特許第5724639号(P5724639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5724639ズームレンズ系及びこれを用いた光学機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5724639
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】ズームレンズ系及びこれを用いた光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/16 20060101AFI20150507BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   G02B15/16
   G02B13/18
【請求項の数】12
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2011-120494(P2011-120494)
(22)【出願日】2011年5月30日
(65)【公開番号】特開2012-247688(P2012-247688A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩司
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−036833(JP,A)
【文献】 特開2009−048012(JP,A)
【文献】 特開2010−044225(JP,A)
【文献】 特開2011−141364(JP,A)
【文献】 特開2009−205055(JP,A)
【文献】 実開平01−077610(JP,U)
【文献】 特開2002−277737(JP,A)
【文献】 特開平02−201310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群及び正の屈折力の第2レンズ群からなり、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群が互いの間隔が減少するように移動するズームレンズ系において、
第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1aレンズ群及び正の屈折力の第1bレンズ群からなり、この第1bレンズ群は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズ群であること
第1aレンズ群は、像側に凹の3枚の負レンズからなること;及び
次の条件式(3)を満足すること;
を特徴とするズームレンズ系。
(3)−3.5<fL1/(fL2・fL3)1/2<−1.0
但し、
fLn:第1aレンズ群中の物体側からi番目の負レンズの焦点距離(i=1、2、3)。
【請求項2】
請求項1記載のズームレンズ系において、第1bレンズ群は正単レンズからなるズームレンズ系。
【請求項3】
請求項2記載のズームレンズ系において、次の条件式(1)を満足するズームレンズ系。
(1)−1<SF<0
但し、
SF=(br1−br2)/(br1+br2)
br1:第1bレンズの正単レンズの物体側の面の曲率半径、
br2:第1bレンズの正単レンズの像側の面の曲率半径。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載のズームレンズ系において、次の条件式(2)を満足するズームレンズ系。
(2)−5.0<f1b/f1a<−3.5
但し、
f1b:第1bレンズ群の焦点距離、
f1a:第1aレンズ群の焦点距離。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載のズームレンズ系において、第1aレンズ群中の3枚の負レンズのいずれかに非球面が含まれているズームレンズ系。
【請求項6】
請求項5記載のズームレンズ系において、第1aレンズ群中の最も物体側の負レンズは、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズであるズームレンズ系。
【請求項7】
請求項5記載のズームレンズ系において、第1aレンズ群中の物体側から2番目の負レンズは、少なくとも1面が非球面であるズームレンズ系。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項記載のズームレンズ系において、第1レンズ群中、第2レンズ群中にそれぞれ少なくとも1枚の非球面レンズが含まれているズームレンズ系。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項記載のズームレンズ系において、第2レンズ群は、少なくとも3枚の正レンズを有するズームレンズ系。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項記載のズームレンズ系において、無限遠物体合焦状態における短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1aレンズ群と第1bレンズ群の空気間隔が不変であるズームレンズ系。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項記載のズームレンズ系において、第1レンズ群と第2レンズ群の間に絞りが位置しているズームレンズ系。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項記載のズームレンズ系によって形成される像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴とする光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の光学機器に用いて好適なズームレンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の光学機器に用いられるズームレンズ系には、よりコンパクトで高性能であることが求められている。フォーカス機構系の小型化と迅速なフォーカシングの要望も強い。
【0003】
ズームレンズ系として、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群からなるタイプのものが知られている。このレンズタイプのフォーカシング方式としては、第1レンズ群の全体を移動させてフォーカシングを行う、いわゆるフロントフォーカシング方式が一般的である。
【0004】
しかしこのフロントフォーカシング方式では、フォーカスレンズ群である第1レンズ群の重量が大きいと(第1レンズ群のレンズ枚数が多いと)、フォーカス機構系であるモータやアクチュエータが大型化する。このため、鏡筒を含むレンズの最大径が大きくなってレンズ全系が大型化する。
【0005】
特許文献1では、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群からなるズームレンズ系において、第1レンズ群中の像側の2枚のレンズをフォーカスレンズとしている。
【0006】
