(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の図柄が周面に施された回転体と、前記回転体を回転駆動する駆動装置とを備え、前記駆動装置の作動により前記回転体を回転させるとともに前記回転体を停止させて所定の図柄を表示させる遊技機の回転表示装置において、
前記回転体の側面に形成され前記回転体の周方向に延びる円弧状の突部からなる被検出部と、
前記回転体の周方向に間隔を保った状態で前記回転体の側面に対向して配置され、それぞれが、前記被検出部を検出する複数の検出装置と、
前記複数の検出装置から検出信号を受信しその検出信号から、前記複数の検出装置がそれぞれ前記被検出部を検出している状態、前記被検出部を検出していない状態、前記被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときおよび前記被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときの4つの状態の中のいずれの状態にあるかを判定し、前記複数の検出装置の検出状態の組み合わせに応じて前記駆動装置の作動を停止させることにより、前記検出状態の組み合わせに対応する図柄を表示する制御装置とを備え、
前記複数の検出装置の検出状態の組み合わせを、前記複数の検出装置の検出状態のいずれか一つが前記被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときと前記被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときとのいずれかの状態であるものとし、さらに、
前記被検出部の円弧状の長さと前記複数の検出装置の前記被検出部に沿った間隔との長さを異なるものにして前記図柄の数が前記検出装置の数の2倍になるようにするとともに、
前記被検出部を構成する突部の円弧状を前記回転体の回転軸を中心とした半円状に形成し、前記複数の検出装置を、前記回転体の回転軸を中心として360度/図柄の数になる角度の間隔を保って配置したことを特徴とする遊技機の回転表示装置。
前記複数の図柄のうちの所定の図柄を指定する指定信号を発信する指定信号発信装置を備え、前記制御装置が、前記指定信号発信装置から指定信号を受信したのちに、前記検出装置の検出状態の組み合わせが前記指定信号に対応したものになったときに前記駆動装置を停止させるようにした請求項1に記載の遊技機の回転表示装置。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、前述した回転表示装置では、ステッピングモータが脱調した場合にリールの回転位置を迅速に再セットすることができるが、脱調により図柄にずれが生じることを防止することはできない。また、複雑な制御が必要になるという問題もある。
【0007】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、表示される図柄にずれが生じることを防止でき、かつ制御が簡単になる遊技機の回転表示装置を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係る遊技機の回転表示装置の構成上の特徴は、複数の図柄が周面に施された回転体(21、51)と、回転体を回転駆動する駆動装置(30)とを備え、駆動装置の作動により回転体を回転させるとともに回転体を停止させて所定の図柄を表示させる遊技機(10)の回転表示装置(20)において、回転体の側面に形成され回転体の周方向に延びる円弧状の突部からなる被検出部(27)と、回転体の周方向に間隔を保った状態で回転体の側面に対向して配置され、それぞれが、被検出部を検出する複数の検出装置(35,36、55、56、57)と、複数の検出装置から検出信号を受信しその検出信号から、複数の検出装置がそれぞれ被検出部を検出している状態、被検出部を検出していない状態、被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときおよび被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときの4つの状態の中のいずれの状態にあるかを判定し、複数の検出装置の検出状態の組み合わせに応じて駆動装置の作動を停止させることにより、検出状態の組み合わ
