(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の好適な実施形態に係るデータ伝送システムについて説明する。
【0032】
(実施形態1)
実施形態1に係るデータ送受信システム1は、
図1に示すように、データを送信するデータ携帯装置001と、データ携帯装置001から送信されたデータを受信し記憶するデータ記憶装置101とから構成され、データ携帯装置001に装着された複数のデータ記憶部とデータ記憶装置101が備える記憶装置との間でデータを送受信するシステムである。このデータ送受信システム1は、データを送受信する際、データ記憶装置101とデータ携帯装置001との相対的な位置関係に応じて、データ携帯装置001に装着された複数のデータ記憶部のうちからアクセス対象のデータ記憶部を自動的に選択し、処理を行う構成を有する。
【0033】
データ携帯装置001は、例えば、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance)、デジタルビデオカメラから構成され、
図2に示すように、データ取得部002、2つのデータ記憶部003a、003b、姿勢検出部004、記憶部特定部005、選択用データ生成部006、近接無線通信部007、ROM(Read Only Memory)008、RAM(Random Access Memory)009、及び制御部010を備える。
【0034】
データ取得部002は、通信機能や撮像機能を有し、自装置の外部からデータを取得する。データ取得部002は、例えば、ワイヤレスLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続するLANカード等の無線通信装置、赤外線通信などの対向通信を行う通信装置、動画や静止画を撮像するカメラ装置などから構成される。
【0035】
データ記憶部003aと003bは、それぞれ、例えば、RAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)などの記憶媒体から構成される。データ記憶部003aと003bは、それぞれ、制御部010の書き込み制御に応じて、データ取得部002が取得したデータを記憶し、また、制御部010の読み出し制御に応じて記憶データを読み出して提供する。
【0036】
データ記憶部003a、データ記憶部003bとして、データ携帯装置001から着脱可能な、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)といった光ディスク媒体、磁気テープ、磁気ディスクといった磁気媒体、フラッシュメモリ、ポータブルHDD等の外部記憶媒体を適用してもよい。
【0037】
姿勢検出部004は、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する位置関係(位置、姿勢、向き、方向、距離等)を検出する。具体的には、姿勢検出部004は、例えば、重力加速度を検出する加速度センサにより重力に対する方向、角速度センサ(ジャイロセンサ)を用いて角速度を積算することで回転角度を求める方法などを用いて、データ記憶装置101に対するデータ携帯装置001の相対的な位置関係を検出する。
【0038】
なお、以下の説明では、姿勢検出部004は、加速度センサを備えるものとする。姿勢検出部004は、加速度センサにより検出した地球重力加速度を、RAM009に記憶されている後述の相対位置関係検出用テーブルT1(
図10)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢(向き)を検出(判別)する。
【0039】
記憶部特定部005は、制御部010の一機能として実現され、姿勢検出部004が検出した相対的な姿勢を、RAM009に記憶されている後述の対象特定用テーブルT2(
図11)と照合して、送信対象のデータを、データ記憶部003aとデータ記憶部003bのいずれから読み出すかを特定する。
【0040】
選択用データ生成部006は、制御部010の一機能として実現される。選択用データ生成部006は、送信対象データをユーザに選択させるための画像(以下、選択用画像)をデータ記憶装置101の表示部104に表示するためのデータ(以下、選択用データ)を生成する。具体的には、記憶部特定部005により特定されたデータ記憶部003a又は003bに記憶されているデータが、制御部010により読み出され、選択用データ生成部006に供給される。選択用データ生成部006は、供給されたデータに基づいて、選択用データを生成する。
【0041】
選択用データ生成部006は、生成元のデータの内容がユーザに容易に把握或いは連想可能な形態で選択用データを生成する。具体的には、選択用データ生成部006は、生成元のデータを識別するための識別情報、例えば、データのファイル名やファイルID等を選択用データ内に含める。また、データ記憶部に記憶されているデータが静止画像や動画である場合には、選択用データ生成部006は、例えば、静止画像を縮小した画像や動画の一部を抽出した画像、いわゆるサムネイル画像を表示するためのデータと、画像のファイル名とから構成される選択用データを生成する。
【0042】
選択用データ生成部006により生成された選択用データは、近接無線通信部007を介してデータ記憶装置101に送信される。データ記憶装置101の画像生成部103は、送信されてきた選択用データから選択用画像を生成し、表示部104に表示させる。
【0043】
近接無線通信部007は、近接無線通信、例えば、誘導電界を利用したTransferJet(登録商標)やBluetooth(登録商標)やISO/IEC21481で規格されているNFC(Near Field Communication)により、データ記憶装置101との間で、データ記憶部003a、003b内のデータ、選択用データ、データ受信要求及びデータ受信許可等の各種データの送受信を行う。
【0044】
ROM008は、制御部010の機能を実現するためのプログラムデータを格納する記憶部である。
【0045】
RAM009は、一時的なデータの保存や制御部010のワーク領域として使用される。また、RAM009は、姿勢検出部004が、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出するために用いる相対関係検出用テーブルT1(詳しくは後述)と、記憶部特定部005が、姿勢検出部004が検出した相対的な姿勢情報に基づいてデータ記憶部を特定するために用いる対象特定用テーブルT2(詳しくは後述)とを記憶している。なお、相対関係検出用テーブルT1及び対象特定用テーブルT2は、データ携帯装置001の電源投入後にROM008又はデータ記憶部(003a又は003b)からロードされる。
【0046】
相対関係検出用テーブルT1は、データ記憶装置101に対するデータ携帯装置001の相対位置と、そのときに姿勢検出部004の検出値とを対応付けて記憶する。
例えば、姿勢検出部004が加速度センサから構成される場合、相対関係検出用テーブルT1は、
図10に示すように、姿勢検出部004が検出した加速度の範囲と姿勢とを対応付けて記憶する。具体的には、姿勢検出部004が検出した地球重力加速度Aが、予め設定されているA1以上で且つA2以下の場合は、姿勢検出部004は予め指定された姿勢1にあると検出し、姿勢検出部004が検出した地球重力加速度Aが、予め設定されているA3以上で且つA4以下の場合は、姿勢検出部004は予め設定された姿勢2にあると検出することが登録されている。
【0047】
また、対象特定用テーブルT2は、検出された姿勢と姿勢毎にデータを読み出し対象となるデータ記憶部が対応付けられている。具体的には、
図11に示すように、姿勢検出部004が姿勢1を検出した場合、データ記憶部003aをデータ読み出し先として特定し、姿勢2を検出した場合、データ記憶部003bをデータ読み出し先として特定することが登録されている。また、対象特定用テーブルT2は、どのデータ記憶部が特定されたかを識別するためのフィールド(特定先欄)と、今回特定したデータ記憶部が前回特定したデータ記憶部から変更されているかを識別するためのフィールド(変更欄)が設けられており、これらのフィールドは各姿勢と姿勢毎に特定されるデータ記憶部と対応付けられている。
【0048】
制御部010は、データ携帯装置001の各部と接続されている。制御部010は、例えば、CPUを有し、動作プログラムに従いデータ携帯装置001全体を制御する。具体的には、制御部010は、ROM008に予め記憶されたプログラムデータを読み出してRAM009のワーク領域に展開し、その展開した動作プログラムを実行することにより、データ携帯装置001全体の動作を制御する。
なお、動作プログラムは、制御部010を記憶部特定部005及び選択用データ生成部006として機能させるためのプログラムを含む。
【0049】
次に、
図3を参照して、データ記憶装置101について説明する。
【0050】
データ記憶装置101は、例えば、スマートフォンやPDAの外部記憶装置であり、
図3が示すように、近接無線通信部102、画像生成部103、表示部104、操作部105、データ記憶部106、ROM107、RAM108及び制御部109を備えている。
【0051】
近接無線通信部102は、近接無線通信、例えば、誘導電界を利用したTransferJet(登録商標)やBluetooth(登録商標)やISO/IEC21481で規格されているNFCにより、データ携帯装置001の近接無線通信部007との間で、各データ記憶部003a,003b内のデータ、選択用データ、データ受信要求及びデータ受信許可等の各種データを送受信する。
【0052】
画像生成部103は、制御部109の一機能として実現される。画像生成部103は、近接無線通信部102が受信した選択用データに基づいて、選択用画像(例えば、選択対象データが静止画像の場合、サムネイル画像とファイル名を示す画像)を生成する。
【0053】
表示部104は、液晶表示パネル、EL(ElectroLuminescence)、表示パネル等を備え、画像生成部103が生成した選択用画像等を表示する。表示部104の表示画面に表示された選択用画像に対して、操作部105から画像の選択操作やデータの送信モードの入力操作を行うことにより、ユーザは所望するデータの送信を行うことができる。また、表示部104の表示画面上には、選択用画像の選択や送信モードの選択のための各種メッセージや、データ送信の進捗状況の表示なども制御部109の制御により表示される。
【0054】
ここで、送信モードは、例えば、データ携帯装置001のデータ記憶部003a又はデータ記憶部003bに記憶されているデータを複写して他の装置に送信するモード(以下、コピーモード)と、データを他の装置に移動するモード(以下、ムーブモード)とを含む。ユーザはデータ携帯装置001から送信するデータを選択用画像にて選択した後、コピーモード又はムーブモードを選択する。
【0055】
操作部105は、例えば、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック、表示部104の表示画面上に配置されたデジタイザ等の操作子で構成される。ユーザが操作部105を操作すると、操作部105は、操作内容に応じた操作信号を制御部109に出力し、制御部109は、出力された操作信号に対応した処理を実行する。
【0056】
データ記憶部106は、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ、HDDなどの記憶媒体から構成され、制御部109の制御に応じて、近接無線通信部102が取得したデータ等を記憶し、また、記憶データを読み出して制御部109に供給する。
【0057】
データ記憶部106として、データ記憶装置101から着脱可能な、DVDやBDといった光ディスク媒体、磁気テープ、磁気ディスクといった磁気媒体、フラッシュメモリ、ポータブルHDD等の外部記憶媒体を適用してもよい。
