(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
寝具(15)上に設置されると共に就寝者の体動に伴い内圧が変化するチューブ状の感圧部(21)と、上記感圧部(21)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(22)とを備えた睡眠センサであって、
上記感圧部(21)は、両端に開口が形成され、その一端の開口部に上記受圧部(22)が接続される一方、その他端に開口を封止させる封止部材(27)が接続されて構成され、
上記寝具(15)の表面に接触する接触面(24)を有し、上記感圧部(21)の他端側を寝具(15)に保持するシート状のパッド部材(23)を備え、
上記パッド部材(23)は、上記感圧部(21)の他端側に接続されている
ことを特徴とする睡眠センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示された従来の固定手段においては、感圧チューブの先端と中間に取り付けられる2つのクリップを用いて感圧チューブを寝具に固定していた。このため、就寝者が寝具に横たわる際に、各クリップが身体に当たって異物感を感じるという問題があった。また、感圧チューブに設置する際、2つのクリップを寝具の幅方向の両側端に取り付ける必要があり、取付者の手間となるという問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、感圧部を簡単に設置すると共に、就寝者が異物感を感じることなく、且つ感圧部を寝具上の適切な位置に保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、感圧部(21)の端部にパッド部材(23)を設けるようにしたものである。
【0008】
第1の発明は、寝具(15)上に設置されると共に就寝者の体動に伴い内圧が変化するチューブ状の感圧部(21)と、上記感圧部(21)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(22)とを備えた睡眠センサであって、上記感圧部(21)は、両端に開口が形成され、その一端の開口部に上記受圧部(22)が接続される一方、その他端に開口を封止させる封止部材(27)が接続されて構成され、上記寝具(15)の表面に接触する接触面(24)を有し、上記感圧部(21)の他端側を寝具(15)に保持するシート状のパッド部材(23)を備え
、上記パッド部材(23)は、上記感圧部(21)の他端側に接続されているものである。
【0009】
上記第1の発明では、チューブ状の感圧部(21)が寝具(15)上に設置される。就寝者が寝具(15)に横たわると、感圧部(21)は就寝者の体動によって内圧が変化する。感圧部(21)は両端に開口が形成されている。感圧部(21)は、その一端に受圧部(22)が接続される一方、他端に封止部材(27)が接続されている。受圧部(22)は、感圧部(21)の内圧を受けて圧力信号を出力する。封止部材(27)は、感圧部(21)の他端の開口を封止している。
【0010】
また、パッド部材(23)を寝具(15)上に設置することで、同時に感圧部(21)の他端が寝具(15)に設置される。そして、パッド部材(23)は、寝具(15)の表面と接触する接触面(24)を有して上記感圧部(21)の他端側を寝具(15)に保持している。つまり、パッド部材(23)が寝具(15)上に設置されると、パッド部材(23)の接触面(24)と寝具(15)の表面とが接触する。パッド部材(23)の接触面(24)と寝具(15)の表面が接触して摩擦力が生じることによって、パッド部材(23)が寝具(15)に保持される。これにより、感圧部(21)が寝具(15)上に保持される。
【0011】
さらに、パッド部材(23)はシート状に形成されているため、パッド部材(23)が寝具(15)上で凹凸となり難い。このため、就寝者は異物感を感じ難くなる。
【0012】
このように、パッド部材(23)を設けることで、感圧部(21)を簡単に設置すると共に、就寝者が異物感を感じることなく、且つ感圧部(21)を寝具(15)上に保持することができる。
【0013】
第2の発明は、