せに対応する図柄を表示する制御装置(40)とを備え、複数の検出装置の検出状態の組み合わせを、複数の検出装置の検出状態のいずれか一つが被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときと被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときとのいずれかの状態であるもの
とし、さらに、被検出部の円弧状の長さと複数の検出装置の被検出部に沿った間隔との長さを異なるものにして図柄の数が検出装置の数の2倍になるようにするとともに、被検出部を構成する突部の円弧状を回転体の回転軸(26)を中心とした半円状に形成し、複数の検出装置を、回転体の回転軸を中心として360度/図柄の数になる角度の間隔を保って配置したことにある。
【0009】
本発明に係る遊技機の回転表示装置では、複数の検出装置のそれぞれの検出状態の組み合わせをそれぞれ所定の図柄が施された表示面に対応させている。すなわち、複数の検出装置の検出状態の組み合わせが所定の組み合わせになったときに、その組み合わせに対応する図柄が施された表示面が遊技機の表面に位置するようにしている。このため、複数の検出装置の検出状態の組み合わせに対応する図柄を遊技機の表面に位置させて表示することができる。また、複数の検出装置による被検出部の検出の有無だけで表示する図柄が施された表示面を決定できるため簡単な制御ですむ。
【0010】
また、本発明では、複数の検出装置の検出状態の組み合わせの中に、被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときと被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときとのいずれかの状態が含むようにしている。これによると、複数の検出装置のそれぞれが被検出部を検出している状態から検出していない状態に変わったときと、被検出部を検出していない状態から検出している状態に変わったときとの瞬時の位置が図柄を表示させるための基準位置になるため、より正確な位置で回転体を停止させることができる。また、本発明によると、一つの検出装置で2つの図柄が施された表示面の位置を検出できるため、回転体に施される図柄の数は最大検出装置の数の2倍になる。
【0011】
なお、本発明においては、駆動装置が作動しているときに複数の検出装置からの検出信号に基づいて駆動装置の作動を停止させるようにしてもよいし、駆動装置が作動を停止しているときに複数の検出装置からの検出信号に基づいて駆動装置が作動を開始して複数の検出装置の検出状態の組み合わせに応じたタイミングで駆動装置が作動を停止するようにしてもよい。また、複数の図柄は、それぞれ「通常モード」、「大当たり」、「確率変動モード」および「時短モード」等の遊技状態を表すものとすることができる。さらに、本発明における図柄には、絵模様の他に、文字や数字も含むものとする。
【0012】
また、本発明に係る遊技機の回転表示装
置では、図柄の数が検出装置の数の2倍になるように
している。これは、被検出部の円弧状の長さと複数の検出装置の被検出部に沿った間隔との長さを異なるものにすることにより可能になる。これによると、検出装置の数に対する最大数の図柄を回転体の周面に施すことができる。
【0013】
また、本発明に係る遊技機の回転表示装
置では、被検出部を構成する突部の円弧状を回転体の回転
軸を中心とした半円状に形成し、複数の検出装置を、回転体の回転軸を中心として360度/図柄の数になる角度の間隔を保って配置
している。
【0014】
本発明によると、回転体を等角度で回転していくことにより、表示される図柄が順次変更するようになる。例えば、検出装置の数を2個とした場合、図柄の最大数は4つになり、このときの2個の検出装置の間隔は90度になる。このため、一方の検出装置が被検出部の一方の端部から他方の端部に位置するまでには回転体は180度、すなわち半周回転するようになり、他方の検出装置が被検出部の一方の端部から他方の端部に位置するまでにも回転体は180度回転する。そして、2個の検出装置は90度の間隔を保って配置されているため、回転体が90度回転するたびに2個の検出装置のどちらかが被検出部のどちらかの端部に位置するようになる。このため、2個の検出装置がそれぞれ被検出部のどちらかの端部に位置するときに回転体の4つの図柄のいずれかが表面に位置して表示されるようにすることにより、各図柄を位置ずれさせることなく正確に表示することができる。
【0015】
