢視断面図を示す。脱墨処理装置51は、古紙パルプ液に溶解又は混合されてなるインク成分、トナー成分等の印刷成分を分離して脱墨パルプを製造するためのものであり、脱墨槽221、ブレード222、オーバーフロー槽223、排液循環路224及び制御部(図示省略)を備えている。尚、
図4(b)では排液循環路224を省略して示している。
【0033】
脱墨槽221は、脱墨前希釈部21で希釈液の供給により所定濃度に調整されたインク成分、トナー成分等の印刷成分を含有する古紙パルプ液を流通させるものである。脱墨槽221内は、複数の仕切壁23により複数の脱墨室225に区画されており、
図4(a)の平面図において示すように、仕切壁23の左方または右方が交互に開口することで全ての脱墨室225は連通している。
図4(b)に示すように、各脱墨室225の底部には、脱墨槽221内を流通する古紙パルプ液中に、微細な気泡を供給するための気泡供給部226を設けている。
【0034】
また、脱墨槽221内のうち、古紙パルプ液の流速が低下し該古紙パルプ液が淀みやすい所定位置に淀んだ古紙パルプ液を攪拌し下流側へと流動させるための攪拌翼(図示省略)を配置している。攪拌翼としては種々のものがあるが、例えば複数の羽根を回転軸の周りに放射状に配置した構造の攪拌翼等が挙げられる。更に、古紙パルプ液を脱墨槽221内に流入させる流入部229aと、脱墨処理後生じた脱墨パルプを含有する脱墨パルプ液を脱墨槽221外に流出させる流出部229bとを設けている。
【0035】
また、各脱墨室225内の古紙パルプ液の温度の検出を行う温度センサ227と、ヒータ228とを仕切壁23の表裏面にそれぞれ設けているが、古紙パルプ液の温度管理を行わない場合には、温度センサ227及びヒータ228を設けない構成としても構わない。
【0036】
ブレード222は、脱墨槽221の上部を浮遊する気泡を、脱墨槽221の周壁を溢流させオーバーフロー槽223側へ掃き出すためのものであり、脱墨槽221の上方に設けられ、モータ222aの駆動によりガイドレール222bに案内されつつ往復移動するよう構成されている。
【0037】
図4(a)に示すように、オーバーフロー槽223は、脱墨槽221の外周を取り囲むよう平面視ロ字状に設けられ、気泡供給部226から古紙パルプ液中に供給された気泡が脱墨槽221から溢流した際にこの気泡を受け止めるものである。
図3,4(b)に示すように、オーバーフロー槽223には、オーバーフロー槽223の内壁面に付着した気泡を洗い流して消泡するか、またはオーバーフロー槽の内壁面に付着した繊維を洗浄するかの少なくともいずれかを行うための液体供給手段38を設けている。液体供給手段38は、オーバーフロー槽223の内壁面の上段部及び中段部に全周に亘って配備された液体供給配管36を備えており、この液体供給配管36には複数の液体供給口35が所定間隔でに形成されている。
【0038】
液体供給配管36は、消泡液またはオーバーフロー槽の壁面を洗浄する洗浄液の少なくともいずれかとしての水道水を供給する水道水供給部(図示省略)、後述する白水を貯留する白水タンク及び、後述する排液循環路224の循環流路24bに接続され、制御部が制御することで、これらのうちいずれかから液体が供給されるようになっている。
【0039】
更に、オーバーフロー槽223は、必要により、生じた気泡に温風又は熱風を吹き付けて気泡の水分を吹き飛ばすことで気泡を消滅させる風供給部(図示省略)等を備えることとしてもよい。
【0040】
オーバーフロー槽223の底部には、オーバーフロー槽223内に集められた液体を取り出す取出部75を設けている。オーバーフロー槽223内に集められた液体とは、液体供給口35から供給された消泡液または洗浄液の少なくともいずれかと、気泡の消滅により生じた、脱墨槽221から気泡とともに溢流した水、インク成分やトナー成分等の印刷成分及び古紙パルプ等を含有する液とが混合された排液である。
