(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる印刷情報管理装置、印刷装置、印刷情報管理システム、印刷システム、及び印刷情報管理プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明の印刷情報管理装置は、送信装置から送信された印刷情報を受信した場合に前記受信した印刷情報を記憶手段に記憶し、印刷が完了した印刷情報を前記記憶手段から削除する記憶処理手段と、前記記憶手段に記憶されている印刷情報の一括印刷が指定されたときの該一括印刷の対象とされる期間の終了日時である一括印刷許可日時を、前記受信した印刷情報毎に設定する一括印刷許可日時設定手段と、前記一括印刷が指定されたときに、前記記憶手段に記憶されている印刷情報のうち、前記一括印刷許可日時を過ぎていない印刷情報が印刷手段で印刷されるように制御し、前記一括印刷許可日時が過ぎた印刷情報は前記印刷手段で印刷されないように制御する制御手段
であって、前記記憶手段に記憶されている印刷情報から選択された印刷情報を印刷する選択印刷が指定された場合において、印刷する印刷情報を一括して選択する一括選択が指定されたときは、前記記憶手段に記憶されている印刷情報のうち、前記一括印刷許可日時を過ぎていない印刷情報が選択されて前記印刷手段で印刷されるように制御し、前記一括印刷許可日時が過ぎた印刷情報は選択されずに前記印刷手段で印刷されないように制御する制御手段と、を備えている。
【0007】
請求項
2の発明は、請求項1に記載の印刷情報管理装置において、前記一括印刷許可日時より後の日時であって、前記記憶手段に記憶されている印刷情報を前記記憶手段への記憶が許可された期間の終了日時である記憶許可日時を、前記受信した印刷情報毎に設定する記憶許可日時設定手段と、前記記憶手段に記憶されている印刷情報のうち、前記記憶許可日時を過ぎた印刷情報を、該印刷情報の送信者に返却する返却手段と、前記返却手段により返却された印刷情報を前記記憶手段から削除する削除手段と、を更に備えている。
【0008】
請求項
3の発明は、請求項
2に記載の印刷情報管理装置において、前記記憶手段への記憶が許可された期間の長さは、前記送信装置から印刷情報を送信した送信者により予め設定されたものである。
【0009】
請求項
4の発明は、請求項1〜請求項
3のいずれか1項記載の印刷情報管理装置において、前記一括印刷の対象とされる期間の長さは、前記送信装置から印刷情報を送信した送信者により予め設定されたものである。
【0010】
請求項
5の発明は、印刷情報に基づいて印刷する印刷手段と、請求項1〜請求項
4のいずれか1項記載の印刷情報管理装置と、を備えている。
【0011】
請求項
6の発明の印刷情報管理システムは、少なくとも印刷情報を送信する送信装置と、請求項1〜請求項
4のいずれか1項記載の印刷情報管理装置と、を備えている。
【0012】
請求項
7の発明の印刷システムは、少なくとも印刷情報を送信する送信装置と、請求項
5に記載の印刷装置と、を備えている。
【0013】
請求項
8の発明はコンピュータを、送信装置から送信された印刷情報を受信した場合に前記受信した印刷情報を記憶手段に記憶し、印刷が完了した印刷情報を前記記憶手段から削除する記憶処理手段、前記記憶手段に記憶されている印刷情報の一括印刷が指定されたときの該一括印刷の対象とされる期間の終了日時である一括印刷許可日時を、前記受信した印刷情報毎に設定する一括印刷許可日時設定手段、及び前記一括印刷が指定されたときに、前記記憶手段に記憶されている印刷情報のうち、前記一括印刷許可日時を過ぎていない印刷情報が印刷手段で印刷されるように制御し、前記一括印刷許可日時が過ぎた印刷情報は前記印刷手段で印刷されないように制御する制御手段
であって、前記記憶手段に記憶されている印刷情報から選択された印刷情報を印刷する選択印刷が指定された場合において、印刷する印刷情報を一括して選択する一括選択が指定されたときは、前記記憶手段に記憶されている印刷情報のうち、前記一括印刷許可日時を過ぎていない印刷情報が選択されて前記印刷手段で印刷されるように制御し、前記一括印刷許可日時が過ぎた印刷情報は選択されずに前記印刷手段で印刷されないように制御する制御手段として機能させるための印刷情報管理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。また、
一括選択が指定された場合であっても、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。
【0016】
請求項
2に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときに、返却された印刷情報を用いて印刷できる。
【0017】
請求項
3に記載の発明によれば、送信者が希望する日時まで印刷情報を記憶手段に記憶させておくことができる。
【0018】
請求項
4に記載の発明によれば、送信者が希望する日時まで印刷情報を一括印刷することができる。
【0019】
請求項
