(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モニタリング動作は、撮像素子により逐次撮像して得られるRAW画像から表示用のライブビュー画像を生成して表示手段に逐次表示するライブビュー表示処理と、このライブビュー表示処理の実行中に、撮影が指示されたか否かを逐次判断する撮影指示判断処理とを含み、
前記現像手段は、前記撮影指示判断処理により撮影が指示されたと判断された際に、撮像素子により撮像されるRAW画像から記録用の記録画像を生成する現像処理を開始し、
前記撮影指示判断処理は、前記現像手段による前記現像処理の実行中も継続して実行されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
前記現像手段は、前記現像手段による前記現像処理の実行中に前記撮影指示判断処理により新たな撮影が指示されたと判断された場合は、撮像素子により新たに撮像されるRAW画像を現像処理の待ち状態とし、実行中の現像処理が完了した後に待ち状態となっているRAW画像の現像処理を開始することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
前記表示制御手段は、現像処理が完了した現像済みの撮影画像を所定のサイズに縮小し、その縮小画像を前記現像完了画像としてライブビュー画像と共に表示することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
前記表示制御手段は、前記現像完了画像の表示を開始してから一定時間が経過するまでその現像完了画像の表示を継続し、一定時間が経過した際に、現像完了画像が徐々に消えるようにその現像完了画像の表示を制御することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
前記表示制御手段は、複数の撮影画像の各々に対する現像の処理状態をライブビュー画像と共に並列的に表示することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の撮像装置。
前記現像手段による現像処理中に次の撮影が指示された際に、その指示に応じて撮影された撮影画像を前記現像手段による現像処理を待つ現像待ち画像として一時記憶する一時記憶手段を更に備え、
前記現像手段は、前記一時記憶手段に複数の現像待ち画像が記憶されている状態において現在実行中の現像処理が完了した際に、前記一時記憶手段に記憶されている複数の現像待ち画像を、その撮影順序の早い順に現像待ち画像を順次読み出して現像処理を行い、
前記判別手段によって現像待ち画像の現像処理が完了したことが判別される毎に、その現像完了画像をライブビュー画像と共に順次切替表示することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
前記現像未完了画像がライブビュー画像と共に表示されている状態において、その現像未完了画像の削除がユーザ操作により指示された場合に、現像処理の待ち状態の撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を取消し、現像処理の実行中の撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を中断する現像制御手段を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
前記現像完了画像がライブビュー画像と共に表示されている状態において、その現像完了画像の削除がユーザ操作により指示された場合に、その現像完了画像に対応する現像済み撮影画像の記録を削除する記録制御手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
前記判別手段は、現像の処理状態として現像処理が完了したか否かを判別する際に、現在の状態が現像処理の開始待ち状態であれば、又は現像処理の実行中であれば、現像処理が完了していないと判別し、
画像を撮影する撮影モードと画像を再生する再生モードを切替るモード切替手段と、
前記モード切替手段によって撮影モードから再生モードに切替られた際に、前記判別手段によって現像処理が完了していないと判別された場合には、現在の状態が現像処理の開始待ち状態又は現像処理の実行中状態であることを示す情報を、再生画面に表示する再生手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
先ず、
図1〜
図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、撮像装置として適用したデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図である。このデジタルカメラは、基本的な撮像機能、連続撮影機能(連写機能)、計時機能、撮影画像を現像する現像処理を行う現像機能などを備え、静止画像のほかに動画像の撮影も可能なコンパクトカメラである。
【0014】
制御部1は、電源部(二次電池)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのデジタルカメラの全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する
図3及び
図4に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ3Aを有している。
【0015】
更に、記憶部3は、撮像された撮影データを一時記憶する複数個のバッファ(本実施形態においては5個)のバッファを備えたバッファメモリ3Bと、このカメラが動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグなど)を一時的に記憶するその他のワークメモリ3Cなどを有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0016】
操作部4は、図示省略したが、撮影が可能な動作モード(撮影モード)と、撮影済み画像(保存画像)を再生する動作モード(再生モード)とを切り換えるモード変更ボタンと、撮影開始を指示するレリーズボタンのほかに、露出やシャッタスピードなどの撮影条件の設定操作、再生対象を選択する画像選択操作などを行う押しボタン式の各種のキーを備えたもので、制御部1は、この操作部4からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、モード変更処理、撮影処理、撮影条件の設定、画像選択処理などを行う。
【0017】
撮像部5は、図示省略したが、光学レンズからの被写体像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能なカメラ部を構成するもので、撮像素子によって光電変換された画像信号(アナログ値の信号)は、デジタル値のデータに変換されてRAW(Bayerパターン)画像としてバッファメモリ3Bに一時記憶される。なお、撮像部5は、制御部1の制御下で、オートフォーカス処理(AF処理)、露出調整処理(AE処理)、オートホワイトバランス調整処理(AWB)、画像圧縮処理、画像復元処理なども実行可能となっている。RAW画像は、例えば、12ビット(4096階調)で表現されたデータで、
