特許第5724901号(P5724901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5724901
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】空気清浄機ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/00 20060101AFI20150507BHJP
   B08B 5/04 20060101ALI20150507BHJP
   A47L 13/502 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   F24F7/00 A
   B08B5/04 A
   A47L13/502
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-30700(P2012-30700)
(22)【出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-167401(P2013-167401A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】堤 智彦
(72)【発明者】
【氏名】繁澤 亨
(72)【発明者】
【氏名】湯川 奈津実
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−340826(JP,A)
【文献】 特開2001−008675(JP,A)
【文献】 実開昭49−088349(JP,U)
【文献】 特開2010−213886(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01230870(EP,A1)
【文献】 特開2007−190234(JP,A)
【文献】 特開2006−051494(JP,A)
【文献】 特表2004−516900(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3154554(JP,U)
【文献】 特開2010−167088(JP,A)
【文献】 特開2005−110787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/00
A47L 13/502
B08B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口(11a,11b,11d)から吸い込んだ空気をフィルタ(15)を介して吹出口(11c)から吹き出す空気清浄機本体(1)と、
清掃部材(3)を内部空間に収納可能にする清掃部材収納ボックス(2)と
を備え、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、上記空気清浄機本体(1)に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間と、上記空気清浄機本体(1)の上記吸込口の一部(11d)とは、連通し、
上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間には、取り出し可能なダストボックス(40,40A)が取り付けられ、このダストボックス(40,40A)は、上記清掃部材(3)から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構(41,42d)を有し、
上記ダストボックス(40)は、
上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間に連通する入口(42a)と、この入口(42a)よりも上記空気清浄機本体(1)の上記吸込口の一部(11d)側に位置する出口(42b)とを有する箱本体(42)と、
この箱本体(42)の上記出口(42b)に取り付けられたプレフィルタ(41)と
を備え、
上記塵埃捕集機構(41)は、上記プレフィルタ(41)を含むことを特徴とする空気清浄機ユニット。
【請求項2】
吸込口(11a,11b,11d)から吸い込んだ空気をフィルタ(15)を介して吹出口(11c)から吹き出す空気清浄機本体(1)と、
清掃部材(3)を内部空間に収納可能にする清掃部材収納ボックス(2)と
を備え、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、上記空気清浄機本体(1)に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間と、上記空気清浄機本体(1)の上記吸込口の一部(11d)とは、連通し、
上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間には、取り出し可能なダストボックス(40,40A)が取り付けられ、このダストボックス(40,40A)は、上記清掃部材(3)から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構(41,42d)を有し
上記ダストボックス(40A)は、
上記清掃部材収納ボックス(2)の上記内部空間に連通する入口(42a)と、この入口(42a)よりも上記空気清浄機本体(1)の上記吸込口の一部(11d)側に位置する出口(42b)とを有する箱本体(42A)を備え、
上記箱本体(42A)の底部には、上記出口(42b)よりも底面側に位置する塵埃溜まり部(42d)が設けられ、