5に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。
【0020】
請求項
6に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。
【0021】
請求項
7に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。
【0022】
請求項
8に記載の発明によれば、保存期間を過ぎた印刷情報を削除するだけの場合に比べて、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。また、
一括選択が指定された場合であっても、印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなった印刷情報を無駄に印刷せずにすむと共に、該期間経過後に印刷が必要になったときでも印刷が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
本実施の形態では、
図1に示すように、複数のクライアント装置10とサーバ装置12とが通信手段16を介して接続されている。なお、通信手段16は、公衆回線であってもよいし、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークであってもよい。また、通信手段16を、無線の通信手段としてもよいし、有線の通信手段としてもよい。サーバ装置12には、通信手段16を介さずに又は通信手段16を介してプリンタ14が接続されている。
以下、各装置の作用を概略的に説明する。
【0026】
クライアントPC10は、印刷情報を生成してサーバ装置12に送信する。印刷情報は、印刷対象のデータを表す画像を特定する画像情報と、印刷条件を示す印刷条件情報とを含んでいる。印刷条件には、例えば、拡大・縮小の有無、印刷する用紙のサイズ、両面印刷・片面印刷の指定、印刷する用紙に対する原稿の向き、カラー・白黒の指定、画質等の条件が含まれている。印刷情報はページ記述言語で記述されていてもよい。
【0027】
サーバ装置12は、クライアント装置10から印刷情報を受信して記憶し、管理する。プリンタ14から印刷情報の要求があったときには、該要求に応じて印刷情報を読み出して要求元のプリンタ14に送信し、プリンタ14に印刷させる。
【0028】
なお、サーバ装置12が行う印刷情報の管理には、受信した印刷情報を記憶したり、記憶した印刷情報をプリンタ14の要求に応じて送信したりする処理だけでなく、予め定められた条件を満たした印刷情報を削除する処理や、印刷情報を返却する処理も含まれる。印刷情報の管理に関する処理の詳細については、後述する。
【0029】
プリンタ14は、利用者が印刷の実行を指示(一括印刷の指示と選択印刷の指示とがある、詳しくは後述する)した場合に、印刷情報の要求をサーバ装置12に送信して、サーバ装置12から印刷情報を受け取る。プリンタ14は、サーバ装置12から受け取った印刷情報に基づいて、ラスタイメージデータを生成し、印刷する。
【0030】
なお、ここでは、プリンタ14がラスタイメージデータを生成する場合を例に挙げて説明するが、サーバ装置12が印刷情報をプリンタ14に送信する代わりに、サーバ装置12側でラスタイメージデータを生成して、プリンタ14に送信するようにしてもよい。
【0031】
図2は、サーバ装置12の構成の一例を示す図である。
【0032】
本実施の形態のサーバ装置12は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、表示部23、操作部24、HDD(Hard Disk Drive)25、通信IF(Interface)26、及びIF(Interface)27がバス28を介して接続されて構成されている。
【0033】
CPU20は、ROM21やHDD25に記憶されているプログラム(印刷情報を管理するための後述する各処理ルーチンのプログラムを含む)を実行し、サーバ装置12全体の動作を制御する。ROM21には、CPU20が実行するプログラムやCPU20の処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM22は、ワークメモリとして使用される。
【0034】
HDD25には、CPU20が実行するプログラムや各種データが記憶されている。また、HDD25には、クライアント装置10から受信した印刷情報が記憶される記憶領域や、該印刷情報を管理するための管理テーブル(
図5も参照)等が記憶される記憶領域も利用者を識別する識別情報(利用者ID)毎に設けられている。
【0035】
なお、CPU20が実行するプログラムを記憶するための記憶媒体、或いは印刷情報や管理テーブルが記憶される記憶媒体は、HDD25やROM21に限定されない。例えば、フレキシブルディスクやDVDディスク、光磁気ディスクやUSBメモリ(ユニバーサルシリアルバスメモリ)等(不図示)であってもよいし、通信手段16に接続された他の装置の記憶装置であってもよい。
【0036】
