特許第5724311号(P5724311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

特許5724311画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム
<>
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000002
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000003
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000004
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000005
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000006
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000007
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000008
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000009
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000010
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000011
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000012
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000013
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000014
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000015
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000016
  • 特許5724311-画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5724311
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
【請求項の数】17
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2010-254820(P2010-254820)
(22)【出願日】2010年11月15日
(65)【公開番号】特開2012-109660(P2012-109660A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2013年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志甫 裕一
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−048270(JP,A)
【文献】 特開2009−087270(JP,A)
【文献】 特開2009−093595(JP,A)
【文献】 特開2009−077086(JP,A)
【文献】 特開2007−233890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/387
G06T 7/00
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の原稿を連続的に順次読み取る第1の画像読取手段と、
原稿台に置かれた原稿を読み取る第2の画像読取手段と、
原稿の2n(n=2,3,…)頁の画像について、1頁目とn+1頁目の画像、2頁目とn+2頁目の画像、3頁目とn+3頁目の画像、…、n頁目と2n頁目の画像を用いて差分を抽出する第1の差分抽出手段と、
原稿の2n(n=2,3,…)頁の画像について、1頁目と2頁目の画像、3頁目と4頁目の画像、5頁目と6頁目の画像、…、2n−1頁目と2n頁目の画像を用いて差分を抽出する第2の差分抽出手段と、
前記第1の画像読取手段による原稿の読み取りが選択された場合は、前記第1の画像読取手段が読み取る原稿について前記第1の差分抽出手段による差分の抽出を実行する設定をし、前記第2の画像読取手段による原稿の読み取りが選択された場合は、前記第2の画像読取手段が読み取る原稿について前記第2の差分抽出手段による差分の抽出を実行する設定をする第1の設定手段と、
を備えている画像処理システム。
【請求項2】
前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が抽出した差分のある箇所を特定できる情報を付加した画像を形成又は表示する出力をする第1の出力手段をさらに備える請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記差分のある箇所を特定できる情報を付加した画像は、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像の何れかであり、
前記差分のある箇所を特定できる情報は、前記何れかの画像内の追記された箇所又は削除された箇所に示されるものであり、
前記追記された箇所と前記削除された箇所とは、異なる色で示される請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による原稿の読み取りに必要な予め定められた設定については前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が差分の抽出を終了するまで変更を制限する第1の制限手段をさらに備えている請求項1乃至3のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記第1の設定手段で行った前記設定の変更を前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が差分の抽出を終了するまで制限する第2の制限手段をさらに備えている請求項1乃至4のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記第1の画像読取手段は、原稿の両面をそれぞれ読み取ることができ、
前記第1の画像読取手段による原稿の読み取りが選択されて、前記第1の設定手段で前記第2の差分抽出手段により差分の抽出を実行することが設定された場合は、片面限定を条件に前記原稿の前記第1の画像読取手段による読み取りを許可する許可手段をさらに備えている請求項1乃至5のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段により読み取った原稿の頁数をカウントし当該原稿の総頁数が奇数であった場合は、当該原稿の画像について前記第1の差分抽出手段又は第2の差分抽出手段による差分の抽出を制限する第3の制限手段をさらに備えている請求項1乃至6のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段により読み取った原稿の頁数をカウントし当該原稿の総頁数が奇数であった場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による追加の原稿の読み取りを促す情報を報知する第1の報知手段をさらに備えている請求項1乃至6のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、当該原稿の読み取りを中止する、又は、原稿の読取範囲の変更若しくは前記解像度の指定の変更を促す情報を報知する処理を行う処理手段をさらに備えている請求項1乃至8のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りにより得た画像の画素数を減少させる補正を行う第1の補正手段をさらに備えている請求項1乃至8のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りにより得た画像を分割する分割手段をさらに備え、
前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段は、前記分割手段が分割した画像を用いて差分を抽出する請求項1乃至8のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿を読み取る際の1画素の濃度を示す段階数の選択のうち、差分抽出を行う前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段で処理できないものについては、当該選択の受け付けを制限する第4の制限手段をさらに備えている請求項1乃至11のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で読み取った画像の傾きのずれはその制限が指示されない限り補正する第2の補正手段をさらに備えている請求項1乃至12のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、当該対の画像の一方の画像の天地の向きを変更した上で差分の抽出を再度実行する再度実行手段をさらに備えている請求項1乃至13のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による原稿の再度の読み取りの実行を促す情報を報知する第2の報知手段をさらに備えている請求項1乃至13のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、当該差分の抽出の処理を制限する第5の制限手段をさらに備えている請求項1乃至13のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記第1の画像読取手段又は前記第1の画像読取手段が読み取った原稿を前記第1の差分抽出手段及び第2の差分抽出手段により差分を抽出して、前記第1の