【0058】
ROM107は、制御部109の機能を実現するためのプログラムを格納する。
【0059】
RAM108は、一時的なデータの保存や制御部109のワーク領域として使用される。
【0060】
制御部109は、データ記憶装置101の各部と接続されている。制御部109は、例えばCPUを有し、プログラムに従いデータ記憶装置101全体を制御する。具体的には、制御部109は、ROM107に予め記憶されたプログラムを読み出してRAM108のワーク領域に展開し、その展開したプログラムを実行することにより、データ記憶装置101全体の動作を制御する。
【0061】
次に、上記構成を有するデータ送受信システム1の動作を説明する。
ここでは理解を容易にするため、データ携帯装置001に装着されているデータ記憶部003a又は003bに記憶されているデータを、データ記憶装置101のデータ記憶部106に転送(コピー又はムーブ)する動作を説明する。
【0062】
この場合、ユーザは、
図1に示すように、データ携帯装置001をデータ記憶装置101の上に載置する。さらに、データ携帯装置001が備えるデータ記憶部003aと003bのうち、転送したいデータが格納されているデータ記憶部003a又は003bがデータ記憶装置101側となるように、データ携帯装置001の姿勢を調整する。例えば、データ記憶部003aとデータ記憶装置101との間でデータを転送したい場合には、
図4に示す姿勢でデータ携帯装置001を配置し、一方、データ記憶部003bとデータ記憶装置101との間でデータを転送したい場合には、
図1及び
図5に示す姿勢でデータ携帯装置001を配置する。
【0063】
続いて、ユーザは、データ携帯装置001を操作して、データ携帯装置001からデータ記憶装置101へのデータ転送を、例えば、図示せぬ操作部を操作することにより指示する。
【0064】
この指示に応答して、データ携帯装置001は、自己のデータ記憶装置101に対する相対的な位置関係(姿勢)を求め、求めた姿勢に基づいて、自己が備える2つのデータ記憶部003aと003bのいずれがアクセス対象であるかを特定し、続いて、データ携帯装置001とデータ記憶装置101は、特定したデータ記憶部003a又は003bの記憶データをデータ記憶装置101に転送する、という処理を行う。
【0065】
以下、場面を分けて、各部の動作を説明する。
【0066】
まず、
図1、
図4及び
図5を参照して、データ携帯装置001の姿勢を検出する方法について説明する。
【0067】
ここでは、
図1に示すように、データ携帯装置001は、データ携帯装置001の長手方向とデータ記憶装置101の奥行方向が一致するように、データ記憶装置101上に搭載されていると仮定する。
【0068】
また、
図1において、データ記憶装置101の長手方向をX軸方向、奥行方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。
【0069】
さらに、データ携帯装置001には、データ記憶部003aを構成するメモリカードと、データ記憶部003bを構成するメモリカードが、Z軸方向から見た場合にぴったり重なり合う(X軸方向とY軸方向の位置が等しくZ軸方向の位置が異なる)ように、挿入スロットに挿入・装着されているものとする。
【0070】
また、データ記憶装置101には、データ記憶部106を構成するHDD(Hard Disc Drive)が内蔵され、表示部104及び操作部105を構成するタッチパネルが設けられている。
【0071】
図4に示すように、データ記憶部003aを構成するメモリカードがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001をデータ記憶装置101上に搭載した姿勢1においては、姿勢検出部004の加速度センサは、地球重力加速度+gを計測し、一方、
図4の状態からデータ携帯装置001を裏返しにした
図5に示す姿勢2(データ記憶部003bを構成するメモリカードがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001をデータ記憶装置101上に搭載した姿勢)においては、姿勢検出部004の加速度センサは、地球重力加速度−gを計測する。
【0072】
姿勢検出部004は、検出した地球重力加速度AをRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図10)と照合することで、データ携帯装置001とデータ記憶装置101との相対的な姿勢を検出する。
具体的には、姿勢検出部004は、検出した地球重力加速度Aが、値A1以上で且つ値A2以下の場合は、
図4に示す姿勢1にあると検出し、姿勢検出部004が検出した地球重力加速度Aが、値A3以上で且つ値A4以下の場合は、
図5に示す姿勢2にあると検出する。
【0073】
記憶部特定部005は、姿勢検出部004により検出された相対的な姿勢をRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図11)と照合して、データの読み出し元となるデータ記憶部を特定する。
【0074】
具体的には、姿勢検出部004が姿勢1を検出した場合、記憶部特定部005は、データ記憶部003aを読み出し先として特定し、姿勢検出部004が姿勢2を検出した場合、記憶部特定部005は、データ記憶部003bを読み出し先として特定する。さらに、記憶部特定部005は、特定したデータ記憶部に対応する特定先エリアにフラグ1を設定し、特定しなかったデータ記憶部に対応する特定先エリアにフラグ0を設定する。さらに、特定されたデータ記憶部が前回特定されたデータ記憶部から変更されている場合には、選択されたデータ記憶部に対応する変更エリアにフラグ1を、他方にフラグ0を設定する。
【0075】
図11に示す対象特定用テーブルT2の例は、記憶部特定部005がデータ記憶部003aを特定し、今回特定されたデータ記憶部は前回特定されたデータ記憶部から変更されていることを示している。
【0076】
次に、
図6及び7を参照して、データ携帯装置001が実行する処理について説明する。
【0077】
データ携帯装置001は、電源投入後は、
図6,
図7に示すデータ記憶部特定処理を繰り返して実行しており、制御部010は、近接無線通信部007を制御し、データ記憶装置101から送信されてくるデータ受信要求コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。データ受信要求コマンドとは、データ携帯装置001が送信するデータを、データ記憶装置101が受信することを要求するコマンドである。
【0078】
データ受信要求コマンドを受信したと判定した場合は(ステップS101;YES)、制御部010は、近接無線通信部007を制御し、データ記憶装置101に対してデータ受信許可コマンドを送信する(ステップS102)。データ受信許可コマンドとは、データ携帯装置001が送信するデータを、データ記憶装置101が受信することを許可するコマンドである。
【0079】
続いて、制御部010は、姿勢検出部004を制御して、データ携帯装置001の現在の姿勢に関する情報(以下、姿勢情報という)、すなわち、重力加速度センサの検出値を取得する。そして、取得した姿勢情報をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1と照合して、データ携帯装置001とデータ記憶装置101の相対的な姿勢を求める(ステップS103)。
【0080】
そして、制御部010は、記憶部特定部005を制御して、姿勢検出部004が検出した相対的な姿勢をRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2と照合して、送信するデータの読み出し元となるデータ記憶部を特定すると共に、特定されたデータ記憶部における対象特定用テーブルT2の特定先欄の値を”1”にセットする(ステップS104)。
【0081】
制御部010は、記憶部特定部005により特定されたデータ記憶部003a又は003bからデータを読み出す(ステップS105)。選択用データ生成部006は、制御部010が読み出したデータに基づいて、選択用データを生成する(ステップS106)。
【0082】
制御部010は、近接無線通信部007を制御して、選択用データ生成部006が生成した選択用データを、データ記憶装置101に送信する(ステップS107)。
【0083】
次に、制御部010は、姿勢検出部004を制御して、再びデータ携帯装置001の現在の姿勢情報を取得すると共に、取得した姿勢情報をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出する(ステップS108)。
【0084】
そして、制御部010は、RAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2の特定先欄を参照して、姿勢検出部004が今回検出した相対的な姿勢と前回検出した相対的な姿勢とを比較することで、今回検出したデータ携帯装置001の姿勢が前回検出したデータ携帯装置001の姿勢から変化したか否かを判定する(ステップS109)。データ携帯装置001の姿勢が変化したと判定された場合は(ステップS109;YES)、記憶部特定部005は、姿勢検出部004が今回検出した相対的な姿勢をRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2と照合して、送信するデータの読み出し元となるデータ記憶部003a又は003bを特定し直すと共に、特定されたデータ記憶部003a又は003bにおける対象特定用テーブルT2の特定先欄と変更欄の値を”1”にし、前回特定されていたデータ記憶部の特定先欄の値を”0”にする(ステップS201)。
【0085】
そして、制御部010は、近接無線通信部007を制御し、データ記憶装置101に対して、選択用画像の消去指示コマンドを送信する(ステップS202)。その後、ステップS103の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0086】
一方、相対的な姿勢が変化していないと判定された場合(ステップS109;NO)、全ての選択用データを送信したか否かを判定する(ステップS110)。
【0087】
送信していない選択用データが残っていると判定された場合は(ステップS110;NO)、ステップS105の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、全ての選択用データを送信したと判定された場合は(ステップS110;YES)、制御部010は、姿勢検出部004を制御して、再びデータ携帯装置001の現在の姿勢情報を取得し、取得した姿勢情報をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1と照合して、データ携帯装置001とデータ記憶装置101の相対的な姿勢を検出する(ステップS111)。
【0088】
そして、制御部010は、RAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2の特定先欄を参照して、前回検出した相対的な姿勢を特定して、今回検出した相対的な姿勢と前回検出した相対的な姿勢とを比較し、データ携帯装置001の姿勢が変化したか否かを判定する(ステップS112)。
【0089】
データ携帯装置001の相対的な姿勢が変化したと判定された場合は(ステップS112;YES)、記憶部特定部005は、姿勢検出部004が今回検出した相対的な姿勢をRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2と照合して、送信するデータの読み出し元となるデータ記憶部を特定し直すと共に、特定されたデータ記憶部における対象特定用テーブルT2の特定先欄と変更欄の値を”1”にし、前回特定されていたデータ記憶部の特定先欄の値を”0”にする(ステップS301)。
