(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態に係るハロゲン含有ガス供給装置は、ハロゲン含有ガスを、そのハロゲン含有ガスが高圧充填された容器から外部装置へと供給するものであって、容器からハロゲン含有ガスを供給するための供給弁と、供給管の下流に設けられ衝撃波の発生を防止する衝撃波防止機構とを備える。
【0024】
外部装置は、半導体デバイス、МEМSデバイス、液晶用TFTパネル、及び太陽電池等に用いられる半導体を製造する半導体製造装置である。また、ハロゲン含有ガスは、半導体製造工程にてクリーニングプロセス用ガスやエッチングプロセス用ガスとして用いられる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係るハロゲン含有ガス供給装置及びハロゲン含有ガス供給方法について詳細に説明する。
【0026】
ハロゲン含有ガスが高圧充填された容器は、開閉弁を具備し、高圧ガスを密閉できる容器である。容器の開閉弁には導管が接続され、その導管には容器からハロゲン含有ガスを供給するための供給弁が設けられる。容器と供給弁にてハロゲン含有ガスを供給可能な供給装置が構成される。供給弁の下流には衝撃波の発生を防止する衝撃波防止機構が設けられる。衝撃波防止機構の下流にはハロゲン含有ガスを外部装置へと導入するための導入弁が設けられる。導入弁は、外部装置内に設けるようにしてもよく、また、供給装置内に設けるようにしてもよい。
【0027】
供給弁を開放することによって、容器内のハロゲン含有ガスは衝撃波防止機構及び導入弁を経由して外部装置へと供給される。なお、容器は、単独で用いてもよく、又は、複数のものを並列に連結して用いてもよい。容器の数は特に限定されない。
【0028】
容器の材質は、充填されるハロゲンガスに対して耐蝕性を有するものが好ましく、例えば、マンガン鋼、ステンレス鋼、ニッケルを含む合金(ハステロイ、インコネル、モネルなど)が挙げられる。
【0029】
ハロゲン含有ガスのハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であり、これらのうちいずれか2種類以上が混合されたものであってもよい。
【0030】
ハロゲン含有ガスは、ハロゲンが含有されているものであればよく、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガスのハロゲンガス、又はNF
3、BF
3、ClF、ClF
3、IF
7等のハロゲン化合物のガスに、N
2、Ar、He等の不活性ガスを混合したものであってもよい。また、ハロゲンガスとハロゲン化合物のガスとの混合ガスに不活性ガスを混合したものであってもよい。
【0031】
ハロゲン含有ガス中のハロゲンガス、ハロゲン化合物のガスの濃度は、特に限定されないが、例えば、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、NF
3ガス、BF
3ガス、ClFガス、ClF
3ガス、及びIF
7ガスのうち少なくともいずれか1種類が0.1vol%以上100vol%以下の範囲である。
【0032】
ハロゲン含有ガスの充填圧力は、5MPaG以上20MPaG以下であることが望ましい。5MPaG未満では、導入側の導入弁内部の温度上昇を引き起こし難く、また、導入弁の弁室内の表面腐食や導入弁に用いられるシール材の劣化が生じ難い。一方、20MPaG超では、本発明を用いることにより、導入弁内部の温度上昇は引き起こさないものの、ハロゲンガスによる接ガス部表面の腐食が生じ易くなるため、好ましくない。
【0033】
ハロゲン含有ガスが供給弁より供給された場合、その供給されたガスの移動速度が一定以上になると、衝撃波が発生する。一般的に、この衝撃波が発生する速度は、下記(1)式で示されるマッハ数を用いて示される。
【0034】
マッハ数(M)=流体の速度(V)/音速(a) ・・・ (1)
ここで、気体における音速(a)は、気体の比熱比(κ)、気体定数(R)、気体の温度(T)、気体の平均分子量(M)を用いて、下記(2)式で表わされる。
【0036】
上記(1)式及び(2)式から算出されるマッハ数が0.7以上かつ1.2未満となるようなガス速度の場合、ガスが流通する導管の直径及び長さの条件によっては、衝撃波が発生する可能性がある。また、マッハ数が1.2以上となるようなガス速度の場合、ガスの移動に伴い衝撃波が発生する。
【0037】
従って、ガスの移動に伴う衝撃波の発生を防止するためには、マッハ数が0.7未満となるようにガスの移動速度を低下させる必要がある。
【0038】
具体的には、例えばハロゲン含有ガスが100%のフッ素ガスであった場合、25℃での音速は302.12m/sであるため、ガスの移動速度を211.48m/s未満に制御することにより、衝撃波の発生を防止することができる。
【0039】
また、ガスの移動によって発生する衝撃波は直進性が高いので、ガスの移動方向を変化させることにより、発生する衝撃波を分散させ、衝撃波の成長を抑制することができる。
【0040】
衝撃波防止機構は、上述の衝撃波の性質を利用して、衝撃波の発生を抑制する衝撃波抑制機構、あるいは、発生した衝撃波を減衰させる衝撃波減衰機構である。
【0041】
衝撃波の発生を抑制する衝撃波抑制機構の具体例を下記に挙げる。
【0042】
第1の衝撃波抑制機構は、弁、直線状のチューブ、またはオリフィスなど、ガス流通を制限した構造を備えた機構である。この機構では、ガス流通を制限した箇所の下流でガスの移動速度が低下するため、衝撃波の発生を抑制できる。
