【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
【0046】
<製造例1>[不飽和プレポリマー(A−1)の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたセパラフラスコに水酸基価 47.6mgKOH/g数平均分子量2100の末端水酸基を有する水添ポリブタジエン(GI−2000 日本曹達株式会社製)(a1−1)85.11質量部、及び熱重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下、BHTと略することがある)0.05質量部を仕込み、そこにポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略することがある(a2−1))10.84質量部を添加し、よく攪拌しながら窒素雰囲気中、60℃で3時間反応させ、プレポリマー前駆体を得た。更に、この反応物に、活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内にともに有する化合物として2−ヒドロキシエチルメタクリレート(a3−1)(以下、HEMAと略することがある)3.96質量部、及び触媒としてジブチルスズジラウレート(以下、DBSLと略することがある)0.04質量部を添加し、80℃で3時間反応して、IR測定で2230cm
−1のイソシアネート基の吸収ピークが消失したことを確認した。その後、反応容器を冷却し、水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−1)を得た。
【0047】
<製造例2〜5>[不飽和プレポリマー(A−2)〜(A−5)の製造]
表1に示した組成で、製造例1と同様の操作を行うことにより、表1に示す数平均分子量の水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−2)〜(A−5)を得た。
【0048】
【表1】
【0049】
表1中の略号の説明
(a1−1):数平均分子量2100、水酸基価47.6mgKOH/g、1,2−ポリブタジエン構造が80質量%以上有するポリブタジエンを水添して得られる水酸基を有する水添ポリブタジエン
GI−2000(日本曹達株式会社製)
(a1−2):数平均分子量3100、水酸基価29.0mgKOH/g、1,2−ポリブタジエン構造が80質量%未満有するポリブタジエンを水添して得られる水酸基を有する水添ポリブタジエン
Krasol HLBH−P3000(Sartomer社製)
(a2−1):イソホロンジイソシアネート
(a2−2):1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
(a3−1):2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(a3−2):2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
(a3−3):ポリプロピレングリコール(n=5)モノメタクリル酸エステル(分子量376)
(a3−4):ポリエチレングリコール(n=6)モノメタクリル酸エステル(分子量350)
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
DBSL:ジブチルスズジラウレート
【0050】
<製造例6>[不飽和プレポリマー(K−1)の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたセパラフラスコに水酸基価 50.0mgKOH/g数平均分子量2000の末端水酸基を有する未水添のポリブタジエン(G−2000 日本曹達株式会社製)81.38質量部、及び熱重合禁止剤としてBHT 0.05質量部を仕込み、そこにポリイソシアネートとしてIPDI(a2−1)10.08質量部を添加し、よく攪拌しながら窒素雰囲気中、60℃で3時間反応させ、プレポリマー前駆体を得た。更に、この反応物に、活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内にともに有する化合物としてポリプロピレングリコールモノメタクリル酸エステル(a3−2)(以下、PPMAと略することがある)8.45質量部、及び触媒としてDBSL 0.04質量部を添加し、80℃で3時間反応して、IR測定で2230cm
−1のイソシアネート基の吸収ピークが消失したことを確認した。その後、反応容器を冷却し、数平均分子量30000の未水添の不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−1)を得た。
【0051】
<製造例7>[不飽和プレポリマー(K−2)の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口セパラフラスコに酢酸エチル100質量部を入れ、窒素雰囲気下、加熱し酢酸エチルを還流させた。次に2−エチルヘキシルアクリレート98.8質量部、アクリル酸1.0質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.06質量部、酢酸エチル20質量部の混合溶液を5時間かけて、酢酸エチル還流下において滴下し、滴下終了後3時間反応させ酸価3.5mgKOH/gのプレポリマー溶液を得た。プレポリマー溶液に熱重合禁止剤としてBHT 0.1質量部を、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.1質量部を反応容器に仕込み、そこにグリシジルメタクリレート2.0質量部を添加し、よく攪拌しながら窒素雰囲気中、80℃で8時間反応させ、酸価が1.0mgKOH/g以下になったことを確認した。その後、酢酸エチルを留去した後、反応容器を冷却し、数平均分子量30000の不飽和ポリアクリルプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−2)を得た。