【0090】
そして、制御部010は、近接無線通信部007を制御し、選択用画像の消去指示コマンドをデータ記憶装置101に対して送信する(ステップS302)。その後、ステップS103の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0091】
一方、データ携帯装置001の姿勢が変化していないと判定された場合(ステップS112;NO)、ユーザがデータ携帯装置001から送信するデータを指示するために選択した選択用画像に関する情報(以下、選択画像情報)を、データ記憶装置101から受信したか否かを判定する(ステップS113)。
【0092】
選択画像情報を受信していないと判定された場合は(ステップS113;NO)、ステップS111の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0093】
一方、選択画像情報を受信したと判定された場合は(ステップS113;YES)、ユーザがデータ携帯装置001から送信するデータの送信モードに関する情報(以下、送信モード情報)を、データ記憶装置101から受信したか否かを判定する(ステップS114)。
【0094】
送信モード情報を受信していないと判定された場合は(ステップS114;NO)、ステップS111の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、送信モード情報を受信したと判定された場合は(ステップS114;YES)、制御部010は、データ記憶装置101から送信されてきた選択画像情報に基づいて、特定されたデータ記憶部からユーザが選択したデータを読み出し、近接無線通信部007を制御して、読み出したデータを送信する(ステップS115)。
【0095】
そして、制御部010は、データ記憶装置101から送信されてきた送信モード情報に基づいて、ステップS115の処理で読み出したデータに対して必要な処理を行う(ステップS116)。具体的には、ユーザに指定された送信モードがコピーモードの場合は、選択されたデータの読み出し処理のみを行い、ムーブモードの場合は、選択されたデータの消去処理を行う。
【0096】
そして、制御部010は、ユーザからデータ受信処理の終了指示がされたか否かを判定する(ステップS117)。具体的には、ユーザによる終了指示があった際にデータ記憶装置101から送信される終了指示コマンドを受信したか否かを判定することで、データ受信処理の終了指示がされたか否かを判定する。終了指示が無い場合は(ステップS117;NO)、ステップS101の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、終了指示がされたと判定された場合は(ステップS117;YES)、対象特定用テーブルT2の特定先欄と変更欄を初期化して、データ記憶部特定処理を終了する。
【0097】
次に、
図8及び
図9を参照して、データ記憶装置101が実行する処理について説明する。
【0098】
データ記憶装置101の制御部109は、近接無線通信部102を制御し、データ携帯装置001に対してデータ受信要求コマンドを送信すると共に、タイマ(不図示)をスタートさせる。(ステップST101)。そして、制御部109は、近接無線通信部102を制御し、データ携帯装置001から送信されてくるデータ受信許可コマンドを受信したか否かを判定する(ステップST102)。
【0099】
データ受信許可コマンドを受信しなかったと判定された場合は(ステップST102;NO)、制御部109は、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップST201)。タイマがタイムアウトしていないと判定された場合は(ステップST201;NO)、ステップST102の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、タイマがタイムアウトしたと判定された場合は(ステップST201;YES)、ステップST101の処理に戻り、前述の処理を繰り返し、データ携帯装置001から送信されてくるデータ受信許可コマンドの受信を待つ。
【0100】
一方、データ受信許可コマンドを受信したと判定された場合は(ステップST102;YES)、制御部109は、近接無線通信部102を制御し、データ携帯装置001から送信されてくる選択用データを受信したか否かを判定し(ステップST103)、選択用データを受信していないと判定された場合は(ステップST103;NO)、ステップST103の処理を繰り返し、選択用データの受信を待つ。
【0101】
一方、選択用データを受信したと判定された場合は(ステップST103;YES)、制御部109は、画像生成部103を制御し、受信した選択用データに基づいて、選択用画像を生成する(ステップST104)。そして、制御部109は、表示部104を制御し、表示部104の表示画面上に生成した選択画像を表示する(ステップST105)。
【0102】
そして、制御部109は、近接無線通信部102が選択用画像の消去指示コマンドを受信したか否かを判定し(ステップST106)、選択用画像の消去指示コマンドを受信したと判定された場合は(ステップST106;YES)、制御部109は、表示部104を制御し、表示部104の表示画面上に表示された選択用画像を消去する(ステップST301)。その後、ステップST103の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0103】
なお、ステップST106及びST301の処理は、選択用画像を表示画面に表示している最中に、データ携帯装置001が動かされ、送信データの読み出し先として特定されたデータ記憶部が変更された場合に必要な処理であり、
図6のステップS202の処理に対応した処理である。
【0104】
図8に戻り、選択用画像の消去指示コマンドを受信していないと判定された場合は(ステップST106;NO)、制御部109は、全ての選択用データを受信したか否かを判定し(ステップST107)、全ての選択用データを受信していないと判定された場合は(ステップST107;NO)、ステップST103の処理に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0105】
一方、全ての選択用データを受信したと判定された場合は(ステップST107;YES)、制御部109は、ユーザが操作部105を操作することで入力される選択用画像情報と送信モード情報の受け付けを開始する(ステップST108)。
【0106】
そして、制御部109は、近接無線通信部102が選択用画像の消去指示コマンドを受信したか否かを判定し(ステップST109)、選択用画像の消去指示コマンドを受信したと判定された場合は(ステップST109;YES)、制御部109は、表示部104を制御し、表示部104の表示画面上に表示された選択用画像を消去し、選択用画像情報と送信モード情報の受け付けを終了する(ステップST401)。この際、既に選択用画像情報と送信モード情報が入力されている場合は、それらの情報を削除し、その後、ステップST103の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0107】
なお、ステップST109及びST401の処理は、ユーザが送信するデータを選択している最中に、データ携帯装置001が動かされ、送信データの読み出し先として特定されたデータ記憶部が変更された場合に必要な処理であり、
図7のステップS302の処理に対応した処理である。
【0108】
図8に戻り、選択用画像の消去指示コマンドを受信していないと判定された場合は(ステップST109;NO)、制御部109は、選択用画像情報と送信モード情報が入力された否かを判定し(ステップST110)、選択用画像情報と送信モード情報が入力されていないと判定された場合は(ステップST110;NO)、ステップST109の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、選択用画像情報と送信モード情報が入力されたと判定された場合は(ステップST110;YES)、制御部109は、近接無線通信部102を制御し、入力された選択画像情報をデータ携帯装置001へ送信し(ステップST111)、さらに、入力された送信モード情報をデータ携帯装置001へ送信する(ステップST112)。
【0109】
そして、制御部109は、選択画像情報に基づいて、データ携帯装置001から送信されるてくるデータを、近接無線通信部102が受信したか否かを判定する(ステップST113)。データを受信していないと判定された場合は(ステップST113;NO)、ステップST113の処理を繰り返し、データが受信されるのを待つ。
【0110】
一方、データを受信したと判定された場合は(ステップST113;YES)、制御部109は、データ記憶部106に受信したデータを記憶する(ステップST114)。そして、制御部109は、選択画像情報に基づいて、近接無線通信部102が全てのデータを受信したか否かを判定する(ステップST115)。全てのデータを受信していないと判定された場合は(ステップST115;NO)、ステップST113の処理へ戻り、前述の処理を繰り返す。
【0111】
一方、全てのデータを受信したと判定された場合は(ステップST115;YES)、制御部109は、ユーザからデータ受信処理の終了指示がされたか否かを判定する(ステップST116)。ここで、データ受信処理の終了指示とは、例えば、操作部105から受信処理の終了を指示する入力があった場合等を指す。
【0112】
終了指示がされていないと判定された場合は(ステップST116;NO)、ステップST101の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、終了指示がされたと判定された場合は(ステップST116;YES)、制御部109は、例えば、その終了指示が操作部105から指示されたものであれば、終了指示コマンドを生成し終了指示コマンドをデータ携帯装置001へ送信し、データ受信処理を終了する。
【0113】
このような構成とすることにより、例えば、ユーザが
図1に示す状態で、データの転送を指示したとすると、データ携帯装置001は、加速度センサの測定に基づいて姿勢2と判別され(ステップS103)、姿勢2に対応するデータ記憶部003bが特定され(ステップS104)、特定されたデータ記憶部003bからデータを順次読み出して(ステップS105)、選択用データが生成され(ステップS106)、データ記憶装置101に送信される(ステップS107)。
【0114】
一方、データ記憶装置101は、送信された選択用データを順次受信し(ステップST103)、選択用画像を生成し、表示する(ステップST104,105)。
【0115】
ここで、ユーザが、表示された選択用画像の中から任意の選択用画像と送信モード(コピー又はムーブ)を指定すると(ステップST110;YES)、これらの情報は、データ携帯装置001に伝達される(ステップST111,ST112)。
【0116】
データ携帯装置001は、送信された選択用画像情報と送信モードとを受信し(ステップS113,S114)、選択されたデータを読み出して送信し(ステップS115)、指定された送信モードがムーブの場合には、対応するデータを消去する(ステップS116)。
【0117】
データ記憶装置101は、データ携帯装置001から送信されたデータを順次受信し(ステップST113;YES)、記憶する(ステップST114)。
【0118】