【0041】
図5に、排液循環路224の構成概略図を示す。排液循環路224は、取出部75から取り出した排液に、必要により消泡剤を添加した後、液体供給配管36へと送るものであり、排液循環路224から液体供給配管36に送られた排液は消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして液体供給口35からオーバーフロー槽223内に供給される。排液循環路224は、排液タンク58、循環ポンプ59、第1濾過部26及び第2濾過部27よりなる濾過部28、これらを接続する配管43a〜43g及び弁56、57により構成される。更に、本実施形態では排液循環路224に消泡剤添加部29を設けた例を示すが、設けなくても構わない。
【0042】
排液循環路224における排液の流れは、取出部75と排液タンク58との間に形成され、取出部75から取り出した排液が自然流下する流下路24aと、排液タンク58の底部から取り出した排液を循環ポンプ59により液体供給配管36へと送る循環流路24bと、循環流路24bの途中位置に設けられた循環ポンプ59より下流側において循環流路24bから分岐して形成され、該循環流路から流入した排液を排液タンク58へと送る分岐流路24cとにより形成される。そして、流下路24aの途中に第1濾過部26を、分岐流路24cの途中に第2濾過部27をそれぞれ設けている。
【0043】
分岐流路24cにおける排液の流れは、第2濾過部27で濾過された濾液が、第2濾過部27の上部より配管43cに流入し、三方弁57を経て排液タンク58へと送られる濾液流路24dと、三方弁57から脱墨処理装置51の外部へと濾液を排出する外部排出流路24fと、第2濾過部27で濾別され、固形分を多く含む残渣液を第2濾過部27の下部側方より第1濾過部26へと流通させる残渣液流路24eとにより形成される。
【0044】
排液タンク58は、オーバーフロー槽223の下方に設けられ、オーバーフロー槽223から配管43a、43b内を自然流下した排液を貯留するようになっている。排液タンク58の底部には、循環流路24bを構成する配管43eが接続されている。また、排液タンク58内の側壁の高位、中位、低位の3箇所に、排液タンク58内に貯留する排液の水位を検知する水位検知手段35a、35b、35cを備えている。
【0045】
濾過部28を構成する第1濾過部26は、取出部75から取り出された排液に含まれる古紙パルプ等の固形分を濾過する濾過体61を備えている。濾過体61は、濾紙や活性炭、金属製メッシュ、合成樹脂製メッシュ、フェルト等により構成され、枠体(図示省略)等に着脱可能に取設する構成としてもよいが、濾過体61のうち排液が供給され実際に濾過を行っている部分を順次移動可能に構成し、連続的な濾過処理が可能な構成としてもよい。即ち、例えば、周回走行する無端状のメッシュベルト(図示省略)を濾過体61とし、この濾過体61上に排液を流下して濾過を行い、濾過体61上に残存する残渣を圧搾ローラにより圧搾し、スクレーパ(図示省略)等で濾過体61上から順次除去するといった構成としてもよい。
【0046】
第1濾過部26の濾過体61が金属製または合成樹脂製メッシュである場合の網目の粗さは、排液に含まれる古紙パルプ等を濾別可能な粗さ、即ち、10メッシュ〜50メッシュが好ましく、20メッシュ〜40メッシュがより好ましい。10メッシュより網目が細かいことで濾別されずに網目を通過してしまう古紙パルプの量を低減可能であり、50メッシュより網目が粗いことで古紙パルプ等による網目の目詰まりが生じにくくなり濾過効率を向上させることができる。
【0047】
図6に第2濾過部27を構成する濾過装置Rの正面図を、
図7に
