特許第5724516号(P5724516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5724516
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】LED点灯装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   H05B37/02 K
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-70862(P2011-70862)
(22)【出願日】2011年3月28日
(65)【公開番号】特開2012-204317(P2012-204317A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2014年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−285529(JP,A)
【文献】 特開2008−235186(JP,A)
【文献】 特開2010−273447(JP,A)
【文献】 特開2009−284721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源電圧を直流電源に変換し、前記直流電源からスイッチング素子を介して直流電流を、出力端に接続されたLEDに供給し、前記LEDを点灯制御するLED点灯装置であって、
前記スイッチング素子のオン/オフを制御するドライブ回路と、
出力端電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を第1基準電圧と比較する第1比較手段と、
前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を前記第1基準電圧より低い第2基準電圧と比較する第2比較手段と、
前記第1及び第2比較手段の一方から、前記出力電圧値が前記第1又は第2基準電圧を超えたことを通知されると、保護動作を実行するよう前記ドライブ回路を制御する制御手段とを具備し、
前記第2比較手段は、前記出力電圧値が前記第2基準電圧を超えた状態が所定時間継続すると前記制御手段に通知することを特徴とするLED点灯回路。
【請求項2】
前記保護動作は前記LEDへの出力低減、出力停止または点滅であることを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記第1基準電圧は、定格出力電圧に対応する電圧に設定されることを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
【請求項4】
前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を定格電圧よりも低い第3基準電圧と比較し、前記出力電圧が前記第3基準電圧より低下すると前記制御手段に通知する第3比較手段を更に具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のLED点灯装置。
【請求項5】
調光動作したときに少なくとも前記第2基準電圧を可変させる手段を具備することを特徴とする請求1乃至4のいずれか1項記載のLED点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明用LED点灯装置の出力異常検出とその保護手段に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、従来の白熱電球及び蛍光灯に代わって、発光ダイオード(LED:Light−Emitting Diode)が普及し始めている。LEDは低消費電力及び長寿命という特性を有し、LEDを点灯するためのLED点灯装置の研究開発が各社で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−234414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LED点灯装置は、負荷(LED)に所望の電流を流すように電流を限流制御(定電流駆動)してLEDを点灯させるものである。一方、LED素子自体はほぼ定電圧特性を示し、端子電圧は実質的に一定である。
【0005】
しかし、LED点灯装置は、出力コネクタの抜き差し、LEDの取り外し、接触不良などの短時間の負荷インピーダンスの変動(特に上昇)に対して、出力電圧が瞬間的に上昇することがある。これは上記したようにLEDの定電流駆動によるものである。このようなとき、LED素子や点灯装置にダメージを与えることがある。
【0006】
また、点灯装置に接続される負荷を間違える、すなわち適正負荷インピーダンス範囲外のLEDを接続したり、LED素子の経年劣化などによって負荷インピーダンスが所望のインピーダンスよりも高くなっている場合、消費電力は所望の値よりも高くなり、点灯装置自身の温度が上昇したり内部の素子にダメージを与えるほか、灯具の温度も上昇することが想定される。
【0007】
これらの不具合に対処するため、所望の電圧を超過したことを出力電圧回路で検出して、保護動作や報知動作させることが一般的である。しかし、前者(コネクタの抜き差しなど)における保護は、検出直後の即応性が要求される一方、後者(誤負荷使用など)においては、定格出力電圧に対して僅かな電圧上昇においても保護動作を要求するが、熱的な不具合を想定するため、検出後から保護動作までの時間は前者に対して長く設定しても問題ない。両者を満足するために検出値を後者の電圧値に設定すると、電源投入や瞬時停電などの通常使用範疇における過渡動作において保護動作が発生することがある。
