特許第5725147号(P5725147)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725147
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】密閉形配電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/30 20060101AFI20150507BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   H02B1/08 B
   H02B1/12 H
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-259313(P2013-259313)
(22)【出願日】2013年12月16日
(62)【分割の表示】特願2010-55836(P2010-55836)の分割
【原出願日】2010年3月12日
(65)【公開番号】特開2014-54183(P2014-54183A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2013年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 洋
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−124705(JP,U)
【文献】 特開昭62−262607(JP,A)
【文献】 特開2003−240666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00− 1/38
H02B 1/54− 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、
密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、
前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、
前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部の各々を内側に折り曲げて形成された第1折曲部及び第2折曲部と、断面がL字状で形成され、かつ前記第1折曲部に前記第1折曲部及び第2折曲部とでU字形状の凹部を形成するように固定された補強片とで構成されていることを特徴とする密閉形配電盤。
【請求項2】
受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、
密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、
前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、
前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部のうちの前記第2板部を内側に折り曲げて形成された第1折曲部と、この第1折曲部から外側に折り曲げて前記第1板部に固定された第2折曲部と、前記第2折曲部が固定された固定部分から前記第2板部の外面まで前記第1板部を延長させた延長部とからなるU字形状で構成されていることを特徴とする密閉形配電盤。
【請求項3】
受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、
密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、
前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、
前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部のうちの前記第2板部を内側に斜めに折り曲げて前記第1板部に固定された折曲部と、前記第1板部とからなるV字形状で構成されていることを特徴とする密閉形配電盤。
【請求項4】
前記密閉容器内に、湿度及び露点の少なくとも一方を検出する密閉状態検出手段を配設し、該密閉状態検出手段で検出した検出値が予め設定した閾値以上であるときに密閉異常であると判断する密閉異常判定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の密閉形配電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受配電設備に使用する回路遮断器、断路器等の開閉機器を密閉容器内に収納した密閉形配電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧や特別高圧の受配電設備に使用する密閉形配電盤である密閉形スイッチギヤでは、充電部の露出防止や絶縁、耐環境(腐食性ガスなどの悪環境からの保護など)のために、主回路機器や充電部を密閉容器内に収納している。