しかし、フォーカス機構系であるモータやアクチュエータへの負担は依然として大きく、迅速なフォーカシングに十分に対応しているとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−93593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、フォーカス機構系の小型化と迅速なフォーカシングを達成でき、コンパクトで優れた光学性能を持つズームレンズ系及びこれを用いた光学機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のズームレンズ系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群及び正の屈折力の第2レンズ群からなり、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群が互いの間隔が減少するように移動するズームレンズ系において、第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1aレンズ群及び正の屈折力の第1bレンズ群からなり、この第1bレンズ群は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズ群であること;第1aレンズ群は、像側に凹の3枚の負レンズからなること;及び次の条件式(3)を満足すること;を特徴としている。
(3)−3.5<fL1/(fL2・fL3)1/2<−1.0
但し、
fLn:第1aレンズ群中の物体側からi番目の負レンズの焦点距離(i=1、2、3)[mm]、
である。
【0010】
さらなるフォーカス機構系の小型化と迅速なフォーカシングのためには、第1bレンズ群を正単レンズで構成することが好ましい。
【0011】
本発明のズームレンズ系は、第1bレンズ群を正単レンズで構成した上で、次の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1)−1<SF<0
但し、
SF=(br1−br2)/(br1+br2)
br1:第1bレンズの正単レンズの物体側の面の曲率半径[mm]、
br2:第1bレンズの正単レンズの像側の面の曲率半径[mm]、
である。
【0012】
本発明のズームレンズ系は、条件式(1)の条件式範囲の中でも、次の条件式(1’)を満足することがより好ましい。
(1’)−0.85<SF<−0.40
【0013】
本発明のズームレンズ系は、次の条件式(2)を満足することが好ましい。
(2)−5.0<f1b/f1a<−3.5
但し、
f1b:第1bレンズ群の焦点距離[mm]、
f1a:第1aレンズ群の焦点距離[mm]、
である。
【0016】
諸収差を良好に補正するためには、第1aレンズ群中の3枚の負レンズのいずれかに非球面を含ませることが好ましい。
例えば、第1aレンズ群中の最も物体側の負レンズを、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズとすることができる。
あるいは、第1aレンズ群中の物体側から2番目の負レンズの少なくとも1面を非球面とすることもできる。
【0017】
諸収差を良好に補正するためには、第1レンズ群中、第2レンズ群中にそれぞれ少なくとも1枚の非球面レンズを含ませることが好ましい。
【0018】
第2レンズ群には少なくとも3枚の正レンズを含ませることが好ましい。
【0019】
本発明のズームレンズ系は、無限遠物体合焦状態における短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1aレンズ群と第1bレンズ群の空気間隔を不変(変倍に際して第1aレンズ群と第1bレンズ群が一体に移動)としている。
【0020】
絞りは第1レンズ群と第2レンズ群の間に位置させるのが実際的である。
【0021】
本発明の光学機器は、上述したいずれかのズームレンズ系によって形成される像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、フォーカス機構系の小型化と迅速なフォーカシングを達成でき、コンパクトで優れた光学性能を持つズームレンズ系及びこれを用いた光学機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明によるズームレンズ系の数値実施例1の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図2図1の構成における縦収差図である。
図3図1の構成における横収差図である。
図4】同数値実施例1の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図5図4の構成における縦収差図である。
図6図4の構成における横収差図である。
図7】本発明によるズームレンズ系の数値実施例2の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図8図7の構成における縦収差図である。
図9図7の構成における横収差図である。
図10】同数値実施例2の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図11図10の構成における縦収差図である。
図12図10の構成における横収差図である。
図13】本発明によるズームレンズ系の数値実施例3の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図14図13の構成における縦収差図である。
図15図13の構成における横収差図である。
図16】同数値実施例3の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図17図16の構成における縦収差図である。
図18図16の構成における横収差図である。
図19】本発明によるズームレンズ系の数値実施例4の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図20図19の構成における縦収差図である。
図21図19の構成における横収差図である。
図22】同数値実施例4の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図23図22の構成における縦収差図である。
図24図22の構成における横収差図である。
図25】本発明によるズームレンズ系の数値実施例5の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図26図25の構成における縦収差図である。
図27図25の構成における横収差図である。
図28】同数値実施例5の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図29図28の構成における縦収差図である。
図30図28の構成における横収差図である。
図31】本発明によるズームレンズ系の数値実施例6の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図32図31の構成における縦収差図である。
図33図31の構成における横収差図である。
図34】同数値実施例6の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図35図34の構成における縦収差図である。
図36図34の構成における横収差図である。
図37】本発明によるズームレンズ系の数値実施例7の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図38図37の構成における縦収差図である。
図39図37の構成における横収差図である。
図40】同数値実施例7の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図41図40の構成における縦収差図である。