図2に示すように、バッファメモリ3B内に備えられている5個のバッファ(1)〜(5)の中から現在空いているバッファに一時記憶される。
【0018】
このようにバッファメモリ3B内に一時記憶された現像待ち画像、つまり、現像待ちのRAW画像に対して現像処理部6は、例えば、データ補間(デモザイク)を行ったり、カラー変換したり、ホワイトバランスやシャープネスなどを調整したりする現像処理を行う。現像処理部6は、制御部1とは別個にCPUや現像処理プログラムなどが格納されているメモリを備えた構成で、現像の処理状態として、1画像毎にその現像処理が完了したか否かを判別するようにしている。また、現像処理部6は、撮影シーンに応じた複数の撮影モード種(例えば、夜景モード、アート変換モードなど)の中から任意の撮影モード種が選択された際に、その撮影モード種に対応付けられている種類の現像処理を実行するようにしている。すなわち、本実施例では、撮影モード種毎にそれに適した処理内容の現像処理が設定されており、この複数種の現像処理の中から選択された撮影モード種に応じた種類の現像処理を実行するようにしている。ここで、夜景モードに対応する現像処理は、フラッシュ光が届く人物などの前景部分とフラッシュ光が届かない背景部分に対して別々の明るさ補正やホワイトバランス調整を施すような現像処理であり、アート変換モードに対応する現像処理は、撮影画像を絵画調に変換したり、多重合成によりダイナミックレンジを広げたりするような現像処理である。つまり、通常の現像処理が被写体の状態をそのまま再現しようとするのに対して、これらの特殊な現像処理は、通常の撮影画像に対して更に特殊効果を与えるような現像を行うものであり、通常の現像処理と比較して長い処理時間が必要となる。
【0019】
現像処理部6は、制御部1からの現像依頼を受けた際にバッファメモリ3B内の現像待ちのRAW画像を読み出してその現像処理を行う。すなわち、バッファメモリ3B内に複数の現像待ち画像が記憶されている状態において現在実行中の現像処理が完了した際に、現像処理が完了したことを制御部1に通知すると共に、バッファメモリ3B内の複数の現像待ち画像の中からその撮影順序の早い順に次の現像待ち画像を読み出して現像処理を行う。なお、
図2の例において5個のバッファ(1)〜(5)の並びは、撮影順序の早い順となっている。
【0020】
この現像処理部6から現像処理の完了通知を受け取った制御部1は、現像処理部6からその現像済みの撮影画像を取得して、現像処理が完了したことを示す現像完了画像を生成し、この現像完了画像をタッチ表示部7に表示されているライブビュー画像の一部に合成して表示するようにしている。すなわち、制御部1は、現像処理が完了した現像済みの撮影画像を所定のサイズに縮小し、その縮小画像を現像完了画像としてライブビュー画像の一部に表示するようにしているが、その際、現像完了画像(静止画像)が動きを伴うようにその現像完了画像のアニメーション動作を制御するようにしている。例えば、現像完了画像が跳ね上がるように出現させた後、その現像完了画像を静止させて一定時間が経過するまでその現像完了画像の表示を継続するようにしている。そして、現像済みの撮影画像に対して圧縮処理などを行った後、記憶部3の記録メディア(例えば、SDカード)に記録保存する。
【0021】
タッチ表示部7は、表示パネル7aにタッチパネル7bを積層配設した構成で、表示パネル7aは、高精細液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで、撮像されたライブビュー画像を表示するモニタ画面として機能したり、撮影済み画像を再生する再生画面として機能したりする。タッチパネル7bは、撮影者の指などでタッチ操作された位置を検知してその座標データを入力するタッチスクリーンを構成するもので、タッチ操作とは、接触操作に限らず、その接触操作に近似する操作として、例えば、指やペンの接近や接近移動による静電容量変化又は明るさ変化などに応じて指やペンの位置を検出する非接触操作を含むことを意味している。
【0022】
次に、第1実施形態におけるデジタルカメラの動作概念を
図3及び
図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0023】
図3は、デジタルカメラの全体動作(メイン処理)の特徴部分における動作概要を示したフローチャートであり、電源投入に応じて実行開始される。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じてメモリなどをクリアする初期化処理などを実行した後、動作モードは撮影モードであるかを調べ(ステップA1)。ここで、電源投入直後では撮影モードになるようにしているため(ステップA1でYES)、モニタ表示の更新周期到来か、つまり、ライブビュー画像を表示しながら撮影指示を待機するモニタリング動作を所定周期毎に実行するための実行タイミングに到来したかを調べたり(ステップA2)、操作部4のレリーズボタンが操作されて撮影が指示されたかを調べたりする(ステップA10)。モニタ表示の更新周期は、画面のちらつきを抑えるため、例えば1/30秒程度に設定されている。
【0024】
いま、モニタ表示の更新周期の到来を検出したときには(ステップA2でYES)、撮像部5の撮像素子からライブビュー画像を取得する(ステップA3)。そして、現像処理部6から現像完了の通知を受けたかを調べたり(ステップA4)、現像完了画像のアニメーション表示中かを調べたりするが(ステップA11)、電源直後では、ステップA4及びステップA11でNOと判断されるので、ステップA9に移り、上述のライブビュー画像をタッチ表示部7のモニタ画面に表示する。このようにモニタ表示の更新周期の到来を検出する毎に(ステップA2でYES)、ライブビュー画像を更新してモニタ表示する動作を繰り返す。
図5は、ライブビュー画像が表示されるモニタ画面の表示内容が現像の処理状態などに応じて変化する様子を時系列的に示した図である。
図5(1)は、ライブビュー画像として被写体(歩行中の幼児)を撮影した場合の表示例を示している。
【0025】
いま、操作部4のレリーズボタンが操作されて撮影が指示されたときには(ステップA10でYES)、撮像部5から記録用としての撮影画像(本撮影画像)を取得し(ステップA14)、この本撮影画像を現像処理部6に送ってその現像依頼を行う(ステップA15)。その後、撮影が行われたことを示す画像として黒画面を表示し(ステップA16)、この黒画面表示を所定時間(例えば、1秒)が経過するまで継続する(ステップA16、A17)。その後、最初のステップA1に戻る。
