特許第5724310号(P5724310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5724310
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】電気ケトル
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   A47J27/21 101W
   A47J27/21 101R
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-254425(P2010-254425)
(22)【出願日】2010年11月15日
(65)【公開番号】特開2012-101004(P2012-101004A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2013年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092875
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 孝治
(74)【代理人】
【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
(74)【代理人】
【識別番号】100116159
【弁理士】
【氏名又は名称】玉城 信一
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 優司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 吉広
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0284861(US,A1)
【文献】 特開昭61−257620(JP,A)
【文献】 実開昭61−143515(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 − 36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器および液体容器加熱手段を備えた湯沸し器本体と、該湯沸し器本体が着脱自在に載置され、同載置状態において上記湯沸し器本体の加熱手段に電源を供給する電源台とからなる電気ケトルであって、上記液体容器が内筒と外筒との真空二重壁構造の容器よりなり、同容器上部の内筒開口縁部外周面または外筒開口縁部外周面、あるいは内筒開口縁部と外筒開口縁部との接合部外周面接触して沸とう検知用の温度検知手段を設けるとともに、同容器の真空断熱空間を形成している二重壁部分外側に電気回路基板を配設したことを特徴とする電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、簡易かつ速やかに湯沸しを行うことができる電気ケトルの容器および沸とう検知部の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、常時保温ヒータに通電して置くことが必要な電気ポットに代わって、お湯が必要な時にのみ、加熱手段に通電して簡易かつ速やかに湯沸しを行うことができるようにした電気ケトルが、省エネ性の高い湯沸し手段として重宝されている。
【0003】
このような電気ケトルは、一重壁構造の液体容器および該液体容器を加熱するヒータ等の加熱手段を備えた湯沸し器本体と、該湯沸し器本体が着脱自在に載置されるようになっていて、湯沸し器本体が載置された状態において、上記加熱手段に電源を供給する給電部を備えた電源台とからなっている(特許文献1,2の構成を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−255170号公報
【特許文献2】特開2008−212316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、以上のような電気ケトルでは、その商品特性上、一重壁構造の液体容器自体に保温性はなく、別に保温ヒータも設けられていない。したがって、湯が必要な時には改めて上記加熱手段に通電することにより湯沸しまたは再加熱が行われ、沸とうセンサにより沸とうしたことが検知されると、速やかに上記湯沸し器本体の湯沸し用加熱手段への通電をOFFにして、湯沸しを停止するようになっている。
【0006】
しかし、ユーザーの側から見ると、電気ケトルとは言っても保温機能があるに越したことはなく、特に一人暮らしの老人などの場合には、一回の湯の使用量も少なく、容器内に未使用の残水が十分にあるにもかかわらず、その都度再加熱するというのは面倒である。
【0007】
そこで、例えば上記液体容器を内筒および外筒よりなる真空二重壁構造の保温容器とすることが考えられる。
【0008】