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数と前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数とで少ない方の差分の抽出の結果を出力する第2の出力手段をさらに備えている請求項1乃至16のいずれかの一項に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理プログラムである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像間の差分を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−258815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数頁の第1の原稿と複数頁の第2の原稿を交互に並べかえ連続した原稿同士の差分を抽出する装置に比べて、差分を抽出する原稿の並べ変えの負担を軽減し、しかも、差分を抽出する処理をした後の原稿を第1の原稿と第2の原稿に分ける負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、複数枚の原稿を連続的に順次読み取る第1の画像読取手段と、原稿台に置かれた原稿を読み取る第2の画像読取手段と、原稿の2n(n=2,3,…)頁の画像について、1頁目とn+1頁目の画像、2頁目とn+2頁目の画像、3頁目とn+3頁目の画像、…、n頁目と2n頁目の画像を用いて差分を抽出する第1の差分抽出手段と、原稿の2n(n=2,3,…)頁の画像について、1頁目と2頁目の画像、3頁目と4頁目の画像、5頁目と6頁目の画像、…、2n−1頁目と2n頁目の画像を用いて差分を抽出する第2の差分抽出手段と、前記第1の画像読取手段による原稿の読み取りが選択された場合は、前記第1の画像読取手段が読み取る原稿について前記第1の差分抽出手段による差分の抽出を実行する設定をし、前記第2の画像読取手段による原稿の読み取りが選択された場合は、前記第2の画像読取手段が読み取る原稿について前記第2の差分抽出手段による差分の抽出を実行する設定をする第1の設定手段と、を備えている画像処理システムである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1の記載において、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が抽出した差分のある箇所を特定できる情報を付加した画像を形成又は表示する出力をする第1の出力手段をさらに備える画像処理システムである。
請求項3に係る発明は、請求項2の記載において、前記差分のある箇所を特定できる情報を付加した画像は、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像の何れかであり、前記差分のある箇所を特定できる情報は、前記何れかの画像内の追記された箇所又は削除された箇所に示されるものであり、前記追記された箇所と前記削除された箇所とは、異なる色で示される画像処理システムである。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による原稿の読み取りに必要な予め定められた設定については前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が差分の抽出を終了するまで変更を制限する第1の制限手段をさらに備えている画像処理システムである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項の記載において、前記第1の設定手段で行った前記設定の変更を前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段が差分の抽出を終了するまで制限する第2の制限手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段は、原稿の両面をそれぞれ読み取ることができ、前記第1の画像読取手段による原稿の読み取りが選択されて、前記第1の設定手段で前記第2の差分抽出手段により差分の抽出を実行することが設定された場合は、片面限定を条件に前記原稿の前記第1の画像読取手段による読み取りを許可する許可手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段により読み取った原稿の頁数をカウントし当該原稿の総頁数が奇数であった場合は、当該原稿の画像について前記第1の差分抽出手段又は第2の差分抽出手段による差分の抽出を制限する第3の制限手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段により読み取った原稿の頁数をカウントし当該原稿の総頁数が奇数であった場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による追加の原稿の読み取りを促す情報を報知する第1の報知手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、当該原稿の読み取りを中止する、又は、原稿の読取範囲の変更若しくは前記解像度の指定の変更を促す情報を報知する処理を行う処理手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りにより得た画像の画素数を減少させる補正を行う第1の補正手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0015】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段に装填された原稿の寸法の検出結果と前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿読取りを行う際に指定された解像度とで定まる前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段が原稿読取りにより得た画像を分割する分割手段をさらに備え、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段は、前記分割手段が分割した画像を用いて差分を抽出する画像処理システムである。
【0016】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で原稿を読み取る際の1画素の濃度を示す段階数の選択のうち、差分抽出を行う前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段で処理できないものについては、当該選択の受け付けを制限する第4の制限手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0017】
請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段で読み取った画像の傾きのずれはその制限が指示されない限り補正する第2の補正手段をさらに備えている画像処理システムである。
請求項14に係る発明は、請求項1乃至13のいずれか一項の記載において、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、当該対の画像の一方の画像の天地の向きを変更した上で差分の抽出を再度実行する再度実行手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0018】
請求項15に係る発明は、請求項1乃至13のいずれか一項の記載において、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段による原稿の再度の読み取りの実行を促す情報を報知する第2の報知手段をさらに備えている画像処理システムである。
【0019】
請求項16に係る発明は、請求項1乃至13のいずれか一項の記載において、前記第1の差分抽出手段又は前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が予め定められた数を超える場合は、当該差分の抽出の処理を制限する第5の制限手段をさらに備えている画像処理システムである。
請求項17に係る発明は、請求項1乃至16のいずれか一項の記載において、前記第1の画像読取手段又は前記第1の画像読取手段が読み取った原稿を前記第1の差分抽出手段及び第2の差分抽出手段により差分を抽出して、前記第1の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数と前記第2の差分抽出手段による差分の抽出により差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数とで少ない方の差分の抽出の結果を出力する第2の出力手段をさらに備えている画像処理システムである。
【発明の効果】
【0021】
発明によれば、複数頁の第1の原稿と複数頁の第2の原稿を交互に並べかえ連続した原稿同士の差分を抽出する装置に比べて、差分を抽出する原稿の並べ変えの負担を軽減でき、しかも、差分を抽出する処理をした後の原稿を第1の原稿と第2の原稿に分ける負担を軽減することができる。
請求項2に係る発明によれば、形成又は表示された画像から、差分抽出対象の画像とともに差分のある箇所を把握できる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、差分のある箇所の色から、その箇所が追記された箇所か削除された箇所かを区別できる。
請求項1に係る発明によれば、画像読取手段における原稿の読取態様に応じた画像の差分の抽出を実現できる。
請求項4に係る発明によれば、原稿の読み取りに必要な予め定められた設定が、当該読み取りから差分の抽出が終了するまでの間に変更されるのを防止できる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、第1の設定手段で行った画像読取手段と差分抽出手段との対応づけの設定が、原稿の読み取りから差分の抽出が終了するまでの間に変更されるのを防止できる。