寝具(15)上に設置されると共に就寝者の体動に伴い内圧が変化するチューブ状の感圧部(21)と、上記感圧部(21)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(22)とを備えた睡眠センサであって、上記感圧部(21)は、両端に開口が形成され、その一端の開口部に上記受圧部(22)が接続される一方、その他端に開口を封止させる封止部材(27)が接続されて構成され、上記寝具(15)の表面に接触する接触面(24)を有し、上記感圧部(21)の他端側を寝具(15)に保持するシート状のパッド部材(23)を備え、上記
感圧部(21)と上記パッド部材(23)とを接続する接続部材(31)が
上記封止部材(27)と一体に形成されているものである。
【0014】
上記第2の発明では、感圧部(21)とパッド部材(23)とを接続する接続部材(31)が封止部材(27)と一体に形成されている。こうすることで、封止部材(27)とは別に、感圧部(21)とパッド部材(23)とを接続させる接続部材(31)を設ける必要がないため、部材点数が削減される。
【0015】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記パッド部材(23)の少なくとも接触面(24)が樹脂材料で構成されているものである。
【0016】
上記第3の発明では、パッド部材(23)のうち、少なくとも接触面(24)を樹脂材料で構成している。このため、パッド部材(23)の接触面(24)と寝具(15)の表面との間の摩擦係数が大きくなる結果、摩擦力が大きくなる。これにより、パッド部材(23)が寝具(15)上で保持されるため、パッド部材(23)を寝具(15)上に設置することで、同時に感圧部(21)の他端が寝具(15)に設置されて保持される。
【0017】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、パッド部材(23)が就寝者の体重に応じて伸縮する柔軟な材料によって構成されているものである。
【0018】
上記第4の発明では、パッド部材(23)が就寝者の体重によって伸び縮みする柔軟な材料で構成されている。このため、就寝者の下にパッド部材(23)が設置されると、就寝者の体重によってパッド部材(23)が押されて縮む。こうすることで、就寝者が感じる異物感を抑えることができる。
【0019】
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、上記パッド部材(23)は、上記感圧部(21)と着脱自在に取り付けられている。
【0020】
上記第5の発明では、パッド部材(23)は、感圧部(21)から取り外し可能に構成されている。このため、パッド部材(23)の洗浄などのメンテナンスを行い易くなる。
【発明の効果】
【0021】
上記第1の発明によれば、感圧部(21)にパッド部材(23)を取り付けたため、接触面(24)が寝具(15)の表面に接触することでパッド部材(23)を寝具(15)上に保持することができる。これにより、感圧部(21)を寝具(15)上に保持することができる。また、パッド部材(23)を感圧部(21)の他端に取り付けたため、パッド部材(23)を寝具(15)の適切な位置に設置することで、同時に感圧部(21)を適切な位置に設置することができる。
【0022】
さらに、パッド部材(23)をシート状に形成したため、パッド部材(23)が寝具(15)上の凹凸となるのを防ぐことができる。これにより、就寝者が感じる異物感を抑えることができる。
【0023】
これらにより、感圧部(21)を簡単に設置させると共に、就寝者が異物感を感じることなく、且つ感圧部(21)を寝具(15)上の適切な位置に保持することができる。
【0024】
上記第2の発明によれば、封止部材(27)と接続部材(31)とを一体に形成したため、封止部材(27)と接続部材(31)を別々に設ける必要がない。これにより、部品点数を削減することができる。
【0025】
上記第3の発明によれば、パッド部材(23)の少なくとも接触面(24)を樹脂材料で形成したため、パッド部材(23)の接触面(24)と寝具(15)の表面との間の摩擦力を大きくすることができる。このため、パッド部材(23)を寝具(15)上で保持することができる。これにより、感圧部(21)を寝具(15)に保持することができる。