ところが、そのようにした場合、上記沸とう検知センサの設置個所が問題となり、上記従来例のように、一重壁構造の液体容器外部の任意の場所に設置すると言うわけには行かず、如何にして二重壁部分を避け、沸とう検知の応答性を向上させるかが課題となる。
【0009】
また、上述した従来の電気ケトルの場合、液体容器が一重壁構造であるので、耐熱性の見地から、制御用電源基板等の電気回路基板を容器本体外部の把手部内の極めて狭い部分に配置しているため、設置スペースが狭く、十分な大きさの電気回路基板を設置することができないことに加えて、配設作業も困難で、配線の取り回しも容易でない。
【0010】
この出願の発明は、以上のような液体容器を内筒と外筒よりなる真空二重壁構造とした場合の問題および同液体容器の特徴を生かして従来からの問題を改善、解決するためになされたもので、保温性を有するとともに、応答性の高い沸とう検知が可能で、しかも電気回路基板の設置が容易真空二重壁構造の電気ケトルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0012】
(1) 請求項1の発明
この発明の電気ケトルは、液体容器および液体容器加熱手段を備えた湯沸し器本体と、該湯沸し器本体が着脱自在に載置され、同載置状態において上記湯沸し器本体の加熱手段に電源を供給する電源台とからなる電気ケトルであって、上記液体容器が内筒と外筒との真空二重壁構造の容器よりなり、同容器上部の内筒開口縁部外周面または外筒開口縁部外周面、あるいは内筒開口縁部と外筒開口縁部との接合部外周面接触して沸とう検知用の温度検知手段を設けるとともに、同容器の真空断熱空間を形成している二重壁部分外側に電気回路基板を配設したことを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、液体容器部分が内筒および外筒よりなる真空二重壁構造の真空断熱容器となっているので、有効に保温性能が向上する。また、湯沸し時の放熱量も減少するので、湯沸し時の加熱効率が向上し、省エネ性能が高くなる。
【0014】
しかも、その場合、上記液体容器内の湯の沸とうを検知して湯沸し用加熱手段への通電をOFFにする沸とう検知センサとしての温度検知手段が、同内筒および外筒よりなる真空二重壁構造の液体容器の内筒側開口縁部外周面か又は外筒側の開口縁部外周面、或いは内筒と外筒の各開口縁部の接合部外周面接触して設けられるようになっており、それらの各部は直接的にせよ、間接的せよ、いずれも湯からの熱が伝わりやすいので、内筒内に収納された水の温度の上昇を伝熱性良く(応答性良く)検出することができ、沸とう状態を速やかに検出することができるようになる。
【0015】
その結果、真空断熱容器でありながら、沸とう状態になると、速やかに湯沸し用加熱手段への通電をOFFすることができるようになり、より省エネ性能の高いものとなる。
【0016】
また、この発明の構成では、それに加えて、同内筒および外筒よりなる容器の真空断熱空間を形成している真空二重壁部分の外側に電気回路基板を配設している。
【0017】
したがって、同構成によると、熱の影響を考慮することなく、十分に広い有効な電気回路基板設置スペースを確保することができるようになるので、従来のような把手部内への設置に比べて、遥かに電気回路基板を設置しやすくなることは素より、基板上への電装部品の実装量を増大させることができ、さらなる高機能化を図ることができる。
【0018】
また、設置位置から見て底部材側加熱手段用の電源基板および開口部側沸とう検知用の温度検知手段との接続距離も近くなり、それらの上下方向の中間にあるので、配線の取り回しも容易になる。
【発明の効果】
【0019】
以上の結果、本願発明によれば、保温性能が高く、沸とう検知の応答性も良い、安定した強度の真空二重壁構造の液体容器を備えた高性能の電気ケトルを提供することができるだけでなく、必要な電源基板の配設が容易で、電子部品の実装量が大きい電気ケトルを実現することができるようになる
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願発明の実施の形態1に係る電気ケトルの全体的な構造を示す側方から見た中央部の上下方向断面図である。
図2】同電気ケトルの要部の構造を示す上下方向の一部拡大断面図である。
図3】同電気ケトルの要部の構造を示す上方から見た水平方向の一部拡大断面図である。
図4】同実施の形態1の変形例における電気ケトルの要部である開口部の構造を示す上下方向の断面図である。
図5】本願発明の実施の形態2に係る電気ケトルの要部の構造を示す側方から見た中央部の上下方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施の形態1>
以下、添付の図面を参照して、本願発明の電気ケトルの実施の形態1の構成について、詳細に説明する。
【0022】
先ず図1には、本願発明の実施の形態1にかかる電気ケトル本体の全体的な構成が、また図2には、同電気ケトルの電装品設置部の構成が、さらに図3には同電気ケトルの基板設置部の構成が、それぞれ示されている。
