特許第5725315号(P5725315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5725315立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725315
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20150507BHJP
   B32B 37/16 20060101ALI20150507BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   B32B27/00 E
   B32B31/04
   B29C45/16
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-547288(P2013-547288)
(86)(22)【出願日】2011年11月21日
(65)【公表番号】特表2014-505606(P2014-505606A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】KR2011008858
(87)【国際公開番号】WO2012096437
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2013年7月2日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0003678
(32)【優先日】2011年1月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509286787
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100152261
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 隆弘
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】パク・ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ・ムンギ
(72)【発明者】
【氏名】ハ・ジョンウン
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−149485(JP,A)
【文献】 特開2001−199013(JP,A)
【文献】 特開2008−149552(JP,A)
【文献】 特開2004−142107(JP,A)
【文献】 特開2001−038849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B29C 45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンを印刷した後、表面処理されるベース層と、前記ベース層の表面に積層される表面処理層と、を含む印刷シート;前記印刷シートの裏面に積層される接着剤層;及び前記接着剤層の裏面に積層される離型フィルム層を含み、前記離型フィルム層に前記接着剤層の接着剤を塗布した後、前記接着剤の液状成分を乾燥オーブンの温度を50〜180℃に維持して乾燥させ、前記接着剤層の接着剤が前記印刷シートの裏面に転移されて固化されるデコレーションシート用意段階と、
前記デコレーションシートの前記接着剤層から前記離型フィルム層を除去する離型フィルム層除去段階と、
前記離型フィルム層が除去された前記デコレーションシートの裏面を射出物の表面と対向するように配置して真空成形温度が80〜120℃で真空成形する真空成形段階と、を含むデコレーションシートを用いた射出物表面装飾方法。
【請求項2】
前記デコレーションシート用意段階では、接着剤層が20〜40μmの厚さで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のデコレーションシートを用いた射出物表面装飾方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法に関し、より詳細には、多様な形態の射出物とデコレーションシートを真空成形することによって加工性、接着力、成形性及び表面品質を向上できる立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多様な射出物の表面にデコレーションをする方法としては、インサート成形(Insert molding)又はインモールド(In―Mold)などの方式が使用されている。
これら各方式は、金型内で異質又は異色のプラスチックやプラスチック以外の部品(金属部品、ケーブル、PCB、磁石など)を一体化させる成形方法であって、従来は、デコレーションシートの製造後に射出物を注入する方式で成形していた。しかし、これは、射出物を注入するときの高い温度によってデコレーションシートの表面が損傷したり、多様な立体質感を表現するのに限界があった。
【0003】
従来のデコレーションシートは、印刷層を保護するために製品製造完了後にハードコーティング組成物を塗布し、これを紫外線硬化させる方式で製造した。しかし、これは、スプレー塗布法に起因して環境に有害な影響を及ぼし、色相具現に限界があるという問題をもたらした。
従って、射出物の多様な形状に対して接着力及び不良率減少を期待できる立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法が要求されている。(例えば、特許文献1から3を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−136796号公報
【特許文献2】特開平6−166299号公報
【特許文献3】特開2002−264592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、デコレーションシートと射出物を同時に真空成形することによって、熱によるデコレーションシートの表面損傷を減少させることを目的とする。
また、本発明は、デコレーションシートと多様な形状の射出物を同時に真空成形することによって、接着力及び成形性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、デコレーションシートの工程を単純化させることによって製品の生産性を増大させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の思想によると、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層と、前記ベース層の表面に積層される表面処理層とを含む印刷シートを用意するシート用意段階;接着剤を含有する接着剤層と、前記接着剤層の裏面に積層されて前記接着剤が塗布される離型フィルム層とを用意し、前記接着剤層の表面に前記印刷シートが積層される接着段階;及び前記印刷シートの裏面に積層された前記接着剤層を乾燥オーブンに通過させて乾燥させることによって前記接着剤層が液状から固化状態になる固化乾燥段階;を含む立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法を提供する。
