(54)【発明の名称】乾き防止装置を備えた出没タイプ筆記具{SLIDETYPEWRITINGTOOLSHAVINGDEVICEFORPREVENTINGDRYNESS}
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、筆記具は、ボールペンをはじめ、サインペン、蛍光ペン、マジックペンなどをいい、これらのほとんどは、筆記用芯材の乾燥を防止するために、密閉用キャップが脱着自在に固定される。
【0003】
このような筆記具は、大きくペン芯が固定されており、キャップ(以下、蓋という)を使用する固定タイプと、軸の一部を回転させることによって、スパイラルパイプに沿って芯の一部が外に出るようにした回転タイプ(繰出タイプ)と、軸の一部分を押すことによって、スプリングが動いてペン芯が出るようにするノックタイプと、ペン芯が突出及び没入されるようにスライドさせる出没タイプ(slide type)とがある。
【0004】
前記の出没タイプの筆記具は、別の蓋を開閉する不便さなく使用できる長所があるが、ペン芯が出没するペン芯出入り孔が筆記具の一側端に単に通孔されているため、油性インクなどのように、非揮発性や揮発性が弱い筆記具のみに限定的に作用可能な短所がある。
【0005】
一方で、揮発性が強いマーカーペン、ホワイトペン、水性ペン、蛍光ペンなどは、蓋を開閉させる不便さがあったが、ペン芯が空気中に長時間放置される場合、インクなどが干上がって筆記具の寿命が短縮されるとか棄損され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、前記のような問題点を解消するために、大韓民国特許登録第10−1995−0000776号(乾燥防止装置を有するキャップレス筆記具)が提案され、出没タイプ筆記具の押し部を押すと、ゴムひもの引張力によってペン芯部位を覆っているカバーが開き、もう一度押すと、閉まって密閉され、インクの乾燥を防止する構造として、公知された事がある。
【0008】
しかし、ゴムひもの引張力を利用するため、カバーの開閉が速かに作動しないのみならず、耐久性の側面から補完の余地があり、孔を臨時的に閉めているカバーの気密状態が非常に不安定な短所があった。
【0009】
また、大韓民国実用新案登録第20−1989−0003644号(キャップレス筆記具)は、ノック部を押すと、ペン先が前記内筒に設けられた弾性体を突き抜けてペン先が露出してペンを使うようにし、ノック部を解除又は再び押すことによって、ペン先が元の場所に戻ると、切開された弾性体が互いに当接して密閉されることによって、ペン先の乾燥を防止するようにした。
【0010】
しかし、この方式は、頻繁な使用による摩擦で弾性体の切開部が塑性変形され得ることがあり、頻繁な摩擦によって密閉力が低下するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、構成が簡単で、より簡単な操作でノブの押しに応じてペン芯を密閉する蓋部をペン芯が押しながら開放させて突出させ、ノブ解除時にペン芯が内部に復帰しながら、蓋部が自動的に閉まって内部に収容されるペン芯の乾きを防止するようにする乾き防止装置を備えた出没タイプ筆記具を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、繰り返される使用にも密閉機能を喪失したり、故障が発生される場合を未然に防止して、製品の信頼性が向上するようにした出没タイプ筆記具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明の構成は、中空円筒状を有し、先端部にペン芯出入り孔11が貫通され、一側の上端に備えられたボタンクリップ部20を備えているペンハウジング10と、
前記ペンハウジング10の内部に収容され、先端にペン芯31が、他側にはノブ32が結合された状態で内部にインク部材を収容しているインクホルダー30と、
前記ペン芯31を収容した状態でインクホルダー30の前・後進動作に応じてその先端にヒンジ連結された蓋41が開閉されてペン芯31が出没可能にする密閉部材40と、
この密閉部材40とインクホルダー30との間を付勢するスプリング50と、
前記密閉部材40とペンハウジング10との間に位置され、密閉部材40を収容した状態でインクホルダー30が前・後進され、ペン芯31の移動ができるように作動孔65が貫通されるガイド部材60と、から構成されたものにおいて、
前記密閉部材40の蓋41は、ガイド部材60に直線部67aと、傾斜部67bとにつながるように成形されたカム溝67に挟まれた状態でガイドされ、密閉部材40が移動される時、蓋41の開閉作動をガイドし、
ガイド部材60の側面部には、長さ方向に沿って係止部61と、移動ホール62とが掘られ、
前記インクホルダー30には、前記ガイド部材60の係止部61に接触された状態でガイド部材60を移動させるようにし、移動ホール62に沿って移動されるカム突起70を形成し、
前記密閉部材40は、内径部にインクホルダー30の外径に密着されるようにするシール部42を内部に向けて突出成形し、その外径部には、突起44を突出成形して、前記突起44を収容溝46の内側に収容した状態で結合され、ペンハウジング10の内側に形成された段部18に係止させるようにする固定キャップ45が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明によれば、部品構成が簡単で、より簡単な操作でペン芯の乾きを防止するようにする乾き防止装置を備えた出没タイプ筆記具を提供することができる。
