(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の例示的な実施の形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形式で実施することができ、以下の実施の形態に限定されると解釈されるべきではない。逆に、この実施の形態は、完全且つ完璧に説明されており、本発明の趣旨を当業者に完全に伝えるであろう。
本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能や構成の説明を詳細に説明することで本発明の要旨から不必要に逸れると思われる場合には、そのような説明を省略するが、当業者には理解できるであろう。同じまたは相当する構成要素については、明細書全体にわたって同一符号を用いる。
【0037】
或る構成要素が他の構成要素と「連結」されている場合に、或る構成要素を他の構成要素と「直接的に連結」することができ、また、両者の間に介装された単数または複数の要素によって或る構成要素を他の構成要素と「間接的に連結」することもできることは、当業者に理解されるであろう。反対する明確な記載がない限り、「含む(compriseに対応する訳、およびこの派生であるcomprises comprising等)」等の言葉は、所定の構成要素も包含し、他の如何なる構成要素も排除することでないことを意味することは、理解されるであろう。
【0038】
図1は、本発明のファン制御方法が適用される空気清浄機の一例を示したものである。
【0039】
図1(a)を参照すると、本発明のファン制御方法が適用される空気清浄機は、前記空気清浄機の両側面に空気を吐出するもので、壁掛け型に設置することができる。
【0040】
また、
図1(b)を参照すると、本発明のファン制御方法が適用される空気清浄機は、複数のファンと複数のファンモータを備えることができる。
【0041】
しかしながら、空気清浄機が複数のファンと複数のファンモータを備えている場合に、複数のファンモータを同一速度又は近似速度で作動させると、単一のモータを用いる場合とは反対に、騒音が発生する可能性がある。このような騒音は、ユーザーにとって不快な周波数帯域を有することがある。
【0042】
図2は、複数のファンモータを含む空気清浄機が壁面に設置された場合の側面図である。
【0043】
図2を参照すると、複数のファンモータを含む空気清浄機10が壁面に設置されると、空気清浄機10と壁面の間に共振領域12(斜線部分)が形成される可能性がある。
【0044】
共振領域12は、空気清浄機10が支持部材11によって壁面から離されている場合に形成される。空気清浄機10を壁面に密着させることができないために、共振領域12は必然的に形成される。空気吐出口13から吐出される空気が壁面に邪魔されないようにするため、空気清浄機10は壁面から離される。
【0045】
上記の理由によって壁面と空気清浄機10との間に共振領域12が形成されると、この共振領域12内でファンモータが共振することにより騒音が発生する。ファンモータが共振領域12内で共振することにより騒音が発生すると、その騒音の大きさが
典型的なファンモータの作動によって発生する騒音よりも大きく、空気清浄機のユーザーを不自由にさせることとなる。
【0046】
特に、ファンモータの作動速度が低い場合は、騒音の大きさは無視できるほど小さい。しかしながら、ファンモータの作動速度が高い場合は、共振領域12での共振程度が急激に増加する。そのため、騒音関連の問題を招く可能性がある。
【0047】
さらに、
図1の(b)を参照すると、製品の安定性のために同一の性能を有する複数のファンを用いることができる。この場合、ファンモータを同じ速度で作動させると、ファンモータによって発生する騒音が、空気清浄機のハウジング内部の空間で、共振を起こす可能性がより高くなる。
【0048】
図3は、一つのファンモータを用いた空気清浄機と、複数のファンモータを用いた空気清浄機との、騒音スペクトルの結果を分析したグラフである。
【0049】
具体的には、
図3の(a)は、空気清浄機を最小作動モード、即ち、静音モードで作動させた場合の、騒音スペクトルを比較したものである。
図3の(a)において、S1は一つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルであり、S2は複数のファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルである。
【0050】
図3(a)を参照すると、概ねS1がS2より高いデシベルを有している。複数のファンモータを用いる場合には、一つのファンモータにかかる負荷量が少なくなる。したがって、空気清浄機は静かに作動することができる。
【0051】
しかしながら、他の周波数帯域と比較して、3kHzの周波数帯域でより大きな騒音が発生することが騒音スペクトルS2から見て取れる。言い換えると、複数のファンモータを用いる場合、3kHzの周波数帯域(可聴周波数帯域(an audio frequency band))でより大きな騒音が発生する。しかしながら空気清浄機を静音モードで作動させると、騒音の強さを無視できるほど低くすることができる。