【0052】
<製造例8> [不飽和プレポリマー(K−3)の製造]
水酸基価 56.0mgKOH/g、数平均分子量2000のプロピレングリコール 79.61質量部、及び熱重合禁止剤としてBHT 0.05質量部を反応容器に仕込み、そこにポリイソシアネートとしてIPDI 11.04質量部を添加し、よく攪拌しながら窒素雰囲気中、60℃で3時間反応させ、プレポリマー前駆体を得た。更に、この反応物に、活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内にともに有する化合物としてPPMA 9.26質量部、及び触媒としてDBSL 0.04質量部を添加し、80℃で3時間反応して、IR測定で2230cm
−1のイソシアネート基の吸収ピークが消失したことを確認した。その後、反応容器を冷却し、数平均分子量20000の水添ポリブタジエン構造を含まないポリエーテル系ポリウレタンを使用した不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−3)を得た。
【0053】
<製造例9> [不飽和プレポリマー(K−4)の製造]
水酸基価 28.7mgKOH/g、数平均分子量4000のポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−(アジピン酸)] 85.46質量部、及びBHT 0.05質量部を反応容器に仕込み、そこにポリイソシアネートとしてIPDI 6.81質量部を添加し、よく攪拌しながら窒素雰囲気中、60℃で3時間反応させ、プレポリマー前駆体を得た。更に、この反応物に、活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内にともに有する化合物としてPPMA 7.64質量部、及び触媒としてDBSL0.04質量部を添加し、80℃で3時間反応して、IR測定で2230cm
−1のイソシアネート基の吸収ピークが消失したことを確認した。その後、反応容器を冷却し、数平均分子量21000の水添ポリブタジエン構造を含まないポリエステル系ポリウレタンを使用した不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−4)を得た。
【0054】
<実施例1>
製造例1で製造した不飽和ポリウレタンプレポリマー(A−1)50.0質量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−8−イル(B−1)19.0質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(C−1)10.0質量部、2−メトキシエチルアクリレート(D−1)20.0質量部、光重合開始剤に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(E−1)1.0質量部をそれぞれ容器に仕込み、約60℃で1時間攪拌することにより、均一透明な接着部材用組成物(F−1)を得た。
【0055】
<実施例2〜30>
表2に示した組成に変更する以外は、実施例1と同様にして接着部材用組成物(F−2)〜(F−30)を得た。
【0056】
<比較例1>
製造例7で製造した不飽和プレポリマー(K−1)30.0質量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−8−イル(B−1)14.0質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(C−1)35.0質量部、2−メトキシエチルアクリレート(D−1)20.0質量部、光重合開始剤に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(E−1)1.0質量部をそれぞれ容器に仕込み、約60℃で1時間攪拌することにより、均一透明な比較例用接着部材用組成物(J−1)を得た。
【0057】
<比較例2〜16>
表3に示した組成に変更する以外は、比較例1と同様にして比較例用接着部材用組成物(J−2)〜(J−16)を得た。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
表2及び表3中の略号の説明
A:不飽和プレポリマー
B: CH
2=C(R
1)−COO−(R
2−O)n−R
3 (1)
R
1はH又はCH
3であり、R
2はCH
2CH
2又はCH
2CH(CH
3)であり、R
3はシクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、トリシクロアルキル、トリシクロアルケニルで示されるアルキル又はアルケニルであり、nは0又は1である。
C: CH
2=C(R
1)−COO−R
2 (2)
R
1はH又はCH
3であり、R
2は炭素数8から18の直鎖または分岐アルキルである。
(D): CH