図42図40の構成における横収差図である。
図43】本発明によるズームレンズ系の数値実施例8の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図44図43の構成における縦収差図である。
図45図43の構成における横収差図である。
図46】同数値実施例8の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図47図46の構成における縦収差図である。
図48図46の構成における横収差図である。
図49】本発明によるズームレンズ系の数値実施例9の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図50図49の構成における縦収差図である。
図51図49の構成における横収差図である。
図52】同数値実施例9の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
図53図52の構成における縦収差図である。
図54図52の構成における横収差図である。
図55】本発明によるズームレンズ系のズーム軌跡を示す簡易移動図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態のズームレンズ系は、図55の簡易移動図に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、及び正の屈折力の第2レンズ群G2からなる。第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力の第1aレンズ群G1a、及び正の屈折力の第1bレンズ群G1bからなる。第1bレンズ群G1b(第1レンズ群G1)と第2レンズ群G2の間に位置する絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。Iは像面である。
【0025】
このズームレンズ系は、短焦点距離端(W)から長焦点距離端(T)への変倍(ズーミング)に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が互いの間隔が減少するように移動する。短焦点距離端(W)から長焦点距離端(T)への変倍(ズーミング)に際し、第1aレンズ群G1aと第1bレンズ群G1bの空気間隔は不変である(第1aレンズ群G1aと第1bレンズ群G1bが一体に移動する)。
より具体的には、短焦点距離端(W)から長焦点距離端(T)への変倍(ズーミング)に際し、第1レンズ群G1(第1aレンズ群G1aと第1bレンズ群G1b)は一旦像側に移動してから若干量だけ物体側に戻り(結果として像側に移動し)、第2レンズ群G2は単調に物体側に移動する。
【0026】
第1aレンズ群G1aは、全数値実施例1−9を通じて、3枚の負レンズ(像側に凹の負レンズ)11、12、13からなる。最も物体側の負レンズ11は、数値実施例1−6、8、9では、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズであり、数値実施例7では球面レンズである(ハイブリッドレンズではない)。物体側から2番目の負レンズ12は、数値実施例1−6、8、9では球面レンズであり、数値実施例7ではその両面が非球面である。
【0027】
第1bレンズ群G1bは、全数値実施例1−9を通じて、正単レンズ14からなる。正単レンズ14(第1bレンズ群G1b)は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズ(フォーカスレンズ群)である。つまり、無限遠物体から有限距離物体へ合焦させるに際し、正単レンズ14(第1bレンズ群G1b)を像側に移動してフォーカシングを行う。
【0028】
第2レンズ群G2は、数値実施例1−6、8では、物体側から順に、正レンズ21、物体側から順に位置する正レンズ22と負レンズ23の接合レンズ、及び正レンズ24の4枚のレンズからなる。正レンズ21と正レンズ24はともにその両面が非球面である。
第2レンズ群G2は、数値実施例7、9では、物体側から順に、正レンズ21’、正レンズ22’、物体側から順に位置する正レンズ23’と負レンズ24’の接合レンズ、及び正レンズ25’の5枚のレンズからなる。正レンズ22’と正レンズ25’はともにその両面が非球面である。
【0029】
本実施形態では、歪曲収差の発生を抑えながら負の屈折力を得るために、第1レンズ群G1を、3枚の負レンズ(像側に凹の負レンズ)11、12、13からなる第1aレンズ群G1aと、正単レンズ14からなる第1bレンズ群G1bとで構成している。
【0030】
歪曲収差を抑えるためには第1レンズ群の最も物体側に正レンズ(物体側に凸の正レンズ)を配置するのが効果的である。しかし最も物体側に正レンズ(物体側に凸の正レンズ)を配置すると、第1レンズ群の最大径が大きくなりすぎてレンズ全系が大型化してしまう。
そこで本実施形態では、第1aレンズ群G1aを3枚の負レンズ11、12、13で構成した上で、第1aレンズ群G1a中に非球面レンズを含ませることで、第1レンズ群G1の大径化を防止するとともに、歪曲収差の発生を抑えることに成功している。
【0031】
第1aレンズ群G1a中の非球面レンズの配置は、製造コストの観点からは、レンズ径が最も小さい最も像側のレンズ(負レンズ13)とした方が良いが、その反面、レンズ径が小さいと収差補正が不十分となるという欠点がある。
そこで本実施形態では、第1aレンズ群G1a中の最も物体側の負レンズ11または物体側から2番目の負レンズ12を非球面レンズとして良好な収差補正を実現している。最も物体側の負レンズ11を非球面レンズとする場合は、製造コストを考慮すると、ガラスレンズに合成樹脂材料による非球面層を接着形成したハイブリッドレンズとすることが好ましい。また第1aレンズ群G1a中に含ませる非球面を、近軸球面に比して、光軸から離れるに従って負の屈折力を弱める(正の屈折力を強める)性質とすれば、その非球面で正の歪曲収差を発生させて、第1レンズ群G1で発生が顕著である負の歪曲収差を良好に補正することができる。
【0032】
第1bレンズ群G1bの正単レンズ14は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズであり、フォーカシング時に歪曲収差、球面収差、コマ収差が変動するのを防止する作用を持つ。フォーカスレンズを正単レンズ14で構成することで、フォーカスレンズを軽量化してフォーカス機構系であるモータやアクチュエータを小型化することができる。このため、鏡筒を含むレンズの最大径を小さくしてレンズ全系をコンパクト化することができる。さらに迅速なフォーカシングも可能になる。
正単レンズ14の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状にすると、短焦点距離端での軸外の非点収差を良好に補正することができる。
【0033】
本実施形態では、第2レンズ群G2中に負の球面収差を発生させる少なくとも1枚の負レンズ(負レンズ23または負レンズ24’)を含ませることで、軸外収差に与える影響を小さく保ったまま全系で発生する球面収差を良好に補正している。また、第2レンズ群G2中に少なくとも3枚の正レンズ(正レンズ21、22、24または正レンズ21’、22’、23’、25’)を含ませることで、球面収差やコマ収差の発生を抑えている。さらに第2レンズ群G2中の負レンズを他の正レンズと接合する(正レンズ22と負レンズ23または正レンズ23’と負レンズ24’を接合する)ことで高次の球面収差を良好に補正している。