図5(2)は、撮影直後におけるモニタ画面(黒画面)を示している。この黒画面の表示は、撮影が行われたことを示すための表示であると共に、撮像素子の撮像モードをプレビュー画像の撮影モードから本画像の撮影モードに一時的に切替ることにより、プレビュー画像の取得及び更新ができない期間の代替表示を兼ねており、黒画面でなくともシャッター幕が開閉する様子を示すアニメーション表示などであってもよい。本撮影によりライブビュー画像の更新は一時的に中断されるが、モニタリング動作は継続的に実行される。
【0026】
図4は、現像処理部6の動作を示したフローチャートである。
先ず、現像処理部6は、制御部1から新たな現像依頼を受け取ったかを調べ(ステップB1)、新たな現像依頼を受け取ったときには(ステップB21でYES)、
図2に示すバッファメモリ3B内の空いているバッファに、現像依頼された本撮影画像を格納して現像待ち状態とする(ステップB2)。次に、現在実行中の1画像分の現像処理が完了したかを調べ(ステップB3)、現像完了を検出したときには(ステップB3でYES)、制御部1に対して現像完了を通知する(ステップB4)。この現像完了通知は、1画像分の現像が完了したタイミングで行われる。
【0027】
次に、ステップB5に移り、現在現像中の画像が有るか(現像中)であるかを調べ、現像中であれば(ステップB5でYES)、最初のステップB1に戻るが、現像中でなければ(ステップB5でNO)、バッファメモリ3B内に現像待ち画像が残っているかを調べる(ステップB6)。いま、現像待ち画像が無ければ(ステップB6でNO)、最初のステップB1に戻るが、現像待ち画像が残っていれば(ステップB6でYES)、バッファメモリ3Bから次に現像する画像として、撮影順序の早い順にその一つの画像を選択し(ステップB7)、その選択した画像の現像処理を開始する(ステップB8)。
【0028】
この場合、本実施形態では撮影モード種毎にそれに適した処理内容の現像処理が設定されているので、この複数種の現像処理の中から選択された撮影モード種に応じた種類の現像処理を開始するようにしている。このようにして現像を開始した後、最初のステップB1に戻り、以下、同様の動作を繰り返す。ここで、撮影モード種に応じた種類の現像処理が完了すると、その現像完了の通知を行うが(ステップB4)、その際、撮影モード種に応じて実行した現像処理の種類(例えば、アート変換など)を合わせて通知するようにしている。
【0029】
一方、制御部1は、現像処理部6から現像完了の通知を受けたときには(
図3のステップA4でYES)、現像処理部6から現像済みの本撮影画像を現像処理部6から取得して圧縮処理などを施した後、記憶部3の記録メディア(例えば、SDカード)に記録保存する(ステップA5)。以降、現像処理が完了したことを示す現像完了画像を生成してライブビュー画像の一部に合成し、この現像完了画像付きのライブビュー画像をモニタ画面に所定時間継続して表示する処理に移る(ステップA6〜A13)。この表示処理ではバッファメモリ3B内の複数の現像待ち画像を順次現像処理する毎に、その現像完了画像をモニタ画面に一つずつ逐次切替表示するようにしている。
【0030】
すなわち、制御部1は、先ず、現像完了画像のアニメーション動作を初期段階(ステップA6)とした後、現在のアニメーション動作の段階に対応する表示位置及びサイズの現像完了画像を生成し(ステップA7)、この現像完了画像をライブビュー画像の一部に合成し(ステップA8)、この現像完了画像付きのライブビュー画像をモニタ画面に表示する(ステップA9)。ここで、前回の現像完了画像が継続表示されている状態において、今回新たな現像完了画像を生成したときには、前回の現像完了画像に代わって、その表示位置に今回の現像完了画像を切替表示するようにしている。次に、撮影が指示されたかを調べ(ステップA10)、撮影指示がなければ(ステップA10でNO)、最初のステップA1に戻る。
【0031】
このようにライブビュー画像の一部に現像完了画像を合成してモニタ画面に表示させると、ステップA11でアニメーション表示中であると判断してステップA12に移り、そのアニメーション動作の段階を次の段階に進める。以下、アニメーション動作の終了ミングを検出するまで(ステップA13でNO)、上述のステップA7に移り、現在のアニメーション動作の段階に対応する表示位置及びサイズの現像完了画像を生成し、この現像完了画像をライブビュー画像の一部に合成し(ステップA8)、この現像完了画像付きのライブビュー画像をモニタ画面に表示する処理(ステップA9)を繰り返す。ここで、上述したように現像完了の通知に現像処理の種類が含まれている場合には、その種類を示す文字列(例えば、アート変換など)を現像完了画像の近辺に表示するようにしている。なお、現像処理の種類を文字列表示する場合に限らず、色、図形などで識別表示するようにしてもよく、また、その表示位置も任意である。
【0032】
図6(1)は、現像完了画像のアニメーション動作を説明するための図である。
制御部1は、記録用の本撮影画像を所定サイズ(例えば、略1/16サイズ)に縮小した後に、モニタ画面の下から跳ね上がるようなアニメーション動作でこの縮小画像(現像完了画像)を出現させる。すなわち、大きな山(上に凸の放物線)を描くように現像完了画像を跳ね上げた後、小さな山(上に凸の放物線)を連続的に描くように現像完了画像を跳ね上げるアニメーション動作を行いながら現像完了画像を出現させる。
【0033】
その後、現像完了画像をモニタ画面の右下部の位置で所定時間(例えば、8秒間)静止させた後、モニタ画面の下方向に順次にスライド移動させながら徐々に消去させる。このように制御部1は、現像完了画像の一連のアニメーション動作を制御する。
図5(3)は、モニタ画面の右下部の位置に静止表示中の現像完了画像を示した図で、この現像完了画像を矩形の太枠(例えば、黒枠又は赤枠など)の中に収めることでライブビュー画像と識別するようにしている。
図5(4)は、モニタ画面の右下位置から現像完了画像をスライド移動させながら消去させた状態のモニタ画面(ライブビュー画像)を示している。
【0034】
図6(2)は、現像完了画像の他のアニメーション動作を示した図である。
このアニメーション動作は、点状態の現像完了画像を出現させた後に、その表示位置を徐々に移動させながらそれを拡大してゆき、モニタ画面の右下部の位置に到来すると、その位置で所定時間静止させた後、その現像完了画像を下方向に順次にスライド移動させながら徐々に消去させる動作である。なお、本実施形態においては、
図6(1)に示したアニメーション動作を使用するか、
図6(2)に示したアニメーション動作を使用するかをユーザ操作により任意に選択可能としている。
【0035】
他方、撮影モードが解除されたときには(ステップA1でNO)、つまり、再生モードに切替られたときには、再生処理に移る(ステップA18)。ここで、現像処理6は、現像の処理状態として、現像処理が完了したか否かを判別する際に現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中であれば、現像処理が完了していないと判別する。制御部1は、撮影モードから再生モードに切替られた際に、通常は直前(最後)に撮影された撮影画像を再生表示するが、現像処理6によって直前(最後)に撮影された撮影画像の現像処理が完了していないと判別されると、現像待ち又は現像中を示す文字列データを再生画面に表示するようにしている。