【0043】
第2の衝撃波抑制機構は、第1の衝撃波抑制機構において、ガス流通を制限した構造部を迂回するように設けられたバイパス管と、バイパス管に設けられた開閉弁とを備える機構である。この機構では、先ず、ガス流通を制限した構造部より衝撃波抑制機構内全域に衝撃波が発生しない程度の速度でガスが充填され、その後、開閉弁を開にしてバイパス管にガスを流通させる。そのため、外部装置へのガス供給時にはバイパス管へもガスが流通し、供給流量を向上できる。
【0044】
次に、発生した衝撃波を減衰させる衝撃波減衰機構の具体例を下記に挙げる。
【0045】
第1の衝撃波減衰機構は、導管をコイル状に巻いた機構である。この機構では、導管がコイル状であるため、導管内をガスが直線的に流通しない。したがって、導管内内での衝撃波の成長が抑制され、衝撃波が減衰する。
【0046】
第2の衝撃波減衰機構は、導管内に邪魔板を設置した機構である。この機構では、ガスの流れる方向が不連続に変化するため、導管内での衝撃波の成長が抑制され、衝撃波が減衰する。
【0047】
本発明に用いられる衝撃波防止機構は、上述した衝撃波の性質に基づき、衝撃波の発生を抑制する、あるいは、発生した衝撃波を減衰させる機構を備えたものであれば、特にその構造が限定されることは無い。
【0048】
供給弁を開放して高圧のハロゲン含有ガスを供給する場合、外部装置へハロゲン含有ガスを導入するための導入弁の内部温度の上昇を引き起こし易く、また、導入弁の弁室内の表面腐食や導入弁に用いられるシール材の劣化が生じ易い。これは、供給弁の開放により、ハロゲン含有ガスが流通する導管内で衝撃波が発生し、発生した衝撃波が伝播する過程で成長し導入弁に達するため、導入弁内部の温度上昇を引き起こすものと推測される。そこで、本発明では、ハロゲン含有ガスを、衝撃波発生防止機構を介して導入弁に供給することにより、供給弁から導入弁の間での衝撃波の発生及び成長を抑制する。これにより、導入弁内部の温度上昇や、導入弁の弁室内の表面腐食やシール材の劣化を抑制することができる。
【0049】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0050】
図1に本実施例の系統図を示す。マンガン鋼製の容器1には、N
2希釈による20vol%F
2ガスが5MPaGの圧力で充填されている。容器1には開閉弁2が装着され、開閉弁2には内径1.07cm、長さ20cmの直線状のステンレス製の導管3が接続される。導管3にはF
2ガスを供給するための供給弁4が設けられ、供給弁4の下流にはF
2ガスを外部装置100へと導く導入弁が設けられる。供給弁4と導入弁5の間には衝撃波防止機構50が設けられる。導入弁5の下流には、真空排気設備が手動弁6を介して接続されている。真空排気設備は、導管3内のガス置換を行うためのものである。
【0051】
衝撃波防止機構50は、
図2に示すように、内径0.75cmのステンレス配管51を直径7cmのスパイラル状に15巻したものであり、供給弁4と導入弁5の間に接続されている。導入弁5は損傷が評価される弁である。導入弁5のシール材の材質5はPCTFE(三フッ化塩化エチレン)である。
【0052】
容器1の開閉弁2以外のすべての弁を開放して、導管3内を真空状態とした後、すべての弁を閉止する。その後、開閉弁2を開放して容器1から供給弁4までの導管3内の圧力を5MPaGとした。
【0053】
次に、供給弁4を開放し、導入弁5までの圧力を5MPaGとした状態で5分間保持した。5分間経過した後に、開閉弁2を閉止し、導入弁5及び手動弁6を開放し、真空排気設備により導管3内を真空状態とした。
【0054】
以上の操作を10回繰り返した後に、リークディテクターにより導入弁5の内部リーク量の計測を行ったところ、リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0055】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例2】
【0056】
衝撃波防止機構50は、
図3に示すように、内径5.27cm、長さ20cmのステンレス配管52と、ステンレス配管52の内部に配置され一部が切り欠かれたステンレス製の複数の邪魔板53とを備える。
図3(a)は衝撃波防止機構50の斜視図であり、
図3(b)は衝撃波防止機構50の断面図である。なお、衝撃波防止機構50以外の構成は、実施例1の構成と同じである。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0057】
邪魔板53は、外径がステンレス配管52の内径と略同一であり、外周がステンレス配管52の内周に沿うように配置される。邪魔板53は、ステンレス配管52の内部に配置された状態で、ハロゲン含有ガスが通過可能な開口部54の面積が4.4cm
2となるように切り欠かれる。邪魔板53は、開口部54が互い違いとなるように等間隔に、ステンレス配管52の長さ方向に7枚配置される。
【0058】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0059】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例3】
【0060】
衝撃波防止機構50は、
図4に示すように、内径1.07cm、長さ20cmのステンレス配管56の中央内部にオリフィス板10が設置されたオリフィス管である。
