(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の帯電部材は、前記像保持体の膜の表面電位が前記第二の帯電部材に対して予め定められた電位よりも小さい電位となるように印加する請求項1記載の画像形成装置。
前記像保持体の膜厚が薄くなるのに従って、前記第一の帯電部材及び前記第三の帯電部材の印加により生じる前記像保持体の表面電位が低くなるように前記第一の帯電部材及び前記第三の帯電部材の印加電圧を低くすることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第一実施形態]
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置10の側面からの断面図を示す。
【0026】
画像形成装置10は画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の上部は、画像の形成された記録媒体が排出される排出部14として用いられる。
【0027】
画像形成装置本体12には、装着用開閉部(非図示)と給紙用開閉部24とがそれぞれ、この画像形成装置本体12に対して開閉自在に設けられている。
【0028】
装着用開閉部は、像形成剤収容容器として用いられる収容容器30Y、30M、30C、30Kを画像形成装置本体12内に装着する際、あるいは、収容容器30Y、30M、30C、30Kを画像形成装置本体12内から取り外す際に開かれる。また、装着用開閉部は、画像形成を行う際に閉じられる。
【0029】
給紙用開閉部24は、画像形成装置本体12の前側から記録媒体を供給する際に開かれる。
【0030】
収容容器30Y、30M、30C、30Kにはそれぞれ、像形成剤として用いられるイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーが収容されている。
収容容器30Y、30M、30Cはそれぞれ、形状及び大きさが同様に構成されており、略同一の容積のトナーを収容するようになっている。
収容容器30Kは、収容容器30Y、30M、30Cよりも縦長に構成され、これら収容容器30Y、30M、30Cよりも体積が大きく、これら収容容器30Y、30M、30Cよりも収容するトナーの容積が大きくなるようになっている。
【0031】
収容容器30Y、30M、30Cと収容容器30Kとは、収容できるトナーの容積が異なるものの、有する部材及び機能は同一に構成されている。
【0032】
画像形成装置本体12内には、像形成部40と、この像形成部40に記録媒体を供給する記録媒体供給装置42と、記録媒体の搬送に用いられる搬送路44が設けられている。
像形成部40、記録媒体供給装置42、及び搬送路44によって、記録媒体に画像を形成する画像形成手段が構成される。
【0033】
像形成部40は、例えば4個の像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kと、潜像形成装置54と、転写装置56とにより構成される。像形成ユニット52Y、52M、52C、52KはそれぞれY、M、C、Kのトナーを用いて現像剤像を形成する。
像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kはそれぞれ、対応する色が異なるものの同様の構成となっているため、以下、各色に対応するY、M、C、Kを省略して「像形成ユニット52」のように総称する場合がある。各色に対応する他の構成(収容容器30、感光体ドラム62等)についても同様とする。
【0034】
像形成ユニット52はそれぞれ、像保持体として用いられる感光体ドラム62と、この感光体ドラム62の表面をクリーニングするクリーニング装置64と、感光体ドラム62を帯電する帯電器66と、潜像形成装置54によって感光体ドラム62の表面に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー像を形成する現像装置68と、を有する。
【0035】
現像装置68にはそれぞれ、収容容器30から対応する色のトナーが供給される。
【0036】
転写装置56は、転写媒体として用いられるベルト状の中間転写体72と、1次転写装置として用いられる1次転写ロール74Y、74M、74C、74Kと、2次転写装置として用いられる2次転写ロール76と、中間転写体72の表面をクリーニングするクリーニング装置78と、を有する。
【0037】
中間転写体72は、感光体ドラム62それぞれに形成されたトナー像が重ねられるようにして転写される。中間転写体72は、支持部材として用いられる例えば4つの支持ロール82a、82b、82c、82dによって回転自在に支持されている。
【0038】
1次転写ロール74Y、74M、74C、74Kはそれぞれ、感光体ドラム62Y、62M、62C、62Kに形成された各色に対応するトナー像を、中間転写体72に転写する。
【0039】
2次転写ロール76は、中間転写体72に転写された各色のトナー像を、記録媒体に転写する。
【0040】
記録媒体供給装置42は、例えば記録媒体を積層した状態で収納する記録媒体収納容器92と、この記録媒体収納容器92に収納された最上位の記録媒体を抽出する抽出ロール94と、この抽出ロール94で抽出された記録媒体を像形成部40に向けて搬送する搬送ロール96と、この搬送ロール96に接触し、搬送ロール96との間で記録媒体を分離する分離ロール98と、を有する。