【0034】
条件式(1)及び(1’)は、フォーカスレンズ群である第1bレンズ群G1bを正単レンズ14で構成したとき、この正単レンズ14のシェーピングファクター(形状)を規定している。正単レンズ14を、条件式(1)及び(1’)を満足するような物体側に凸の正メニスカス形状とすることで、短焦点距離端での軸外の非点収差を良好に補正し、フォーカシング時におけるコマ収差、非点収差、像面湾曲を良好に補正し、フォーカシングに際する全系の収差変動を良好なバランスに維持することができる。
条件式(1)の上限を超えると、フォーカスレンズである正単レンズ14の物体側の面と像側の面の曲率半径の差がなくなり、フォーカシング時におけるコマ収差の変動を抑えるのが困難になる。
条件式(1)の下限を超えると、フォーカスレンズである正単レンズ14が物体側に凸の平凸正レンズとなり、フォーカシング時における非点収差の変動を抑えるのが困難になる。また像面湾曲が補正不足(アンダー)になる。
【0035】
条件式(2)は、フォーカスレンズ群である第1bレンズ群G1bの焦点距離と、第1aレンズ群G1aの焦点距離との比を規定している。条件式(2)を満足することで、球面収差、コマ収差、歪曲収差、非点収差などの諸収差を良好に補正することができる。
条件式(2)の上限を超えると、フォーカスレンズ群である第1bレンズ群G1bのパワーが強くなりすぎて、近距離への移動量が減るという利点はあるが、長焦点距離端での球面収差、コマ収差の補正が困難になる。
条件式(2)の下限を超えると、第1aレンズ群G1aのパワーが強くなりすぎて、歪曲収差、非点収差の補正が困難になる。
【0036】
条件式(3)は、第1aレンズ群G1a中の3枚の負レンズ11、12、13のパワーバランスを規定している。条件式(3)を満足することで、第1レンズ群G1の径を小さくしてレンズ全系をコンパクト化し、硝材をコストダウンし、短焦点距離端での非点収差や歪曲収差を良好に補正することができる。
条件式(3)の上限を超えると、第1aレンズ群G1a中の負レンズ11のパワーが強くなりすぎて、負レンズ11の曲率半径が小さくなって硝材のコストアップに繋がる。また短焦点距離端での非点収差の補正が困難になる。
条件式(3)の下限を超えると、第1aレンズ群G1a中の負レンズ11のパワーが弱くなりすぎて、第1レンズ群G1が大径化することによりレンズ全系が大型化する。また短焦点距離端での歪曲収差の補正が困難になる。
【実施例】
【0037】
次に具体的な数値実施例1−9を示す。縦収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB はバックフォーカス、Lはレンズ全長、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数、「E-a」は「×10-a」を示す。Fナンバー、焦点距離、半画角、像高、バックフォーカス、レンズ全長及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔dは、短焦点距離端−中間焦点距離−長焦点距離端の順に示している。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、xはサグ量)
【0038】
[数値実施例1]
図1図6と表1〜表4は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例1を示している。図1は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図2はその縦収差図、図3はその横収差図であり、図4は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図5はその縦収差図、図6はその横収差図である。表1は面データ、表2は各種データ、表3は非球面データ、表4はレンズ群データである。
【0039】
本数値実施例1のズームレンズ系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、及び正の屈折力の第2レンズ群G2からなる。
【0040】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力の第1aレンズ群G1a、及び正の屈折力の第1bレンズ群G1bからなる。
【0041】
第1aレンズ群G1aは、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ11、物体側に凸の負メニスカスレンズ12、及び物体側に凸の負メニスカスレンズ13からなる。最も物体側の負メニスカスレンズ11は、ガラスレンズの像側の面に合成樹脂材料による非球面層が接着形成されたハイブリッドレンズである。
【0042】
第1bレンズ群G1bは、物体側に凸の正メニスカス単レンズ14からなる。正メニスカス単レンズ14(第1bレンズ群G1b)は、フォーカシング時に移動するフォーカスレンズ(フォーカスレンズ群)である。つまり、無限遠物体から有限距離物体へ合焦させるに際し、正メニスカス単レンズ14(第1bレンズ群G1b)を像側に移動してフォーカシングを行う。
【0043】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸正レンズ21、物体側から順に位置する両凸正レンズ22と両凹負レンズ23の接合レンズ、及び両凸正レンズ24からなる。両凸正レンズ21と両凸正レンズ24はともにその両面が非球面である。第1bレンズ群G1b(第1レンズ群G1)と第2レンズ群G2の間に位置する絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。第2レンズ群G2(両凸正レンズ24)の後方(像面Iとの間)には、光学フィルタOPとカバーガラスCGが配置されている。
【0044】
(表1)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 26.218 1.637 1.69680 55.5
2 13.873 0.177 1.52972 42.7
3* 12.067 1.000
4 16.556 1.200 1.77250 49.6
5 8.739 3.611
6 520.355 1.200 1.77251 49.6
7 15.115 4.435
8 20.342 2.243 1.84666 23.8
9 56.198 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 7.708 5.800 1.49842 76.7
12* -34.307 0.304
13 11.901 2.747 1.49700 81.6
14 -14.016 1.000 1.83400 37.3
15 9.400 0.435
16* 17.216 2.266 1.55332 71.7
17* -24.807 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表2)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.6
f 5.14 10.01 14.83
W 46.1 25.4 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.05 52.14 52.33
d9 21.817 6.354 1.049
d17 9.026 14.577 20.071