【0023】
(電気ケトル本体部の構成)
この実施の形態の電気ケトル1は、先ず図1に示すように、貯湯用の容器本体1Aと、該容器本体1Aの上部側開口部を開閉する蓋体2と、上記容器本体1Aの液体容器3部分を湯沸し時において加熱する加熱手段である湯沸しヒータ4と、上記液体容器3内の湯を外部へ給湯するための湯注出口5と、上記容器本体1Aの背部に対して上端側から下端側に延びる状態で取り付けられた基板設置部11Cおよび把手部11eとを備えて構成されている。
【0024】
この実施の形態の場合、上記容器本体1Aは、上記液体容器3の内容器部分を形成する有底の筒状体で、上部が開口したステンレス製の第1の筒体3aと、該第1の筒体3aの外周にあって、第1の筒体3a外周面との間に所定の幅の第1の真空断熱空間3cを形成する形で上下両端側を第1の筒体3aに接合することにより、上記第1の筒体3aと共に真空二重壁構造の液体容器3の外壁を形成する外ケースとして一体化された同じくステンレス製の第2の筒体3bと、スリーブ構造の肩部材11と、受皿構造の底部材1Bとからなっている。
【0025】
第1の筒体3aの底部31はフラットに、また側部32は上下方向に略等径の円筒体に形成されている一方、上端側開口縁部33部分は、半径方向外方に徐々に径が拡大されるフレア形状に形成されている。
【0026】
第2の筒体3bは、側部35が上端から下端まで略等径で、上端側開口縁部34を上記第1の筒体3aの上端側開口縁部33の上端側ストレート縁部(フレア部上端側から上方に所定幅ストレートに延びる縁部)に接合されているとともに、下端35a側は上記第1の筒体3aの底部31面よりも所定寸法下方側の位置まで長く延設され、第1の筒体3aの底部31外周面下方に所定の幅の底部側第2の真空断熱空間3dを形成するように、半径方向内側にU状に曲成されて、第1の筒体3aの底部31の外周面内側寄りに接合され、上記第1の筒体3aとの間に上述の側部側第1の真空断熱空間3cに連続する底部側第2の真空断熱空間3dを形成している。
【0027】
第2の筒体3bは、その上端部に外周面側に凸となる形で、全周に亘って断面半円形状のビード部36が形成されており、それによって上記第2,第1の筒体3b,3aの剛性がアップされ、液体容器3の真空引き後の収縮変形が回避されるようになっている。
【0028】
このようにして形成された容器本体1Aの液体容器3には、上記内容器部分を形成している第1の筒体3aの底部31の下面側に周方向に延びる形で平面C字形の湯沸しヒータ4を取り付けているとともに、第2の筒体3bの下部を覆う形で、受皿構造の合成樹脂製の底部材1Bが一体に嵌合されている。
【0029】
湯沸しヒータ4は、例えばフラットな伝熱性の良いヒータプレート4aの外周に断面逆台形状の下方側に所定の高さを有する平面C字形のヒータ埋設用凸部4bを形成し、該ヒータ埋設用凸部4b内に埋め込む形で平面C字形に設置されている。そして、その両端側には、電源配線である電源リード線接続用の電源リード端子が、上記ヒータ埋設用凸部4bの両端から所定の長さ突出する形で設けられている(図示省略)。
【0030】
一方、上記ヒータプレート4aの下面側には、例えば上記ヒータ埋設用凸部4bの内周側に位置して、空焚き検知のための安全用のバイメタルおよび受電用の棒状電極8、スリーブ状電極9、スリーブ状の挿脱用ガイド筒よりなる筒体状の受電カプラ10が設けられている。
【0031】
そして、底部材1Bは、それらを下方側からカバーする形で、上記のように第2の筒体3bの下端部外周に嵌合されて一体化されており、その中央部には、上記受電カプラ10に対応した電源台20側給電プラグ20c挿入用の円形の開口17が設けられている。
【0032】
一方、液体容器3の上端側開口縁部(第1,第2の筒体3a,3b上端側開口縁部33,34同士の接合部)には、合成樹脂製のスリーブ状の肩部材11が嵌合固定されている。
【0033】
この肩部材11は、前端側に突出した下口部分(湯注出口5の下半分部分)11a、周方向全体に亘るスリーブ状の蓋嵌装用の枠部分11b、該枠部分11bの後端側把手基部11dから所定幅断面コ字状に突出し、下方側底部材1Bの後部外周縁部までストレートに延設された合成樹脂製の基板設置部11C、該基板設置部11Cの上端側と上記枠部分11bの後端部が交わる部分から所定寸法後方に延びる合成樹脂製の把手基部11d、同後方に延びた把手基部11dの後端部分から下方に向けて略直角に曲成された合成樹脂製の鉤形の把手部11eとから構成されている。
【0034】
スリーブ状の枠部分11bは、その同方向に延びる下端側端部12aの中間部に上記第1,第2の筒体3a,3bの上端側接合縁部を嵌入させる所定の深さの嵌入溝12bを有しているとともに、その外周部側には当該嵌入溝12bを有する端部12a面よりも所定寸法下方に長く延びる形で、厚さの薄いスカート状のカバー壁12cが設けられている。
【0035】