【0036】
図7(1)は、撮影モードから再生モードに切替られた際に現像処理が完了していないときの再生画面を示した図である。このように再生画面には現像の処理状態に応じて現像中又は現像待の文字列が表示される。この状態において制御部1は、現像処理6からその現像完了の通知を受け取ると、現像中又は現像待の文字列に代わって、現像済みの本撮影画像を再生画面に切替表示するようにしている。なお、
図7(1)の表示状態で戻しボタン(図示省略)が操作された場合の再生画面を示し、戻しボタンが操作される毎に1つ前の(前回の)記録画像(現像済みの本撮影画像)に再生画面の内容が切替られる。また、送るボタンが操作される毎に1つ後の記録画像に再生画面の内容が切替られる。戻しボタン又は送るボタンの操作に応じて再生しようとする画像が現像待ちである場合には、撮影画像の代わりに現像待ち又は現像中を示す文字列データを再生画面に表示する。ここで、再生モードが解除されると(ステップA19でYES)、最初のステップA1に戻る。
【0037】
以上のように、第1実施形態においてデジタルカメラは、ライブビュー画像を表示しながら撮影指示を待機するモニタリング動作中に撮影が指示された際に、その撮影指示に応じて撮影された撮影画像を現像処理し、この現像処理に並行して継続的に実行されているモニタリング動作により表示されているライブビュー画像の一部に、現像の処理状態を表示するようにしたので、適切な撮影を支援するための撮影支援として、現像の処理状態に応じた支援を実現することができる。すなわち、撮影者はモニタ画面に表示されているライブビュー画像を見ながら次の撮影を指示する際に、例えば、前の現像処理が完了した時点で撮影を指示したり、連写の速度を制限したり、撮り直しを行ったり、撮影条件を微調整したりすることができ、RAW画像(現像待ち画像)によるバッファメモリのフル状態を適切に回避したり、適切な撮影が可能となったりすることが可能となる。
【0038】
制御部1は、現像処理が完了した際に、現像処理が完了したことを示す現像完了画像をライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、撮影者は現像が完了したタイミングをモニタ画面で画像として知ることができる。
【0039】
制御部1は、現像処理が完了した現像済みの撮影画像を所定のサイズに縮小し、その縮小画像を現像完了画像としてライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、撮影者は構図、ポーズ、白飛びの発生、黒潰れの発生など、被写体の写り具合を具体的に知ることができる。
【0040】
制御部1は、現像完了画像が動きを伴って出現するようにその現像完了画像の表示を制御するようにしたので、撮影者は現像完了画像の表示開始のタイミング(現像処理の完了タイミング)を容易に確認することが可能となる。
【0041】
制御部1は、現像完了画像の表示を開始してから一定時間が経過するまでその現像完了画像の表示を継続するようにしたので、被写体の写り具合などを確認した後に不要となる現像完了画像を消去することができる。
【0042】
制御部1は、現像完了画像の表示を開始してから一定時間が経過した際に、現像完了画像が徐々に消えるようにその現像完了画像の表示を制御するようにしたので、撮影者は現像完了画像が徐々に消えるまでの間においても被写体の写り具合などを確認することができる。
【0043】
撮影シーンに応じた撮影モード種毎にそれに適した処理内容の現像処理が設定されている状態において、制御部1は、その複数種の現像処理の中から任意に選択された撮影モード種に応じた種類の現像処理を実行し、その現像処理が完了した際に、その種類の現像処理が完了したことを示す現像完了画像をライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、どのような種類の現像が完了したのかを適切に知らせることができる。
制御部1は、撮影画像に対して特殊効果を与える特殊な現像処理を行い、現像処理が完了した現像済みの撮影画像を所定のサイズに縮小し、その縮小画像を現像完了画像としてライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、撮影者は特殊な現像処理が撮影画像に与える特殊効果を具体的に知ることができる。
【0044】
制御部1は、現像処理が完了する前の現像処理中に次の撮影が指示された際に、その指示に応じて撮影された撮影画像をバッファメモリ3Bに現像待ち画像として一時記憶させている状態において、現在実行中の現像処理が完了した際に、バッファメモリ3Bに記憶されている複数の現像待ち画像の中からその撮影順序の早い順に現像待ち画像を順次読み出して現像処理を行うようにしたので、現像処理中に次々に撮影指示を受け付けた場合でも現像の処理状態をその撮影順に逐次知らせることができる。
【0045】
制御部1は、撮影モードから再生モードに切替られた際に現像待ち又は現像中であれば、その状態を再生画面に表示するようにしたので、誤操作を防ぐ上で有効なものとなる。すなわち、例えば、現像待ち又は現像中に再生モードに切替られた際に何も表示されないと、操作ミスであると誤解して撮影モードに戻したり、次の画像を再生させるための送りボタンを操作したりするが、再生画面に現像待ち又は現像中を表示することによって、このような誤操作を防ぐことができる。
【0046】
なお、上述した第1実施形態においては、一つの撮影画像に対して一つの現像処理を行うようにしたが、一つの撮影画像に対して処理内容の異なる複数種の現像処理を並行して行うようにしてもよい。例えば、撮影モード種として、明暗差の異なる複数枚の画像を高速で合成して絵画のような画像を得るHDR(High Dynamic Range)アート変換モードが選択された場合には、複数種の現像処理を並行して実行して明暗差の異なる複数枚の画像を得ると共に、その画像毎にその現像の処理状態を時系列的に表示するようにしてもよい。これによって撮影者はアート変換の様子を時系列に知ることができ、次の撮影を行う際の参考とすることができる。
【0047】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について
図8〜
図12を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、バッファメモリ3B内の複数の現像待ち画像を順次現像処理する毎にその現像の処理状態を示す画像(現像完了画像)をモニタ画面に逐次切替表示するようにしたが、この第2実施形態においては、撮影画像毎にその現像処理の状態を示す画像(現像完了画像、現像未完了画像)をモニタ画面に並列して表示するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0048】