【0061】
オリフィス板10は、直径2cmのステンレス製の円板の中央に直径0.2cmの貫通孔が設けられる。オリフィス板10は、外径がステンレス配管56の内径と略同一であり、外周がステンレス配管56の内周に沿うように配置される。なお、衝撃波防止機構50以外の構成は、実施例1の構成と同じである。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0062】
その結果、リークディテクターにより計測された自動弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0063】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例4】
【0064】
衝撃波防止機構50は、
図5に示すように、ガスが流通する内径1.07cmのステンレス製の主導管11と、主導管11に設けられた内径0.08cm長さ10cmのステンレス製のチューブ12と、チュ−ブ12を迂回するように主導管11に接続された内径1.07cmのステンレス製のバイパス管13と、バイパス管13に設けられる開閉弁14とを備える。なお、衝撃波防止機構50以外の構成は、実施例1の構成と同じである。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0065】
容器1の開閉弁2以外のすべての弁を開放して、導管3、主導管11、チューブ12、及びバイパス管13内を真空状態とした後、すべての弁を閉止する。その後、開閉弁2を開放して容器1から供給弁4までの導管3内の圧力を5MPaGとした。
【0066】
次に、供給弁4を開放し、チュ−ブ12にガスを流通し、導入弁5までの圧力を5MPaGまで上昇させた後、開閉弁14を開として5分間保持した。5分間経過した後に、開閉弁2を閉止し、手動弁6を開放し、真空排気設備により導管3、主導管11、チュ−ブ12、及びバイパス管13内を真空状態とした。
【0067】
以上のような操作を10回繰り返した後に、リークディテクターにより導入弁5の内部リーク量の計測を行ったところ、リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0068】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例5】
【0069】
衝撃波防止機構50は、実施例4のチューブ12に代わり、実施例3で用いたオリフィス管を用いる。それ以外の構成は、実施例4の構成と同じである。また、操作も実施例
4と同様に実施した。
【0070】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0071】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例6】
【0072】
本実施例では、容器1に、100vol%NF
3ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0073】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0074】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例7】
【0075】
本実施例では、容器1に、100vol%O
2ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0076】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0077】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例8】
【0078】
本実施例では、容器1に、N
2希釈による20vol%BF
3ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0079】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0080】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例9】
【0081】
本実施例では、容器1に、N
2希釈による20vol%ClFガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0082】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0083】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例10】
【0084】
本実施例では、容器1に、N
2希釈による0.1vol%ClF
3ガスが5MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0085】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0086】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
【実施例11】
【0087】
本実施例では、容器1に、N
2希釈による0.1vol%IF