把手基部11dおよび把手基部11dから下方に向けて鉤形に延びる把手部11eは、全体として内部が空胴の筒状体に形成されており、下方側への曲成部上端側には、支軸7aにより回動可能に軸支された操作スイッチ(電源スイッチ)7が設けられている。
【0036】
また、上記枠部分11bの後端および把手基部11d部分より下方に延びる上述の基板設置部11Cは、例えば図3に示すように、その断面コ字状のボックス部14aの両側に、上記容器本体1Aの第2の筒体3bの外周面に沿って弧状に延びる所定幅の合成樹脂製の背面カバー14b,14bが設けられている。これらボックス部14a、背面カバー14b,14bは、それぞれ下端側を上述の底部材1Bの外周縁部内側に係合させて連結することによって、上記肩部材11と底部材1Bとを相互に連結一体化させるとともに、それらの間に上記真空二重壁構造の液体容器3を保持させる形で、上記把手部11eを持っての注湯操作が可能な容器本体1Aを形成している。
【0037】
そして、上記ボックス部14a内には、上下方向に延びる形で、上下方向に延びる電源基板ユニット15aが、スタッド15b,15bおよびビス15c,15cを介して設置されている。
【0038】
この電源基板ユニット15aは、所定の能力のマイコンを備えているとともに制御用の入出力回路および動作電源回路(5V)、第2のサーミスタ13bなどを有して構成されており、例えば上述した第1のサーミスタ13aが内容器である第1の筒体3a内の湯の沸とう状態を検知した時には、上記底部材1B側電源基板の電源回路をOFFにして湯沸しヒータ4への電源の供給を停止する。
【0039】
また、当該電源基板ユニット15a上には、上記のように当該電源基板ユニット15a付近の温度を検出する第2のサーミスタ13bが設けられており、例えば電装部品に異常が発生したり、第1,第2の筒体3a,3bよりなる容器本体1Aの真空二重壁構造が破壊されて同第2のサーミスタ13bが所定値以上の高温状態を検知したような時にも、同様にして湯沸しヒータ4への電源の供給を停止するようになっいてる。
【0040】
ところで、以上のような上下に長い円筒状の真空二重壁構造の液体容器3を形成する第1,第2の筒体3a,3bは、例えば図3に示すように、その周方向の一部に長手方向(縦方向)の溶接部19a,19bを有している。したがって、上述のように第2の筒体3bをそのまま外ケースとして利用するようにした場合、同溶接部19bがそのまま露出してしまい見映えが悪くなる欠点がある。
【0041】
そこで、この実施の形態では、少なくとも第2の筒体3bの当該溶接部19bを後端側に位置させ、上記基板設置部11Cのボックス部14a部分に対応させることによって、外部から見えないようにしている。
【0042】
(蓋体の構成)
次に蓋体2は、合成樹脂製の上板2aと該上板2aに対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板2bと、その下方の内カバー2cからなっており、上記肩部材11の枠部分11bの開口部に対して上下方向に着脱自在に嵌合されている。
【0043】
上記上板2aおよび下板2b間の空間は、必要に応じて断熱材を充填した断熱構造体に形成されているとともに、下板2bの一部には、下方から上方に向けて凹んだ蒸気パイプの収納部が設けられている。そして、同収納部内に収納設置された蒸気パイプには、下方側内カバー2cの蒸気導入口部21aから上方側蒸気排出口21dに向けて相互にジグザグ構造に連通した蒸気排出通路21b〜21cが形成されている。そして、同蒸気排出通路21b〜21c下部の蒸気導入口部21a内には、転倒止水弁22が設置されている。
【0044】
また、一方符号18は、湯の注出状態をロック・アンロックする機械式のロック・アンロックスイッチであり、同ロック・アンロックスイッチ18が付勢スプリング18bの反発力に抗して下方側に押し下げられると、弁体部材18aが所定ストローク下方に押し下げられ、蓋体2側と容器本体1Aの湯注出口5側との間の湯注出通路5aを開放し、内容器である第1の筒体3a内の湯の注出を可能とする。
【0045】
(電源台の構成)
他方、符号20は卓上型の電源台であり、その中央部には、上記容器本体1A側スリーブ構造の受電カプラ10内に嵌合される同じくスリーブ構造の給電カプラ30が所定の高さ突出して設けられている一方、裏面側にはAC電源コード20bの収納部20aが設けられている。
【0046】
給電カプラ30は、上記受電カプラ10のスリーブ状のガイド筒に対応して、その内側に摺動可能に嵌合されるガイド筒30aと、該ガイド筒30aの内周側にあって、上記スリーブ状電極9の内側にブラシ構造の電極を介して嵌合接触するスリーブ状電極30bと、該スリーブ状電極30bの内側にあって、上記受電カプラ10側の棒状電極8が挿入される軸筒状電極30cとからなっており、上記電源コード収納部20aのAC電源コード20bがAC電源に接続されると、上記電源台20側給電カプラ30を介して上記容器本体1A側受電カプラ10にAC電源が供給され、さらに同受電カプラ10を介して上述の底部材側湯沸しヒータ用電源基板の電源回路に電源が供給される。
