特許第5725176号(P5725176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725176
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】導光装置及び導光方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/02 20060101AFI20150507BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20150507BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   G02B6/02 421
   G02B6/255
   G02B6/26
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-520408(P2013-520408)
(86)(22)【出願日】2012年4月6日
(86)【国際出願番号】JP2012002436
(87)【国際公開番号】WO2012172718
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2013年11月1日
(31)【優先権主張番号】特願2011-133916(P2011-133916)
(32)【優先日】2011年6月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】大登 正敬
【審査官】 里村 利光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−043332(JP,A)
【文献】 特開平06−064215(JP,A)
【文献】 特開2004−061830(JP,A)
【文献】 特開2005−043442(JP,A)
【文献】 特開2004−302292(JP,A)
【文献】 特開2005−128267(JP,A)
【文献】 小倉明他,2乗形ファイバの基本モードを利用したファイバコリメータ,電子情報通信学会技術研究報告,日本,電子情報通信学会,2002年 5月23日,Vol.102, No.105,第33-36頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02
G02B 6/255
G02B 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シングルモード光ファイバーと、
前記第1シングルモード光ファイバーの出射側の端面に接続しているフォトニック結晶ファイバーと、
前記フォトニック結晶ファイバーの出射側の端面に接続しており、光を集光する方向に屈折率が径方向に変化しているグレーデッドインデックスファイバーと、
を備え
前記グレーデッドインデックスファイバーは、出射側の端面に、レンズ状の凹部を有する導光装置。
【請求項2】
請求項に記載の導光装置において、
前記第1シングルモード光ファイバーの出射側の端部は、他の部分と比較してモードフィールド径が大きくなっている導光装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の導光装置において、
前記第1シングルモード光ファイバーと、前記フォトニック結晶ファイバーとの間に、前記第1シングルモード光ファイバーよりもモードフィールド径が大きい第2シングルモード光ファイバーを備える導光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光装置において、
波長が490nm以上630nm以下の光に対して使用される導光装置。
【請求項5】
第1シングルモード光ファイバーの出射側の端面に、フォトニック結晶ファイバー、及び、光を集光する方向に屈折率が径方向に変化しているグレーデッドインデックスファイバーをこの順に接続した導光装置を準備し、
前記第1シングルモード光ファイバーにより導光された互いに波長が異なる複数の光に対し、前記フォトニック結晶ファイバーを用いてシングルモード化及びモードフィールド径の均一化を行い、さらに、前記グレーデッドインデックスファイバーを用いて色収差の補正を行った後、前記複数の光を前記グレーデッドインデックスファイバーから出射し、
前記グレーデッドインデックスファイバーは、出射側の端面に、レンズ状の凹部を有する、導光方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光装置及び導光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーは、従来は、近赤外域の光のみに利用されてきた。しかし、近年は、光ファイバーに関する技術が発達しており、その結果、紫外域から中赤外域までその利用範囲が広がりつつある。例えば特許文献1には、波長が互いに異なる光を、フォトニック結晶ファイバーを用いて導光することが記載されている。
【0003】
なお、特許文献2には、複数の光源で生成した光を互いに異なる光ファイバーで導光した上で、レンズを介して集光させることが記載されている。
【0004】
また特許文献3には、シングルモード光ファイバーを、フォトニック結晶ファイバーを介して光学素子に接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−62850号公報
【特許文献2】特表2009−522605号公報