【0007】
この場合において、前記印刷シート用意段階は、前記ベース層がポリ塩化ビニル(PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG、Polyethylene terephthalate glycol)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PMMA(Polymethyl methacrylate)樹脂のうちいずれか一つの材質からなることを特徴とする。
また、前記接着段階は、前記接着剤層がポリエステル系接着剤、エチレンビニルアセテート(EVA、Ethyl Vinyl Acetate)系接着剤及びウレタン系接着剤のうちいずれか一つの材質からなることを特徴とする。
また前記接着剤層は、20〜40μmの厚さで形成されることを特徴とする。
【0008】
また、前記ベース層は、ポリ塩化ビニル(PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG、Polyethylene terephthalate glycol)のうちいずれか一つからなり、前記接着剤層はポリエステル系接着剤で形成されることを特徴とする。
【0009】
また、前記ベース層は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂からなり、前記接着剤層は、エチレンビニルアセテート(EVA、Ethyl Vinyl Acetate)系接着剤、ウレタン系接着剤及びポリエステル系接着剤のうちいずれか一つで形成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記固化乾燥段階では、前記乾燥オーブンの温度を50〜180℃に維持することを特徴とする。
また、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層と、前記ベース層の表面に積層される表面処理層とを含む印刷シート;前記印刷シートの裏面に積層される接着剤層;及び前記接着剤層の裏面に積層される離型フィルム層;を含む立体射出物表面装飾用デコレーションシートを提供する。
【0011】
この場合において、前記ベース層は、ポリ塩化ビニル(PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG、Polyethylene terephthalate glycol)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PMMA(Polymethyl methacrylate)樹脂のうちいずれか一つの材質からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記接着剤層は、ポリエステル系接着剤、エチレンビニルアセテート(EVA、Ethyl Vinyl Acetate)系接着剤及びウレタン系接着剤のうちいずれか一つの材質からなることを特徴とする。
また、前記接着剤層は、20〜40μmの厚さで形成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記ベース層は、ポリ塩化ビニル(PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG、Polyethylene terephthalate glycol)のうちいずれか一つからなり、前記接着剤層は、ポリエステル系接着剤で形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記ベース層は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂からなり、前記接着剤層は、エチレンビニルアセテート(EVA、Ethyl Vinyl Acetate)系接着剤、ウレタン系接着剤及びポリエステル系接着剤のうちいずれか一つで形成されることを特徴とする。
【0015】
一方、本発明は、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層と、前記ベース層の表面に積層される表面処理層とを含む印刷シート;前記印刷シートの裏面に積層される接着剤層;及び前記接着剤層の裏面に積層される離型フィルム層を含み、前記離型フィルム層に前記接着剤層の接着剤を塗布した後、前記接着剤の液状成分を乾燥オーブンの温度を50〜180℃に維持して乾燥させ、前記接着剤層の接着剤が前記印刷シートの裏面に転移されて固化されるデコレーションシート用意段階と、前記デコレーションシートの前記接着剤層から前記離型フィルム層を除去する離型フィルム層除去段階と、前記離型フィルム層が除去された前記デコレーションシートの裏面を射出物の表面と対向するように配置して真空成形温度が80〜120℃で真空成形する真空成形段階とを含むデコレーションシートを用いた射出物表面装飾方法を提供する。
【0016】
この場合において、前記デコレーションシート用意段階では、前記乾燥オーブンの温度を50〜180℃に維持することを特徴とする。
また、前記デコレーションシート用意段階では、接着剤層が20〜40μmの厚さで形成されることを特徴とする。
また、前記真空成形段階では、真空成形温度が80〜120℃であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、デコレーションシートと射出物を同時に真空成形することによって、熱によるデコレーションシートの表面損傷を抑制するという効果を有する。
また、本発明は、デコレーションシートと多様な形状の射出物を同時に真空成形することによって、接着力及び成形性を向上させるという効果を有する。
【0018】
また、本発明は、デコレーションシートの工程を単純化させることによって製品の生産性を増大させるという効果を有する。
また、本発明は、多様な形態の射出物上にデコレーションシートを真空成形することによって、製品の多様な質感及び立体具現が容易であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例に係る立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法を示した工程フローチャートである。
図2】本発明の実施例に係る印刷シート用意段階を示した断面図である。
図3】本発明の実施例に係る接着段階を示した断面図である。