【0052】
図3の(b)は、前記空気清浄機を最大作動モードで作動させた場合の騒音スペクトルの比較を示したグラフである。
図3の(b)のS3は一つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルであり、S4は複数のファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルである。
【0053】
図3の(b)を参照すると、複数のファンモータを用いた場合、3kHzの周波数帯域で、他の周波数帯域と比較して、大きい騒音が発生する。さらに、騒音の強度は、他の周波数帯域と比較して、3kHzの周波数帯域で格段に高い。このような騒音スペクトルでは、騒音が可聴周波数帯域でひどく発生するため、ユーザーを悩ませる可能性がある。全周波数帯域で均一な水準の騒音が発生すれば、ホワイトノイズのように、騒音を深刻に認識しない可能性がある。したがって、
図3の(b)に示したように、特定の周波数帯域で大きい騒音が発生する場合には、ユーザーにかなりの心理的な迷惑を与えることになる可能性がある。
【0054】
このような騒音は、複数のファンモータを同一または近似した速度で作動させたときに発生し、したがって、これらのファンモータが共振することにより騒音が発生する。したがって、このような発生原因を除去すれば、騒音問題を解決することができる。
【0055】
そこで、空気清浄機における複数のファンモータの作動速度を異ならせる制御方法を提案する。複数のファンモータ間の作動速度の差は、空気清浄機の空気浄化機能などに影響を与えない範囲内で決定される。
【0056】
下記の表1は、複数のファンモータを同一速度で制御する場合の、空気清浄機の作動モード別のファンモータの作動速度の一例を示したものである。
【0062】
上記の表1を参照すると、ファンモータの作動速度は、作動モードに対応している。最大作動モードでは、格段に高い速度でファンモータを稼働するため、静音モードに比べて、かなりの騒音が発生する可能性がある。
【0063】
図4の(a)は、一つのファンモータを用いた空気清浄機と、二つのファンモータを用いた空気清浄機との、上記の表1の3段モードに対応する作動速度で稼働した場合の騒音スペクトルを示したものである。
図4の(a)において、S5は一つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルを表し、S6は二つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルを表している。
【0064】
図4の(a)を参照すると、二つのファンモータを用いた場合、3kHzの周波数帯域(可聴周波数帯域)で、単一のファンモータを用いた場合と比較して大きい騒音が発生する。
【0065】
上記の表2を参照すると、第1のファンモータと第2のファンモータとの作動速度の差は、各作動モードでそれぞれ50RPMである。しかしながら、第1のファンモータと第2のファンモータとの作動速度の差は、50RPMである必要はなく、ファンモータの負荷量、ファンの大きさ、及び空気清浄機の構造のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。さらに、第1のファンモータと第2のファンモータとの作動速度の差が大きすぎる場合は、ファンモータの不均衡な作動によって空気清浄機に揺れが発生することから、騒音が発生する可能性がある。そのため、この状況に対して注意を払う必要がある。
【0066】
図4の(b)は、一つのファンモータを用いた空気清浄機と、二つのファンモータを用いた空気清浄機との、上記の表2の3段モードに対応する作動速度で稼働した場合の騒音スペクトルを示したものである。
図4の(b)において、S7は一つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルを表し、S8は二つのファンモータを用いた空気清浄機の騒音スペクトルを表している。
【0067】
図4の(b)を参照すると、二つのファンモータを用いた場合、3kHzの周波数帯域(可聴周波数帯域)で、騒音はほぼ消えた。これは、騒音の共振現象が消えたことによるものである。
【0068】
しかしながら、ファンモータの異なる制御では、ファンモータの最大作動速度を超えないように制御することが重要である。
【0069】
図5の(a)と(b)は、本発明の一実施の形態による空気清浄機のファン制御方法を示すフローチャートである。
【0070】
図5の(a)を参照すると、本発明の一実施の形態における空気清浄機のファン制御方法は、作動モード決定工程S10と、第1のファンモータの駆動工程S20と、第2のファンモータの駆動工程S30とを含むことができる。
【0071】
本発明の一実施の形態における空気清浄機のファン制御方法は、複数のファンと、複数のファンに連結されて同様にファンを駆動する複数のファンモータとを有する空気清浄機に適用することができる。
【0072】
作動モード決定工程S10では、空気清浄機の作動強度を決定することができる。作動強度は、自動で設定することができ、また、ユーザーによって入力された情報とすることができる。
【0073】