この種の密閉形配電盤として、例えば盤内に乾燥空気などの絶縁ガスを封入した上中下の3つの密閉容器を設け、これら密閉容器のうち中央部の断路器などを配置した密閉容器を上下の遮断器を配置した密封容器で挟む構造とされ、各密閉容器の内部に乾燥吸着剤を配置して絶縁ガスを絶縁度の高い乾燥状態に維持するようにした高圧閉鎖配電盤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらに、密閉された筐体の内部及び外部にそれぞれ配設された温度センサ及び湿度センサと、これら温度センサ及び湿度センサの出力信号を用いて上記筐体内部及び筐体外部の絶対湿度に対応する量をそれぞれ求め、これら2つの絶対湿度に対応する量の比較結果により警報信号を出力する検出回路と、この検出回路の出力により作動する警報手段とを備えるように構成した筐体の気密監視装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−189129号公報
【特許文献2】特開2003−240666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、3つの密閉容器を必要とし、これら3つの密閉容器を連結する場合に、気密性を保持する必要が生じるとともに、密閉容器間の電気的接続も充電部導体を貫通させるために気密性を保持するブッシングを設ける必要があって結合構造が複雑となるとともに、小型化の阻害要因にもなり、さらに密閉容器毎に気密性を監視する圧力センサや湿度センサ等の監視手段を設ける必要がありコストが嵩むという未解決の課題がある。また、通常3つの密閉容器を支えるためにフレームを設けるが、このフレームと密閉容器とは固定ねじなどで固定する必要があるが、ねじ穴は気密にする必要から留まりねじ穴、若しくはスタッドを立てる必要が生じる。
【0006】
また、上記特許文献2に記載された従来例にあっては、温度センサ及び湿度センサの出力信号を用いて上記筐体内部及び筐体外部の絶対湿度に対応する量をそれぞれ求め、これら2つの絶対湿度に対応する量の比較結果に基づいて警報を発するようにしており、圧力センサのように密閉容器の内圧を検出する必要がないので、大気圧に近い密閉容器でも気密性を判断することが可能であるが、上記特許文献1に記載された従来例の未解決の課題を解決することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、1つの密閉容器内に遮断器、断路器等の開閉機器を配置することにより、密閉容器の構造を簡易小型化するとともに、製作コストを低減することができる密閉形配電盤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る密閉形配電盤は、受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部の各々を内側に折り曲げて形成された第1折曲部及び第2折曲部と、断面がL字状で形成され、かつ前記第1折曲部に前記第1折曲部及び第2折曲部とでU字形状の凹部を形成するように固定された補強片とで構成されていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る密閉形配電盤は、受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部のうちの前記第2板部を内側に折り曲げて形成された第1折曲部と、この第1折曲部から外側に折り曲げて前記第1板部に固定された第2折曲部と、前記第2折曲部が固定された固定部分から前記第2板部の外面まで前記第1板部を延長させた延長部38とからなるU字形状で構成されていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る密閉形配電盤は、受配電設備に使用される密閉形配電盤であって、密閉容器内に遮断器及び断路器の少なくとも一方を含む開閉器が設置され、前記密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部が形成され、前記補強凹部は、前記コーナー部を構成する第1板部及び第2板部のうちの前記第2板部を内側に斜めに折り曲げて前記第1板部に固定された折曲部と、前記第1板部とからなるV字形状で構成されていることを特徴としている。
この構成によると密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部にU字形状及びV字形状の少なくとも一方でなる補強凹部を形成したので、密閉容器を機械的強度が低い薄板で構成した場合でも密閉容器全体の強度を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の他の形態に係る密閉形配電盤は、記密閉容器内に、湿度及び露点の少なくとも一方を検出する密閉状態検出手段を配設し、該密閉状態検出手段で検出した検出値が予め設定した閾値以上であるときに密閉異常であると判断する密閉異常判定手段を備えたことを特徴としている。
この構成によると、密閉容器の気密性を湿度又は露点を検出し、その検出値が予め設定された閾値以上となったときに密閉異常と判断するので、密閉容器内が大気圧に近い場合でも、気密性を判断して密閉異常を判定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、密閉容器の四隅の1箇所以上のコーナー部にU字形状及びV字形状の少なくとも一方でなる補強凹部を形成することにより、密閉容器の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
図2図1のA−A線上の断面図である。
図3図1のB−B線上の断面図である。
図4図1のC−C線上の断面図である。
図5図1のコーナー部を拡大して示す平面図である。
図6】密閉状態監視装置を示すブロック図である。
図7】本発明の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す密閉形配電盤を示す縦断面図、図2図1のA−A線上の断面図、図3図1のB−B線上の断面図である。