図6のB−B線矢視断面図を示す。濾過装置Rは、合成樹脂製で透明の外筒62を設けており、外筒62の内部に外筒62と同一筒心を有する内筒63を収容している。内筒63には複数の窓部66が形成されるとともに、内筒63の外周面に濾過体67が巻回され、固着されている。これにより、濾過体67を通過し濾過された排液が窓部66より内筒63内へと流入するようになっている。
【0048】
外筒62の内方で且つ内筒63の外方となる部分により排液の濾過室50が形成されている。外筒62の上部側方(
図6において右側)には、配管43dが接続され、排液流入部46が形成されている。排液流入部46に筒心を介して対向する外筒62側方(
図6において左側)の、下部には、配管43fが接続され、残渣液を流出させる残渣液流出部71を設けている。残渣液は、排液が濾過体67によって濾過され生じた残渣を含む液体である。また、濾過装置Rの上部には、内筒63の内部と連通して配管43cが接続され、この連通部分により内筒63内の濾液を該内筒63から流出させる濾液流出部44を形成している。
【0049】
第2濾過部27を構成する濾過体67としては、金属製メッシュ、合成樹脂製メッシュ等が挙げられ、濾過体67の網目の粗さは、第1濾過部26の濾過体61の網目の粗さより細かいものとし、70メッシュ〜400メッシュが好ましく、200メッシュ〜300メッシュがより好ましい。
【0050】
更に、濾過装置Rには、濾過体67に付着した微細な古紙パルプ等の残渣を除去する残渣除去手段52を設けている。残渣除去手段52は、濾過体67の外周面に摺接する摺接部材64と、摺接部材64を回転駆動する駆動部68とを備えている。摺接部材64の形状は、濾過体67の目詰まりを洗浄可能であれば特に限定されないが、
図6では、濾過室50を縦方向に沿って前後に区画する一対の平板状の基材64aと、基材64aに固設された合成樹脂製のブラシ64bである場合を示している。ブラシ64bに替えてPET,PP,PE等の合成樹脂製または金属製のスクレーパ(図示省略)としてもよい。また、駆動部68は、モータ68a、プーリ68b及びベルト68cにより構成される。
【0051】
図5において、消泡剤添加部29は、第1濾過部26から排液タンク58に至る流下路24aに設けた場合を示す。この消泡剤添加部29は取出部75から取り出した排液に消泡剤を添加するものであり、消泡剤添加部29の設置位置は
図5に示す場合に限定されず、他の流路24b、24cの途中位置や排液タンク58内等、取出部75から液体供給配管36へと送られる排液の流路のいずれであってもよく、加えて、排液循環路224以外の箇所、即ちオーバーフロー槽223の内部や液体供給配管36内でもよい。これらのうち消泡剤を容易に添加でき、消泡剤が添加された排液を容易に攪拌して、消泡剤を排液中に溶解し、分散できる点で、排液タンク58内が好ましい。
【0052】
また、消泡剤添加部29の構成は特に限定されず、液状の消泡剤を容器内に収容し、消泡剤の添加が必要な時に容器に形成した添加口を自動で開閉するといったものであってもよく、固形状の消泡剤を排液の接触可能な位置に設置するといったものでもよい。
【0053】
制御部は、古紙再生処理装置100全体の動作を制御する制御部(図示省略)の一部として構成され、脱墨処理装置51の排液循環路224については濾過装置Rの循環ポンプ59の動作及び三方弁57及び開閉弁56の開閉等を制御する。また、制御部は、流入部229aより脱墨槽221内に古紙パルプ液を導入開始した時点から、所定時間経過後に液体供給口35から液体を供給するよう制御する。この所定時間とは、流入部229aからの脱墨槽221内への古紙パルプ液の導入後、脱墨槽221に貯留する古紙パルプ液に気泡供給部226から気泡を供給し、この供給された気泡が脱墨槽221から溢流する時点までに要するおおよその時間等、オーバーフロー槽223内の気泡を消滅させるべきタイミングについての時間である。
【0054】
(抄紙部)
図8は、抄紙部3及び仕上げ部4の概略斜視図である。抄紙部3は、脱墨パルプ部2による脱墨の終了した脱墨パルプ液を抄紙するものであり、ヘッドボックス31、ワイヤー部32、プレス部33、ドライヤー部34からなる。