【0026】
上記第4の発明によれば、就寝者の体重に応じて伸縮する柔軟な材料によってパッド部材(23)を構成したため、就寝者がパッド部材(23)に当たっても、パッド部材(23)を変形させることができる。これにより、就寝者が感じる異物感を抑えることができる。
【0027】
上記第5の発明によれば、パッド部材(23)を感圧部(21)と着脱自在としたため、パッド部材(23)のみを感圧部(21)から取り外すことができる。これにより、パッド部材(23)のメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
〈発明の実施形態1〉
図1に示すように、本実施形態に係る睡眠センサ(20)は、就寝者の睡眠状態をモニタリングする睡眠判定装置(10)に適用されるものである。この睡眠判定装置(10)は、睡眠センサ(20)が装置本体(11)に接続されて構成されている。
【0031】
上記睡眠センサ(20)は、感圧チューブ(21)とマイクロフォン(22)と接続栓(26)とパッド(23)とを備えている。
【0032】
上記感圧チューブ(21)は、就寝者の体動を検知するためのものであって、本発明に係る感圧部を構成している。感圧チューブ(21)は、その一端側がマイクロフォン(22)に接続される一方、その他端側が接続栓(26)を介してパッド(23)と接続されている。また、感圧チューブ(21)は、ベッドなどの寝具(15)上に設置され、就寝者の体動に伴って内圧が変化するように構成されている。感圧チューブ(21)は、チューブ本体(21a)と、該チューブ本体(21a)よりもやや小径の連絡チューブ(21b)とが連結されて構成されている。
【0033】
チューブ本体(21a)及び連絡チューブ(21b)は、両端が開口する細長のチューブであって、可撓性及び弾性を有する材料で構成されている。チューブ本体(21a)の一端側には、連絡チューブ(21b)を介して後述するマイクロフォン(22)が取り付けられている。また、チューブ本体(21a)の他端の開口には、接続栓(26)が取り付けられている。
【0034】
上記マイクロフォン(22)は、上記感圧チューブ(21)の内圧が作用するものであって、本発明に係る受圧部を構成している。マイクロフォン(22)は、上記連絡チューブ(21b)の開口端部に接続されている。また、本実施形態1においては、マイクロフォン(22)が睡眠判定装置(10)の装置本体(11)に内蔵されている。そして、就寝者の体動に伴って感圧チューブ(21)の内圧が変化すると、マイクロフォン(22)はこの内圧の変化を検知して圧力信号を出力する。マイクロフォン(22)から出力される圧力信号は、装置本体(11)内に組み込まれた回路ユニットに入力される。
【0035】
図2に示すように、装置本体(11)の回路ユニットは、処理部(12)、判定値設定部(13)、及び睡眠判定部(14)を備えている。上記処理部(12)は、睡眠センサ(20)から出力された圧力信号を所定レベル、所定周波数帯域の信号に変調するものである。上記判定値設定部(13)は、就寝者が寝具(15)上で覚醒しているか否かの判定基準となる睡眠判定値が設定されるものである。なお、この睡眠判定値は、経験的に求められた固定値であってもよいし、例えば睡眠センサ(20)で検出される信号に基づいて適宜更新される変動値であってもよい。上記睡眠判定部(14)は、処理部(12)で変調された信号と、上記睡眠判定値とを比較することにより就寝者の睡眠状態を判定するものである。
【0036】
上記パッド(23)は、
図3および
図4に示すように、感圧チューブ(21)を寝具(15)上に設置して保持させるものであって、本発明に係るパッド部材を構成している。パッド(23)は、縦長の略矩形状に形成された平板のシートであり、ゴム材料によって構成されている。また、パッド(23)には、その幅方向の側端部よりに取付孔(25)が形成されている。尚、本実施形態に係るゴム材料は、天然ゴムや合成ゴムなどを含んでいる。
【0037】
具体的に上記パッド(23)は、長手方向の長さが100mm〜150mm、幅方向の長さが60〜70mm、厚さが2〜3mmに形成されている。パッド(23)には、表面および裏面に設置面(24,24)が形成されている。設置面(24)は、パッド(23)の表面のうち、寝具(15)と接触する面であって、本発明に係る接触面を構成している。尚、設置面(24,24)は、パッド(23)の表側の面と裏側の面の何れの面が寝具(15)と接してもよい。