また、繰り返される使用にも密閉機能を喪失したり、故障が発生される場合を未然に防止して、製品の信頼性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の筆記具のペン芯が内部に保管されて気密を保持する状態を示した斜視図。
【
図2】本発明の筆記具のペン芯が露出する状態を示した斜視図。
【
図3】本発明の要部構成を分解して示した分解斜視図。
【
図5】本発明の筆記具のペン芯が内部に保管されて気密を保持する状態でペンハウジングの内部を示した斜視図。
【
図6】本発明の筆記具のペン芯が露出した状態でペンハウジングの内部を示した斜視図。
【
図7】本発明の筆記具のペン芯が内部に保管されて気密を保持する状態の一部切開断面図。
【
図8】本発明の筆記具のペン芯が露出した状態の一部切開断面図。
【
図9】インクホルダーに形成されたカム突起がガイド部材の係止部に接触され、押されて移動される状態を示した要部正面図。
【
図10】インクホルダーに形成されたカム突起がガイド部材の移動ホールの位置に進入されて移動される状態を示した要部正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面に基づいて、詳しく説明すると、次の通りである。
【0017】
図面に示されたように、本発明の乾き防止装置を備えた出没タイプ筆記具は、蛍光ペン、マジックペン、サインペン、プラスペンなどの揮発性が強いインクを使う筆記具のペン芯を使用時のみ外部に突出させ、非使用時には、内部に気密されるように収容させてインクの蒸発防止及びペン芯の乾きを防止するようにしたものである。
【0018】
前記のペンハウジング10は、中空管状で、その内部にインクホルダー30及び乾き防止機能を有する密閉部材40が収容され、外部には、ボタンクリップ部20が備えられている。
【0019】
インクホルダー30は、インクを注入して繰り返し使われる注入タイプ、及びインク交換タイプも適用可能である。
【0020】
ペンハウジング10は、先端にペン芯出入り孔11が形成され、インクホルダー30のペン芯31が露出可能になる。
【0021】
また、ペンハウジング10の外側上部にボタンクリップ部20を備えるようになるが、このボタンクリップ部20のクリック操作でインクホルダー30の前進及び後進状態を保持できるようにするロック及びアンロック装置が作動され得る。
【0022】
また、ペンハウジング10の上端に露出したインクホルダー30のノブ32を一回押すとロック状態、また繰り返して押すとアンロック状態に切り替えるようにするロック機構が設けられることもでき、このようなロック機構などは、既に知られている通りである。
【0023】
前記ペンハウジング10の内部に収容されるインクホルダー30は、先端にペン芯31が結束され、その他側には、内部にインクが充填、または交換できるようにノブ32が着脱可能に備えられる。
【0024】
インクホルダー30の先端には、ペン芯31の出没は可能な状態で使用中ではない収容状態では、インクの乾きを防止するためのシール機能を有する密閉部材40が設けられる。
【0025】
密閉部材40は、先端に蓋41が軟質ゴム材、または合成樹脂材でヒンジ機能を有するように連結されているが、この蓋41は、自然状態で
図4に示されたようにペン芯31の出没に支障を与えないようにボディ体と略直角方向に開放されている状態を保持するようになる。
【0026】
この蓋41は、ガイド部材60のカム溝67の位置に挟まれ、ガイド部材60の前・後進作動によって密閉作動が制御される。
【0027】
このガイド部材60は、中空筒状で、合成樹脂材で前記密閉部材40とペンハウジング10との間に設けられる。
【0028】
従って、ガイド部材60は、その内部に密閉部材40を収容した状態で、インクホルダー30が前・後進される時、共に移動されながら蓋41がカム溝67に沿ってガイドされ、開閉作動をガイドするようになる。
【0029】
また、ガイド部材60の側面部には、長さ方向に沿って係止部61と移動ホール62とが掘られ、先端には、ペン芯31の移動が可能になるように作動孔65があけられている。
【0030】
前記インクホルダー30には、前記ガイド部材60の係止部61に接触された状態で、ガイド部材60を移動させるようにし、移動ホール62に沿って移動されるカム突起70が一体に突出成形されている。
【0031】
従って、ペン芯31を収容した状態で、インクホルダー30とガイド部材60との前・後進動作に応じて、その先端にヒンジ連結された蓋41が開放され、ペン芯31の出没が可能になる。
【0032】
一方、前記密閉部材40は、軟質のゴム材で、その外径部には、突起44を突出成形して、前記突起44を収容溝46の内側に収容した状態で結合され、ペンハウジング10の内側に形成された段部18に係止させるようにする固定キャップ45が設けられる。
【0033】
この密閉部材40に結合された固定キャップ45とインクホルダー30との間には、スプリング50が付勢設けられている。
【0034】
従って、密閉部材40の蓋41が開放された状態から再び密閉される時、ガイド部材60の後退でカム溝67が蓋41の位置を取り締まって
図11に示されたように、ペン芯31の周りが気密を保持できるように引いて密閉させるようになる。
【0035】
この時、インクホルダー30がガイド部材60とともに後退されるが、固定キャップ45とインクホルダー30との間に設けられたスプリング50の付勢力でカム溝67に位置制御されている蓋41は、密閉部材40の先端部に密着された状態を保持できるように付勢される。