【0055】
ヘッドボックス31は、上部が開口しており、下部に脱墨パルプ液の供給口31aが形成されている。脱墨パルプ液の供給口31aの幅方向両端部には、脱墨パルプ液を抄紙する抄紙ワイヤー323の両幅縁部に沿って所定長さを有するガイド部材31bが片持ち支持されている。ガイド部材31bは、ヘッドボックス31から抄紙ワイヤー323上に供給された脱墨パルプ液が抄紙ワイヤー323の側縁から外方に流れ落ちるのを防止するとともに、湿紙64の抄紙幅を所定長さとなるよう設定し、維持するようになっている。
【0056】
ワイヤー部32は、複数の回転ローラ321に掛け渡され、無端軌道を形成する抄紙ワイヤー323が設けられ、周回する抄紙ワイヤー323の内方には、抄紙ワイヤー323の網目から流下する水を受ける受水部325を設けている。受水部325は白水タンク(図示省略)に接続され、該白水タンクはパルパー18及び脱墨前希釈部21等に接続されることで、古紙の離解または古紙パルプ液の希釈に利用される。更に、白水タンクは脱墨処理部22の液体供給配管36にも接続され、白水タンク内の白水を消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして再度利用可能に構成されている。
【0057】
プレス部33は、複数の回転ローラ331の間にそれぞれ掛け渡したフェルトからなる無端状の吸水ベルト332a,332bを上下一対有し、上側の吸水ベルト332aと下側の吸水ベルト332bとが一部当接している。この上側の吸水ベルト332aと下側の吸水ベルト332bとが一部当接した部分において、双方の吸水ベルト332a,332bを挟圧して圧搾する一対の圧搾ローラ334を複数備えている。
【0058】
ドライヤー部34は、フード(図示省略)内に複数の回転ローラ351及び乾燥ローラ343を配置し、この複数の回転ローラ351及び乾燥ローラ343の間に掛け渡した搬送ベルト342を上下一対備えている。搬送ベルト342の材質は特に限定されず、例えば、布、耐熱樹脂または金属等とし、上下の搬送ベルト342は一部が当接した状態で走行し、上下の搬送ベルト342の当接箇所に複数の乾燥ローラ343が配置されている。乾燥ローラ343は、内部にヒータ345を備えるとともに、外周面に搬送ベルト342を巻回しており、また、乾燥ローラ343の表面の温度を測定する温度センサ(図示省略)を有している。
【0059】
(仕上げ部)
仕上げ部4は、カレンダー部41及びカット部(図示省略)を有しており、カレンダー部41は紙の平坦度を上げるための複数のプレスローラ411を備え、カット部は紙を所定のシートサイズにカットする裁断刃(図示省略)を備えている。
【0060】
(第1の実施形態の作用)
本実施形態にかかる古紙再生処理装置100の作用につき以下に説明する。
まず、
図2に示すように、事前に重量を計測しておいた所定量の古紙6を攪拌槽181に投入する。また、投入された古紙6の重量に応じた割合量の水及び離解促進剤を、それぞれ給水部182、離解促進剤供給部183よりそれぞれ攪拌槽181に投入する。
【0061】
そして、駆動手段188を作動して攪拌羽根184を回転し、攪拌槽181内で古紙6を水及び離解促進剤とともに攪拌して古紙パルプ液を製造する。製造された古紙パルプ液を古紙パルプ液取出部187より取り出し、
図1に示すように、脱墨パルプ部2へ送る。
【0062】
脱墨パルプ部2では、まず、古紙パルプ液を脱墨前希釈部21において脱墨に適した繊維濃度になるよう希釈液供給部から希釈用水および脱墨剤としての界面活性剤を投入して古紙パルプ液の希釈を行う。次に、所定の繊維濃度に調整された古紙パルプ液を脱墨部22に送る。
【0063】