2=C(R
1)−COO−(R
2−O)n−R
3 (3)
R
1はH又はCH
3であり、R
2は炭素数2から4のアルキレンであり、R
3はH又は炭素数1から4の直鎖または分岐アルキルであり、nは1〜10である。
E:光重合開始剤
G:シランカップリング剤
H:柔軟性付与剤
I:(B)〜(D)以外のエチレン性不飽和単量体
(B−1):メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−8−イル
(B−2):シクロヘキシルメタクリレート
(B−3):[(1S,4S)−1,7,7−トリメチル−6−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]アクリレート
(B−4):[(1S,4S)−1,7,7−トリメチル−6−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]メタクリレート
(B−5):メタクリル酸2−[(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−イル) オキシ]エチルエステル
(C−1):アクリル酸2−エチルヘキシル
(C−2):メタクリル酸n−ドデシル
(C−3):メタクリル酸n−オクタデシル
(C−4):メタクリル酸2−エチルヘキシル
(C−5):アクリル酸n−ドデシル
(D−1):2−メトキシエチルアクリレート、
(D−2):ポリプロピレングリコール(n=5)モノメタクリル酸エステル
(D−3):2−エトキシエチルメタクリレート
(D−4):2−ブトキシジエチレングリコールメタクリレート
(D−5):4−ヒドロキシブチルアクリレート
(E−1):1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(E−2):2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
(G−1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(G−2):3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(H−1):数平均分子量1100のポリブタジエン B−1000(日本曹達株式会社製)
(H−2):テルペン系水素添加樹脂 クリアロンP85(ヤスハラケミカル株式会社製)
(I−1):メタクリル酸n−ブチル
(I−2):ポリプロピレングリコール(n=7)ジメタクリレート
(I−3):メタクリル酸メチル
(I−4):メタクリル酸t−ブチル
(I−5):アクリル酸ベンジル
(A−1)〜(A−5)、(K−1)〜(K−4)は、各々上記製造例1〜9で得られた不飽和プレポリマー(A−1)〜(A−5)、(K−1)〜(K−4)である。
【0061】
前記のようにして得られた接着部材用組成物(F−1)〜(F−30)、比較例用接着部材用組成物(J−1)〜(J−16)について以下の接着部材の基本物性評価を行なった。結果を表4及び表5に示す。
【0062】
<接着部材用組成物の酸価の測定>
得られた接着部材用組成物(F)または比較例用接着部材用組成物(J)をテトラヒドロフランに溶解し、JIS K0070の規定に準拠した水酸化カリウムによる酸塩基滴定法で測定した。酸価は全て0.1未満であり、耐腐食性が良好であることがわかる。
【0063】
<接着部材のゴム硬度の測定>
水平に設置したガラス板上に厚さ100μmのPETフィルムを密着させ、更に、その上に得られた接着部材用組成物(F)または比較例用接着部材用組成物(J)を40mm×40mm、厚さ3mmとなるように塗布し、更にその上に厚さ25μmのPETフィルムを重ね、波長360nmのケミカルランプ(照度約3mW/cm
2)を用いて、10分間露光することにより硬化させた。その後、PETフィルムを取り除いて作成した硬化物を2枚重ねにして、JIS K6253「ゴムの硬さ試験方法」により測定した。柔軟性は数値が低いほうが良好であることを示している。結果を表4及び表5に示す。
【0064】
<シート部材の作成>
水平に設置したガラス板上に厚さ50μmの剥離処理したPETフィルムを密着させ、更に、剥離処理面に得られた接着部材用組成物(F)または比較例用接着部材用組成物(J)を厚みは50μmとなるように塗布し、更にその上に厚さ38μmの剥離処理したPETフィルムを泡が入らないように貼合させ、波長360nmのケミカルランプ(照度約3mW/cm
2)を用いて、5分間露光することにより硬化させ、シート部材を作成した。
【0065】
<接着部材の透明性>
先に作製したシート部材を25mm×50mmの寸法に切断し、38μmの剥離処理したPETフィルムを剥がしてから、露出した接着部材面をスライドグラス(松浪硝子工業株式会社製「S1112」上に気泡の巻き込みなく貼り合わせた後、厚さ50μmの剥離処理したPETフィルムを剥離して試験片を作製した。この試験片のヘイズを、JIS K7136に準じて測定した。評価の際、スライドグラスのみのヘイズを測定値から差し引いてサンプルのヘイズ値とし、以下の基準に従って評価した。ヘイズ値が0.5%未満であれば、透明性の高い良好な結果であり、0.5以上1.0%未満でも、透明性には問題なく、実用レベルである。ヘイズ値が1.0以上5.0%未満となると接着部材に曇りが生じ、透明性に問題が生じた。5.0%以上では白濁が目視可能であり、実用には適さない結果である。結果を表4及び表5に示す。