上記塵埃捕集機構(42d)は、上記塵埃溜まり部(42d)を含むことを特徴とする空気清浄機ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気清浄機ユニットにおいて、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、2つの取付部(27,27,60,60)を介して、上記空気清浄機本体(1)に取り付けられ、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、上記内部空間に連通すると共に上記空気清浄機本体(1)の上記吸込口の一部(11d)に接続される接続口(28)を有し、
この接続口(28)は、上記2つの取付部(27,27,60,60)の間に、位置していることを特徴とする空気清浄機ユニット。
【請求項4】
請求項1からの何れか一つに記載の空気清浄機ユニットにおいて、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、上記空気清浄機本体(1)に、着脱可能に取り付けられていることを特徴とする空気清浄機ユニット。
【請求項5】
請求項に記載の空気清浄機ユニットにおいて、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、磁石(27)を介して、上記空気清浄機本体(1)に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする空気清浄機ユニット。
【請求項6】
請求項に記載の空気清浄機ユニットにおいて、
上記清掃部材収納ボックス(2)は、係合機構(60)を介して、上記空気清浄機本体(1)に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする空気清浄機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気清浄機本体と清掃部材収納ボックスとを有する空気清浄機ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃部材としてのモップの塵埃を除去する装置として、特開2006−218461号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この塵埃除去装置は、モップを収容してモップから塵埃を除去するケースを備えていた。そして、このケースを掃除機に取り付けることで、掃除機により、ケース内に溜まった塵埃を吸引していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−218461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の塵埃除去装置の上記ケース内に溜まった塵埃を、上記掃除機にて吸引している最中、掃除機は、ケース内の塵埃を吸引することのみに使用され、同時に、モップ以外の室内の塵埃を吸引することができなかった。
【0005】
つまり、上記掃除機に上記ケースを取り付けた状態では、常に、掃除機は、モップのみを吸引していた。一方、掃除機を本来の室内の掃除として使用する場合、必ず、掃除機からケースを取り外す必要があった。
【0006】
このように、掃除機にケースを取り付けた場合、掃除機の室内の塵埃を除去するという本来の機能が失われていた。そもそも、従来では、掃除機にケースを取り付けた状態で、この掃除機を、通常の室内の清掃機能として使用するという思想がなかった。
【0007】
また、上記従来の塵埃除去装置では、上記ケース内に溜まった塵埃を、掃除機によって、吸い込んでいたので、掃除機内のダスト回収パックが直ぐに一杯になっていた。また、ダスト回収パックでは、ダニや花粉などの小さな塵埃を回収することができず、掃除機の排気口からこの小さな塵埃が排出されていた。
【0008】
そこで、この発明の課題は、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に取り付けた状態で、空気清浄機本体の本来の機能は、損なわれることがなく、しかも、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去でき、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを防止できる空気清浄機ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の空気清浄機ユニットは、
吸込口から吸い込んだ空気をフィルタを介して吹出口から吹き出す空気清浄機本体と、
清掃部材を内部空間に収納可能にする清掃部材収納ボックスと
を備え、
上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間と、上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部とは、連通し、
上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間には、取り出し可能なダストボックスが取り付けられ、このダストボックスは、上記清掃部材から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構を有し、
上記ダストボックスは、
上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間に連通する入口と、この入口よりも上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部側に位置する出口とを有する箱本体と、
この箱本体の上記出口に取り付けられたプレフィルタと
を備え、
上記塵埃捕集機構は、上記プレフィルタを含むことを特徴としている。
【0010】