【0047】
その結果、同電源回路を介して、さらに操作スイッチ7、上記基板設置部11C内の電源基板ユニット15aの電源回路、上記湯沸しヒータ4C、空焚き検知のための安全用バイメタル、沸騰検知センサである第1のサーミスタ13aなどに電源が供給されることになる。
【0048】
以上のように、この出願の発明の実施の形態の構成では、液体容器3および液体容器3の加熱手段である湯沸しヒータ4を備えた湯沸し器本体1Aと、該湯沸し器本体1Aが着脱自在に載置され、同載置状態において上記湯沸し器本体1Aの加熱手段である上記湯沸しヒータ4に電源を供給する電源台20とからなる電気ケトルであって、上記液体容器3が内容器(内筒)である第1の筒体3aと外ケース(外筒)である第2の筒体3bよりなる真空二重壁構造の容器よりなり、同液体容器3上部の内容器である第1の筒体3aの開口縁部と外ケースである第2の筒体3bの開口縁部との接合部外周面部分に接触して沸とう検知用の温度検知手段である第1のサーミスタ13aを設けて構成されている。
【0049】
このような構成によると、液体容器3部分が真空二重壁構造の真空断熱容器となり、保温性能が向上する。また、湯沸し時の放熱量も減少するので、湯沸し効率が向上し、省エネ性能が高くなる。
【0050】
そして、この場合、外ケース(外筒)である第2の筒体3bの底部35部分は、内容器である第1の筒体3aの底部31の外周部所定幅部分を底部側真空断熱空間3dで囲むように断面U状に曲成されて第1の筒体3aの底部31下面に接合一体化されている。
【0051】
したがって、内容器である第1の筒体3aの底部31部分(断熱性)保温性は、より高くなる。
【0052】
しかも、その場合、上記内容器内の湯の沸とうを検知して湯沸しヒータ4への通電をOFFにする沸とう検知センサとしての温度検知手段である第1のサーミスタ13aは、第1,第2の筒体3a,3bよりなる真空二重壁構造の液体容器3の開口縁部である内側第1の筒体3aの開口縁部と外側第2の筒体3bの開口縁部との接合部外周面接触して設けられているので、内容器である第1の筒体3a内に収納された水の温度の上昇を伝熱性良く(応答性良く)検出することができ、一重壁の場合と略同様に沸とう状態を速やかに検出することができるようになる。
【0053】
その結果、真空断熱容器でありながら、沸とう状態になると、速やかに湯沸しヒータ4への通電をOFFすることができるようになり、より省エネ性能の高いものとなる。
【0054】
これと同様の構成は、例えば図3に示すように、上記第1,第2の筒体3a,3bの開口縁部(上端側接合部)の構成を、第1の筒体3aの開口縁部のみの部分と第1,第2の筒体3a,3bの各開口縁部接合部部分との2段階に形成し、第1の筒体3aの開口縁部のみの部分の外周接触して第1のサーミスタ13aを設置することによっても実現することができる。
【0055】
このような構成によると、二重壁の接合部部分よりも遥かに沸とう検知時の伝熱性が良くなり、沸とう検知に対応した湯沸しヒータ通電遮断制御の応答性が向上する。
【0056】
また、この出願の発明の実施の形態の構成では、上記真空二重壁構造の液体容器3の側部側、真空断熱空間を形成する二重壁部分の外周側に位置して電源基板ユニット15aを配置している。
【0057】
このような構成によると、熱の影響を考慮することなく、十分に広い有効な電源基板ユニット設置スペースを確保することができるようになるので、従来のような把手部11d内への設置に比べて、遥かに電源基板ユニットを設置しやすくなることは素より、基板上への電装部品の実装量を増大させることができ、高機能化を図ることができる。
【0058】
また、設置位置から見て底部材1B側の電源基板端子および沸とう検知用第1のサーミスタ13aとの接続距離も近くなり、それらの上下方向の中間にあるので、配線の取り回しも容易になる。
【0059】
また、その結果、把手部11d側の構造もシンプルにすることができ、従来のような上下連結構造(コ字状構造)にする必要がなくなり、例えば図1のような下部側が開放された鉤形構造にすることができる。
【0060】
したがって、デザイン上の自由度も高くなり、操作性も向上する。もちろん、材料コストも低減される。
【0061】
また、電源基板ユニット15aには、基板部分の温度検知手段としての第2のサーミスタ13bが設けられているので、電源基板上の電装品の異常発熱や容器本体1Aを落とした時などの真空二重壁部分の損傷による電源基板ユニット15a周囲温度の上昇をも確実に検知して、湯沸しヒータ4をOFFにするなど、必要かつ適切な対応を取ることができる。
【0062】
さらに、以上の構成では、上記真空二重壁構造の液体容器3の上部側肩部材11の枠部分11b部分のカバー壁12cに対向する部分に、半径方向外方に向けて凸となる断面C字状のビード部36を形成している。
【0063】
以上のような上下に長い円筒状の真空二重壁構造の液体容器3は、長手方向(縦方向)の溶接部が弱く、排気時に収縮変形が発生しやすい。
