(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により前記像保持体の前記潜像を現像したトナー像の濃度又は被転写体に転写された前記トナー像の濃度を検出する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段によって検出された前記トナー像の濃度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
湿度を検出する湿度検出手段と、
前記湿度検出手段によって検出された前記湿度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
白点を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、白点を検出する白点検出手段と、
前記白点検出手段によって検出された前記白点に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像剤保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
白点を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、白点を検出する白点検出手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記白点検出手段によって検出された前記白点の数が予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
線濃度を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、線濃度を検出する線濃度検出手段と、
前記線濃度検出手段によって検出された前記線濃度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
線濃度を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、線濃度を検出する線濃度検出手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記線濃度検出手段によって検出された前記線濃度が予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
濃度むらを検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、濃度むらを検出する濃度むら検出手段と、
前記濃度むら検出手段によって検出された前記濃度むらに基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
濃度むらを検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、濃度むらを検出する濃度むら検出手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記濃度むら検出手段によって検出された前記濃度むらの度合いが予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
予め定められた時間内において、前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときの現像剤の量の合計を算出する現像剤量算出手段と、
前記現像剤量算出手段によって算出された前記現像剤の量の合計に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、
前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、
前記現像剤供給部から供給される、少なくともキャリアを含む前記現像剤の帯電量を検出する帯電量検出手段と、
前記帯電量検出手段によって検出された前記帯電量に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段と、
を含み、
前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する現像装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画質の低下を抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1
〜10に記載の発明に係る現像装置は、現像剤を保持すると共に回転して、現像剤供給部から各々に供給された前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、互いに対向するように配置された複数の現像保持体と、前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、を含んで構成されている。
【0006】
また、請求項
11〜20に記載の発明に係る現像装置は、現像剤を保持すると共に回転して、前記現像剤を、回転すると共に潜像を保持する像保持体へ各々搬送する複数の現像剤保持体であって、少なくとも1つの現像剤保持体は、前記現像剤供給部から供給された前記現像剤の一部を他の現像剤保持体へ供給し、前記現像剤の残りを保持し、互いに対向するように配置された複数の現像剤保持体と、前記像保持体の回転方向の最も下流側の現像剤保持体以外の少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する速度変更手段と、を含んで構成されている。
【0007】
また、請求項
1、11記載の発明では、上記
の現像装置において、前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により前記像保持体の前記潜像を現像したトナー像の濃度又は被転写体に転写された前記トナー像の濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手段によって検出された前記トナー像の濃度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0009】
また、請求項
2、12記載の発明では、上記
の現像装置において、湿度を検出する湿度検出手段と、前記湿度検出手段によって検出された前記湿度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の回転速度を変更する
。
【0010】
また、請求項
3、13記載の発明では、上記
の現像装置において、白点を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、白点を検出する白点検出手段と、前記白点検出手段によって検出された前記白点に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像剤保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0011】
また、請求項
4、14記載の発明では、上記
の現像装置において、白点を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、白点を検出する白点検出手段を更に含み、前記速度変更手段は、前記白点検出手段によって検出された前記白点の数が予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0012】
また、請求項
5、15記載の発明では、上記
の現像装置において、線濃度を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、線濃度を検出する線濃度検出手段と、前記線濃度検出手段によって検出された前記線濃度に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の回転速度を変更する。また、請求項
6、16記載の発明では、上記
の現像装置において、線濃度を検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、線濃度を検出する線濃度検出手段を更に含み、前記速度変更手段は、前記線濃度検出手段によって検出された前記線濃度が予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0013】