この発明の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間と、上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部とは、連通している。これにより、空気清浄機本体に清掃部材収納ボックスを取り付けた状態で、空気清浄機本体は、その吸込口の一部から、清掃部材収納ボックスの内部空間の塵埃を吸引すると同時に、その吸引口の他部から、室内の空気を吸引することができる。このように、空気清浄機本体に清掃部材収納ボックスを取り付けても、空気清浄機本体の室内の空気を清浄するという本来の機能は、損なわれない。言い換えると、清掃部材収納ボックス内の塵埃を吸引させるために、空気清浄機本体による室内の空気の清浄を一旦止めなくてもよく、室内の空気の清浄を行ったまま、清掃部材収納ボックス内の塵埃を吸引できる。
【0011】
また、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間には、取り出し可能なダストボックスが取り付けられ、このダストボックスは、上記清掃部材から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構を有する。これによって、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃を、ダストボックスにより、予め捕集してから、清掃部材収納ボックス内の小さな塵埃(ダニや花粉など)を、空気清浄機本体により、捕集する。そして、ダストボックス内に溜まった塵埃は、ダストボックスを取り出して、廃棄できる。
【0012】
この結果、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去できる。また、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃による、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを、防止できる。
【0013】
したがって、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に取り付けた状態で、空気清浄機本体の本来の機能は、損なわれることがなく、しかも、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去でき、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを防止できる。
【0014】
【0015】
また、上記ダストボックスの上記箱本体は、入口と出口とを有するので、清掃部材収納ボックス内の空気は、箱本体の入口から箱本体内を通って箱本体の出口から出て、空気清浄機本体の吸込口の一部に吸引される。このとき、箱本体の出口には、塵埃捕集機構としてのプレフィルタが、取り付けられているので、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃は、プレフィルタにより、確実に除去される。したがって、簡単な構成で、大きな塵埃を予め捕集できる。
【0016】
発明の空気清浄機ユニットでは、
吸込口から吸い込んだ空気をフィルタを介して吹出口から吹き出す空気清浄機本体と、
清掃部材を内部空間に収納可能にする清掃部材収納ボックスと
を備え、
上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間と、上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部とは、連通し、
上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間には、取り出し可能なダストボックスが取り付けられ、このダストボックスは、上記清掃部材から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構を有し、
上記ダストボックスは、
上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間に連通する入口と、この入口よりも上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部側に位置する出口とを有する箱本体を備え、
上記箱本体の底部には、上記出口よりも底面側に位置する塵埃溜まり部が設けられ、
上記塵埃捕集機構は、上記塵埃溜まり部を含む。
【0017】
この発明の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間と、上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部とは、連通している。これにより、空気清浄機本体に清掃部材収納ボックスを取り付けた状態で、空気清浄機本体は、その吸込口の一部から、清掃部材収納ボックスの内部空間の塵埃を吸引すると同時に、その吸引口の他部から、室内の空気を吸引することができる。このように、空気清浄機本体に清掃部材収納ボックスを取り付けても、空気清浄機本体の室内の空気を清浄するという本来の機能は、損なわれない。言い換えると、清掃部材収納ボックス内の塵埃を吸引させるために、空気清浄機本体による室内の空気の清浄を一旦止めなくてもよく、室内の空気の清浄を行ったまま、清掃部材収納ボックス内の塵埃を吸引できる。
また、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間には、取り出し可能なダストボックスが取り付けられ、このダストボックスは、上記清掃部材から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構を有する。これによって、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃を、ダストボックスにより、予め捕集してから、清掃部材収納ボックス内の小さな塵埃(ダニや花粉など)を、空気清浄機本体により、捕集する。そして、ダストボックス内に溜まった塵埃は、ダストボックスを取り出して、廃棄できる。
