【実施例】
【0058】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
【0059】
<実施例1>
先ず、四塩化珪素1molに対して、55.6molに相当する量の超純水を準備した。この超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間攪拌を継続して、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で18時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き100μm及び目開き150μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が121μmのシリカ粉末を得た。
【0060】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表1に示す条件にて、上記得られたシリカ粉末に焼成を行わずに球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0061】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0062】
最後に、洗浄した粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、200℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0063】
<実施例2>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を55rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き100μm及び目開き150μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が130μmのシリカ粉末を得た。
【0064】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表1に示す条件にて、上記得られたシリカ粉末に焼成を行わずに球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0065】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0066】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0067】
<実施例3>
先ず、平均粒径D
50が0.020μm、比表面積が90m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水13molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き375μm及び目開き450μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が426μmのシリカ粉末を得た。
【0068】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表1に示す条件にて、上記得られたシリカ粉末に焼成を行わずに球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0069】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き200μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0070】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を20L/minの流量で流しながら、200℃の温度で36時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0071】
<実施例4>
平均粒径D
50が860μmのシリカ粉末を得たこと、及びこのシリカ粉末に、次の表1に示す条件で球状化処理を行ったこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0072】
<比較例1>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0073】
<比較例2>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0074】
<比較例3>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0075】
<比較例4>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例3と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0076】
<比較例5>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例3と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0077】
<比較例6>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例3と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0078】
<比較例7>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例4と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0079】
<比較例8>
次の表1に示す条件で球状化処理を施したこと以外は、実施例4と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0080】
<比較例9>
先ず、四塩化珪素1molに対して、55.6molに相当する量の超純水を準備した。この超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間攪拌を継続して、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で18時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き50μm及び目開き150μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が100μmのシリカ粉末を得た。
【0081】
最後に、粉砕した粉末を焼成用容器に入れ、この焼成用容器を焼成炉に投入し、焼成炉内に窒素10L/minの流量で流しながら、1200℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。この球状化処理を施さないシリカ粉末を比較例9とした。
【0082】
<比較例10>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.6mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き550μm及び目開き650μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が590μmのシリカ粉末を得た。
【0083】
最後に、粉砕した粉末を焼成用容器に入れ、この焼成用容器を焼成炉に投入し、焼成炉内にアルゴン10L/minの流量で流しながら、1200℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。この球状化処理を施さないシリカ粉末を比較例10とした。
【0084】
<比較例11>
先ず、平均粒径D
50が0.020μm、比表面積が90m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水13molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.9mm、ロール回転数を150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き850μm及び目開き950μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が895μmのシリカ粉末を得た。
【0085】
最後に、粉砕した粉末を焼成用容器に入れ、この焼成用容器を焼成炉に投入し、焼成炉内にアルゴン10L/minの流量で流しながら、1200℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。この球状化処理を施さないシリカ粉末を比較例11とした。
【0086】
【表1】
【0087】
<実施例5>
先ず、平均粒径D
50が0.02μm、比表面積が90m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水12molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから2時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は20rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、250℃の温度で15時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を25rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き200μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が141μmのシリカ粉末を得た。
【0088】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1200℃、36時間焼成を行い、平均粒径D
50が98μmのシリカ粉末を得た。
【0089】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0090】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0091】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、250℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0092】
<実施例6>
先ず、平均粒径D