請求項6に係る発明によれば、第1の画像読取手段により連続的に原稿の両面が読み取られる場合に、同一原稿についてその表面とその裏面とで差分を抽出してしまうのを防止できる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、比較対象の対となる頁がない原稿間で差分を抽出してしまうのを制限できる。
請求項8に係る発明によれば、比較対象の対となる頁がない原稿間で差分を抽出しようとしていることを報知できる。
請求項9に係る発明によれば、後段の処理工程で処理できない多さの画素数の画像を基にそのまま処理が進行するのを防止できる。
【0025】
請求項10に係る発明によれば、後段の処理工程で処理可能な画素数にすることができる。
請求項11に係る発明によれば、後段の差分抽出手段で差分を抽出する処理ができない多さの画素数の画像でも、後段の差分抽出手段で処理可能にすることができる。
請求項12に係る発明によれば、差分の抽出を行えないような1画素の濃度を示す段階数で画像読取手段が原稿を読み取るのを制限できる。
【0026】
請求項13に係る発明によれば、画像読取手段で読み取った画像の傾きのずれの補正をその制限する指示がなされない限り実行して、差分の抽出を行えるようにすることができる。
請求項14に係る発明によれば、差分を抽出する差分抽出対象となる対の画像間で差異がある箇所の数が多いときは対の画像の一方の画像の天地の向きを変更して、差分の抽出を行えるようにすることができる。
【0027】
請求項15に係る発明によれば、差分を抽出する差分抽出対象となる対の各頁間で差異がある箇所の数が多いときは画像読取手段による原稿の再度の読み取りの実行を促す情報を報知して、差分の抽出を行えるようにすることができる。
請求項16に係る発明によれば、差分を抽出する差分抽出対象となる対の各頁間で差異がある箇所の数が多いときに不必要な差分を抽出する処理が進められてしまうのを防止できる。
【0028】
請求項17に係る発明によれば、このような構成がない場合と比較して、高い精度の差分抽出の結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】画像読取装置の概略構成を示す断面図である。
図3】原稿供給部の概略構成を示す平面図である。
図4】スキャナ装置が有する原稿検センサの配置を示す平面図である。
図5】差分抽出処理を説明する図である。
図6】差分抽出処理において比較する原稿を説明する図である。
図7】差分抽出処理を開始させる際のフローチャートである。
図8】差分抽出処理にかかる全体の処理のフローチャートである。
図9】パラメータの設定処理のフローチャートである。
図10】画像読取処理のフローチャートである。
図11】パラメータ設定画面の一例を示す図である。
図12】原稿読取順序のパラメータを「原稿束単位」に設定したときのパラメータ設定画面の一例を示す。
図13】パラメータ設定の制限処理を行った際のパラメータ設定画面の一例を示す図である。
図14】差分抽出処理のフローチャートである。
図15】自動正立処理のフローチャートである。
図16】処理が継続不可能な状況になったときの動作を予め設定するためのメニュー画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態の画像形成装置を説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、ROM(Read Only Memory、不揮発性メモリを含む)2、RAM(Random Access Memory)3、HDD(Hard Disk Drive)4、パネル操作部5、画像読取装置6、画像形成ユニット7、システム制御部8、画像読取処理部9、画像処理部10、操作パネル処理部11、パラメータ処理部12、出力処理部13、及び通信部14を有する。
【0031】
操作パネル5は、使用者に通知する内容を表示する表示部(表示画面)5aと使用者に操作されて指示内容が入力される操作部5bとを一体として有する。
操作パネル処理部11は、操作パネル5に関する処理を行う。すなわち、操作パネル処理部11は、操作パネル5の表示部5aにメニュー画面を表示させたり、操作部5bが操作されて入力された指示内容を、その指示内容を必要とするパラメータ処理部12等に出力したりする。
【0032】
ROM2、RAM3、及びHDD4等には、各種の処理に必要なデータや情報が記憶されている。例えば、ROM2には、各種制御部、処理部で用いるプログラム2aやデータが記憶されている。
ここで、プログラム2aは、画像処理装置1の出荷時当初からROM2に記憶されているものとすることもできるが、出荷後に使用者等の作業によりCD−ROM等の記憶媒体から読み込まれてROM2に記憶されたものとすることもできる。
【0033】
システム制御部8は、CPU(Central Processing Unit)8aによる演算処理の下、システム全体を制御する。例えば、システム制御部8は、システムの中核として印刷要求や複製要求等の種々の処理要求の調停を行い、システムの資源を活用するように動作する。また、システム制御部8は、画像読取処理部9や画像処理部10等を制御して予め定められた処理を実行する。
【0034】
画像形成ユニット7は、複製要求を実行する際には、画像読取装置6で読み取った画像データを基に画像形成を行う。この画像形成ユニット7は、電子写真方式、インクジェット方式、又は、その他の印刷方式で用紙などの印刷媒体上に画像形成を行う。
通信部14は、画像形成装置1が外部機器と通信するためのものである。例えば、通信部14は、LAN(Local Area Network)やインターネット、一般公衆回線等の通信手段を利用してファクシミリ通信や電子メールの送受信を行う。
【0035】
画像読取装置6は、原稿の画像を光学的に読み取るように構成されている。
図2は、画像読取装置6の概略構成を示す図である。図2に示すように、画像読取装置6は、原稿送り装置20及びスキャナ装置70を有する。この画像読取装置6は、原稿送り装置20を備えることで、原稿自動送り装置(ADF、Auto Document Feeder)によるスキャンシステムを実現している。
【0036】
原稿送り装置20は、原稿供給部21、昇降支持部22、送り出しロール(ピックアップロール)23、供給ロール24、及びリタードロール25を有する。これら原稿供給部21等は、原稿送り装置20において、原稿供給部21に置かれた原稿を順次搬送する搬送部を構成する。
【0037】
図3は、原稿供給部21の概略構成を示す平面図である。
図3に示すように、原稿供給部21の上面には、原稿1000の両端部(原稿の幅方向の両側)を案内する第1及び第2案内部材21a,21bが設けられている。第1及び第2案内部材21a,21bは、互いが離間できるように配置されている。
また、原稿供給部21には、原稿サイズ検出手段として案内部材移動センサ61a,61b,61cが設けられている。案内部材移動センサ61a,61b,61cは、第1及び第2案内部材21a,21bの移動に連動し、第1及び第2案内部材21a,21bの移動を検出する。案内部材移動センサ61a,61b,61cは、検出信号を画像読取処理部9に出力する。
【0038】
図2に示す構成の説明に戻って、送り出しロール23は、原稿供給部21上の原稿を原稿送り装置20内の第1搬送路41に送り出す。供給ロール24は、送り出しロール23により送り出された原稿を更に下流側に搬送する。リタードロール25は、送り出しロール23により供給される原稿を1枚ずつ捌く。
また、原稿送り装置20は、最初に原稿が搬送される第1搬送路41に、テイクアウェイロール26、プレレジロール27、レジロール28、プラテンロール29、及びアウトロール30を有する。テイクアウェイロール26は、リタードロール25の下流側にあり、当該リタードロール25により一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のプレレジロール27に搬送する。プレレジロール27は、テイクアウェイロール26により搬送されてくる原稿を下流側のレジロール28に搬送する。レジロール28は、原稿の読み込みの開始タイミングに合わせて回転しており、レジストレーション調整を施しながら原稿をプラテンロール29(スキャナ装置70)に供給する。
【0039】
プラテンロール29は、レジロール28により供給されてくる原稿をスキャナ装置70の後述の第2コンタクトガラス72側に押圧し、読み込み中の原稿の搬送を補助する。アウトロール30は、読み込まれた原稿を更に下流に搬送する。
また、原稿送り装置20は、第1搬送路41に原稿サイズ検出手段である搬送原稿検出センサ62,63a,63b,63cを有する。搬送原稿検出センサ62は、供給ロール24の後段に配置されている。また、搬送原稿検出センサ63a,63b,63cは、プレレジロール27とレジロール28との間に配置されている。搬送原稿検出センサ63a,63b,63cは、搬送される原稿の幅方向(主走査方向)に並ぶように配置されている。搬送原稿検出センサ62,63a,63b,63cは、検出信号を画像読取処理部9に出力する。
【0040】
また、原稿送り装置20には、アウトロール30の下流側に、第2搬送路42及び第3搬送路43が設けられている。さらに、原稿送り装置20は、アウトロール30の下流側に、切替ゲート52及び第1排出ロール31を有する。
切替ゲート52は、第2搬送路42と第3搬送路43との切り替えを行い、原稿の搬送方向を切り替える。具体的には、切替ゲート52は、片面原稿の読み取りを終了したときや両面原稿の両面読み取りを終了したときに、アウトロール30から供給される原稿を第2搬送路42に導くように切り替えられる。一方、切替ゲート52は、片面読み取り後の両面原稿を反転させるために、両面原稿を第3搬送路43に導くように切り替えられる。
【0041】
第1排出ロール31は、片面原稿の読み取り終了等したときに、アウトロール30から供給される原稿を排出部54に排出する。
また、原稿送り装置20には、第4搬送路44及び第5搬送路45が設けられている。これら第4及び第5搬送路44,45と前述の第3搬送路43は、原稿送り装置20において、原稿を反転させる搬送路を構成する。そのため、第3搬送路43と第4搬送路44とが繋がっており、第4搬送路44と第5搬送路45とが繋がっている。さらに、第5搬送路45と第1搬送路41とが繋がっている。
【0042】