また、請求項
7、17記載の発明では、上記
の現像装置において、濃度むらを検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、濃度むらを検出する濃度むら検出手段と、前記濃度むら検出手段によって検出された前記濃度むらに基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の回転速度を変更する。また、請求項
8、18記載の発明では、上記
の現像装置において、濃度むらを検出するための前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときのトナー像又は被転写体に転写された前記トナー像から、濃度むらを検出する濃度むら検出手段を更に含み、前記速度変更手段は、前記濃度むら検出手段によって検出された前記濃度むらの度合いが予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0014】
また、請求項
9、19記載の発明では、上記
の現像装置において、予め定められた時間内において、前記像保持体の予め定められた潜像が前記現像剤保持体による前記現像剤の搬送により現像されたときの現像剤の量の合計を算出する現像剤量算出手段と、前記現像剤量算出手段によって算出された前記現像剤の量の合計に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の現像時の回転速度を変更する。
【0016】
また、請求項
10、20記載の発明では、上記
の現像装置において、前記現像剤供給部から供給される、少なくともキャリアを含む前記現像剤の帯電量を検出する帯電量検出手段と、前記帯電量検出手段によって検出された前記帯電量に基づいて、前記像保持体と前記現像剤保持体との間の電位差によって発生する現像電界を前記像保持体への露光量または前記現像剤保持体への印加電圧によって制御する現像電界制御手段とを更に含み、前記速度変更手段は、前記現像電界制御手段によって前記現像保持体と前記像保持体との間に形成される現像電界が、予め定められた範囲外である場合に、前記少なくとも1つの現像剤保持体の回転速度を変更する。
【0018】
また、請求項
21記載の発明に係る画像形成装置は、上記請求項1〜請求項
20の何れか1項記載の現像装置と、表面に形成された潜像が前記現像装置の前記現像剤によって現像される前記像保持体と、を含んで構成されている。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1
〜10に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0020】
また、請求項
11〜20に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0021】
また、請求項
1、11に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、適正なトナー濃度を維持しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0023】
また、請求項
2、12に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに、湿度に応じて、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0025】
また、請求項
3、13に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、白点を抑制しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0026】
また、請求項
4、14に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、白点を抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0027】
また、請求項
5、15に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、適正な線濃度を維持しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0028】
また、請求項
6、16に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、適正な線濃度を維持しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0029】
また、請求項
7、17に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、濃度むらを抑制しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0030】
また、請求項
8、18に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、濃度むらを抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0031】
また、請求項
9、19に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに、予め定められた時間内の現像剤の量の合計に応じて複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0033】
また、請求項
10、20に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、現像電界を予め定められた範囲外とせずに、現像剤の帯電量に応じて複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【0035】
また、請求項
21に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画質の低下を抑制しつつ、複数の現像剤保持体による現像性を変更することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0038】
(本実施形態に係るプリンタの構成)
まず、本実施形態に係るプリンタの構成を説明する。
図1には、画像形成装置の一例としてのプリンタ10が示されている。
【0039】
プリンタ10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するデジタルプリンタであり、内部に画像処理装置(図示省略)が設けられている。画像処理装置は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに画像処理を施すようになっている。
【0040】
プリンタ10の上部には、
図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換可能に設けられている。なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色に対応する部材の符号にY、M、C、Kを付与して区別する。
【0041】
トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、それぞれトナー供給路13Y、13M、13C、13Kの一端が接続されている。なお、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kは、パイプで構成されており、プリンタ10の側面に沿って下方側へ向けられた配置となっているが、途中経路の図示は省略している。
【0042】
また、プリンタ10の中央部には、Y、M、C、Kの現像剤に対応する4つの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が、正面視にて右斜め下方に向けて互いに一部を重ねた状態で配置されている。現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合された二成分現像剤である。ここで、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kの他端が、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにそれぞれ接続されており、各色のトナーが各画像形成ユニット12に供給されるようになっている。