【特許文献3】特開2004−61830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光ファイバーを用いると、光の照射範囲を狭めることができるため、光学系を小さくすることができる。この特徴を生かしたまま、波長が互いに異なる光を光ファイバーで導光するためには、波長が互いに異なる光が、互いにほぼ同一のモードフィールド径かつシングルモードで、コリメートされた状態で光ファイバーから出射することが求められる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ファイバーから、波長が互いに異なる光を、コリメートされた状態で、互いにほぼ同一のモードフィールド径かつシングルモードで出射させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る導光装置は、第1シングルモード光ファイバー、フォトニック結晶ファイバー、及びグレーデッドインデックスファイバーを備える。フォトニック結晶ファイバーは、第1シングルモード光ファイバーの出射側の端面に接続している。グレーデッドインデックスファイバーは、フォトニック結晶ファイバーの出射側の端面に接続している。グレーデッドインデックスファイバーは、光を集光する方向に屈折率が径方向に変化している。
【0009】
この導光装置によれば、互いに波長が異なる複数の光は、第1シングルモード光ファイバー、フォトニック結晶ファイバー、及びグレードインデックスファイバーを介して出射される。複数の光は、フォトニック結晶ファイバーを経由することにより、互いに同一のモードフィールド径かつシングルモードを有する。複数の光は、フォトニック結晶ファイバーを経由した後、さらにグレーデッドインデックスファイバーを経由することにより、コリメートされる。
【0010】
本発明に係る導光方法では、まず、第1シングルモード光ファイバー、フォトニック結晶ファイバー、及びグレーデッドインデックスファイバーを備える導光装置を準備する。この導光装置において、フォトニック結晶ファイバーは、第1シングルモード光ファイバーの出射側の端面に接続している。グレーデッドインデックスファイバーは、フォトニック結晶ファイバーの出射側の端面に接続している。グレーデッドインデックスファイバーは、光を集光する方向に屈折率が径方向に変化している。そして、互いに波長が異なる複数の光を、第1シングルモード光ファイバーで導光する。そしてこれら複数の光に対し、フォトニック結晶ファイバーを用いて、シングルモード化、及びモードフィールド径の均一化を行う。さらに、複数の光に対し、グレーデッドインデックスファイバーを用いて色収差の補正を行う。そして複数の光をグレーデッドインデックスファイバーから出射する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光ファイバーから、波長が互いに異なる光を、コリメートされた状態で、互いにほぼ同一のモードフィールド径かつシングルモードで出射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0013】
図1】第1の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。
図2】フォトニック結晶ファイバーの構成を示す断面図である。
図3】第2の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。
図4】第3の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。
図5】第4の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。
図6】第5の実施形態に係る光学装置の構成を示す図である。
図7】第6の実施形態に係る光学装置の構成を示す図である。
図8】実施例に係る導光装置のコリメータ特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。この導光装置は、第1シングルモード光ファイバー10、フォトニック結晶ファイバー20、及びグレーデッドインデックスファイバー(以下、GIファイバーと記載)30を備えている。第1シングルモード光ファイバー10は、光を導光するためのファイバーである。
【0016】
フォトニック結晶ファイバー20及びGIファイバー30は、第1シングルモード光ファイバー10の出射部を構成している。具体的には、フォトニック結晶ファイバー20は、第1シングルモード光ファイバー10の出射側の端面に接続している。GIファイバー30は、フォトニック結晶ファイバー20の出射側の端面に接続している。GIファイバー30は、光を集光する方向に屈折率が径方向に変化している。フォトニック結晶ファイバー20及びGIファイバー30の長さは、フォトニック結晶ファイバー20及びGIファイバー30がフェルール等の取付治具内に収容されるように設計される。例えばフォトニック結晶ファイバー20の長さは、0.5mm以上5mm以下であり、GIファイバー30の長さは、0.1mm以上1mm以下である。
【0017】
第1シングルモード光ファイバー10は、例えばシリカガラスにより形成されている。また第1シングルモード光ファイバー10は、コア12を有している。コア12は、第1シングルモード光ファイバー10の本体に不純物、例えばGeをドープすることにより、形成される。フォトニック結晶ファイバー20は、コア22を有している。GIファイバー30は、コア32を有している。コア12,22,32は、いずれも光が導光する領域である。
【0018】
GIファイバー30のコア32は、径方向に屈曲率が変化している。この屈曲率の変化方向は、コア32を透過する光が集光される方向である。例えばコア32は、中心から外側に向けて不純物が少なくなっている。詳細には、不純物の濃度は、コア32の中心が最も高く、中心からの距離の2乗に反比例している。なお、GIファイバー30がシリカガラスにより形成されている場合、コア32にドープされている不純物は、例えばGeである。
【0019】