○:0.5%未満
○△:0.5%以上1.0%未満
△:1.0%以上5.0%未満
×:5.0%以上
【0066】
<接着部材の接着強度、リワーク性の測定>
先に作製したシート部材を25×100mmの寸法に切断し、38μmの剥離処理したPETフィルムを剥がしてから、露出した接着部材面を厚さ75μmの易接着性PET支持体に貼り合わせた。次いで、50μmの剥離処理したPETフィルムを剥がして、露出した接着部材面を幅30mm×長さ100mm×厚み2.0mmのフロートガラス、および幅30mm×長さ100mm×厚み2.0mmのアクリル板(三菱レイヨン株式会社製の商品名「アクリライトMR−200」)上に気泡の巻き込みなく貼り合わせ、試験片とした。次に、試験片をオートクレーブに入れ、40℃、0.5MPaにて30分間の処理を行った。オートクレーブから取り出し、試験片を23℃湿度50%の条件下にそれぞれ24時間放置した後、各試験片を引張試験機に設置し、23℃湿度50%における180°剥離角度、300mm/分の剥離速度でガラス界面およびアクリル界面からシートを剥離させ、ガラスおよびアクリル板に対する接着強度を測定した。また180°方向に剥離した後、ガラス板表面の状態を目視で観察し、以下の基準に従ってリワーク性を評価した。その結果、ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられなければ、良好なリワーク性を示しており、ガラス板表面に曇りおよび糊残りがほとんど見られなかった場合も、実用レベルのリワーク性を示している。一方、ガラス板表面に曇り等が認められた場合、リワーク性に劣ることを示しており、糊残りが認められる場合、リワーク性は実用には適さない結果である。結果を表4及び表5に示す。
○:ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○△:ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△:ガラス板表面に曇り等が認められる。
×:ガラス板表面に糊残りが認められる。
【0067】
<接着部材の高温高湿度における接着信頼性>
先に作製したシート部材を25×100mmの寸法に切断し、38μmの剥離処理したPETフィルムを剥がしてから、露出した接着部材面を厚さ75μmの易接着性PET支持体に貼り合わせた。次いで、50μmの剥離処理したPETフィルムを剥がして、露出した接着部材面を幅30mm×長さ100mm×厚み2.0mmのフロートガラスに貼り合わせ、試験片とした。次に、試験片をオートクレーブに入れ、40℃、0.5MPaにて30分間の処理を行った。オートクレーブから取り出し、25℃湿度50%の条件下に24時間放置した後、65℃湿度90%の条件下に72時間放置した。72時間後に取り出した試験片の状態を目視で観察し、以下の基準に従って接着信頼性を評価した。その結果、試験片に発泡、白化、剥れが全くみられなければ、良好な接着信頼性を示しており、試験片に発泡、白化、剥れがほとんど認められない場合も、実用レベルの接着信頼性を示している。一方、試験片に発泡もしくは白化が認められる場合、接着信頼性に劣ることを示しており、試験片に剥れが認められる場合、接着信頼性は実用には適さない結果である。結果を表4及び表5に示す。
○:試験片に発泡、白化、剥れが全くみられない。
○△:試験片に発泡、白化、剥れがほとんど認められない。
△:試験片に発泡もしくは白化が認められる。
×:試験片に剥れが認められる。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
表4及び表5の結果から明らかなように、実施例1〜30において得られた接着部材用組成物(F−1)〜(F−30)を光硬化させた接着部材は、透明性、柔軟性、耐腐食性、接着性、リワーク性、接着信頼性の全ての評価が良好である。
【0071】
不飽和ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量が同程度である実施例6と比較例1を比較すると、接着部材用組成物における、未水添の水酸基を有するポリブタジエンを用いた不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−1)を、水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−4)に変更することで柔軟性、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0072】
不飽和プレポリマーの数平均分子量が同程度である実施例6と比較例2を比較すると、接着部材用組成物における、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とする不飽和ポリアクリルプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−2)を、水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−4)に変更することで透明性、柔軟性、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0073】