【0043】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、転写部14が設けられている。転写部14は、中間転写体の一例としての中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材の一例としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0044】
中間転写ベルト16は、図示しないモータで駆動される駆動ロール22と、中間転写ベルト16の張力を調整する張力付与ロール24と、二次転写ロール20と対向配置された支持ロール26との間に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール22により、
図1の矢印X方向(反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
【0045】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの後述する感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性(本実施形態では一例として正極性)の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20も、給電ユニットによって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0046】
また、中間転写ベルト16の駆動ロール22が設けられている位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34を備えており、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0047】
プリンタ10の記録用紙Pの搬送経路と反対側の側面近傍には、プリンタ10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。また、画像形成ユニット12の下側には、帯電された感光体28の表面に各色に対応した露光光L(LY、LM、LC、LK)を照射して静電潜像を形成する露光ユニット40が設けられている。
【0048】
露光ユニット40は、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kに共通の1つのユニットで構成されており、4つの半導体レーザ(図示省略)を各色の色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザから露光光LY、LM、LC、LKを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、露光ユニット40は、各画像形成ユニット12毎に個別に設けてもよい。
【0049】
また、露光ユニット40は、直方体状のフレーム38で密閉されており、内部には、各露光光Lを主走査方向に走査するためのf−θレンズ(図示省略)及びポリゴンミラー42が設けられている。フレーム38の上面には、4本の露光光LY、LM、LC、LKを、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28に向けて出射するためのガラス窓44Y、44M、44C、44Kが設けられている。
【0050】
ここで、露光ユニット40の半導体レーザから出射された露光光LY、LM、LC、LKは、f−θレンズを介してポリゴンミラー42に照射され、このポリゴンミラー42によって偏向走査される。ポリゴンミラー42で偏向走査された露光光LY、LM、LC、LKは、結像レンズ及び複数枚のミラーからなる光学系(図示省略)を介して、感光体28上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
【0051】
一方、露光ユニット40の下側には、記録用紙Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、記録用紙Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0052】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、記録用紙Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。ここで、給紙カセット46から給紙ロール48によって順次送出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、間欠的に回転する用紙先端位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで一旦搬送され、停止される。
【0053】
二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられた排出装置の一例としての排紙ロール66によって、プリンタ10の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0054】
次に、画像形成ユニット12について説明する。ここでは、一例として、画像形成ユニット12Mについて説明する。なお、他の各色に対応した画像形成ユニット12Y、12C、12Kは、画像形成ユニット12と同様の構造であるため、説明を省略する。また、画像形成ユニット12Mの各構成部材については、符号Mを省略して表示する。
【0055】
図2に示すように、画像形成ユニット12は、矢印A(時計回り)方向に回転駆動される感光体28を備えている。感光体28の周囲には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電装置の一例としての帯電ロール(図示省略)と、前述の露光光Lにより感光体28上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像装置の一例としての現像部70と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ(図示省略)と、除電後の感光体28の表面を清掃するクリーニングユニット(図示省略)とが設けられている。
【0056】
帯電ロール(図示省略)、現像部70、イレーズランプ(図示省略)、及びクリーニングユニット(図示省略)は、感光体28の表面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0057】
次に、プリンタ10の画像形成工程について説明する。
【0058】
図1に示すように、画像処理装置(図示省略)で画像処理が施された画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、各感光体28に走査露光を行い、潜像(静電潜像)が形成される。
【0059】
図1及び
図2に示すように、感光体28上に形成された静電潜像は、現像部70によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像(現像剤像)として顕在化され現像が行われる。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0060】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきた記録用紙P上に二次転写される。そして、記録用紙P上の各色のトナー像が定着装置60で定着され、定着後の記録用紙Pは、排出部68に排出される。
【0061】
トナー像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニングユニット76によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が、クリーニング装置30で除去される。
【0062】
(現像部70の構成)
次に、現像装置の一例としての現像部70の構成について説明する。
【0063】
現像部70は、
図2に示すように、現像剤Gが収容される2つの現像剤収容室80A、80Bが内部に形成された筐体81を備えている。
【0064】