なお、第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20の接続部分は、例えば融着により接続されている。ただし第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20は、接着剤を用いて接続されていても良い。同様に、フォトニック結晶ファイバー20とGIファイバー30は、例えば融着により接続されている。ただし、これらの接続には、接着剤が用いられても良い。
【0020】
図2は、フォトニック結晶ファイバー20の構成を示す断面図である。フォトニック結晶ファイバー20は、複数の空孔24を有している。空孔24は、コア22内に規則的に配列されている。すなわち、空孔24が配列されている領域がコア22になる。複数の空孔24は、いずれもほぼ同径であり、かつコア22の内部において同一間隔で配列されている。ただし、コア22の中心部分では、空孔24は配置されていない。すなわち空孔24の配列の中央部分では、空孔24が欠損している。そしてこの欠損している領域の周囲に、空孔24は、少なくとも3列以上配列されている。本図に示す例では、空孔24は、正六角形に配列されている。このようにすると、フォトニック結晶ファイバー20を透過するとき、互いに波長が異なる複数の光は、互いに同一のモードフィールド径かつシングルモードを有するようになる。
【0021】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。図1に示した導光装置は、例えば、多波長光源装置において、レーザ光源が出射した、互いに波長が異なる複数のレーザ光を導光するために用いられる。この複数のレーザ光は、同時に導光装置に入射しても良いし、互いに異なるタイミングで入射しても良い。このレーザ光の波長は、例えば490nm以上630nm以下である。
【0022】
第1シングルモード光ファイバー10のうちフォトニック結晶ファイバー20が設けられている側の端部は、光を導光すべき領域、例えば試料の上方に位置している。そして、第1シングルモード光ファイバー10は、フォトニック結晶ファイバー20とは逆側の端部に、光が入射される。
【0023】
第1シングルモード光ファイバー10によって導光された光は、フォトニック結晶ファイバー20及びGIファイバー30を介して、出射される。そしてフォトニック結晶ファイバー20を透過するとき、互いに波長が異なる複数の光は、互いに同一のモードフィールド径かつシングルモードを有するようになる。また、フォトニック結晶ファイバー20を透過した光は、さらにGIファイバー30を透過することにより、コリメートが補正される。
【0024】
従って、本実施形態によれば、一つの光ファイバーから、波長が互いに異なる光を、コリメートされた状態で、互いにほぼ同一のモードフィールド径かつシングルモードで出射させることができる。そして、本実施形態に係る導光装置を用いることにより、導光のために必要な光学系が少なくなるため、多波長光源装置を小型化することができる。
【0025】
なお、GIファイバー30の出射側の端面には、反射防止コーティング(Anti-reflection コーティング)が施されていても良い。反射防止コーティングは、例えばGIファイバー30よりも低屈折率の薄膜である。反射防止コーティングを形成すると、GIファイバー30から光が出射するときに、GIファイバー30と外部の界面で光が反射することを抑制できる。
【0026】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。この導光装置は、GIファイバー30が凹部34を有している点を除いて、第1の実施形態に係る導光装置と同様の構成である。
【0027】
凹部34は、GIファイバー30の出射側の端面に設けられている。凹部34は凹型のレンズ形状を有しており、少なくともコア32の端面全体にわたって設けられている。凹部34は、GIファイバー30から出射する光の色収差を補正する機能を有している。
【0028】
凹部34は、研磨によって形成されても良いし、エッチングにより形成されても良い。コア32の不純物の濃度は、コア32の中心が最も高く、外側に向かうにつれて浅くなる。GIファイバー30の強度は、不純物の濃度に反比例する。このため、コア32の端面を研磨又はエッチングすると、コア32の中心が最も深くなり、外側に向かうにつれて浅くなる。また、コア32の不純物の濃度は、中心からの距離の2乗に反比例している。従って、凹部34は、凹型のレンズ形状になる。なお、コア32をエッチングする際、エッチング液としては、例えばHF系の薬液が用いられる。
【0029】
凹部34を研磨により形成する場合、設備投資が少なくて済む。また、複数の導光装置を同時に処理することができるため、生産性が高くなる。一方、凹部34をエッチングにより形成する場合、加工中に凹部34の形状をモニタリングすることが可能になるため、凹部34の加工精度が高くなる。
【0030】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、GIファイバー30の出射側の端面に、凹レンズ形状の凹部34を形成している。このため、外部にレンズを設けなくても、GIファイバー30から互いに波長が異なる複数の光が出射する際に、色収差が生じることを抑制できる。
【0031】
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。本実施形態に係る導光装置は、第1シングルモード光ファイバー10の端部14の構造を除いて、第2の実施形態に係る導光装置と同様の構成である。
【0032】
本実施形態において、第1シングルモード光ファイバー10のコア12は、端部14において、コア12が徐々に広がっている。このような構造は、端部14を熱処理(TEC処理:Thermally Expanded Core処理)して、コア12の不純物を熱拡散させることにより、得られる。そして第1シングルモード光ファイバー10のモードフィールド径は、フォトニック結晶ファイバー20との接合面において、フォトニック結晶ファイバー20のモードフィールド径と同径になっている。なお、本実施形態において、凹部34を設けなくても良い。