【0041】
記録媒体収納容器92は、例えば画像形成装置本体12の前側(
図1における左側)に引き出せるようになっており、この画像形成装置本体12から引き出された状態で記録媒体が補充される。
【0042】
搬送路44は、主搬送路100と、反転搬送路102と、補助搬送路104とにより構成される。
【0043】
主搬送路100は、記録媒体供給装置42から供給された記録媒体を排出部14に向けて搬送する搬送路である。主搬送路100には、記録媒体の搬送方向上流側から順に、レジストロール112と、2次転写ロール76と、定着装置114と、排出ロール116とが配置されている。
【0044】
レジストロール112は、停止した状態から所定のタイミングで回転を開始し、中間転写体72にトナー像が転写されるタイミングに合致するように、記録媒体を中間転写体72と2次転写ロール76との接触部に供給する。
【0045】
定着装置114は、転写装置56によりトナー像が転写された記録媒体にこのトナー像を定着させる。
【0046】
排出ロール116は、定着装置114によってトナー像が定着された記録媒体を排出部14に排出する。また、排出ロール116は、記録媒体の両面に画像を形成する場合、排出部14に記録媒体を排出するときとは反対方向に回転し、一方の面に画像が形成された記録媒体を、後端側から反転搬送路102へ搬送する。
【0047】
反転搬送路102は、一方の面に画像が形成された記録媒体を反転させるとともに、再度、レジストロール112の上流側に向けて搬送する搬送路である。反転搬送路102には、例えば2つの反転搬送ロール118a、118bが配置されている。
【0048】
補助搬送路104は、給紙用開閉部24が画像形成装置本体12に対して開かれた状態において、この画像形成装置本体12の前側から記録媒体を供給する際に用いられる。補助搬送路104には、レジストロール112に向けて記録媒体を搬送する補助搬送ロール120と、この補助搬送ロール120に接触し記録媒体を分離する分離ロール122とが配置されている。
【0049】
画像形成装置本体12内には、感光体ドラム62の膜厚(膜減り)を測定する膜厚測定部130が設けられている。
膜厚測定部130は、感光体ドラム62の膜厚の測定に関して、例えば、印刷した記録媒体の枚数(以下、「印刷枚数」と称する)の測定、感光体ドラム62の回転数の測定、入力される画像のピクセルのカウント(ピクセルカウント)、現像装置66のトナー運搬部材(オーガ)の回転数等の測定、もしくはトナーの使用量の測定、又はこれらを組み合わせたもの等の測定を行うようにしてもよい。
【0050】
また、画像形成装置本体12内には、帯電器66に印加する電圧を設定する電圧設定部140が設けられている。電圧設定部140には、膜厚測定部130が測定した測定結果が通知されるようになっている。
電圧設定部140は、膜厚測定部130の測定結果に基づいて、印加する電圧を設定するようになっている。
【0051】
次に、像形成ユニット52の詳細について説明する。
図2は、像形成ユニット52及びその周辺構造の概略図を示す。
【0052】
感光体ドラム62の周囲には、クリーニング装置64、帯電器66、現像装置68、及び、中間転写体72を介して1次転写ロール74、が配置されている。
【0053】
クリーニング装置64は、感光体ドラム62表面に残留したトナーや紙粉等を除去するクリーニングブレード200と、このクリーニングブレード200により除去したトナー等を回収する回収容器202と、により構成される。
【0054】
帯電器66は、第一の帯電部材212と、この第一の帯電部材212よりも感光体ドラム62の回転方向(以下、単に「回転方向」と称する場合がある)下流側に配置された第二の帯電部材222と、により構成される。
第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222は、感光体ドラム62の回転方向に沿うようにして設けられている。
なお、回転方向に対して現像装置68に近い側を、回転方向下流側とする。
【0055】
本実施形態において、第一の帯電部材212は、クリーニング装置64よりも回転方向上流側に設けられている。第一の帯電部材212は、帯状(フィルム状)に形成された帯電帯(帯電フィルム)であり、感光体ドラム62に接触してこの感光体ドラム62を帯電させるようになっている。
第一の帯電部材212は、感光体ドラム62と放電を生じる程度に近接するようにしてもよい。
また、第一の帯電部材212は、回収容器202に回収されたトナー等の漏洩を防止する漏洩防止部材としても機能する。
【0056】
第一の帯電部材212には、この第一の帯電部材212に電圧を印加する第一の印加部214が設けられている。第一の印加部214は、電圧設定部140によって、第一の帯電部材212に印加する電圧が設定されるように構成されている。
【0057】
第一の帯電部材212は、フィルム状の基材216と、この基材216の片面に形成され感光体ドラム62と接触する被膜218と、により構成される。
【0058】