この結果、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去できる。また、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃による、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを、防止できる。
したがって、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に取り付けた状態で、空気清浄機本体の本来の機能は、損なわれることがなく、しかも、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去でき、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを防止できる。
また、上記ダストボックスの上記箱本体は、入口と出口とを有するので、清掃部材収納ボックス内の空気は、箱本体の入口から箱本体内を通って箱本体の出口から出て、空気清浄機本体の吸込口の一部に吸引される。このとき、箱本体の底部には、出口よりも底面側に位置する塵埃捕集機構としての塵埃溜まり部が設けられているので、清掃部材収納ボックス内の大きな塵埃は、その自重により、塵埃溜まり部に留まって、出口から排出されない。したがって、簡単な構成で、大きな塵埃を予め捕集できる。
【0018】
また、一実施形態の空気清浄機ユニットでは、
上記清掃部材収納ボックスは、2つの取付部を介して、上記空気清浄機本体に取り付けられ、
上記清掃部材収納ボックスは、上記内部空間に連通すると共に上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部に接続される接続口を有し、
この接続口は、上記2つの取付部の間に、位置している。
【0019】
この実施形態の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスの上記接続口は、上記2つの取付部の間に、位置しているので、清掃部材収納ボックスの接続口と、空気清浄機本体の吸込口の一部とは、2つの取付部に挟まれる位置で、接続される。これにより、清掃部材収納ボックスの接続口と、空気清浄機本体の吸込口の一部とを、強固に接続できる。
【0020】
また、一実施形態の空気清浄機ユニットでは、
上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、着脱可能に取り付けられている。
【0021】
この実施形態の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、着脱可能に取り付けられているので、清掃部材収納ボックスの空気清浄機本体への取り付け状態、または、清掃部材収納ボックスの空気清浄機本体からの取り外し状態の何れの状態でも、清掃部材収納ボックスを使用できる。例えば、清掃部材収納ボックスを、空気清浄機本体から取り外すことで、清掃部材収納ボックスを、所望の場所に持ち運んで使用することができる。一方、清掃部材収納ボックスを、空気清浄機本体に取り付けておくことで、清掃部材収納ボックスを見失うことがない。
【0022】
また、一実施形態の空気清浄機ユニットでは、
上記清掃部材収納ボックスは、磁石を介して、上記空気清浄機本体に着脱可能に取り付けられている。
【0023】
この実施形態の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、磁石を介して、上記空気清浄機本体に着脱可能に取り付けられているので、簡単な構成で、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に着脱できる。
【0024】
また、一実施形態の空気清浄機ユニットでは、
上記清掃部材収納ボックスは、係合機構を介して、上記空気清浄機本体に着脱可能に取り付けられている。
【0025】
この実施形態の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、係合機構を介して、上記空気清浄機本体に着脱可能に取り付けられているので、簡単な構成で、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に着脱できる。
【発明の効果】
【0026】
この発明の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックスは、上記空気清浄機本体に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間と、上記空気清浄機本体の上記吸込口の一部とは、連通しているので、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に取り付けた状態で、空気清浄機本体の本来の機能は、損なわれることがない。しかも、上記清掃部材収納ボックスの上記内部空間には、取り出し可能なダストボックスが取り付けられ、このダストボックスは、上記清掃部材から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構を有するので、清掃部材収納ボックス内の空気中の塵埃を確実に除去でき、空気清浄機本体のフィルタの目詰まりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態の空気清浄機ユニットを示す斜視図である。