【0038】
パッド(23)が寝具(15)上に設置されると、パッド(23)の設置面(24)を構成するゴムと、寝具(15)の表面状態とに基づく摩擦係数と、パッド(23)自身の重量に基づく垂直抗力よって摩擦力が生じる。この摩擦力によってパッド(23)が寝具(15)上に保持される。
【0039】
また、パッド(23)は、就寝者の体重に応じて伸縮する柔軟なゴム材料で構成されている。このため、仮に就寝者が寝具(15)に設置されたパッド(23)上に横たわっても、パッド(23)は就寝者の重みによって縮んで変形するため、就寝者がパッド(23)に対して異物感を感じ難い。
【0040】
上記取付孔(25)は、パッド(23)の厚さ方向に延びる孔である。取付孔(25)には、後述する接続栓(26)が取り付けられる。取付孔(25)は、その孔径が接続栓(26)の拡径部(33)よりも小径に形成されている。
【0041】
上記接続栓(26)は、チューブ本体(21a)の他端の開口を封止しつつ、該感圧チュ
ーブ(21)とパッド(23)とを接続するものである。
図3〜
図5に示すように、接続栓(26)は、挿入部(27)と、取付部(30)と、接続部(31)とを備えて構成されている。接続栓(26)は、一端側に挿入部(27)が設けられ、他端側に接続部(31)が設けられ、挿入部(27)と接続部(31)との間に取付部(30)が設けられている。接続栓(26)は、挿入部(27)と取付部(30)と接続部(31)とが一体に形成されている。
【0042】
上記挿入部(27)は、チューブ本体(21a)の他端に挿入されてチューブ本体(21a)の他端の開口を封止するものであって、本発明に係る封止部材を構成している。挿入部(27)は、基端から先端にかけて略円柱状に形成されている。挿入部(27)は、基端部(28)と、該基端部(28)よりも先端側に設けられる3つの節部(29,29,29)とで形成されている。基端部(28)は、その外径がチューブ本体(21a)の内径よりもやや小さく形成された円筒状に形成されている。また、各節部(29,29,29)は、チューブ本体(21a)の内径よりもやや小さく形成された基端から先端側に向かって縮径されたテーパ状に形成されている。つまり、挿入部(27)は、各節部(29,29,29)と基端部(28)がチューブ本体(21a)の内周と接することで、該チューブ本体(21a)の他端の開口を封止している。
【0043】
上記取付部(30)は、ロッド部(32)と挿入部(27)とを連結する部材である。取付部(30)は、挿入部(27)の基端部(28)よりも大径の略円板状に形成されている。取付部(30)は、その一端面が挿入部(27)の基端部(28)に取り付けられる一方、その他端面がロッド部(32)に取り付けられる。
【0044】
上記接続部(31)は、感圧チューブ(21)とパッド(23)とを接続するものであって、本発明に係る接続部材を構成している。接続部(31)は、ロッド部(32)と拡径部(33)とで構成されている。
【0045】
上記ロッド部(32)は、取付部(30)と拡径部(33)との間に設けられる部材である。ロッド部(32)は、略L字状に形成され、その一端が取付部(30)の他端面に取り付けられる一方、その他端が拡径部(33)に取り付けられる。
【0046】
上記拡径部(33)は、接続栓(26)をパッド(23)に取り付けるものである。拡径部(33)は、パッド(23)の取付孔(25)の孔径よりも大きくなるよう形成されている。つまり、ロッド部(32)の他端が取付孔(25)を通った状態で拡径部(33)が取り付けられるため、拡径部(33)が取付孔(25)の周縁部に引っかかる。このため、接続栓(26)からパッド(23)が外れなくなる。また、接続栓(26)を感圧チューブ(21)に取り付ける際には、挿入部(27)をチューブ本体(21a)の他端に圧入する。こうすることで、感圧チューブ(21)とパッド(23)とが接続栓(26)を介して接続される。
【0047】
一方、接続栓(26)の接続部(31)をパッド(23)から取り外すことで感圧チューブ(21)からパッド(23)を容易に取り外すことができる。つまり、パッド(23)は、感圧チューブ(21)に対して着脱自在に構成されている。