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成され、CPU20の制御により各種画像やメッセージ等を表示する。また、操作部24は、例えば、キーボードやマウス等により構成され、利用者が操作部24を操作することより各種情報が指定される。
【0037】
通信IF26は、通信手段16を介して他の装置とデータの送受信を行うためのインタフェースである。
【0038】
IF27は、プリンタ14に接続するためのインタフェースである。なお、サーバ装置12には、日時を計時する内蔵時計も設けられているが、図示を省略した。
【0039】
なお、前述したクライアント装置10も、サーバ装置12と同様の構成である。ただし、クライアント装置10でCPUが実行するプログラムには、各種アプリケーションソフトや、印刷情報を生成して送信するためのプリンタドライバのプログラムなどが含まれる。
【0040】
図3は、プリンタ14の構成の一例を示す図である。ここでは、通信手段16を介さずにサーバ装置12のIF27に接続されるプリンタ14の構成の一例について説明する。
【0041】
プリンタ14は、CPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32、印刷部33、UI(User Interface)部、及びIF(Interface)35がバス36を介して接続されて構成されている。
【0042】
CPU30は、ROM31に記憶されているプログラムを実行し、プリンタ14全体の動作を制御する。ROM31には、CPU30が実行するプログラムやCPU30の処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM32は、ワークメモリとして使用される。
【0043】
なお、CPU30が実行するプログラムを記憶するための記憶媒体は、ROM31に限定されない。例えば、フレキシブルディスクやDVDディスク、光磁気ディスクやUSBメモリ等(不図示)であってもよい。
【0044】
UI部34は、例えば、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、利用者がタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。また、UI部34に、押し下げることにより情報入力が可能な操作ボタン等が含まれていてもよい。
【0045】
IF35は、サーバ装置12のIF27に接続するためのインタフェースである。
【0046】
印刷部33は、画像を印刷するプリントエンジンであって、プロセス方向に沿って上流側から下流側に向かって、Y(イエロー)色の画像を形成するY画像形成ユニット、M(マゼンタ)色の画像を形成するM画像形成ユニット、C(シアン)色の画像を形成するC画像形成ユニット、K(ブラック)色画像を形成するK画像形成ユニットが、タンデム状に配設され、更に中間転写ベルト、一次転写ユニット、二次転写ユニット、定着装置を含んで構成されている。Y画像形成ユニット、M画像形成ユニット、C画像形成ユニット、及びK画像形成ユニットは、それぞれ、感光体と、感光体の表面をそれぞれ帯電させる帯電器と、帯電した感光体をそれぞれに対応する画像データに基づいて露光して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像が形成された感光体の表面に、各画像形成ユニットに対応した色のトナーを付着させて現像する現像装置とを備えている。そして、各画像形成ユニットの現像装置で現像された各トナー像が、各画像形成ユニット毎に設けられた一次転写ユニットにより各感光体から中間転写ベルトへ転写され重ね合わされる。更に、二次転写ユニットにより中間転写ベルト上のトナー像が電気的に引き寄せられ、記録用紙に転写される。そして、記録用紙に転写されたトナー像は、定着装置で記録用紙に定着される。
【0047】
なお、ここでは、中間転写ベルトを用いた印刷部を例示して説明したが、中間転写ベルトを介さず直接記録用紙にトナー像を転写するものであってもよい。また、ここでは、タンデム型の電子写真方式の印刷部を例示したが、これに限定されず、例えば、回転式の現像装置が設けられた印刷部であってもよい。すなわち、1つの感光体、1つの帯電器、1つの露光装置、YMCK各色のトナーを供給する現像装置を備え、帯電器で帯電させた感光体にYMCK各色毎に画像データに基づいて静電潜像を形成してトナーで現像することにより、各色のトナー像を順に形成して中間転写ベルトに順次転写し、各トナー像を重ね合わせた上で記録用紙に転写し、定着するものである。また、電子写真方式に限らず、記録ヘッドからYMCK各色毎の画像データに応じてYMCK各色毎のインク滴を吐出し、記録用紙を搬送させながら印刷するインクジェット方式の印刷部であってもよい。また、カラーではなく単色の画像を印刷する印刷部であってもよい。
【0048】
なお、ここでは図示を省略するが通信手段16に接続可能なプリンタ14の場合には、上記構成の他、通信手段16に接続するための通信IFが備えられているものとする。
【0049】