図2】清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体から取り外した状態を示す側面図である。
図3】空気清浄機ユニットの簡略断面図である。
図4】ダストボックスの分解斜視図である。
図5】他のダストボックスを示す簡略断面図である。
図6】係合機構を示す簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の一実施形態の空気清浄機ユニットを示す斜視図である。図1に示すように、この空気清浄機ユニットは、空気清浄機本体1と、この空気清浄機本体1に着脱可能に取り付けられる清掃部材収納ボックス2とを有する。
【0030】
上記空気清浄機本体1は、従来の空気清浄機と同様の構成を有しており、ケーシング10と、このケーシング10内に配置された(図示しない)ファンおよび(図3参照の)フィルタ15とを有する。
【0031】
上記ケーシング10には、前面下部の吸込口11aと、側面の吸込口11bと、上面の吹出口11cとが設けられている。ケーシング10の上部には、操作部12が設けられている。
【0032】
上記空気清浄機本体1は、上記操作部12の操作により、ファンが回転して、上記吸込口11a,11bから吸い込んだ空気を、上記フィルタ15を介して、上記吹出口11cから吹き出す。
【0033】
上記操作部12では、空気清浄機本体1の運転の開始または停止の操作のみならず、通常運転やターボ運転の切り換えの操作を行う。通常運転とは、通常の運転状態をいい、1つの運転状態に限らず、複数の運転状態、例えば、大中小の3つの運転状態を含んでいてもよい。ターボ運転とは、通常運転の吸込風量よりも吸込風量の多い運転状態をいう。
【0034】
上記清掃部材収納ボックス2は、この内部空間に、清掃部材の一例としてのモップ3を収納可能にする。清掃部材収納ボックス2は、この内部空間に収納されたモップ3から、モップ3に付着した塵埃を除去する。
【0035】
図2は、上記清掃部材収納ボックス2を上記空気清浄機本体1から取り外した状態を示す。図2に示すように、清掃部材収納ボックス2のケーシング20の側面には、上下のそれぞれに、磁石27が固定されている。上記空気清浄機本体1のケーシング10の側面には、上記磁石27に対応する位置に、金属板13が固定されている。
【0036】
そして、上記磁石27を上記金属板13に着脱することで、上記清掃部材収納ボックス2を上記空気清浄機本体1の側面に着脱する。これにより、簡単な構成で、清掃部材収納ボックス2を空気清浄機本体1に着脱できる。なお、磁石27と金属板13は、空気清浄機本体1に清掃部材収納ボックス2を取り付ける1つの取付部を構成する。
【0037】
上記清掃部材収納ボックス2のケーシング20の側面には、清掃部材収納ボックス2の内部空間に連通する接続口28が設けられている。この接続口28は、上下の磁石27,27の間に位置する。
【0038】
上記空気清浄機本体1のケーシング10の側面には、上記接続口28に対応する位置に、吸込口11dが設けられている。この吸込口11dは、上下の金属板13,13の間に位置する。なお、この吸込口11dは、例えば、従来の空気清浄機本体の側面の吸込口の一部を施蓋することによって、形成される。
【0039】
そして、上記清掃部材収納ボックス2が上記空気清浄機本体1に取り付けられた状態で、上記接続口28と上記吸込口11dとが接続されて、清掃部材収納ボックス2の内部空間と、空気清浄機本体1の吸込口の一部(吸込口11d)とは、連通する。
【0040】
このとき、上記清掃部材収納ボックス2の上記接続口28と、上記空気清浄機本体1の上記吸込口11dとは、上下の磁石27,27(上下の取付部)に挟まれる位置で、接続される。これにより、清掃部材収納ボックス2の接続口28と、空気清浄機本体1の吸込口11dとを、強固に接続できる。
【0041】
図3は、上記空気清浄機ユニットの簡略断面図を示す。図3に示すように、上記空気清浄機本体1において、上記接続口28に接続される上記吸込口11dは、最も上流側のフィルタ15の上流側に、連通される。
【0042】
上記空気清浄機本体1のケーシング10内には、プラズマ放電部16が設けられている。このプラズマ放電部16によって生成されたイオンは、イオン導管17を介して、フィルタ15の上流側に、供給される。このイオンによって、空気清浄機本体1内に吸い込まれた空気やフィルタ15等を、除菌する。
【0043】
上記清掃部材収納ボックス2は、このケーシング20内に、上から下へ順に、清掃部材挿入部21、塵埃除去部22およびダストボックス部23を備えている。清掃部材挿入部21、塵埃除去部22およびダストボックス部23によって、清掃部材収納ボックス2の内部空間を構成する。
【0044】
上記清掃部材挿入部21には、上から下へ順に、帯電体24と除電体25とが設置されている。清掃部材収納ボックス2内にモップ3を収納する場合、モップ3が、清掃部材挿入部21を通過して塵埃除去部22に挿入されるとき、このモップ3に帯電している静電気は、除電体25によって除電される。この結果、モップ3に吸着された塵や埃が落ち易くなり、塵埃除去部22において簡単に除去可能になる。
【0045】
一方、上記清掃部材収納ボックス2からモップ3を取り出す場合、モップ3が、清掃部材挿入部21を通過して外に取り出されるとき、このモップ3には、帯電体24によって静電気が帯電される。この結果、モップ3の吸着力が回復して、直ぐに掃除を始めることが可能になる。
【0046】