不飽和ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量が同程度である実施例5と比較例3を比較すると、接着部材用組成物における、水添ポリブタジエン構造がないポリエーテル系ポリウレタンを使用した不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−3)を、水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−3)に変更することで、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0074】
不飽和ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量が同程度である実施例5と比較例4を比較すると、接着部材用組成物における、水添ポリブタジエン構造がないポリエステル系ポリウレタンを使用した不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(K−4)を、水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマーである不飽和プレポリマー(A−3)に変更することで、透明性、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0075】
実施例と比較例5(水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマー(A)の含有量が少ない場合)とを比較すると、接着部材用組成物において不飽和ポリウレタンプレポリマー(A)を10〜50質量%含有することで、接着性、リワーク性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。一方、実施例と比較例6(水添ポリブタジエン構造を含む不飽和ポリウレタンプレポリマー(A)の含有量が多い場合)とを比較すると、接着部材用組成物において不飽和ポリウレタンプレポリマー(A)を10〜50質量%含有することで、透明性、接着性、リワーク性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0076】
実施例と比較例7(脂環式化合物(B)の含有量が少ない場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を5〜30質量%含有することで、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。一方、実施例と比較例8(脂環式化合物(B)の含有量が多い場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を5〜30質量%含有することで、透明性、柔軟性、リワーク性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0077】
実施例5、14〜17と比較例9(脂環式化合物(B)の代わりに脂環構造を持たないモノマーであるメタクリル酸メチル(I−3)を用いた場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を含有することで、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0078】
実施例5、14〜17と比較例10(脂環式化合物(B)の代わりに脂環構造を持たないモノマーであるメタクリル酸t−ブチル(I−4)を用いた場合)及び比較例11(脂環式化合物(B)の代わりに芳香環構造を有するベンジルアクリレート(I−5)を用いた場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を含有することで、接着性、リワーク性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0079】
実施例5と比較例12(モノマー(D)の含有量が少ない場合)とを比較すると、接着部材用組成物においてモノマー(D)を5〜40質量%含有することで、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。一方、実施例5と比較例13(モノマー(D)の含有量が多い場合)とを比較すると、接着部材用組成物においてモノマー(D)を5〜40質量%含有することで、透明性、接着性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0080】
実施例5、18、19と比較例14(アルキル(メタ)アクリレート(C)の代わりにアルキル鎖長が短いメタクリル酸n−ブチル(I−1)を用いた場合)とを比較すると、接着部材用組成物においてアルキル(メタ)アクリレート(C)を含有することで、接着性、リワーク性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。
【0081】
実施例5、27、28と比較例16(光重合開始剤(E)の含有量が少ない場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を5〜30質量%含有することで、接着性、リワーク性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。一方、実施例18、25、26と比較例15(光重合開始剤(E)の含有量が多い場合)とを比較すると、接着部材用組成物において脂環式化合物(B)を5〜30質量%含有することで、接着性、リワーク性、接着信頼性が優れる接着部材を得ることが出来ることがわかる。