ところで、本実施の形態では、印刷情報を利用者毎に管理するものとする。すなわち、クライアント装置10は、利用者IDと共に印刷情報をサーバ装置12に送信し、サーバ装置12は、利用者ID毎に印刷情報を管理するものとする。また、本実施の形態では、プリンタ14のUI部34を、利用者IDを指定する指定手段としても用い、利用者はUI部34から利用者IDを入力するものとする。プリンタ14は、印刷情報の要求を、該入力された利用者IDと共にサーバ装置12に送信して(或いは利用者IDを送信した後に送信して)、サーバ装置12から該利用者IDの印刷情報を受け取る。
【0050】
なお、ここでは、プリンタ14のUI部34を、利用者IDを入力指定するための指定手段として用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、利用者IDを記憶したメモリを備えたIDカードからメモリに記憶された利用者IDを読み取る読取手段がプリンタ14に設けられていてもよい。
【0051】
なお、利用者IDの使用は一例であって、印刷情報の管理をこうした運用に限定するものではない。
【0052】
次に、本実施の形態における印刷システムの作用について説明する。
【0053】
まず、クライアント装置10において、利用者が自身の利用者IDを入力してログインする。また、利用者は、クライアント装置10において、印刷対象のデータ指定すると共に、予め定められたソフトウェア(ここではプリンタドライバ)により提供される設定画面から印刷条件情報を指定する。これにより、プリンタドライバは、印刷対象のデータを印刷するための印刷情報を生成する。
【0054】
なお、前述したように、サーバ装置12は、クライアント装置10から受信して記憶した印刷情報を、該印刷情報の送信者(利用者)に返却することがある。そこで、利用者は、印刷情報を生成するときに、サーバ装置12から印刷情報を送信者に返却するときの返却先を示す返却先情報を設定画面から入力して指定する。
【0055】
なお、返却先情報は、返却方法に応じたものとなる。返却方法は予め設定されているものとする。例えば、返却方法が電子メールを使用して印刷情報を返却するものである場合には、返却先情報を利用者のメールアドレスとすることができる。また、ネットワーク内で各装置に固定のIPアドレスが付与されている場合には、返却先情報をIPアドレスとすることができる。この場合には、利用者がIPアドレスを入力せずとも、クライアント装置10に設定されているIPアドレスをプリンタドライバが取得して印刷情報と共に送信してもよい。また、ネットワーク上でサーバ装置12やクライアント装置10がファイルの共有が可能に設定されている場合には、共有フォルダを介して印刷情報を変換する方法を採用することができ、この場合には、返却先情報を、共有ファイルを特定する情報とすることができる。
【0056】
そしてプリンタドライバは、生成した印刷情報を利用者ID及び返却先情報と共に通信手段16を介してサーバ装置12に送信する。
【0057】
サーバ装置12は、クライアント装置10から印刷情報を受信すると、
図4に示す印刷情報受信処理ルーチンを実行する。
【0058】
ステップ100では、受信した印刷情報を、該印刷情報と共に受信した利用者IDに対して設けられている記憶領域に記憶する。また、印刷情報の識別番号及びファイル名を管理テーブルに書き込んで該印刷情報を登録する。識別情報は、サーバ装置12が印刷情報の受信時に印刷情報に付与した番号とし、ファイル名は、クライアント装置10側で印刷情報を作成した際に付与した名称とする。識別情報及びファイル名は、印刷情報を識別することが可能な情報として用いるが、これに限定されるものではない。
【0059】
ここで、
図5に管理テーブルの一例を示す。管理テーブルは、利用者ID毎に設けられている。管理テーブルは、1つの印刷情報につき、識別番号、ファイル名、返却先情報、一括印刷フラグ、一括印刷許可日時、及び記憶許可日時の各々が登録可能に構成されている。
【0060】
ステップ102では、印刷情報と共に受信した返却先情報を、印刷情報に関連付けて管理テーブルに登録する。ここでは、上記受信した印刷情報を識別する識別番号と、受信した返却先情報とを対応させて該管理テーブルに登録する(
図5の「返却先情報」も参照。)。
【0061】
ステップ104では、一括印刷許可期間(の長さ)の設定と、現在日時(ステップ104を開始した時の日時)とに基づいて、受信した印刷情報の一括印刷許可期間の終了日時である一括印刷許可日時を決定する。
【0062】
なお、一括印刷とは、利用者が一括印刷を指定したときに、サーバ装置12に記憶されている該利用者の印刷情報(ただし、管理テーブルの一括印刷フラグがオンの印刷情報)を一括して、すなわち、まとめて印刷する印刷方法をいう。一括印刷フラグは、一括印刷の許否を示すフラグであり、後述するように、初期値は、オン「1」(一括印刷許可)にされるが、上記決定した一括印刷許可日時を過ぎると、後述する他の処理ルーチンで、オフ「0」(一括印刷不可)にされる。一括印刷フラグをオフとすることで、該オフとされた一括印刷フラグに関連付けられている印刷情報は一括印刷の対象から外れる。
【0063】