現像剤収容室80A、80Bには、
図2に示すように、現像剤Gを攪拌(混合)して搬送する攪拌搬送路84A、84Bが形成されている。
【0065】
攪拌搬送路84Aは、底面から立設された仕切壁93Aで仕切られ、第1攪拌路84Cと第2攪拌路84Dの2つの攪拌路が設けられている。仕切壁93Aの両端部位置には、第1開口と第2開口(図示省略)が形成されており、この第1開口と第2開口によって、第1攪拌路84Cと第2攪拌路84Dが通じている。
【0066】
第1攪拌路84Cには、前述のトナー供給路13M(
図1参照)の他端が接続されるトナー供給口(図示省略)が形成されている。これにより、トナーカートリッジ11Mのトナーが、トナー供給路13Mを流下して、画像形成ユニット12M(現像部70)に供給されるようになっている。
【0067】
第1攪拌路84Cには、第1攪拌搬送部材91Aが配置されている。第1攪拌搬送部材91Aは、筐体81に回転可能に支持された第1軸部(図示省略)と、第1軸部の周りに設けられた螺旋状の第1羽根部(図示省略)とで構成されている。同様にして、第2攪拌路84Dには、第2攪拌搬送部材92Aが配置されている。第2攪拌搬送部材92Aは、筐体81に回転可能に支持された第2軸部(図示省略)と、第2軸部の周りに設けられた螺旋状の第2羽根部(図示省略)とで構成されている。
【0068】
第1軸部及び第2軸部がそれぞれ回転することで、攪拌搬送路84A内の現像剤Gは、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84C内、及び第2攪拌路84D内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Cと第2攪拌路84Dとの間を循環するようになっている。
【0069】
また、攪拌搬送路84Bは、攪拌搬送路84Aと同様に、底面から立設された仕切壁93Bで仕切られ、第1攪拌路84Eと第2攪拌路84Fの2つの攪拌路が設けられている。仕切壁93Bの両端部位置には、第1開口と第2開口(図示省略)が形成されており、この第1開口と第2開口によって、第1攪拌路84Eと第2攪拌路84Fが通じている。
【0070】
第1攪拌路84Eには、前述のトナー供給路13M(
図1参照)の他端が接続されるトナー供給口(図示省略)が形成されている。これにより、トナーカートリッジ11Mのトナーが、トナー供給路13Mを流下して、画像形成ユニット12M(現像部70)に供給されるようになっている。
【0071】
第1攪拌路84Eには、第1攪拌搬送部材91Bが配置されている。第1攪拌搬送部材91Bは、筐体81に回転可能に支持された第1軸部(図示省略)と、第1軸部の周りに設けられた螺旋状の第1羽根部(図示省略)とで構成されている。同様にして、第2攪拌路84Fには、第2攪拌搬送部材92Bが配置されている。第2攪拌搬送部材92Bは、筐体81に回転可能に支持された第2軸部(図示省略)と、第2軸部の周りに設けられた螺旋状の第2羽根部(図示省略)とで構成されている。
【0072】
第1軸部及び第2軸部がそれぞれ回転することで、攪拌搬送路84B内の現像剤Gは、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84E内、及び第2攪拌路84F内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Eと第2攪拌路84Fとの間を循環するようになっている。
【0073】
また、
図2に示すように、筐体81には、感光体28側の側壁に開口部98が形成されている。また、現像剤収容室80Aには、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印B方向(時計方向)に回転する現像ロール70Aが設けられている。
【0074】
また、現像剤収容室80Bには、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印C方向(反時計方向)に回転する現像ロール70Bが設けられている。
【0075】
さらに、現像ロール70Aと現像ロール70Bとの間には、規制ロール97が設けられている。
【0076】
また、規制ロール97は、現像ロール70A外周面及び現像ロール70B外周面の各々と間隔をあけて配置されている。規制ロール97は、現像ロール70A、70B表面の現像剤の通過量を規制して、現像ロール70A、70B表面に予め決められた厚さの現像剤層を形成するようになっている。
【0077】
現像ロール70A、70Bは、感光体28の外周面と対向配置されている。また、現像ロール70A、70Bは、現像剤収容室80A、80Bに固定されたマグネットロール(図示省略)と、中空円筒状でマグネットロールの外回りを回転可能に設けられた筒状の回転体としての現像スリーブ(図示省略)とで構成されている。現像ロール70A、70Bには、給電ユニット(図示省略)から現像バイアス電圧が印加されて、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に、現像電界が形成され、現像するときに現像剤G中のトナーを感光体28の潜像に向けて移動させるようになっている。
【0078】
現像ロール70A、70Bの双方は、上下の現像剤収容室80A、80Bから現像剤を受け取り、その後薄層形成をして現像剤を保持し、現像を行う。また、現像後は、現像ロール70Aは、第1攪拌路84C又は第2攪拌路84Dに現像剤を戻し、現像ロール70Bは、第1攪拌路84E又は第2攪拌路84Fに現像剤を戻す。
【0079】
なお、上記のように上下の現像ロールのそれぞれが、もう一方の現像ロールを介さずに現像剤を受け取り、それぞれが別々に現像剤を攪拌路に戻す場合、現像ロールの回転方向は、どちらの方向であってもよい。
【0080】
図3は、制御ユニット36の構成を示す図である。
【0081】
制御ユニット36は、プリンタ10の全体の制御を司るCPU150を備える。CPU150は、ROM152、RAM154、ハードディスク記憶装置156、画像データ入力部158、操作表示部160、画像形成制御部162、画像データ処理部164、及び光学センサ165の各々と、コントロールバスやデータバス等のバス166を介して接続される。
【0082】
ROM152は、プリンタ10を制御するための制御プログラムを記憶する。RAM154は、種々のデータ等を処理するためのワークスペースとして用いられる。ハードディスク記憶装置156は、画像データや画像形成に関する種々のデータ等を記憶する。
【0083】
画像データ入力部158は、パソコン等から画像データの入力を受け付ける。入力された画像データは、ハードディスク記憶装置156に送信される。
【0084】
操作表示部160は、操作機能と表示機能とが一体化されたタッチパネルの他、ユーザが各種操作を行うための操作ボタンを含んで構成される。操作表示部160は、記録用紙Pへの画像形成の開始等の操作を受け付け、プリンタ10の制御の状態等をユーザに報知する。
【0085】
画像形成制御部162は、画像データに基づいて記録用紙Pに画像を形成するために、画像形成ユニット12K、12C、12M、12Yの駆動、及び各種ロール等のモータ(図示省略)の駆動を制御する。
【0086】
画像データ処理部164は、ハードディスク記憶装置156に記憶された画像データに対して、各色の色材階調データへの変換などの画像処理を行う。
【0087】
光学センサ165は、中間転写ベルト16上の画像形成ユニット12K、12C、12M、12Yより下流であって、二次転写ロール20より上流に設けられ、中間転写ベルト16上に転写されたトナー像のトナー濃度を検出する。
【0088】
次に、
図4を参照して、第1の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンについて説明する。例えば、画像形成処理と画像形成処理との間に、現像電界調整を指示する指示信号が入力されると、ROM152に記憶された現像電界調整プログラムをCPU150が実行することにより、シアン、マゼンダ、イエローの各インク色について、本ルーチンが開始する。なお、以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0089】
まず、ステップ100において、トナー濃度を検出するためのシアンのテストパターンを生成すると共に、画像形成制御部162により、シアンのテストパターンを現像したトナー像が中間転写ベルト16上に形成される。そして、ステップ102で、光学センサ165の読取位置に、テストパターンを現像したトナー像が搬送されてきた場合に、光学センサ165により、テストパターンのトナー像全面から画像を読み取り、テストパターンに基づいた読取データから、シアンのトナー濃度を測定する。