こうして、一方、ユーザが、例えば、表示された選択用画像の中に希望するものが存在しない場合等、データ記憶部を誤って選択していることに気が付いた場合には、ユーザは、データ携帯装置001の姿勢(表裏)を変更する。これにより、姿勢が変化したことがステップS109、S112で検出され、データ記憶装置101に消去指示コマンドを送信して(S202、S302)、データ記憶装置101の表示部に表示されている選択用データを消去する(ステップST301,ST401)。その後、変更された姿勢に対応した処理が行われる。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態によれば、データ携帯装置001の載置の姿勢(表裏)を切り替えるという簡単な操作で、複数のデータ記憶部のうちからアクセス対象のデータ記憶装置を選択することができ、直観的な操作が可能となる。
【0120】
なお、以上の説明では、理解を容易にするため、データ携帯装置001の選択されたデータ記憶部003a又は003bからデータ記憶装置101にデータを送信する例を説明したが、データ携帯装置001のデータ記憶部003a又は003bにデータ記憶装置101に記憶されているデータを送信する場合や、データ携帯装置001のデータ記憶部003a又は003bにアクセスして記憶データを編集・加工する場合等にも適用可能である。
【0121】
(実施形態2)
実施形態1では、姿勢検出部004は、加速度センサを備え、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出した。本実施形態では、
図12及び
図13が示すように、データ携帯装置001とデータ記憶装置101には、受信部としての電波受信素子と送信部としての電波送信素子がそれぞれ1つずつ内蔵され、姿勢検出部004は、受信部011が受信する電波の強度を測定することで、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出する。
【0122】
データ携帯装置001は、加速度センサの替わりに受信部011と送信部012を備え、それ以外の構成は、実施形態1と同様の構成である。また、データ記憶装置101は、受信部110と送信部111を備え、それ以外の構成は、実施形態1と同様の構成である。
データ携帯装置001の送信部012から送信された電波は、データ記憶装置101の受信部110によって受信可能となっており、データ記憶装置101の送信部111から送信された電波は、データ携帯装置001の受信部011によって受信可能となっている。
【0123】
ここで、
図14及び
図15を参照して、姿勢検出部004が、受信部011が受信する電波の強度を測定することで、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢をどのように検出するのか、また、記憶部特定部005が、検出された相対的な姿勢に基づき、データ記憶部をどのように特定するのかについて例を示して説明する。
なお、本実施形態では、データ携帯装置001をデータ記憶装置101上に搭載する位置は予め決められているものとする。
【0124】
図14は、データ記憶部003aがデータ記憶部003bよりデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001を載せた状態において、前面視した図である。一方、
図15は、
図14におけるデータ携帯装置001の状態からデータ携帯装置001を裏返しにし、データ記憶部003bがデータ記憶部003aよりデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001を載せた状態において、前面視した図である。
【0125】
データ携帯装置001の受信部011と送信部012は、Y座標とZ座標が等しく、X座標のみが異なるように配置されている。同様に、データ記憶装置101の受信部110と送信部111は、Y座標とZ座標が等しく、X座標のみが異なるように配置されている。
【0126】
図14におけるデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003aがデータ記憶装置101側)では、データ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部111の距離は、
図15におけるデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003bがデータ記憶装置101側)と比べて遠いことから、
図14におけるデータ携帯装置001の状態の方が受信部011で受信される電波の強度は小さくなる。
【0127】
このように、姿勢検出部004は、受信部011で受信した電波の強度を測定し、測定した受信電波強度をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図16)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢(本実施形態においては、データ記憶部003aと003bのどちらがデータ記憶装置101側にあるか)を検出する。
【0128】
そして、記憶部特定部005は、検出された相対的な姿勢を対象特定用テーブルT2(
図11)と照合して、データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0129】
ここで、
図16は、本実施形態における相対関係検出用テーブルT1の例を示す図である。本実施形態では、
図16が示すように、相対関係検出用テーブルT1は、受信電波強度と各姿勢とが対応付けられている。例えば、
図14におけるデータ携帯装置001の状態で受信部011が受信した電波の受信電波強度XがX1≦X≦X2の時は、姿勢検出部004は姿勢1を検出する。そして姿勢検出部004が姿勢1を検出した場合、記憶部特定部005は、
図11に示す対象特定用テーブルT2を参照して、データ記憶部003aを特定する。
本実施形態においては、姿勢1は、データ記憶部003aがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。また、姿勢2は、データ記憶部003bがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。
【0130】
このような構成によっても、ユーザの直観的な操作で、アクセス対象のデータ記憶部を選択することができる。
【0131】
(変形例1)
次に、
図17及び
図18を参照して、実施形態2の変形例1について説明する。
図17が示すように、データ携帯装置001は、受信部013をさらに備える。受信部013は、データ記憶装置101の送信部111から送信された電波を受信可能となっている。
なお、データ携帯装置001が2つの受信部を備える以外は、本変形例におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置の構成は、実施形態2におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置の構成と同様である。また、本変形例では、データ携帯装置001をデータ記憶装置101上に搭載する位置は予め決められているものとする。
【0132】
姿勢検出部004は、受信部011と受信部013で受信される電波の強度を測定し、両者を比較することで、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出する。
【0133】
図17に示すデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003aがデータ記憶装置101側)では、データ記憶装置101の送信部111とデータ携帯装置001の受信部011の距離は、データ記憶装置101の送信部111とデータ携帯装置001の受信部013の距離に比べて長い。従って、受信部011で受信される電波の強度は受信部013で受信される電波の強度より小さくなる。
【0134】
一方、
図18に示すデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003bがデータ記憶装置101側)では、データ記憶装置101の送信部111とデータ携帯装置001の受信部011の距離は、データ記憶装置101の送信部111とデータ携帯装置001の受信部013の距離と比べて短い。従って、受信部011で受信される電波の強度は受信部013で受信される電波の強度より大きくなる。
【0135】
このように、姿勢検出部004は、受信部011と受信部013で受信される電波の強度をそれぞれ測定し、比較する。そして、姿勢検出部004は、比較結果を相対関係検出用テーブルT1(
図19)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢(本実施形態では、どちらのデータ記憶部がデータ記憶装置101側か)を検出する。そして、記憶部特定部005は、検出された姿勢情報を対象特定用テーブルT2(
図11)と照合して、データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0136】
ここで、
図19は、本変形例における相対関係検出用テーブルT1の例を示す図である。
図19が示すように、受信部013で受信される電波の強度が受信部011で受信される電波の強度より大きい場合には、姿勢検出部004は、姿勢1を特定する。そして、姿勢検出部004が姿勢1を検出した場合、記憶部特定部005は、
図11に示す対象特定用テーブルT2を参照して、アクセス対象としてデータ記憶部003aを特定する。
本変形例においては、姿勢1は、データ記憶部003aがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。また、姿勢2は、データ記憶部003bがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。
【0137】
(変形例2)
次に、
図20及び
図21を参照して、実施形態2の変形例2について説明する。
図20が示すように、データ記憶装置101は、送信部112をさらに備え、データ携帯装置001の受信部011は、データ記憶装置101の送信部111と送信部112から送信される電波を受信可能となっている。送信部111と送信部112から送信された電波には、どの送信部から送信された電波かを判別するためのデータ、例えば、送信部毎に割り振られたIDを示すデータが含まれている。
なお、データ記憶装置101が2つの送信部を備える以外は、本変形例におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の構成は、実施形態2におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の構成と同様である。また、本変形例では、データ携帯装置001をデータ記憶装置101上に搭載する位置は予め決められているものとする。
【0138】
図20におけるデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003aがデータ記憶装置101側)では、データ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部111の距離は、データ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部112の距離と比べて長い。このため、データ携帯装置001の受信部011で受信される電波の強度は、送信部112の電波よりも送信部111の電波の方が小さくなる。
【0139】
一方、
図21におけるデータ携帯装置001の姿勢(データ記憶部003bがデータ記憶装置101側)では、データ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部111の距離は、データ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部112の距離と比べて短い。このため、データ携帯装置001の受信部011で受信される電波の強度は、送信部112の電波よりも送信部111の電波の方が大きくなる。