ここで、上記モップ3は、柄30と、この柄30に斜め先端方向に向かって取り付けられた穂31とを有する。この柄30は、ポリプロピレン等の樹脂で形成されている。この穂31は、ポリプロピレン等の帯電性を有する素材の網状繊維で形成されている。穂31には、上記帯電体24によって、静電気が帯電される。穂31の網状繊維同士の摩擦によっても、穂31を帯電させることができる。一方、上記除電体25によって、穂31に帯電している静電気が除電される。
【0047】
上記塵埃除去部22には、その内壁から略垂直方向に中央部に向かって延在する複数の櫛材26が設けられている。塵埃除去部22内にモップ3が挿入されると、モップ3の穂31の部分が櫛材26で梳かれて穂31の繊維に付着している塵や埃が掻き取られる。なお、塵埃除去部22に櫛材26を設けなくてもよく、塵埃除去部22の内壁を、除電性を有する摩擦抵抗の小さな材質で形成するようにしてもよい。
【0048】
上記ダストボックス部23には、ダストボックス40が収納されており、このダストボックス40内に、モップ3の穂31から掻き取られた塵や埃が落下して集められる。
【0049】
図3図4に示すように、上記ダストボックス40は、空気清浄機本体1の前方側へ、清掃部材収納ボックス2のケーシング20の内部空間から取り出し可能になっている。
【0050】
上記ダストボックス40は、箱本体42と、この箱本体42に取り付けられたプレフィルタ41とを有する。
【0051】
上記箱本体42は、清掃部材収納ボックス2のケーシング20の内部空間に連通する入口42aと、この入口42aよりも空気清浄機本体1の吸込口11d側に位置する出口42bとを有する。入口42aは、上記塵埃除去部22側に開口している。出口42bは、上記接続口28側に開口している。
【0052】
上記プレフィルタ41は、上記箱本体42の上記出口42bに取り付けられている。プレフィルタ41は、箱本体42の差込部42cに、取り外し可能に差し込まれている。プレフィルタ41は、箱本体42に固定するようにしてもよい。
【0053】
上記プレフィルタ41の網目の大きさは、例えば、上記空気清浄機本体1の上記フィルタ15の網目の大きさと同じかそれよりも大きく、このプレフィルタ41により、フィルタ15の網目の大きさよりも大きな塵埃を捕集できる。なお、このプレフィルタ41は、モップ3から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構の一例である。
【0054】
上記構成の空気清浄機ユニットの作用について説明する。
【0055】
図3図4に示すように、棚やソファー等の家具や床などの埃を、モップ3によって拭き取った後、このモップ3を清掃部材収納ボックス2に収納していく。すると、モップ3に付着している塵埃は、清掃部材収納ボックス2によって、除去される。
【0056】
このとき、上記空気清浄機本体1は、通常運転またはターボ運転を行っているとすると、空気清浄機本体1は、室内の空気を清浄すると同時に、モップ3に付着している塵埃や清掃部材収納ボックス2内の空気中の埃を除去する。図3中、白抜きの矢印は、空気の流れを示す。
【0057】
つまり、上記空気清浄機本体1では、室内の空気を、ファンの吸引力によって、吸込口11a,11bから吸い込んで、この空気中の塵埃を、フィルタ15によって除去すると共に、この空気を、プラズマ放電部16からのイオンによって除菌して、吹出口11cから排出する。
【0058】
同時に、上記清掃部材収納ボックス2内の空気を、ファンによって、清掃部材収納ボックス2側の吸込口11dから、フィルタ15の上流側に引き込む。こうして、清掃部材収納ボックス2からの空気中の埃を、フィルタ15によって除去する。また、この空気を、プラズマ放電部16からのイオンによって除菌して、吹出口11cから排出する。
【0059】
上記清掃部材収納ボックス2内の空気の流れは、清掃部材挿入部21内の帯電体24および除電体25の外側と、塵埃除去部22内のモップ3の穂31の外側と、ダストボックス部23内のダストボックス40内とを、順に通過する。
【0060】
上記ダストボックス40内では、空気は、箱本体42の入口42aから箱本体42内を通って箱本体42の出口42bから出る。このとき、箱本体42の出口42bには、プレフィルタ41が、取り付けられているので、清掃部材収納ボックス2内の大きな塵埃は、予め、プレフィルタ41により除去される。ダストボックス40内に溜まった塵埃は、ダストボックス40をケーシング20から取り出して、廃棄できる。
【0061】
上記構成の空気清浄機ユニットによれば、上記清掃部材収納ボックス2は、上記空気清浄機本体1に、取り付けられて、上記清掃部材収納ボックス2の上記内部空間と、上記空気清浄機本体1の上記吸込口の一部(吸込口11d)とは、連通している。これにより、空気清浄機本体1に清掃部材収納ボックス2を取り付けた状態で、空気清浄機本体1は、その吸込口の一部(吸込口11d)から、清掃部材収納ボックス2の内部空間の塵埃を吸引すると同時に、その吸引口の他部(吸込口11a,11b)から、室内の空気を吸引することができる。このように、空気清浄機本体1に清掃部材収納ボックス2を取り付けても、空気清浄機本体1の室内の空気を清浄するという本来の機能は、損なわれない。言い換えると、清掃部材収納ボックス2内の塵埃を吸引させるために、空気清浄機本体1による室内の空気の清浄を一旦止めなくてもよく、室内の空気の清浄を行ったまま、清掃部材収納ボックス2内の塵埃を吸引できる。
【0062】
また、上記清掃部材収納ボックス2の上記内部空間には、取り出し可能なダストボックス40が取り付けられ、このダストボックス40は、モップ3から離脱した塵埃を捕集するプレフィルタ41(塵埃捕集機構)を有する。これによって、清掃部材収納ボックス2内の大きな塵埃を、ダストボックス40により、予め捕集してから、清掃部材収納ボックス2内の小さな塵埃(ダニや花粉など)を、空気清浄機本体1により、捕集する。そして、ダストボックス40内に溜まった塵埃は、ダストボックス40を取り出して、廃棄できる。