同様に、検出装置の数を3個とした場合、図柄の最大数は6つになり、このときの3個の検出装置の間隔は60度になる。そして、この場合も、各検出装置が被検出部の一方の端部から他方の端部に位置するまでには回転体は180度回転する。そして、3個の検出装置が60度の間隔を保って配置されているため、回転体が60度回転するたびに3個の検出装置のいずれかが被検出部のどちらかの端部に位置するようになる。このため、3個の検出装置がそれぞれ被検出部のどちらかの端部に位置するときに回転体の6つの図柄のいずれかが表面に位置して表示されるようにすることにより、各図柄を位置ずれさせることなく正確に表示することができる。また、本発明によると、回転体の周面にむだなスペースをなくして全面に表示可能な図柄を施すことができる
【0016】
また、本発明に係る遊技機の回転表示装置の他の構成上の特徴は、複数の図柄のうちの所定の図柄を指定する指定信号を発信する指定信号発信装置(38)を備え、制御装置が、指定信号発信装置から指定信号(38a,38b,38c,38d)を受信したのちに、検出装置の検出状態の組み合わせが指定信号に対応したものになったときに駆動装置を停止させるようにしたことにある。
【0017】
この場合の指定信号発信装置としては、例えば、抽選回路等の抽選機能を備えた装置を用いることができる。この場合、チャッカーに入賞すると乱数が発生し、その乱数が所定の遊技状態に対応して設定された数と一致するようにしておく。例えば、「大当たり」の確率を1/240とすると、240個のうち1つだけを「大当たり」の数字として決めておき、チャッカーに入賞して発生した乱数が「大当たり」の数字と一致すると「大当たり」となる。そして、これらの数値と図柄とを対応させておき、指定信号発生装置がこの数値に対応する指定信号を発信することにより、制御装置の制御によって抽選された数値に対応する図柄を表示することができる。
【0018】
また、本発明に係る遊技機の回転表示装置のさらに他の構成上の特徴は、図柄が回転体(21)の周面に4つ施されていることにある。この場合、回転体は、円柱状や円筒状に形成することもできるが、この回転体は、図柄が施された表示面(A、B、C、D)の周方向の幅が同じになった四角柱状または四角筒状に形成され各表示面にそれぞれ異なる図柄が施されていることが好ましい。これによると、遊技機の正面から回転体の各表示面が見易くなる。
【0019】
また、本発明に係る遊技機の回転表示装置のさらに他の構成上の特徴は、図柄が回転体(51)の周面に6つ施されていることにある。この場合も、回転体は、円柱状や円筒状に形成することもできるが、この回転体は、図柄が施された表示面(E、F、G、H、I、J)の周方向の幅が同じになった六角柱状または六角筒状に形成され各表示面にそれぞれ異なる図柄が施されていることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。
図1は同実施形態に係る回転表示装置20を備えたパチンコ機10を示している。パチンコ機10の表面における遊技領域11の中央には液晶画面12が設けられており、この液晶画面12の右上部分に回転表示装置20が設置されている。液晶画面12は、演出効果を発揮するための画像を表示し、回転表示装置20は、液晶画面12に連動して作動して遊技状態を表すための簡単な図柄を表示する。この回転表示装置20は、回転することにより4つの異なる図柄を表示する回転体21を備えている。
【0022】
また、パチンコ機10の表面における遊技領域11の下方には、遊技球(図示せず)を一旦溜めて順次発射位置に供給する上皿13や、上皿13から間隔を保って1個ずつ供給される遊技球を遊技領域11内に向けて発射するハンドル14を含む球発射装置が設けられている。上皿13の下方には、遊技球を溜めるための下皿15が設けられている。さらに、遊技領域11における回転表示装置20の下方に2つの入賞装置16,17とアウト口18とが、前述した順に、上方から下方に間隔を保って設けられている。
【0023】
入賞装置16は、いわゆるチャッカーを構成する入賞口であり、入賞装置16内に遊技球が入ると所定数の賞球が、パチンコ機10の裏面上部に設置された上タンクから上皿13に送られる。また、入賞装置17は、いわゆるアタッカーを構成する入賞口であり、「大当たり」の際に、所定時間開閉することにより遊技球を入賞し易くする。アウト口18は、入賞装置16,17に入らなかった遊技球を通過させてパチンコ機10の下方に設置された回収タンクに送るためのゲート穴である。
【0024】
回転表示装置20は、
図2に概略構成図を示したように、回転体21の他、本発明に係る駆動装置としてのステッピングモータ30、本発明に係る検出装置としての一対のセンサ35,36および制御装置40等で構成されている。ステッピングモータ30は、回転体21を回転させ、制御装置40はステッピングモータ30の作動を制御する。また、一対のセンサ35,36は、回転体21の軸周り方向の位置を検出するために設けられている。回転体21は、