【0140】
このように、姿勢検出部004は、受信部011が受信する送信部111と送信部112とから送信される電波の強度をそれぞれ測定し、比較する。そして、姿勢検出部004は、比較結果をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図22)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢(本変形例では、どちらのメモリカードがデータ記憶装置101側か)を検出する。そして、記憶部特定部005は、検出された姿勢情報を対象特定用テーブルT2(
図11)と照合して、データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0141】
ここで、
図22は、本変形例における相対関係検出用テーブルT1の例を示す図である。
図22が示すように、送信部112から送信される電波の受信強度が送信部111から送信される電波の受信強度より大きい場合、すなわち、
図20におけるデータ携帯装置001の状態では、姿勢検出部004は、姿勢1を特定する。そして、姿勢検出部004が姿勢1を検出した場合、記憶部特定部005は、
図11に示す対象特定用テーブルT2を参照して、データ記憶部003aを特定する。
本変形例においては、姿勢1は、データ記憶部003aがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。また、姿勢2は、データ記憶部003bがデータ記憶装置101側になるようにデータ携帯装置001が載せられた状態を意味する。
【0142】
(実施形態3)
実施形態1及び2では、姿勢検出部004は、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢を検出し、記憶部特定部005は、検出された相対的な姿勢に基づいて、データ記憶部を特定した。本実施形態では、受信部が受信した電波の強度により、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な位置を検出し、この相対的な位置関係に基づいて、データ記憶部を特定する。
【0143】
図23及び
図24を参照して、検出された相対的な位置に基づいて、どのようにデータ記憶部を特定するのかを説明する。なお、本実施形態においては、姿勢検出部004を位置検出部004と呼ぶことにする。
【0144】
図23に示すように、本実施形態におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の構成は、データ記憶部、受信部及び送信部の配置を除き、実施形態2の構成と同様である。実施形態1及び2では、データ記憶部を構成するメモリカードの挿入スロットは、Z座標のみ異なるように配置したが、本実施形態では、メモリカードの挿入スロットは、X座標のみ異なるように配置している。
【0145】
図23及び
図24に示すように、
図23におけるデータ携帯装置001の位置でのデータ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部111の距離は、
図24におけるデータ携帯装置001の位置でのデータ携帯装置001の受信部011とデータ記憶装置101の送信部111の距離と比べて近いことから、
図24におけるデータ携帯装置001の位置より
図23におけるデータ携帯装置001の位置の方が受信部011で受信される電波の強度は大きくなる。
【0146】
このように、位置検出部004は、受信部011で受信される電波の強度を測定し、検出された電波強度をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図25)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な位置を検出する。そして、記憶部特定部005は、検出された相対的な位置をRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図26)と照合して、データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0147】
ここで、
図25は、本実施形態における相対関係検出用テーブルT1の例を示す図である。本実施形態における相対関係検出用テーブルT1では、受信電波強度と相対的な位置とが対応付けられている。例えば、
図23におけるデータ携帯装置001の位置での受信電波強度XがX1≦X≦X2の場合は、位置検出部004は、位置1を特定する。
本実施形態においては、位置1は、データ携帯装置001の左側面がデータ記憶装置101の左側面に沿うようにデータ携帯装置001がデータ記憶装置101上に載せられた状態(
図23の状態)を意味する。また、位置2は、データ記憶装置101の左側面から右寄りに離してデータ携帯装置001がデータ記憶装置101上に載せられた状態(
図24の状態)を意味する。もちろん、データ記憶装置101の搭載面上に、各位置が特定されるエリアをユーザが認識できるようにしてもよい。
【0148】
次に、
図26は、本実施形態における対象特定用テーブルT2の例を示す図である。
図26が示すように、位置検出部004が位置1を検出した場合、記憶部特定部005は、データ記憶部003aを特定する。
【0149】
(実施形態4)
実施形態1乃至3では、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢又は位置を検出して、検出された相対的な姿勢又は位置に基づいて、送信データの読み出し先となるデータ記憶部を特定した。本実施形態では、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な向きを検出し、検出された相対的な向きに基づいて、送信データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0150】
図27及び
図28が示すように、データ携帯装置001とデータ記憶装置101がそれぞれ方向検出部014と方向検出部113を備えることとメモリカードの挿入スロットの配置以外は、本実施形態におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の構成は、実施形態1におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の構成と同じである。
【0151】
方向検出部113は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ等を備え、データ記憶装置101の内部基準軸の方位を検出することで、データ記憶装置101の方向を検出する。方向検出部113が検出したデータ記憶装置101の方向に関する情報(以下、方向情報)は、制御部109により読み出され、近接無線通信部102を介してデータ携帯装置001に送信される。送信されたデータ記憶装置101の方向情報は、近接無線通信部007で受信され、制御部010により方向検出部014に送られる。
【0152】
方向検出部014は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ等を備え、データ携帯装置001の内部基準軸の方位を検出することで、データ携帯装置001の方向を検出する。また、方向検出部014は、データ記憶装置101の方位検出部113が検出したデータ記憶装置101の方向と、方位検出部014が検出したデータ携帯装置001の方向とに基づいて、データ記憶装置101の内部基準軸を基準にした、データ携帯装置001の内部基準軸のずれ(角度)を算出する。そして、方向検出部014は、算出されたずれ(角度)をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図31)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な向きを検出する。
【0153】
ここで、
図29及び
図30を参照して、方向検出部014と方向検出部113がそれぞれ検出するデータ携帯装置001とデータ記憶装置101の方向に基づいて、データ記憶部がどのように特定されるかについて例を示して説明する。
【0154】
図29におけるデータ携帯装置001の姿勢では、データ記憶部003aとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の前面にあり、データ記憶部003bとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の右側側面にある。
図29におけるデータ携帯装置001の状態では、データ携帯装置001の方位センサが検出するデータ携帯装置001の方向とデータ記憶装置101の方位センサが検出するデータ記憶装置101の方向は同じである。すなわち、データ記憶装置101の内部基準軸を基準にした、データ携帯装置001の内部基準軸のずれ(角度)は”0”度である。
【0155】
一方、
図30におけるデータ携帯装置001の姿勢(
図29の状態からデータ携帯装置001を時計回りに”90”度回転した姿勢)では、データ記憶部003aとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の左側側面にあり、データ記憶部003bとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の前面にある。
図30におけるデータ携帯装置001の状態では、データ記憶装置101の内部基準軸を基準にした、データ携帯装置001の内部基準軸のずれ(角度)は”90”度である。
【0156】
このように、方向検出部014は、各方向検出部が検出したデータ携帯装置001の方向とデータ記憶装置101の方向に基づいて、データ記憶装置101の内部基準軸を基準にした、データ携帯装置001の内部基準軸のずれ(角度)を算出する。そして、算出した角度をRAM009に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図31)と照合して、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な向きを検出する。そして、記憶部特定部005は、検出された相対的な向きをRAM009に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図32)と照合して、送信データの読み出し先となるデータ記憶部を特定する。
【0157】
ここで、
図31は、本実施形態における相対関係検出用テーブルT1の例を示す図である。相対関係検出用テーブルT1には、データ記憶装置101の内部基準軸を基準にした、データ携帯装置001の内部基準軸のずれ(角度)と相対的な向きとが対応付けられている。例えば、
図29におけるデータ携帯装置001の状態で方向検出部014が算出した方向のずれ(角度)”0”度がθ1≦”0”≦θ2の場合は、方向検出部014は、向き1を検出する。
本実施形態においては、向き1は、データ記憶部003aとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の前面になるようにデータ携帯装置001がデータ記憶装置101上に載せられた状態、すなわち、
図29の状態を意味する。また、向き2は、データ記憶部003bとしてのメモリカードの挿入スロットはデータ携帯装置001の前面になるようにデータ携帯装置001がデータ記憶装置101上に載せられた状態、すなわち、
図30の状態を意味する。
【0158】
次に、
図32は、本実施形態における対象特定用テーブルT2の例を示す図である。