【0008】
保護の誤動作を嫌って、誤動作しない程度の高い電圧に検出電圧を設定した場合は、誤った負荷の接続や、LEDほか負荷として接続された部品の劣化に伴う負荷インピーダンスの増大に対して、温度的保護範囲が高くなってしまう。
【0009】
本発明の実施形態は、保護動作の誤動作を防止すると共に、異常負荷による異常温度上昇から点灯装置を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を対策するために実施形態では、少なくとも2つの検出電圧値を設定し、コネクタ抜き差しなど瞬時的に破壊するモードにおいては検出直後に保護動作に移行させ、誤った負荷の接続など熱的な不具合を想定する場合は、保護動作実行までの時間を前者に対して長く設定する。また、前者の検出電圧を誤動作しない程度の高い電圧に設定した第1の検出値と、後者の誤った負荷の接続を想定した可能な限り低い検出値で過電圧保護をさせるための第2の検出値を設定する。
【0011】
すなわち一実施形態に係るLED点灯装置は、交流電源電圧を直流電源に変換し、前記直流電源からスイッチング素子を介して直流電流を、出力端に接続されたLEDに供給し、前記LEDを点灯制御するLED点灯装置であって、前記スイッチング素子のオン/オフを制御するドライブ回路と、出力端電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を第1基準電圧と比較する第1比較手段と、前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を前記第1基準電圧より低い第2基準電圧と比較する第2比較手段と、前記第1及び第2比較手段の一方から、前記出力電圧値が前記第1又は第2基準電圧を超えたことを通知されると、保護動作を実行するよう前記ドライブ回路を制御する制御手段とを具備し、前記第2比較手段は、前記出力電圧値が前記第2基準電圧を超えた状態が所定時間継続すると前記制御手段に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
保護動作の誤動作を防止すると共に、異常負荷による異常温度上昇から点灯装置を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の第1の作用を示すタイムチャートである。
図3】第1実施形態の第2の作用を示すタイムチャートである。
図4】第2実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。
図5】第2実施形態の作用を示すタイムチャートである。
図6】第3実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の実施例のLED点灯装置は、交流電源電圧を直流電源に変換し、前記直流電源からスイッチング素子を介して直流電流を、出力端に接続されたLEDに供給し、前記LEDを点灯制御するLED点灯装置であって、前記スイッチング素子のオン/オフを制御するドライブ回路と、出力端電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を第1基準電圧と比較する第1比較手段と、前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を前記第1基準電圧より低い第2基準電圧と比較する第2比較手段と、
前記第1及び第2比較手段の一方から、前記出力電圧値が前記第1又は第2基準電圧を超えたことを通知されると、保護動作を実行するよう前記ドライブ回路を制御する制御手段とを具備し、前記第2比較手段は、前記出力電圧値が前記第2基準電圧を超えた状態が所定時間継続すると前記制御手段に通知することを特徴とする。
【0015】
第2の実施例のLED点灯装置は第1の実施例のLED点灯装置であって、前記保護動作は前記LEDへの出力低減、出力停止または点滅であることを特徴とする。
【0016】
第3の実施例のLED点灯装置は第1の実施例のLED点灯装置であって、前記第1基準電圧は、定格出力電圧に対応する電圧に設定されることを特徴とする。
【0017】
第4の実施例のLED点灯装置は第1乃至3の実施例のいずれか1実施例記載のLED点灯装置であって、前記電圧検出回路から得られる出力電圧値を定格電圧よりも低い第3基準電圧と比較し、前記出力電圧が前記第3基準電圧より低下すると前記制御手段に通知する第3比較手段を更に具備することを特徴とする。
【0018】
第5の実施例のLED点灯装置は第1乃至4の実施例のいずれか1実施例記載のLED点灯装置であって、調光動作したときに少なくとも前記第2基準値を可変させる手段を具備することを特徴とする。
【0019】
以下、本発明に係るLED点灯装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
直流電源電圧V1は、商用交流電源11から全波整流回路12及びフィルタコンデンサ13を用いて生成される。全波整流回路12から供給される電流は、スイッチ素子15(NchFETトランジスタ)、コイル17を介してコンデンサ18及びLED19に供給される。LED19は出力端子19aを介して本点灯装置に接続され、アノードがコイル17に接続され、カソードがグランドに接続されている。尚、LED19は複数のLED素子が例えば直列及び並列に接続されている。
【0022】