図3ないし
図5に示したように、収容部22内に設置されており、この収容部22は遊技領域11内に設けられている。
【0025】
収容部22は、収容本体22aと、一対のカバー部材23,24とで構成されている。収容本体22aは、正面および両側面が開放され、側面視が半円状に形成された凹部が形成された横長の枠状体で構成されている。そして、収容本体22aの開放された両側面を塞ぐようにして、収容本体22aの両側にカバー部材23,24が着脱自在に組み付けられている。回転体21は、それぞれ異なる図柄が施された平面状の表示面A〜D(
図8(a)から
図8(d)参照)が周面に形成された筒状本体21aの両側に側面部21b,21c(
図7参照)を組み付けることにより全体形状が略四角柱状に形成されている。
【0026】
この回転体21は、軸方向を収容部22の長手方向に揃えた状態で収容部22内に配置され、収容部22内で軸周り方向に後述する支持軸26を中心として回転することにより、表示面A〜Dに施された各図柄を収容部22の正面開口から露出させる。この際、回転体21は、収容本体22aの曲面からなる内周面に対して僅かな間隔を保って回転する。回転体21の一方の側面部21bは、
図5および
図6に示したように構成されており、この側面部21bは、四角形の板部材の中央に本発明に係る回転軸としての支持軸26(
図7参照)を通すための挿通穴21dを形成して構成されている。
【0027】
そして、側面部21bの外面における外周側部分に円弧状の突部からなる本発明に係る被検出部としての遮蔽板27が設けられている。この遮蔽板27は、細長い板状体を円弧状に湾曲させ、湾曲した一方の縁部を側面部21bに固定することにより、挿通穴21dの中心を中心とする半円状(挿通穴21dの中心を中心とする180度の角度の範囲)に形成されている。また、側面部21bとカバー部材23との間には、
図4に示した基板25が取り付けられている。基板25は、支持軸26を通すための挿通穴25aを備えた板部材で構成されており、側面部21bと間隔を保った状態で側面部21bに対向して配置されている。この基板25は、2個のねじ28とカバー部材23に形成された係合溝23aとによってカバー部材23に固定されている。
【0028】
カバー部材23は、カバー本体23bと、カバー本体23bの周縁部における後部を除いた部分から収容本体22a側に突出する周壁部23cとで構成されており、周壁部23cの内周面に、基板25の周縁部が係合可能な係合溝23aが形成されている。基板25は、周縁部の前部および上下部を係合溝23a内にスライドさせるようにしてカバー部材23内に後方から収容され、2個のねじ28によって、カバー部材23に固定されている。なお、カバー本体23bには、ねじ28が挿通する2つの挿通穴が形成され、基板25には、ねじ28が螺合する2つのねじ穴25bが形成されている。また、カバー本体23bの中央部分には、支持軸26を通した状態で支持する支持穴23dが形成されている。
【0029】
基板25における側面部21bに対向する面には、センサ35,36が互いに間隔を保ち、かつ遮蔽板27に対向した状態で取り付けられている。センサ35,36は、それぞれ発光部と受光部とを備えたコ字状の形状に形成されたフォトセンサで構成されており、回転体21が回転するときに、遮蔽板27が発光部と受光部との間を通過できる位置に配置されている。また、センサ35,36は、それぞれ基板25の挿通穴25aの中心から等距離の位置に、互いに90度の間隔を保って配置されている。
図6に示した状態では、センサ35は、側面部21bの挿通穴21dの中心から垂直に上方に延びる仮想線を時計周り方向に45度回転した位置に位置し、センサ36は、135度回転した位置に位置している。
【0030】
また、基板25の外面後部の上下方向の中央には、配線を介してセンサ35,36に接続されたコネクタ29が取り付けられている。このコネクタ29は、制御装置40から延びてくる配線の先端に取り付けられたコネクタ(図示せず)に接続される。カバー部材23のカバー本体23bにおけるコネクタ29に対応する部分には、左右に貫通した長孔がカバー部材23の後部から支持穴23dにかけて形成されている。この長孔によって、コネクタ29に対する他のコネクタの接続や接続解除の操作をカバー部材23が妨げないようにしている。
【0031】
また、