50が0.030μm、比表面積が50m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水5molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから0.5時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で48時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が156μmのシリカ粉末を得た。
【0093】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1250℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が106μmのシリカ粉末を得た。
【0094】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0095】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0096】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を1L/minの流量で流しながら、400℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0097】
<実施例7>
先ず、平均粒径D
50が0.007μm、比表面積が300m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水30molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、アルゴン雰囲気にて、温度を10℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は50rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き300μm及び目開き700μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が502μmのシリカ粉末を得た。
【0098】
上記、造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1300℃、72時間焼成を行い、平均粒径D
50が350μmのシリカ粉末を得た。
【0099】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0100】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き200μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0101】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、250℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0102】
<実施例8>
先ず、平均粒径D
50が0.016μm、比表面積が130m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水15molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、アルゴン雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は15rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、200℃の温度で36時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.0mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き500μm及び目開き1500μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が987μmのシリカ粉末を得た。
【0103】
上記、造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1450℃、72間焼成を行い、平均粒径D
50が691μmのシリカ粉末を得た。
【0104】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0105】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き400μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0106】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0107】
<実施例9>
先ず、四塩化珪素1molに対して、60molに相当する量の超純水を準備した。この超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して攪拌しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから4時間攪拌を継続して、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は250rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が148μmのシリカ粉末を得た。
【0108】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1350℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が111μmのシリカ粉末を得た。
【0109】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0110】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0111】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を15L/minの流量で流しながら、150℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0112】
<実施例10>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を55rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が163μmのシリカ粉末を得た。
【0113】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1150℃、72時間焼成を行い、平均粒径D
50が115μmのシリカ粉末を得た。
【0114】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0115】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0116】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0117】
<比較例12>
先ず、平均粒径D
50が0.020μm、比表面積が90m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水12molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから2時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は20rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、250℃の温度で15時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を25rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が140μmのシリカ粉末を得た。
【0118】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1200℃、36時間焼成を行い、平均粒径D
50が102μmのシリカ粉末を得た。
【0119】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0120】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0121】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、250℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0122】
<比較例13>
先ず、平均粒径D
50が0.030μm、比表面積が50m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水5molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから0.5時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で48時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が162μmのシリカ粉末を得た。
【0123】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1250℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が111μmのシリカ粉末を得た。
【0124】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0125】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0126】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を1L/minの流量で流しながら、400℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0127】
<比較例14>
先ず、平均粒径D