【0048】
−睡眠判定動作−
次に、本実施形態1の睡眠判定装置(10)の睡眠判定動作の一例について説明する。
【0049】
図1に示すように、寝具(15)上に感圧チューブ(21)が設置された状態において、就寝者が寝具(15)上で体動を生起すると、就寝者の体動に伴う力が感圧チューブ(21)に作用する。その結果、感圧チューブ(21)の内圧が変化し、この内圧がマイクロフォン(22)に作用する。マイクロフォン(22)からは、装置本体(11)の回路ユニットへ圧力信号が出力
される。
【0050】
図6に示すように、回路ユニットへ圧力信号が入力されると、まず、処理部(12)がこの信号を100[sample/sec]に積算・平均化する(ステップS1)。次に、処理部(12)は、この信号から人体の固有振動帯域に相当する帯域(7.5±2.5Hz)の信号を抽出する(ステップS2)。その後、この信号は整流化(絶対値化)された後、所定時間でピークホールドされ、いわゆる包絡線検波処理がなされる(ステップS3)。さらに、処理部(12)は、この信号から比較的低周波の振動帯域(0.5Hz)の信号を抽出する(ステップS4)。その後、処理部(12)は、この信号について約10秒間隔で積算・平均化を行う(ステップS5)。以上のようにして処理部(12)で処理された信号は、特に就寝者の体動(就寝者の呼吸・心拍に由来する微動及び就寝者の入床、離床、寝返りなどに由来する粗動)が顕著化された信号(以下、体動信号と称す)に変換される。
【0051】
一方、上記判定値設定部(13)には、この体動信号のうち就寝者の微動と粗動とを判別するための閾値として睡眠判定値が決定されている。睡眠判定部(14)は、この睡眠判定値と上記体動信号との比較を行う(ステップS6)。そして、体動信号が睡眠判定値よりも所定時間(例えば3分)以上継続して大きい場合、就寝者からは継続的な粗動が生起しているとみなされ、就寝者が覚醒状態であると判定される。
【0052】
−感圧チューブ(21)の設置例−
上記睡眠判定装置(10)の睡眠センサ(20)は、就寝者の体動を正確に検出するために寝具(15)上において適切な位置に設置する必要がある。ところが、感圧チューブ(21)を寝具(15)に設置する際に、感圧チューブ(21)が撓んだり折れ曲がったりすると、寝具(15)上で感圧チューブ(21)の位置ずれが生じ、就寝者の体動を正確に検出することができなくなる虞がある。そこで、本実施形態の睡眠センサ(20)では、感圧チューブ(21)にパッド(23)を設けることで、寝具(15)上における感圧チューブ(21)の位置ずれを防止するようにしている。
【0053】
具体的には、感圧チューブ(21)を寝具(15)上に設置する際には、
図1に示すように、まず、設置者が、ベッド等の寝具(15)の片側の側端部にパッド(23)を置く。これにより、パッド(23)の設置面(24)と寝具(15)の表面とが接触する。パッド(23)の設置面(24)と寝具(15)の表面が接触して摩擦力が生じることによって、パッド(23)が寝具(15)に保持された状態となる。その結果、感圧チューブ(21)の先端部が寝具(15)に保持された状態となる。次に、感圧チューブ(21)が寝具(15)をまっすぐに横断するように感圧チューブ(21)を寝具(15)の側方へ引き込む。その結果、感圧チューブ(21)の中間部が寝具(15)に保持された状態となる。
【0054】
以上のように、感圧チューブ(21)を寝具(15)に設置することで、感圧チューブ(21)の位置が寝具(15)に対してずれてしまうことが回避される。このような状態から感圧チューブ(21)の上に、更にマットなどを敷設することで、感圧チューブ(21)が寝具(15)上に確実に保持される。
【0055】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、感圧チューブ(21)にパッド(23)を取り付けたため、設置面(24)が寝具(15)の表面に接触することでパッド(23)を寝具(15)上に保持することができる。これにより、感圧チューブ(21)を寝具(15)上に保持することができる。また、パッド(23)を感圧チューブ(21)の他端に取り付けたため、パッド(23)を寝具(15)の適切な位置に設置することで、同時に感圧チューブ(21)を適切な位置に設置することができる。