基材216は、例えば、導電性処理を施したプラスチックフィルムにより構成される。基材216の材質としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、セルロース、ナイロン等が用いられる。
基材216の抵抗値は、例えば、電流を横方向に流したときの表面抵抗率で10
0 Ω / □以上10
6 Ω / □以下程度に構成される。
【0059】
プラスチックフィルムに導電性処理を施す方法としては、導電性材料をプラスチックフィルムに分散させる方法や、導電性材料を含有する導電性塗料をプラスチックフィルムに塗布する方法、金属をプラスチックフィルムに蒸着させる方法等が用いられる。
蒸着に用いられる金属としては、アルミニウムや金、銅、チタン、銀、真鍮、クロム等が挙げられる。
なお、基材216を、アルミニウムやステンレス鋼、ニッケル等の薄板により構成するようにしてもよい。
【0060】
被膜218は、例えば、弾性材料と、導電剤と、により構成される。
被膜218の弾性材料としては、ポリウエレタンゴムやエピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ビニルニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム材料、あるいは、ポリカーボネートやアクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が用いられる。
【0061】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤等が用いられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック等のカーボンブラック、熱分解カーボン、グラファイト、もしくは、アルミニウムや銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金、もしくは、酸化スズや酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物、もしくは、絶縁性物質の表面を導電化処理したもの、これらが用いられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウムやラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸素塩又は塩素酸塩等、もしくは、リチウムやマグネシウム等のアルカリ金属の過塩素酸素塩又は塩素酸塩等、もしくは、アルカリ土類金属の過塩素酸素塩又は塩素酸塩等、これらが用いられる。
導電剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】
第二の帯電部材222は、断面円形状(ロール状)に形成され、感光体ドラム62と接触(あるいは近接)して帯電させる帯電ロールとして構成されている。
第二の帯電部材222には、この第二の帯電部材222に電圧を印加する第二の印加部224が設けられている。第二の印加部224は、電圧設定部140によって、第二の帯電部材222に印加する電圧が設定されるように構成されている。
第二の帯電部材222は、第一の帯電部材212の後に感光体ドラム62を帯電させるように設けられている。
【0063】
また、第二の帯電部材222には、この第二の帯電部材222の表面を清掃する清掃部材226が設けられている。清掃部材226は、第二の帯電部材222の回転に従動して回転するようになっている。
【0064】
本実施形態においては、第一の印加部214、第二の印加部224がそれぞれ、第一の帯電部材212、第二の帯電部材222に直流の電圧を印加する方式(DC帯電方式)となっている。
なお、第一の印加部214及び第二の印加部224が、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する方式(AC+DC帯電方式)としてもよい。
【0065】
上述したように、電圧設定部140には、膜厚測定部130から測定結果が通知される。
このように、電圧設定部140は、膜厚測定部130の測定結果に基づいて、第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222に印加する電圧を設定するように構成されている。
【0066】
次に、第二の帯電部材222の詳細について説明する。
図3は、第二の帯電部材222の斜視図を示す。
【0067】
第二の帯電部材222は、芯金(シャフト)230と、この芯金230の外周面に配設された弾性層232と、この弾性層232の外周面に配設された表面層234と、により構成される。
第二の帯電部材222は、上記構成に限らず、芯金230と弾性層232との間に接着層(プライマー層)を、弾性層232と表面層234との間に抵抗調整層又は以降防止層を、表面層234の外側に保護層(コーティング層)を設けるようにしてもよい。
【0068】
芯金230は、導電性の部材により棒状に形成されている。芯金230は、中空状(筒状)の部材であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