ドライブ回路14は、スイッチ素子16をオン/オフ制御するためのゲート信号をスイッチ素子16のゲートに供給する。またドライブ回路14は、例えば内部回路が1チップ上に形成されたIC(integrated circuit)である。オン/オフ制御された電流はコイル17のインダクタンスにより降圧され、コンデンサ18により平滑化されると共にLED19を流れ、LED19を発光させる。LED19の出力端子19a間の電圧V2は、直列接続されたLED素子の数に応じて例えば3V〜150V程度である。ダイオード16は、スイッチ素子15がオフしたときコイル17に対する電流経路を提供するフライホイールダイオードである。
【0023】
電圧V2は分圧抵抗21、22により電圧V3に分圧される。比較回路23はオペアンプ26、フィードバック抵抗25、基準電圧Vref1を発生する基準電源23aで構成される。オペアンプ26の反転入力端子には基準電圧Vref1が入力され、非反転入力端子には電圧V3が入力される。比較回路23の出力電圧V4は、ダイオード36を介して抵抗37に印加される。比較回路23は例えば電源が投入されている状態で、LED19のコネクタが抜き差しされた時、あるいはLED19が本点灯装置から取り外された時のように、瞬時的に発生する過電圧を検出するものである。基準電圧Vref1は、本点灯装置の定格出力電圧以上の電圧に対応する電圧に設定される。
【0024】
比較回路24はオペアンプ28、フィードバック抵抗27、基準電圧Vref2を発生する基準電源24aで構成される。オペアンプ28の非反転入力端子には基準電圧Vref2が入力され、反転入力端子には電圧V3が入力される。基準電圧Vref2は比較回路23の基準電圧Vref1より低い電圧である。比較回路24は、負荷異常を検出するものである。この負荷異常とは、負荷インピーダンスが適正値より大きい不適切なLED(誤負荷)及び寿命(劣化)により負荷インピーダンスが大きくなったLED(異常負荷)を含む。
【0025】
比較回路24の出力電圧は、ツェナーダイオード29のアノード、トランジスタ31のベースに印加される。トランジスタ31のエミッタは抵抗30を介して電源Vccに接続され、ツェナーダイオード29のアノードは電源Vccに直接接続される。トランジスタ31のコレクタはツェナーダイオード34のカソード及びコンデンサ32の一方の端子に接続される。ツェナーダイオード34のアノードはダイオード35及び抵抗37を介して接地され、コンデンサ32の他方の端子も接地される。ツェナーダイオード29、抵抗30、トランジスタ31、コンデンサ32、ダイオード35及び抵抗37は、遅延回路33を構成する。
【0026】
次に第1実施形態に係る照明装置の作用を詳細に説明する。
【0027】
図2は第1実施形態の第1の作用を示すタイムチャートであって、(a)は図1の回路におけるLED端子電圧V2、(b)は比較回路23出力電圧V4及びV7、(c)は制御回路20出力電圧V8の波形を示す。
【0028】
図2(a)の電圧V2の波形は、瞬時的に発生する過電圧を示す。電圧V2としてVref1を超える過電圧が発生すると、この過電圧は比較回路23により図2(b)のように検出される。制御回路20は通常、LED19を所望の明るさで点灯するためのPWM波をドライブ回路14に出力するが、電圧V7の論理1入力を過電圧発生と判断し、ドライブ回路14にLEDの保護動作を指令する。本例では図2(c)のようにPWM波の出力を停止し、この結果LED19は消灯される。保護動作として他の変更例としてはLEDの出力低減または点滅でもよい。点滅させることにより、使用者に異常が発生したことを知らせることができる。
【0029】
図3は第1実施形態の第2の作用を示すタイムチャートであって、(a)は図1の回路におけるLED端子電圧V2、(b)は比較回路24の出力電圧V5、(c)はトランジスタ31のコレクタ電圧V6、(d)は制御回路20の入力電圧V7、(e)は制御回路20の出力電圧V8の波形である。
【0030】
図3(a)の電圧V2の波形は、負荷インピーダンスが適正値より大きなLEDが点灯装置に接続された場合に発生する通常より高くなったLED端子電圧V2を示す。LED端子電圧V2が基準電圧Vref2を超えると、比較回路24は論理0を出力し、トランジスタ31がオンする。このとき、ツェナーダイオード29の作用により、コンデンサ32は定電圧で電荷が充電され、コンデンサ32の端子電圧V6は図3(c)のように上昇する。
【0031】
コンデンサ32の端子電圧V6がツェナーダイオード29のツェナー電圧Vzを超えると、コンデンサ32に充電された電荷はツェナーダイオード34、ダイオード35を介して抵抗37を流れる。この結果、制御回路20の入力電圧V7は図3(d)のように論理1となる。コンデンサ32の端子電圧V6がこの放電によりツェナー電圧Vz以下に降下すると、制御回路20の入力電圧V7は論理0となる。制御回路20は図3(e)のように、入力電圧V7の立下りに応答して、ドライブ回路14に保護動作(PWM信号出力の停止または出力の低減あるいは点滅)を実行するための信号を出力する。本実施形態では、LED19への出力電圧値V2が基準電圧Vref2を超過した状態が所定時間t1以上継続した場合、超過状態が制御回路20に通知され、保護動作が行われる。
【0032】
尚、本実施形態では例としてオペアンプを使用して、基準値をVref1及びVref2に分けて、異常電圧を判定した。しかし、マイコンなどで信号を取り込んでマイコン内部で2値の判定値を準備して同様に動作させてもよい。
【0033】
[効果]