(表3)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.6937E-04 -0.1141E-06 -0.4468E-08
11 0.000 -0.8088E-04 -0.1122E-05
12 0.000 0.3633E-03 -0.7727E-05 0.2257E-06
16 0.000 0.6590E-03 -0.1992E-04
17 0.000 0.7315E-03 0.2868E-05
(表4)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.97
2 11 13.65
【0045】
[数値実施例2]
図7図12と表5〜表8は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例2を示している。図7は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図8はその縦収差図、図9はその横収差図であり、図10は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図11はその縦収差図、図12はその横収差図である。表5は面データ、表6は各種データ、表7は非球面データ、表8はレンズ群データである。
【0046】
この数値実施例2のレンズ構成は、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
【0047】
(表5)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 20.575 1.637 1.77250 49.6
2 15.231 0.200 1.52972 42.7
3* 12.272 1.887
4 21.964 1.200 1.80420 46.5
5 8.675 3.450
6 694.331 1.200 1.77250 49.6
7 12.094 2.516
8 15.943 2.621 1.84666 23.8
9 69.080 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 7.995 4.961 1.49700 81.6
12* -33.582 0.257
13 14.582 2.184 1.49700 81.6
14 -16.807 2.020 1.83400 37.3
15 10.520 0.353
16* 15.493 3.012 1.55332 71.7
17* -22.403 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表6)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.90
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.5
f 5.14 10.00 14.91
W 46.2 25.5 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 61.99 53.19 53.97
d9 21.697 7.096 2.015
d17 9.646 15.449 21.306
(表7)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.5962E-04 -0.2397E-06 -0.3978E-08
11 0.000 -0.5955E-04 -0.8318E-06
12 0.000 0.3204E-03 -0.5790E-05 0.1556E-06
16 0.000 0.4113E-03 -0.1270E-04
17 0.000 0.5306E-03 0.4139E-05
(表8)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.37
2 11 13.58
【0048】
[数値実施例3]
図13図18と表9〜表12は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例3を示している。図13は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図14はその縦収差図、図15はその横収差図であり、図16は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図17はその縦収差図、図18はその横収差図である。表9は面データ、表10は各種データ、表11は非球面データ、表12はレンズ群データである。
【0049】
この数値実施例3のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第1aレンズ群G1aの負レンズ13が両凹負レンズである。
【0050】
(表9)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 19.363 1.637 1.77250 47.9
2 14.885 0.200 1.52972 42.7
3* 12.109 1.939
4 20.859 1.200 1.80400 41.0
5 8.493 3.654
6 -200.369 1.200 1.77250 49.6
7 11.922 2.311
8 15.842 2.696 1.84666 23.8
9 91.781 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 8.005 5.288 1.49700 81.6
12* -33.215 0.296
13 14.374 2.222 1.49700 81.6
14 -15.861 2.020 1.83400 37.3
15 10.479 0.339
16* 15.281 2.726 1.55332 71.7
17* -21.897 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表10)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.90
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.5
f 5.14 10.00 14.91
W 46.1 25.5 17.4
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.00 53.32 54.15
d9 21.564 7.074 2.039
d17 9.560 15.372 21.229
(表11)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.6380E-04 -0.1851E-06 -0.4616E-08
11 0.000 -0.6157E-04 -0.7887E-06
12 0.000 0.3298E-03 -0.5525E-05 0.1536E-06
16 0.000 0.4683E-03 -0.1224E-04
17 0.000 0.5678E-03 0.4558E-05
(表12)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.32
2 11 13.53
【0051】
[数値実施例4]