【0090】
次のステップ104では、上記ステップ102で測定されたトナー濃度に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、測定されたトナー濃度が、予め定められた濃度範囲内でない場合、予め定められた濃度範囲内にするための現像バイアス電圧及び露光量を決定する。
【0091】
そして、ステップ106において、上記ステップ104で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が予め定められた範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、感光体28の回転方向上流側に配置された現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御して、上記ステップ100へ戻る。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。例えば、複数段階の回転速度が予め設定されている場合には、回転速度の段階を上げるように制御する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい現像電界に対応する電界である場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。例えば、複数段階の回転速度が予め設定されている場合には、回転速度の段階を下げるように制御する。
【0092】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた電界範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ104で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、トナー濃度に応じた現像電界が形成されるように現像バイアス電圧または露光量が調整される。
【0093】
ここで、
図5に示すように、2つの現像ロールで、現像を行う場合に、感光体の回転方向上流側に配置された1本目の現像ロールの回転速度を下げると、現像されるトナー量が変わり、現像性が変化することが分かる。
【0094】
また、画質の低下を防止する現像電界について示す。通常、現像電界が高すぎると白点発生という欠陥が生じ、現像電界が低すぎると、細線とカブリが両立しないという欠陥や、または濃度むらが出やすくなるという問題が生じる。
図6は、白点の発生数と現像電界の関係を示した図である。現像電界が大きいと白点が発生しやすくなることが分かる。
【0095】
また、
図9は、現像電界と濃度斑(面内むら)との関係を示した図である。現像電界が低すぎると濃度むらの度合いが大きくなることが分かる。
図7は、現像電界(Vdeve)とクリーニング電界(Vcln)との比と、細線濃度再現性との関係を示した図である。これより、Vdeve/Vcln比は一定値以上でないと細線が再現できないことが分かる。しかし、Vdeve/Vcln比を一定値以上で維持するためには、現像電界(Vdeve)が小さくなった場合、クリーニング電界(Vcln)も小さくしなければならない。このとき、
図8に示すクリーニング電界とカブリとの関係より、クリーニング電界(Vcln)が小さくなりすぎると、本来現像されてはいけない部分にトナーが現像されてしまう「カブリ」という現象が発生する。したがって、現像電界が小さくなりすぎると細線再現とカブリ防止の両立ができなくなることが分かる。
【0096】
以上より、現像電界は高すぎても低すぎても問題が発生するため、画質の低下を防止するために必要な現像電界の範囲内を維持することが望ましい。
【0097】
上記の現像電界制御処理ルーチンにおいて、トナー濃度に応じて決定された現像バイアス電圧又は露光量に基づく現像電界が予め定められた範囲外となった場合には、現像ロールの回転速度を変更して、現像性を変更することにより、予め定められた現像電界の範囲内に現像電界を維持し、画質の劣化を防止する。
【0098】
ここで、予め定められた範囲内に現像電界を維持するために、1本目の現像ロールの周速を変更する理由について説明する。2本目の現像ロールの周速を変えるという手段でも現像電界の制御幅は広がるが、2本目の現像ロールの周速を変更すると画質も変わるため望ましくない。例えば、2本目の現像ロールの周速を早くするほど、
図10に示すように、画像に縦筋のような斑が見え始める。また、2本目の現像ロールの周速を遅くするほど、
図11に示すように、濃度斑が発生する。
図10と
図11にそれぞれの関係を示す。
【0099】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの現像電界範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、検出されたトナー濃度に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0100】
なお、上記の実施の形態では、検出されたトナー濃度に基づいて決定された現像電界が、予め定められた現像電界範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出されたトナー濃度が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた濃度範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、検出されたトナー濃度が、予め定められた濃度範囲の上限値より高い場合、現像性を低下させるために、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更し、また、検出されたトナー濃度が、予め定められた濃度範囲の下限値より低い場合、現像性を高めるために、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更すればよい。
【0101】
次に第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0102】
第2の実施の形態では、湿度に基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0103】
ここで、
図12に示すように、第2の実施の形態に係るプリンタの制御ユニット236では、CPU150が、ROM152、RAM154、ハードディスク記憶装置156、画像データ入力部158、操作表示部160、画像形成制御部162、画像データ処理部164、及び湿度センサ265の各々と、バス166を介して接続される。
【0104】
湿度センサ265は、プリンタ10の内部に設けられ、湿度を検出する。
【0105】
なお、第2の実施の形態に係るプリンタの他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
次に、
図13を参照して、第2の実施の形態に係る現像電界制御処理ルーチンについて説明する。なお、以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0107】
まず、ステップ200で、湿度センサ265によって、湿度を検出する。そして、ステップ202において、上記ステップ200で検出された湿度に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、検出された湿度が高いほど、高い現像バイアス電圧及び大きい露光量を決定する。
【0108】
そして、ステップ106において、上記ステップ202で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が予め定められた範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、感光体28の回転方向上流側に配置された現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御する。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。