芯金230の材質としては、例えば、鉄や銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属、あるいは、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば、樹脂やセラミック等)、導電剤が分散された部材等が用いられる。
【0069】
弾性層232は、例えば、弾性材料と、導電剤と、により構成される。また、弾性層232には、必要に応じて添加剤が含まれる。
【0070】
弾性層232の弾性材料としては、例えば、イソプレンゴムやクロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロリルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム、及びこれらのブレンドゴム等が用いられる。
弾性材料は、発砲したものであってもよいし、無発泡のものであってもよい。
【0071】
導電剤としては、上述した電子導電剤やイオン導電剤等が用いられる。
【0072】
添加剤としては、例えば、軟化剤や可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム)等が用いられる。
【0073】
弾性層232の厚みは、例えば、1 mm以上10 mm以下程度であり、体積抵抗率は、10
3 Ωcm以上10
14 Ωcm以下程度に構成される。
【0074】
表面層234は、例えば、樹脂により構成される。表面層234には、必要に応じて、所定の表面粗さを付与する粗さ付与粒子、導電剤、添加剤が含まれる。
【0075】
樹脂としては、アクリル樹脂やセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレンブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等)、尿素樹脂等、これらが用いられる。
【0076】
共重合ナイロンは、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、これらの内のいずれか一種又は複数種を重合単位として含むものである。また、この共重合体には、重合単位としてナイロン6やナイロン66等が含まれるようにしてもよい。
さらに、樹脂としては、弾性層232に用いられる弾性材料を適用するようにしてもよい。
【0077】
粗さ付与粒子としては、導電性粒子や非導電性粒子が用いられる。
ここで導電性とは、体積抵抗率が10
13 Ωcm未満であることを示し、非導電性とは、体積抵抗率が10
13 Ωcm以上であることを示す。
【0078】
導電性粒子としては、例えば、弾性層232に用いられる導電剤が適用される。
非導電性粒子としては、樹脂粒子(ポリイミド樹脂粒子やメタクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等)、無機粒子(クレイ粒子やカオリン粒子、タルク粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子等)、及びセラミック粒子等、これらが用いられる。
【0079】
粗さ付与粒子は、樹脂に用いられるものと同種のもので構成するようにしてもよい。このような構成の場合、本構成を有さない場合と比較して、粗さ付与粒子と樹脂との相溶性、密着性が向上する。
【0080】
表面層234に用いられる導電剤、添加剤としては、例えば、上述した弾性層232に用いられる導電剤、添加剤が適用される。
【0081】
次に、感光体ドラム62の詳細について説明する。
図4は、感光体ドラム62の断面の模式図の一例を示す。
【0082】
感光体ドラム62は、導電性基材170上に下引層172が設けられ、この下引層172上に、電荷発生層174、電荷輸送層176、及び保護層178これらにより形成される感光層が設けられた構成となっている。
【0083】
導電性基材170の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、及び金属ベルト、又は、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が用いられる。
ここで導電性とは、体積抵抗率が10
13 Ωcm未満であることを示す。
【0084】
感光体ドラム62がレーザープリンターに使用される場合、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するため、導電性基材170の表面は、例えば、中心線平均粗さ(Ra
75)で0.04 μm以上0.5 μm以下とする。
中心線平均粗さ(Ra
75)が0.04 μm未満であると干渉防止効果が不十分となる傾向があり、0.5 μmより大きくなると、画質が粗くなる傾向がある。
【0085】
表面粗さを調整する方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う液体ホーニングや、回転する砥石に支持体を圧接し連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が用いられる。
また、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、支持体表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法が用いられる。