また、一括印刷許可期間は、一括印刷が指定されたときに一括印刷の対象とされる期間をいう。一括印刷許可期間の開始日時や終了日時は、印刷情報毎に異なり予め設定することはできないが、その長さは、予めサーバ装置12に設定されているものとする。例えば、「1日」、「2日」、「3日と6時間」等々である。なお、一括印刷許可期間の開始日時は、実際には、サーバ装置12が印刷情報を受信した日時となるが、ここでは便宜上、ステップ104の処理を開始した時の日時(現在日時)を開始日時として、一括印刷許可期間の長さを現在日時に加算した日時を一括印刷許可日時として求めている。なお、一括印刷許可期間の長さを印刷情報毎に利用者自身がクライアント装置10で設定し、該設定情報を印刷情報と共にサーバ装置12に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置12は、印刷情報と共に受信した一括印刷許可期間の設定情報に基づいて、上記と同様に一括印刷許可期間を設定する。また、一括印刷許可期間の長さを印刷情報毎ではなく利用者毎に設定してもよい。
【0064】
ここでは、現在日時から一括印刷許可期間(の長さ)が経過したときの日時を一括印刷許可日時として決定したが、「現在日時」の代わりに、「印刷情報を受信した日時」を用いて一括印刷許可日時を決定してもよい。また、印刷情報を受信した日時の代わりに、クライアント装置10から印刷情報が送信された日時を用いてもよい。この送信日時の情報はクライアント装置10から送信される印刷情報と共にサーバ装置12に送信されるようにしてもよい。
【0065】
ステップ106では、上記決定した一括印刷許可日時を、印刷情報及び返却先情報に関連付けて管理テーブルに登録する(
図5の「一括印刷許可日時」も参照。)。
【0066】
ステップ108では、管理テーブルにおいて、印刷情報の一括印刷フラグをオンにする(
図5の「一括印刷フラグ」も参照。)。
【0067】
ステップ110では、記憶許可期間(の長さ)の設定と、現在日時(ステップ110を開始した時の日時)とに基づいて、受信した印刷情報の記憶許可期間の終了日時である記憶許可日時を決定する。
【0068】
ここで、記憶許可期間とは、一括印刷許可期間より長い期間であって、サーバ装置12の記憶手段(本実施の形態ではHDD25)への記憶が許可された期間をいう。記憶許可期間の開始日時や終了日時は、印刷情報毎に異なり予め設定することはできないが、その長さは、予めサーバ装置12に設定されているものとする。例えば、「5日」、「1週間」、「8日と6時間」等々である。なお、記憶許可期間の開始日時は、実際には、サーバ装置12が印刷情報を受信した日時となるが、ここでは便宜上、ステップ110の処理を開始した時の日時(現在日時)を開始日時として、記憶許可期間の長さを現在日時に加算した日時を記憶許可日時として求めている。なお、記憶許可期間の長さを印刷情報毎に利用者自身がクライアント装置10で設定し、該設定情報を印刷情報と共にサーバ装置12に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置12は、印刷情報と共に受信した記憶許可期間の設定情報に基づいて、上記と同様に記憶許可期間を設定する。また、記憶許可期間の長さを印刷情報毎ではなく利用者毎に設定してもよい。
【0069】
ここでは、現在日時から一括印刷許可期間(の長さ)が経過したときの日時を記憶許可日時として決定したが、「現在日時」の代わりに、「印刷情報を受信した日時」を用いて一括印刷許可日時を決定してもよい。また、印刷情報を受信した日時の代わりに、クライアント装置10から印刷情報が送信された日時を用いてもよい。この送信日時の情報はクライアント装置10から送信される印刷情報と共にサーバ装置12に送信されるようにしてもよい。
【0070】
ステップ112では、上記決定した記憶許可日時を、印刷情報及び返却先情報に関連付けて管理テーブルに登録する(
図5の「記憶許可日時」も参照。)。
【0071】
サーバ装置12は、予め定められたタイミングで、
図6に示す判定処理ルーチンを実行する。例えば、予め定められた時間間隔毎にこの判定処理ルーチンを実行するようにしてもよい。また、上記予め定められたタイミングに、利用者がサーバ装置12に記憶した印刷情報の印刷を行わせようとした時(後述する一括印刷又は選択印刷の選択結果を受信した時)を含めるようにしてもよい。
【0072】
ステップ200では、管理テーブルを参照し、一括印刷フラグがオンの印刷情報を抽出する。
【0073】
ステップ202では、抽出した印刷情報に関連付けられて登録されている一括印刷許可日時の情報を読出し、現在日時(ステップ202を開始したときの日時)と、一括印刷許可日時とを比較して、一括印刷許可日時を過ぎた印刷情報があるか否かを判定する。ステップ202で、一括印刷許可日時を過ぎた印刷情報があると判定した場合には、ステップ204に進み、管理テーブルにおいて、一括印刷許可日時を過ぎた印刷情報の一括印刷フラグをオンの状態からオフの状態に変更する。そしてステップ206に進む。
【0074】
また、ステップ202で、一括印刷許可日時を過ぎた印刷情報がないと判定した場合には、ステップ204をスキップして、ステップ206に進む。