図8は、第2実施形態において、ライブビュー画像が表示されるモニタ画面の表示例を示し、撮影指示された場合や現像処理が完了した場合でのモニタ画面を時系列的に示した図である。
図8(1)は、ライブビュー画像として被写体(歩行中の幼児)を撮影した場合の表示例を示し、
図8(2)は、1枚目の撮影を指示した後の黒画面(モニタ画面)を示している。
図8(3)は、1枚目の撮影直後のモニタ画面を示し、今回撮影された画像に対する現像処理が完了していない場合に、その旨を示す画像として現像未完了画像を生成して、ライブビュー画像の一部に表示した場合である。この第2実施形態の現像未完了画像は、予め用意されている所定の画像であり、矩形太枠(例えば、黒枠又は赤枠など)の中に現像処理が完了していないことを示す文字列“WAIT”を挿入した構成となっている。
【0049】
図8(4)は、2枚目の撮影を指示した後の黒画面(モニタ画面)を示している。
図8(5)は、2枚目の撮影を行った直後のモニタ画面を示し、今回撮影された画像に対する現像処理が完了していないことを示す現像未完了画像(WAIT画像)をライブビュー画像の一部に他の現像未完了画像と共に並列表示した場合を示している。なお、図示の例において左端のWAIT画像が1枚目の撮影の現像未完了画像を示し、その右隣のWAIT画像が2枚目の撮影の現像未完了画像を示し、それらはモニタ画面の左下部から横方向に並列表示されている。
【0050】
図8(6)は、1枚目の撮影画像に対する現像処理が完了した場合のモニタ画面を示し、1枚目の撮影の現像未完了画像(WAIT画像)は、その現像処理の完了に応じて現像完了画像に切替表示される。
図8(7)は、2枚目の撮影画像に対する現像処理が完了した場合のモニタ画面を示し、2枚目の撮影の現像未完了画像(WAIT画像)は、その現像処理の完了に応じて現像完了画像に切替表示される。図示の例では、1枚目及び2枚目とも現像完了画像に切替られた場合であり、第1実施形態と同様に、それらは所定時間継続して表示される。
【0051】
図9及び
図10は、第2実施形態においてデジタルカメラの全体動作(メイン処理)における特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、電源投入に応じて実行開始される。なお、
図9及び
図10において
図3のフローチャートと同様の部分については、その説明を簡単に行うものとする。
先ず、制御部1は、撮影モードにおいて(ステップC1でYES)、モニタ表示の更新周期の到来を検出したときには(ステップC2でYES)、撮像部5の撮像素子からライブビュー画像を取得し(ステップC3)、
図8(1)に示すようにタッチ表示部7にモニタ画面として表示する(ステップC8)。そして、モニタ表示の更新周期の到来を検出する毎に(ステップC2でYES)、現像処理部6から現像処理が完了していない未完了通知を受けたかを調べたり(ステップC4)、現像完了通知を受けたかを調べたりする(ステップC9)。
【0052】
図11は、第2実施形態において現像処理部6の動作を示したフローチャートである。なお、
図11において
図4のフローチャートと同様の部分については、その説明を簡単に行うものとする。
先ず、現像処理部6は、制御部1から新たな現像依頼を受け取ったときには(ステップD1でYES)、
図2に示すバッファメモリ3B内の空いているバッファに、現像依頼された本撮影画像を格納して現像待ち状態(ステップD2)とした後、制御部1に現像未完了の通知を行う(ステップD3)。また、現在実行中の現像が完了したときには(ステップD4でYES)、制御部1に現像完了通知を行う(ステップD5)。そして、現像中ではなく(ステップD6でNO)、かつ、現像待ちの画像が残っているときには(ステップD7でYES)、撮影順序にしたがって次の画像を現像対象として選択して(ステップD8)、その画像に対する現像処理を開始する(ステップD9)。
【0053】
一方、制御部1は、現像処理部6から現像未完了の通知を受けたときには(
図9のステップC4でYES)、新たな現像未完了画像をライブビュー画像の一部(例えば、左端部の位置)に現像未完了画像(WAIT画像)を合成する(ステップC5)。そして、現像状態を示す他の画像(現像未完了画像又は現像完了画像)が表示対象となっているかを調べ(ステップC6)、表示対象となっていれば(ステップC6でYES)、その現像未完了画像又は現像完了画像をライブビュー画像の一部に今回の新たな現像未完了画像に並列させて合成する(ステップC7)。そして、この現像未完了画像又は現像完了画像付きのライブビュー画像をモニタ画面に表示する(ステップC8)。これによって例えば、
図8(5)に示すようなモニタ画面が表示される。
【0054】
また、制御部1は、現像処理部6から現像完了の通知を受けたときには(ステップC9でYES)、現像処理部6から現像済みの本撮影画像を現像処理部6から取得し、圧縮処理などを施して記録メディアに記録する(ステップC10)。そして、現像処理が完了したことを示す現像完了画像を生成し(ステップC11)、ライブビュー画像内の対応する現像未完了画像に代えて、その位置に現像完了画像を合成して(ステップC12)、モニタ画面に表示する(ステップC8)。
【0055】
そして、操作部4のレリーズボタンが操作されて撮影が指示されたかを調べたり(
図10のステップC15)、ライブビュー画像内に所定時間表示済みの現像完了画像が存在しているかを調べたり(ステップC20)、モニタ画面内の表示されている現像の処理状態を示す画像(現像未完了画像又は現像完了画像)に対してその削除を指示する操作が行われたかを調べる(ステップC22)。いま、撮影が指示されたときには(ステップC15でYES)、
図3の場合と同様に、記録用の本撮影画像を取得して(ステップC16)、この本撮影画像に対する現像依頼(ステップC17)を行った後、モニタ画面に黒画面を所定時間継続して表示させた後(ステップC18)、
図9の最初のステップC1に戻る。
【0056】
また、ライブビュー画像内に所定時間表示済みの現像完了画像が存在しているときには(ステップC20でYES)、その該当画像をモニタ画面から消去する処理(ステップC21)を行った後、
図9の最初のステップC1に戻る。また、モニタ画面内にライブビュー画像の一部として表示中の現像の処理状態を示す画像(現像未完了画像又は現像完了画像)に対して削除指示が行われたときには(ステップC22でYES)、その画像を削除する処理に移る(ステップC23〜C26)。
図12は、現像の処理状態を示す画像(現像未完了画像又は現像完了画像)に対して削除を指示する操作が行われた状態を示した図である。
【0057】
すなわち、
図12は、ライブビュー画像の一部に現像の処理状態を示す画像(例えば、現像未完了画像又は現像完了画像)が複数(図示の例では4つ)表示されているモニタ画面において、左から1番目の現像完了画像と3番目の現像未完了画像の表示位置に指でタッチ操作(例えば、ダブルタップ操作)された場合を示し、制御部1は、そのタッチ操作が行われた画像に対して削除が指示されたものと認識するようにしている。このように表示中の現像未完了画像又は現像完了画像に対してその削除を指示する操作が行われたときには(ステップC22でYES)、現像完了画像に対する削除指示操作であるかを調べる(ステップC23)。