図3,4に示すように、脱墨部22では、流入部229aから流入した古紙パルプ液を、仕切壁23の左方または右方の開口から隣接する脱墨室225へ順次流通させる。各脱墨室225では脱墨剤の存在下、古紙パルプ液中に気泡供給部226から微細な気泡を吹き込み、脱墨剤の存在によって、消失することなく多量に発生した気泡の表面にトナー粒子等の疎水性の異物を付着させて各脱墨室225の上部に浮上させる。また、必要により攪拌翼を作動し、古紙パルプ流通槽221内の古紙パルプ液の円滑な流通を促すようにする。
【0064】
親水性の繊維は、水とともに脱墨室225を順次流通していく。このようにして古紙パルプ液からインク成分やトナー成分の印刷成分等を除去する脱墨を行う。その際、必要により温度センサ227で古紙パルプ液の温度の検出を行い、ヒータ228で古紙パルプ液を所定温度に維持するよう加熱する温度制御を行ってもよいが、この脱墨部22での温度管理は必ずしも行わなくてもよい。
【0065】
脱墨部22に古紙パルプ液を導入した後、所定時間経過し、脱墨処理が進行して各脱墨室225の上部に気泡が大量に浮遊すると、脱墨槽221の周壁から気泡が溢流する。この大量に発生した気泡を、モータ222aを駆動し、ガイドレール222bに案内させつつブレード222を
図4(a)において上下方向に往復移動することで、オーバーフロー槽223へと強制的に掃き出す。
【0066】
脱墨槽221からオーバーフロー槽223に溢流、または掃き出された気泡を、液体供給口35から供給された液体により洗い流し、消滅させる。また、液体供給口35からの液体をオーバーフロー槽223の壁面に向けてシャワー状に供給する場合、壁面に付着した古紙パルプを洗い流すことができる。このように、液体供給口35から供給される液体の供給方法によって、該液体を消泡液として、または古紙パルプの洗浄液としていずれにも利用することが可能である。
【0067】
このとき、制御部は、予め設定しておいた脱墨槽221内への古紙パルプ液の導入開始時点から、脱墨槽221から気泡が溢流する時点までといった所定時間が経過した際、液体供給口35からオーバーフロー槽223内に液体を供給するよう制御する。
【0068】
このように、液体供給口35からの液体の供給開始を、脱墨槽221内に古紙パルプ液を導入した後所定時間経過後とすることで、脱墨槽221からの気泡の溢流前には液体供給口35から液体を供給しないように制御することができ、消泡液または洗浄液の少なくともいずれかの使用量を低減することができる。特に、脱墨槽221内への古紙パルプ液の導入を開始した直後は、排液タンク58内に排液が貯留されていない場合があり、このような場合には消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして排液でなく、水道水供給部からの水道水、または白水タンクからの白水を使用しなければならなくなるので、この水道水や白水の使用量を低く抑え、古紙再生処理のコストを低減可能である。
【0069】
このように排液タンク58内に排液が貯留されていない場合、または抄紙部3への脱墨パルプ液の供給前等といった白水タンク内に白水が貯留されていない場合には、液体供給口35から供給する液体は、水道水供給部からの水道水を用いる。仮に白水タンク内に白水を貯留している場合には、消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして白水タンク内の白水を用いてもよい。更に、排液タンク58内に排液を貯留している場合には、後述するように排液タンク58内の排液を消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして用いる。
【0070】