第1のファンモータ駆動工程S20では、作動強度に対応する作動速度でファンのうち一つと連結されたファンモータを作動させることができる。複数のファンモータのうちいずれか一つ、即ち、第1のファンモータを選択して作動強度に対応する第1の作動速度で第1のファンモータを作動させることができる。第1のファンモータが作動すると、第1のファンモータに連結されたファンも回転することができる。
【0074】
第2のファンモータ駆動工程S30では、第1のファンモータ駆動工程S20で駆動されたファンを除いた他のファンのうちの一つと連結されたファンモータを、作動強度に対応する作動速度から既定値分だけ変更した作動速度で作動させることができる。即ち、第1の作動速度を既定値分だけ変更した第2の作動速度で第2のファンモータを作動させることにより、第2のファンモータと連結されたファンを回転させることができる。既定値は、ファンモータの負荷量、ファンの大きさ、及び空気清浄機の構造のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。
【0075】
第2のファンモータとは、複数のファンモータのうち第1のファンモータを除いた他のファンモータすべてを指すもので、第2のファンモータは、既定値によって第1の作動速度から変更した第2の作動速度を有することができる。
【0076】
例えば、空気清浄機がa、b、cの3個のファンモータを備えていると仮定すると、このなかのファンモータaを、第1のファンモータとし、そして、第1の作動速度である100rpmで作動させることができるものとする。ファンモータb、cは、第2のファンモータとすることができる。ファンモータbは、第1の作動速度から既定値である50rpmを変更した第2の作動速度150rpmで作動することができ、また、ファンモータcは、第1の作動速度から既定値である100rpmを変更した第2の作動速度200rpmで作動することができる。
【0077】
第1のファンモータ駆動工程S20と第2のファンモータ駆動工程S30では、ファンモータが異なる作動速度で作動する。そのため、ファンモータの作動による騒音を減らすことができる。
【0078】
第2のファンモータ駆動工程S30では、第1のファンモータが作動し始めてから既定時間が過ぎた後に第2のファンモータを作動させることができる。即ち、
図5の(b)に示したように、第1のファンモータ駆動工程S20の後に、既定時間が過ぎたか否かを判定する(S31)。既定時間が過ぎたと判定した場合には、第2のファンモータ駆動工程S30を行うことができる。
【0079】
複数のファンモータを用いる場合、同一タイミングで複数のファンモータをオンまたはオフに切り替えるときにファンモータのインダクタンス特性によって回路の誤作動、部品の焼損及び破壊等が発生する可能性がある。この問題を防止するため、上述した工程S31が行われる。
【0080】
具体的には、複数のファンモータを用いる場合、単一のファンモータを用いる場合と比較して、ファンモータの内部のインダクターで発生する逆起電力が大きくなる可能性がある。特に、ファンモータ等の作動をオンまたはオフに切り替える時に発生する逆起電力は、空気清浄機の作動のための定格電圧と比較して、非常に高い電圧を有する。そのため、複数のファンモータが同時にオンまたはオフに切り替える場合には、回路の誤作動や部品の焼損等が発生する可能性が非常に高くなる。
【0081】
例えば、ファンモータは、12パルス/1回転となるようにホールセンサーフィードバック制御を行う。その結果、ファンモータへの入力電圧を0〜6.5Vの間に調整することができる。しかしながら、作動初期に電源を入れると共にモータの電源をオン又はオフに切り替え、または、モータの作動速度を変更すると、複数のファンモータのインダクター成分が大きな逆起電力を発生させる可能性がある。特に、上述したような理由で発生する製品の不良は、故障再現や分析が容易ではない。そのため、故障の原因を導出するのは困難である。
【0082】
そのため、複数のファンモータを作動させる場合には、一つのファンモータを作動させてから既定時間が過ぎた後に、他のファンモータを順次作動させるようにすることにより、上述した問題を解決することができる。
【0083】
既定時間は、ファンモータのインダクタンス特性、駆動電圧、及び負荷量のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。即ち、既定時間は、一つのファンモータで発生するインダクタンスが他のファンモータの起動に影響を与えない時間を意味することができる。
【0084】
さらに、第1のファンモータの作動速度をより高く設定することにより、ファンモータの通常の作動に必要な時間を減らすことができる。ファンモータの作動初期にはインダクターの作用が強く現れる。ファンモータを作動させた後にファンモータの作動速度を徐々に上げるとインダクターの作用が減る。この場合、複数のファンモータの間の干渉を最小化しながら空気清浄機を作動させることができる。
【0085】
したがって、第1の作動速度と第2の作動速度とを比較し、速い作動速度で作動するファンモータを先に作動させ、既定時間が過ぎた後に他のファンモータを作動させることができる。
【0086】