【0058】
いま、現像完了画像への削除指示操作であれば(ステップC23でYES)、該当する記録画像(記録されている現像済みの本撮影画像)を記録メディアから削除すると共に(ステップC24)、モニタ画面に表示中の現像の処理状態を示す画像(現像完了画像)に削除マーク(例えば、×マーク)を重ね合わせて表示する(ステップC26)。また、現像未完了画像への削除指示操作であれば(ステップC23でNO)、該当する撮影画像が現像中であるか現像待ちであるかに応じて現像処理を中止し又は現像を取り消す(ステップC25)と共に、モニタ画面に表示中の現像の処理状態を示す画像(現像未完了画像)に削除マーク(×マーク)を重ね合わせて表示する(ステップC26)。その後、
図9の最初のステップC1に戻る。
【0059】
他方、撮影モードが解除されて再生モードに切替られたときには(
図9のステップC1)、再生処理に移るが(ステップC13)、この場合においても
図3の場合と同様に、制御部1は、撮影モードから再生モードに切替られた際に、現像処理6によって現像処理が完了していないと判別されたときには、現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中を示す文字列データを再生画面に表示する。
【0060】
以上のように、第2実施形態において制御部1は、現像処理が完了していないと判別された際に、現像処理が完了していないことを示す現像未完了画像(WAIT画像)をライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、撮影者に現像処理が完了していない状態を明確に知らせることができる。
【0061】
現像未完了画像は、予め用意されている所定の画像(WAIT画像)であるから、撮影後、現像未完了画像を生成する処理を行わなくても直ちに現像未完了画像を表示することができる。
【0062】
現像待ち又は現像中である撮影画像の現像処理が完了した際に、現像未完了画像に代えて、現像完了画像をライブビュー画像の一部に切替表示するようにしたので、画像の切替によって現像の完了タイミングを視覚的に分かり易く知らせることができる。
【0063】
現像の処理状態を示す複数の画像をライブビュー画像の一部に並列的に表示するようにしたので、短時間に複数の撮影画像が連続撮影された場合でもその複数の撮影画像に対する現像の処理状態を一度に知らせることができる。
【0064】
現像未完了画像がライブビュー画像の一部に表示されているモニタ画面上において、その現像未完了画像への削除がユーザ操作により指示された場合に、現像待ちの撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を取消し、現像中の撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を中断するようにしたので、モニタ画面上で現像の取消しや中断を容易に指定することができる。
【0065】
現像完了画像がライブビュー画像の一部に表示されているモニタ画面上において、その現像完了画像の削除がユーザ操作により指示された場合に、その現像完了画像に対応して記録されている現像済み撮影画像を削除するようにしたので、記録されている現像済み撮影画像の削除指定をモニタ画面上で容易に行うことができる。
【0066】
なお、上述した第2実施形態においては、予め用意されている現像未完了画像として、WAIT画像を示したが、ユーザ操作により予め任意に作成されて設定された画像であってもよい。これによってユーザの好みに応じた画像を現像未完了画像とすることが可能となる。また、現像未完了画像として現像待ち画像、現像中画像のいずれの場合も同じWAIT画像としたが、現像待ち画像、現像中画像によって異なる画像内容としてもよい。
【0067】
(第3実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について
図13〜
図15を参照して説明する。
なお、上述した第2実施形態においては、現像の処理状態を示す複数の画像がライブビュー画像の一部に並列的に表示する場合に現像未完了画像を予め用意されている所定の画像(WAIT画像)を表示するようにしたが、この第2実施形態においては、現像未完了画像として現像した撮影画像を使用して表示するようにしたものである。ここで、第2及び第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0068】
図13は、第3実施形態において、現像の処理状態を示す複数の画像(現像未完了画像、現像完了画像)がライブビュー画像の一部に並列的に表示されているモニタ画面を示した図である。
第3実施形態において現像未完了画像は、本撮影画像を所定サイズ(例えば、略1/16サイズ)に縮小した縮小画像(サムネイル画像)であり、本撮影画像を現像するに先立ってそのサムネイル画像を優先的に現像することによって得られた現像済みのサムネイル画像である。そして、現像未完了画像には、現像の処理状態に応じて現像待ちを示す画像、現像中を示す画像に分けられ、この現像待ち画像、現像中画像、現像完了画像は、それを囲む矩形枠(画像枠)の色が異なるようにしている。例えば、赤色枠表示であれば、現像待ち画像を、黄色枠表示であれば、現像中画像を、青色枠表示であれば、現像完了画像を示している。
【0069】
図14は、第3実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、第2実施形態の
図10のフローチャートに代わって実行されるもので、
図9の動作に続くフローチャートである。なお、
図14において
図10のフローチャートと同様の部分については、その説明を簡単に行うものとする。
制御部1は、操作部4のレリーズボタンが操作されて撮影が指示されると(ステップE1でYES)、記録用の本撮影画像を取得して(ステップE2)、この本撮影画像に基づいてサムネイル画像(現像の処理状態を示す画像)を生成し(ステップE3)、現像処理部6に対してこのサムネイル画像の現像依頼(ステップE4)を行った後、本撮影画像の現像依頼を行う(ステップE5)。その後、
図9の最初のステップC1に戻る。
【0070】
図15は、第3実施形態における現像処理部6の動作を示したフローチャートである。なお、
図15において
図4のフローチャートと同様の部分については、その説明を簡単に行うものとする。
先ず、現像処理部6は、制御部1から新たな現像依頼を受け取った場合に(ステップF1でYES)、その依頼がサムネイル画像の現像依頼であれば(ステップF2でYES)、本撮影画像の現像中であるかを調べ(ステップF3)、その現像中であれば(ステップF3でYES)、本撮影画像の現像処理を中断して(ステップF4)、サムネイル画像の現像処理を開始する(ステップF5)。
【0071】