【0064】
ところが、上記のようにビード部36を設けて補強するようにすると、そのような問題を有効に回避することができる。
【0065】
この補強用のビード部36は、もちろん所定の間隔を置いて上方から下方に複数個形成する方が有効であるが、そのようにした場合でも、少なくともその内の1つは、上記容器本体1Aの肩部材11の枠板部分11b下部のカバー壁12c部分に衝合させるように構成する。
【0066】
このようにすると、肩部材11の枠板部分11bと容器本体1Aの外ケース(外筒)として機能する液体容器3の第2の筒体3bに設けたビード部36との間に断熱空間37aおよびシール部37bが形成されるようになり、液体容器3開口縁部付近の保温性が向上する。特に、この場合、上記断熱空間37aの下方側は、上記ビード部36内側の半円状の第3の真空断熱空間3eによって断熱されるので断熱効果は高い。
【0067】
また、液体容器3の開口縁部では、内容器である第1の筒体3a側からの熱が第1,第2の筒体3a,3bの相互の開口縁部接合部を介して第2の筒体3b側に伝わり、第2の筒体3bの上端側ではそれなりの温度になり、触れると熱く感じることになる。
【0068】
そこで、さらに上記ビード部36部分で第2の筒体3bの下方側への距離をかせぎ、可能な限り効果的に温度を下げた上で第2の筒体3bを外部に露出させるようにしている。そして、同露出部までは、さらに肩部材11側のカバー壁12cでカバーし、直接は触われないようにして熱さを感じさせないようにしている。
【0069】
これは、底部材1B側でも同様であり、底部材1Bの側壁部外周は、上記第2の筒体3bに対して、内容器である第1の筒体3a側から伝達された熱の温度が十分に安全な温度レベルに下がる高さ位置まで、第2の筒体3bの下部および外周部をカバーして、直接触れても熱く感じさせないようにしている。
【0070】
なお、上記補強用のビード部36は、もちろん内容器である第1の筒体3a側に設けることもできるが、そのようにすると、蓋2を取り外した時の内容器内の見映えが悪くなる問題がある。また手入れもしにくい。
【0071】
ところが、上述のように外ケースである第2の筒体3b側にビード部36を設けて肩部材11側のカバー壁12aでカバーするようにすると、それらの問題を解決することができることに加えて、上述のような容器開口部の保温性能向上、熱さ低減などの有益な効果を実現することができる。
【0072】
以上の構成の場合、上記内容器内の湯の沸とうを検知して湯沸しヒータ4への通電をOFFにする沸とう検知センサとしての温度検知手段である第1のサーミスタ13aは、第1,第2の筒体3a,3bよりなる真空二重壁構造の液体容器3の開口縁部である内側第1の筒体3aの開口縁部33と外側第2の筒体3bの開口縁部34との接合部外周面接触して設けられているので、内容器である第1の筒体3a内に収納された水の温度の上昇を伝熱性良く(応答性良く)検出することができ、一重壁の場合と略同様に沸とう状態を速やかに検出することができるようになる。
【0073】
その結果、真空断熱容器でありながら、沸とう状態になると、速やかに湯沸しヒータ4への通電をOFFにすることができるようになり、より省エネ性能の高いものとなる。
【0074】
<変形例>
ところで、以上と同様の構成は、例えば図4に示すように、上記第1,第2の筒体3a,3bの各開口縁部(上端側接合部)33,34相互間の構成を、第1の筒体3aの開口縁部33のみの部分と第1,第2の筒体3a,3bの各開口縁部33,34接合部部分との2段階に形成し、一重壁である第1の筒体3aの開口縁部33のみの部分の外周接触して第1のサーミスタ13aを設置することによっても実現することができる。
【0075】
このような構成によると、図1図2のような二重壁の接合部部分よりも遥かに沸とう検知時の伝熱性が良くなり、沸とう検知に対応した湯沸しヒータ通電遮断制御の応答性が向上する。
【0076】
<実施の形態2>
次に、本願発明の電気ケトルの実施の形態2の構成について、詳細に説明する。
【0077】
図4には、本願発明の実施の形態2にかかる電気ケトルの要部の構成が示されている。
【0078】
上述の実施の形態1の構成では、内外第1,第2の筒体3a,3bよりなる真空二重壁構造の液体容器3の外筒側第2の筒体3b自体を外ケースとして兼用することによって容器本体1Aを構成し、従来のような肩部材11と一体の合成樹脂製の外ケース自体を不要とした。
【0079】
しかし、以上のような第1,第2の筒体3a,3bよりなる真空二重壁構造の液体容器3を採用する場合において、例えば図5のように従来と同様の合成樹脂製の外ケース16を有する構造を採用しても良いことは言うまでもない。
【0080】
そして、その場合において、肩部材11の枠部分11b内側下部の液体容器3係止用のスカート状のリブ壁38部分に対して、上述した外筒側第2の筒体3bの上部に形成した断面半円形状のビード部36を衝合させるようにすると、ビード部36形成による液体容器3自体の強度アップ作用に加えて、上述の実施の形態1の場合と全く同様の断熱シール空間37a(シール部37b)を形成することができ、液体容器3開口部付近の断熱性、保温性を向上させることが可能となる。