図6を参照すると、本発明の一実施の形態における空気清浄機のファン制御方法は、作動モード決定工程S40と、作動速度設定工程S50と、駆動工程S60とを含むことができる。
【0087】
本発明の一実施の形態におけるファン制御方法は、複数のファンと、複数のファンに連結されてファンを駆動する複数のファンモータとを有する空気清浄機に適用することができる。
【0088】
作動モード決定工程S40では、空気清浄機の作動強度が決定できる。作動強度は、自動で設定することができ、また、ユーザーによって入力された情報とすることができる。
【0089】
作動速度設定工程S50では、作動強度に対応する第1の作動速度と、第1の作動速度から既定値分だけ変更した第2の作動速度とを算出することができる。算出された第1の作動速度と第2の作動速度は、ファンモータの作動速度としてそれぞれ設定することができる。
【0090】
第1の作動速度は作動強度に基づいて設定した作動速度とし、また、第2の作動速度は第1の作動速度から既定値分だけ変更した値とすることができる。第2の作動速度は、それぞれのファンモータに対して互いに異なる速度に設定することができる。第2の作動速度は、第1の作動速度とそれぞれ既定値分だけ差をつけることができる。既定値は、ファンモータの負荷量、ファンの大きさ、及び空気清浄機の構造のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。
【0091】
例えば、空気清浄機がa、b、cの3個のファンモータを備えていると仮定すると、第1のファンモータをファンモータaとすることができる。第1の作動速度に既定値50rpmを加えることによって決定された第2の作動速度を、ファンモータbに設定することができる。第1の作動速度に既定値100rpmを加えることによって決定された第2の作動速度を、ファンモータcに設定することができる。前記空気清浄機に適用されるファンモータが前記3個以上の場合にも、上述したように、同じ方法を用いてそれぞれのファンモータに第2の作動速度を設定することができる。
【0092】
駆動工程S60では、ファンモータの一部を第1の作動速度で駆動し、また、前記他のファンモータを第2の作動速度で駆動することができる。即ち、設定された作動速度でファンモータを作動させることにより、ファンモータに連結されたファンを回転させることができる。言い換えると、異なる作動速度でファンモータを作動させることにより、騒音を減らすことができる。
【0093】
駆動工程S60では、複数のファンモータを同時にオンまたはオフに切り替えることにより発生することになる可能性がある回路の誤作動や、部品の焼損及び破壊を防止するために、ファンモータを順次作動させるようにすることができる。
【0094】
具体的には、駆動工程S60は、まず、第1のファンモータ作動工程を行って、第1のファンモータの作動を第1の作動速度で回転させることができる。そして、第1のファンモータの作動開始から既定時間が過ぎた後、第2のファンモータ作動工程を行って、第2のファンモータの作動を第2の作動速度で回転させることができる。
【0095】
即ち、第1のファンモータを作動させ、既定時間間隔をおいた後に第2のファンモータを作動させ始める。既定時間間隔は、ファンモータのインダクタンス特性、駆動電圧、及び負荷量のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。既定時間間隔が過ぎると、一つのファンモータで発生するインダクタンスが他のファンモータの起動に影響を与えないようにすることができる。
【0096】
さらに、上述したように、設定された作動速度の速いファンモータから作動させることにより、ファンモータの通常の作動に必要な時間を短縮することができる。第1の作動速度と第2の作動速度とを比較してから、速い作動速度で作動するファンモータを先に作動させ、既定時間が過ぎた後に他のファンモータを作動させることができる。
【0097】
上述したように、複数のファンモータをオンまたはオフに切り替える時に発生する逆起電力は、空気清浄機のファンモータが駆動し始めるときだけでなく、ファンモータの作動を停止するときにも発生する可能性がある。
【0098】
図7は、本発明の空気清浄機のファン制御方法の一例として、ファンの作動を停止させる場合の制御流れを示すフローチャートである。
【0099】
図7を参照すると、本発明の空気清浄機のファン制御方法は、停止決定工程S70と、第1のファンモータ停止工程S80と、第2のファンモータ停止工程S90及びS91と、を含むことができる。
【0100】
停止決定工程S70は、複数のファンモータのなかから作動を停止するべきファンモータを決定することができる。ファンモータすべての作動を停止させることもでき、一部のみの作動を停止させることもできる。
【0101】
第1のファンモータ停止工程S80は、作動を停止させるべきファンモータのなかから一つのファンモータの作動を停止させることができる。
【0102】