そして、サムネイル画像の現像が完了したかを調べるが(ステップF6)、いま、その現像を開始した場合であるから最初のステップF1に戻る。その後、サムネイル画像の現像が完了したときには(ステップF6でYES)、サムネイル画像の現像完了を制御部1に通知する(ステップF7)。そして、このサムネイル画像の現像により中断した本撮影画像の現像が有れば(ステップF8でYES)、その本撮影画像の現像を再開(ステップF9)させた後、最初のステップF1に戻る。
【0072】
また、新たな現像依頼が本撮影画像に対する依頼であれば(ステップF1でNO)、
図11の場合と同様に、バッファメモリ3B内の空いているバッファに、現像依頼の本撮影画像を格納して現像待ち状態(ステップF10)とした後、現像未完了(現像待ち)の通知を行う(ステップF11)。そして、現在実行中の現像が完了したときには(ステップF12でYES)、現像完了通知を行う(ステップF13)。いま、現像中ではなく(ステップF14でNO)、かつ、現像待ちの画像が残っているときには(ステップF15でNO)、撮影順序にしたがって次の画像を選択し(ステップF16)、その画像に対する現像処理を開始(ステップF17)した後、最初のステップF1に戻るが、現像中であれば(ステップF14でYES)、現像未完了(現像中)の通知(ステップF18)を行った後、最初のステップF1に戻る。
【0073】
他方、制御部1は、現像処理部6からサムネイル画像の現像完了通知を受け取った場合において(
図14のステップE6でYES)、その現像状態が現像待ちであれば(ステップE7でYES)、現像済みのサムネイル画像に基づいて現像待ちの現像未完了画像(赤色枠を含む)を生成し(ステップE8)、また、現像中であれば(ステップE7でNO)、現像済みのサムネイル画像に基づいて現像中の現像未完了画像(黄色枠を含む)を生成する(ステップE9)。そして、この現像待ち又は現像中の現像未完了画像をプレビュー画像の一部に合成して(ステップE10)、モニタ画面に表示する(ステップE11)。その後、
図9の最初のステップC1に戻る。
【0074】
また、制御部1は、現像処理部6から現像完了の通知を受けたときには(
図9のステップC9でYES)、現像処理部6から現像済みの本撮影画像を取得し、この本撮影画像に対して圧縮処理などを施して記録メディアに記録する(ステップC10)。そして、現像処理が完了したことを示す現像完了画像を生成(ステップC11)した後、ライブビュー画像内の対応する現像未完了画像に代えて、この現像完了画像をその位置に合成して(ステップE12)、モニタ画面に表示する(ステップC8)。
【0075】
以上のように、第3実施形態において、ライブビュー画像の一部に表示される現像未完了画像は、撮影指示に応じて撮影された本撮影画像を縮小した後に現像した現像済みのサムネイル画像であり、この現像済みのサムネイル画像を現像未完了画像としてライブビュー画像の一部に表示するようにしたので、撮影者は現像が完了していない状態であっても被写体の写り具合などを確認することが可能となる。すなわち、本撮影画像の現像よりもサムネイル画像の現像の方がそのサイズ分早く終了するので、被写体の写り具合などをそれだけ早く確認することが可能となる。
【0076】
制御部1は、現像処理が完了したことを示す現像完了画像、現像処理の待ち状態を示す現像待ち画像、現像処理の実行中を示す現像中画像を識別可能にライブビュー画像の一部に並列的に表示するようにしたので、撮影者は現像が完了していない状態であっても被写体の写り具合などを確認することが可能となるほか、複数の撮影画像を連続して高速撮影した場合にその複数の撮影画像に対する現像の処理状態を一度に知ることが可能となる。
【0077】
なお、上述した第3実施形態において現像処理部6は、本撮影画像の現像中にサムネイル画像の現像依頼を受けた場合には、その現像を中断してサムネイル画像の現像を開始するようにしたが、本撮影画像の現像中であってもその現像が完了した後にサムネイル画像の像を開始するようにしてもよい。
【0078】
上述した第3実施形態では特に言及しなかったが、本撮影画像の現像処理とサムネイル画像の現像処理と同一内容とせずに、サムネイル画像の現像を簡素化した内容とすれば、更にその現像を速く終了させることが可能となる。
【0079】
また、上述した各実施形態においては、ライブビュー画像の一部に現像の処理状態を示す画像を合成して表示するようにしたが、モニタ画面のサイズによりもライブビュー画像の表示領域が小さい場合には、このライブビュー画像の表示領域を除く領域、例えば、モニタ画面の下端部、左端部などに現像の処理状態を示す画像をライブビュー画像と共に表示するようにしてもよい。
【0080】
また、上述した各実施形態においては、撮像装置としてカメラに適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、カメラ機能付きのスマートフォン(多機能型携帯電話機)、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Data Assistants:携帯情報端末)、音楽プレイヤーなどにも適用可能である。
【0081】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0082】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
ライブビュー画像を表示しながら撮影指示を待機するモニタリング動作中に撮影が指示された際に、その撮影指示に応じて撮影された撮影画像を現像処理する現像手段と、
前記現像手段による現像の処理状態を判別する判別手段と、
前記現像手段による現像処理に並行して継続的に実行されている前記モニタリング動作により表示されているライブビュー画像と共に、前記判別手段によって判別された現像の処理状態を表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、現像の処理状態として現像処理が完了したか否かを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって現像処理が完了したことが判別された際に、現像処理が完了したことを示す現像完了画像をライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、現像処理が完了した現像済みの撮影画像を所定のサイズに縮小し、その縮小画像を前記現像完了画像としてライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記現像完了画像が動きを伴って出現するようにその現像完了画像の表示を制御する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記現像完了画像の表示を開始してから一定時間が経過するまでその現像完了画像の表示を継続する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記現像完了画像の表示を開始してから一定時間が経過した際に、現像完了画像が徐々に消えるようにその現像完了画像の表示を制御する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の撮像装置において、