【0081】
<各実施の形態の作用>
以上のように、この出願の発明の実施の形態1の構成では、液体容器3および液体容器3の加熱手段である湯沸しヒータ4を備えた湯沸し器本体1Aと、該湯沸し器本体1Aが着脱自在に載置され、同載置状態において上記湯沸し器本体1Aの加熱手段である上記湯沸しヒータ4に電源を供給する電源台20とからなる電気ケトルにおいて、上記液体容器3が内容器(内筒)である第1の筒体3aと外ケース(外筒)である第2の筒体3bよりなる真空二重壁構造の容器よりなり、同液体容器3上部の内容器である第1の筒体3aの開口縁部33と外ケースである第2の筒体3bの開口縁部34との接合部部分の外周面に接触する形で沸とう検知用の温度検知手段である第1のサーミスタ13aを備えて構成されている。
【0082】
このような構成によると、液体容器3部分が真空二重壁構造の真空断熱容器となり、保温性能が向上する。また、湯沸し時の放熱量も減少するので、湯沸し効率が向上し、省エネ性能が高くなる。
【0083】
そして、この場合、外ケース(外筒)である第2の筒体3bの底部35部分は、内容器である第1の筒体3aの底部31の外周部所定幅部分を底部側真空断熱空間3dで囲むように断面U状に曲成されて第1の筒体3aの底部31下面に接合一体化されている。
【0084】
したがって、内容器である第1の筒体3aの底部31部分の保温性(断熱性)は、より高くなる。
【0085】
しかも、その場合、上記内容器内の湯の沸とうを検知して湯沸しヒータ4への通電をOFFにする沸とう検知センサとしての温度検知手段である第1のサーミスタ13aは、第1,第2の筒体3a,3bよりなる真空二重壁構造の液体容器3の開口縁部である内側第1の筒体3aの開口縁部33と外側第2の筒体3bの開口縁部34との実質的に一重壁と同視可能な接合部の外周面接触して設けられているので、内容器である第1の筒体3a内に収納された水の温度の上昇を伝熱性良く(応答性良く)検出することができ、一重壁の場合と略同様に沸とう状態を速やかに検出することができるようになる。
【0086】
その結果、真空断熱容器でありながら、沸とう状態になると、速やかに湯沸しヒータ4への通電をOFFにすることができるようになり、より省エネ性能の高いものとなる。
【0087】
これと同様の構成は、例えば図4の実施の形態1の変形例の構成に示すように、上記第1,第2の筒体3a,3bの各開口縁部(上端側接合部)33,34相互間の構成を、第1の筒体3aの開口縁部33のみの部分と第1,第2の筒体3a,3bの各開口縁部33,34接合部部分との2段階に形成し、一重壁である第1の筒体3aの開口縁部33のみの部分の外周接触して第1のサーミスタ13aを設置することによっても実現することができる。
【0088】
このような構成によると、上述した図1図2のような二重壁の接合部部分よりも遥かに沸とう検知時の伝熱性が良くなり、沸とう検知に対応した湯沸しヒータ通電遮断制御の応答性が向上する。
【0089】
また、この出願の発明の実施の上記形態1,2の構成では、それぞれ上記真空二重壁構造の液体容器3の側部側、真空断熱空間を形成する二重壁部分の外周側に位置して電源基板ユニット15aを配置して構成されている。
【0090】
このような構成によると、熱の影響を考慮することなく、十分に幅の広い有効な電源基板ユニット設置スペースを確保することができるようになるので、従来のような把手部11e内への設置に比べて、遥かに電源基板ユニット15aを設置しやすくなることは素より、回路基板上への電装部品の実装量を増大させることができ、高機能化を図ることができる。
【0091】
また、その設置位置から見て、底部材1B側湯沸しヒータ4用の電源基板端子および開口部側沸とう検知用第1のサーミスタ13aとの接続距離もそれぞれ近くなり、それらの上下方向の中間にあるので、設置時における配線の取り回しも容易になる。
【0092】
また、同構成では、上記基板設置部11Cが液体容器3を介して肩部材11と底部材1Bを連結するようになっていることとも関連して、把手部11eを従来のような上下連結構造(コ字状構造)にする必要がなくなり、把手部11eの構造も把手機能だけを考慮したシンプルなものにすることができ、例えば図1のような下部側が開放された鉤形構造にすることができる。
【0093】
したがって、デザイン上の自由度も高くなり、また操作性も向上する。もちろん、材料コストも低減される。
【0094】
また、それぞれ電源基板ユニット15aには、基板部分の温度検知手段としての第2のサーミスタ13bが設けられているので、電源基板上の電装品の異常発熱や容器本体1Aを落とした時などの真空二重壁部分の損傷による電源基板ユニット15a周囲温度の上昇をも確実に検知して、湯沸しヒータ4をOFFにするなど、必要かつ適切な対応を取ることができる。その結果、製品としての安全性、信頼性が向上する。