図19図24と表13〜表16は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例4を示している。図19は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図20はその縦収差図、図21はその横収差図であり、図22は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図23はその縦収差図、図24はその横収差図である。表13は面データ、表14は各種データ、表15は非球面データ、表16はレンズ群データである。
【0052】
この数値実施例4のレンズ構成は、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
【0053】
(表13)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 31.880 1.637 1.69680 55.5
2 13.612 0.167 1.52972 42.7
3* 11.743 1.000
4 15.951 1.200 1.77250 49.6
5 8.904 3.415
6 173.586 1.200 1.77251 49.6
7 15.444 4.416
8 20.405 2.245 1.84666 23.8
9 56.532 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 7.694 5.814 1.49833 76.1
12* -33.767 0.303
13 11.864 2.725 1.49700 81.6
14 -13.660 1.000 1.83400 37.3
15 9.319 0.438
16* 17.172 2.288 1.55332 71.7
17* -24.667 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表14)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.88
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.5
f 5.14 10.01 14.81
W 46.2 25.4 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.07 51.89 51.96
d9 22.064 6.370 1.000
d17 9.004 14.520 19.959
(表15)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.7761E-04 -0.1597E-06 -0.5268E-08
11 0.000 -0.8177E-04 -0.1170E-05
12 0.000 0.3629E-03 -0.7950E-05 0.2269E-06
16 0.000 0.6701E-03 -0.2037E-04
17 0.000 0.7333E-03 0.2848E-05
(表16)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -12.10
2 11 13.70
【0054】
[数値実施例5]
図25図30と表17〜表20は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例5を示している。図25は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図26はその縦収差図、図27はその横収差図であり、図28は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図29はその縦収差図、図30はその横収差図である。表17は面データ、表18は各種データ、表19は非球面データ、表20はレンズ群データである。
【0055】
この数値実施例5のレンズ構成は、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
【0056】
(表17)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 22.339 1.640 1.77250 49.6
2 14.420 0.200 1.52972 42.7
3* 11.978 1.440
4 17.550 1.200 1.80420 46.5
5 8.600 3.860
6 -447.347 1.200 1.77250 49.6
7 12.800 2.763
8 16.900 2.529 1.84666 23.8
9 68.597 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 7.991 5.220 1.49700 81.6
12* -33.330 0.280
13 14.372 2.420 1.49700 81.6
14 -16.821 2.020 1.83400 37.3
15 9.930 0.390
16* 15.811 2.290 1.55332 71.7
17* -20.704 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表18)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.6
f 5.14 10.00 14.86
W 46.2 25.5 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.02 53.16 53.91
d9 21.728 7.057 1.988
d17 9.687 15.505 21.317
(表19)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.6621E-04 -0.1494E-06 -0.4856E-08
11 0.000 -0.6786E-04 -0.9051E-06
12 0.000 0.3234E-03 -0.5863E-05 0.1604E-06
16 0.000 0.4793E-03 -0.1440E-04
17 0.000 0.5626E-03 0.2871E-05
(表20)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.39
2 11 13.62
【0057】
[数値実施例6]
図31図36と表21〜表24は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例6を示している。図31は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図32はその縦収差図、図33はその横収差図であり、図34は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図35はその縦収差図、図36はその横収差図である。表21は面データ、表22は各種データ、表23は非球面データ、表24はレンズ群データである。
【0058】
この数値実施例6のレンズ構成は、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
【0059】
(表21)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 20.310 1.637 1.80400 39.7
2 15.604 0.200 1.52972 42.7