【0109】
そして、ステップ204において、予め定められた現像電界の範囲に対応する予め定められた電圧範囲内又は予め定められた露光量の範囲内で、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。例えば、上記ステップ202で決定された現像バイアス電圧が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい現像電界に対応する現像バイアス電圧である場合には、予め定められた電圧範囲の上限値に、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧を調整する。また、上記ステップ202で決定された現像バイアス電圧が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい現像電界に対応する現像バイアス電圧である場合には、予め定められた電圧範囲の下限値に、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧を調整する。
【0110】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ104で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、湿度に応じた現像電界が形成されるように、現像バイアス電圧又は露光量が調整される。
【0111】
以上説明したように、第2の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの現像電界外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、検出された湿度に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0112】
なお、上記の実施の形態では、検出された湿度に基づいて決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出された湿度が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた湿度範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、検出された湿度が、予め定められた湿度範囲の上限値より高い場合、湿度により現像電界が小さくなるため、現像性を高めるために、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更し、また、検出されたトナー濃度が、予め定められた湿度範囲の下限値より低い場合、湿度により現像電界が大きくなるため、現像性を低下させるために、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更すればよい。
【0113】
次に第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態に係るプリンタは、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
第3の実施の形態では、検出された白点の数に基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0115】
図14を参照して、第3の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンについて説明する。以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0116】
まず、ステップ300において、白点を検出するためのシアンのテストパターンを生成すると共に、画像形成制御部162により、シアンのテストパターンを現像したトナー像が中間転写ベルト16上に形成される。そして、ステップ302で、光学センサ165の読取位置に、テストパターンを現像したトナー像が搬送されてきた場合に、光学センサ165により、テストパターンのトナー像全面から画像を読み取り、テストパターンに基づいた読取データから、白点を検出する。
【0117】
次のステップ304では、上記ステップ302で検出された白点の数に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。を決定する。例えば、検出された白点の数が、予め定められた個数(例えば、A3サイズにおいて4個)より多い場合、白点の数を減らすための現像バイアス電圧及び露光量を決定する。
【0118】
そして、ステップ106において、上記ステップ304で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像限界が、予め定められた現像電界の範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御して、上記ステップ300へ戻る。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。
【0119】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ304で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、白点の検出結果に応じた現像電界が形成されるように現像バイアス電圧又は露光量が調整される。
【0120】
以上説明したように、第3の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの現像電界の範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、白点の検出結果に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0121】
なお、上記の実施の形態では、白点の検出結果に基づいて決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出された白点の個数が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、検出された白点の個数が、予め定められた範囲の上限値より多い場合、現像電界が大きいと判断されるため、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更すればよい。
【0122】
次に第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態に係るプリンタは、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0123】
第4の実施の形態では、測定された細線濃度に基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0124】
図15を参照して、第4の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンについて説明する。以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0125】
まず、ステップ400において、1ビットの細線濃度を測定するためのシアンのテストパターンを生成すると共に、画像形成制御部162により、シアンのテストパターンを現像したトナー像が中間転写ベルト16上に形成される。そして、ステップ402で、光学センサ165の読取位置に、テストパターンを現像したトナー像が搬送されてきた場合に、光学センサ165により、テストパターンのトナー像全面から画像を読み取り、テストパターンに基づいた読取データから、細線濃度を測定する。
【0126】
次のステップ404では、上記ステップ402で検出された細線濃度に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、測定された細線濃度が、予め定められた濃度範囲内でない場合、予め定められた濃度範囲内にするための現像バイアス電圧及び露光量を決定する。
【0127】
そして、ステップ106において、上記ステップ404で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が、予め定められた現像電界の範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御して、上記ステップ400へ戻る。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。