図7は、カバー部材24を取り外した状態の収容部22に収容された回転体21の左側を示している。筒状本体21aの左側部に組み付けられた側面部21cは、四角形の板部材の中央に支持軸26を通すための挿通穴(図示せず)を形成して構成されている。そして、側面部21cの外面における挿通穴を挿通した支持軸26の端部外周側部分には、減速ギア31が取り付けられている。なお、前述した挿通穴21d,25a、支持穴23d、支持軸26、側面部21cの挿通穴および減速ギア31は同軸になるように配置されている。
【0032】
また、側面部21cの外面における減速ギア31の横には、減速ギア31に歯合するモータギア32が配置されている。このモータギア32は、ステッピングモータ30の本体(図示せず)から延びる回転軸33の先端に取り付けられており、回転軸33を介して伝達されるステッピングモータ30の駆動力を減速ギア31に伝える。このため、ステッピングモータ30が作動すると、回転軸33が回転し、回転軸33の回転がモータギア32を介して減速ギア31に伝わり減速ギア31とともに支持軸26および回転体21が回転する。
【0033】
また、減速ギア31の歯数は、モータギア32の歯数よりも多くなっている。これによって、減速ギア31の回転数はモータギア32の回転数よりも少なくなり、ステッピングモータ30の駆動力は減速されて減速ギア31に伝わる。これらのステッピングモータ30、モータギア32および減速ギア31等で構成される駆動機構は、側面部21cにカバー部材24を取り付けることによって外部からは見えなくなる。
【0034】
また、回転表示装置20には、前述した各装置の他、
図2に示した始動信号発生部37や本発明に係る指定信号発信装置としての指定信号発生部38も備わっている。始動信号発生部37は、例えば、パチンコ機10の表面における所定部分に設けた押しボタンで構成し、この押しボタンを押圧操作したときに、始動信号が制御装置40に発信されてステッピングモータ30の作動により回転体21が回転するようにすることができる。また、始動信号発生部37は、センサで構成してハンドル14の近傍に設置することもできる。この場合、ハンドル14が回転操作されたときに、ハンドル14が停止位置から離れたことを始動信号発生部37が検出しその検出信号を制御装置40に送信するようにする。
【0035】
また、指定信号発生部38は、表示面A〜Dの4つの表示面に施された図柄を表示させるための指定信号38a,38b,38c,38dを発生する装置で構成されている。指定信号発生部38は抽選機能を備えており、抽選により所定の数値を指定したときに、その指定信号38a,38b,38c,38dのいずれかを制御装置40に送信する。また、入賞装置16の近傍には、センサが設置されており、このセンサが遊技球を検出したときに、抽選が行われる。すなわち、遊技球が入賞装置16に入賞すると乱数が発生し、その中から所定の数値が決定される。そして、これらの数値と図柄とを対応させておき、指定信号発生部38がこの数値に対応する指定信号を発信することにより抽選された数値に対応する図柄が表示される。
【0036】
また、制御装置40は、CPU41、ROM42、RAM43およびタイマ44を備えている。この制御装置40は、接続配線を介して、センサ35,36、始動信号発生部37、指定信号発生部38およびステッピングモータ30に接続され、センサ35,36、始動信号発生部37、指定信号発生部38から送られる信号に基づいてステッピングモータ30の作動を制御する。ROM42には、CPU41が実行するためのプログラムや各種のデータ等が記憶され、RAM43には、CPU41によるプログラムの実行時に一時的にデータが記憶される。RAM43が記憶するデータには、センサ35,36の検出値や経過時間等が含まれる。なお、回転表示装置20は、ROM42に記憶されたプログラムにしたがって作動する。
【0037】
つぎに、回転体21の各表示面A〜Dを表示するための回転表示装置20の作動について
図8(a)ないし
図8(d)および下記の表1を用いて説明する。
【表1】
【0038】
図8(a)ないし
図8(d)においては、図示の左側が収容部22の正面開口側になり、表示面A〜Dは、この位置で停止したときに表示される。表示面Aは、「通常モード」を表す図柄が施された面であり、指定信号発生部38から指定信号38aが発信されたときに制御装置40の制御により表示される。表示面Bは、「大当たり」の状態を表す図柄が施された面であり、指定信号発生部38から指定信号38bが発信されたときに制御装置40の制御により表示される。表示面Cは、「確率変動モード」を表す図柄が施された面であり、指定信号発生部38から指定信号38cが発信されたときに制御装置40の制御により表示される。表示面Dは、「時短モード」を表す図柄が施された面であり指定信号発生部38から指定信号38dが発信されたときに制御装置40の制御により表示される。