液体供給配管35から液体が供給されることによってオーバーフロー槽223内の下部に排液が溜まる。このオーバーフロー槽223に溜まった排液は、少なくとも液体供給口35から供給される液体を含んでなり、この液体のほか、水、脱墨剤、インク成分やトナー成分等の印刷成分、脱墨槽221から溢流した気泡及びこの気泡の消滅により生じた液等に加え、気泡とともに脱墨槽221より溢流した古紙パルプ等の固形分を含有する。この排液は、取出部75から取り出され、排液循環路224の流下路24aに至る。
【0071】
図5に示すように、排液循環路224において流下路24aを流通する排液は自然流下により配管43a内を流通し、第1濾過部26に流入し、濾過体61により濾過された後、必要により、消泡剤添加部29より消泡剤が添加され、自然流下により配管43b内を流通して排液タンク58に流入する。濾過を行った結果、濾過体61上に残存した古紙パルプ等の残渣は所定量溜まった時点で使用者が濾過体61とともに交換する。この第1濾過部26での濾過処理により、脱墨槽221から気泡とともに溢流した古紙パルプ等の固形分を排液から分離することができ、排液の水質を改善できる。
【0072】
第1濾過部26がメッシュベルトを用いた連続処理の可能なものである場合には、走行するメッシュベルトにより排液を濾過し、メッシュベルト上の残渣を圧搾ローラ等で圧搾し、残渣収容箱(図示省略)等に一旦収容しておき、脱水した残渣が所定量に達した時点で使用者が廃棄する。
【0073】
排液タンク58に流入した排液は、制御部が循環ポンプ59を駆動することで、配管43eに流入し、循環流路24bを流通する。この循環ポンプ59を駆動し排液タンク58内の排液を循環させるのに合わせ、制御部は、予め開閉弁56を閉止するとともに、三方弁57を配管43g側が開放、配管43h側が閉止となるよう切り替えておく。循環流路24bを流通する排液の一部は分岐流路24cへ流入し、残部は液体供給配管36に流入する。液体供給配管36に流入した排液は液体供給口35からオーバーフロー槽223内にシャワー状に供給され、オーバーフロー槽223内の気泡の消滅に利用される。
【0074】
このように、オーバーフロー槽223内の排液を取出部75から取出し、排液循環路224で循環して液体供給配管36へと送り、消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして利用することで、水道水供給部からの水道水や、白水タンクからの白水の利用量を低減でき節水の効果があるたけでなく、排液量を低減することも可能となる。
【0075】
白水タンクからの白水を消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして利用し、液体供給口35から供給する場合には、該白水は脱墨槽221を溢流した印刷成分を多く含む液体と混合されてしまいもはや白水のみ分離することは不可能となる。よって、この消泡液または洗浄液の少なくともいずれかに用いた白水は排液となって処分する他ない。一方、白水タンクの白水を、パルパー18へと戻し古紙の離解の際に利用するか、または脱墨前希釈部21に戻し希釈液として利用する場合には、抄紙ワイヤー323での抄紙により再度白水として回収可能となるため何度でも利用でき、該白水を有効に活用することができる。
【0076】
消泡剤添加部29を設けている場合には、液体供給口35から供給される排液中に消泡剤が含まれているので、非常に迅速に気泡を消滅させることができる。よって、オーバーフロー槽223内に収容すべき気泡の容積の低減が可能となるので、オーバーフロー槽223を小さくすることができ、占有面積を低減可能である。
【0077】
循環流路24bから分岐流路24cへと流入した一部の排液は第2濾過部27に至り、
図6に示す排液流入部46から外筒62内に流入する。外筒62内に流入した排液は、濾過室50から濾過体67及び窓部66を通過し内筒63内に流入し、微細な古紙パルプ等の固形分が濾過体67により濾過され、濾液流出部44より配管43cに流入し、三方弁57を経て配管43gにより排液タンク58へ送られる(