【0086】
下引層172は、リーク耐性、キャリアブロック性を付与する層である。
下引層172は、例えば、結着樹脂に無機粒子を含有するようにして構成される。
【0087】
下引層172に使用される結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の高分子樹脂化合物、あるいは、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等が挙げられる。
【0088】
下引層172中には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いてもよい。
添加物としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等が用いられる。
【0089】
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10
2 Ωcm以上10
11 Ωcm以下のものが用いられる。
体積抵抗率が10
2 Ωcm未満であると十分なリーク耐性が得られず、10
11 Ωcmよりも高いと残留電位上昇を引き起こす場合がある。
無機粒子としては、例えば、酸化錫や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機粒子(導電性金属酸化物)が用いられる。
【0090】
また、無機粒子は表面処理を行ったものでもよく、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものなど二種以上混合して用いてもよい。無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50 nm以上2000 nm以下の範囲である。
【0091】
無機粒子としては、例えば、BET法による比表面積が10 m
2/g以上のものが用いられる。比表面積値が10 m
2/g未満であると帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性を得にくい傾向がある。
【0092】
下引層172は、例えば、ビッカース硬度が35以上とされる。
【0093】
下引層172は、例えば、15 μm以上50 μm以下とされる。
下引層172の厚さが15 μm未満であるときには、充分な耐リーク性能を得ることができず、50 μm以上であるときには長期使用した場合に残留電位が残りやすくなるため画像濃度異常を招く場合がある。
【0094】
電荷発生層174は、電荷発生材料及び結着樹脂を含有する層である。
【0095】
電荷発生材料としては、例えば、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、酸化亜鉛、三方晶系セレン等が用いられる。
電荷発生材料としては、例えば、光源の露光波長が380 nm以上500 nm以下の場合には無機顔料が望ましく、700 nm以上800 nm以下の場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が用いられる。
【0096】
電荷発生層174に使用される結着樹脂としては、例えば、絶縁性樹脂、あるいは、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーが挙げられる。
具体的には、結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が用いられる。
これらの結着樹脂は一種を単独で又は二種以上を混合して用いられる。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、例えば、質量比で10:1から1:10までの範囲内でとする。
ここで絶縁性とは、体積抵抗率が10
13 Ωcm以上であることをいう。
【0097】
電荷発生層174の膜厚は、例えば、0.1 μm以上5.0 μm以下とする。
【0098】
電荷発生層174は、上記電荷発生材料及び結着樹脂を溶剤中に分散した塗布液を用いて形成される。
【0099】
分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を混合して用いられる。
【0100】
また、電荷発生材料及び結着樹脂を溶剤中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等が用いられる。これらの分散方法により、分散による電荷発生材料の結晶型の変化が防止される。
【0101】
また、電荷発生層174を形成する際には、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が用いられる。
【0102】
電荷輸送層176は、電荷輸送材料及び結着樹脂を含有して、又は高分子電荷輸送材を含有して形成される。
【0103】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合
物が用いられる。
これらの電荷輸送材料は一種を単独で又は二種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