【0039】
そして、上皿13に遊技球を入れ、ハンドル14を回転操作することによって、遊技球は遊技領域11に向かって順次発射される。この時点では、液晶画面12には、「通常モード」に応じた演出画像が表示され、回転表示装置20には、遊技状態が「通常モード」であることを示す図柄が表示されている。そして、遊技球が入賞装置16に入賞すると、抽選が行われ、抽選結果に応じた信号が制御装置40に送信される。この抽選結果が「通常モード」に対応したものであれば、指定信号発生部38から指定信号38aが制御装置40に発信されるが、この場合、そのままの状態が維持される。このとき、遮蔽板27の位置は、
図8(a)のようになっており、この状態では、センサ35は遮蔽板27を検出するオン状態になっており、センサ36は、遮蔽板27を検出するオン状態から遮蔽板27を検出しないオフ状態にかわる時期にある。
【0040】
また、抽選によって「大当たり」の状態になり、指定信号発生部38が発信する指定信号38bを制御装置40が受信すると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体21を回転させる。回転体21は、例えば、
図8(a)ないし
図8(d)に示したように、右側面から見た状態で反時計周り方向に回転する。そして、
図8(b)に示したように、センサ35が遮蔽板27を検出したオン状態から遮蔽板27を検出しないオフ状態にかわり、センサ36が、遮蔽板27を検出しないオフ状態になったときに、回転体21の表示面Bを表示させた状態でステッピングモータ30の作動を停止する。
【0041】
このとき、入賞装置17が間欠的に開閉して遊技球が入りやすくなる。なお、センサ35,36が発信する信号は所定の短時間ごとに制御装置40が受信するようになっており、この場合、センサ36がオフ状態を維持し、センサ35がオン状態からオフ状態に変わった瞬間に、CPU41は、ステッピングモータ30の作動を停止させる。これによって、表示面Bに施された図柄が表示されたところで回転体21は停止する。
【0042】
また、「大当たり」の状態は所定時間経過後に解除されて、自動的に「通常モード」に変更される。この所定時間は予め設定されており、制御装置40が指定信号発生部38からの指定信号38bを受信してから所定時間が経過したことをタイマ44が計測すると、CPU41は、再度、ステッピングモータ30を作動させる。そして、遮蔽板27の位置が、
図8(a)の位置になったときに、ステッピングモータ30の作動を停止させる。なお、所定時間が経過する前に、再度、抽選により「大当たり」の状態になるとそのときから時間がカウントされ、所定時間が経過するまで「大当たり」の状態が継続される。
【0043】
また、抽選によって「確率変動モード」になり、指定信号発生部38が発信する指定信号38cを制御装置40が受信すると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体21を回転させる。そして、
図8(c)に示したように、センサ35が遮蔽板27を検出しないオフ状態になり、センサ36が遮蔽板27を検出しないオフ状態から遮蔽板27を検出するオン状態にかわったときに、回転体21の表示面Cを表示させた状態でステッピングモータ30の作動を停止する。このとき、「大当たり」のでる確率が上がる。
【0044】
また、抽選によって「時短モード」になり、指定信号発生部38が発信する指定信号38dを制御装置40が受信すると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体21を回転させる。そして、
図8(d)に示したように、センサ36が遮蔽板27を検出するオン状態になり、センサ35が遮蔽板27を検出しないオフ状態から遮蔽板27を検出するオン状態にかわったときに、回転体21の表示面Dを表示させた状態でステッピングモータ30の作動を停止する。このとき、入賞装置17の開放時間が延長されるモードになる。
【0045】
このようにして、回転表示装置20の作動が行われる。そして、ハンドル14の回転操作が停止され、ハンドル14が停止位置に戻るとプレイは終了する。この場合、遊技者は、通常、「大当たり」、「確率変動モード」および「時短モード」などの有利な状態でプレイを止めることはないため、「通常モード」になっている。このため、回転体21の表示面Aが表示された状態になる。