図中、1は密閉形配電盤であって、前面板部3Fの中段及び下段に開閉可能で且つ閉状態で気密性を有する点検用開閉蓋2a,2bを有し、上面板部3Uにも同様の点検用開閉蓋2cを有する直方体状の密閉容器3を備えている。ここで、点検用開閉蓋2a〜2cのそれぞれは、図5に示すように、前面板部3F及び上面板部3Uにパッキン4を介在させてボルト締めされることにより、気密性を確保して固定されている。
【0013】
この密閉容器3は、上部側に点検用開閉蓋2cに対向して開閉機器としての上側の遮断器5を配置する配置空間6が形成され、この配置空間6の下側に点検用開閉蓋2aに対向して開閉機器としての断路器7を配置する配置空間8が形成され、さらに配置空間8の下側に点検用開閉蓋2bに対向して開閉機器としての下側の遮断器9を配置する配置空間10が形成されている。
【0014】
また、密閉容器3の配置空間6に対応する背面に上側のR相、S相及びT相の三相ケーブルの先端に設けられたT字形のケーブルヘッド11を接続するケーブル接続部12が形成されているとともに、配置空間10に対応する背面に下側のR相、S相及びT相の三相ケーブルの先端に設けられたT字形のケーブルヘッド13を接続するケーブル接続部14が形成されている。
【0015】
そして、ケーブル接続部12の密閉容器3内の先端部が接続導体15a〜15cを介して遮断器5の一方の接続部に接続され、遮断器5の他方の接続部が接続導体16a〜16cを介して断路器7の一方に接続されている。また、断路器7の他方が接続導体17a〜17cを介して遮断器9の一方の接続部に接続され、遮断器9の他方の接続部が接続導体18a〜18cを介してケーブル接続部14の密閉容器3内の先端部に接続されている。
【0016】
また、密閉容器3内には配置空間8の断路器7と対向する位置に図1及び図4に示すようにR相、S相及びT相の母線19a〜19cが配設されている。
そして、密閉容器3内の配置空間6及び8との境界部に、充電された母線19aに対して保護機能を発揮する保護板21が図2に示すように密閉容器3の左右側板部3L,3Rの内面側間水平状態で橋架されてボルト締めされている。この保護板21には、図3に示すように、前後方向の中央部に遮断器5及び断路器7間を電気的に接続する接続導体16a〜16cを挿通する挿通孔21a〜21cが形成されている。ここで、保護板21は、保護対象に対して規定された隙間以下になるように設けられており、材質は絶縁物製、導電金属製のいずれでもよい。
【0017】
また、密閉容器3内の配置空間8及び10との境界部にも断路器7の負荷側充電部導体と、充電された母線19cを保護する保護板22が図2に示すように密閉容器3の左右側板3L,3Rの内面側間に水平方向に橋架されてボルト締めされている。この保護板22にも、図3に示すように、断路器7と遮断器9との間を電気的に接続する接続導体17a〜17cを挿通する挿通孔22a〜22cが形成されている。ここで、保護板22は、保護対象に対して規定されたすき間以下になるように設けられており、材質は絶縁物製、導電金属製のいずれでもよい。
【0018】
また、密閉容器3は、図4及び図5に示すように、平面から見た四隅の4つのコーナー部31a〜31dに、補強凹部32a〜32dが形成されている。ここで、補強凹部32aは、図5で拡大図示するように、前面板部3Fの左側板部3Lとの接合部がそれぞれ内側に折り曲げられて折曲部33a及び33bが形成されているとともに、折曲部33aに断面L字状の補強片34がこの補強片34と折曲部33bとで逆U字形状の凹部を形成するようにスポット溶接等の固定手段で固定されている。
【0019】
さらに、補強凹部32aと対角線上にある補強凹部32dについても、背面板部3Bと右側板部3Rとの接合部がそれぞれ内側に折り曲げられて折曲部35a及び35bが形成されているとともに、折曲部35aに断面L字状の補強片36がこの補強片36と折曲部35bとでU字形状の凹部を形成するようにスポット溶接等の固定手段で固定されている。
【0020】
また、補強凹部32bは、図5で拡大図示するように、前面板部3Fと右側板部3Rとの接続部で右側板部3Rを内側に直角に曲げて折曲部37aを形成するとともに、この折曲部37aから外側に直角に折り曲げて前面板部3Fを右側板部3Rの外面まで延長させた延長部38に達する折曲部37bを形成し、折曲部37bの先端を延長部38に溶接することにより、折曲部37a、37b及び延長部38でU字形状の凹部を形成している。
【0021】
同様に、補強凹部32bと対角線上の補強凹部32cは、図5で拡大図示するように、背面板部3Bと左側板部3Lとの接続部で左側板部3Lを内側に直角に曲げて折曲部39aを形成するとともに、この折曲部39aから外側に直角に折り曲げて背面板部3Bを左側板部3Lの外面まで延長させた延長部40に達する折曲部39bを形成し、折曲部39bの先端を延長部40に溶接することにより、折曲部39a、39b及び延長部40で逆U字形状の凹部を形成している。
【0022】
また、密閉容器3内には外気圧と同じか又は外気圧より少し高い圧力で密閉され、内部はシリカゲルなどの水分を吸着する乾燥剤をケースに充填して配置することにより大気より低い湿度となるように保持されている。