原稿送り装置20は、第4搬送路44に、インバータロール32及びインバータピンチロール33を有する。インバータロール32及びインバータピンチロール33は、第3搬送路43を搬送されてきた原稿をスイッチバックさせる。具体的には、両面原稿を読み取りする際に、インバータピンチロール33は、図示しないフィードクラッチがオフの状態で退避されてニップが開放されて、第3搬送路43を搬送されてきた原稿を第4搬送路44に導いている。その後、インバータピンチロール33はニップされ、インバータロール32が、第5搬送路45を介して第1搬送路41に有るプレレジロール27に原稿を導いている。
【0043】
また、原稿送り装置20には、第6搬送路46が設けられている。第6搬送路46は、第3搬送部43から第4搬送路44に搬送された原稿を排出部54に排出するための搬送路となる。原稿送り装置20は、第6搬送路46に、切替ゲート53及び第2排出ロール34を有する。
切替ゲート53は、第5搬送路45と第6搬送路46との切り替えを行い、原稿の搬送方向を切り替える。具体的には、切替ゲート53は、原稿を反転して排出させようとするとき、インバータピンチロール33により搬送されてくる原稿を第6搬送路46に導くように切り替えられる。第2排出ロール34は、第6搬送路46に搬送されてきた原稿を第1排出ロール31に搬送する。第1排出ロール31は、インバータピンチロール33から供給される原稿を排出部54に排出する。
【0044】
以上のような画像読取装置6の構成により、片面原稿の画像を読み取るときには、原稿供給部21に置かれた原稿は、送り出しロール23により原稿送り装置20内に送り出されて、その後、第1搬送路41を供給ロール24、テイクアウェイロール26、プレレジロール27、レジロール28により搬送される。そして、原稿は、スキャナ装置70の後述の第2コンタクトガラス72上を通過する際にプラテンロール29により当該第2コンタクトガラス72側に押圧され、アウトロール30に搬送される。その後、原稿は、アウトロール30により第2搬送路42に導かれて、第1排出ロール31により排出部54に排出される。
【0045】
また、両面原稿の画像を読み取るときには、片面原稿の読み取りと同様にして片面が読み取られた後、原稿は、アウトロール30により第3搬送路43を搬送されて、第4搬送路44に導かれる。そして、原稿は、第4搬送路44に有るインバータロール32及びインバータピンチロール33によりスイッチバックさせられ、第1搬送路41に有るプレレジロール27に導かれる。その後、原稿は、再度、第1搬送路41をプレレジロール27、レジロール28により搬送される。そして、原稿は、スキャナ装置70の後述の第2コンタクトガラス72上を通過する際にプラテンロール29により第2コンタクトガラス72側に押圧され、アウトロール30に搬送される。その後、原稿は、アウトロール30により第2搬送路42に導かれて、第1排出ロール31により排出部54に排出される。
【0046】
スキャナ装置70は、原稿送り装置20によって搬送されてきた原稿の画像読み取りを行うように構成されている。
図2に示すように、スキャナ装置70は、原稿を1枚ずつ置いてその画像を読み取るための原稿台となる第1コンタクトガラス71と、原稿送り装置20が搬送する原稿の画像を読み取るための、主走査方向に延びた長尺の板状構造の第2コンタクトガラス72とを有する。
【0047】
スキャナ装置70は、第1コンタクトガラス71上に置かれた原稿の画像を読み取る際には、第1コンタクトガラス71の背面から原稿に向けて照射した光を副走査方向に移動させつつ、その反射光を主走査方向に1次元配列されたCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ(ラインセンサ)で受光していくことで、その読み取りを実施している。
また、スキャナ装置70は、原稿送り装置20が搬送する原稿の画像を読み取る際には、第2コンタクトガラス72上を通過する原稿に向けて第2コンタクトガラス72の背面から照射した光の反射光をCCDイメージセンサで受光していくことで、その読み取りを実施している。
【0048】
図4は、スキャナ装置70が有する原稿検出センサ73a,73bの配置を示す平面図である。原稿検出センサ73a,73bは、第1コンタクトガラス71の背面側に、主走方向及び副走査方向において予め決められた位置に配置されている。原稿検出センサ73a,73bは、検出信号を画像読取処理部9に出力する。
画像読取処理部9は、画像読取装置6の原稿送り装置20及びスキャナ装置70の駆動を制御する。また、画像読取処理部9は、案内部材移動センサ61a,61b,61cや搬送原稿検出センサ62,63a,63b,63c、原稿検出センサ73a,73bの検出結果、及びCCDイメージセンサ74の検出結果を基に、原稿サイズを検出する。
【0049】
なお、このようなセンサ等により原稿サイズの検出が行われることに限定されないことはいうまでもない。
画像処理部10は、画像読取装置6が原稿の画像を読み取り生成した画像信号を処理する。具体的には、画像処理部10は、画像信号を画像データ(ディジタル信号)に変換する。ここで、画像データは、画像メモリ10bに書き込まれ、その画像メモリ10b上の画像データに対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施す。さらに、本実施形態では、画像処理部10は、差分抽出手段10aを有しており、差分抽出手段10aにより、2つの画像データについて画像間の差分を抽出する差分抽出処理を行う。差分抽出処理では、画像メモリ10bは、差分を抽出する差分抽出対象の画像データを受け付ける受付手段として機能する。この画像処理部10で得られた画像データは、HDD4等の記憶部に記憶され、又は出力処理部13に出力される。
【0050】
出力処理部13は、画像処理部10からの画像データを画像形成ユニット7に出力したり、通信部14に出力したりする。
ところで、このような画像形成装置では、差分抽出対象(比較対象)の原稿から読み取った画像間の差分を抽出し、その差分を出力することが可能である。例えば、このような差分抽出処理としては、第1の画像(例えば元原稿の画像)と第2の画像(例えば元原稿を修正した原稿の画像)との差分がある箇所を、新しい画像上で目立つように表示するような方式がある。
【0051】
ここで、一般的には、差分抽出対象の図面や契約書等の原稿は、原稿束や文書束といったように意味のあるまとまりとして管理されることが多い。このような図面や契約書等の原稿を差分抽出対象とすると、その処理では、図5に示すように、複数枚(複数ぺージ)の各原稿A,Bについて、それら原稿から読み取った画像間の差分を抽出して、複数枚の原稿分だけ、その差分を出力するようになる。
【0052】
このような複数枚の原稿を対象とした差分抽出処理では、原稿送り装置20に自動で連続的に原稿を取り込みその画像を読み込むことで作業効率を向上させることができる。
この場合、取り込む対象としては、いわゆるペア(ページペア)単位で用意された原稿、いわゆる原稿束単位で用意された原稿が考えられる。
図6は、ペア単位の原稿及び原稿束単位の原稿を説明する図である。
【0053】
図6(a)に示すように、ペア単位の原稿(原稿順序)とは、差分抽出対象となる各原稿のページが対となり連続している状態の原稿である。また、図6(b)に示すように、原稿束単位の原稿(原稿順序)とは、差分抽出対象となる各原稿単位で連続している状態の原稿である。
すなわち、この例に示すように、nページの原稿束A{A−1,A−2,A−3,・・・,A−n}とnページの原稿束B{B−1,B−2,B−3,・・・,B−n}とがあり、各原稿A,Bで比較対象のぺージの画像を比較(ページA−1とページB−1とを比較、ページA−2とページB−2とを比較、・・・、ページA−nとページB−nとを比較)して、差分抽出結果を得ようとしている場合を想定する。このような場合には、A−1,B−1,A−2,B−2,・・・,A−1,B−1のように連続する原稿が、ペア単位の原稿となり、A−1,A−2,・・・,A−n,B−1,B−2,・・・,B−nのように連続する原稿が原稿束単位の原稿となる。
【0054】
なお、片面原稿であれば、ここでいうページはその原稿の片面のページとなり、両面原稿であれば、ここでいうページはその原稿の両面の各ページとなる。
以上のようなペア単位の原稿、原稿束単位の原稿が考えられる場合には、ペア単位の原稿では、原稿送り装置20にセットする前の差分抽出対象の各原稿束の原稿を交互に並び替える作業が必要になり、さらには、原稿の画像を読み取った後に、交互に並べ替えた原稿の順序を、各原稿束となるように元に戻す作業が発生する。これに対して、原稿束単位の原稿の場合には、このような作業を要することなく、画像形成装置1における差分抽出処理を実行することができる。
【0055】
本実施形態では、そのような原稿束単位の原稿についての差分抽出処理を実現できるように構成されている。以下、本実施形態における差分抽出処理にかかる構成の説明をする。
図7は、差分抽出処理を開始させる際のフローチャートを示す。
図7に示すように、先ずステップS1において、画像形成装置1は、操作パネル処理部11により、表示部5aにメインメニューを表示する。このとき、操作パネル処理部11は、使用者の入力操作に応じて、メインメニューを各種設定や差分抽出設定のメニュー画面に切り替える。これにより、使用者は、これらから行おうとする処理についてのパラメータ等を入力設定することができる。
【0056】
続くステップS2において、画像形成装置1は、操作パネル処理部11(又はシステム制御部8)により、差分の抽出を実行するか否かを判定する。具体的には、操作パネル処理部11は、メニュー画面に対して差分の抽出の実行を指示する入力操作がなされたか否かを判定する。操作パネル処理部11は、差分の抽出を実行すると判定すると、ステップS3に進む。また、操作パネル処理部11は、差分の抽出を実行しない場合、ステップS1から再び処理を行う。
【0057】
ステップS3では、画像形成装置1は、差分抽出処理を実行する。
図8は、差分抽出処理にかかる全体の処理のフローチャートを示す。
図8に示すように、先ずステップS21において、パラメータ処理部12は、パラメータの設定処理を行う。具体的には、パラメータ処理部12は、操作パネル5から入力された情報やシステムデータ(ROM2等に記憶されているデータ等)を基に、後段処理(ステップS22乃至ステップS24)となる画像読取処理、画像処理、及び出力処理で必要となるパラメータを算出して設定する。
【0058】