【0046】
このように、センサ35,36のそれぞれの検出状態の組み合わせを各表示面A〜Dに対応させ、さらに、その組み合わせの一方にオン状態からオフ状態にかわる時期とオフ状態からオン状態にかわるときとの一方を含ませている。そして、これらの状態は、瞬時に発生するものである。このため、ステッピングモータ30に脱調などが生じても、表示面A〜Dをずれのない正確な位置に停止させることができる。また、センサ35,36による遮蔽板27の検出の有無だけで表示する図柄が施された表示面A〜Dを決定できるため簡単な制御ですむ。
【0047】
また、遮蔽板27を回転体21の回転中心軸を中心とした半円状に形成し、センサ35,36を、回転体21の回転中心軸を中心として90度の角度の間隔を保って配置している。このため、回転体21を90度ずつ回転していくことにより、表示面A〜Dが順番に表示されるようになる。この結果、周方向の幅が同じに形成された各表示面A〜Dは、回転体21が停止するたびに正確に収容部22の正面開口に位置するようになる。
【0048】
(第2実施形態)
また、
図9(a)ないし
図9(f)は、本発明の第2実施形態に係る回転表示装置において、回転体51の表示面E〜Jが表示されるときのセンサ55,56,57と遮蔽板58との関係を示している。この回転体51は、全体形状が略六角柱状に形成されている。そして、遮蔽板58は、回転体51の回転中心軸を中心とする半円状に形成され、遮蔽板58に対向して、3個のセンサ55,56,57が設けられている。センサ55,56,57は、それぞれ回転体51の回転中心軸から等距離の位置に、互いに60度の間隔を保った状態で配置されている。
【0049】
図9(a)ないし
図9(f)に示した状態では、センサ55は、回転体51の中心から垂直に上方に延びる仮想線を時計周り方向に30度回転した位置に位置し、センサ56は90度回転した位置に位置し、センサ57は150度回転した位置に位置している。また、図示は省略するが、この回転表示装置の指定信号発信部38は、回転体51の表示面E〜Jに対応する6種類の指定信号を発信する。この回転表示装置のそれ以外の部分の構成は、前述した回転表示装置20と同一である。したがって、説明は省略する。
【0050】
つぎに、この回転表示装置が作動する際に、各表示面E〜Jが表示されるときのセンサ55,56,57のそれぞれの検出状態を下記の表2を用いて説明する。
【表2】
【0051】
この場合、表示面Eが初期位置となる面であり、回転表示装置の作動前は、表示面Eが表示されている。また、
図9(a)ないし
図9(F)においては、図示の左側が収容部22の正面開口側になる。そして、ハンドル14が回転操作されることによってプレイが開始される。プレイの際に、表示面Fを表示させる信号が指定信号発生部38から発信されこれを制御装置40が受信すると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(b)に示したように、センサ55,56がオフ状態で、センサ57がオフ状態からオン状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。
【0052】
また、表示面Gを表示させる信号が指定信号発生部38から制御装置40に送信されると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(c)に示したように、センサ55がオフ状態で、センサ57がオン状態で、センサ56がオフ状態からオン状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。同様にして、表示面Hを表示させる信号が指定信号発生部38から制御装置40に送信されると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(d)に示したように、センサ56,57がオン状態で、センサ55がオフ状態からオン状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。表示面Iを表示させる信号が指定信号発生部38から制御装置40に送信されると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(e)に示したように、センサ55,56がオン状態で、センサ57がオン状態からオフ状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。
【0053】
