【実施例】
【0024】
高系14号から作成された市販のサツマイモペースト(サツマイモ(高系14号)を蒸し、ミンサーで破砕し作成したサツマイモペースト)の固形分100重量部(具体的には約300g)に、表1に示す所定割合の糖類、アミノ酸類を溶解した所定割合の水を添加した後混合し、表1に示すクッキング・バリュー値に従いダブルドラムドライヤー(ジョンソンボイラ社製)にて加熱乾燥した後、クアドロコーミル(POWREX社製)で粉砕してサツマイモパウダー(本発明品1〜5、比較対照品1〜13)を製造した。得られたサツマイモパウダーについて、製造適性および官能評価の評価を行った。
【0025】
製造適性は以下の3段階の基準で評価し、製造適性が△以上で合格とした。
○:適性がある、△:適性許容限界、×:適性がない
【0026】
官能評価は、社内の専門検査に合格した官能検査員5名によって、サツマイモパウダーの、甘焦げ風味の強さ、サツマイモ風味の好ましさ、全体の風味の好ましさについて,次の5段階の基準で行い、+以上で目的に合致していて合格とした。
++:大変強い/大変好ましい、+:強い/好ましい、±:普通、−:弱い/好ましくない、――:大変弱い/大変好ましくない。
【0027】
以下に念のため、本発明品1〜5、比較対照品1〜13の製造方法を示す。
【0028】
(本発明品1)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0029】
(本発明品2)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが10.7となるようにドラムドライヤーで145℃、28秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0030】
(本発明品3)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを30重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0031】
(本発明品4)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を乾燥前ペースト水分が81%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0032】
(本発明品5)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、スクロースを15重量部、L-フェニルアラニンを0.2重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0033】
(比較対象品1)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、乾燥前のサツマイモペースト水分が77%となるように水分を加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分して糖とアミノ酸が無配合のサツマイモパウダーを製造した。
【0034】
(比較対象品2)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、乾燥前のサツマイモペースト水分が55%となるように水分を加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分して糖とアミノ酸が無配合のサツマイモパウダーを製造した。
【0035】
(比較対象品3)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、乾燥前のサツマイモペースト水分が90%となるように水分を加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分して糖とアミノ酸が無配合のサツマイモパウダーを製造した。
【0036】
(比較対象品4)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が50%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0037】
(比較対象品5)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が90%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0038】
(比較対象品6)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが3.5となるようにドラムドライヤーで145℃、9秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0039】
(比較対象品7)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが16.5となるようにドラムドライヤーで145℃、44秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0040】
(比較対象品8)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを0.01重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0041】
(比較対象品9)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、グリシンを1.0重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0042】
(比較対象品10)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを5重量部、グリシンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0043】
(比較対象品11)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、グルコースを15重量部、メチオニンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0044】
(比較対象品12)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、スクロースを15重量部、グルタミン酸ナトリウムを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0045】
(比較対象品13)
サツマイモペーストの固形分100重量部に対して、マルトースを15重量部、L-フェニルアラニンを0.5重量部含む水溶液を、乾燥前ペースト水分が77%となるように加えて混合し、クッキング・バリューが8.0となるようにドラムドライヤーで145℃、21秒の条件で乾燥し、粉砕、篩分してサツマイモパウダーを製造した。
【0046】
結果を表1(表1−1、表1−2)に示す。
【0047】
【表1-1】
【表1-2】
【0048】
表1(表1−1、表1−2)によれば、本発明品1〜5のサツマイモパウダーは、比較対象品1〜13のサツマイモパウダーに比べ、製造適性が好ましく、甘焦げ風味が強く、サツマイモ風味、全体の風味が好ましいものであることが判明した。