【0033】
本実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1シングルモード光ファイバー10のコア12は、端部14において徐々に広がっている。そして、フォトニック結晶ファイバー20との接合面において、コア12はフォトニック結晶ファイバー20のコア22と同径になっている。このため、第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20の接合面において、モードフィールド径のミスマッチに起因して光の損失が生じることを抑制できる。
【0034】
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る導光装置の構成を示す図である。本実施形態に係る導光装置は、第2シングルモードファイバー40を備えている点を除いて、第2の実施形態に係る導光装置と同様の構成である。
【0035】
第2シングルモードファイバー40は、第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20の間に設けられている。第2シングルモードファイバー40は、低N.A.(Numerical Aperture)ファイバーである。すなわち、第2シングルモードファイバー40のコア42の径は、第1シングルモード光ファイバー10のコア12よりも大きい。すなわち第2シングルモードファイバー40のモードフィールド径は、第1シングルモード光ファイバー10のモードフィールド径よりも大きい。ただし、第2シングルモードファイバー40のモードフィールド径は、フォトニック結晶ファイバー20のモードフィールド径と等しいか、それよりも小さい。また第2シングルモードファイバー40におけるコア42とクラッド部分との屈折率差は、第1シングルモード光ファイバー10におけるコア12とクラッド部分との屈折率差よりも小さい。なお、第1の実施形態において、第2シングルモードファイバー40を有していても良い。
【0036】
本実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20の間に第2シングルモードファイバー40が位置している。このため、第1シングルモード光ファイバー10により導光された光のモードフィールド径は、第2シングルモードファイバー40を伝播している間に広がり、その後フォトニック結晶ファイバー20に入射する。従って、第1シングルモードファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20の接合面において、モードフィールド径のミスマッチに起因して光の損失が生じることを抑制できる。
【0037】
(第5の実施形態)
図6は、第5の実施形態に係る光学装置の構成を示す図である。本実施形態に係る光学装置は、第1〜第4の実施形態のいずれかに係る導光装置の出射側の端部を、フェルール60に取り付けたものである。本図に示す例では、第4の実施形態に係る導光装置を例示している。
【0038】
詳細には、第1シングルモード光ファイバー10は、被覆部材50によって被覆されている。ただし第1シングルモード光ファイバー10のうち出射側の端部には、被覆部材50が設けられていない。第1シングルモード光ファイバー10の出射側の端部は、被覆部材50の端部とともに、フェルール60の差込口62に差し込まれている。そして第1シングルモード光ファイバー10の端部、第2シングルモードファイバー40、フォトニック結晶ファイバー20、及びGIファイバー30は、フェルール60によって保持されている。
【0039】
(第6の実施形態)
図7は、第6の実施形態に係る光学装置の構成を示す図である。本実施形態に係る光学装置は、第1〜第4の実施形態のいずれかに係る導光装置を、複数、保持部材70に保持させたものである。本図に示す例では、第4の実施形態に係る導光装置を例示している。
【0040】
保持部材70には、複数のV型の溝が互いに平行に設けられている。そして第1シングルモード光ファイバー10の端部、第2シングルモードファイバー40、フォトニック結晶ファイバー20、及びGIファイバー30は、この溝に填め込まれている。このようにすることで、保持部材70は、複数の導光装置を互いに平行に保持することができる。
【0041】
(実施例)
図4に示した導光装置を作製した。第1シングルモード光ファイバー10には、カットオフ波長が430nmの可視光ファイバーを用いた。フォトニック結晶ファイバー20には、モードフィールド径が15μmのものを使用した。また、GIファイバー30には、コア系が62.5nmのものを使用した。
【0042】
まず、第1シングルモード光ファイバー10の端部14を熱処理した。その後、第1シングルモード光ファイバー10とフォトニック結晶ファイバー20とを熱融着した。さらに、フォトニック結晶ファイバー20とGIファイバー30とを、熱融着した。その後、GIファイバー30に、HFエッチングにより凹部34を形成した。
【0043】
図8に、実施例に係る導光装置のコリメータ特性を示す。縦軸は、出射された光のビーム径であり、横軸には、凹部34からの距離を示した。本図に示すように、波長が540nmの光、及び波長が560nmの光それぞれにおいて、良好なコリメート特性が得られた。また、これら2つの波長において、ビーム径はほぼ同じであった。
【0044】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0045】
この出願は、2011年6月16日に出願された日本出願特願2011−133916を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8