図4】本発明の実施例に係る固化乾燥段階を示した断面図である。
図5】本発明の実施例に係るデコレーションシートを示した断面図である。
図6】本発明の実施例に係るデコレーションシートを用いた射出物表面装飾方法を示した工程フローチャートである。
図7】本発明の実施例に係る離型フィルム層除去段階を示した断面図である。
図8】本発明の実施例に係る真空成形段階を示した断面図である。
図9】本発明の実施例に係る真空成形段階を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の立体射出物表面装飾用デコレーションシートとその製造方法及びこれを用いた射出物表面装飾方法について説明する。
本発明の長所及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現可能であり、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。
【0021】
また、本発明を説明するにおいて、関連した公知技術などが本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、それについての詳細な説明は省略する。
また、図面に示した各線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性及び便宜上誇張して図示する場合がある。
【0022】
そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、使用者及び運用者の意図又は慣例によって変わり得る。
従って、これら用語は、本明細書全般にわたる内容に基づいて定義しなければならない。
【0023】
図1は、本発明の実施例に係る立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法を示した工程フローチャートである。
図1を参照すると、本発明に係る立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法は、ベース層及び表面処理層を含む印刷シートを用意する印刷シート用意段階(S110)と、接着剤を含有する接着剤層と、前記接着剤を塗布する離型フィルム層とを用意し、前記接着剤層の表面に前記印刷シートが積層される接着段階(S120)と、前記接着剤層が液状から固化状態になる固化乾燥段階(S130)とを含む立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法を提供する。
【0024】
以下では、それぞれの工程図を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の実施例に係る印刷シート用意段階を示した断面図である。
図2を参照すると、印刷シート用意段階(図1のS110)において、印刷シート110は、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層114と、前記ベース層114の表面に積層される表面処理層112とを含む。
【0025】
このとき、前記ベース層114は、ポリ塩化ビニル(以下、PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(以下、PETG、Polyethylene terephthalate glycol)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PMMA(Polymethyl methacrylate)樹脂のうちいずれか一つの材質からなる。
【0026】
これら各材質は、成形加工性及び耐衝撃性に優れ、特に、前記PETGは、一般的に使用されるPET素材より優れた加温伸率を有しているので、本発明に使用される場合、成形性を極大化させることができる。
このように、本発明に係る立体射出物表面装飾用デコレーションシート製造方法において、印刷シート用意段階(図1のS110)は、ベース層114上に表面処理層112で表面処理することによって印刷シートが用意される。
【0027】
図3は、本発明の実施例に係る接着段階を示した断面図である。
図3を参照すると、接着段階(図1のS120)は、図2を参照して説明した印刷シート110を示した(a)と、接着剤層130と離型フィルム層150を積層して示した(b)と、前記(a)と(b)との構成を合わせて示した(c)とに分けることができる。
【0028】
このような(a)、(b)、(c)を次のように説明する。
第一に、(a)では、図2を参照して説明したように、印刷シート110が用意される。
第二に、(b)では、接着剤を含有する接着剤層130と、前記接着剤層130の裏面に積層される離型フィルム層150との構成からなり、前記接着剤を前記離型フィルム層150の表面に塗布する。このとき、前記接着剤層130は、20〜40μmの厚さtで形成することができる。
【0029】
このような接着剤層130の厚さは薄いほど有利であるが、接着剤層130の厚さtが20μm未満であると、多様な立体の被接着剤物と接着するときに適正水準以上の接着力を確保できないという問題をもたらし得る。その一方、前記接着剤層130の厚さtが40μmを超えると、接着剤の使用量増加によって製品の硬度が上昇するという問題をもたらし得る。
【0030】
従って、前記接着剤層130は、20〜40μmの厚さtで形成されることが望ましい。
このような接着剤層130は、ポリエステル系接着剤、エチレンビニルアセテート(EVA、Ethyl Vinyl Acetate)系接着剤及びウレタン系接着剤のうちいずれか一つの材質からなることが望ましい。
このような接着剤層130の各材質は、柔軟性、耐衝撃性などを均一に備えており、射出成形製品に多く使用される。
【0031】
第三に、(c)は、前記(a)の印刷シート110と前記(b)の各構成との接着過程を示す。
このとき、前記(a)の印刷シート110において、ベース層114は、ポリ塩化ビニル(PVC、Polyvinyl chloride)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG、Polyethylene terephthalate glycol)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PMMA(Polymethyl methacrylate)樹脂のうちいずれか一つの材質からなる。
【0032】
このとき、前記ベース層114の材質のうちポリ塩化ビニル(PVC)及びポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)は、前記接着剤層130のポリエステル系接着剤と接着することが望ましい。