そして、密閉容器3内に、図6に示すように、湿度センサ41が配設され、この湿度センサ41が配線42を介して密閉容器3外に配置された密閉異常監視装置43に接続されている。この密閉異常監視装置43では、湿度センサ41で検出した湿度検出値Hdと予め設定した閾値Hthとを比較し、湿度検出値Hdが閾値Hth未満であるときには正常と判断し、湿度検出値Hdが閾値Hth以上となると密閉状態が崩れたものと判断して警報装置44に警報信号SAを出力する。
【0023】
このように、上記実施形態によると、密閉容器3内に保護板21及び22が充電された母線19a〜19cを保護するために配置されているので、前述した従来例に示されているように、開閉機器の充電部が露出されることを確実に阻止する3つ密閉容器を設けることなく、1つの密閉容器3内に上側の遮断器5、断路器7及び下側の遮断器9を配置するようにしても、開閉機器の充電部を保護板21,22で保護することができ、点検用開閉蓋2a〜2cを開放して点検作業時に、開閉機器の充電部を保護することができる。
【0024】
このように、1つの密閉容器3内に上側の遮断器5、断路器7及び下側の遮断器9を配置するので、前述した従来例のように、3つの密閉容器を設ける必要がなく、密閉状態を監視する密閉状態監視装置も1つで済むことから密閉容器3を簡易小型化することができるとともに、製作コストを削減することができる。
また、密閉容器3の四隅のコーナー部に補強凹部32a〜32dを形成するようにしたので、補強凹部32a及び32dを形成する折曲部33a,33b及び35a,35bとL字状の補強片34,36とを設けたり、補強凹部32b及び32cを形成する折曲部37a,37b及び39a,39bと延長部38及び40とを溶接したりして、各コーナー部31a〜31dでの剛性を高めることができる。
【0025】
また、補強凹部32a〜32dに密閉容器3の密閉部とは直接かかわりの無いL字状の補強片34,36や延長部38,40を設けているので、これらL字状の補強片34,36や延長部38,40にフレーム固定ボルト孔を形成することができ、このフレーム固定ねじ穴を気密部の外側に形成することができるので、気密性を確保する必要がないとともに、留まりねじにするために厚板にしたり、スタッドボルトを溶接したりする必要がなく、薄板化を図ることができる。
【0026】
また、密閉容器3内に、乾燥した空気を密封して絶縁性を高めることができるので、密閉容器内を大気圧と同じから大気圧より少し高い圧力に保持するだけで、絶縁性能を確保することができ、密閉容器3の板厚を薄くすることができ、この点でも製作コストを低減することができる。
さらに、密閉容器3内に乾燥した空気を密封することにより、湿度センサ41によって、湿度を検出し、その湿度検出値Hdと予め設定された湿度閾値Hthとを比較することにより、気密性が保持されているか否かを判定することができ、Hdが湿度閾値Hth以上となったときに、気密性が低下したものと判断することができる。
【0027】
なお、上記実施形態においては、密閉状態を監視する際に、湿度センサ41で密閉容器3内の湿度を検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、密閉容器3内に湿度センサ41に代えて露点センサを設け、この露点センサで検出した露点が予め設定された露点閾値以上であるか否かを監視することにより、密閉状態を判定するようにしてもよい。
【0028】
また、上記実施形態においては、密閉容器3内に湿度センサ41を配設した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、密閉容器3に連通する配管を設け、この配管の他端に湿度測定室を形成し、この湿度測定室内に湿度センサ41を配置するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、密閉容器3の四隅のコーナー部に形成した補強凹部32a〜32dをU字形状に形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図7に示すように、L字状の折曲部33a,33b、35a,35b、37a,37b及び39a,39bに代えて、斜めの折曲部50を形成し、V字形状の補強凹部51a〜51dを形成するようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施形態においては、密閉容器3の各コーナー部31a〜31dのそれぞれに補強凹部32a〜32dを設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1箇所以上のコーナー部に補強凹部を設けるようにしてもよく、さらには、各コーナー部31a〜31dの中間部に補強凹部を形成するようにしてもよい。なお、図5図7のように四隅の1箇所以上のコーナー部に補強凹部を形成して剛性を高めた密閉容器3は、密閉容器3内に遮断器又は断路器のみを1以上設置する場合でも実現可能である。
【符号の説明】
【0030】
1…密閉形配電盤、2a〜2c…点検用開閉蓋、3…密閉容器、3F…前面板部、3R…背面板部、3L…左側板部、3R…右側板部、5…上側遮断器、6…配置空間、7…断路器、8…配置空間、9…下側遮断器、10…配置空間、21,22…保護板、31a〜31d…コーナー部、32a〜32d…補強凹部、33a,33b…折曲部、34…補強片、35a,35b…折曲部、36…補強片、37a,37b…折曲部、38…延長部、39a,39b…折曲部、40…延長部、41…湿度センサ、42…配線、43…密閉状態監視装置、44…警報装置、50…折曲部、51a〜51d…補強凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7