【0056】
さらに、パッド(23)をシート状に形成したため、パッド(23)が寝具(15)上の凹凸となるのを防ぐことができる。これにより、就寝者が感じる異物感を抑えることができる。
【0057】
これらにより、感圧チューブ(21)を簡単に設置させると共に、就寝者が異物感を感じることなく、且つ感圧チューブ(21)を寝具(15)上の適切な位置に保持することができる。
【0058】
また、挿入部(27)と接続部(31)とを一体に形成したため、挿入部(27)と接続部(31)を別々に設ける必要がない。これにより、部品点数を削減することができる。
【0059】
さらに、パッド(23)の少なくとも設置面(24)をゴム材料で構成したため、パッド(23)の設置面(24)と寝具(15)の表面との間の摩擦力を大きくすることができる。このため、パッド(23)を寝具(15)上で保持することができる。これにより、感圧チューブ(21)を寝具(15)に保持することができる。
【0060】
続いて、就寝者の体重に応じて伸縮する柔軟な材料によってパッド(23)を構成したため、就寝者がパッド(23)に当たっても、パッド(23)を変形させることができる。これにより、就寝者が感じる異物感を抑えることができる。
【0061】
最後に、パッド(23)を感圧チューブ(21)と着脱自在としたため、パッド(23)のみを感圧チューブ(21)から取り外すことができる。これにより、パッド(23)のメンテナンス性を向上させることができる。
【0062】
〈発明の実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図7および
図8に示すように、本実施形態2に係る睡眠センサ(20)は、実施形態1に係るものとは、接続栓(26)の代わりに封止栓(34)が設けられている点が異なっている。尚、本実施形態2では、上記実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
【0063】
具体的に、
図7および
図8に本実施形態2に係るパッド(23)を示す。このパッド(23)は、
図7における幅方向の側端部よりに、パッド(23)の長手方向に延びる切り込みである2つの切込部(35,35)と、両切込部(35,35)に挟まれた橋部(36)とが形成されている。各切込部(35,35)は、パッド(23)を厚さ方向に貫通して形成されている。そして、チューブ本体(21a)の他端を両切込部(35,35)に通すことで、切込部(35,35)を挟んだ橋部(36)の周縁部とパッド(23)の設置面(24)の周縁部との間でチューブ本体(21a)が挟持して保持される。
【0064】
上記封止栓(34)は、チューブ本体(21a)の他端に挿入されてチューブ本体(21a)の他端の開口を封止するものであって、本発明に係る封止部材を構成している。封止栓(34)は、基端部(28)と、該基端部(28)よりも先端側に設けられる3つの節部(29,29,29)とで形成されている。基端部(28)は、その外径がチューブ本体(21a)の内径よりもやや小さく形成された円筒状に形成されている。また、各節部(29,29,29)は、チューブ本体(21a)の内径よりもやや小さく形成された基端から先端側に向かって縮径されたテーパ状に形成されている。つまり、封止栓(34)は、各節部(29,29,29)と基端部(28)がチューブ本体(21a)の内周と接することで、該チューブ本体(21a)の他端の開口を封止している。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0065】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1又は2について、以下のような構成としてもよい。
【0066】
本実施形態1又は2では、パッド(23)を構成する材料をゴム材料としたが、本発明はこれに限られず、その他の樹脂材料で構成してもよいし、同様の作用・効果を生ずるその他の材料で構成してもよい。
【0067】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。