処理内容の異なる複数種の現像処理の中から任意の種類の現像処理を処理対象として選択する選択手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって現像処理が完了したことが判別された際に、前記選択手段によって選択された種類の現像処理が完了したことを示す現像完了画像をライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像手段は、一つの撮影画像に対して処理内容の異なる複数種の現像処理を行い、
前記表示制御手段は、前記現像手段によって行われる複数種の現像処理毎に、前記判別手段によって判別された現像の処理状態をライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像手段による現像処理が完了する前の現像処理中に次の撮影が指示された際に、その指示に応じて撮影された撮影画像を前記現像手段による現像処理を待つ現像待ち画像として一時記憶する一時記憶手段を更に備え、
前記現像手段は、前記一時記憶手段に複数の現像待ち画像が記憶されている状態において現在実行中の現像処理が完了した際に、前記一時記憶手段に記憶されている複数の現像待ち画像の中からその撮影順序の早い順に現像待ち画像を順次読み出して現像処理を行い、
前記判別手段によって現像待ち画像の現像処理が完了したことが判別される毎に、その現像完了画像をライブビュー画像と共に順次切替表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、現像の処理状態として現像処理が完了したか否かを判別する際に現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中であれば、現像処理が完了していないと判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段により現像処理が完了していないと判別された際に、現像処理が完了していないことを示す現像未完了画像をライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中である撮影画像の現像処理が完了した際に、前記現像未完了画像に代えて、現像処理が完了したことを示す現像完了画像をライブビュー画像と共に切替表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、撮影画像毎の現像の処理状態をライブビュー画像と共に並列的に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項10〜請求項12のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像未完了画像がライブビュー画像と共に表示されている状態において、その現像未完了画像の削除がユーザ操作により指示された場合に、現像処理の待ち状態の撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を取消し、現像処理の実行中の撮影画像に対する削除指示であれば、その現像処理を中断する現像制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像完了画像がライブビュー画像と共に表示されている状態において、その現像完了画像の削除がユーザ操作により指示された場合に、その現像完了画像に対応する現像済み撮影画像の記録を削除する記録制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項10〜請求項14のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像処理が完了していないことを示す現像未完了画像は、予め用意されている所定の画像である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、請求項11〜請求項15のいずれかに記載の撮像装置において、
前記現像処理が完了していないことを示す現像未完了画像は、撮影指示に応じて撮影された撮影画像を縮小した後に現像した現像済みのサムネイル画像であり、
前記表示制御手段は、前記現像済みのサムネイル画像を現像未完了画像としてライブビュー画像と共に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、現像の処理状態として、現像処理が完了したか否かを判別する際に現像処理の待ち状態であるか、現像処理の実行中であるか、現像処理が完了したかを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、現像処理が完了したことを示す画像、現像処理の待ち状態を示す画像、現像処理の実行中を示す画像を識別可能にライブビュー画像と共に並列的に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項18)
請求項18に記載の発明は、請求項1〜請求項17のいずれかに記載の撮像装置において、
前記判別手段は、現像の処理状態として現像処理が完了したか否かを判別する際に現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中であれば、現像処理が完了していないと判別し、
画像を撮影する撮影モードと画像を再生する再生モードを切替るモード切替手段と、
前記モード切替手段によって撮影モードから再生モードに切替られた際に、前記判別手段によって現像処理が完了していないと判別された場合には現像処理の待ち状態又は現像処理の実行中を再生画面に表示する再生手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項19)
請求項19に記載の発明は、
ライブビュー画像を表示しながら撮影指示を待機するモニタリング動作中に撮影が指示された際に、その撮影指示に応じて撮影された撮影画像を現像処理するステップと、
前記現像の処理状態を判別するステップと、
前記現像処理に並行して継続的に実行されている前記モニタリング動作により表示されているライブビュー画像と共に、前記判別された現像の処理状態を表示するステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法である。
(請求項20)
請求項20に記載の発明は、
コンピュータに対して、
ライブビュー画像を表示しながら撮影指示を待機するモニタリング動作中に撮影が指示された際に、その撮影指示に応じて撮影された撮影画像を現像処理する機能と、
前記現像の処理状態を判別する機能と、
前記現像処理に並行して継続的に実行されている前記モニタリング動作により表示されているライブビュー画像と共に、前記判別された現像の処理状態を表示する機能と、
を実現させるためのプログラムである。