7ガスが5MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は実施例1の構成と同様である。また、操作も実施例1と同様に実施した。
【0088】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0089】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損は認められなかった。
[比較例1]
実施例1〜4にて示した衝撃波防止機構50の代わりに、外径1/2インチ、長さ200mmの直線状のステンレス製の配管を用いて、供給弁4と導入弁5とを直接接続した。それ以外は、実施例1と同様に実施した。
【0090】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.3×10
−1Pa・m
3/sであり気密不良であった。
[比較例2]
本比較例では、容器1に、100vol%NF
3ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0091】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0092】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
[比較例3]
本比較例では、容器1に、100vol%O
2ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0093】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0094】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
[比較例4]
本比較例では、容器1に、N
2希釈による20vol%BF
3ガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0095】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0096】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
[比較例5]
本比較例では、容器1に、N
2希釈による20vol%ClFガスが14.7MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0097】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0098】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
[比較例6]
本比較例では、容器1に、N
2希釈による0.1vol%ClF
3ガスが5MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0099】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0100】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
[比較例7]
本比較例では、容器1に、N
2希釈による0.1vol%IF
7ガスが5MPaGの圧力で充填されている。それ以外の構成は比較例1の構成と同様である。また、操作も比較例1と同様に実施した。
【0101】
その結果、リークディテクターにより計測された導入弁5の内部リーク量は、1.0×10
−8Pa・m
3/s以下であり、リークのないことを確認した。
【0102】
しかしながら、導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
【0103】
導入弁5を解体し、シール材の目視観察を行ったところ、シート材の焼損が認められた。
【0104】
なお、上記実施の形態では、高圧充填されたハロゲン含有ガスを容器から外部装置へと供給する装置について説明した。しかし、実施例7及び比較例3に示したように、ハロゲン含有ガスに代わりO
2やNO等の支燃性ガスを用いた場合も同様の作用効果を奏する。つまり、適用するガスをハロゲン含有ガスから支燃性ガスに代え、それ以外の構成は同一であっても、発明として成立する。
【0105】
具体的には、支燃性ガスを、その支燃性ガスが高圧充填された容器から外部装置へと供給する支燃性ガス供給装置であって、前記容器から支燃性ガスを供給するための供給弁と、前記供給
弁の下流に設けられ衝撃波の発生を防止する衝撃波防止機構とを備える、と構成しても発明が成立する。
【0106】
また、支燃性ガスを、その支燃性ガスが高圧充填された容器から外部装置へと供給する支燃性ガス供給方法であって、供給弁が開放されることによって、前記容 器に高圧充填された支燃性ガスは、衝撃波の発生を防止する衝撃波防止機構
を通じて前記外部装置へと導かれる、と構成しても発明が成立する。
【0107】
また、支燃性ガスの充填圧力は、5MPa以上20MPa以下であることが好ましい。
【0108】
支燃性ガスが用いられる本構成においても、支燃性ガスは衝撃波の発生を防止する衝撃波防止機構を通じて外部装置へと供給されるため、支燃性ガスを外部装置へと導く導入弁の表面腐食や導入弁に用いられるシール材の劣化を抑制することができる。
【0109】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。