図5参照)に示す。
【0078】
また、
図6に示すように、濾過体67により分離され、濾過体67の表面に付着した残渣は、残渣除去手段52により除去される。より詳しくは、制御部がモータ68aを作動し、プーリ68b及びベルト68cを介して内筒63及び外筒62の筒心を中心に摺接部材64を回転させて濾過体67に摺接し、濾過体67の網目に入り込んだ微細な古紙パルプ等の残渣を除去する。摺接部材64がブラシ64bである場合は濾過体67の網目にブラシを入り込ませて残渣を除去できるので、残渣の除去効率が向上する。
【0079】
消泡剤添加部29が設置されている場合、消泡剤の添加によって排液の粘性が高くなる傾向がある。このため消泡剤を添加した排液は濾過体67による濾過の際に微細な古紙パルプが濾過体67の網目に粘着し、こびり付きやすく、濾過体67の目詰まりの原因となる。そこで、濾過装置Rに排液が流入している間は駆動部68を常時作動することで、濾過体67から古紙パルプ等の残渣を除去し、目詰まりの問題を解消可能である。
【0080】
濾過体67によって濾別され、残渣除去手段52で濾過体67の表面から剥離された残渣は、濾過室50内を徐々に下方へと移動し濾過室50の底部に積層状に滞留する。この積層状の残渣を含む残渣液は、制御部が開閉弁56を開放することで、配管43fに流入し、外筒62下部にかかる水圧により残渣液流路24eを流通して第1濾過部26に至り、再度第1濾過部26で濾過される。
【0081】
この残渣液を残渣液流路24eに流通させる際、制御部は、開閉弁56を開放するとともに、循環ポンプ59を停止し、濾過装置Rにおける排液流入部46からの排液の外筒62内への流入を停止する。このように、排液流入部46からの排液の流入を停止することで、濾液流出部44から配管43cへと流入していた濾液が、内筒63内へと逆流することとなり、更に、窓部66及び濾過体67へと逆流して濾過室50へと流入する。
【0082】
この内筒63内から逆流した濾液は、濾過体67を通過する際に濾過体67に付着した微細な古紙パルプ片等の残渣を濾過体67から浮き上がらせて剥離し、濾過室50内に浮遊させる。濾過室50内に浮遊する残渣は、外筒62内の液体の水位の低下とともに下方に移動し、やがて濾過室50の底部に至り、残渣液流出部71から配管43fへと流出する。
【0083】
外筒62内の液体の水位が外筒62の高さの半分程度まで低下すると、外筒62下部にかかる水圧が低下して残渣液流出部71から配管43fに流出する残渣液の流速が低下し、濾過室50底部に残渣液が滞りやすくなる。そこで、制御部は、外筒62内の液体の水位が外筒62の高さの半分程度等といった所定位置まで低下した時点で、循環ポンプ59を作動することとする。これにより、排液流入部46より外筒62内に排液を流入させ、外筒62内の液体の水位を上昇させ、濾過室50内下部に滞留する残渣液を強制的に残渣液流出部71から押し出すことができる。
【0084】
制御部は、ほぼ全ての残渣液を残渣液流出部71より強制的に流出させた後、開閉弁56を閉止すると、排液流入部46から流入した排液が全て濾過され、濾液流出部44からの濾液の流出が再開される。
【0085】
循環ポンプ59の停止中は、液体供給配管36に液体が供給されなくなるが、循環ポンプ59の停止時間がオーバーフロー槽223から気泡が溢出しない程度の短時間である場合には、制御部はそのまま排液循環路224からの排液を消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして使用する状態を継続する。一方、循環ポンプ59の停止によりオーバーフロー槽223から気泡が溢出する恐れが生じたときは、制御部は、白水タンクからの白水または水道水供給部からの水道水を消泡液または洗浄液の少なくともいずれかとして使用するよう制御する。
【0086】