【0036】
そして、ガイド部材60の一側または両側には、
図9及び
図10に示されたように、長さ方向に沿って移動ホール62が長く掘られるようになるが、その入口には、移動ホール62の通路を狭くする係止部61が突出成形されている。
【0037】
一方、インクホルダー30には、一体に、この係止部61の接触位置でカム突起70が突出成形されている。
【0038】
このような構造になった本発明は、インクホルダー30がペンハウジング10の内部に収容された状態でペンを使用していない携帯及び保管状態では、スプリング50の付勢力でペン芯31が密閉部材40の内部で蓋41が覆われられて気密を保持した状態で後退されている。(
図1、
図5、
図7、
図11参照)
【0039】
ペン芯31をより完璧に気密状態で保護するために、密閉部材40にヒンジ連結された蓋41の他側内径部には、
図11に示されたように、密閉部材40の内径からインクホルダー30の外径部に密着されるようにするシール部42をさらに突出成形することが好ましい。
【0040】
この状態で、ペン芯31をペンハウジング10の先端で露出して使用しようとする場合には、図示しないロック機構を作動するために、ボタンクリップ部20を操作するとか、ノブ32をクリックしてインクホルダー30を密閉部材40とともに前進させるようになる。
【0041】
この時、インクホルダー30の外側に突出されていたカム突起70は、
図9に示されたように、ガイド部材60の係止部61に接触した状態でガイド部材60が移動可能な範囲、即ち、ガイド部材60がペンハウジング10の先端内側に接触される距離まで最大限に押して移動させるようになる。
【0042】
また、密閉部材40に結合されている固定キャップ45は、ペンハウジング10の内側に形成された段部18に係止されているようになるため、密閉部材40のボディ体は、移動されないようになる一方、その先端にヒンジ連結された蓋41は、ガイド部材60のカム溝67の位置に応じて開閉される。
【0043】
カム溝67の形状は、インクホルダー30の移動方向と平行な直線部67aと、蓋41とが密閉部材40の先端で密着され得るように圧着させるための傾斜部67bに繋がるように成形されている。
【0044】
従って、ガイド部材60がペンハウジング10の先端内側に接触され、これ以上移動できなくなる位置まで移動されると、蓋41は、カム溝67の傾斜部67bの位置から直線部67aの位置に位置移動される結果で、密閉部材40の先端部から開放される(
図10)。
【0045】
この時は、インクホルダー30の前進移動でカム突起70に接触されていた係止部61の間が自体弾力によって広がりながら移動ホール62の位置に進入され、ペン芯31とインクホルダー30とは、引き続きさらに前進移動されてペン芯31を用いた筆記が可能な状態に露出する(
図2、
図6、
図8、
図10)。
【0046】
また、ペン芯31を気密保持状態でペンハウジング10の内部に収容させるようとする時は、ボタンクリップ部20、またはノブ32をクリックしてロック機構の操作でアンロック状態に切り替えると、スプリング50の付勢力によってインクホルダー30とペン芯31とが後退を始めるようになる。
【0047】
そして、ガイド部材60が後退されながらカム溝67の直線部67aに位置されていた蓋41が傾斜部67bの位置にガイドされながら続けて後退することによって、
図9及び
図11に示されたように、ペン芯31が密閉部材40の内部で蓋41が密閉されながら気密状態を保持するように位置される。
【0048】
ここで、前記カム突起70は、移動ホール62に沿って後退された後、ガイド部材60が密閉部材40に係止されてこれ以上後退できない位置では、カム突起70が係止部61を再び広がるようにし、もっと後退されて初期状態に位置される(
図10)。
【0049】
インクホルダー30とガイド部材60が互いに離脱を防止した状態で組み立てられ、後退時にともに移動され得るようにインクホルダー30には、係止段33を突出成形し、これに対応される位置にガイド部材60には、作動溝66を掘りだすようになる。
【0050】
このような動作でインクホルダー30とペン芯31とは、筆記が可能に露出するようにし、またはペンハウジング10の内部に収容された状態では、気密を保持してインクの蒸発やペン芯の乾きを防止することができる。
【0051】
また、その構造が比較的簡単で、コストが安価だけでなく、故障の懸念が少なく、より製品の寿命を延長し、信頼性を向上させることができる。
【0052】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。
【解決手段】ペンハウジングとインクホルダー30と、蓋41が開閉されてペン芯31が出没する密閉部材40と、スプリング50と、密閉部材を収容した状態でインクホルダーが前・後進され、ペン芯の移動可能な作動孔が貫通されるガイド部材60と、から構成され、蓋はガイド部材に直線部67aと、傾斜部67bとにつながるカム溝67にガイドされ、密閉部材の移動時、蓋の開閉をガイドし、ガイド部材の側面部に係止部61と、移動ホール62とが掘られ、インクホルダーにカム突起70を形成し、密閉部材、内径部にインクホルダー30の外径に密着されるようにするシール部を内部に向けて突出成形し、その外径部には、突起44を成形し、突起を収容溝の内側に収容した状態で結合され、ペンハウジングの内側に形成された段部に係止させるようにする固定キャップ45が設ける。