電荷輸送層176に使用される結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。
これらの結着樹脂は一種を単独で又は二種以上を混合して用いられる。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、例えば、質量比で10:1から1:5とする。
【0105】
高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が用いられる。高分子電荷輸送材は単独で成膜してもよいし、結着樹脂と混合して成膜してもよい。
【0106】
電荷輸送層176の膜厚は、例えば、5 μm以上50 μm以下とする。
【0107】
電荷輸送層176は、上記構成材料を含有する電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。
電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の有機溶剤を単独又は二種以上混合して用いられる。
【0108】
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層174の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、マイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が用いられる。
【0109】
保護層178は、感光体ドラム62における最表面層であり、最表面の磨耗、傷などに対する耐性を持たせ、かつ、トナーの転写効率を上げるために設けられる層である。
保護層178としては、バインダー樹脂中に導電性粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性粒子を分散したもの、シリコーンやアクリル等のハードコート剤、あるいは、強度、電気特性、画質維持性などの観点から架橋構造を有するもの、酸化しやすい電荷輸送性材料を含むもの、これらが用いられる。
架橋構造を形成するものとしては、例えば、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂等が用いられる。
【0110】
このように、感光体ドラム62は、帯電可能な膜が表面に形成された構造となっている。
【0111】
感光体ドラム62は、上記構成に限らず、導電性基材170上に下引層172が設けられ、この下引層172上に電荷輸送層176、電荷発生層174、保護層178が順次形成された感光層が設けられるようにしてもよい。
また、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層)として形成するようにしてもよい。
なお、下引層172を設けないようにしてもよい。
【0112】
次に、帯電部材を複数用いた場合の実験結果について説明する。
【0113】
まず、放電の特性について、感光体ドラム62と帯電部材(第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222)を用いて説明する。
以下、帯電部材として第一の帯電部材212を用いて説明するが、第二の帯電部材222についても同様となっている。また、電位は負の値として表わされるが、その絶対値により大小を表現するものとする。
図5は、感光体ドラム62と第一の帯電部材212との接触部分近傍の概略図である。
【0114】
放電は、感光体ドラム62を帯電するための電圧(以下、「帯電電圧」と称する)が大きいほど、感光体ドラム62と第一の帯電部材212との距離(以下、「ギャップ長」と称する)が長い箇所で発生する。
図5に示すように、例えば帯電電圧が「-600 V」の放電を発生する場合のギャップ長Lは、帯電電圧が「-300 V」の放電を発生する場合のギャップ長Mよりも長くなる。
また、放電は、ギャップ長が長いほど不安定になり易い。
【0115】
このため、放電のギャップ長が長くなると、画像形成に欠陥(画像欠陥:例えば、横筋状のディフェクト等)が生じる。特に、感光体ドラム62の膜厚が大きいほど(例えば25 μm以上)、画像欠陥が生じ易い。
【0116】
帯電電圧が比較的小さい(例えば、「-300 V」程度)場合、放電のギャップ長が比較的短くなるため画像欠陥が抑制される。
しかし、他のプロセス(現像等)に関連して、感光体ドラム62に設定される電位(以下、「設定電位」と称する)を比較的大きく(例えば、「-600 V」程度)する必要のある状況がある。この場合、帯電電圧を大きくすると、画像欠陥が生じることとなる。
【0117】
ここで、本実施形態においては、複数(2つ)の帯電部材(第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222)が設けられている。
表1は、設定電位を比較的大きい「-600 V」とし、実施例1と比較例1とにより画像を形成した場合の、画像欠陥の発生の有無を示す。表1中の電位は、各位置における感光体ドラム62の表面電位を示す。
【0118】