【0128】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ404で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、細線濃度の検出結果に応じた現像電界が形成されるように現像バイアス電圧または露光量が調整される。
【0129】
以上説明したように、第4の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの現像電界の範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、細線濃度の検出結果に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0130】
なお、上記の実施の形態では、検出された細線濃度に基づいて決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出された細線濃度が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた濃度範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、検出された細線濃度が、予め定められた濃度範囲の上限値より高い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更し、また、検出されたトナー濃度が、予め定められた濃度範囲の下限値より低い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更すればよい。
【0131】
次に第5の実施の形態について説明する。なお、第5の実施の形態に係るプリンタは、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0132】
第5の実施の形態では、検知された濃度ムラに基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0133】
図16を参照して、第5の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンについて説明する。以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0134】
まず、ステップ500において、濃度ムラを検知するためのシアンのテストパターンを生成すると共に、画像形成制御部162により、シアンのテストパターンを現像したトナー像が中間転写ベルト16上に形成される。そして、ステップ502で、光学センサ165の読取位置に、テストパターンを現像したトナー像が搬送されてきた場合に、光学センサ165により、テストパターンのトナー像全面から画像を読み取り、テストパターンに基づいた読取データから、濃度ムラを検知する。例えば、テストパターン画像のCIELABのL*値を各画素について算出し、画素間のL*値の差分の最大値を、濃度ムラの度合いとして検知する。
【0135】
次のステップ504では、上記ステップ502で検知された濃度ムラの度合いに基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、検知された濃度ムラの度合いが、予め定められた範囲内でない場合、濃度ムラを抑制するための現像バイアス電圧及び露光量を決定する。
【0136】
そして、ステップ106において、上記ステップ504で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が、予め定められた現像電界の範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御して、上記ステップ500へ戻る。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。
【0137】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ504で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、濃度ムラの検知結果に応じた現像電界が形成されるように現像バイアス電圧又は露光量が調整される。
【0138】
以上説明したように、第5の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの電界範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、検知された濃度ムラの度合いに応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0139】
なお、上記の実施の形態では、検知された濃度ムラの度合いに基づいて決定された現像電界が、予め定められた電界範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検出された濃度ムラの度合いが、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、検出された濃度ムラの度合いが、予め定められた範囲の上限値より高い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更し、また、検出された濃度ムラの度合いが、予め定められた範囲の下限値より低い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更すればよい。
【0140】
次に第6の実施の形態について説明する。なお、第6の実施の形態に係るプリンタは、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0141】
第6の実施の形態では、ある一定時間内にトナーが現像される量に基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧又は露光量を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0142】
図17を参照して、第6の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンについて説明する。以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0143】
まず、ステップ600において、画像形成工程が行われたか否かを判定し、画像形成工程が行われていないと判定された場合には、ステップ604へ移行する。一方、画像形成工程が行われたと判定された場合には、当該画像形成工程における画像データに基づいて、トナーの現像量を算出し、トナー現像量の合計値をカウントする。
【0144】
そして、ステップ604において、現像電界制御処理ルーチンを実行開始してから、予め定められた測定時間が経過したか否かを判定する。予め定められた測定時間が経過していない場合には、上記ステップ600へ戻る。一方、予め定められた測定時間が経過した場合には、ステップ606において、カウントされたトナー現像量の合計値に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、トナー現像量の合計値が大きいほど、トナーの帯電量が低くなるため、低い現像バイアス電圧及び小さい露光量を決定する。
【0145】
そして、ステップ106において、上記ステップ606で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が、予め定められた電界範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御する。決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の上限値より大きい場合には、現像ロール70Aの回転速度を上げるように変更する。一方、決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲の下限値より小さい場合には、現像ロール70Aの回転速度を下げるように変更する。