ステップS22の画像読取処理では、画像読取処理部9は、画像読取装置6の駆動を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取ったデータを画像処理部10に出力する。
また、ステップS23の画像処理では、画像処理部10は、画像読取処理で読み取った画像データに対して必要な処理を施す。そして、画像処理部10は、処理を施した画像データを蓄積して、予め設定された数(読取原稿の入力枚数)になる度に、それら画像データを出力処理部13に出力する。
【0059】
また、ステップS24の出力処理では、出力処理部13は、画像処理部10からの画像データを画像形成ユニット7に出力したり、通信部14に出力したりする。例えば、出力処理部13は、1枚毎の画像データを画像形成ユニット7に出力したり、電子メールに添付する場合には必要な全ての画像データが揃ったときにそれらをまとめて通信部14に出力したりする。
【0060】
図9及び図10は、前記ステップS21のパラメータの設定処理及び前記ステップS22の画像読取処理のフローチャートを示す。図9は、主としてパラメータの設定処理を示し、図10は、主として画像読取処理を示す。
図9に示すように、先ずステップS41において、パラメータ処理部12は、各種の情報を取得する。具体的には、パラメータ処理部12は、操作パネル5からの入力情報やシステムデータ(メモリに記憶されているデータ、装置能力情報等)を取得する。ここで、装置能力情報には、画像形成装置1が搭載するサブモジュールの能力値等が含まれる。
【0061】
続くステップS42において、パラメータ処理部12(又は操作パネル処理部11)は、表示部5aにパラメータ設定画面を表示する。このパラメータ設定画面では、後段処理となる画像読取処理、画像処理、及び出力処理で必要となるパラメータが使用者により選択可能に表示される。
図11は、パラメータ設定画面200の一例を示す。
【0062】
図11に示すように、「原稿順」の項目201を、「自動」、「原稿束単位」、「ペア」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「読み取りモード」の項目202を、「片面」、「両面」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「読み取り解像度」の項目203を、「200dpi」、「400dpi」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「カラーモード」の項目204を、「モノクロ」、「グレースケール」、「フルカラー」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「傾き補正」の項目205を、「ON」、「OFF」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「自動正立」の項目206を、「ON」、「OFF」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「画像処理サーバ」の項目207を、「Local」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「抽出色設定(追加部)」の項目208を、「緑」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「抽出色設定(削除部)」の項目209を、「青」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「抽出色設定(変更部)」の項目210を、「赤」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「枠付加」の項目211を、「ON」、「OFF」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「枠色」の項目212を、「水色」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「出力形式」の項目213を、「Mail」等の選択項目により設定可能に表示する。また、「プリンタ」の項目214を、「printer-A」等の選択項目により設定可能に表示する。
【0063】
例えば、「原稿順」の項目201の「原稿束単位」は、原稿束単位で画像読取装置6より原稿の画像を読み取ることを設定するための項目である。また、「原稿順」の項目201の「ペア」は、ペア単位で画像読取装置6より原稿の画像を読み取ることを設定するための項目である。また、「原稿順」の項目201の「自動」は、原稿束単位の読み取りなのか、ぺア単位の読み取りなのかを装置で判定させるための項目である。
【0064】
また、「傾き補正」の項目205は、画像データの画像の傾きの補正処理の有無を決定するための項目である。また、「自動正立」の項目206は、自動回転処理により画像データの天地を統一する処理の実行の有無を設定するための項目である。また、「抽出色設定(追加部)」の項目208は、差分抽出処理で得た差分が元原稿に対する追加によるものである場合に、その差分の表示色を設定するための項目である。また、「抽出色設定(削除部)」の項目209は、差分抽出処理で得た差分が元原稿を削除したことによるものである場合に、その差分の表示色を設定するための項目である。また、「抽出色設定(変更部)」の項目210は、差分抽出処理で得た差分が元原稿に対する変更によるものの場合に、その差分の表示色を設定するための項目である。また、「枠付加」の項目211は、そのような差分の表示を枠で囲むか否かを設定するための項目である。また、「枠色」の項目212は、その枠の表示色を設定するための項目である。
【0065】
また、パラメータ処理部12は、このようなパラメータ設定画面200の表示を、前記ステップS41で予め取得した情報を反映させて行っている。
例えば、図11に示すように、「プリンタ」の項目214を反転表示して変更ができないようにして、使用者による設定を許可しないようにする。
また、画像形成装置1が搭載するサブモジュールの能力値を基に、次のようにパラメータ設定画面200を表示している。
【0066】
例えば、画像形成装置1(例えば画像処理部10)がスキュー補正機能(画像の傾きの補正機能)のモジュールを実装している場合には、「傾き補正」の項目205にデフォルト値として「ON」を表示させる。
また、画像形成装置1が自動正立機能のモジュールを実装している場合には、「自動正立」の項目206にデフォルト値として「ON」を表示させる。
【0067】
また、読み取り時の「カラーモード」の項目204については、画像処理部10が処理不可能なパラメータ(1画素の濃度を示す段階数)を選択できないように表示する。例えば、画像処理部10が2値画像しか処理できない場合には、2値(「モノクロ」)しか選択できないように表示し、画像処理部10が多値画像を処理できる場合には、2値と多値(「グレースケール」又は「フルカラー」)とから選択できるように表示する。
【0068】
続くステップS43において、パラメータ処理部12は、パラメータ設定の変更があるか否かを判定する。具体的には、パラメータ処理部12は、図11に示したようなパラメータ設定画面200に対して使用者による設定操作がなされたか否かを判定する。パラメータ処理部12は、パラメータ設定の変更があると判定すると、ステップS47に進む。また、パラメータ処理部12は、パラメータ設定の変更がないと判定すると、ステップS44に進む。
【0069】
ステップS47では、パラメータ処理部12は、パラメータを変更する。そして、パラメータ処理部12は、ステップS54に進む。
一方、ステップS44では、パラメータ処理部12は、中止指示が有るか否かを判定する。すなわち、パラメータ処理部12は、図11に示したようなパラメータ設定画面200内の「戻る」(又は「中止」)ボタン表示220が使用者により操作されたか否かを判定する。パラメータ処理部12は、中止指示が有ると判定すると、当該図9に示す処理を終了する。また、パラメータ処理部12は、中止指示が無いと判定すると、ステップS45に進む。
【0070】
ステップS45では、パラメータ処理部12は、原稿読取指示が有るか否かを判定する。具体的には、パラメータ処理部12は、図11に示したようなパラメータ設定画面200内の「スタート」ボタン表示221が使用者により操作されたか否かを判定する。パラメータ処理部12は、原稿読取指示が有ると判定すると、ステップS46に進む。また、パラメータ処理部12は、原稿読取指示が無いと判定すると、ステップS48に進む。
【0071】
ステップS46では、画像処理装置による画像読取処理(図10の処理)を行う。
一方、ステップS48では、パラメータ処理部12は、手動による原稿読取を検出したか否かを判定する。すなわち、パラメータ処理部12は、原稿検出センサ73a,73b等により、第1コンタクトガラス71への原稿のセットを検出したか否かを判定する。パラメータ処理部12は、手動による原稿読取を検出したと判定すると、ステップS49に進む。パラメータ処理部12は、そうでない場合、ステップS51に進む。
【0072】
一方、ステップS49では、パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されているか否かを判定する。例えば、パラメータ処理部12は、図11に示したようなパラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201が「原稿束単位」又は「ページ」に設定されている場合、使用者により原稿読取順序が指示されていると判定する。一方、「原稿順」の項目201が「自動」に設定されている場合、使用者により原稿読取順序が指示されていないと判定する。パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されていると判定すると、前記ステップS42から再び処理を開始する。また、パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されていないと判定すると、ステップS50に進む。
【0073】