以上説明したように本実施形態によれば、瞬時的に発生する過電圧及び誤負荷あるいは異常負荷による異常温度上昇から装置を保護することができる。つまり、電気的及び熱的に耐性の高い部品を用いることなく、異常負荷の対策を施すことができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るLED点灯装置について、図面を参照して説明する。
【0035】
図4は第2実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。図1の第1実施形態と同一の構成要素に同一の参照符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0036】
第2実施形態は、図1の第1実施形態に加え、低電圧検出回路40が設けられる。負荷インピーダンスが適正値より低いLEDが点灯装置に接続されると、LEDは定電流駆動のため、所望の明るさで発光しない。この低電圧検出回路40は、負荷インピーダンスが適正値より低いLEDが接続されたこと、ならびに出力端子の短絡を検出する。
【0037】
低電圧検出回路40は、オペアンプ41、基準電圧Vref3を発生する基準電圧源41a、抵抗42、ダイオード43を含む。オペアンプ41の非反転端子にはLED19の端子電圧を分圧した電圧V3が入力される。基準電圧Vref3は例えば定格電圧よりも低い電圧に対応する電圧である。オペアンプ41の反転端子には基準電圧Vref3が入力される。オペアンプ41の出力端子は、抵抗42及びダイオード43を介してトランジスタ31のベースに接続される。
【0038】
次に第2実施形態の作用を詳細に説明する。
【0039】
図5は第2実施形態の作用を示すタイムチャートであって、(a)は図4の回路におけるLED端子電圧V2を分圧した電圧V3、(b)はオペアンプ41の出力電圧V9、(c)はコンデンサ32の端子電圧V6、(d)は制御回路20の入力電圧V7、(e)は制御回路20の出力電圧V8の波形である。
【0040】
出力端子が短絡あるいは負荷インピーダンスが適正値より低いLEDが接続され、LEDの端子電圧V2が下がり、分圧した電圧V3が図5(a)のように基準電圧Vref3より下がると、オペアンプ41の出力V9は図5(b)のように論理1から論理0に立ち下がり、この結果トランジスタ30がオンする。この後は図3の第1実施形態と同様に、ツェナーダイオード29の作用により、コンデンサ32は定電圧で電荷が充電され、コンデンサ32の端子電圧V6は図5(c)のように上昇する。コンデンサ32の端子電圧V6がツェナー電圧Vzを超えると、制御回路20には図5(d)のように論理1の信号が入力され、制御回路20はドライブ回路14に保護動作(PWM信号出力の停止または出力の低減あるいは点滅)を実行するための信号を出力する。図5(e)ではドライブ回路14に対するPWM信号の出力を停止している。
【0041】
[効果]
第2実施形態によれば、短絡による装置の損傷を防止すると共に、電力容量が小さなLEDが接続されたことを使用者に知らせることができる。
【0042】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るLED点灯装置について、図面を参照して説明する。
【0043】
図6は第3実施形態に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。図1の第1実施形態と同一の構成要素に同一の参照符号を付し、詳細な説明を割愛する。
【0044】
第3実施形態は、図1の第1実施形態に加え、調光レベルに応じて検出電圧の基準電圧を可変する基準電圧可変回路50が設けられる。基準電圧可変回路50は、抵抗51、全波整流回路52、フォトトカプラ53、抵抗54及びコンデンサ55を含む。
【0045】
本点灯装置の制御部(図示されず)から入力されるPWM調光信号(交流)は、抵抗51及び全波整流回路52によって直流電流に変換され、フォトカプラ53(LED53a)を駆動する。このフォトカプラ53によって、全波整流回路52は点灯装置本体から絶縁され、フォトカプラ53のフォトトランジスタ53bにはPWM調光信号に応じた直流電流が流れる。
【0046】
抵抗54及びコンデンサ55により構成されるRC積分回路56において、PWMデューティを直流電圧レベルに変換し、調光信号及び安全回路動作のレベルが可変される。調光によってLED19への出力電流を低下させると、これに応じてLEDのVf(Forward Voltage:順方向電圧)が低下するので、これに対応するように検出電圧(前述の実施例ではVref2)を低下させる。
【0047】
[効果]
第3実施形態によれば、調光機能を有するLED点灯装置において、調光レベルに応じて異常負荷を検出するための基準電圧を適切に可変することが可能となる。
【0048】
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。例えば、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。
【符号の説明】
【0049】
11…商用交流電源、12、52…全波整流回路、13、18、32…コンデンサ、14…ドライブ回路、15…スイッチング素子、16、35、43…ダイオード、20…制御回路、29、34…ツェナーダイオード、19…LED、23、24…オペアンプ、53…フォトカプラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6