図32が示すように、方位検出部014が向き1を検出した場合、記憶部特定部005は、データ記憶部003aを特定する。
【0159】
(実施形態5)
実施形態1乃至4では、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)に基づいて、記憶部特定部005は、送信データの読み出し先となるデータ記憶部を特定した。
本実施形態では、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)に基づいて、データ携帯装置001の通信接続先を特定する。
【0160】
図33及び
図34は、装置間の相対的な関係によりデータ携帯装置001の通信接続先を特定可能なデータ送受信システムを構成するデータ携帯装置001と接続先特定装置201の概略的な構成を示したブロック図である。
【0161】
本実施形態では、データ携帯装置001は、
図33が示すように、データ取得部002、データ記憶部003a、選択用データ生成部006、近接無線通信部007、ROM008、RAM009、制御部010、受信部011、送信部012、操作部015、画像生成部016及び表示部017から構成される。接続先特定装置201は、
図34が示すように、近接無線通信部102、ROM107、RAM108、制御部109、受信部110、送信部111、通信部202a、通信部202b、相対関係検出部203及び通信部特定部204から構成される。
なお、データ携帯装置001の操作部015、画像生成部016及び表示部017を除く各部と、接続先特定装置201の近接無線通信部102、ROM107、RAM108、制御部109の各機能は、実施形態2におけるデータ携帯装置001とデータ記憶装置101と同じである。但し、本実施形態では、接続先特定装置201が、相対関係検出部203を備えることから、相対関係検出用テーブルT1(
図16)と対象特定用テーブルT2(
図37)は、接続先特定装置201の電源投入後、ROM107又は図示されないデータ記憶部からロードされ、RAM108に記憶される。
【0162】
操作部015は、例えば、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック、表示部017の表示画面上に配置されたタッチパネル等の操作子で構成される。ユーザが操作子を操作することで、制御部010に対して信号が出力され、制御部010は、出力された信号に対応した指示を実行する。
【0163】
画像生成部016は、制御部010の一機能として実現される。画像生成部016は、選択用データ生成部006が生成した選択用データに基づいて、選択用画像を生成する。
【0164】
表示部017は、画像生成部016が生成した選択用画像等を表示する。表示部017の表示画面上に表示された選択用画像に対して、操作部015から画像の選択操作やデータの送信モードの入力操作を行うことにより、ユーザは所望するデータの送信を行うことができる。また、表示部017の表示画面上には、選択用画像の選択や送信モードの選択のための各種メッセージや、データ送信の進捗状況の表示なども制御部010の制御により表示される。
【0165】
通信部202a、202bは、データ携帯装置001と各通信部にそれぞれ接続された外部通信装置(不図示)との間でデータの送受信を行う。
【0166】
相対関係検出部203は、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)、例えば、データ携帯装置001から送信される電波の強度を測定し、測定した受信電波強度をRAM108に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図16)と照合して、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な姿勢を検出する。
以下、本実施例においては、相対関係検出部203は、データ携帯装置001から送信される電波の強度を測定し(各受信部、各送信部は不図示)、相対的な姿勢を検出するものとして説明を行う。
【0167】
通信部特定部204は、相対関係検出部203が検出したデータ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な姿勢をRAM108に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図37)と照合して、通信部203aと通信部203bの内どちらを用いて通信を行うかを特定する。
【0168】
以上の構成により、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な姿勢等を検出することで、データ携帯装置001の通信接続先となる外部通信装置(不図示)を選択することが可能となる。なお、実施形態1乃至4における、メモリカードの挿入スロットの配置と同様に、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)の検出方法に応じて、ユーザがどの通信部が通信部特定部204により特定されるかをイメージできるように各通信部を配置するようにしてもよい。
【0169】
次に、
図35を参照して、本実施形態における接続先特定装置201の接続先特定処理について説明する。なお、本実施形態においては、ユーザは予めデータ携帯装置001の表示部017の表示画面上に選択用画像を表示させているものとする。
【0170】
接続先特定装置201の制御部109は、近接無線通信部102を制御して、データ携帯装置001から送信されるデータ送信要求コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。ここで、データ送信要求コマンドとは、データ携帯装置001がデータを接続先特定装置201へ送信することを要求するためのコマンドである。
【0171】
データ送信要求コマンドを受信していないと判定された場合は(ステップS501;NO)、ステップS501の処理に戻り、データ送信要求コマンドを受信するのを待つ。
【0172】
一方、データ送信要求コマンドを受信した場合には(ステップS501;YES)、制御部109は、近接無線通信部102を制御して、データ送信許可コマンドを送信する(ステップS502)。ここで、データ送信許可コマンドとは、データ携帯装置001から接続先特定装置201へデータを送信することを許可するためのコマンドである。
【0173】
制御部109は、相対関係検出部203を制御して、受信電波強度を測定し、測定した受信電波強度をRAM108に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図16)と照合して、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な姿勢を検出する(ステップS503)。通信部特定部204は、検出された相対的な姿勢をRAM108に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図37)と照合して、通信部202aと通信部202bの内どちらを用いて通信を行うかを特定すると共に、特定された通信部における対象特定用テーブルT2の特定先欄の値を”1”にする(ステップS504)。そして、制御部109は、特定された通信部に接続されている外部通信装置との通信を確立する(ステップS505)。
【0174】
そして、制御部109は、相対関係検出部203を制御して、受信電波強度を測定し、測定した受信電波強度をRAM108に記憶されている相対関係検出用テーブルT1(
図16)と照合して、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な姿勢を検出する(ステップS506)。
【0175】
そして、制御部109は、RAM108に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図37)の特定先欄を参照して、前回検出された相対的な姿勢を特定し、今回検出された相対的な姿勢と前回検出された相対的な姿勢を比較することで、データ携帯装置001の相対的な姿勢が変化したか否かを判定する(ステップS507)。データ携帯装置001の姿勢が変化していると判定された場合は(ステップS507;YES)、通信部特定部204は、今回検出された相対的な姿勢をRAM108に記憶されている対象特定用テーブルT2(
図37)と照合して、通信部を特定し直すと共に、特定された通信部における対象特定用テーブルT2の特定先欄と変更欄の値を”1”にし、前回特定されていた通信部の特定先欄の値を”0”にする(ステップS601)。
【0176】
そして、制御部109は、前回特定された通信部に接続されている外部通信装置との間で確立された通信を切断して、今回特定された通信部に接続されている外部通信装置との通信を確立し(ステップS602)、ステップS506の処理へ戻り、前述の処理を繰り返す。
【0177】
一方、データ携帯装置001の姿勢が変化していないと判定された場合は(ステップS507;NO)、制御部109は、近接無線通信部102を制御して、データ携帯装置001から送信されてくるデータを受信したか否かを判定する(ステップS508)。データ携帯装置001から送信されてくるデータが受信されていないと判定された場合は(ステップS508;NO)、ステップS506の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0178】
一方、データ携帯装置001から送信されてくるデータを受信したと判定された場合は(ステップS508;YES)、接続先特定装置201の制御部109は、近接無線通信部102が受信したデータを、通信部特定部204により特定された通信部を介して外部通信装置(不図示)へ送信する(ステップS509)。この時、データ携帯装置001から送信されたデータのフォーマットと、外部通信装置(不図示)が要求するデータのフォーマットが異なる場合は、制御部109はデータフォーマットの変換処理も併せて行う。
【0179】
そして、制御部109は、ユーザからデータ送信処理の終了指示がされたか否かを判定する(ステップS510)。具体的には、ユーザによる終了指示があった際にデータ携帯装置001から送信される終了指示コマンドを受信したか否かを判定することで、データ送信処理の終了指示がされたか否かを判定する。終了指示が無いと判定された場合には(ステップS510;NO)、ステップS501の処理に戻り前述の処理を繰り返す。一方、終了指示がされたと判定された場合は(ステップS510;YES)、対象特定用テーブルT2の特定先欄と変更欄を初期化して、接続先特定処理を終了する。
【0180】
次に、
図36を参照して、データ携帯装置001側のデータ送信処理について説明する。なお、本実施形態においては、ユーザは予めデータ携帯装置001の表示部017の表示画面上に選択用画像を表示させているものとする。
【0181】
制御部010は、近接無線通信部007を制御して、接続先特定装置201へデータ送信要求コマンドを送信すると共に、タイマ(不図示)をスタートさせる(ステップST501)。そして、制御部010は、近接無線通信部007を制御し、接続先特定装置201から送信されてくるデータ送信許可コマンドを受信したか否かを判定する(ステップST502)。
【0182】
データ送信許可コマンドを受信しなかったと判定された場合は(ステップST502;NO)、制御部010は、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップST601)。タイマがタイムアウトしていないと判定された場合は(ステップST601;NO)、ステップST502の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、タイマがタイムアウトしたと判定された場合は(ステップST601;YES)、ステップST501の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0183】