ステップS50では、パラメータ処理部12は、原稿読取順序のパラメータを「ペア」に設定する。すなわち、パラメータ処理部12は、第1コンタクトガラス71に置いて行う原稿読取の場合であって、使用者による原稿読取順序の指示がないときには、原稿読取順序のパラメータを「ペア」に設定する。そして、パラメータ処理部12は、ステップS54に進む。
【0074】
一方、ステップS51では、パラメータ処理部12は、自動給紙による原稿読取を検出したか否かを判定する。すなわち、パラメータ処理部12は、案内部材移動センサ61a,61b,61c等により、原稿供給部21への原稿のセットを検出したか否かを判定する。パラメータ処理部12は、自動給紙による原稿読取を検出したと判定すると、ステップS52に進む。パラメータ処理部12は、そうでない場合、前記ステップS42から再び処理を開始する。
【0075】
ステップS52では、パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されているか否かを判定する。パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されていると判定すると、前記ステップS42から再び処理を開始する。また、パラメータ処理部12は、使用者により原稿読取順序が指示されていないと判定すると、ステップS53に進む。
【0076】
ステップS53では、パラメータ処理部12は、原稿読取順序のパラメータを「原稿束単位」に設定する。すなわち、パラメータ処理部12は、原稿供給部21を用いた原稿読取の場合であって、使用者による原稿読取順序の指示がないときには、原稿読取順序のパラメータを「原稿束単位」に設定する。そして、パラメータ処理部12は、ステップS54に進む。
【0077】
図12は、ステップS53で設定をしたパラメータ設定画面200の一例を示す。
図12に示すように、パラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201が「原稿束単位」の表示に変更される。
ステップS54では、パラメータ処理部12は、パラメータ禁則判定をする。具体的には、パラメータ処理部12は、前記ステップS47、ステップS50、又はステップS53に従ってパラメータを設定(変更)することが、既に設定されている他のパラメータと禁則関係になるか否かを判定する。
【0078】
続くステップS55において、パラメータ処理部12は、前記ステップS54の判定結果を判定する。パラメータ処理部12は、禁則に違反していない場合(禁則関係にならない場合)、ステップS57に進む。また、パラメータ処理部12は、禁則に違反している場合(禁則関係になる場合)、ステップS56に進む。
ステップS56では、パラメータ処理部12は、禁則に違反している内容(例えばパラメータを設定できない内容)の警告表示をする。例えば、パラメータ処理部12は、操作パネル処理部11により操作パネル5を制御し、表示部5aに警告表示する。そして、パラメータ処理部12は、前記ステップS43から再び処理を開始する。
【0079】
ステップS57では、パラメータ処理部12は、パラメータの設定制限表示処理をする。例えば、自動給紙による原稿読取を検出しているような場合において、パラメータ設定画面200で「原稿順」の項目201が「ペア」に変更されたときには、「読み取りモード」の項目202を「片面」に設定しつつ、使用者により選択不可能にする。
次に図10に示す画像読取処理を説明する。
【0080】
図10に示すように、先ずステップS71において、画像読取処理部9は、画像読取装置6を駆動して原稿の読み取りを実行する。これにより、画像読取装置6は、原稿供給部21に置かれた原稿を画像読取装置6に連続して取り込み原稿束の各原稿の画像を読み取る。又は、画像読取装置6は、第1コンタクトガラス71上に置かれた原稿の画像を読み取る。
【0081】
続くステップS72において、画像読取処理部9は、読み取り結果に異常があるか否かを判定する。例えば、読み取った原稿の原稿サイズが、画像処理部10の処理能力を超える場合には、画像読取処理や以降の処理となる差分抽出処理等の処理を中止するため、異常と判定する。具体的には、画像読取処理部9は、読み取った原稿の原稿サイズと画像読取装置6で原稿読取りを行う際に指定された解像度(パラメータ設定画面200で設定された値)とで定まる当該画像読取装置6が原稿読取りの結果得る画像の画素数が、予め定められたしきい値以上の場合(又はしきい値より大きい場合)は、読み取り結果に異常がある(又は差分抽出結果に異常が発生する恐れがある)との判定をする。例えば、ここでいうしきい値とは、画像処理部10が差分抽出処理を実施できる画素数である。
【0082】
画像読取処理部9は、読み取り結果に異常があると判定すると、ステップS79に進む。また、画像読取処理部9は、読み取り結果に異常がないと判定すると、ステップS73に進む。
ステップS79では、画像読取処理部9は、操作パネル処理部11により操作パネル5を制御し、表示部5aにエラー表示を行う。
【0083】
続くステップS80において、画像読取処理部9は、使用者からの中止指示が有るか否かを判定する。これにより、画像読取処理部9は、使用者からの中止指示が有ると判定するまで指示待ち状態になる。そして、パラメータ処理部12は、中止指示が有ったときに、当該図10に示す処理を終了する。
一方、ステップS73では、画像読取処理部9は、前記ステップS71で読み取った画像データをHDD4等の記憶部に保存する。
【0084】
続くステップS74において、画像読取処理部9は、前記ステップS71で読み取った原稿の総ページ数(片面原稿であれば画像を読み取った原稿の枚数に相当)をカウントする。
続くステップS75において、画像読取処理部9は、パラメータ設定の制限処理を行う。具体的には、画像読取処理部9は、差分抽出処理による差分の抽出精度を低下させてしまうような、読み取り処理や差分抽出処理に関するパラメータの変更を禁止する処理を行う。
【0085】
図13は、パラメータ設定の制限処理を行った際のパラメータ設定画面の一例を示す。
図13に示すように、パラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201、「読み取りモード」の項目202、及び「読み取り解像度」の項目203等を反転表示して設定できないようにして、使用者による変更を許可しないようにする。すなわち、「原稿順」の項目201等を既に設定されている設定値(同じ設定値)に維持する。
【0086】
ステップS76では、画像読取処理部9は、使用者からの中止指示が有るか否かを判定する。例えば、画像読取処理部9は、図13に示すようなパラメータ設定画面内の「中止」ボタン表示222が使用者により操作されたか否かを判定する。画像読取処理部9は、中止指示が有ると判定すると、当該図10に示す処理を終了する。また、画像読取処理部9は、中止指示が無いと判定すると、ステップS77に進む。
【0087】
ステップS77では、画像読取処理部9は、画像を読み取る原稿の追加が有るか否かを判定する。例えば、画像読取処理部9は、案内部材移動センサ61a,61b,61c等により新たに原稿がセットされたことを検出し、かつ使用者が操作パネル5に対して追加した原稿を読み取る処理を開始させる指示を入力した場合、原稿の追加が有ると判定する。画像読取処理部9は、原稿の追加が有ると判定すると、ステップS81に進む。また、画像読取処理部9は、原稿の追加が無いと判定すると、例えば、使用者が原稿の読み取りの終了の指示を操作パネル5に対して入力した場合、ステップS78に進む。
【0088】
ステップS81では、画像読取処理部9は、使用者によりパラメータ設定の変更がなされたか否かを判定する。画像読取処理部9は、使用者によりパラメータ設定の変更がなされたと判定すると、ステップS82に進む。また、画像読取処理部9は、使用者によりパラメータ設定の変更がなされていないと判定すると、前記ステップS71から再び処理を開始する。
【0089】
なお、前記ステップS75のパラメータ設定の制限処理を実施しているため、パラメータ設定が変更されている場合とは、そのようなパラメータ設定の制限処理により制限されている下で行われている場合である。
ステップS82では、画像読取処理部9(又はパラメータ処理部12)は、パラメータを変更する。そして、画像読取処理部9は、前記ステップS71から再び処理を開始する。
【0090】
一方、ステップS78では、画像読取処理部9は、前記ステップS74のカウント結果を基に、読み取った原稿の総ページ数が偶数か否かを判定する。画像読取処理部9は、読み取った原稿の総ページ数が偶数であると判定すると、当該図10に示す処理を終了する。また、画像読取処理部9は、読み取った原稿の総ページ数が奇数であると判定すると、ステップS83に進む。
【0091】
ステップS83では、画像読取処理部9は、操作パネル5に警告表示をするとともに、原稿の追加指示を表示する。なお、画像読取処理部9は、このような表示することなく、処理を中止(終了)させることもできる。
続くステップS84において、画像読取処理部9は、使用者からの中止指示が有るか否かを判定する。画像読取処理部9は、中止指示が有ると判定すると、当該図10に示す処理を終了する。また、画像読取処理部9は、中止指示が無いと判定すると、ステップS85に進む。
【0092】
ステップS85では、画像読取処理部9は、画像を読み取る原稿の追加が有るか否かを判定する。画像読取処理部9は、原稿の追加が有ると判定すると、前記ステップS71から再び処理を開始する。また、画像読取処理部9は、原稿の追加が無いと判定すると、前記ステップS84の処理に戻る。
以上のような画像読取処理部9による処理により、画像読取装置6において原稿の画像を読み取り、その画像データを取得することができる。画像処理部10は、取得した画像データを基に、差分抽出処理を行う。
【0093】
図14は、画像処理部10(差分抽出手段10a)における差分抽出処理(前記図8のステップS23の処理)のフローチャートを示す。
図14に示すように、先ずステップS101において、画像処理部10は、原稿の読取順序を自動判定するように設定されているか否かを判定する。すなわち、図11に示すようなパラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201が「自動」に設定されているか否かを判定する。画像処理部10は、原稿の読取順序を自動判定するように設定されていると判定すると、ステップS102に進む。また、画像処理部10は、原稿の読取順序を自動判定するように設定されていないと判定すると、ステップS106に進む。