3* 12.698 1.505
4 18.240 1.200 1.83481 41.5
5 8.984 4.375
6 -70.473 1.518 1.77250 49.6
7 13.085 3.000
8 19.220 2.562 1.84666 23.8
9 163.157 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 8.612 5.110 1.49700 81.6
12* -47.815 0.297
13 16.646 3.694 1.49700 81.6
14 -14.006 2.020 1.83400 37.3
15 11.153 0.278
16* 14.185 2.410 1.55332 71.7
17* -19.638 d17
18 ∞ 0.500 1.51633 64.1
19 ∞ 0.620
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表22)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.90
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.6 4.5
f 5.14 10.01 14.89
W 46.0 25.4 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 67.12 56.97 57.40
d9 24.161 8.022 2.432
d17 9.998 15.997 22.015
(表23)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.6151E-04 -0.1687E-06 -0.2832E-08
11 0.000 -0.4515E-04 -0.6491E-06
12 0.000 0.2141E-03 -0.3737E-05 0.9595E-07
16 0.000 0.3267E-03 -0.6583E-05
17 0.000 0.4926E-03 0.5546E-05
(表24)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.76
2 11 14.50
【0060】
[数値実施例7]
図37図42と表25〜表28は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例7を示している。図37は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図38はその縦収差図、図39はその横収差図であり、図40は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図41はその縦収差図、図42はその横収差図である。表25は面データ、表26は各種データ、表27は非球面データ、表28はレンズ群データである。
【0061】
この数値実施例7のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第1aレンズ群G1aの負メニスカスレンズ11が球面レンズである(ハイブリッドレンズではない)。
(2)第1aレンズ群G1aの負メニスカスレンズ12の両面が非球面である。
(3)第2レンズ群G2が、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ21’、両凸正レンズ22’、物体側から順に位置する両凸正レンズ23’と両凹負レンズ24’の接合レンズ、及び両凸正レンズ25’からなる。両凸正レンズ22’と両凸正レンズ25’はともにその両面が非球面である。
【0062】
(表25)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 23.830 1.637 1.77250 49.6
2 11.916 2.427
3* 35.080 1.200 1.75501 51.2
4* 10.970 2.422
5 54.804 1.200 1.72916 54.7
6 13.355 4.078
7 19.133 2.326 1.84666 23.8
8 56.141 d8
9絞 ∞ 1.000
10 7.183 2.148 1.48749 70.4
11 61.161 0.500
12* 20.601 1.697 1.49700 81.6
13* -41.681 0.262
14 20.230 2.463 1.49700 81.6
15 -7.342 1.000 1.80610 40.7
16 10.740 0.610
17* 19.100 1.717 1.55332 71.7
18* -19.802 d18
19 ∞ 0.550 1.51680 64.2
20 ∞ 2.020
21 ∞ 0.500 1.51680 64.2
22 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表26)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 4.6 4.5
f 5.14 10.01 14.86
W 46.5 25.6 17.6
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.04 51.47 51.41
d8 23.214 7.158 1.625
d18 8.541 14.028 19.494
(表27)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 0.6249E-04
4 0.000 0.3620E-04
12 0.000 -0.5518E-03 -0.2019E-04
13 0.000 -0.4738E-03 -0.2935E-04 0.4923E-06
17 0.000 0.4300E-03 -0.1017E-04
18 0.000 0.8541E-03 0.1609E-04
(表28)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -12.27
2 10 13.83
【0063】
[数値実施例8]
図43図48と表29〜表32は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例8を示している。図43は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図44はその縦収差図、図45はその横収差図であり、図46は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図47はその縦収差図、図48はその横収差図である。表29は面データ、表30は各種データ、表31は非球面データ、表32はレンズ群データである。
【0064】
この数値実施例8のレンズ構成は、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
【0065】
(表29)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 25.697 1.637 1.77250 49.6
2 14.523 0.200 1.52972 42.7
3* 12.085 0.480
4 14.171 1.200 1.80420 46.5
5 8.837 3.906