実施例1では、複数(2つ)の帯電部材を用い、設定電位「-600 V」に対して、第一の帯電部材212の目標とする感光体ドラム62の表面電位(以下、「目標電位」と称す)を「-300 V」とし、第二の帯電部材222の目標電位を「-600 V」とした。つまり、第一の帯電部材212で「0 V」から「-300 V」とし、第二の帯電部材222で「-300 V」から「-600 V」とした。
このように、第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222それぞれについて、帯電電圧が比較的小さい「-300 V」となっている。
【0119】
比較例1では、1つの帯電部材(第二の帯電部材222のみ)を用い、設定電位「-600 V」に対して、「0 V」から「-600 V」とした。
このように、1つの帯電部材について、帯電電圧が比較的大きい「-600 V」となっている。
【0121】
表1に示すように、実施例1においては、画像欠陥は確認されなかったが(表1中「○」で示す)、比較例1においては、画像欠陥が確認された(同「×」で示す)。
このように、複数の帯電部材を用いて、ギャップ長の短い放電(小さい帯電電圧)を重ねることで、設定電位が大きい場合でも画像欠陥の発生が抑制される。
【0122】
次に、感光体ドラム62の膜厚に応じて、第一の帯電部材212の目標電位を変更した場合の実験結果について説明する。
【0123】
まず、画像形成量(印刷枚数)の増加に伴う放電の特性について、第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222を用いて説明する。
【0124】
帯電部材の表面は、画像形成量の増加に伴いトナー等により汚染される。特に、コストや空間の制限により清掃部材が配置されていない帯電部材において、顕著となる。
帯電部材が汚染されると、感光体ドラム62の表面電位が局所的に、目標電位と大きく異なる電位となる放電(以下、「異常放電」と称する)が生じる。例えば、目標電位が「-300 V」であっても、異常放電により局所的に「-400 V」となる部分が生じることとなる。
異常放電は、帯電部材が汚染されるほど発生し易い。
【0125】
複数の帯電部材により感光体ドラム62を設定電位とする場合、第一の帯電部材212通過後の感光体ドラム62の電位が目標電位よりも小さい場合には、第二の帯電部材222においてこれを調整することができる。しかし、第一の帯電部材212によって設定電位を上回ると、第二の帯電部材222においてこれを調整することはできない。
例えば、設定電位が「-600 V」であり、第一の帯電部材212の目標電位が「-300 V」である場合、この第一の帯電部材212における異常放電により感光体ドラム62の表面電位が「-700 V」となると、第二の帯電部材222において電位を小さくすることはできない。
【0126】
したがって、帯電部材の汚染の進行に伴い、第一の帯電部材212の目標とする電位を小さくする必要がある。このように、設定電位に対して第一の帯電部材212の目標電位を小さくすれば、異常放電によって設定電位を上回ることが抑制される。
例えば、設定電位「-600 V」に対して目標電位が「-100 V」の場合、目標電位が「-300 V」である場合と比較して、異常放電が生じても設定電位を上回りにくくなる。
【0127】
一方、上述したように、感光体ドラム62の膜厚が大きいほど、放電のギャップ長の長さに応じた画像欠陥が生じ易い。すなわち、感光体ドラム62の膜厚が小さいほど、放電のギャップ長が長くても画像欠陥が生じにくい。
このため、感光体ドラム62の膜厚が小さい場合は、膜厚が大きい場合と比較して、放電のギャップ長を長くすることができる(ギャップ長を長くしても画像欠陥が抑制される)。
例えば、感光体ドラム62の膜厚が大きい(例えば25 μm程度)場合、第一の帯電部材212の目標電位が「-300 V」よりも大きくなると画像欠陥が生じるようなときでも、膜厚が小さい(例えば15 μm程度)場合、目標電位が「-500 V」であっても画像欠陥が生じない。
【0128】
ここで、感光体ドラム62の画像形成量が増加するほど、この感光体ドラム62の膜厚が減少(膜減り)し、帯電部材の表面の汚染が進行する。
このように、感光体ドラム62の膜厚と、帯電部材の表面の汚染とには関連性がある。
【0129】
本実施形態においては、膜厚測定部130により感光体ドラム62の膜厚を測定し、この測定結果に応じて、第一の帯電部材212と第二の帯電部材222が感光体ドラム62に対して印加する電圧が設定されるようになっている。
【0130】
表2は、設定電位を比較的大きい「-600 V」とし、感光体ドラム62を所定回数まで回転した場合(所定枚数まで印刷を継続した場合)において、実施例2と比較例2とにより画像を形成したときの、画像欠陥の発生の有無を示す。
【0131】
実施例2では、第一の帯電部材212が印加する電圧は、感光体ドラム62の膜厚が小さくなるのに応じてその目標電位を低下させるために、低下させ、第二の帯電部材222が印加する電圧は、感光体ドラム62の膜厚に関わらずその目標電位が一定となるように調整されるように設定した。
比較例2では、感光体ドラム62の膜厚に関わらず、第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222の目標電位がそれぞれ一定となるように印加電圧を調整するように設定した。