【0075】
ステップ206では、管理テーブルを参照し、一括印刷フラグがオフの印刷情報を抽出する。
【0076】
ステップ208では、抽出した印刷情報に関連付けられて登録されている記憶許可日時の情報を読出し、現在日時(ステップ208を開始したときの日時)と、記憶許可日時とを比較して、記憶許可日時を過ぎた印刷情報があるか否かを判定する。ステップ208で、記憶許可日時を過ぎた印刷情報があると判定した場合には、ステップ210に進み、記憶許可日時を過ぎた印刷情報を、予め定められた返却方法で、該印刷情報に関連付けられて管理テーブルに登録されている返却先情報が示す返却先に返却する。例えば、返却方法が電子メールを使用する方法であれば、返却先情報がメールアドレスであるため、該メールアドレス宛のメールを作成し該メールに添付ファイルとして印刷情報を添付して送信する。また、例えば、返却方法が、共有フォルダを使用する方法であれば、返却先情報は共有フォルダを特定する情報であるため、該特定された共有フォルダに印刷情報を格納することで印刷情報を返却する。
【0077】
ステップ212では、上記返却した印刷情報をサーバ装置12から削除すると共に、該印刷情報の識別情報及び該印刷情報に関連付けられて管理テーブルに登録されている各種情報(ファイル名、返却先情報、一括印刷フラグ、一括許可印刷日時、及び記憶許可日時の各々の情報)を管理テーブルから削除する。
【0078】
また、ステップ208で、記憶許可日時を過ぎた印刷情報がないと判定した場合には、ステップ210、ステップ212をスキップして、本判定処理ルーチンを終了する。
【0079】
記憶許可日時を過ぎて削除することで、サーバ装置12の記憶手段(ここではHDD)が容量不足となることが抑制される。また、削除された後に、印刷したくなった場合には、返却された印刷情報を用いて印刷すればよい。
【0080】
次に、利用者が、サーバ装置12に送信した印刷情報をプリンタ14で印刷する場合の印刷処理について説明する。
【0081】
利用者は、印刷情報を印刷させるプリンタ14のUI部34から利用者自身の利用者IDを入力する。プリンタ14は、利用者IDが入力されると、
図8(A)に示すように、UI部34に印刷指定画面50を表示する。印刷指定画面50には、一括印刷を指定するための一括印刷ボタン52及び選択印刷を指定するための選択印刷ボタン54が表示される。ここで、選択印刷とは、サーバ装置12に記憶されている印刷情報から利用者が選択した印刷情報のみを印刷し、利用者が選択しなかった印刷情報は印刷しない印刷方法をいう。利用者は、一括印刷ボタン52及び選択印刷ボタン54のいずれか一方をタッチして、排他的に選択して指定することができる。利用者の選択結果は、印刷情報の要求として、利用者IDと共にサーバ装置12に送信される。
【0082】
サーバ装置12では、プリンタ14から利用者IDと共に上記選択結果を受信すると、
図7に示す印刷制御処理ルーチンが実行される。
【0083】
ステップ300では、選択結果を参照し、利用者により一括印刷が指定されたか選択印刷が指定されたかを判定する。ステップ300で、利用者により一括印刷が指定されたと判定した場合には、ステップ302に進む。
【0084】
ステップ302では、上記選択結果と共に受信した利用者IDに対応して記憶されている管理テーブルを参照し、一括印刷フラグがオンの印刷情報を抽出する。
【0085】
ステップ304では、上記受信した利用者IDの印刷情報が記憶された記憶領域から、上記抽出した印刷情報(一括印刷フラグがオンの印刷情報)の各々を読み出して、管理テーブルの登録順にプリンタ14に送信し、プリンタ14に一括印刷させる。
【0086】
一方、ステップ300で、利用者により選択印刷が指定されたと判定した場合には、ステップ306に進む。
【0087】
ステップ306では、受信した利用者IDの管理テーブルに登録されている全ての印刷情報の一覧(リスト)がプリンタ14のUI部34が表示されるように、リスト情報をプリンタ14に送信する。リスト情報として、例えば、印刷情報のファイル名を送信してもよいし、各印刷情報を識別するための識別番号と共にファイル名を送信してもよい。また、印刷情報を受信した日時を含めて送信してもよい。
【0088】
プリンタ14は、リスト情報を受信すると、
図8(B)に示すように、印刷情報選択画面60を表示する。印刷情報選択画面60には、リスト部62、全選択ボタン64、全解除ボタン66、削除ボタン66、及び印刷ボタン70が表示されている。リスト部62には、印刷情報のファイル名の一覧が表示されている。なお、ここではファイル名の一覧を表示したが、識別番号を表示してもよいし、識別番号及びファイル名の双方を並べて表示してもよい。また、印刷情報の受信日時を合わせて表示させてもよい。
【0089】
利用者は、表示されているファイル名を選択して、印刷させたい印刷情報を選択することができる。なお、印刷情報は複数選択することができる。印刷情報が選択されると、該印刷情報のファイル名に対応して表示されているチェックボックスに、チェックマーク(Vマーク)が表示される。
【0090】