50が0.020μm、比表面積が90m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水12molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから2時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は20rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、250℃の温度で15時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を25rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き250μm及び目開き75μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が150μmのシリカ粉末を得た。
【0128】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1200℃、36時間焼成を行い、平均粒径D
50が110μmのシリカ粉末を得た。
【0129】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0130】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0131】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、250℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0132】
<比較例15>
先ず、平均粒径D
50が0.030μm、比表面積が50m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水5molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから0.5時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で48時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き75μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が154μmのシリカ粉末を得た。
【0133】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1250℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が108μmのシリカ粉末を得た。
【0134】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0135】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0136】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を1L/minの流量で流しながら、400℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0137】
<比較例16>
先ず、平均粒径D
50が0.007μm、比表面積が300m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水30molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を10℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は50rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き300μm及び目開き600μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が499μmのシリカ粉末を得た。
【0138】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1300℃、72時間焼成を行い、平均粒径D
50が354μmのシリカ粉末を得た。
【0139】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0140】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き200μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0141】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、250℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0142】
<比較例17>
先ず、平均粒径D
50が0.007μm、比表面積が300m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水20molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は50rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、400℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き300μm及び目開き600μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が499μmのシリカ粉末を得た。
【0143】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1200℃、48時間焼成を行い、平均粒径D
50が354μmのシリカ粉末を得た。
【0144】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0145】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き200μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0146】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、200℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0147】
<比較例18>
先ず、平均粒径D
50が0.016μm、比表面積が130m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水15molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから4時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は20rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、200℃の温度で36時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.0mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き450μm及び目開き1450μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が987μmのシリカ粉末を得た。
【0148】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1450℃、72時間焼成を行い、平均粒径D
50が684μmのシリカ粉末を得た。
【0149】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0150】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き350μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0151】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0152】
<比較例19>
先ず、平均粒径D
50が0.016μm、比表面積が130m
2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水15molを準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから4時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は20rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、200℃の温度で36時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.0mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き450μm及び目開き1450μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が985μmのシリカ粉末を得た。
【0153】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1450℃、72時間焼成を行い、平均粒径D
50が680μmのシリカ粉末を得た。
【0154】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0155】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き350μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0156】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、この乾燥用容器を乾燥機に投入し、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0157】
<比較例20>
先ず、四塩化珪素1molに対して、60molに相当する量の超純水を準備した。この超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して攪拌しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから4時間攪拌を継続して、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は250rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き50μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が161μmのシリカ粉末を得た。