また、前記ベース層114の材質のうちABS樹脂は、前記接着剤層130のエチレンビニルアセテート(EVA)系接着剤、ウレタン系接着剤及びポリエステル系接着剤のうちいずれか一つと接着することが望ましい。
【0033】
結局、ベース層114の種類に応じて多様な接着剤成分を変更することができる。
このように種類によって多様に接着剤が変更されると、接着力を容易に確保することができる。
【0034】
図4は、本発明の実施例に係る固化乾燥段階を示した断面図である。
図4を参照すると、固化乾燥段階(図1のS130)は、図3を参照して説明した接着段階(図1のS120)で乾燥オーブンdを通して乾燥する過程である。
【0035】
図示したように、離型フィルム層150の表面に積層されて塗布された接着剤層130の接着成分を印刷シート110のベース層114に転移させる過程である。
すなわち、乾燥オーブンdを通して液状状態の接着剤層130を乾燥させて固化させることによって、より堅固にベース層114の裏面に接着させる。
【0036】
その理由は、離型フィルム層150は結果的に剥離されなければならないが、図3を参照して説明したように、このような離型フィルム層150に接着剤層130を塗布したので、このような乾燥過程がないと、前記離型フィルム層150への接着が容易に行われないためである。換言すると、前記接着剤層130をより堅固に前記ベース層114に接着させる過程である。
このとき、前記乾燥オーブンdの温度は50〜180℃であることが望ましい。
【0037】
前記乾燥オーブンdの温度が50℃未満であると、接着剤層130の溶剤乾燥が確実に行われないので、接着成分が前記ベース層114に容易に転移されずに接着力が低下するという問題をもたらし得る。その一方、前記乾燥オーブンdの温度が180℃を超えると、耐熱性が低下すると同時に、製品に問題が発生し得る。
【0038】
図5は、本発明の実施例に係るデコレーションシートを示した断面図である。
図5を参照すると、デコレーションシート100は、図1図4の過程を通して製造された。
このようなデコレーションシート100は、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層114と、前記ベース層114の表面に積層される表面処理層112とを含む印刷シート110;前記印刷シート110の裏面に積層される接着剤層130;及び前記接着剤層130の裏面に積層される離型フィルム層150を含む。
このようなデコレーションシート100は、図1図4の過程を通して説明したので、それについての説明は省略する。
【0039】
図6は、本発明の実施例に係るデコレーションシートを用いた射出物表面装飾方法を示した工程フローチャートである。
図6を参照すると、パターンを印刷した後、表面処理されるベース層と、前記ベース層の表面に積層される表面処理層とを含む印刷シート;前記印刷シートの裏面に積層される接着剤層;及び前記接着剤層の裏面に積層される離型フィルム層を含み、前記離型フィルム層に前記接着剤層の接着剤を塗布した後、前記接着剤の液状成分を乾燥オーブンを通して乾燥させ、前記接着剤層の接着剤が前記印刷シートの裏面に転移されて固化されるデコレーションシート用意段階(S210)と、前記デコレーションシートの前記接着剤層から前記離型フィルム層を除去する離型フィルム層除去段階(S220)と、前記離型フィルム層が除去された前記デコレーションシートの裏面を射出物の表面と対向するように配置して真空成形する真空成形段階(S230)とを含む。
このとき、前記デコレーションシート用意段階(S210)は、図1図5を参照して詳細に説明したので、それについての説明は省略する。
【0040】
以下、それぞれの工程図を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の実施例に係る離型フィルム層除去段階を示した断面図である。
図7を参照すると、離型フィルム層除去段階(図6のS220)は、用意されたデコレーションシート(図5の100)と、多様な形態の射出物が真空成形段階(図6の230)を経る前の段階である。
デコレーションシート(図5の100)を多様な形態の射出物に接着させるためには、離型フィルム層150が図示したように除去されなければならない。
【0041】
図8及び図9は、本発明の実施例に係る真空成形段階を示した断面図である。
まず、図8を参照すると、図7を通して離型フィルム層(図7の150)が除去されたデコレーションシート100'が、屈曲されている射出物200と共に真空成形機を通して用意される過程を示した。
【0042】
このように用意された離型フィルム層(図7の150)が除去されたデコレーションシート100'と射出物200は、図9に示すように真空成形されることによって適正な温度と圧力を通して接着する。
このとき、真空成形段階(図6の230)は、80〜120℃の温度で真空成形される。
【0043】
真空成形温度が80℃未満であると、接着力と成形性が不足するため不良品が製造されるという問題をもたらし得る。その一方、真空成形温度が120℃を超えると、デコレーションシート100'に損傷をもたらし得る。
結局、真空成形段階(図6の230)では、真空成形温度が80〜120℃であることが望ましい。
【0044】
従って、本発明は、デコレーションシートと射出物を同時に真空成形することによって、熱によるデコレーションシートの表面損傷を抑制するという効果を有する。
また、本発明は、デコレーションシートと多様な形状の射出物を同時に真空成形することによって、接着率及び成形性を向上させるという効果を有する。
【0045】
また、本発明は、デコレーションシートの工程を単純化させることによって製品の生産性を増大させるという効果を有する。
また、本発明は、多様な形態の射出物上にデコレーションシートを真空成形することによって、製品の多様な質感及び立体具現が容易であるという効果を有する。
【0046】
以上、添付の図面を参照して本発明の各実施例を説明したが、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができる。本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須的特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるだろう。従って、上述した各実施例は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものでないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0047】
100,100’………デコレーションシート、110………印刷シート、112………表面処理層、114………ベース層、130………接着剤層、150………離型フィルム層、200………射出物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9