また、利用者が全選択ボタン64をタッチした場合には、各ファイル名に対応するチェックボックスの各々にチェックマークが表示され、リスト部62に表示されている全ファイル名が選択された状態になる。
【0091】
また、利用者が全解除ボタン66をタッチした場合には、印刷情報の選択が全て解除され、チェックマークの表示も消えて、印刷情報を何も選択していない状態に戻る。また、削除ボタン66がタッチされた場合には、選択状態にある印刷情報をサーバ装置12から削除するための削除指令がサーバ装置12に送信される。サーバ装置12は、該削除指令を受け取ると、該印刷情報及び該印刷情報に関連付けられて記憶されている各種情報を管理テーブルから削除するが、
図7では図示を省略する。また、印刷ボタン70がタッチされると、印刷情報の選択結果をサーバ装置12に送信する。
【0092】
なお、ここでは、全選択ボタン64を、印刷する印刷情報を一括して選択するボタンとして設け、利用者が全選択ボタン64をタッチして選択した場合には、リスト部62に表示されている印刷情報の全て(すなわち、管理テーブルの登録されている印刷情報の全て)が選択される例について説明したが、これに限定されない。例えば、全選択ボタン64を、印刷する印刷情報を一括して選択するボタンではあるが、管理テーブルに登録されている印刷情報のうち、一括印刷フラグがオンの印刷情報のみが一括して選択されるボタンとして構成してもよい。この場合には、サーバ12からプリンタ14に送信されるリスト情報に、各印刷情報についての一括印刷フラグの情報を含めるようにし、プリンタ14は、利用者が全選択ボタン64をタッチした場合には、サーバ12から送信されたリスト情報を参照して、一括印刷フラグがオンの印刷情報のみを選択状態にし、該一括印刷フラグがオフの印刷情報については選択状態にしない。そして、この状態で印刷ボタン70がタッチされると、この選択結果がサーバ12に送信される。
【0093】
サーバ装置12は、ステップ308で、印刷情報が選択されるまで待ち状態を継続する。ステップ308で、印刷情報が選択された(すなわち、プリンタ14から印刷情報の選択結果を受信した)と判定した場合には、選択された印刷情報が要求されたと判定して、ステップ310に進む。
【0094】
ステップ310では、利用者IDの印刷情報が記憶された記憶領域から、利用者により選択された印刷情報を読み出して、プリンタ14に送信し、プリンタ14に印刷させる。
【0095】
ステップ304又はステップ310によりプリンタ14での印刷が終了すると、ステップ312に進み、印刷が終了した印刷情報を削除すると共に、及び該印刷情報に関連付けられて管理テーブルに記憶されている各種情報を削除する。
【0096】
通常、利用者は、クライアント装置10から送信した印刷情報を利用者がプリンタ14のUI部34から1つ1つ確認して選択し、個別に印刷する(選択印刷する)よりは、一括印刷ボタンを選択して、クライアント装置10から送信した印刷情報を一括して印刷させてしまうことが多い。しかしながら、利用者が印刷するのを忘れる等の事情により印刷せずに時間が経過して印刷する必要がなくなったものまで印刷してしまうのは無駄である。本実施の形態では、上記のように一括印刷が指定された場合には、一括印刷フラグがオンの印刷情報のみが印刷されることから、無駄な印刷をせずにすむ。ただし、一括印刷フラグがオフとなって一括印刷されなくても、記憶許可日時が過ぎるまでは印刷情報は削除されることがないため、一括印刷許可日時を過ぎた後に印刷情報の印刷が必要になった場合でも、選択印刷を指定して印刷すればよい。
【0097】
なお、上記実施の形態では、一括印刷許可日時及び記憶許可日時の双方を判定して印刷情報を管理する例について説明したが、これに限定されない。例えば、一括印刷許可日時の経過は判定するが記憶許可日時の経過は判定せずに印刷情報を管理するようにしてもよい。この場合の印刷情報受信処理ルーチンを
図9に示し、判定処理ルーチンを
図10に示す。また、管理テーブルは、
図5に示す管理テーブルから記憶許可日時及び返却先情報の項目を削除したテーブルを用いる。
【0098】
図9において、
図4に示すステップと同じ処理を実行するステップについては
図4と同じ符号を付した。また、
図10においても、
図6に示すステップと同じ処理を実行するステップについては
図6と同じ符号を付した。
【0099】
図9では、記憶許可日時の決定(ステップ110)及び記憶許可日時の管理テーブルへの登録(ステップ112)は行われないが、それ以外は
図4と同様の処理が行われる。
【0100】
図10では、一括印刷フラグがオフの印刷情報の抽出(ステップ206)、記憶許可日時を過ぎたか否かの判定(ステップ208)、記憶許可日時を過ぎたと判定した後の各処理(ステップ210、ステップ212)は行われないが、それ以外は
図6と同様の処理が行われる。
【0101】
なお、一括印刷許可日時のみを判定する場合であっても、印刷制御処理ルーチンは、
図7と同様に行えばよいため、説明を省略する。
【0102】
また、例えば、記憶許可日時の経過は判定するが一括印刷許可日時の経過は判定せずに印刷情報を管理するようにしてもよい。この場合の印刷情報受信処理ルーチンを