また、表示面Jを表示させる信号が指定信号発生部38から制御装置40に送信されると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(f)に示したように、センサ55がオン状態で、センサ57がオフ状態で、センサ56がオン状態からオフ状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。そして、表示面Eを表示させる信号が指定信号発生部38から制御装置40に送信されると、CPU41は、ステッピングモータ30を作動させて回転体51を回転させ、
図9(a)に示したように、センサ56,57がオフ状態で、センサ55がオン状態からオフ状態にかわったときにステッピングモータ30の作動を停止する。
【0054】
このように、この回転表示装置では、センサ55,56,57のそれぞれの検出状態の組み合わせを各表示面E〜Jに対応させ、さらに、その組み合わせの一方にオン状態からオフ状態にかわる時期とオフ状態からオン状態にかわるときの一方の瞬時に発生する状態を含ませている。このため、表示面E〜Jを正確な位置に停止させることができる。この場合も、センサ55,56,57による遮蔽板58の検出の有無だけで表示する図柄が施された表示面E〜Jを決定できるため簡単な制御ですむ。
【0055】
また、この回転表示装置では、遮蔽板58を半円状に形成し、センサ55,56,57を、回転体51の回転中心を中心として60度の角度の間隔を保って配置している。このため、回転体51を60度ずつ回転していくことにより、表示面E〜Jが順番に表示されるようになる。この結果、周方向の幅が同じに形成された各表示面E〜Jは、回転体51が停止するたびに正確に収容部22の正面開口に位置するようになる。
【0056】
本発明に係る遊技機の回転表示装置は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では指定信号発生部38を設けて、指定信号発生部38からの指定信号38a等を制御装置40が受信したときに、ステッピングモータ30の作動が停止するようにしているが、指定信号発生部38を省略して、所定時間ごとに、ステッピングモータ30を作動させることにより、各表示面A〜DやE〜Jが所定の順番に表示されるようにしてもよい。また、指定信号発生部38を、リーチの状態になったとき等、前述した遊技状態以外の状態に応じた信号を発信する装置で構成することもできる。
【0057】
さらに、始動信号発生部37を前述した押しボタンやセンサに代えて、上皿13の近傍に設置したセンサで構成しセンサが上皿12内の遊技球検出したときに信号を発生するようにしてもよい。この始動信号発生部37は、プレイ開始時に、回転体21,51の表示面が初期位置である表示面A,E以外の面になっている場合に、ステッピングモータ30を作動させて表示面A,Eを表示させるために用いてもよい。これらの始動信号発生部37や指定信号発生部38等としては、種々のものを用いることができ、回転表示装置20等の動作等についても、前述した実施形態の方法に限らず適宜変更することができる。本発明においては、回転体21,51の回転を停止させて各表示面A〜DやE〜Jを表示させるときのセンサ35,36と遮蔽板27との位置関係やセンサ55〜57と遮蔽板58との位置関係が重要である。
【0058】
また、前述した回転表示装置20では、遮蔽板27を、回転体21の回転中心軸を中心とする半円状に形成して、センサ35,36を、基板25の挿通穴25aの中心から等距離の位置に、90度の間隔を保って配置しているが、これに代えて、遮蔽板27を、回転体21の回転中心軸を中心とする1/4円状に形成して、センサ35,36を、基板25の挿通穴25aの中心から等距離の位置に、45度の間隔を保って配置してもよい。これによっても、回転表示装置20と同様の作用効果を得ることができる。また、遮蔽板27の長さやセンサ35,36の間隔を前述した値以外に変更することもできるが、円周方向の長さにおいて、遮蔽板27の長さとセンサ35,36の間隔とは異なる長さにすることが好ましい。
【0059】
さらに、前述した実施形態では、回転体21,51が、
図8(a)〜
図8(d)や
図9(a)〜
図9(f)の状態で反時計周り方向に回転するようにしているが、この回転は時計周り方向にしてもよい。また、本発明に係る遊技機は、パチンコ機10に限らず、スロットルマシンであってもよい。さらに、本発明に係る遊技機の回転表示装置のそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。