【0146】
そして、ステップ204において、予め定められた現像電界の範囲に対応する予め定められた電圧範囲内又は予め定められた露光量の範囲内で、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。
【0147】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた電界範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ606で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、予め定められた時間内におけるトナーの現像量の合計値に応じた現像電界が形成されるように、現像バイアス電圧又は露光量が調整される。
【0148】
以上説明したように、第6の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの電界範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、予め定められた時間内におけるトナーの現像量の合計値に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0149】
なお、上記の実施の形態では、カウントされたトナー現像量の合計値に基づいて決定された現像電界が、予め定められた電界範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カウントされたトナー現像量の合計値が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、カウントされたトナー現像量の合計値が、予め定められた範囲の上限値より高い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更し、また、カウントされたトナー現像量の合計値が、予め定められた範囲の下限値より低い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更すればよい。
【0150】
次に第7の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0151】
第7の実施の形態では、トナーの帯電量に基づいて、現像ロールに印加する現像バイアス電圧を決定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0152】
図18に示すように、第7の実施の形態に係るプリンタの制御ユニット736では、CPU150が、ROM152、RAM154、ハードディスク記憶装置156、画像データ入力部158、操作表示部160、画像形成制御部162、画像データ処理部164、及び帯電量測定部765の各々と、バス166を介して接続される。
【0153】
帯電量測定部765は、各画像形成ユニット12の現像部70の攪拌搬送路84A又は攪拌搬送路84Bに設けられたセンサを用いて構成され、現像剤の帯電量を測定する。
【0154】
なお、第7の実施の形態に係るプリンタの他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0155】
次に、
図19を参照して、第7の実施の形態に係る現像電界制御処理ルーチンについて説明する。なお、以下では、シアンについて、現像電界調整を行う場合について説明する。
【0156】
まず、ステップ700で、対応する帯電量測定部765によって、トナーの帯電量を測定する。そして、ステップ702において、上記ステップ700で測定された帯電量に基づいて、現像ロール70A、70Bに印加する現像バイアス電圧または感光体28への露光量またはその両方を決定し、現像ロール70A、70Bと感光体28の間に形成される現像電界を決定する。例えば、測定されたトナーの帯電量が大きいほど、高い現像バイアス電圧及び大きい露光量を決定する。
【0157】
そして、ステップ106において、上記ステップ702で決定された現像電界が、予め定められた現像電界の範囲内であるか否かを判定する。現像電界が、予め定められた電界範囲外であると判定された場合には、ステップ108において、現像ロール70Aの回転速度を変更するように制御する。
【0158】
そして、ステップ204において、予め定められた現像電界の範囲に対応する予め定められた電圧範囲内又は予め定められた露光量の範囲内で、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧又は感光体28に対する露光量を調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。
【0159】
一方、上記ステップ106で、現像電界が、予め定められた電界範囲内であると判定された場合には、ステップ110において、現像ロール70A、70Bに印加される現像デバイス電圧または感光体28に対する露光量を、上記ステップ702で決定された現像バイアス電圧または感光体28に対する露光量に調整して、現像電界制御処理ルーチンを終了する。これによって、トナー帯電量に応じた現像電界が形成されるように、現像バイアス電圧または露光量が調整される。
【0160】
以上説明したように、第7の実施の形態に係るプリンタによれば、現像電界を、画質の劣化が生じないときの電界範囲外とせずに、画質の劣化が生じないときの現像電界を維持したまま、測定されたトナー帯電量に応じて、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更して、複数の現像ロールによる現像性を調整する。
【0161】
なお、上記の実施の形態では、測定されたトナーの帯電量に基づいて決定された現像電界が、予め定められた電界範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、測定されたトナーの帯電量が、画質の劣化が生じない範囲として予め定められた範囲外である場合に、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、測定されたトナーの帯電量が、予め定められた範囲の上限値より高い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を速くするように変更し、また、測定されたトナーの帯電量が、予め定められた範囲の下限値より低い場合、感光体の回転方向上流側に配置された現像ロールの回転速度を遅くするように変更すればよい。
【0162】
また、センサを用いてトナーの帯電量を直接測定するのではなく、画像データなどの他の情報から、トナー帯電量を予測するようにしてもよい。
【0163】
次に第8の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0164】
第8の実施の形態では、現像部において、一方の現像ロールから、他方の現像ロールへ現像剤を受け渡す方式となっている点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0165】
第8の実施の形態に係るプリンタの現像部70は、
図20に示すように、現像剤Gが収容される現像剤収容室80Aが内部に形成された筐体81を備えている。現像剤収容室80Aには、
図20に示すように、現像剤Gを攪拌(混合)して搬送する攪拌搬送路84Aが形成されている。
【0166】
攪拌搬送路84Aは、底面から立設された仕切壁93Aで仕切られ、第1攪拌路84Cと第2攪拌路84Dの2つの攪拌路が設けられている。
【0167】
さらに、現像ロール70Bの周辺に、規制ロール97が設けられている。
【0168】
また、規制ロール97は、現像ロール70B外周面と間隔をあけて配置されている。規制ロール97は、現像ロール70B表面の現像剤の通過量を規制して、現像ロール70B表面に予め決められた厚さの現像剤層を形成するようになっている。
【0169】
現像ロール70Bは、現像剤層の一部の現像剤を、現像ロール70Aに受け渡し、現像剤層の残りの現像剤を保持し、現像を行う。現像ロール70Aは、受け取った現像剤で、薄層形成をして現像剤を保持し、現像を行う。また、現像後は、現像ロール70A、70Bの各々は、第1攪拌路84C又は第2攪拌路84Dに現像剤を戻す。
【0170】
なお、上記の第1の実施の形態〜第7の実施の形態における現像電界制御処理ルーチンを組み合わせて実行するようにしてもよい。