図11に示し、判定処理ルーチンを
図12に示し、印刷制御処理ルーチンを
図13に示す。また、管理テーブルは、
図5に示す管理テーブルから一括印刷許可日時及び一括印刷フラグの項目を削除したテーブルを用いる。
【0103】
図11において、
図4に示すステップと同じ処理を実行するステップについては
図4と同じ符号を付した。また、
図12においても、
図6に示すステップと同じ処理を実行するステップについては
図6と同じ符号を付した。また、
図13においても、
図7に示すステップと同じ処理を実行するステップについては
図7と同じ符号を付した。
【0104】
図11では、一括印刷許可日時の決定(ステップ104)、一括印刷許可日時の管理テーブルへの登録(ステップ106)、及び一括印刷フラグの設定(ステップ108)は行われないが、それ以外は
図4と同様の処理が行われる。
【0105】
図12では、一括印刷フラグがオンの印刷情報の抽出(ステップ200)、一括印刷許可日時を過ぎたか否かの判定(ステップ202)、一括印刷許可日時を過ぎたと判定した後の一括印刷フラグの変更処理(ステップ204)、及び一括印刷フラグがオフの印刷情報の抽出(ステップ208)は行われないが、それ以外は
図6と同様の処理が行われる。
【0106】
図13では、プリンタ14から利用者IDと共に選択結果を受信した後、ステップ300で、選択結果を参照し、利用者により選択印刷が指定されたと判定した場合の処理は、
図7と同様に、ステップ306〜ステップ312の処理を行うが、ステップ300で一括印刷が指定されたと判定した場合には、ステップ311に進み、利用者IDに対応付けて記憶されている全ての印刷情報が一括印刷されるように、上記受信した利用者IDの印刷情報が記憶された記憶領域から、記憶されている印刷情報の全てを読み出して、管理テーブルの登録順にプリンタ14に送信し、プリンタ14に一括印刷させる。そして、一括印刷の後は、
図7と同様にステップ312で、印刷した印刷情報を削除すると共に、該印刷情報に関連付けられた各情報を管理テーブルから削除する。
【0107】
なお、上記実施の形態では、記憶許可日時を過ぎた印刷情報を返却するときの返却方法が予めサーバ装置12に設定されているものとして説明したが、これに限定されない。例えば、利用者が印刷情報を作成して送信するときのプリンタドライバが提供する設定画面から印刷情報の返却方法も指定できるようにしてもよい。この場合、プリンタドライバは、返却方法の指定結果及び返却方法に応じた返却先情報を印刷情報及び利用者IDと共にサーバ装置12に送信する。サーバ装置12は、指定された返却方法で、返却先情報が示す返却先に印刷情報を返却する。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0108】
また、利用者IDと返却先情報とを対応付けて予めサーバ装置12の記憶手段に記憶しておいてもよい。この場合には、クライアント装置10からは印刷情報と利用者IDとをサーバ装置12に送信し、返却先情報の送信を省略してもよい。サーバ装置12は、印刷情報を返却する際には、印刷情報と共に受信した利用者IDに対応付けられて記憶されている返却先情報を自装置の記憶手段から読み出して印刷情報を返却すればよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、UI部34をタッチパネルディスプレイとして説明したが、タッチパネルに限定しない。例えば、表示部と操作部とが分離したUI部であってもよい。また、上記ではタッチパネルディスプレイをタッチすることで各種情報を指定する例について説明したが、操作ボタンが別途設けられていれば、操作ボタンを操作することにより、指定可能に構成することもできる。
【0110】
また、上記実施の形態では、一括印刷許可日時を過ぎた場合に、印刷情報を一括印刷の対象から外すようにしたが、印刷情報をサーバ装置12に送信する際に、クライアント装置10で、利用者が一括印刷の対象から外れるように設定し、該情報を印刷情報と共に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置12は、該情報に従って、該印刷情報の一括印刷フラグをオフにして管理テーブルに登録する。また、この場合、一括印刷許可日時の設定は不要となる。
【0111】
また、上記実施の形態では、サーバ装置12が印刷情報を記憶・管理し、プリンタ14からの要求に応じて印刷情報をプリンタ14に渡す例について説明したが、これに限定されない。例えば、
図14に示すように、サーバ装置12を設けずに、プリンタ14を通信手段16に接続して各クライアント装置10と通信可能に構成し、サーバ装置12の機能を設け、プリンタ14のCPU30が上記処理ルーチンのプログラム(例えば、ROM31に記憶しておいてもよい)を実行することにより、上記処理ルーチンを実行して、プリンタ14が直接クライアント装置10から印刷情報を受け取って記憶し、管理するようにしてもよい。この場合には、プリンタ14が印刷情報の管理を行うため、上記印刷情報の送受信等のやりとり等は不要となる。