一方、データ送信許可コマンドを受信したと判定された場合は(ステップST502;YES)、制御部010は、ユーザが操作部015を操作することで入力される選択用画像情報と送信モード情報の受け付けを開始する(ステップST503)。
【0184】
そして、制御部010は、選択用画像情報と送信モード情報が入力されたか否かを判定し(ステップST504)、選択用画像情報と送信モード情報が入力されていないと判定された場合は(ステップST504;NO)、ステップST504の処理を繰り返し、選択用画像情報と送信モード情報が入力されるのを待つ。一方、選択用画像情報と送信モード情報が入力されたと判定された場合は(ステップST504;YES)、制御部010は、選択画像情報に基づいて、データ記憶部003aからデータを読み出して、近接無線通信部007を介して、接続先特定装置201へデータを送信する(ステップST505)。
【0185】
そして、制御部010は、選択用画像情報と送信モード情報が追加入力されたか否かを判定し(ステップST506)、追加入力されたと判定された場合は(ステップST506;YES)、ステップST505の処理へ戻り、前述の処理を繰り返す。一方、追加入力されていないと判断された場合は(ステップST506;NO)、制御部010は、送信モード情報に基づいて、ステップST505の処理で読み出したデータに対して必要な処理を行う(ステップST507)。具体的には、ユーザに指定された送信モードがコピーモードの場合は、選択されたデータの読み出し処理のみを行い、ムーブモードの場合は、選択されたデータの消去処理を行う。
【0186】
そして、制御部010は、ユーザからデータ受信処理の終了指示がされたか否かを判定する(ステップST508)。ここで、データ送信処理の終了指示とは、例えば、操作部015からデータ送信処理の終了を指示する入力があった場合等を指す。
【0187】
終了指示がされていないと判定された場合は(ステップST508;NO)、ステップST501の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。一方、終了指示がされたと判定された場合は(ステップST508;YES)、制御部010は、例えば、その終了指示が操作部015から指示されたものであれば、終了指示コマンドを生成し、近接無線通信部007を介して、接続先特定装置201へ終了指示コマンドを送信すると共に、データ送信処理を終了する。
【0188】
上記実施形態1乃至4によれば、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)を検出し、検出された相対的な関係に基づいて、送信データの読み出し先となるデータ記憶部を自動的に特定するようにした。こうすることで、ユーザが送信を所望するデータが記憶されているデータ記憶部のデータに関する選択用データのみを送信することができ、送信時間を大幅に短縮することが可能となる。また、直感的な操作で、所望するデータ記憶部を特定すること可能となることから、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を活かすことができる。
【0189】
また、上記実施形態5によれば、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)を検出し、検出された相対的な関係に基づいて、データを送信する接続先(外部機器)を自動的に特定するようにした。こうすることで、煩雑な操作を行うことなく、所望する接続先にデータを送信することが可能となる。また、直感的な操作で、所望する接続先を特定すること可能となることから、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を活かすことができる。
【0190】
また、上記実施形態1乃至4によれば、どのデータ記憶部が記憶部特定部005により特定されるかをユーザがイメージできるようにデータ記憶部としてのメモリカードの挿入スロットを配置した。こうすることで、ユーザは直感的な操作で、データ記憶部(メモリカード)を特定することが可能となり、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を活かすことができると共に、ユーザが送信を所望するデータを記憶するデータ記憶部(メモリカード)以外のデータ記憶部(メモリカード)が誤って特定されてしまうことを防止することができる。なお、メモリカードは、他の記憶媒体でもよい。
また、上記実施形態5において、実施形態1乃至4におけるメモリカードの挿入スロットの配置と同様に、どの通信部が通信部特定部204により特定されるかをイメージできるように各通信部を配置してもよい。こうすることで、ユーザは直感的な操作で、データ記憶部(メモリカード)を特定することが可能となり、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を活かすことができると共に、ユーザが通信を所望する外部通信装置とは異なる外部通信装置にデータを送信してしまうことを防止することができる。
【0191】
また、上記実施形態1乃至4によれば、選択用データを送信中又は送信後に、再度データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係を検出し、相対的な関係が変化し記憶部特定部005が別のデータ記憶部を特定した場合は、データ記憶装置101に対して選択用データの消去指示を出して、新たに特定されたデータ記憶部のデータに対応する選択用データを送信するように構成した。こうすることで、例えば、ユーザの勘違いにより別のデータ記憶部が特定されてしまった場合に、処理を初めからやり直すことなく、ユーザはデータ携帯装置001の状態を変化させるだけで、所望のデータ記憶部を特定し直すことが可能となる。
【0192】
また、上記実施形態1乃至5によれば、相対関係検出用テーブルT1において、姿勢検出部004等が検出した値(重力加速度等)が所定の範囲に入っていれば、特定の相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)が検出されるようした。こうすることで、データ携帯装置001の状態が少し変化しただけでは、データ記憶部(又は、通信部)の特定し直しが行われないことから、例えば、操作時のデータ携帯装置001のブレ等によるデータ記憶部(又は、通信部)の特定し直しを防止することができ、ユーザがデータ記憶部(又は、通信部)の特定し直しを所望する場合のみ、特定し直しが行われるようにすることができる。
【0193】
なお、上記実施形態1乃至5において、データ記憶装置101、接続先特定装置201を据置型装置とする構成としたが、これに限定されるものではなく、データ記憶装置101、接続先特定装置201は携帯型装置であってもよい。
【0194】
また、上記実施形態1乃至4において、データ記憶装置101に画像生成部103、表示部104、操作部105及びデータ記憶部106を設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、データ記憶装置101とは別の装置に上記構成を設けて、データ記憶装置101と該別装置とを通信手段を用いて接続する構成としてもよい。例えば、データ記憶装置101をPCに接続する構成とし、PC側に画像生成部103、表示部104、操作部105及びデータ記憶部106を設ける。
【0195】
また、上記実施形態1乃至4において、データ記憶装置101側がデータ受信要求を出して、データ携帯装置001がそれに応答する構成としたが、データ携帯装置001がデータ送信要求を出して、データ記憶装置101がそれに応答する構成としてもよい。
また、上記実施形態5において、データ携帯装置001側がデータ送信要求を出して、接続先特定装置201がそれに応答する構成としたが、接続先特定装置201がデータ受信要求を出して、データ携帯装置001がそれに応答する構成としてもよい。
【0196】
また、上記実施形態1乃至4において、現在特定されているデータ記憶部に対応したLEDライトを点灯させることで、ユーザにどのデータ記憶部が特定されているかを認知させるようにしてもよいし、現在特定されているデータ記憶部を表示画面に表示させてもよい。
また、上記実施形態5において、現在特定させている接続先に対応したLEDライトを点灯させることで、ユーザにどの接続先が特定されているかを認知させるようにしてもよいし、現在特定されている接続先を表示画面に表示させてもよい。
こうすることで、ユーザが所望する接続先以外の接続先に誤ってデータを送信してしまうことを防止することができる。
【0197】
また、上記実施形態1乃至4において、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)を、データ携帯装置001側で検出する構成としたが、これに限定されるものではなく、データ記憶装置101側で相対的な姿勢等を検出し、データ記憶装置101の近接無線通信部102を介してデータ携帯装置001にその情報を送信する構成としてもよい。
また、上記実施形態5において、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)を、接続先特定装置201側で検出する構成としたが、これに限定されるものではなく、データ携帯装置001側で相対的な姿勢等を検出し、データ携帯装置001の通信部002を介して接続先特定装置201へその情報を送信する構成としてもよい。
【0198】
また、上記実施形態1乃至5において、データ携帯装置001をデータ記憶装置101又は接続先特定装置201に搭載する構成としたが、これに限定されるものではなく、近接無線通信が可能な範囲であれば、非接触の状態でもデータ記憶部又は通信部を特定することが可能である。また、この場合、近接無線通信が可能な範囲に通信可能な装置が複数あるとき、相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)に基づいて、それらの複数の装置から一つを特定し、特定した装置との間でデータ通信を行うように構成することも可能である。
【0199】
また、上記実施形態1乃至4において、データ記憶装置101の表示部104に表示された選択用画像に対しユーザが選択操作することで、選択されたデータがデータ携帯装置001からデータ記憶部101へ送信される構成としたが、選択用画像の選択操作に関しても、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)に基づいて行うように構成してもよい。
この場合、例えば、データ携帯装置001の態様が変化することで他のデータ記憶部が特定されないようにするボタン等を設け、ユーザが所望するデータ記憶部が特定された際に、ボタン等によりデータ記憶部が変更されないように固定し、固定した状態で、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な関係に基づいて、データ記憶装置101の表示部104に表示されている選択用画像を選択する操作を行う。ユーザは、所望の選択用画像が選択されている状態で、例えば、データ記憶装置101に設けられた、決定ボタンを押し込むことで選択したデータをデータ携帯装置001から送信させる。このように構成することで、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を最大限活かすことが可能となる。
また、上記実施形態5において、データ携帯装置001の表示部017に表示された選択用画像に対しユーザが選択操作することで、選択されたデータがデータ携帯装置001から接続先特定装置201へ送信される構成としたが、実施形態1乃至4の場合と同様に、選択用画像の選択操作に関しても、データ携帯装置001の接続先特定装置201に対する相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)に基づいて行うように構成してもよい。