【0063】
この結果、清掃部材収納ボックス2内の空気中の塵埃を確実に除去できる。また、清掃部材収納ボックス2内の大きな塵埃による、空気清浄機本体1のフィルタ15の目詰まりを、防止できる。
【0064】
したがって、清掃部材収納ボックス2を空気清浄機本体1に取り付けた状態で、空気清浄機本体1の本来の機能は、損なわれることがなく、しかも、清掃部材収納ボックス2内の空気中の塵埃を確実に除去でき、空気清浄機本体1のフィルタ15の目詰まりを防止できる。
【0065】
また、上記清掃部材収納ボックス2は、上記空気清浄機本体1に、着脱可能に取り付けられているので、清掃部材収納ボックス2の空気清浄機本体1への取り付け状態、または、清掃部材収納ボックス2の空気清浄機本体1からの取り外し状態の何れの状態でも、清掃部材収納ボックス2を使用できる。例えば、清掃部材収納ボックス2を、空気清浄機本体1から取り外すことで、清掃部材収納ボックス2を、所望の場所に持ち運んで使用することができる。一方、清掃部材収納ボックス2を、空気清浄機本体1に取り付けておくことで、清掃部材収納ボックス2を見失うことがない。
【0066】
(第2の実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態の空気清浄機ユニットを示すブロック図である。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、ダストボックスの構成が相違する。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0067】
図5に示すように、ダストボックス40Aは、入口42aおよび出口42bを有する箱本体42Aを備える。入口42aおよび出口42bは、上記第1実施形態で説明しているため、その説明を省略する。
【0068】
上記箱本体42Aの底部には、上記出口42bよりも底面側(下側)に位置する塵埃溜まり部42dが設けられている。つまり、出口42bの下端面を、箱本体42Aの底面よりも、上側に設け、出口42bの下端面と、箱本体42Aの底面との間に、塵埃溜まり部42dを形成する。
【0069】
これにより、清掃部材収納ボックス2内の空気が、箱本体42Aの入口42aから箱本体42A内を通って箱本体42Aの出口42bから出るとき、清掃部材収納ボックス2内の大きな塵埃は、その自重により、塵埃溜まり部42dに留まって、出口42bから排出されない。
【0070】
上記塵埃溜まり部42dは、例えば、上記空気清浄機本体1のフィルタ15の網目の大きさよりも大きな塵埃を捕集するように、設定される。この塵埃溜まり部42dは、モップ3から離脱した塵埃を捕集する塵埃捕集機構の一例である。
【0071】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第1、上記第2の実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。また、清掃部材として、モップ以外に、ハタキなどであってもよい。
【0072】
上記第1の実施形態において、清掃部材収納ボックスを、磁石を介して、空気清浄機本体に着脱可能に取り付けていたが、図6に示すように、清掃部材収納ボックス2を、係合機構60を介して、空気清浄機本体1に着脱可能に取り付けるようにしてもよい。なお、係合機構60は、空気清浄機本体1に清掃部材収納ボックス2を取り付ける1つの取付部を構成する。
【0073】
上記係合機構60としては、互いに係合可能な凹部61および凸部62を有し、この凹部61を、空気清浄機本体1のケーシング10に設け、この凸部62を、清掃部材収納ボックス2のケーシング20に設ける。これによって、簡単な構成で、清掃部材収納ボックス2を空気清浄機本体1に着脱できる。
【0074】
なお、上記凹部61を、清掃部材収納ボックス2のケーシング20に設け、上記凸部62を、空気清浄機本体1のケーシング10に設けるようにしてもよい。
【0075】
上記実施形態では、塵埃捕集機構として、プレフィルタまたは塵埃溜まり部を用いたが、これらを併用してもよく、または、その他の構造であってもよい。
【0076】
上記実施形態では、取付部として、着脱可能な磁石や係合機構を用いたが、空気清浄機本体に清掃部材収納ボックスを固定するような構造であってもよい。
【0077】
また、清掃部材収納ボックスを空気清浄機本体に取り付けたときや、清掃部材収納ボックスにモップを収納したときに、センサなどによって、空気清浄機本体のターボ運転を開始するようにしてもよい。これによって、モップに付着した塵埃や清掃部材収納ボックス内の塵埃を、迅速に除去できる。
【0078】
また、上記実施形態では、空気清浄機本体として、プラズマ放電部を設けたが、プラズマ放電部を設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 空気清浄機本体
10 ケーシング
11a (前面下部の)吸込口
11b (側面の)吸込口
11c (上面の)吹出口
11d (清掃部材収納ボックス側の)吸込口
12 操作部
13 金属板(取付部)
15 フィルタ
16 プラズマ放電部
17 イオン導管
2 清掃部材収納ボックス
20 ケーシング
21 清掃部材挿入部
22 塵埃除去部
23 ダストボックス部
24 帯電体
25 除電体
26 櫛材
27 磁石(取付部)
28 接続口
3 モップ(清掃部材)
30 柄
31 穂
40,40A ダストボックス
41 プレフィルタ(塵埃捕集機構)
42,42A 箱本体
42a 入口
42b 出口
42c 差込部
42d 塵埃溜まり部(塵埃捕集機構)
60 係合機構
61 凹部
62 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6