【0133】
表2に示すように、実施例2においては、画像欠陥は確認されなかったが(表2中「○」で示す)、比較例2においては、感光体ドラム62の膜厚が22 μm未満の範囲で画像欠陥が確認された(同「×」で示す)。
このように、感光体ドラム62の膜厚に応じて、第一の帯電部材212の目標電位を変化させるように印加する電圧を設定することで、画像欠陥の発生が抑制される。
【0134】
感光体ドラム62の当初の膜厚(初期膜厚)や、第一の帯電部材212の目標電位を変化させる感光体ドラム62の膜厚の閾値等は、上記実施形態に限らず、目的に応じて適宜変更することができる。
【0135】
上記実施形態においては、感光体ドラム62の膜厚に応じて、電圧設定部140が第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222の印加する電圧を設定する構成について説明したが、これに限らず、作業者が第一の帯電部材212及び第二の帯電部材222の印加する電圧を設定する構成としてもよい。
【0136】
第一の帯電器212として、帯電フィルムを用いた場合について説明したが、これに限らず、帯電ブラシ等を用いるようにしてもよい。
【0137】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
図6は、第二実施形態にかかる像形成ユニット52及びその周辺構造の概略図を示す。
【0138】
第二実施形態においては、帯電器66は、第一の帯電部材312と、この第一の帯電部材312よりも感光体ドラム62の回転方向下流側に配置された第二の帯電部材222と、により構成される。
【0139】
第一の帯電部材312は、クリーニング装置64よりも回転方向下流側であって、第二の帯電部材222よりも回転方向上流側に設けられている。第一の帯電部材312は、ロール状に形成され、感光体ドラム62と接触(あるいは近接)して帯電される帯電ロールとして構成されている。
第一の帯電部材312は、第二の帯電部材222と同様の構造となっている(
図5参照)。
【0140】
第一の帯電部材312と第二の帯電部材222には、この第一の帯電部材312に電圧を印加する第一の印加部314と第二の印加部224がそれぞれ設けられている。第一の印加部314と第二の印加部224は電圧設定部140によって、第一の帯電部材312と第二の帯電部材222にそれぞれ印加する電圧が設定されるように構成されている。
【0141】
また、第一の帯電部材312には、この第一の帯電部材312の表面を清掃する清掃部材316が設けられている。清掃部材316は、第一の帯電部材312の回転に従動して回転するようになっている。
【0142】
第二実施形態において、クリーニング装置64の回収容器202には、この回収容器202に回収されたトナー等の漏洩を防止する漏洩防止部材318が設けられている。
【0143】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
図7は、第三実施形態にかかる像形成ユニット52及びその周辺構造の概略図を示す。
【0144】
第三実施形態においては、帯電器66は、第一の帯電部材212と、この第一の帯電部材212よりも感光体ドラム62の回転方向下流側に配置された第二の帯電部材222と、第三の帯電部材332と、により構成される。
【0145】
第三の帯電部材332は、クリーニング装置64よりも回転方向下流側であって、第二の帯電部材222よりも回転方向上流側に設けられている。第三の帯電部材332は、膜状(フィルム状)に形成された帯電膜(帯電フィルム)であり、感光体ドラム62に接触(あるいは近接)してこの感光体ドラム62を帯電させるようになっている。
第三の帯電部材332は、第一の帯電部材212と同様に、基材216と被膜218とにより構成されている。
【0146】
第三の帯電部材332には、この第三の帯電部材332に電圧を印加する第三の印加部334が設けられている。第三の印加部334は、電圧設定部140によって、第三の帯電部材332に印加する電圧が設定されるように構成されている。
【0147】
第三実施形態においては、膜厚測定部130の測定結果に基づいて、第一の帯電部材212、第二の帯電部材222、及び第三の帯電部材332に印加される電圧が設定されるように構成されている。
具体的には、第一の帯電部材212及び第三の帯電部材332の目標電位は、感光体ドラム62の膜厚が小さくなるほど低くし、第二の帯電部材222の目標電位は、設定電位に対応するように一定とした。また、そうなるようにそれぞれの印加電圧を変化させるように設定した。
【0148】
帯電部材を多くすることで、帯電部材が少ない場合と比較して、よりギャップ長の短い放電(小さい帯電電圧)を重ねるように設定することができる。
例えば、設定電位が「-600 V」である場合、第一の帯電部材212で「0 V」から「-200 V」とし、第三の帯電部材332で「-200 V」から「-400 V」とし、第二の帯電部材222で「-400 V」から「-600 V」とするようにすることができる。
【0149】
帯電部材の数や配置、構成等は、これらの実施形態に限られず、目的に応じて適宜変更することができる。