【0095】
さらに、以上の構成では、それぞれ上記真空二重壁構造の液体容器3の上部側肩部材11の枠部分11b部分のカバー壁12c、リブ壁38に対向する部分に、半径方向外方に向けて凸となる断面C字状のビード部36を形成している。
【0096】
以上のような上下に長い円筒状の真空二重壁構造の液体容器3は、上記第1,第2の筒体3a,3b共に長手方向(縦方向)の溶接部19a,19b(図3参照)が弱く、排気時に同部分での収縮変形が発生しやすい。
【0097】
ところが、上記のように外筒側第2の筒体3bに全周方向に環状に延びるビード部36を設けて外筒側第2の筒体3bを補強するようにすると、外筒側第2の筒体3bが補強されると同時に内側第1の筒体3aも相対的に補強され、そのような問題を有効に回避することができる。
【0098】
この補強用のビード部36は、例えば図5のように、第2の筒体3bとは別に、別途合成樹脂製の外ケース16を設けるようにした場合には、所定の間隔を置いて上方から下方に複数個形成することができ、その方が有効であるが、そのようにした場合でも、少なくともその内の1つは、上記図1図3の場合と同様に上記容器本体1Aの肩部材11の枠板部分11b下部のリブ壁38部分に衝合させるように構成する。
【0099】
このようにすると、肩部材11の枠部分11bと液体容器3の第2の筒体3bに設けたビード部36との間に断熱空間37aおよびシール部37bが形成されるようになり、液体容器3開口縁部付近の断熱性、保温性が向上する。特に、この場合、上記断熱空間37aの側方側はもちろん、下方側も、上記ビード部36内側の半円状の第3の真空断熱空間3eによって断熱されるので断熱効果は高い。
【0100】
また、上記実施の形態1の場合には、実施の形態2の場合に比べて専用の外ケース16がないため、液体容器3の開口縁部側では、内容器である第1の筒体3a側からの熱が第1,第2の筒体3a,3bの相互の開口縁部接合部を介して第2の筒体3b側に伝わり、第2の筒体3bの上端側ではそれなりの温度になり、触れると熱く感じることになる。
【0101】
そこで、さらに上記ビード部36部分で第2の筒体3bの下方側への距離(長さ)をかせぎ、可能な限り効果的に温度を下げた上で第2の筒体3bを外部に露出させるようにしている。そして、同露出部までは、さらに肩部材11側のカバー壁12cでカバーし、ユーザーが直接に触れないようにして、熱さを感じさせないようにしている。
【0102】
これは、底部材1B側でも同様であり、底部材1Bの側壁部外周は、上記第2の筒体3bの下部に対して、内容器である第1の筒体3a側から伝達された熱の温度が十分に安全な温度レベルに下がる高さ位置まで、第2の筒体3bの下部および外周部をカバーして、ユーザーが直接触れても熱く感じさせないようにしている。
【0103】
しかも、その場合において、第2の筒体3bは、その側部35の下端35a側は上記第1の筒体3aの底部31面よりも所定寸法下方側の位置まで長く延設され、第1の筒体3aの底部31外周面下方に所定の幅の底部側第2の真空断熱空間3dを形成するように、半径方向内側にU状に曲成されて、第1の筒体3aの底部31の外周面内側寄りに接合され、上記第1の筒体3aとの間に上述の側部側第1の真空断熱空間3cに連続する底部側第2の真空断熱空間3dを形成している。
【0104】
したがって、内容器である第1の筒体3a内の底部31の保温性能が向上することはもちろん、上記第2の筒体3bの長さの長いU状の曲成部が第2の筒体3bの外部への露出部までの熱伝達温度の低減部として有効に機能する。
【0105】
なお、上述の補強用のビード部36は、もちろん以上の各実施の形態において、内容器である内側第1の筒体3a側に設けることもできるが、そのようにすると、蓋2を取り外した時の内容器内の見映えが悪くなる問題がある。また手入れもしにくい。
【0106】
ところが、上述のように外ケースである外側第2の筒体3b側にビード部36を設けて肩部材11側のカバー壁12a(または外ケース16又はその内側のリブ壁38:図5の実施の形態2の場合)でカバーするようにすると、それらの問題を解決することができることに加えて、上述のような容器開口部の保温性能向上、熱さ低減などの、さらなる有益な効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0107】
1は電気ケトル、1Aは容器本体、1Bは底部材、2は蓋体、3は液体容器、3aは第1の筒体、3bは第2の筒体、3cは側部川第1の真空断熱空間、3dは底部側第2の真空断熱空間、3eは上部側第3の真空断熱空間、4は湯沸しヒータ、5は湯注出口、8は棒状電極、9はスリーブ状電極、10は受電カプラ、11は肩部材、11aは下口部分、11bは枠部分、11cは基板設置部、11dは把手基部、14aはボックス部、14bは背面カバー、15aは電源基板ユニット、20は電源台、20aは給電プラグである。
図1
図2
図3
図4
図5