【0094】
ステップS106では、画像処理部10は、パラメータの設定値を基に、原稿の読取順序が原稿束単位でなされたか否かを判定する。すなわち、図11に示すようなパラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201が「原稿束単位」に設定されているか否かを判定する。なお、使用者により設定されている場合の他、前記ステップS53でも、「原稿順」の項目201が「原稿束単位」に設定されている場合がある。
【0095】
画像処理部10は、原稿の読取順序が原稿束単位でなされていると判定すると、ステップS104に進む。また、画像処理部10は、原稿の読取順序が原稿束単位でなされていないと判定すると、すなわち、図11に示すようなパラメータ設定画面200において、「原稿順」の項目201が「ページ」に設定されている場合、ステップS107に進む。
なお、使用者により設定されている場合の他、前記ステップS50でも、「原稿順」の項目201が「ページ」に設定されている場合がある。
【0096】
ステップS104では、画像処理部10は、原稿束単位の差分抽出処理を行う。例えば、前記図10の画像読取処理において、画像データには、その読み取った順番で番号(ページ番号)が付与される。このようなことから、画像処理部10は、そのように付与されている番号を基に、一の原稿束(第1の原稿束)の画像データと、当該画像データに対応する他の原稿束(第2の原稿束)の画像データとを比較して画像間の差分を抽出する。すなわち、画像処理部10は、原稿の2n(n=2,3,…)ページの画像データについて、1ページ目とn+1ページ目の画像データ、2ページ目とn+2ページ目の画像データ、3ページ目とn+3ページ目の画像データ、…、nページ目と2nページ目の画像データを用いて差分を抽出する。
【0097】
また、差分を抽出する技術には種々あるが、例えば、それぞれの画像について走査しつつ画素値を比較していき、予め設定しているしきい値以上の差分値となる部位が有ったとき、その部位を差分が有る部位として抽出する。そして、画像処理部10は、全ての画像データについてこのような差分抽出処理を行う。すなわち、画像処理部10は、1ページ目の画像を構成する画素の画素値と、当該1ページ目の画像を構成する画素と対応する位置にある、n+1ページの画像を構成する画素の画像値との差分値を求める。そして、画像処理部10は、差分値がしきい値以上である場合には、当該位置を差分が有る部位として特定する。さらに、画像処理部10は、そのような差分値を求める処理(差分が有る部位を特定する処理)を、画像を構成する全画素について行う。その後、画像処理部10は、特定した差分が有る部位の数の総和を求め、求めた総和を差分の数とする。
【0098】
一方、ステップS107では、画像処理部10は、ペア単位の差分抽出処理を行う。例えば、画像処理部10は、原稿の画像を読み取った順番で得られる連続する2つの画像データ(奇数ページ目の画像データとそれに続く偶数ページ目の画像データ)を比較して画像間の差分を抽出する。すなわち、画像処理部10は、原稿の2n(n=2,3,…)ページの画像データについて、1ページ目と2ページ目の画像データ、3ページ目と4ページ目の画像データ、5ページ目と6ページ目の画像データ、…、2n−1ページ目と2nページ目の画像データを用いて差分を抽出する。その後、画像処理部10は、ステップS105に進む。
【0099】
ステップS105では、画像処理部10は、差分抽出処理による差分抽出結果を出力する。具体的には、画像処理部10は、差分抽出対象の2つの画像データのうちの何れかの画像データを基に、差分が生じている箇所を枠や予め設定した色により強調した画像データを作成する。このとき、画像処理部10は、パラメータ設定画面200で設定されている「抽出色設定(追加部)」、「抽出色設定(削除部)」、「抽出色設定(変更部)」及び「枠付加」の項目を基に、差分箇所を強調する処理を行う。そして、画像処理部10は、作成した画像データを出力処理部13に出力する。
【0100】
これにより、出力処理部13は、パラメータ設定画面で設定されている「出力形式」及び「プリンタ」の項目を基に、画像データを画像形成ユニット7に出力したり、電子メールに画像データを添付したりする(前記図8のステップS24の処理)。
一方、ステップS102では、画像処理部10は、原稿を読み取った最初の数ページ(予め設定したページ数)分の画像データについて、連続する2つの画像間で差分抽出処理を行う。
【0101】
続くステップS103において、画像処理部10は、前記ステップS102の差分抽出結果を基に、原稿の画像の読み取りが原稿束単位でなされたか否かを判定する。具体的には、画像処理部10は、前記ステップS102の差分抽出処理により取得した差分の数が予め設定しているしきい値よりも大きい場合、原稿の画像の読み取りが原稿束単位でなされたと判定し、差分の数がしきい値以下の場合、原稿の画像の読み取りがペア単位でなされたと判定する。画像処理部10は、原稿の画像の読み取りが原稿束単位でなされたと判定すると、前記ステップS104に進む。また、画像処理部10は、原稿の画像の読み取りがペア単位でなされたと判定すると、前記ステップS107に進む。
また、画像処理部10は、自動正立の機能を有している。
【0102】
図15は、画像処理部10におけるその自動正立処理のフローチャートを示す。
図15に示すように、先ずステップS121において、画像処理部10は、差分抽出処理を行う。このステップS121の差分抽出処理は、前記図14に示すような内容による処理である。
このような差分抽出処理を終了すると、続くステップS122において、画像処理部10は、全画像データについての差分抽出処理により抽出した差分数(差分が生じている部位の数)が予め設定しているしきい値以上か否かを判定する。画像処理部10は、差分数がしきい値以上の場合、ステップS123に進む。また、画像処理部10は、差分数がしきい値未満の場合、当該図15に示す処理を終了する。すなわち、画像処理部10は、現状の差分抽出結果を採用する。
【0103】
ステップS123では、画像処理部10は、自動正立機能がオン設定になっているか否かを判定する。すなわち、図11に示すようなパラメータ設定画面200において、「自動正立」の項目206が「ON」に設定されているか否かを判定する。画像処理部10は、自動正立機能がオン設定になっていると判定すると、ステップS126に進む。また、画像処理部10は、自動正立機能がオフ設定になっていると判定すると、ステップS124に進む。
【0104】
ステップS126では、画像処理部10は、自動回転処理により画像データの天地を統一する自動正立処理を行う。例えば、画像処理部10は、原稿束単位の差分抽出処理を行って差分抽出結果を取得している場合には、前半分の画像データ又は後半分の画像データに対して自動回転処理を行う。また、画像処理部10は、ペア単位の差分抽出処理を行って差分抽出結果を取得している場合には、奇数ページの画像データ又は偶数ページの画像データに対して自動回転処理を行う。そして、画像処理部10は、前記ステップS121から再び処理を開始する。
【0105】
ステップS124では、画像処理部10は、差分抽出対象とした対となる画像を表示しつつ、使用者に対して原稿の再度の読み取りを要求する。なお、画像処理部10は、このような表示、要求をすることなく、処理を中止(終了)させることもできる。
続くステップS125において、画像処理部10は、原稿読取指示が有るか否かを判定する。画像処理部10は、原稿読取指示が有ると判定すると、ステップS127に進む。また、画像処理部10は、原稿読取指示が無いと判定すると、例えば、使用者からの中止指示がなされた場合、当該図15に示す処理を終了する。
【0106】
なお、画像処理部10は、自動正立機能がオフ設定になっていると判定すると、このような原稿読取指示の有無を判定することなく、当該図15に示す処理を終了することもできる。すなわち、画像処理部10は、自動正立機能がオフ設定になっているときには、そのまま処理を終了させる。また、画像処理部10は、差分数がしきい値未満の場合(特に自動正立機能を搭載していないような場合)、そのまま処理を終了させることもできる。
【0107】
ステップS127では、画像処理部10(画像読取処理部9)は、前記図9及び図10のような処理内容の原稿読取処理を実行する。そして、画像処理部10は、原稿読取処理の終了後、前記ステップS121から再び処理を開始する。
以上のような構成の画像形成装置1は、差分抽出処理では次のように動作する。
画像形成装置1は、使用者による原稿読取の指示があるまで、使用者によりパラメータ設定画面200が操作されたり、手動による原稿読取を検出したり、自動給紙による原稿読取を検出したりすると、パラメータを変更する(前記ステップS43、ステップS48乃至ステップS55)。そして、画像形成装置1は、変更されたパラメータについて禁則判定をして、その判定結果に応じて、警告やパラメータの設定制限表示処理を行う(前記ステップS54乃至ステップS57)。そして、画像形成装置1は、使用者による原稿読取の指示があると、画像読取処理を開始する(前記ステップS45、ステップS46)。
【0108】
画像読取処理では、画像形成装置1は、先に設定されているパラメータを基にその処理を行う。このとき、画像形成装置1は、原稿供給部21に置かれた原稿を画像読取装置6に連続して取り込み、原稿束の各原稿の画像を読み取る。又は、画像読取装置6は、第1コンタクトガラス71上に置かれた原稿の画像を読み取る。さらに、原稿供給部21に両面原稿がセットされた場合には、前記図2に示した機構により、その各面の画像を読み取る。そして、画像形成装置1は、その原稿の画像の読み込みを終了すると、画像読取装置6で読み取って取得した画像データをHDD4等の記憶部に保存したりする(ステップS71乃至ステップS74)。
【0109】
また、画像形成装置1は、画像を読み取る原稿の追加があるような場合には、パラメータ設定の制限処理を行いつつ、原稿が追加されたときに、使用者により変更されたパラメータ(制限処理でその変更が許可されたパラメータ)を反映させつつ、再び画像読取処理を行う(前記ステップS71、ステップS75乃至ステップS77、ステップS81、ステップS82)。
【0110】