第2のファンモータ停止工程S90及びS91では、停止させるべきファンモータの数が2以上の場合、第1のファンモータ停止工程の開始後に既定時間が過ぎると(S91)、他の停止させるべきファンモータを停止させる(S90)ことができる。特に、第2のファンモータ停止工程S90及びS91は、停止させるべきファンモータがすべて停止するまで繰り返される。そのため、ユーザーの所望の作動強度又は自動で設定された作動強度で空気清浄機を作動させることができる。
【0103】
即ち、複数のファンモータを停止させる必要がある場合は、ファンモータを順次停止させることにより、ファンモータの作動停止によって発生するファンモータ間の干渉を最小化することができる。
【0104】
さらに、既定時間は、ファンモータのインダクタンス特性、駆動電圧、及び負荷量のうちの少なくとも一を考慮して決定することができる。即ち、既定時間とは、一つのファンモータの作動停止によって発生するインダクタンスが他のファンモータの作動停止に影響を与えない時間を意味することができる。
【0105】
さらに、作動を停止させるべきファンモータのうちで作動速度の高いファンモータから停止させることにより、作動を停止させるべきファンモータすべてを停止させるためにかかる時間を短縮させることができる。そのため、ファンモータの作動を停止させ始めた後では、インダクターの影響を少なくすることができる。
【0106】
図示してはいないが、本発明の一実施の形態による空気清浄機は、ファンモータと、ファンと、制御部とを含むことができる。
【0107】
ファンモータは、制御信号により設定される作動速度で作動する。ファンモータは、複数備えることができる。ファンは、ファンモータに連結されて回転し、空気の流れを形成する。ファンは、複数備えることができる。ファンとファンモータによって形成される空気の流れにより、外部の空気を空気清浄機の内部に流入させるとともに、空気清浄機の内部で浄化された空気を空気清浄機の外部に吐出させることができる。
【0108】
空気清浄機は壁掛け型の空気清浄機である。複数のファンモータとファンが回転することにより発生する騒音は、空気清浄機と壁との間の空間で共振して、より大きな騒音となる可能性がある。
【0109】
制御部は、共振による騒音の増加を防止するために、共振が起こらない条件で複数のファンモータの作動速度を制御することができる。
【0110】
具体的には、制御部は、空気清浄機のユーザーが入力した作動強度又は既定の空気清浄機の作動強度の入力を受けることができる。制御部は、作動強度に対応する第1の作動速度を設定することができる。さらに、この第1の作動速度に基づいて、制御部は、第1の作動速度を既定値分だけ変更した第2の作動速度、即ち、第1の作動速度で作動するファンモータと共に作動するファンモータが共振を起こさないようにする作動速度を設定することができる。
【0111】
その後、制御部は、複数のファンモータに制御信号を伝送して、ファンモータを設定された第1の作動速度及び第2の作動速度で作動させることができる。
【0112】
さらに、制御部は、複数のファンモータの作動を順次開始させ又は順次停止させることができる。したがって、制御部は、ファンモータをオンまたはオフに切り替える時の回路の誤作動、部品の焼損及び破壊等を防止するのを可能にすることができる。
【0113】
具体的には、複数のファンモータを用いる場合、ファンモータの内部に存在するインダクターで発生する逆起電力の大きさは、単一のファンモータを用いる場合と比較して、大きくなる可能性がある。特に、ファンモータ等の作動をオンまたはオフに切り替える時に発生する逆起電力は、空気清浄機の作動のための定格電圧と比較して、非常に高い電圧を有する。そのため、複数のファンモータが同時にオンまたはオフに切り替えられると、回路の誤作動や部品の焼損等が発生する可能性が非常に高くなる。
【0114】
逆起電力の発生を最小化するために、制御部は、ファンモータのオンまたはオフの切り替えを同時に行わず、ファンモータを個別で順次オンまたはオフに切り替えることができる。即ち、複数のファンモータのうちのいずれか一つを先に作動させ、既定時間間隔が過ぎると、別のファンモータを作動させる。
【0115】
逆起電力は、ファンモータの作動時と同様に、ファンモータの停止時にも発生する可能性がある。そのため、複数のファンモータの作動を順次停止させる必要がある。即ち、複数のファンモータのうちいずれか一つの作動を先に停止させてから、既定時間が過ぎた後に、他のファンモータの作動を停止させることができる。
【0116】
既定時間の間隔は、ファンモータのインダクタンス特性、駆動電圧、及び負荷量のうちの少なくとも一つを考慮して決定することができる。既定時間の間隔が過ぎると、一つのファンモータで発生するインダクタンスが他のファンモータの作動及び停止に影響しないようにすることができる。
【0117】
その上、設定された作動速度が速いファンモータから作動させるようにすると、ファンモータの作動正常化に必要な時間を短縮することができる。
【0118】
以上、本発明を例示的に示した一実施の形態と関連して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって明確にされているように本発明の技術的思想や範囲から逸脱することなく多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当業者にとって明確である。