【0200】
また、上記実施形態1乃至4において、データ携帯装置001に記憶されているデータをデータ記憶装置101に送信する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、データ記憶装置101に記憶されているデータをデータ携帯装置001に送信する場合に、データ携帯装置001のデータの記憶先となるデータ記憶部を特定する構成としてもよい。
また、上記実施形態5において、データ携帯装置001に記憶されているデータを接続先特定装置201に送信する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、特定された通信部に接続されている外部装置から送られてくるデータを、データ携帯装置001の記憶部に記憶する構成としてもよい。
【0201】
また、上記実施形態1乃至4において、データ携帯装置001から送信するデータの読み出し先となるデータ記憶部を特定する構成としたが、これに限定されるものでなく、例えば、データの送信先となるデータ記憶装置101が複数のデータ記憶部を備える場合に、送信データを記憶させるデータ記憶装置101のデータ記憶部を特定する構成としてもよい。この場合、データ記憶装置101が、記憶部特定部等を備える構成とすればよい。
【0202】
また、上記実施形態1乃至5において、相対関係検出用テーブルT1を参照して、相対的な関係(相対的な姿勢、位置、向き)を検出し、その後、検出された相対的な関係に基づいて、記憶部特定部005(又は、通信部特定部204)が対象特定用テーブルT2を参照して、データ記憶部(又は通信部)を特定する構成としたが、例えば、地球重力加速度センサを備える姿勢検出部004が検出した加速度に基づいて、記憶部特定部005(又は、通信部特定部204)が、データ記憶部(又は通信部)を特定する構成としてもよい。
【0203】
また、上記実施形態1乃至4において、操作部105をデータ記憶装置101側に設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、操作部をデータ携帯装置001側に設けるようにしてもよい。また、上記実施形態5において、操作部015をデータ携帯装置001側に設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、操作部を接続先特定装置201側に設けるようにしてもよい。
【0204】
また、上記実施形態1乃至4において、相対的な関係に基づいてデータ記憶部を特定する構成としたが、例えば、相対的な関係に基づいて、データ記憶部に記憶されたデータの内で、特定の日(又は日時)に記憶されたデータを特定し、データ記憶装置101へ送信するようにしてもよい。
【0205】
また、実施形態2乃至3で説明した電波強度による相対的な姿勢又は位置を検出する方法は、一例に過ぎず、送信部の数、受信部の数はこれに限定されるものではない。また、送信部の数と受信部の数の組み合わせもこれに限定されるものではない。さらに、送信部と受信部の位置関係についても各実施形態で説明したものに限定されるものではなく、データ携帯装置001のデータ記憶装置101に対する相対的な姿勢又は位置を検出できる位置関係であればよい。
【0206】
また、上記実施形態1乃至4において、2つのデータ記憶部を備える構成としたが、これに限定されるものではなく、3つ以上のデータ記憶部を備えるようにしてもよい。この場合、例えば、相対的な向き(角度)に基づいて、データ記憶部を特定するときは、複数の特定範囲の角度と各データ記憶部を対応させることで、複数のデータ記憶部から一つを特定することが可能となる。
また、例えば、重力加速度を検出して、相対的な姿勢に基づいて、データ記憶部を特定するときは、検出される重力加速度の特定の値(例えば、−g、−1/2g、0、1/2g、g)と各データ記憶部を対応させることで、複数のデータ記憶部から一つを特定することが可能となる。もちろん、複数の特定範囲内の加速度と各データ記憶部を対応させるようにしてもよい。
また、上記実施形態5において、2つの通信部を備え、通信部特定部204が2つの通信部の内一つを特定する構成としたが、これに限定されるものではなく、3つ以上の通信部を備えるようにしてもよい。
【0207】
また、上記実施形態3において、例えば、データ記憶装置101のデータ携帯装置001の搭載面に、データ記憶部003aが特定される範囲を明示し、その範囲外にデータ携帯装置001が搭載された場合には、データ記憶部003bが特定されるようにしてもよい。こうすることで、ユーザは直感的な操作で、データ記憶部を特定することが可能となり、直感的な操作でデータ通信ができるという近接無線通信の利点を活かすことが可能となる。
【0208】
また、上記実施形態4において、方向検出部014及び方向検出部113は、方位センサ(ジャイロセンサ、磁気センサ等)を備えるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、相対的な姿勢や相対的な位置を検出した場合と同様に受信部が受信する電波強度によって相対的な方向を求めるようにしてもよい。
【0209】
なお、上記実施形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行することとしてもよい。
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、取得等するようにしてもよい。
【0210】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
(付記1)
他の情報端末装置と近接無線通信によりデータ通信を行う情報端末装置であって、
前記データ通信の対象データの受け渡しをする複数の機能部と、
自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を該自装置の加速度から検出する検出部と、
前記検出部により検出された自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係に基づいて、複数の機能部から一つを特定する特定部と、
前記他の情報端末装置との間で近接無線通信を行う近接無線通信手段と、
前記特定部により特定された機能部を制御し、前記他の情報端末装置との間で前記近接無線通信手段による近接無線通信を用いて、該機能部の種別に応じた所定のデータ処理を実行する実行部と、
を具備することを特徴とする情報端末装置。
(付記2)
前記検出部は、自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を繰り返し検出し、
前記実行部は、前記特定部が特定した機能部が前回特定した機能部から変更されていない場合に、前記所定のデータ処理を実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の情報端末装置。
(付記3)
前記他の情報端末装置から発信された電波を受信する電波受信部と、
前記電波受信部により受信された電波の受信強度を測定する受信強度測定部と、
を具備し、
前記検出部は、前記受信強度測定部により測定された電波の受信強度に基づいて、自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を検出する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報端末装置。
(付記4)
前記電波受信部を複数具備し、
前記検出部は、前記受信強度測定部により測定された各電波受信部の電波の受信強度を比較することで、自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を検出する、
ことを特徴とする付記3に記載の情報端末装置。
(付記5)
地球重力加速度を検出する加速度検出部を具備し、
前記検出部は、前記加速度検出部により検出された地球重力加速度に基づいて、自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を検出する、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記6)
自装置内の基準軸の方位を検出することで自装置の方向を検出する方位検出部を具備し、
前記検出部は、前記近接無線通信手段を介して受信した前記他の情報端末装置の方向を示す方向情報と、前記方位検出部により検出された自装置の方向を示す方向情報とに基づいて、自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な位置関係を検出する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記7)
データを記憶する複数の記憶部を具備し、
前記機能部は、前記記憶部であり、
前記実行部は、前記特定部により特定された記憶部からデータを読み出して、前記近接無線通信手段により読み出したデータを前記他の情報端末装置へ送信する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記8)
ユーザが選択することで、データ通信の対象データを特定するための選択用データを生成する選択用データ生成部をさらに具備し、
前記実行部は、前記特定部が特定した記憶部から読み出したデータに対応する選択用データを前記選択用データ生成部に生成させ、生成された選択用データを前記近接無線通信手段により前記他の情報端末装置へ送信する、
ことを特徴とする付記7に記載の情報端末装置。
(付記9)
データを記憶する複数の記憶部を具備し、
前記機能部は、前記記憶部であり、
前記実行部は、前記他の情報端末装置から前記近接無線通信手段により送信されたデータを、前記特定部により特定された記憶部に記憶する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記10)
それぞれ別々の外部装置に接続された複数の通信部を具備し、
前記機能部は、前記通信部であり、
前記実行部は、前記他の情報端末装置から前記近接無線通信手段により送信されたデータを、前記特定部により特定された通信部に接続されている前記外部装置へ送信する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記11)
前記複数の機能部は、前記検出部が検出する相対的な位置関係の変化に応じて前記特定部が特定する機能部を、ユーザが特定できるように配置されている、
ことを特徴とする付記1乃至10の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記12)
前記検出部は、自装置の前記他の情報端末装置に対する、姿勢、位置、向きの少なくとも1つを前記相対的な位置関係として検出する、
ことを特徴とする付記1乃至11の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記13)
前記情報端末装置と前記他の情報端末装置の内、少なくとも1つが携帯型装置である、
ことを特徴とする付記1乃至12の何れか1つに記載の情報端末装置。
(付記14)
他の情報端末装置と近接無線通信手段によりデータ通信を行う情報端末装置におけるアクセス先特定方法であって、
自装置の前記他の情報端末装置に対する相対的な姿勢、位置、向きの内の少なくとも1つを該自装置の加速度から検出し、
検出された相対的な関係に基づいて、データの受け渡しをする複数のアクセス先から一つを特定し、
特定されたアクセス先を制御し、前記他の情報端末装置との間で前記近接無線通信手段を用い、該アクセス先の種別に応じた所定のデータ処理を実行する、
ことを特徴とするアクセス先特定方法。