6 -291.177 1.200 1.77250 49.6
7 12.932 3.973
8 19.885 2.370 1.84666 23.8
9 76.387 d9
10絞 ∞ 1.000
11* 7.720 5.675 1.49700 81.6
12* -35.514 0.286
13 13.352 2.597 1.49700 81.6
14 -14.630 2.020 1.83400 37.3
15 9.410 0.413
16* 15.972 1.856 1.55332 71.7
17* -20.979 d17
18 ∞ 0.550 1.51633 64.1
19 ∞ 2.020
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表30)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.7 4.5
f 5.14 10.01 14.86
W 46.0 25.4 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.05 51.99 52.09
d9 22.178 6.634 1.277
d17 7.461 12.940 18.400
(表31)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.7795E-04 -0.1683E-06 -0.4214E-08
11 0.000 -0.7397E-04 -0.3595E-06
12 0.000 0.3652E-03 -0.5995E-05 0.2598E-06
16 0.000 0.5956E-03 -0.1834E-04
17 0.000 0.6814E-03 0.1502E-05
(表32)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -12.08
2 11 13.59
【0066】
[数値実施例9]
図49図54と表33〜表36は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例9を示している。図49は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図50はその縦収差図、図51はその横収差図であり、図52は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図53はその縦収差図、図54はその横収差図である。表33は面データ、表34は各種データ、表35は非球面データ、表36はレンズ群データである。
【0067】
この数値実施例9のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第2レンズ群G2が、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ21’、両凸正レンズ22’、物体側から順に位置する両凸正レンズ23’と両凹負レンズ24’の接合レンズ、及び両凸正レンズ25’からなる。両凸正レンズ22’と両凸正レンズ25’はともにその両面が非球面である。
【0068】
(表33)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 24.013 1.637 1.77250 49.6
2 14.571 0.200 1.52972 42.7
3* 11.842 1.683
4 19.641 1.200 1.80420 46.5
5 9.766 2.985
6 118.199 1.200 1.77250 49.6
7 11.391 3.494
8 17.332 2.489 1.84666 23.8
9 62.012 d9
10絞 ∞ 1.000
11 8.814 1.943 1.48749 70.4
12 110.518 0.500
13* 19.869 1.600 1.49700 81.6
14* -135.131 0.292
15 14.345 2.602 1.49700 81.6
16 -11.350 3.048 1.80610 40.7
17 7.191 0.312
18* 8.878 2.224 1.55332 71.7
19* -20.499 d19
20 ∞ 0.500 1.51633 64.1
21 ∞ 0.620
22 ∞ 0.500 1.51633 64.1
23 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表34)
各種データ
ズーム比(変倍比) 2.88
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.8 3.6 4.5
f 5.14 10.00 14.81
W 45.7 25.3 17.5
Y 4.65 4.65 4.65
fB 0.53 0.53 0.53
L 62.01 52.41 52.72
d9 22.329 7.129 1.913
d19 9.127 14.721 20.252
(表35)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
3 0.000 -0.7476E-04 -0.1420E-06 -0.5522E-08
13 0.000 -0.2224E-03 -0.8780E-05
14 0.000 -0.1259E-03 -0.1301E-04 0.1531E-06
18 0.000 0.3293E-03 -0.1557E-05
19 0.000 0.5540E-03 0.1037E-04
(表36)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -11.82
2 11 13.60
【0069】
各数値実施例の各条件式に対する値を表37に示す。
(表37)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
条件式(1) -0.47 -0.62 -0.71 -0.47 -0.60
条件式(2) -4.84 -3.72 -3.59 -4.82 -3.94
条件式(3) -1.58 -3.00 -3.41 -1.17 -2.16
実施例6 実施例7 実施例8 実施例9
条件式(1) -0.79 -0.49 -0.59 -0.56
条件式(2) -3.91 -4.47 -4.31 -4.03
条件式(3) -3.21 -1.43 -1.53 -1.79
【0070】
表37から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例9は、条件式(1)ないし(3)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差は比較的よく補正されている。
【符号の説明】
【0071】
G1 負の屈折力の第1レンズ群
G1a 負の屈折力の第1aレンズ群
11 負レンズ(像側に凹の負レンズ)
12 負レンズ(像側に凹の負レンズ)
13 負レンズ(像側に凹の負レンズ)
G1b 正の屈折力の第1bレンズ群
14 正単レンズ
G2 正の屈折力の第2レンズ群
21 正レンズ
22 正レンズ
23 負レンズ
24 正レンズ
21’ 正レンズ
22’ 正レンズ
23’ 正レンズ
24’ 負レンズ
25’ 正レンズ
S 絞り
OP 光学フィルタ
CG カバーガラス
I 像面
図1
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