そして、画像形成装置1は、使用者により画像読取を終了する指示があったときに、読み取った原稿の総ページ数が偶数であれば、そのまま処理を終了する(前記ステップS777、ステップS78)。一方、画像形成装置1は、読み取った原稿の総ページ数が奇数の場合、操作パネル5に警告表示をするとともに、原稿の追加指示を表示し、使用者からの中止指示が有れば処理を終了し、原稿の追加が有れば再び画像読取処理を行う(前記ステップS78、ステップS83乃至ステップS85)。
【0111】
そして、画像形成装置1は、画像読取処理により取得した画像データについて、原稿束単位又はペア単位に応じた差分抽出処理を実施する。このとき、画像形成装置1は、原稿の読取順序を自動判定するように設定されている場合には、最初の数ページ分の画像データについて差分抽出処理を行い、その差分抽出結果を基に、原稿の画像の読み取りが原稿束単位でなされたか否かを判定する。これにより、画像形成装置1は、原稿の画像の読み取りが原稿束単位でなされているとき、原稿束単位の差分抽出処理を行い、また、原稿の読取がペア単位でなされているとき、ペア単位の差分抽出処理を行って、差分抽出結果を画像形成ユニット7や表示部5a等により画像形成や表示等による出力をする(前記ステップS101乃至ステップS105、ステップS107)。
【0112】
また、画像形成装置1は、原稿の読取順序を自動判定するように設定されていない場合には、パラメータの設定値を基に、原稿束単位又はペア単位の差分抽出処理を行い、差分抽出結果を画像形成ユニット7や表示部5a等により画像形成や表示等による出力をする(前記ステップS101、ステップS104乃至ステップS107)。
ここで、画像形成ユニット7により出力された画像には、抽出した差分のある箇所を特定できる情報が付加されている。すなわち、差分抽出処理により差分抽出対象となった対の画像の何れかの画像が、追記された箇所と削除された箇所とが異なる色で示されるようになる。
【0113】
なお、以上の本実施形態において、第1の画像読取手段及び第2の画像読取手段として、例えば、画像読取装置6を用いている。また、第1の差分抽出手段及び第2の差分抽出手段として、例えば、差分抽出手段10aを用いている。すなわち例えば、受付手段、並びに第1の差分抽出手段及び第2の差分抽出手段は、CPU8aがプログラム2aをROM2からRAM3に読み込んで、画像処理部10(差分抽出手段10a)に処理を実行させることにより実現される。また、第1の制限手段及び第2の制限手段として、例えば、画像読取処理部9(特にステップS75の処理機能)を用いている。また、許可手段として、例えば、パラメータ処理部12(特にステップS53の処理機能)を用いている。また、第3の制限手段及び第1の報知手段として、例えば、画像読取処理部9(特にステップS78、ステップS83の処理機能)を用いている。また、処理手段及び第4の制限手段として、例えば、パラメータ処理部12(特にステップS42の処理機能)を用いている。また、第2の補正手段として、例えば、画像処理部10(特にスキュー補正機能)を用いている。また、再度実行手段及び第2の報知手段として、例えば、画像処理部10(特に図15の処理手順の自動正立の機能)を用いている。
【0114】
なお、本実施形態の変形例として次のようなものが挙げられる。
すなわち、画像処理部10では、前記ステップS105における差分抽出結果の出力処理として、外部に出力することなく、HDD4等の記憶部にその差分抽出結果を保存しておくことができる。この場合、例えば、使用者は、必要に応じて、記憶部に記憶されている差分抽出結果のデータを取り出すことができる。
【0115】
また、本実施形態では、画像読取装置6と差分抽出を行う画像処理部10とを同一の画像形成装置1内に有しているが、このような構成に限定されない。例えば、画像読取装置6と画像処理部10とが別々の画像形成装置に含まれていたり、個々の装置として構成されていたりしても良い。
また、このような場合、画像読取装置6を有する情報処理装置で読み取った画像データを画像処理部(画像処理装置等)9を有するサーバ装置に送信して、サーバ装置において差分抽出処理を行っても良い。
【0116】
また、このような場合、サーバ装置は、差分抽出処理で抽出した差分を特定する情報、差分画像又は必要に応じて原稿画像を前記情報処理装置に返信する。この場合、差分を特定する情報又は差分画像を受信した情報処理装置は、差分を特定する情報を原稿画像に反映し、反映した画像を表示装置に出力することができる。また、反映した画像を印刷しても良い。また、前記情報処理装置側で差分画像を特定する情報を原稿に付加したがこれに限定されない。例えば、サーバ装置側でそのような付加を行っても良い。
【0117】
また、ここでは、差分を特定する情報、差分画像を読み取った情報処理装置に返信したがこれに限定されない。例えば、差分を特定する情報、原稿画像、又は差分を特定する情報を反映した画像を、画像を読み取った装置とは別の情報処理装置に転送しても良い。このような場合には、サーバ装置は、転送先の情報処理装置の情報が必要となる。したがって、画像読取装置6は、事前に、転送先の情報処理装置の情報を設定し、当該情報をサーバ装置に送信する必要がある。これにより、サーバ装置は、この情報に基づいて転送することができるようになる。
【0118】
また、読み取った原稿の原稿サイズが画像処理部10の処理能力を超える場合には、処理を中止するのではなく(前記ステップS79、ステップS80)、原稿の読取範囲を変更したり、解像度の指定の変更を促す情報を報知したりすることもできる。さらには、画像処理部10が処理できるように補正又は加工等をすることもできる。例えば、読み取った画像データの解像度を変換する処理(例えば解像度を縮小する変換をする処理)したり、読み取った画像データ(例えば画素数が多く差分を抽出できないと判定された画像データ)を分割(例えば4分割)したりして、それにより得られる画像データを画像処理部10に出力する。例えば、画像データを分割した場合には、画像処理部10は、その分割された各画像データについて差分を抽出して、その後、再合成する。ここでいう再合成とは、各分割データについて得た差分値の総計を算出すること、分割した画像データを結合すること等である。
【0119】
また、画像処理部10は、全ての画像データについて、原稿束単位の差分抽出処理と、ペア単位の差分抽出処理とをそれぞれ実施して、差分数が少ない方の差分抽出結果を採用して出力処理部13への出力等をすることもできる。例えば、このような処理を、原稿の読取順序を自動判定するように設定されている場合に行う。
また、画像形成装置1は、手動による原稿読取か、自動給紙による原稿読取かの設定を使用者がパラメータ設定画面200等で設定することもできる。この場合、画像形成装置1は、手動による原稿読取が設定された場合には、原稿読取順序を「ペア」に設定し、自動給紙による原稿読取が設定された場合には、原稿読取順序を「原稿束」に設定する。
【0120】
また、画像形成装置1では、処理が継続不可能な状況になったときの動作を予め設定することができる。
図16は、その設定を可能にするメニュー画面の一例を示す。
図16に示すように、「原稿枚数異常時の処理」の項目を「処理中止」、「警報表示」等の選択項目により設定可能に表示する。これにより、画像形成装置1は、比較対象の対となるページがない原稿間で差分を抽出してしまうのを制限したり、比較対象の対となるページがない原稿間で差分を抽出しようとしていることを報知したりすることを選択的に行うことができる。
【0121】
そして、このような「原稿枚数異常時の処理」の項目を設定可能にすることで、画像形成装置1は、前記ステップS78において読み取った原稿の総ページ数が奇数であると判定すると、「原稿枚数異常時の処理」の項目の設定に応じて、処理中止や警報表示等の動作をするようになる。
なお、第2の設定手段として、例えば、以上の選択的に行えるようにする処理を行っている。
【0122】
また、「最大画素数オーバー時の処理」の項目を「指示入力」、「処理中止」、「警報表示」等の選択項目により設定可能に表示する。これにより、画像読取処理部9により読み取られた原稿の画像データの画素数(又は原稿サイズ)が画像処理部10の処理能力を超える場合には、「最大画素数オーバー時の処理」の項目の設定に応じて動作するようになる。
【0123】
また、「天地逆検出時の処理」の項目を「自動正立(実施)」、「処理中止」、「警報表示」等の選択項目により設定可能に表示する。これにより、図15の自動正立処理が「天地逆検出時の処理」の項目の設定に応じて、自動正立処理の実行、処理中止等の動作をするようになる。
なお、第5の設定手段として、例えば、自動正立処理を中止するようにしている。
【0124】
また、「プリンターオフライン時」の項目を「Mail通知」等の選択項目により設定可能に表示する。
また、受付手段を、例えば、通信I/Fコントローラにより構成することもできる。この場合、通信I/Fコントローラは、LANやインターネット、一般公衆回線等の通信手段を介して他の装置から画像データを受け取る。又は、画像読取装置から画像データを受け取る。
【0125】
また、プログラムを用いる場合には、LANやインターネット、一般公衆回線等の通信手段を介して提供し、又はCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。すなわち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0126】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、演算処理を行うCPU等が、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
また、前記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。
【符号の説明】
【0127】
1 画像形成装置 2 ROM、2a プログラム、3 RAM、4 HDD、5 パネル操作部、6 画像読取装置、7 画像形成ユニット、8 システム制御部、9 画像読取処理部、10 画像処理部、10a 差分抽出手段、10b 画像メモリ(受付手段)、11 操作パネル処理部、12 パラメータ処理部、13 出力処理部、14 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16