排液タンク58に流入した排液量が増加し、中位の水位検知手段35bが水位を検知すると、制御部は、三方弁57を配管43g側を閉止し、配管43h側を開放するよう切り替え、下位の水位検知手段35cが水位を検知するまでの間排液タンク58内の排液を濾過装置Rの外部に排出するよう制御する。即ち、三方弁57を配管43g側から配管43h側に切り替えることで、排液タンク58から配管43e、配管43d、第2濾過部27と流通した排液は濾過体67によって濾過された後、配管43c、三方弁57を経て外部排出流路24fに流入し、外部に排出される。このように、排液タンク58内の排液は、既に該排液タンク58への流入前に第1濾過部26で少なくとも一度は濾過され、更に、第2濾過部27においても少なくとも一度は濾過されるので、必ず2回以上の濾過処理が行われることとなる。よって、外部に排出する排液の固形分を十分除去でき、水質を向上させることができる。
【0087】
また、第1濾過部26及び第2濾過部27にそれぞれ設置した濾過体61、67の網目の粗さを第2濾過部27の濾過体67の方が、第1濾過部26の濾過体61よりも細かいものとした場合には、第1濾過部26において第2濾過部27よりも大きな固形分を迅速に除去し、続いて第2濾過部27において第1濾過部26よりも小さな固形分を除去できるので濾過効率がよい。また、第1濾過部26の濾過体61では分離できなかった微細な古紙パルプ等の固形分を第2濾過部27の濾過体67により分離し回収することができるので、排液の水質を更に向上させることができる。
【0088】
三方弁57が故障するなどして制御部が三方弁57を配管43h側に切り替えることができないといった非常事態が発生し、高位の水位検出手段35aが水位を検知した場合、制御部は取出部75を閉止して排液循環路224への排液の流入を停止する。
【0089】
図3,4に示す脱墨処理部22において、脱墨槽221内の全ての脱墨室225を流通した古紙パルプ液は脱墨されることで印刷成分等の除去された脱墨パルプとなり、得られた脱墨パルプを含む脱墨パルプ液は流出部229bから流出され、抄紙部3へ送られる。
【0090】
抄紙部3では、ワイヤー部32において、ヘッドボックス31から走行する抄紙ワイヤー323上に、脱墨後の脱墨パルプを含む脱墨パルプ液をガイド部材31bに案内させつつ均一に供給し、水切りして水分を比較的多く含んだ繊維の層である湿紙64を形成する。抄紙ワイヤー323の下方に流下した水は受水部325に受水され、該受水部325から白水タンクに送られる。
【0091】
抄紙ワイヤー323上の湿紙64が上側の抄紙ワイヤー323の終端部に達すると、上側の吸水ベルト332aに転移され、下側の吸水ベルト332bとの間で挟持され、脱水ローラ対334によって挟圧され、湿紙64に含まれる水分が脱水される。
【0092】
脱水ローラ対334により脱水された湿紙64は、乾燥部34へと搬送され、一対の乾燥用ベルト342の間に挟持されて搬送される。そして、ヒータ345により加熱され所定温度に維持された複数の乾燥ローラ343に、乾燥用ベルト342を介して当接されつつ搬送されることで、湿紙64の乾燥が行われ仕上げ前の再生紙65を得る。
【0093】
乾燥部34を出た仕上げ前の再生紙65はカレンダー部41に送られ、複数のプレスローラ411の間に通され、平坦度を向上させ、更に、カット部で所定の大きさに裁断されて再生紙7が完成する。
【0094】
カット部において裁断された結果不要となった仕上げ前の再生紙65の端材は、
図1に示すようにパルパー18に戻され、再度再生紙の製造に利用される。
【0095】
尚、上記実施形態で
は、濾過部は、第1濾過部及び第2濾過部の双方とも1個ずつ設けた例を示したが、これに限定されず、2個以上設けてもよい。2個以上設ける場合、下流側の濾過部の濾過体を上流側の濾過部の濾過体より細かい網目とすることで、排液に含まれる古紙パルプ等の異物をより確実に除去することが可能となる。