【0158】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1350℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が112μmのシリカ粉末を得た。
【0159】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0160】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0161】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を15L/minの流量で流しながら、150℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0162】
<比較例21>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き50μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級し、平均粒径D
50が164μmのシリカ粉末を得た。
【0163】
上記造粒した粉末を、石英製容器に入れて、大気雰囲気にて1350℃、24時間焼成を行い、平均粒径D
50が111μmのシリカ粉末を得た。
【0164】
続いて、
図5に示す装置30を用い、次の表2に示す条件にて、上記焼成後に得られたシリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0165】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き50μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
【0166】
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を15L/minの流量で流しながら、150℃の温度で48時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0167】
【表2】
【0168】
実施例1〜10及び比較例1〜21で得られた粉末について、次に述べる方法により、平均粒径D
50、BET比表面積、理論比表面積、BET比表面積/理論比表面積、真密度、粒子内空間率及び球状化率を測定した。これらの結果を次の表3又は表4に示す。
【0169】
(1) 平均粒径D
50:レーザー回折散乱式粒子分布測定装置(型式名:HORIBA LA-950)によって測定した粒子分布(直径)の中央値を3回測定し、この平均値を算出した。
【0170】
(2) BET比表面積:測定装置(QUANTACHROME AUTOSORB-1 MP)を用いたBET3点法により測定した。BET3点法は、相対圧力3点に対する窒素吸着量から傾きAを求め、BET式から比表面積値を求めた。窒素吸着量の測定は、150℃、60分の条件下で行った。
【0171】
(3) 理論比表面積:次の式(1)において、Dを粉末の平均粒径D
50、ρを真密度2.2g/cm
3と仮定し、次の式(2)から算出した。
【0172】
理論比表面積=6/(D×ρ) (1)
粉末の理論比表面積=2.73/D
50 (2)
(3) BET比表面積/理論比表面積:上記測定した比表面積及び理論比表面積から算出した。
【0173】
(4) 真密度:JIS R7212 カーボンブロックの測定方法(d)真比重測定に準じて、真密度測定を3回行い、この平均値を算出した。
【0174】
(5) 粒子内空間率:得られた粉末を樹脂に埋め込みを行い、それを研磨して粉末断面を出す。粉末断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した。50個の粉末粒子について断面積と、粒子内に空間があればその空間の面積を測定し、次の式(4)から算出した。
【0175】
粒子内空間率=粒子内空間総面積/粒子断総面積 (4)
(6) 球状化率及び円形度:
図6に示す粒度・形状分布測定器(株式会社セイシン企業 PITA−1)にて2回測定し、この平均値を算出した。具体的には、先ず、粉末を液体に分散させて、この液体を平面伸張流動セル51へ流した。平面伸張流動セル51内に移動する粉末粒子52の200個を、対物レンズ53にて画像として記録し、この記録画像及び次の式(3)から円形度を算出した。式(3)中、Sは撮影した記録画像の粒子投影図における面積、Lは粒子投影図の周囲長を表す。このようにして算出された粒子200個の平均値を粉末の円形度とした。
【0176】
円形度=4πS/L
2 (3)
球状化率は、粉末粒子200個中に含まれる、円形度が0.60〜1.00の範囲に分類された粉末粒子の割合である。
【0177】
【表3】
【0178】
【表4】
【0179】
<評価1>
実施例1〜10及び比較例1〜21で得られた粉末の不純物濃度を以下の(1)〜(5)の方法により分析又は測定した。その結果を次の表5又は表6に示す。
【0180】
(1) Na,K,Ca,Fe,Al,P:粉末をフッ化水素酸及び硫酸で加熱分解し、加熱凝縮後に希硝酸を用いて定容液体を作製した。この定容液体について、高周波誘導結合プラズマ質量分析計(型式名:エスアイアイ・ナノテクノロジー SPQ9000)により分析を行った。
【0181】
(2) B:粉末をフッ化水素酸で加熱分解し、加熱凝縮後に超純水を用いて定容液体を作製した。この定容液体について、高周波誘導結合プラズマ質量分析計(型式名:エスアイアイ・ナノテクノロジー SPQ9000)により分析を行った。
【0182】
(3) C:粉末に助燃剤として鉄、タングステン、すずを添加し、酸素雰囲気にて高周波炉燃焼−赤外線吸収法(型式名:HORIBA EMIA-920V)にて分析を行った。
【0183】
(4) Cl:合成非晶質シリカ粉末に超純水を混合し、超音波下にてClを浸出させる。遠心分離機により合成非晶質シリカ粉末と浸出液を分離して、浸出液をイオンクロマトグラフィー(型式名:ダイオネクス DX-500)により分析を行った。
【0184】
(5) OH:フーリエ変換型赤外線分光分析計(型式名:サーモフィッシャー Nicolet 4700FT-IR)により、3660cm
-1付近のピーク高さにより測定した。
【0185】
【表5】
【0186】
表5から明らかなように、実施例1〜4の粉末は、比較例1〜11の粉末と比較して、高温及び減圧下における合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張の原因となるガス成分となり得る水酸基及び炭素濃度が、比較的低いことが判る。
【0187】
【表6】
【0188】
表6から明らかなように、四塩化珪素を液中で反応させて得られたものを原料とした合成非晶質シリカ粉末は、炭素濃度が2ppm未満であり、有機系シリコン化合物から得られたものを原料とした合成非晶質シリカ粉末は、塩素濃度が2ppm未満であり、ヒュームドシリカを原料とした合成非晶質シリカ粉末は、炭素濃度が2ppm未満であり、かつ塩素濃度が2ppm未満であることが判る。
【0189】
<比較試験及び評価2>
実施例1〜10及び比較例1〜21で得られた粉末を用いて、縦20mm×横20mm×高さ40mmの直方体のブロック材をそれぞれ製造し、ブロック材に発生した気泡の個数を評価した。この結果を次の表7又は表8に示す。具体的には、カーボンルツボに、粉末を入れ、これを2.0×10
4Pa真空雰囲気下でカーボンヒータにて2200℃に加熱し、48時間保持することによりブロック材を製造した。このブロック材を、5.0×10
2Pa真空雰囲気下で1600℃の温度で48時間の熱処理を行った。熱処理後、ブロック材の高さ20mmの位置で20mm×20mm角の断面に切り出し、研磨を行い、ブロック材の表面(断面)から、深さ2mm、幅2mm領域で観察された気泡の個数を評価した。
【0190】
<比較試験及び評価3>
直径16インチの石英ルツボ製造用モールドに天然石英粉を約8mm、実施例1〜10及び比較例1〜21で得られた粉末をそれぞれ約2.5mm充填した。モールドの中心軸上であって、モールドの底面より400mm上方の位置(モールド上端面と同一レベル)に電極先端部が配置されるようにアーク電極を設置した。モールドを所定の速度で回転させながら、アーク電極に200kwの電力で5分間通電して石英粉を溶融した。次いでアーク電極を200mm降下し、同じ電力で8分間通電してモールド内の底部中央付近の石英を重点的に加熱し、通電中にモールド側より6分間減圧した。
【0191】
得られた石英ルツボを切断し、断面の研磨を行った。実施例1〜10及び比較例1〜21で得られた粉末によって形成された非晶質シリカ層について、石英ルツボ上端から10cmの部分の厚さをそれぞれ顕微鏡にて測定した。これらの結果を次の表7又は表8に示す。なお、表7又は表8において、非晶質シリカ層の厚さは2.5mmに近いほど好ましい。
【0192】
【表7】
【0193】
表7から明らかなように、実施例1〜4の粉末を用いて製造したブロックは、球状化処理を施さない比較例9〜11の粉末を用いて製造したブロックと比較すると、発生した気泡の数が大幅に低減されていることが判る。
【0194】
また、実施例1〜4と比較例1〜8を比較すると、いずれも球状化処理を施しているにもかかわらず、実施例1〜4では、比較例2〜4、比較例6,8に比べ、発生した気泡の数が大幅に低減されていることが判る。一方、比較例1,5,7では、実施例1〜4に比べ、気泡の数は大幅に低減されているものの、非晶質シリカ層の厚さが極めて薄く、所望の厚さの非晶質シリカ層を形成することができなかった。
【0195】
【表8】
【0196】
表1〜表8から明らかなように、球状化処理前に所定の条件で焼成を行った実施例5〜10の粉末を用いて製造したブロックでは、焼成を行わない実施例1〜4の粉末を用いて製造したブロックと比較すると、非晶質シリカ層の厚さに対し、発生した気泡の数が更に低減されていることが判る。
【0197】
また、実施例5〜8と比較例13〜15,17,19、実施例9と比較例20、実施例10と比較例21を比較すると、いずれも球状化処理を施しているにもかかわらず、実施例5〜8、実施例9、実施例10では、それぞれ比較例13〜15,17,19、比較例20、比較例21に比べ、発生した気泡の数が大幅に低減されていることが判る。一方、比較例12,16,18では、実施例5〜8に比べ、気泡の数は大幅に低減されているものの、非晶質シリカ層の厚さが極めて薄く、所望の厚さの非晶質シリカ層を形成することができなかった。このことから、本発明の合成非晶質シリカ粉末は、気泡の発生又は膨張の低減効果が非常に高く、かつ成形性に優れ、合成シリカガラス製品のための原料に適していることが判る。